JP2005037917A - ドラムフランジ - Google Patents

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Abstract

【課題】感光体ドラムの大型化や、装置コストの増大等を生じることなく、極めて簡単な手段により、回り止め用金属板の爪によるドラム端部の膨らみが有効に抑制されたドラムフランジを提供する。
【解決手段】中空円筒形状の感光体ドラム50の端部に嵌合固定されるドラムフランジにおいて、フランジ板1aと該フランジ板の一方の面に形成されている扁平円柱部1bとを有する樹脂製フランジ本体1と、該樹脂製フランジ本体の扁平円柱部に固定された回り止め金属板2とからなり、前記回り止め金属板は、前記樹脂製フランジ本体のフランジ板よりも小径の円板状の基板部と、該基板部の外周縁に形成された複数の爪12とからなり、前記爪は、樹脂製フランジ本体1のフランジ板外周縁から少なくとも先端が突出した傾斜部を有しており、該傾斜部は、樹脂製フランジ側に傾斜している。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ等の画像形成装置の感光体ドラムに使用されるドラムフランジに関する。
電子写真法による画像形成装置では、回転する感光体ドラム表面を所定極性に一様に帯電し、次いで所定の原稿情報に基づいての光照射による画像露光を行って静電荷像を形成し、この電荷像を現像してトナー像を形成し、このトナー像を所定の用紙に転写し、定着ローラでの加熱及び加圧によって該トナー像を用紙に定着することにより、画像形成が行われる。また、トナー像転写後において、感光体ドラム表面は、クリーニングブレード等によりクリーニングされて残存するトナーが除去され、さらに必要により光照射等による除電が行われ、次の画像形成行程が行われる。
上述した画像形成装置に使用される感光体ドラムは、アルミニウム等の金属乃至合金からなる中空の導電性素管上に感光層を形成したものであり、画像形成に際しては一定速度で回転させる必要があるため、その両端部には、ドラムフランジを嵌合固定し、このドラムフランジに回転軸を通すことにより、感光体ドラムを回転するようになっている。
ドラムフランジとしては、樹脂製フランジ本体と該フランジ本体の内面に固定された回り止め用金属板とからなる構造のものが知られており、この回り止め用金属板は、感光体ドラム(感光層の下の導電性素管)のアース取り用部材としての機能も有している(特許文献1)。
特許第3283786号公報(図2、図5)。
上記特許文献1に開示されているドラムフランジは、回り止め用金属板の外周縁に樹脂製フランジ本体よりも突出した爪を複数設けたものであり、このようなドラムフランジを感光体ドラムの素管の両端部に嵌め込むことにより、爪が樹脂製フランジ本体と感光体ドラムの素管の内面にがっちりと食い込み、空回り等を生じることなく、ドラムフランジと感光体ドラムとを一体に回転することが可能となるというものである。
しかしながら、上記のようなドラムフランジを感光体ドラムの両端部に嵌合固定した場合には、回り止め用金属板に形成されている爪により、該ドラム(素管)端部が膨らんでしまうという問題があった。このような膨らみは、ドラム端部に接触させる部材を設けない場合には特に問題とはならないが、現像器と感光体ドラムとの間隔を一定に設定するための現像コロのような間隔調整部材を設ける場合には、この膨らみによって、現像器等の部材と感光体ドラムとの間隔にバラツキが生じたり、或いは画像形成が実行される感光体ドラムの中央部分において、所定の間隔が設定されず、例えば白抜け等の画像不良を生じるおそれがある。また、タンデム式フルカラー画像形成装置のように、複数の感光体ドラムを用い、各感光体ドラムで形成された各色のトナー像を色重ねしてフルカラー画像を形成する場合には、上記のような膨らみは、色ずれなどの原因となる。
上記のような回り止め用金属板の爪によるドラム端部の膨らみが画像形成に与える影響を回避するための手段としては、以下の手段が考えられる。
(a)感光体ドラムの素管長を長くし、爪によって膨らむ部分には、現像コロの如き、間隔調整部材が接触しないようにする。
(b)回り止め用金属板を使用せずに、フランジ本体(導電性フランジ)を接着剤により感光体ドラムに固定する。
しかるに、(a)の手段では、感光体ドラムが不必要に大型となってしまい、画像形成装置の軽量化、コンパクト化の点で不利となる。また、(b)の手段では、材料コストや組み立て工程数の増大をもたらし、さらには歩留まりにも影響を与えるという問題がある。
従って本発明の目的は、感光体ドラムの大型化や、装置コストの増大等を生じることなく、極めて簡単な手段により、回り止め用金属板の爪によるドラム端部の膨らみが有効に抑制されたドラムフランジを提供することにある。
本発明によれば、中空円筒形状の感光体ドラムの端部に嵌合固定されるドラムフランジにおいて、
フランジ板と該フランジ板の一方の面に形成されている扁平円柱部とを有する樹脂製フランジ本体と、該樹脂製フランジ本体の扁平円柱部に固定された回り止め金属板とからなり、
前記回り止め金属板は、前記樹脂製フランジ本体のフランジ板よりも小径の円板状の基板部と、該基板部の外周縁に形成された複数の爪とからなり、
前記爪は、前記樹脂製フランジ本体のフランジ板外周縁から少なくとも先端が突出した傾斜部を有しており、該傾斜部は、樹脂製フランジ側に傾斜していることを特徴とするドラムフランジが提供される。
本発明においては、
1.前記爪の傾斜部の鉛直線に対する傾斜角θは、15乃至60度の範囲に設定されていること、
2.前記複数の爪の傾斜部先端が形成する仮想外周円の直径Xは、感光体ドラムの内径に対して1mm以上、4mm未満大きく設定されていること、
3.前記回り止め金属板の基板部には、ドラム回転軸に接触し得るアース片が形成されていること、
4.前記回り止め金属板の円板状の基板部の外周縁には、凹部が形成されており、該凹部から前記爪が延びており、該爪の傾斜部の付け根部分が、該凹部内に位置していること、
5.前記爪の傾斜部の付け根部分は、前記樹脂製フランジ本体の扁平円柱部の外周面から突出していること、
6.前記樹脂製フランジ本体のフランジ板の内面には、前記扁平円柱部を取り囲むように且つ該扁平円柱部と同心円状に形成された嵌合用筒状壁が設けられており、該嵌合用筒状壁には、前記爪の傾斜部が通過する切欠き部が形成されていること、
が好適である。
概説すると、本発明の重要な特徴は、樹脂製フランジ本体の内面に固定される回り止め用金属板に形成される爪を、フランジ本体側に傾斜して形成する点に存する。即ち、この爪は、このフランジを感光体ドラムの素管内部に嵌め込む方向とは反対方向に傾斜しているのであり、これにより、このドラムフランジを感光体ドラムに嵌め込んだときに生じる爪の反力が適度な範囲に調整され、感光体ドラムの素管の膨らみを生じることなく、がっちりと感光体ドラムに固定することが可能となるというものである。
即ち、本発明のドラムフランジは、感光体ドラムの素管の膨らみを生じることなく、がっちりと該ドラムの素管に嵌合固定できるため、例えば現像コロのように間隔調整部材をドラム端部に接触させた場合にも、白抜けなどの画像不良を抑制でき、また、タンデム式のフルカラー画像形成装置に適用した場合にも、色ずれなどを有効に回避することができる。
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて説明する。
図1は、本発明のドラムフランジの一例の斜視図であり、
図2は、図1のドラムフランジの樹脂製フランジ本体の正面図及び側面図であり、
図3は、図1のドラムフランジにおける回り止め金属板の正面図であり、
図4は、図3の回り止め金属板のA−A断面を樹脂製フランジ本体とともに示す図であり、
図5は、図1のドラムフランジが感光体ドラムに嵌合固定された状態を示す部分拡大側断面図であり、
図6は、本発明のドラムフランジの好適例の側断面図であり、
図7は、図6のドラムフランジの回り止め金属板の要部を示す図であり、
図8は、図6のドラムフランジの側面を示す図である。
図1乃至図5において、本発明のドラムフランジは、扁平円柱形状の樹脂製フランジ本体1と、この樹脂製フランジ本体1の内面に固定された回り止め金属板2とからなっており、感光体ドラム50(図1、図5参照)の両端部分に回り止め金属板2側から嵌合(圧入)されるものである。この感光体ドラム50は、アルミニウム等の軽金属からなる導電性素管51(通常、0.5乃至1.5mm程度の厚みを有する)上に、それ自体公知の感光層52を形成したものである。
この樹脂製フランジ本体1は、フランジ板1aと、フランジ板1aの内面に形成されている扁平円柱部1bとから形成されており、電気絶縁性であり、例えばポリカーボネート、ポリアミド等の硬質の樹脂から形成されている。また、回り止め金属板2は、例えばアルミニウム、銅等の折り曲げ等を容易に行い得る金属材料から形成されている。
特に図2(a),(b)を参照して、扁平円柱形状の樹脂製フランジ本体1は、その中心部にボス5が形成されており、このボス5内の軸孔6を感光体ドラム50の回転軸が貫通するようになっている。尚、図示されていないが、ボス5内には、例えばキー溝が設けられており、ボス5内を貫通する回転軸と一体にフランジ本体1が回転し得るように構成されている。また、このボス5に適当なカップラー等を嵌め込んで樹脂製フランジ本体1を回転させて感光体ドラム50を回転させる場合などでは、軸孔6は形成されていなくてもよいし、或いは軸孔6を貫通させる軸を固定とし、樹脂製フランジ本体1を回転させて感光体ドラム50を回転させることもできる。
また、上記フランジ本体1の内面には、図2(a)に示されているように、ピン7が複数形成されており、このピン7により、回り止め金属板2がフランジ本体1の内面に固定されるようになっている。
さらに、図2(b)から明らかな通り、フランジ本体1のフランジ板1aは大径となっており、このフランジ板1aの径は、感光体ドラム50の素管51の内径よりも1.5mm程度大きくなっている。一方、フランジ板1aの内面に形成されている扁平円柱部1bの外径は、感光体ドラム50の素管51の内径と同程度或いはそれよりも0.2mm以内の範囲で大きく設定されている。即ち、ドラムフランジを感光体ドラム50の両端部に嵌め込んだとき、フランジ本体1のフランジ板1aが蓋となり、扁平円柱部1bのみが素管51内に圧入されるようになっている。一般に、扁平円柱部1bのフランジ板1aの内面からの高さdは、4乃至7mm程度である。尚、扁平円柱部1bには、回り止め金属板2を固定するためのピン7が設けられている。
図3及び図4を参照して、上記のフランジ本体1の内面に固定される回り止め金属板2は、上記扁平円柱部1bよりも小径の基板10と、この基板10の外周縁に形成された複数の爪12とから構成されている(図では、爪12は6個形成されている)。
特に図3から明らかな通り、基板10は、実質的には円板形状であり、その中心部には、感光体ドラム50の回転軸が貫通する軸孔10aが形成されており、この軸孔10aは、フランジ本体1に設けられているボス5の外径よりも大きな径を有している。また、この基板10には、フランジ本体1の扁平円柱部1bに形成されている複数のピン7に対応してピン孔10bが形成されている。即ち、このピン孔10bにフランジ本体1の内面に形成されているピン7を嵌め込むことにより、この基板10(回り止め基板2)がフランジ本体1の内面に固定されるようになっている。また、上記基板10の厚みは、これを構成する金属材料の材質によっても異なるが、通常、0.2乃至0.3mm程度である。
本発明において、複数の爪12は、通常、基板10の外周縁に対称的に形成され、前述した扁平円柱部1bの外周面から突出した傾斜部12aを有している。即ち、図5に示されているように、このドラムフランジを感光体ドラム50の素管51内に嵌め込むと、爪12が折れ曲がって素管51の内面とフランジ本体1の周面1bとの間に食い込み、これにより、フランジ本体1がドラム50の素管51にがっちりと固定されるものである。
本発明では、図4及び図5から明らかな通り、爪12の傾斜部12aは、フランジ本体1側に向かって傾斜していること(即ち、ドラムフランジを素管51内に嵌め込む方向とは逆方向に傾斜していること)が重要であり、予め、このような傾斜を持たせて爪12を形成しておくことにより、ドラムフランジをドラム50の素管51内に圧入したときに生じる素管51の膨らみを有効に抑制することが可能となるものである。即ち、爪12に予め傾斜を持たせておくことにより、素管51内に圧入したときの爪12の反力を適当な範囲に調整することができ、ドラムフランジの空回りを防止しつつ、素管51の膨らみを抑制することができる。
本発明において、上記の爪12の傾斜部12aの鉛直線に対する傾斜角θは、一般に、15乃至60度の範囲にあることが好ましい。この傾斜角θが上記範囲よりも小さいと、ドラムフランジを圧入したときの爪12の屈曲による反力が大きく、素管51の膨らみを生じやすくなる。また、傾斜角θが上記範囲よりも大きいと、爪12の屈曲による反力が小さくなり、この結果、ドラムフランジの嵌合固定力が弱くなり、回り止め防止機能が損なわれてしまう傾向がある。
また図4を参照して、爪12の傾斜部12aの長さqは、その先端が形成する仮想外周円Pの直径Xが、感光体ドラムの内径(素管51の内径)に対して1mm以上、4mm未満大きくなるように設定されていることが好ましい。この直径Xが、上記範囲よりも小さいと、圧入時の素管51の膨らみを抑制することはできるが、ドラムフランジの嵌合固定力が低下し、ドラムフランジの空回りを生じやすくなるおそれがある。また、上記範囲よりも大きいと、素管の膨らみを生じやすくなる。
爪12の傾斜部12aの付け根部12bの幅wは、2mm程度とするのがよい。この幅があまり短いと、ドラムフランジの嵌合固定力が弱まり、また、あまり大きいと、ドラムフランジの素管51内への圧入が困難となるおそれがある。さらに、爪12の個数は特に限定されるものではなく、適用する感光体ドラム50の素管51の内径によって、適宜の個数とすればよい。
本発明においては、回り止め金属板2には、基板10の外周縁を内方に屈曲させたアース片18(図1参照)を形成することができる。即ち、このアース片18は、先端に滑らかな曲率部18aを有しているとともに、互いに対向するように一対形成される。ドラムフランジを素管51に圧入し、ドラムの回転軸を通したときに、一対のアース片18がその回転軸を挟持するように接触するものである。これにより、画像形成時において、ドラムの素管51を接地電位に容易に保持することができ、感光層52の帯電による画像形成工程を有効に実行することができる。尚、このようなアース片18を備えたドラムフランジは、感光体ドラム50(素管51)の一方側の端部にのみ適用されればよく、他方側の端部には、アース片18を備えていないドラムフランジを適用すればよい。
また、本発明は、種々の設計変更が可能であるが、図6〜8のような構造とすることが最も好適である。
即ち、この好適例のドラムフランジの側断面構造を示す図6及び図6における回り止め金属板2の要部を示す図7を参照して、回り止め金属板2の円板状の基板部10の外周縁に凹部20が形成されており、爪12は、この凹部20から延びている。また、爪12の傾斜部12aの付け根部(屈曲部)12bは、この凹部12内に位置するようになっている。このようにして爪12を形成することにより、このドラムフランジを感光体ドラム50に装着する前の段階で、爪12が偶発的な外力によって折れ曲がってしまうという不都合を有効に回避することができる。
また、図6から明らかなように、この場合には、フランジ本体1の扁平円柱部1bをドラム1の内径よりも小さくし、爪12の傾斜部12aの付け根部分12bが扁平円柱部1bの外周面よりも突出させること、即ち、付け根部分12bを扁平円柱部1bと非接触とすることが好ましい。これにより、傾斜部12bの可撓性が高められ、傾斜部12aに可撓性と適度な反力を与えることができ、このフランジをドラム50内に圧入するとき、素管51に与える負荷が低減され、その膨らみを防止する上で、特に有利である。
さらに、図6のフランジ本体1の側面を示す図8を併せて参照して、この態様においては、フランジ本体1のフランジ板1aの内面には、扁平円柱部1bを取り囲むように且つ扁平円柱部1bと同心円状に嵌合用筒状壁22が設けられる。この嵌合用筒状壁22は、1乃至3mm程度の厚みを有するものであるが、その外径は、図1で示されている扁平円柱部1bと同様、素管51の内径と同程度或いはそれよりも0.2mm以内の範囲で大きく設定されている。これにより、この嵌合用筒状壁22を素管51の内部に圧入することができ、このドラムフランジを、ガタツキを生じることなく、がっちりと固定することができる。また、この場合、嵌合用筒状壁22には、爪12の傾斜部12aが通過する切欠き部25が形成されており、素管51内への圧入に際して、爪12の傾斜部12aの先端部分が折れ曲がり、筒状壁22と素管51との間にがっちりと挟持されるようになっており、前述した回り止め機能が有効に発揮され、さらにはアース片18と素管51との電気的導通を確実なものとすることができる。尚、この嵌合用筒状壁22は、扁平円柱部1bと同程度の高さを有していればよい。
以下、実験例に基づいて本発明を説明する。
実験例1〜8
感光体ドラム及び樹脂製フランジ本体として以下のものを使用した。
感光体ドラム:
アルミニウム製素管;内径28.5mm、厚み0.7mm
感光層:単層の有機感光層、厚み27μm
樹脂製フランジ本体:
扁平円柱部1bの高さd;6mm
扁平円柱部1bの外径;28.6mm
フランジ板1aの径;29.9mm
軸孔:6mm
上記の樹脂製フランジ本体に、爪の傾斜角θのみが種々異なる回り止め金属板(アルミ製、アーツ片付)を取り付けてドラムフランジを形成した。尚、用いた回り止め金属板の形状等は以下の通りである。
基板厚み:0.25mm
仮想外周円Pの径X:30.5mm
爪数:6個
爪の配置:図3
爪の傾斜部12aの付け根部12bの幅w:2mm
爪の傾斜部12aの長さq:2.6mm
上記で組み立てられた各ドラムフランジを、前述した感光体ドラムの両端部に取り付け、該ドラム端部での素管の膨らみ状態(目視判定)、ドラムフランジの引き抜き力及びドラムフランジの回転トルクを測定し、その結果を表1に示した。
尚、ドラム端部での素管の膨らみ状態は、ドラム端部の外径の最大値とドラムの軸方向中心の外径との差(μm)で示した。
また、ドラムフランジの引き抜き力は、感光体ドラムを固定し、ドラムフランジの軸孔に治具を挿入し、該治具を引っ張ったときのドラムフランジが引き抜かれたときの引っ張り力で示した。
さらに、ドラムフランジの回転トルクは、感光体ドラムを固定し、ドラムフランジを所定の治具で回転させたとき、回転が始まったときのトルクで示した。この値が大きいほど、ドラムフランジの嵌合固定力が大きく、この値が小さいほど、ドラムの空転を生じ易い。
また、上記のドラムフランジが圧入された感光体ドラムを、現像コロが使用されている京セラミタのプリンタ(FS1010)に装着し、画像形成を行い、白抜け発生の有無を観察し、その結果を表1に示した。
Figure 2005037917
実験例10
爪の傾斜角度が15度、30度、45度、60度に設定されている回り止め金属板について、それぞれ、その傾斜角度を代えず、爪の突出部長さを代えて、爪の先端の仮想外周円径Xを種々変更して実験例1〜9と同様の評価を行ったところ、仮想外周円径Xとドラムの素管Yとの差(X−Y)が1mm未満のときは、素管の膨らみは見られなかったが、引抜トルク及び回転トルクの何れも不満足であり、ドラムフランジの嵌合力が小さかった。
また、X−Yが4mm以上のときは、引抜トルク及び回転トルクの何れも満足し得る値を示したが、素管の膨らみが見られ、画像に白抜けがみられた。
さらに、X−Yが1mm以上、4mm未満のものは、素管の膨らみはみられず、画像の白抜けは生ぜず、また引抜トルク及び回転トルクの何れも満足し得る値を示した。
実験例11〜19
図6に示す構造を有し、且つ下記仕様の樹脂製フランジを用意した。
樹脂製フランジ本体:
扁平円柱部1bの高さd;6mm
扁平円柱部1bの外径;20mm
フランジ板1aの径;29.9mm
嵌合用筒状壁22(切欠き部有)
高さ:6mm
厚み:1.0mm
外径:28.6mm
軸孔:6mm
上記の樹脂製フランジ本体に、図6,7に示す形状を有し、爪の傾斜角θのみが種々異なる回り止め金属板(アルミ製、アーツ片付)を取り付けてドラムフランジを形成した。尚、用いた回り止め金属板の仕様は以下の通りである。
基板厚み:0.25mm
仮想外周円Pの径X:30.5mm
爪数:6個
爪の配置:図7
爪の傾斜部12aの付け根部12bの幅w:2mm
爪の傾斜部12aの付け根部12bの径:26mm
爪の傾斜部12aの長さq:2.5mm
上記で作製された各ドラムフランジを、実験例1〜9で用いた感光体ドラムに圧入し、実験例1〜9と同様の評価を行い、その結果を表2に示した。
Figure 2005037917
本発明のドラムフランジの一例の斜視図。 図1のドラムフランジの樹脂製フランジ本体の正面図及び側面図。 図1のドラムフランジにおける回り止め金属板の正面図。 図3の回り止め金属板のA−A断面を樹脂製フランジ本体とともに示す図。 図1のドラムフランジが感光体ドラムに嵌合固定された状態を示す部分拡大側断面図。 本発明のドラムフランジの好適例の側断面図。 図6のドラムフランジの回り止め金属板の要部を示す図。 図6のドラムフランジの側面を示す図。
符号の説明
1:樹脂製フランジ本体
1a:フランジ板
1b:扁平円柱部
2:回り止め金属板
10:基板
12:爪
12a:爪の傾斜部
12b:傾斜部の付け根部
20:凹部
22:嵌合用筒状壁
25:切欠き部

Claims (7)

  1. 中空円筒形状の感光体ドラムの端部に嵌合固定されるドラムフランジにおいて、
    フランジ板と該フランジ板の一方の面に形成されている扁平円柱部とを有する樹脂製フランジ本体と、該樹脂製フランジ本体の扁平円柱部に固定された回り止め金属板とからなり、
    前記回り止め金属板は、前記樹脂製フランジ本体のフランジ板よりも小径の円板状の基板部と、該基板部の外周縁に形成された複数の爪とからなり、
    前記爪は、前記樹脂製フランジ本体のフランジ板外周縁から少なくとも先端が突出した傾斜部を有しており、該傾斜部は、樹脂製フランジ側に傾斜していることを特徴とするドラムフランジ。
  2. 前記爪の傾斜部の鉛直線に対する傾斜角θは、15乃至60度の範囲に設定されている請求項1に記載のドラムフランジ。
  3. 前記複数の爪の傾斜部先端が形成する仮想外周円の直径Xは、感光体ドラムの内径に対して1mm以上、4mm未満大きく設定されている請求項2に記載のドラムフランジ。
  4. 前記回り止め金属板の基板部には、ドラム回転軸に接触し得るアース片が形成されている請求項1乃至3の何れかに記載のドラムフランジ。
  5. 前記回り止め金属板の円板状の基板部の外周縁には、凹部が形成されており、該凹部から前記爪が延びており、該爪の傾斜部の付け根部分が、該凹部内に位置している請求項1乃至4の何れかに記載のドラムフランジ。
  6. 前記爪の傾斜部の付け根部分は、前記樹脂製フランジ本体の扁平円柱部の外面から突出している請求項5に記載のドラムフランジ。
  7. 前記樹脂製フランジ本体のフランジ板の内面には、前記扁平円柱部を取り囲むように且つ該扁平円柱部と同心円状に形成された嵌合用筒状壁が設けられており、該嵌合用筒状壁には、前記爪の傾斜部が通過する切欠き部が形成されている請求項5または6に記載のドラムフランジ。
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