JP2005037606A - プラズマディスプレイ装置の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも書き込み期間を有する複数のサブフィールドからなるサブフィールド群の最初のサブフィールドに設けられ全ての前記放電セルを点灯状態にする初期化期間と、そのサブフィールド群内のサブフィールド毎に第1の電極に第1の電位を印加するとともに第3の電極に第2の電位を印加して放電セルに選択的に書き込み放電を行い非点灯状態にする書き込み期間と、前記書き込み放電を行っていない放電セルに対してのみ維持放電を行う維持期間とを有し、前記書き込み期間の直前に、緩やかに変化するとともに最終到達電位が第3の電位となる壁電荷調整波形を前記第1の電極に印加する壁電荷調整期間を設け、かつ前記第3の電位が前記第1の電位より大きい関係となる電圧波形を印加する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマディスプレイ装置の駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のプラズマディスプレイ装置の駆動方法に関して、図4〜図8を用いて説明する。
【0003】
まず、従来のAC型プラズマディスプレイパネル(以下、パネルという)の構造を図7を用いて説明する。図7に示すように、透明な前面側のガラス基板1上には、第1の電極である走査電極4と第2の電極である維持電極5とで対をなすストライプ状の表示電極が複数対形成され、この走査電極4および維持電極5は、それぞれ透明電極4a,5aおよびこの透明電極4a,5aに電気的に接続された銀等の母線4b,5bとから構成されている。また、前記前面側の基板1には、前記複数対の電極群を覆うように誘電体層2が形成され、その誘電体層2上には保護膜3が形成されている。
【0004】
背面側のガラス基板6上には絶縁体層7で覆われたデータ電極8が付設され、データ電極8の間の絶縁体層7上にデータ電極8と平行して隔壁9が設けられている。また、絶縁体層7の表面からと隔壁9の側面にかけて蛍光体10が設けられ、走査電極4および維持電極5とデータ電極8とが直交するようにガラス基板1とガラス基板6とを放電空間11を挟んで対向して配置されている。放電空間11には、放電ガスとして、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンの内少なくとも1種類の希ガスが封入されており、隣接する二つの隔壁9に挟まれ、データ電極8と対向する対をなす走査電極4と維持電極5との交差部の放電空間には放電セル12が構成されている。
【0005】
次に、上記パネルの電極配列は、図8に示すように、N行×M列の放電セルからなるマトリックス構成であり、行方向にはN行の走査電極SCN1〜SCNnおよび維持電極SUS1〜SUSnが配列され、列方向にはM列のデータ電極D1〜Dmが配列されている。
【0006】
プラズマディスプレイの発光を考えるにあたり、非常に重要になってくるのが、壁電荷という概念である。プラズマディスプレイの各電極間には、ある一定の電圧(Vf)以上の電圧をかけることはできず、もしこのVf以上の電圧が電極間にかかれば、放電を開始してしまう。この放電によって、各電極に蓄えられるのが壁電荷である。電極間電圧Vcは、外部印加電圧Vaと壁電荷Vwとによって次のように表現される。
【0007】
Vc=Va+Vw、Vc>Vfで放電開始
この放電には大きく分けて2種類あり、一つは、急激に外部印加電圧Vaが変化して、電極間電圧VcがVfを越えてしまうことによって発生する強放電であり、セルの電位状態を中和するように各電極に壁電荷がたまる。もう一つは、徐々に外部印加電圧Vaが変化することによって、徐々に電極間電圧VcがVfを越えることによって発生する弱放電である。この弱放電では、電極間電圧VcがVfの状態を保ったまま、壁電荷Vwがたまっていく。
【0008】
このパネルを用いたAC型プラズマディスプレイ装置の駆動方法の一例として、例えば特許文献1のものが知られている。この従来例について図4を用いて説明する。
【0009】
図4に示すように、初期化期間21では、走査電極4に印加されかつ正の徐々に変化する電圧波形Vset1と、維持電極5に印加されかつ負の徐々に変化する電圧波形Vset2とにより、弱放電が発生し、走査電極4に負の壁電荷が蓄積し、維持電極5には正の壁電荷が蓄積される。次に、維持電極5に電圧がGNDレベルまで上がった後、走査電極4をGNDレベルとし、維持電極5をVsus(V)へ偏移させる。この時、走査電極4の負の壁電荷と、維持電極5の正の壁電荷によって、狭放電を発生させ、走査電極4には正、維持電極5には負の壁電荷が蓄積され、セル内の電界強度が0になった時点で放電が終了する。さらに、維持電極5の印加電圧がGNDレベルとなり、走査電極4の電圧が維持電圧Vsus(V)まで上昇すると、すでに蓄えられていた壁電荷とともに強放電を起こし、壁電荷が反転する。つまり、走査電極4に先ほどとは逆の負の壁電荷を、維持電極5に正の壁電荷を蓄積する。ここで、セル内の電圧は、強放電が発生すると、これを中和するように壁電荷を蓄積して放電動作を終了するため、データ電極8も放電の影響を受け、Vsus(V)とGNDレベルの中間的な電圧の壁電荷が蓄積される。これにより、次に走査電極4をGNDレベルとし、書き込み放電が発生しないときには、維持期間において、維持電極5をVsus(V)まで上げることにより、再び壁電荷を反転させることができ、維持動作が可能となる。つまり、初期化期間21により、全セルを点灯状態にすることができる。
【0010】
書き込み期間22では、全ての維持電極5をGNDレベルに保持し、第1行目の表示する放電セルに対応する所定のデータ電極D1〜Dmに正の書き込みパルス電圧Vd(V)を、第1行目の走査電極SCN1に負の走査パルス電圧Vsc(V)をそれぞれに印加すると、所定のデータ電極D1〜Dmと第1行目の走査電極SCN1との交点部において、書き込み放電が起こる。次に、第2行目の表示する放電セルに対応する所定のデータ電極D1〜Dmに正の書き込みパルス電圧Vd(V)を、第2行目の走査電極SCN2に負の走査パルス電圧Vsc(V)をそれぞれに印加すると、所定のデータ電極D1〜Dmと第2行目の走査電極SCN2との交点部において書き込み放電が起こる。
【0011】
上記同様の動作が順次に行われて、最後に第N行目の表示する放電セルに対応する所定のデータ電極D1〜Dmに正の書き込みパルス電圧Vd(V)を、第N行目の走査電極SCNnに負の走査パルス電圧Vsc(V)をそれぞれに印加すると、所定のデータ電極D1〜Dmと第N行目の走査電極SCNnとの交点部において書き込み放電が起こる。この放電は、負の壁電荷を持つ走査電極に負の電圧を加え、正の壁電荷を持つデータ電極に正の電圧を加えることで放電を起こし、放電後にはセル内の壁電荷は、ほぼ消滅する。ここで、走査パネル電圧Vsc(V)は、GNDレベルよりアドレス電圧Vad(V)だけ嵩上げされている。これは、もし、Vad(V)が0であれば、後に説明する自己消去放電で走査電極4とデータ電極8上の壁電荷が減少するために、書き込み放電が発生しづらくなり、逆にVad(V)=Vsc(V)だと書き込み動作をしない状態でも走査パネルを印加することにより、書き込みを行ってしまうため、書き込み放電をスムーズに行うことをできるようにするためである。
【0012】
次の維持期間23では、書き込み動作がなかったセルに対しては、走査電極4に負、維持電極5に正の壁電荷がたまっているため、走査電極4をGNDレベルとし、維持電極5にVsus(V)を加えることにより放電し、走査電極4に正、維持電極5に負の壁電荷がたまる。次に、それぞれの電圧に逆の電圧を加えることにより、逆の壁電荷がたまり、これを反復して行くことにより、放電が持続する。維持期間の最後は、走査電極4をVsus(V)にして、負の壁電荷を蓄積して終了する。これは、初期化期間と同じことであり、次の維持期間において、書き込み放電を発生しない場合には、放電を持続させることができる。一方、書き込み放電を行った場合には、壁電荷がほとんどなくなってしまうために、維持動作ができなくなる。
【0013】
例えば、図5(a)に示すような1フィールドを8サブフィールドに分割した場合には、第1サブフィールドは、初期化期間21と書き込み期間22と維持期間23でなり、後の第2から第8のサブフィールドは、書き込み期間22と維持期間23のみで構成される。はじめの初期化期間で全セルを点灯状態とし、書き込み放電が起こるまでは、維持期間での放電を持続させ、書き込み期間で書き込まれたセルは以降点灯しない。よって、図5(b)の表に示すように、全く維持発光しない場合を含めて全部で9階調を表現することが可能となる。なお、図中の○は、維持発光をするサブフィールド、×は書き込み放電をするサブフィールドである。
【0014】
次に初期化期間および維持期間の最後の工程である走査電極4に印加する電圧の立下り部分について説明する。この部分の直前(図4中のA点)の壁電荷状態を図6(a)に示す。図に示すように、走査電極4の立ち上がり放電が発生しているため、走査電極4に負、維持電極5に正の壁電荷が蓄積している。ここで、走査電極4の電圧をGNDに落としても、走査電極4と維持電極5間の電位差は、放電開始電圧Vfには到達しない。一方、データ電極8には、前記したようにVsusの約半分の電圧の壁電荷が蓄積しており、データ電極8と走査電極3との間の放電開始電圧は比較的小さいため、データ電極上の正の壁電荷と走査電極上の負の壁電荷で微弱な放電が発生する。これを以下、自己消去放電と呼ぶ。
【0015】
その結果、それぞの電極上の壁電荷が微妙に削られ、次の書き込み工程をスムーズに行うことが可能となる。つまり、図6(b)(図4中のB点)のように、図6(a)から比べると、若干データ電極8の壁電荷と走査電極4の壁電荷が削られている。このときに、もし微弱な自己消去放電が発生しないときには、図6(c)(図4中のC点)のようにデータ電極8に印加する正の書き込みパルスがなくても、走査電極4に印加する負の走査パルスで書き込み放電が発生してしまう誤書き込みが生じ、以降不灯セルとなってしまう。逆にこのときに比較的大きな自己消去放電を伴ってしまった場合には、図6(d)(図4中のC点)に示すように、データ電極8と走査電極4の壁電荷が必要以上に削られ、書き込み放電が発生しなくなる書き込みミスが生じる。このとき、書き込み放電は発生しないが、維持電極5と走査電極4との放電には十分な壁電荷が残っているため、維持放電は継続して行ってしまい、輝点セルとなってしまう。
【0016】
【特許文献1】
特開2000−227778号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなプラズマディスプレイ装置の駆動方法においては、自己消去放電の強さは、走査電極とデータ電極間の放電開始電圧に敏感に依存しており、例えば、R,G,B各色での放電開始電圧のばらつきであるとか、パネル面内での放電開始電圧のばらつきなどが存在すると、R,G,B各色やパネル面内の放電セルごとに維持期間終了後の壁電荷状態が異なるため、続く書き込み期間中に全てのセルの書き込み放電を正常に行うためには高いデータ電圧が必要となる課題があった。
【0018】
本発明はこのような課題を解決し、データ電圧の低減を図ることを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のプラズマディスプレイ装置の駆動方法は、少なくとも書き込み期間を有する複数のサブフィールドからなるサブフィールド群の最初のサブフィールドに設けられ全ての前記放電セルを点灯状態にする初期化期間と、そのサブフィールド群内のサブフィールド毎に第1の電極に第1の電位を印加するとともに第3電極に第2の電位を印加して放電セルに選択的に書き込み放電を行い非点灯状態にする書き込み期間と、前記書き込み放電を行っていない放電セルに対してのみ維持放電を行う維持期間とを有し、前記書き込み期間の直前に、緩やかに変化するとともに最終到達電位が第3の電位となる壁電荷調整波形を前記第1の電極に印加する壁電荷調整期間を設け、かつ前記第3の電位が前記第1の電位より大きい関係となる電圧波形を印加することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、第1の電極および第2の電極を対になるように配置するとともに、前記第1の電極および第2の電極と交差するように第3の電極を配置し、前記第1の電極および第2の電極と第3の電極との交差部に放電セルを形成してなるプラズマディスプレイ装置の駆動方法において、少なくとも書き込み期間を有する複数のサブフィールドからなるサブフィールド群の最初のサブフィールドに設けられ全ての前記放電セルを点灯状態にする初期化期間と、そのサブフィールド群内のサブフィールド毎に第1の電極に第1の電位を印加するとともに第3電極に第2の電位を印加して放電セルに選択的に書き込み放電を行い非点灯状態にする書き込み期間と、前記書き込み放電を行っていない放電セルに対してのみ維持放電を行う維持期間とを有し、前記書き込み期間の直前に、緩やかに変化するとともに最終到達電位が第3の電位となる壁電荷調整波形を前記第1の電極に印加する壁電荷調整期間を設け、かつ前記第3の電位が前記第1の電位より大きい関係となる電圧波形を印加することを特徴とする。
【0021】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、第1の電位と第3の電位の電位差が、第3の電極に印加される第2の電位の半分以下であることを特徴とする。
【0022】
また、請求項3に記載の発明は、第1の電極および第2の電極を対になるように配置するとともに、前記第1の電極および第2の電極と交差するように第3の電極を配置し、前記第1の電極および第2の電極と第3の電極との交差部に放電セルを形成してなるプラズマディスプレイ装置の駆動方法において、少なくとも書き込み期間を有する複数のサブフィールドからなるサブフィールド群の最初のサブフィールドに設けられ全ての前記放電セルを点灯状態にする初期化期間と、そのサブフィールド群内のサブフィールド毎に第1の電極に第1の電位を印加するとともに第3の電極に第2の電位を印加して放電セルに選択的に書き込み放電を行い非点灯状態にする書き込み期間と、前記書き込み放電を行っていない放電セルに対してのみ維持放電を行う維持期間とを有し、前記書き込み期間の直前に、緩やかに変化する壁電荷調整波形を前記第1の電極に印加する壁電荷調整期間を設け、前記壁電荷調整期間のうち、各サブフィールドの維持期間直後における壁電荷調整波形の最終到達電位を第3の電位とするとともに、前記初期化期間直後における壁電荷調整波形の最終到達電位を前記第3の電位と異なる第4の電位とし、かつ前記第3の電位および第4の電位が前記第1の電位より大きい関係となる電圧波形を印加することを特徴とする。
【0023】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3において、第4の電位が第3の電位より大きい関係であることを特徴とする。
【0024】
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項3及び請求項4において、第1の電位と第3の電位の電位差、及び第1の電位と第4の電位の電位差が第3の電極に印加される第2の電位の半分以下であることを特徴とする。
【0025】
以下、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の駆動方法について図1〜図3の図面を用いて説明する。
【0026】
図1に示すように、初期化期間21と書き込み期間22、維持期間23に関しては図4に示す例と同じであり、本発明においては、初期化期間21および維持期間23の後に、すなわち書き込み期間の直前に壁電荷調整期間24を設けている。
【0027】
ところで、書き込み工程をスムーズに行うためには、走査電極4に走査パルスを印加した状態でデータ電極8との電位差がVf状態にあることが望ましい。この上で、書き込みパルスがデータ電極8に印加された場合には、書き込み放電を行い、印加されなかった場合には、何も起こらない。しかしながら、従来のような自己消去波形の場合には、セル間のばらつきにより、あるセルは正常なVf状態にあるが、あるセルは走査パルスを印加した時点でVf電圧を超える状態にある。
【0028】
また、あるセルは走査パルスを印加した時点でVf電圧状態よりもかなり低い電圧状態である。このようなセルによるばらつきが大きい場合、パネル内の全てのセルにおいて正常な書き込み放電を起こす場合には書き込み電圧Vd(V)を上げる必要がある。
【0029】
図1に示す本発明の駆動波形では壁電荷調整期間24において、走査電極にVsus(V)電圧から徐々に電位を落としていく壁電荷調整波形25を印加し、第3の電位である電位Vi(V)まで電位を落とす。上記壁電荷調整波形25を印加することにより各セルには微弱放電が発生するため、パネル内でセルのVfがばらついていたとしても、壁電荷調整波形25の最終電位Vi(V)では、それぞれのセルがVfに近い状態に保つことができ、従来の駆動方法に比べパネル面内のVfのばらつきをかなり抑えることができる。
【0030】
加えて、続く書き込み期間23に走査パルスVad(V)を印加するとき、Vi(V)>Vad(V)とすることによって、走査パネルを印加した時に、セルには、Vi(V)−Vad(V)電圧が壁電荷調整期間24で形成されたセル内電圧に加えて印加されることとなり、書き込み電圧Vd(V)を低減することが可能となる。
【0031】
図2に書き込み電圧Vd(V)とパネル面内での書き込み放電の発生割合の関係を示しており、特性aは従来の駆動方法の場合、特性bは壁電荷調整期間24を設け、Vi(V)=Vad(V)とした場合、特性cは本発明の駆動波形で、壁電荷調整期間24を設け、Vi(V)>Vad(V)とした場合のものである。図中、Vigはパネル内で書き込みパルスを印加したセルで書き込み放電が発生し始める電圧を示し、Vpdは書き込みパルスを印加したすべてのセルで書き込み放電を行うための電圧である。
【0032】
図2において、従来の駆動方法の場合(a)、自己消去波形を用いているため維持期間終了後のパネル面内での壁電荷の状態は各セルによって大きく異なっている。そのため全てのセルが書き込み放電を行うまでの書き込み電圧Vpd(a)は大きな電圧となってしまう。しかし、特性bのように壁電荷調整期間24を設けVi(V)=Vad(V)とした場合、書き込み放電が発生し始めてから全てのセルが書き込み放電を行うまでの書き込み電圧は従来に比べて小さくなる(|Vpd(b)−Vig(b)|<|Vpd(a)−Vig(a)|)。しかし、書き込み放電が発生するまでの電圧Vig(b)が従来よりも大きくなってしまい、結局は全てのセルが書き込み放電を行うのに必要な電圧Vpd(b)は従来例と比べて少し減少する程度である。
【0033】
一方、特性cの本発明の駆動方法で、壁電荷調整期間24を設け、Vi(V)>Vad(V)とした場合、特性bに比べて書き込み放電が発生するまでの電圧Vig(c)を著しく下げることができる。また、壁電荷調整期間24を設けているので、書き込み放電が発生し始めてから全てのセルが書き込み放電を行うまでの電圧も、小さくて済むため、全てのセルに書き込み放電を行うのに必要な電圧Vpd(c)はかなり小さくすることができる。
【0034】
しかし、Vi(V)−Vad(V)を大きくし過ぎると、書き込み選択のためのデータパルスを印加しない状態でもセルで書き込み放電が起こってしまう。これは図2のVig(c)が0V以下となることを意味する。従って、Vi(V)−Vad(V)の電位差は、Vig(c)>0Vとなる条件に設定する必要がある。実際にはVi(V)−Vad(V)は書き込み電圧Vda(V)の半分以下であることが望ましい。
【0035】
また、図3で示すように、初期化期間21に維持放電がなくなり、初期化期間21ではVset1とVset2の電位差のみで微弱放電を行うような駆動波形では、初期化後の壁電荷状態と維持期間終了後の壁電荷状態ではかなり大きな違いがある。そのため、初期化期間後の書き込み期間で書き込みを行う場合と、維持期間後で維持発光を行ったセルが続く書き込み期間で書き込みを行う場合では、すべてのセルが書き込み放電を行うのに必要な電圧Vpd(V)が異なる。一般に初期化期間後のVpdは維持期間後のVpdよりも大きくなるため、全ての状態で正常な書き込み放電を行うためにはVd(V)の設定電圧が上がってしまう。
【0036】
そこで、初期化終了後の壁電荷調整波形の第4の電位である最終到達電位をVj(V)とし、維持期間終了後の壁電圧調整波形の第3の電位である最終到達電位をVi(V)とし、Vj(V)>Vi(V)>Vad(V)とすることで、初期化期間後の書き込み期間で走査パルスを印加したセルにはVj(V)−Vad(V)が壁電荷調整期間で形成されたセル内電圧に加えて印加され、維持期間後の書き込み期間で走査パルスを印加したセルにはVi(V)−Vad(V)が壁電荷調整期間で形成されたセル内電圧に加えて印加される。
【0037】
これにより、Vj(V)>Vi(V)のために初期化期間後の書き込み期間にセルに印加される電圧は維持期間後のそれよりも大きくなるため、初期化期間に維持放電がなくなった場合でも初期化期間後のVpdを下げることができ、この結果初期化期間に維持放電がなくなった場合でも、Vda(V)の上昇を防ぐことができる。
【0038】
なお、Vi(V)−Vad(V)やVj(V)−Vad(V)が大き過ぎると、書き込み選択のためのデータパルスを印加しない状態でもセルで書き込み放電が起こってしまう。実際にはVi(V)−Vad(V)及びVj(V)−Vad(V)は、書き込み電圧Vda(V)の半分以下であることが望ましい。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、全てのセルを点灯状態となるように初期化し、どこか一つのサブフィールドにおいて消去放電を行い、その消去放電が行われるまでの維持期間のみ維持発光を行う駆動方法において、壁電荷調整波形を用い、その最終到達電位Vi(V)を書き込み期間の走査パルス電位Vad(V)よりも大きくすることで、書き込み電圧Vd(V)を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の駆動方法における駆動波形図
【図2】本発明における書き込み電圧Vd(V)とパネル面内での書き込み放電の発生割合の関係を示す特性図
【図3】本発明の他の実施の形態を示す駆動波形図
【図4】従来の駆動方法における駆動波形図
【図5】従来の駆動シーケンスを説明するための説明図
【図6】従来の課題を示すセル内壁電荷の分布図
【図7】プラズマディスプレイ装置のパネル構造を一部を切り欠いて示す斜視図
【図8】同プラズマディスプレイ装置のパネルの電極配列を示す説明図
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 誘電体層
3 保護膜
4 走査電極
5 維持電極
6 ガラス基板
7 絶縁体層
8 データ電極
9 隔壁
10 蛍光体
11 放電空間
12 放電セル
Claims (5)
- 第1の電極および第2の電極を対になるように配置するとともに、前記第1の電極および第2の電極と交差するように第3の電極を配置し、前記第1の電極および第2の電極と第3の電極との交差部に放電セルを形成してなるプラズマディスプレイ装置の駆動方法において、少なくとも書き込み期間を有する複数のサブフィールドからなるサブフィールド群の最初のサブフィールドに設けられ全ての前記放電セルを点灯状態にする初期化期間と、そのサブフィールド群内のサブフィールド毎に第1の電極に第1の電位を印加するとともに第3電極に第2の電位を印加して放電セルに選択的に書き込み放電を行い非点灯状態にする書き込み期間と、前記書き込み放電を行っていない放電セルに対してのみ維持放電を行う維持期間とを有し、前記書き込み期間の直前に、緩やかに変化するとともに最終到達電位が第3の電位となる壁電荷調整波形を前記第1の電極に印加する壁電荷調整期間を設け、かつ前記第3の電位が前記第1の電位より大きい関係となる電圧波形を印加することを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
- 第1の電位と第3の電位の電位差が、第3の電極に印加される第2の電位の半分以下であることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
- 第1の電極および第2の電極を対になるように配置するとともに、前記第1の電極および第2の電極と交差するように第3の電極を配置し、前記第1の電極および第2の電極と第3の電極との交差部に放電セルを形成してなるプラズマディスプレイ装置の駆動方法において、少なくとも書き込み期間を有する複数のサブフィールドからなるサブフィールド群の最初のサブフィールドに設けられ全ての前記放電セルを点灯状態にする初期化期間と、そのサブフィールド群内のサブフィールド毎に第1の電極に第1の電位を印加するとともに第3の電極に第2の電位を印加して放電セルに選択的に書き込み放電を行い非点灯状態にする書き込み期間と、前記書き込み放電を行っていない放電セルに対してのみ維持放電を行う維持期間とを有し、前記書き込み期間の直前に、緩やかに変化する壁電荷調整波形を前記第1の電極に印加する壁電荷調整期間を設け、前記壁電荷調整期間のうち、各サブフィールドの維持期間直後における壁電荷調整波形の最終到達電位を第3の電位とするとともに、前記初期化期間直後における壁電荷調整波形の最終到達電位を前記第3の電位と異なる第4の電位とし、かつ前記第3の電位および第4の電位が前記第1の電位より大きい関係となる電圧波形を印加することを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
- 第4の電位が第3の電位より大きい関係であることを特徴とする請求項3記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
- 第1の電位と第3の電位の電位差、及び第1の電位と第4の電位の電位差が第3の電極に印加される第2の電位の半分以下であることを特徴とする請求項3または4記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
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