JP2005039178A - 圧電アクチュエータおよびその製造方法、並びに液体吐出装置 - Google Patents

圧電アクチュエータおよびその製造方法、並びに液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動部とランド部の材料が異なる場合であっても、電気的な接続信頼性に優れた圧電アクチュエータおよびその製造方法、並びに液体吐出装置を提供することである。
【解決手段】駆動部15aとランド部15bとが異なる材料からなり、これらのうちの一方が銀を含有し、他方には、前記銀が拡散した拡散層が、これらの界面付近に形成されている圧電アクチュエータおよびこれを備えたインクジェット記録ヘッド(液体吐出装置)である。この圧電アクチュエータ11は、積層焼結体の表面に、AuまたはPtを主成分とする駆動部パターンを印刷し、焼き付け処理を行うことにより駆動部15aを形成した後、銀を主成分とするランド部パターンを、駆動部15aの一端に接するように印刷し、450〜600℃で焼き付け処理を行うことによりランド部15bを形成して得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電アクチュエータおよびその製造方法、並びに液体吐出装置に関し、より詳しくは例えば加速度センサ、ノッキングセンサ、AEセンサ等の圧電センサ、燃料噴射用インジェクター、インクジェット記録ヘッド、圧電共振子、発振器、超音波モーター、超音波振動子、フィルタ等に適し、特に広がり振動、伸び振動、厚み立て振動を利用したインクジェット記録ヘッドとして好適に用いられる圧電体アクチュエータおよびその製造方法、並びに液体吐出装置に関する。
従来から、圧電性セラミックスを利用した製品としては、例えば圧電アクチュエータ、フィルタ、圧電共振子(発振子を含む)、超音波振動子、超音波モーター、圧電センサ等がある。
これらの中で、圧電アクチュエータは、電気信号に対する応答速度が10-6秒台と非常に高速であるため、半導体製造装置のXYステージの位置決め用圧電アクチュエータやインクジェットプリンタのインクジェット記録ヘッドに用いられる圧電アクチュエータ等に応用されている。
圧電方式を利用したインクジェットプリンタに用いられるインクジェット記録ヘッドは、例えば図4(a)示すように、複数のインク流路101が並設され、各インク流路101を仕切る壁として隔壁102を形成した流路部材103上に圧電アクチュエータ104が設けられた構造を有する(特許文献1および特許文献2参照)。
圧電アクチュエータ104は、上面に内部電極110が設けられた振動板105上に、圧電セラミック層106および表面電極107がこの順に積層され、表面電極107が圧電セラミック層106の表面に複数配列されることにより、複数の圧電変位素子が形成されたものである。この圧電アクチュエータ104は、流路部材103上に、インク流路101と表面電極107との位置を揃えて取り付けられている。
上記のようなインクジェット記録ヘッドは、内部電極110と所定の表面電極107との間に電圧を印加して該表面電極107直下の圧電セラミック層106を変位させることにより、インク流路101内のインクを加圧して、流路部材103の底面に開口したインク吐出孔109よりインク滴を吐出する。
通常、内部電極110および表面電極107には、上記したように、これらの間に電圧を印加するために、図示しない外部接続配線基板からの外部配線がそれぞれ接続されている。例えば図4(b)に示すように、表面電極107は、圧電駆動に寄与する駆動部107aとこの駆動部107aの一端に形成された駆動電圧印加用のランド部107b(特許文献2では「接点」という)とを備え、このランド部107bに前記外部配線が半田付けや接点部材の圧接などによって接続される(特許文献2参照)。
駆動部107aとランド部107bは、圧電セラミック層106の表面に導体パターンを印刷し、焼き付け処理を行うことにより形成される。これらの駆動部107aおよびランド部107bは、通常、Auを主成分とし、同じ厚みに形成される。内部電極110は、ビア電極111を介して表面グランド端子電極112に接続されている。そして、この端子電極112およびランド部107bが、前記した外部配線基板からの外部配線に接続される。このとき、外部配線との接続信頼性を向上させるため、端子電極112は、ランド部107bと同じ厚みにする必要がある。
このように、両者を精度良く同じ厚みにするためには、同じ材料を使用しかつ同時に印刷し、焼き付け処理する必要がある。したがって、端子電極112は、ランド部107bと同様にAuを主成分とするのがよい。
しかしながら、内部電極110およびビア電極111として、Au以外の材料、例えばAg−Pd合金などを使用する場合、圧電セラミック層106の表面に駆動部107a、ランド部107bおよび端子電極112の導体パターンを印刷し、焼き付け処理を行った際に、端子電極112に含まれるAuが、Ag−Pdを主成分とするビア電極111中に拡散してしまうため、端子電極112が過度に収縮し、所望の厚みに形成することができず、外部配線との接続信頼性が低下するという問題がある。
したがって、上記のような場合には、端子電極112およびランド部107bの材料としてはAu以外の材料を使用する必要がある。一方で、駆動部107aとしては耐食性に優れた電気抵抗の低い薄膜電極を安定して形成できる点で、Auを使用するのが好ましい。したがって、駆動部107aとランド部107bを、異なる材料で形成しなければならない。しかし、従来は、駆動部107aとランド部107bは同じ材料で形成され、これらを異なる材料で形成した圧電アクチュエータを製造する手段は、未だ明らかにされていなかった。
そこで、本発明者らは、駆動部107aとランド部107bを異なる材料で形成するために、主成分が異なる駆動部用導体ペーストとランド部用導体ペーストとを、これらが相互に接するように圧電セラミック層106の表面に印刷し、種々の条件で焼き付け処理を行ったところ、駆動部107aおよび/またはランド部107bに貫通孔が多発したり、これらの界面において駆動部107aとランド部107bの接合部の密着性が低下することにより、電気的な接続信頼性が低下して断線しやすくなるという不具合が生じた。
特開平11−34321号公報図1 特開平11−34323号公報図1
したがって、本発明の目的は、駆動部とランド部の材料が異なる場合であっても、電気的な接続信頼性に優れた圧電アクチュエータおよびその製造方法、並びに液体吐出装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、上記のように貫通孔が多発するのは、駆動部とランド部の導体ペーストを形成し、これらを同時に焼き付け処理することにより、主成分の金属が相互に拡散・混合され、一方から他方への拡散および他方から一方への拡散が界面付近にとどまらず過度に進行し、ついには合金化してしまうためであるという新たな事実を見出した。また、駆動部とランド部の界面において、これらの接合部に密着性が低下するのは、これらが異なる材料で形成されているためであり、これらの界面付近において、成分の適度な拡散により形成された拡散層が存在すれば、駆動部とランド部との接合部の密着性が向上し、電気的な接続信頼性が向上するという新たな事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、上記事実に基づいて完成された本発明の圧電アクチュエータおよびその製造方法、並びに液体吐出装置は、以下の構成からなる。
(1) 振動板上に、内部電極、圧電セラミック層および表面電極がこの順に積層され、前記表面電極が、圧電駆動に寄与する駆動部とこの駆動部の一端に接続された駆動電圧印加用のランド部とを備えた圧電アクチュエータであって、前記駆動部とランド部とが異なる材料からなり、これらのうちの一方が銀を含有し、他方には、前記銀が拡散した拡散層が、前記駆動部とランド部との界面付近に形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
(2) 前記駆動部がAuまたはPtを主成分とする(1)記載の圧電アクチュエータ。
(3) 前記ランド部が銀を主成分とする(1)または(2)記載の圧電アクチュエータ。
(4) 前記ランド部が副成分としてSiおよびBiを含有する(3)記載の圧電アクチュエータ。
(5) 前記ランド部の厚みが前記駆動部よりも厚い(1)〜(4)のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
(6) 前記駆動部の厚みが1μm以下で、前記ランド部の厚みが3〜20μmである(1)〜(5)のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
(7) 前記拡散層では、銀の濃度が連続的に変化している(1)〜(6)のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
(8) 振動板上に、内部電極および圧電セラミック層がこの順に積層された積層焼結体の表面に、AuまたはPtを主成分とする駆動部パターンを印刷し、焼き付け処理を行うことにより駆動部を形成した後、銀を主成分とするランド部パターンを、前記駆動部の一端に接するように印刷し、450〜600℃で焼き付け処理を行うことによりランド部を形成することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
(9) 前記(1)〜(7)のいずれかに記載の圧電アクチュエータを、液体吐出孔を有する液体加圧室と、この液体加圧室に液体を供給するための液体供給口とを備えた加圧室部材上に、前記液体加圧室と前記駆動部との位置を揃えて取り付けたことを特徴とする液体吐出装置。
前記(1)に記載の圧電アクチュエータによれば、駆動部とランド部とが異なる材料からなり、これらのうちの一方が銀を含有している。そして、他方には、駆動部とランド部との界面付近に、前記銀が拡散した拡散層が形成されている。すなわち、この圧電アクチュエータでは、従来のように、駆動部とランド部を形成する主成分の金属が相互に拡散・混合され、一方から他方への拡散および他方から一方への拡散が過度に進行するのではなく、銀が一方から他方へ適度に拡散し、これらの界面付近にのみ拡散層が形成されている。これにより、拡散が過度に進行することによる貫通孔の発生を防止することができる。また、銀の適度な拡散層が形成されているので、駆動部とランド部の接合部の密着性が向上している。これにより、駆動部とランド部の電気的な接続信頼性に優れた圧電アクチュエータを得ることができる。
前記(2),(3)記載のように、駆動部としてはAuまたはPtを主成分とするのが好ましく、ランド部としては銀を主成分とするのが好ましい。これにより、例えば内部電極およびビア電極の材料としてAg−Pd合金を使用した場合であっても、ビア電極に接続する表面グランド端子電極と、ランド部とを精度よく同じ厚みに形成することができるので、外部配線との接続信頼性が低下するのを防止することができる。
前記(4)記載の圧電アクチュエータによれば、ランド部が副成分としてSiおよびBiを含有しているので、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などで形成される圧電セラミック層との接着強度を高めることができる。特に、Biは焼き付け処理時に液相を形成するので、強固な接着層を形成することができる。
前記(5),(6)記載の圧電アクチュエータによれば、ランド部の厚みを駆動部よりも厚くしている。具体的には、駆動部の厚みを1μm以下とし、ランド部の厚みを3〜20μmとすることによって、駆動部においては変位時の拘束を抑制し、変位量を大きくすることができ、ランド部においては外部配線との十分な接合強度を確保することができる。
前記(7)記載の圧電アクチュエータによれば、拡散層において銀の濃度が連続的に変化しているので、駆動部とランド部との間での残留応力を緩和しやすく、また、拡散層が形成されることに起因する変位素子への影響も小さくすることができる。
前記(8)記載の製造方法によれば、駆動部とランド部とを従来のように1回の焼き付け処理で形成するのではなく、別々に形成している。すなわち、積層焼結体の表面に駆動部パターンを印刷し、焼き付け処理を行うことにより駆動部を形成した後、ランド部パターンを印刷し、焼き付け処理を行ってランド部を形成している。また、ランド部パターンの焼き付け温度を450〜600℃としていることが重要である。このような順序および温度条件で駆動部とランド部とを形成することにより、駆動部の主成分であるAuまたはPtがランド部側に拡散するのを抑制すると共に、ランド部の主成分であるAgを駆動部側に適度に拡散させることが可能となる。これにより、駆動部とランド部の材料が異なる場合であっても、貫通孔の発生が抑制され、電気的な接続信頼性に優れた圧電アクチュエータを得ることができる。
前記(9)記載の液体吐出装置は、上記のような圧電アクチュエータを備えているので、電気的な接続信頼性に優れている。
以下、本発明の一実施形態にかかる圧電アクチュエータおよびその製造方法、並びに液体吐出装置について、図面を参照して詳細に説明する。図1(a)は、本実施形態の圧電アクチュエータを示す平面図であり、図1(b)はそのA−A線断面図である。また、図2は表面電極付近を拡大した断面図である。
この圧電アクチュエータ11は、振動板12上に、内部電極13、圧電セラミック層14および表面電極15がこの順に積層されたものである。振動板12は、セラミック層により構成されている。内部電極13は、圧電アクチュエータ11の厚み方向に形成されたビア電極19と電気的に接続されており、このビア電極19を介して表面グランド端子電極20に接続されている。
表面電極15は、圧電駆動に寄与する駆動部15aとこの駆動部15aの一端に接続された駆動電圧印加用のランド部15bとを備え、圧電セラミック層14の表面に複数配列されている。また、図2に示すように、ランド部15bは、駆動部15aの端部側面と端部上面を覆うようにして形成されている。
ランド部15bおよび端子電極20は、図示しない外部接続配線基板からの外部配線にそれぞれ接続されている。圧電アクチュエータ11では、表面電極15の駆動部15a、該駆動部15a直下の圧電セラミック層14および内部電極13により複数の圧電変位素子が形成されており、表面電極15と内部電極13との間に、前記外部配線を通じて電圧を印加することによって、圧電変位素子が撓み変形する。
圧電アクチュエータ11の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは100μm以下であるのがよい。このように薄層にすることで、大きな変位を得ることができ、低電圧で高効率の駆動を実現できる。特に、圧電アクチュエータ11としての特性を十分に発揮できる点で、好ましくは80μm以下、より好ましくは65μm以下、さらに好ましくは50μm以下であるのがよい。一方、厚みの下限値は、十分な機械的強度を有し、取扱いおよび作動中の破壊を防止するため、3μm、好ましくは5μm、より好ましくは10μm、さらに好ましくは20μmであるのがよい。
圧電セラミック層14としては、圧電性を示すセラミックスを用いることができ、具体的には、例えばBi層状化合物(層状ペロブスカイト型化合物)、タングステンブロンズ型化合物、Nb系ペロブスカイト型化合物(Nb酸ナトリウムなどのNb酸アルカリ化合物(NAC)、Nb酸バリウムなどのNb酸アルカリ土類化合物(NAEC))、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)、Pbを含有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛等のペロブスカイト型化合物を含有する物質を例示できる。
上記のうち、特に、少なくともPbを含むペロブスカイト型化合物であるのがよい。例えば、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)、Pbを含有するジルコン酸チタン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛等を含有する物質が好ましい。特に、Aサイト構成元素としてPbを含有し、かつBサイト構成元素としてZrおよびTiを含有する結晶であるのがよい。このような組成にすることで、高い圧電定数を有する圧電セラミック層が得られる。これら中でもチタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸鉛が、大きな変位を付加する上で好適である。ペロブスカイト型結晶の一例として、PbZrTiO3を好適に使用できる。
また、圧電性セラミックスには、他の酸化物を混合してもよく、さらに、特性に悪影響がない範囲であれば、副成分としてAサイトおよび/またはBサイトに他元素が置換していてもよい。例えば、副成分としてZn、Sb、NiおよびTeを添加したPb(Zn1/3Sb2/3)O3およびPb(Ni1/2Te1/2)O3の固溶体であってもよい。圧電セラミック層14の厚みは、3〜40μm程度、好ましくは5〜25μm程度であるのがよい。
振動板12としては、絶縁性の高いものであればよいが、好ましくは圧電性セラミックスであるのがよく、より好ましくは圧電セラミック層14と略同一の材料であるのがよい。これにより、振動板12と圧電セラミック層14とを同時焼成で作製する際において圧電アクチュエータ11内の焼成収縮を均等にすることができるので、反り変形を抑制することができる。振動板12の厚みは、5〜100μm程度、好ましくは10〜30μm程度であるのがよい。
内部電極13としては、導電性を有するものならばいずれでもよく、Au、Ag、Pd、Pt、Cu、Alやそれらの合金などを用いることができ、具体的には、例えばAg−Pd合金を例示できる。内部電極13の厚みは、導電性を有しかつ変位を妨げない程度である必要があり、一般に、0.5〜5μm程度、好ましくは1〜4μmであるのがよい。
表面電極15の駆動部15aおよびランド部15bとしては、導電性を有するものならば何れでもよく、Au、Ag、Pd、Pt、Cu、Alやそれらの合金などを用いることができるが、本発明では、駆動部15aとランド部15bとが異なる材料からなり、これらのうちの一方が銀を主成分とすることが重要である。特に、駆動部15aがAuまたはPtを主成分とし、ランド部15bがAgを主成分とするのが好ましい。ランド部15bがAgを主成分とする場合、図2に一点鎖線で示すように、Agが拡散した拡散層Dが駆動部15aとランド部15bとの界面付近に形成される。この拡散層Dでは、ランド部15bから遠ざかるにつれてAgの濃度が連続的に減少している。
また、ランド部15bには、副成分としてSiおよびBiが含まれているのが好ましい。このSiの含有量は0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%であるのがよく、Biの含有量は0.1〜15質量%、好ましくは1〜10質量%であるのがよい。
駆動部15aの厚みは、変位時の拘束を抑制するために薄くするのがよく、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.1〜0.8μmであるのがよい。ランド部15bの厚みは、外部接続配線基板からの外部配線との接続強度を確保するために厚くするのがよく、好ましくは3〜20μm、より好ましくは5〜15μmであるのがよい。
ビア電極19としては、導電性を有するものならばいずれでもよく、Au、Ag、Pd、Pt、Cu、Alやそれらの合金などを用いることができ、具体的には、例えばAg−Pd合金を例示できる。表面グランド端子電極20としては、導電性を有するものならばいずれでもよく、Au、Ag、Pd、Pt、Cu、Alやそれらの合金などを用いることができるが、好ましくはランド部15bと同じ材料であるのがよい。端子電極20の厚みは、外部接続配線基板からの外部配線との接続強度を確保するために厚くするのがよく、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜15μmであるのがよい。特に、外部配線との接続信頼性を向上させるために、ランド部15bと同じ厚みであるのがよい。
次に、圧電アクチュエータ11の製造方法について説明する。
(a) まず、前記した圧電性セラミックスの原料粉末を主成分とするグリーンシートを必要枚数作製する。
(b) ついで、(a)で作製したグリーンシートのうち、一部のグリーンシートに貫通孔を形成する。貫通孔が形成されたグリーンシートにスクリーン印刷によりビア電極19となる導体を充填する。また、内部電極13を形成するグリーンシートの略全面にはスクリーン印刷により内部電極パターンを形成する。
(c) ついで、(a)および(b)で作製したグリーンシートを、図1に示す構成となるように積層して積層体を形成する。
(d) さらに、この積層体を所定の形状に切断した後、900〜1100℃程度で焼成して積層焼結体を作製する。
(e) この積層焼結体の表面に、例えばAuまたはPtを主成分とする駆動部パターンを印刷し、600〜800℃程度で焼き付け処理を行うことにより駆動部を形成した後、Agを主成分とするランド部パターンを、駆動部15aの一端に接するように印刷し、さらに表面グランド端子電極20となる導体パターンをビア電極19上に印刷し、450〜600℃で焼き付け処理を行うことによりランド部15bおよび端子電極20を形成する。これにより、圧電アクチュエータ11を得ることができる。
ランド部パターンの焼き付け処理温度が450℃未満になると、駆動部15aへのAgの拡散が起こらないため、駆動部15aとランド部15bとの密着性が低下するおそれがある。一方、ランド部パターンの焼き付け処理温度が600℃を超えると、駆動部15aの成分に凝集が発生して通電不良や駆動部15aの面積が設計値よりも小さくなるおそれがある。
次に、本実施形態のインクジェット記録ヘッドについて説明する。図3は、本実施形態のインクジェット記録ヘッドを示す断面図である。このインクジェット記録ヘッドは、圧電アクチュエータ11を、インク吐出孔(液体吐出孔)22を有する複数のインク流路(液体加圧室)23が配列された流路部材(加圧室部材)21上に、インク流路23と駆動部15aとの位置を揃えて取り付けたものである。
流路部材21は圧延法等によって得られ、インク吐出孔22およびインク流路23はエッチングにより所定の形状に加工されて設けられる。この流路部材21は、Fe−Cr系、Fe−Ni系、WC−TiC系の群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることが望ましく、特にインクに対する耐食性の優れた材質からなることが望ましく、Fe−Cr系がより好ましい。
圧電アクチュエータ11と流路部材21とは、例えば接着層を介して積層接着することができる。接着層としては、周知のものを使用することができるが、圧電アクチュエータ11や流路部材21への影響を及ぼさないために、熱硬化温度が100〜250℃のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂系の接着剤を用いるのがよい。このような接着層を用いて熱硬化温度にまで加熱することによって、圧電アクチュエータ11と流路部材21とを加熱接合することができ、これによりインクジェット記録ヘッドを得ることができる。そして、内部電極13と所定の表面電極15との間に電圧が印加されると、電圧が印加された駆動部15a直下の圧電セラミック層14が変位してインク流路23内のインクが加圧され、インク吐出孔22よりインク滴が吐出される。
このようなインクジェット記録ヘッドは、高速で高精度な吐出が可能であり、高速印刷に好適である。また、このようなインクジェット記録ヘッドと、該インクジェット記録ヘッドにインクを供給するインクタンクと、記録紙に印刷するための記録紙搬送機構とを備えたプリンタは、高速・高精度印刷を容易に実現することができる。
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態のみに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良したものにも適用できることは言うまでもない。
例えば、圧電セラミック層、内部電極等の積層枚数は特に限定されるものではなく、必要に応じて増減することができる。
また、上記実施形態では、圧電アクチュエータをインクジェット記録ヘッドに適用した場合について説明したが、本発明の圧電アクチュエータは、例えば圧電センサ、超音波振動子、マイクロポンプ等にも適用できる。
以下、実施例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
以下のようにして図1に示すような圧電アクチュエータを作製した。
まず、PZTからなる圧電性セラミックスの原料粉末を主成分とするグリーンシートを必要枚数作製した。ついで、上記で作製したグリーンシートのうち、一部のグリーンシートに貫通孔を形成し、この貫通孔にスクリーン印刷によりビア電極となるAg−Pdを主成分とする導体を充填した。また、内部電極を形成するグリーンシートの略全面にはスクリーン印刷によりAg−Pdを主成分とする内部電極パターンを形成した。
ついで、上記で作製した各グリーンシートを、図1に示す構成となるように積層して積層体を形成した。この積層体を所定の形状に切断した後、900〜1100℃程度で焼成して積層焼結体を作製した。
この積層焼結体の表面に、有機金ペーストからなる駆動部パターンを印刷し、600〜750℃で焼き付け処理を行うことにより厚み0.3μmの駆動部を形成した後、ガラスフリットの入ったAgペーストからなるランド部パターンを、駆動部の一端に重なるように印刷し、さらにAgを主成分とする導体パターンをビア電極上に印刷し、450〜600℃で焼き付け処理を行うことにより厚み6μmのランド部および厚み6μmの表面グランド端子電極を形成した。これにより、圧電アクチュエータを得た。
次に、得られた圧電アクチュエータに30億回繰り返し通電を行い、圧電駆動させた。その後、駆動部とランド部の界面における接合部は初期状態が維持されており、圧電アクチュエータの駆動に異常は見られなかった。
(a)は本発明の圧電アクチュエータを示す平面図であり、(b)はその断面図である。 図1に示す圧電アクチュエータの表面電極付近を拡大した断面図である。 本発明のインクジェット記録ヘッド(液体吐出装置)を示す断面図である。 従来のインクジェット記録ヘッドを示す断面図である。
符号の説明
11 圧電アクチュエータ
12 振動板
13 内部電極
14 圧電セラミック層
15 表面電極
15a 駆動部
15b ランド部
19 ビア電極
20 表面グランド端子電極
21 流路部材
22 インク吐出孔
23 インク流路

Claims (9)

  1. 振動板上に、内部電極、圧電セラミック層および表面電極がこの順に積層され、前記表面電極が、圧電駆動に寄与する駆動部とこの駆動部の一端に接続された駆動電圧印加用のランド部とを備えた圧電アクチュエータであって、
    前記駆動部とランド部とが異なる材料からなり、これらのうちの一方が銀を含有し、他方には、前記銀が拡散した拡散層が、前記駆動部とランド部との界面付近に形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記駆動部がAuまたはPtを主成分とする請求項1記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記ランド部が銀を主成分とする請求項1または2記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記ランド部が副成分としてSiおよびBiを含有する請求項3記載の圧電アクチュエータ。
  5. 前記ランド部の厚みが前記駆動部よりも厚い請求項1〜4のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  6. 前記駆動部の厚みが1μm以下で、前記ランド部の厚みが3〜20μmである請求項1〜5のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  7. 前記拡散層では、銀の濃度が連続的に変化している請求項1〜6のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  8. 振動板上に、内部電極および圧電セラミック層がこの順に積層された積層焼結体の表面に、AuまたはPtを主成分とする駆動部パターンを印刷し、焼き付け処理を行うことにより駆動部を形成した後、銀を主成分とするランド部パターンを、前記駆動部の一端に接するように印刷し、450〜600℃で焼き付け処理を行うことによりランド部を形成することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の圧電アクチュエータを、液体吐出孔を有する液体加圧室と、この液体加圧室に液体を供給するための液体供給口とを備えた加圧室部材上に、前記液体加圧室と前記駆動部との位置を揃えて取り付けたことを特徴とする液体吐出装置。
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