JP2003076320A - プラズマディスプレイパネル表示装置およびその駆動方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル表示装置およびその駆動方法

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JP2003076320A JP2002169111A JP2002169111A JP2003076320A JP 2003076320 A JP2003076320 A JP 2003076320A JP 2002169111 A JP2002169111 A JP 2002169111A JP 2002169111 A JP2002169111 A JP 2002169111A JP 2003076320 A JP2003076320 A JP 2003076320A
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Takatsugu Kurata
隆次 倉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、コストおよび消費電力が低いととも
に、書き込み期間における書き込み不良が発生し難く、
高い画像品質のPDP表示装置およびその駆動方法を提
供する。 【解決手段】本発明のPDP表示装置における駆動方法
では、維持放電期間C2における維持パルス数が25発
以上50発未満であることに応じて、消去期間D2の長
さがT0+160(μsec.)に設定されている。こ
れは、駆動装置中のプリプロセッサから送られた維持パ
ルス数に関する情報と、T1テーブル格納部に予め格納
されたT1テーブルとに基づいて、T1設定部が設定す
るものである。つまり、T1テーブルより、維持パルス
数が25発以上50発未満のところの延長時間T1を参
照し、T1設定部がT1=160(μsec.)を設定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示デバイスなど
として用いられるプラズマディスプレイパネル表示装置
およびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハイビジョンをはじめとする高品
位で大画面のディスプレイ装置に対する期待が高まって
いる中、陰極線管、液晶ディスプレイ、プラズマディス
プレイパネル(以下、「PDP」という)といったディ
スプレイの開発が進められている。
【0003】この中で、PDPは、薄型大画面化を図る
上で最も適しており、すでに60インチクラスの製品も
開発されている。その中でも、薄型大画面化に最も適す
るという理由から、現在では、交流面放電型(AC型)
PDPが主流となっている。AC型PDPは、前面パネ
ルと背面パネルとが隔壁を介して対向配置され、パネル
間に形成された放電空間に希ガスを主とする放電ガスが
封入された構造を有する。
【0004】前面パネルは、前面基板の主表面に走査電
極と維持電極とがストライプ状に配され、その上に鉛系
ガラスなどからなる誘電体層、およびMgOからなる保
護層が順に積層された構成を有している。一方、背面パ
ネルは、背面基板の主表面にデータ電極がストライプ状
に配され、その上に鉛系ガラスなどからなる誘電体層が
形成されている。さらに、誘電体層の上には、複数条の
隔壁がデータ電極と並行するように突設されており、隔
壁および誘電体層によって形成される溝の壁部分に、蛍
光体層が形成されている。蛍光体層は、赤(R)、緑
(G)、青(B)の各蛍光体が各溝毎に形成されてい
る。
【0005】AC型PDPでは、上記前面パネルにおけ
る走査電極および維持電極と、上記背面パネルにおける
データ電極とが立体交差する各放電空間が、放電セルと
なる。PDP表示装置は、上記構造のAC型PDPと、
これを駆動するための駆動回路とが組み合わされること
により構成されている。
【0006】上記PDP表示装置において、各放電セル
では、点灯若しくは消灯の2階調しか表現できない。そ
こで、AC型PDPにおいては、画像を表示するため
に、一般的にフィールド内時分割階調表示方式が採用さ
れている。フィールド内時分割階調表示方式とは、表示
時間単位である1フィールド(16.6msec.)を
複数のサブフィールドに分割し、点灯時間を時分割する
ことによって、中間階調も表現する方法である。
【0007】さらに、各サブフィールドは、初期化期
間、書き込み期間、維持放電期間、消去期間という一連
の期間から構成されている。画像は、これらの一連の期
間から構成されるサブフィールドを逐次実行することに
よって表示される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
造および駆動方法を採るPDP表示装置では、書き込み
期間において、データ電極上の蛍光体層表面あるいは走
査電極上の保護層表面に蓄積されていた壁電荷が放電空
間に放出されてしまう、所謂、チャージ抜けが発生する
ことがある。書き込み期間におけるチャージ抜けは、書
き込み不良へとつながり、画像品質の低下を招く原因と
なる。
【0009】このような書き込み不良は、書き込み期間
における書き込みパルス電圧を高くすることによりある
程度発生が抑制されるものの、そのために高価な高耐圧
用出力ドライバICの使用が必要となったり、PDP表
示装置全体における消費電力を上昇させてしまったりす
るといった問題を生じてしまう。本発明は、このような
問題を解決するためになされたものであって、コストお
よび消費電力が低いとともに、書き込み期間における書
き込み不良が発生し難く、高い画像品質のPDP表示装
置およびその駆動方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明のPDP表示装置は、2枚のパネル間
に複数の放電セルからなる放電空間が形成されてなるP
DPと、このPDPを発光駆動する駆動回路とを備え、
輝度重み付けされたn個のサブフィールドで1フィール
ドが構成され、放電セル毎に所望の輝度重みを有するサ
ブフィールドを選択的に点灯駆動させて階調表示するP
DP表示装置であって、各々のサブフィールドには、書
き込み期間および維持放電期間が配分されており、m番
目のサブフィールドにおける印加維持パルス数がn番目
のサブフィールドにおける印加維持パルス数と異なると
ともに、前記m番目のサブフィールドにおける維持放電
期間終了から(m+1)番目のサブフィールドにおける
書き込み期間の書き込みパルス印加開始までの第1の時
間が、前記n番目のサブフィールドと(n+1)番目の
サブフィールとの間において対応する第2の時間と異な
る長さの関係を満足するmおよびnが少なくとも1組存
在することを特徴とする。
【0011】このPDP表示装置では、m番目の各サブ
フィールドの維持放電期間における印加維持パルス数に
応じて、m番目のサブフィールドにおける維持放電期間
終了から(m+1)番目のサブフィールドの書き込みパ
ルス印加開始までの第1の時間が、n番目のサブフィー
ルドと(n+1)番目のサブフィールドとの間における
対応する第2の時間と異なる長さの関係を有するような
mおよびnが存在するので、不純物準位の存在によるチ
ャージ抜けの発生を効果的に抑制するのに適した時間を
設定することができる。
【0012】即ち、上記PDP表示装置では、全てのサ
ブフィールド間において維持放電期間終了から書き込み
期間の書き込みパルス印加開始までの時間を一律に長く
するのではなく、印加維持パルス数に応じて適切に設定
することにより、1フィールドにおける維持放電期間終
了から書き込みパルス印加開始までの合計時間を抑制し
ながら効率よくチャージ抜けの発生を抑制することがで
きる。
【0013】従って、このPDP表示装置では、消費電
力が低いとともに、書き込み期間における書き込み不良
が発生し難く、高い画像品質が確保される。具体的に
は、先のサブフィールドにおける印加維持パルス数が所
要値未満であるときの先のサブフィールドにおける数維
持放電期間終了からそれに続くサブフィールドにおける
書き込み期間の書き込みパルス印加開始までの時間を基
準時間とするとき、m番目のサブフィールドにおける印
加維持パルス数が所要値以上である場合に、第1の時間
を、m番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数
に基づいて設定された延長時間を上記基準時間に加算す
ることにより設定することが望ましい。
【0014】なお、基準時間を設定するための印加維持
パルス数の所要値は、1フィールド中における最も少な
い印加維持パルス数とすることができる。上記PDP表
示装置では、延長時間を、m番目のサブフィールドにお
ける維持パルス数が25発以上50発未満の場合、20
(μsec.)以上300(μsec.)以下の範囲内
で設定し、m番目のサブフィールドにおける維持パルス
数が50発以上80発未満の場合、40(μsec.)
以上320(μsec.)以下の範囲内で設定し、m番
目のサブフィールドにおける維持パルス数が80発以上
の場合、60(μsec.)以上340(μsec.)
以下の範囲内で設定しておくことが望ましい。
【0015】上記PDP表示装置では、発光駆動中にお
ける維持放電期間終了から書き込み期間の書き込みパル
ス印加開始までの時間の全てが10(μsec.)以上
820(μsec.)以下の範囲内で設定されているこ
とが望ましい。また、上記延長時間の設定は、駆動回路
中に、維持パルス数と延長時間との関係を対応付けるテ
ーブルが予め格納されたテーブル格納部と、このテーブ
ルを参照しながら維持パルス数から延長時間を設定する
延長時間設定部とを備えておけば、容易に実施すること
ができる。
【0016】ここで、通常、各サブフィールドにおける
維持放電期間の後には、放電セル内の壁電荷の消去を行
う消去期間が設定されているが、上記PDP表示装置で
は、上記延長時間を、m番目のサブフィールドにおける
消去期間中に組み入れておくことが望ましい。このPD
P表示装置においては、発光駆動中における全てのサブ
フィールドにおける消去期間の長さが160(μse
c.)以上460(μsec.)以下の範囲内で設定さ
れていることが望ましい。
【0017】また、消去期間の長さは、先のフィールド
における印加維持パルス数の合計に基づいて、フィール
ド毎にも設定されていることがより望ましい。また、各
サブフィールドにおける書き込み期間の前には、放電セ
ル内の電荷状態の初期化を行う初期化期間が設けられて
いるものもあるが、その場合には、上記延長時間を、m
番目のサブフィールドにおける初期化期間中に組み入れ
ておくことが望ましい。
【0018】このPDP表示装置においては、発光駆動
中における全ての初期化期間の長さが360(μse
c.)以上660(μsec.)以下の範囲内で設定さ
れていることが望ましい。さらに、上記PDP表示装置
では、先のフィールドにおける印加維持パルス数の合計
が所要値以上である場合、これに続くフィールドにおけ
る各サブフィールド間で、維持放電期間終了から書き込
み期間の書き込みパルス印加開始までの時間に第2の延
長時間を加算しておくことが望ましい。これは、フィー
ルド毎によって1フィールドあたりの壁電荷の蓄積量が
異なることに注目したものであって、先のフィールドに
おける印加維持パルス数が多い場合には第2の延長時間
を加算することにより、不純物準位の存在によるチャー
ジ抜けの発生をより効果的に抑制できるためである。
【0019】また、本発明のPDP表示装置の駆動方法
は、2枚のパネル間に放電空間が形成されてなるプラズ
マディスプレイパネルに対して、輝度重み付けされたn
個のサブフィールドから、放電セル毎に所望の輝度重み
を有するサブフィールドを選択的に点灯駆動させて階調
表示するプラズマディスプレイパネル表示装置の駆動方
法であって、各々のサブフィールドに書き込み期間およ
び維持放電期間が配分されており、m番目のサブフィー
ルドにおける印加維持パルス数がn番目のサブフィール
ドにおける印加維持パルス数と異なるとともに、m番目
のサブフィールドにおける維持放電期間終了から(m+
1)番目のサブフィールドにおける書き込み期間の書き
込みパルス印加開始までの第1の時間が、n番目のサブ
フィールドと(n+1)番目のサブフィールとの間にお
いて対応する第2の時間と異なる長さの関係を満足する
mおよびnが少なくとも1組存在することを特徴とす
る。
【0020】このPDP表示装置の駆動方法では、m番
目の各サブフィールドの維持放電期間における印加維持
パルス数に応じて、m番目のサブフィールドにおける維
持放電期間終了から(m+1)番目のサブフィールドの
書き込みパルス印加開始までの第1の時間が、n番目の
サブフィールドと(n+1)番目のサブフィールドとの
間における対応する第2の時間と異なる長さの関係を有
するようなmおよびnが存在するので、不純物準位の存
在によるチャージ抜けの発生を効果的に抑制するのに適
した時間を設定することができる。
【0021】即ち、上記駆動方法では、全てのサブフィ
ールド間において維持放電期間終了から書き込み期間の
書き込みパルス印加開始までの時間を一律に長くしてい
るのではなく、印加維持パルス数に応じて適切に設定す
ることにより、1フィールドにおける維持放電期間終了
から書き込みパルス印加開始までの合計時間を抑制しな
がら効率よくチャージ抜けの発生を抑制することができ
る。
【0022】従って、このPDP表示装置の駆動方法で
は、消費電力が低いとともに、書き込み期間における書
き込み不良が発生し難く、高い画像品質が確保される。
具体的には、先のサブフィールドにおける印加維持パル
ス数が所要値未満であるときの先のサブフィールドにお
ける数維持放電期間終了からそれに続くサブフィールド
における書き込み期間の書き込みパルス印加開始までの
時間を基準時間とするとき、m番目のサブフィールドに
おける印加維持パルス数が所要値以上である場合に、第
1の時間を、m番目のサブフィールドにおける印加維持
パルス数に基づいて設定された延長時間を上記基準時間
に加算することにより設定するこことが望ましい。
【0023】なお、基準時間を設定するための印加維持
パルス数の所要値は、1フィールド中における最も少な
い印加維持パルス数とすることができる。上記駆動方法
では、延長時間を、m番目のサブフィールドにおける維
持パルス数が25発以上50発未満の場合に、20(μ
sec.)以上300(μsec.)以下の範囲内で設
定し、m番目のサブフィールドにおける維持パルス数が
50発以上80発未満の場合に、40(μsec.)以
上320(μsec.)以下の範囲内で設定し、m番目
のサブフィールドにおける維持パルス数が80発以上の
場合に、60(μsec.)以上340(μsec.)
以下の範囲内で設定しておくことが望ましい。
【0024】上記駆動方法では、発光駆動中における維
持放電期間終了から書き込み期間の書き込みパルス印加
開始までの時間の全てが10μsec.以上820μs
ec.以下の範囲内で設定されていることが望ましい。
上記駆動方法では、予め格納されている維持パルス数と
延長時間との関係を対応付けるテーブルを参照しながら
維持パルス数から、延長時間を設定することが望まし
い。
【0025】また、上記駆動方法では、先のフィールド
における印加維持パルス数の合計が所要値以上である場
合、これに続くフィールドにおける各サブフィールド間
で、維持放電期間終了から書き込み期間の書き込みパル
ス印加開始までの時間に第2の延長時間を加算しておく
ことが望ましい。各サブフィールドにおける維持放電期
間の後には、放電セル内の壁電荷の消去を行う消去期間
が設けられているものもあるが、その場合には、この消
去期間中に延長時間を加算しておくことが望ましい。
【0026】また、上記駆動方法では、延長時間を、m
番目のサブフィールドにおける消去期間中に組み入れて
おくことが望ましい。さらに、上記駆動方法では、延長
時間を、m番目のサブフィールドにおける初期化期間中
に組み入れておくことも望ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】本願発明は、下記実施の形態およ
び添付の図面を用いて説明されるものであるが、これ
は、例示を目的とするものであり、本願発明が以下の実
施の形態に限定を受けるものではない。 1.パネルの全体構成 本実施の形態に係るAC型PDP(以下、単に「PD
P」という)1について、図1を用いて説明する。図1
は、PDP1の斜視図(一部断面図)であって、パネル
における表示領域の一部分を抜き出して示している。
【0028】図1に示すように、PDP1は、前面パネ
ル10と背面パネル20とが間隙をおいて対峙し配置さ
れた構造を有している。そして、前面パネル10と背面
パネル20との間の間隙は、背面パネル20の主面上に
突設された複数条の隔壁24によって複数の放電空間3
0に仕切られている。前面パネル10は、前面ガラス基
板11の一方の主表面上にAgを主成分とする複数の走
査電極12aおよび複数の維持電極12bが交互に配設
され、電極12a、12bが配設された前面ガラス基板
11の面上に鉛系の低融点ガラスからなる誘電体ガラス
層13が形成されている。さらに、誘電体ガラス層13
の面上には、MgOからなる誘電体保護膜14が形成さ
れている。
【0029】一方、背面パネル20は、背面ガラス基板
21の上記前面パネル10に向き合う側の面上に複数の
データ電極22がストライプ状に配設され、データ電極
22が配設された背面ガラス基板21の面上がTiO2
を含む誘電体ガラス層23によって覆われている。さら
に、この誘電体ガラス層23の面上には、上記データ電
極22と並行する方向であって、データ電極22とデー
タ電極22との間に位置するように隔壁24が突設され
ている。この誘電体ガラス層23と隔壁24とによって
形成される溝部分の内壁面には、赤(R)、緑(G)、
青(B)の各色の蛍光体層25が溝毎に分けて形成され
ている。
【0030】前面パネル10と背面パネル20とは、各
々に形成されている走査電極12aおよび維持電極12
bとデータ電極22とが立体交差するように配置され、
外周部が気密シール層(フリットガラス)で封着されて
いる(不図示)。放電空間30は、上記前面パネル10
の誘電体保護膜14と蛍光体層25あるいは隔壁24に
よって囲まれた空間である。この放電空間30には、ガ
ス基体としてのNe−Xe系あるいはHe−Xe系のガ
スを主とする放電ガスが封入されている。
【0031】PDP1では、放電空間30において、前
面パネル10における走査電極12aおよび維持電極1
2bと、背面パネル20におけるデータ電極22とが対
向する各々の部分が放電セルに相当することになる。 2.PDP1の製造方法 2−1.前面パネルの作製 前面パネル10の作製では、まず前面ガラス基板11上
に、銀電極用のペーストをスクリーン印刷で塗布した
後、焼成することにより走査電極12aおよび維持電極
12bを形成する。
【0032】次に、前面ガラス基板11における電極1
2a、12bが形成された面を覆うように、鉛系の低融
点ガラス材料を含むペーストをスクリーン印刷法で塗布
し焼成(550℃以上590℃以下程度)することによ
って、誘電体ガラス層13を形成する。例えば、誘電体
ガラス層13の組成は、酸化鉛(PbO)70(重量
%)、酸化硼素(B23)15(重量%)、酸化珪素
(SiO2)15(重量%)である。
【0033】なお、誘電体ガラス層13の形成には、上
記方法の他に、ビスマス系低融点ガラスを用いても良い
し、鉛系低融点ガラスとビスマス系低融点ガラスとを積
層させても良い。さらに、誘電体ガラス層13が形成さ
れた前面ガラス基板11には、真空蒸着法を用いてMg
Oからなる誘電体保護膜14が形成される。
【0034】なお、誘電体保護膜14の形成には、真空
蒸着法以外の方法、例えば、スパッタリング法、塗布法
などを用いても良い。 2−2.背面パネル20の作製 背面パネル20の作製にあたっては、先ず、背面ガラス
基板21上に銀電極用のペーストをスクリーン印刷し、
焼成することによりデータ電極22を形成する。
【0035】次に、背面ガラス基板21におけるデータ
電極22が形成された面を覆うように、酸化チタン(T
iO2)粒子を含むガラス材料のペーストをスクリーン
印刷法で塗布し焼成(550℃以上590℃以下程度)
することによって、(白色)誘電体ガラス層23を形成
する。誘電体ガラス層23の上に隔壁用のガラスペース
トをスクリーン印刷法で塗布し、焼成することにより隔
壁24が形成される。
【0036】次に、隔壁24と誘電体ガラス層23とに
より形成される溝部分の壁部分に、赤(R)、緑
(G)、青(B)の各色蛍光体ペーストを、スクリーン
印刷法を用いて塗布し、空気中で焼成(例えば、500
℃で10分間)することにより蛍光体層25を形成す
る。蛍光体層25を形成する蛍光体材料としては、ここ
では、 赤色蛍光体:(YXGd1-X)BO3:Eu3+あるいは、
YBO3:Eu3+ 緑色蛍光体:BaAl1219:Mnあるいは、Zn2
iO4:Mn 青色蛍光体;BaMgAl1017:Eu2+ を用いることにする。
【0037】以上のようにして、背面パネル20が作製
される。なお、蛍光体層25の形成においては、各色の
蛍光体材料を含有する感光性樹脂シートを作製してお
き、これを背面ガラス基板21の隔壁24を突設した側
の面に貼り付け、フォトリソグラフィー法でパターニン
グし現像することで不要な部分を取り除くという方法、
インクジェット法、ラインジェット法などを用いること
もできる。
【0038】2−3.前面パネル10と背面パネル20
との封着 次に、このようにして作製された前面パネル10と背面
パネル20とを封着ガラスを用いて張り合わせる。張り
合わせ後に前面パネル10と背面パネル20との間に形
成される放電空間30内を、高真空(例えば、1×10
-4Pa程度)に排気し、放電ガスを所定の圧力で封入す
る。
【0039】放電空間30に封入する放電ガスは、ここ
ではNeとXeとの混合ガス(混合比95体積%:5体
積%)である。そして、封入圧力は、7×104(P
a)程度である。 3.PDP表示装置の構成 次に、上記PDP1を備えるPDP表示装置の全体構成
について、図2を用いて説明する。
【0040】図2に示すように、PDP表示装置は、上
記PDP1とこれを駆動するための駆動装置100とか
ら構成されている。駆動装置100には、プリプロセッ
サ101、T1設定部102、T1テーブル格納部10
3、フレームメモリ104、同期パルス生成部105、
スキャンドライバ106、サスティンドライバ107、
データドライバ108などが備えられている。図示はし
ていないが、PDP表示装置には、上記各装置の他に各
ドライバ106、107、108に電力を供給する電源
回路も備えられている。
【0041】この内、プリプロセッサ101は、外部の
映像出力器から入力されてくる表示信号からフィールド
毎の表示信号(フィールド表示信号)を抽出し、抽出し
たフィールド表示信号から各サブフィールドの表示信号
(サブフィールド表示信号)を作成し、フレームメモリ
104に格納する。また、プリプロセッサ101は、フ
レームメモリ104に格納されているカレントサブフィ
ールド表示信号から1ラインづつデータドライバ108
に表示信号を出力したり、入力される表示信号から水平
同期信号、垂直同期信号などの同期信号を検出し、同期
パルス生成部105にフィールド毎あるいはサブフィー
ルド毎に同期信号を送ったりする。
【0042】さらに、プリプロセッサ101には、T1
設定部102が接続されており、維持放電期間における
維持パルス数を出力する。出力される維持パルス数は、
予め設定された値であってもよいが、ここでは、この維
持パルス数を、入力される表示信号に基づいて、プリプ
ロセッサ101がフレーム毎に算出するものとする。維
持パルス数に関する情報を受け取ったT1設定部102
では、T1テーブル格納部103に予め格納されたT1
テーブルを参照しながら受け取った維持パル数に応じた
延長時間T1を設定し、プリプロセッサ101および同
期パルス生成部105に対して出力する。延長時間T1
を受け取ったプリプロセッサ101は、サブフィールド
における動作タイミングを設定する。
【0043】ここで、延長時間T1とは、あるサブフレ
ームの維持放電期間終了後から次のサブフレームの書き
込み期間開始までの間の時間に対して、サブフィールド
毎に設定される加算時間である。具体的な延長時間T1
は、あるサブフレームにおいて印加する維持パルス数が
25発未満のときの維持放電期間終了から次の書き込み
期間におけるパルス印加を開始するまでの間の時間を基
準として、維持パルス数に応じて段階的に設定され、基
準時間に加算される時間である。
【0044】また、T1テーブル格納部103に格納さ
れているT1テーブルは、例えば、表1に示すようなも
のである。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示すように、維持パルス数が1発以
上25発未満の場合を基準時間(T 0)とし、これに加
算される延長時間T1は、維持パルス数が25発以上5
0発未満の場合、160(μsec.)に設定され、維
持パルス数が50発以上80発未満の場合、180(μ
sec.)に設定され、維持パルス数が80発以上の場
合、200(μsec.)に設定される。つまり、維持
放電期間終了から次のサブフィールドの書き込み期間に
おけるパルス印加を開始するまでの間の時間は、維持放
電期間に印加された維持パルス数が多いほど、長くなる
ように設定されている。
【0047】フレームメモリ104は、フィールド毎に
1フィールド分のメモリ領域(8個のサブフィールド表
示信号を記憶)を2個備える2ポートフレームメモリで
あって、一方のメモリ領域にフィールド表示信号を書き
込みながら、他方のメモリ領域から書き込まれているフ
ィールド表示信号を読み出す動作を交互に行う。同期パ
ルス生成部105は、プリプロセッサ101からフィー
ルド毎あるいはサブフィールド毎に送られてくる同期信
号を参照して、初期化パルス、走査パルス、維持パル
ス、消去パルスを立ち上がらせるタイミングを指示する
トリガ信号を生成して各ドライバ106、107、10
8に対して出力する。
【0048】スキャンドライバ106は、初期化パルス
発生器および書き込みパルス発生器を有しており、同期
パルス生成部105から送られてくるトリガ信号に基づ
いて、初期化パルスおよび書き込みパルスを生成し、P
DP1の走査電極群SCN1〜SCNnに印加する。サ
スティンドライバ107は、維持パルス発生器および消
去パルス発生器を有しており、同期パルス生成部105
から送られてくるトリガ信号に基づいて、維持パルスお
よび消去パルスを生成し、維持電極群に印加する。
【0049】データドライバ108は、シリアルに入力
される1ラインに相当するサブフィールド毎の情報に基
づいて、データパルスをデータ電極群D1〜Dmにパラ
レルに出力するものである。このような構成を有するP
DP表示装置では、初期化期間、書き込み期間、維持放
電期間、消去期間という一連のシーケンスからサブフレ
ームが構成される。
【0050】初期化期間においては、走査電極群SCN
1〜SCNnに初期化パルスを印加して全ての放電セル
の電荷状態を初期化する。書き込み期間においては、上
記走査電極群SCN1〜SCNnに書き込みパルスを順
次印加しながらデータ電極D1〜Dmの中の選択された
電極にデータパルスを印加する。データパルスが印加さ
れた電極では、壁電荷が蓄積され、画像情報が書き込ま
れる。
【0051】維持放電期間においては、維持電極SUS
と全ての走査電極SCN1〜SCNnとの間に、放電開
始電圧よりも低い電圧であって、直前の放電で生じた壁
電荷と同一極性の維持パルスを印加することによって、
上記書き込み期間で壁電荷の蓄積が行われた放電セルで
放電を起こし、所定の時間発光させる。消去期間におい
ては、幅の狭い消去パルスを走査電極群SCN1〜SC
Nnに一括して印加することによって、放電セルにおけ
る壁電荷の消去を行う。ただし、駆動方法によっては、
初期化期間をフィールドの先頭サブフィールドのみに設
けて、残りのサブフィールドに設けない場合があるが、
この場合には、初期化パルスを兼ねるような消去パルス
印加する場合がある。
【0052】また、通常の駆動方法では、各フィールド
における印加維持パルス数が周期的に決定されているの
で、上記T1設定部102がサブフィールド毎に一回一
回延長時間T1を設定しなくても、予めサブフィールド
毎に各々の延長時間T1を設定しておくようにすること
ができる。即ち、PDP表示装置では、書き込み期間に
おいてアドレス放電することにより壁電荷が生成された
放電セルが、維持放電期間において、維持パルスの印加
を受けて発光する。 (第1の実施の形態)第1の実施の形態に係るPDP表
示装置の駆動方法について、図3を用いて説明する。図
3は、各電極に印加されるパルス波形を示す波形図であ
る。
【0053】図3に示すように、サブフィールド(以
下、「SF」という)1は、初期化期間A1、書き込み
期間B1、維持放電期間C1、消去期間D1から構成さ
れている。初期化期間A1では、走査電極群SCN1〜
SCNnに対して正のパルス電圧Vaを印加した後、こ
れと負のパルス電圧Vbを印加することによって、放電
セル内の壁電荷を初期化する。
【0054】なお、図3に示すように、初期化期間は、
SF1にのみ設定されている。初期化期間A1の後、書
き込み期間B1においては、1行目の表示を行うため
に、1行目の走査電極SCN1に書き込みパルス電圧V
bを印加し、放電セルに対応するデータ電極群D1〜D
mと1行目の走査電極SCN1との間の放電空間30で
アドレス放電を生じさせる。この放電により、前面パネ
ル10における誘電体ガラス層13の表面に壁電荷が蓄
積され、1行目のアドレス動作が行われる。
【0055】書き込み期間B1では、以上のような動作
が、1行目からn行目にわたって順次行われ、n行目の
アドレス動作終了によって1画面分の潜像が書き込まれ
ることになる。次に、維持放電期間C1では、データ電
極群D1〜Dmを接地電位に設定しておき、走査電極群
SCN1〜SCNnおよび維持電極群SUS1〜SUS
nに対して、矩形波である維持パルス電圧Vsを交互に
印加する。これにより、維持放電期間C1では、書き込
み期間B1においてアドレス動作が実施された放電セル
で維持放電を生じ、発光が継続して行われる。
【0056】消去期間D1では、消去パルスが印加によ
り壁電荷の消去動作が行われた後、ランプ電圧の印加に
より放電開始電圧未満であってパネル全体に均一な量の
壁電荷の蓄積が行われる。消去期間D1の長さは、維持
放電期間C1における維持パルス数が25発未満である
ので、基準時間(T0)に設定されている。基準時間T0
の長さは、例えば、140(μsec.)程度である。
【0057】次のSF2が上記SF1と異なるのは、初
期化期間を有していない点と、維持放電期間C2におけ
る維持パルス数と、消去期間D2の長さという3点であ
る。先ず、維持放電期間C2では、25発以上50発未
満の維持パルスが印加される。これによって、上記SF
1と同様に、書き込み期間B2においてアドレス動作が
実施された放電セルで維持放電を生じ、発光が継続して
行われる。
【0058】次に、消去期間D2は、先立つ維持放電期
間C2における維持パルス数が25発以上50発未満で
あることに応じて、期間の長さがT0+160(μse
c.)に設定されている。これは、上述のように、プリ
プロセッサ101から送られた維持パルス数と、T1テ
ーブル格納部103に予め格納されたT1テーブル(表
1)とに基づいて、T1設定部102が設定した延長時
間T1を加味し、プリプロセッサ101が設定するもの
である。つまり、T1設定部102は、表1より、維持
パルス数が25発以上50発未満のところの延長時間T
1を参照し、T1=160(μsec.)を設定する。よ
って、プリプロセッサ101が設定する消去期間D2の
長さは、T0+T1=140+160=300(μse
c.)となる。
【0059】このように期間の長さが決められた消去期
間D2では、基本的に上記消去期間D1と同様に、壁電
荷の消去動作、および放電開始電圧未満であって、パネ
ル全体に均一な量の壁電荷の蓄積が行われる。消去期間
D2の後は、SF3の書き込み期間B3が開始される。
以上のような駆動タイミングをもって駆動されるPDP
表示装置では、SF3における書き込み期間B3開始時
の壁電荷が十分に維持された状態となっている。ここで
いう壁電荷とは、直前の消去期間D2において蓄積され
た電荷をさしている。
【0060】従って、このような駆動方法を有するPD
P表示装置では、維持放電期間C2から書き込み期間B
3までの間にチャージ抜けを生じ難く、書き込み期間B
3で低電圧パルスの印加によってアドレス動作を行って
も、書き込み不良を生じ難い。なお、消去期間D2の延
長時間T1=160(μsec.)については、以下の
ように確保される。
【0061】一般に、フィールド内時分割階調表示方式
で駆動されるPDP表示装置では、フィールド時間を1
00%各期間に割り当てているのではなく、余裕時間を
有している。実際には、調整時間として、フィールド内
に配分されている。上記延長時間T1は、このような調
整時間を用いて設定されるので、1フィールド16.6
(msec.)を変動させることはない。
【0062】一方、全てのサブフィールドについて一律
に表1における最大の延長時間T1=200(μse
c.)を加算した場合には、本実施の形態と同様にチャ
ージ抜けの発生を防止して、書き込み不良の発生を抑制
することができるが、1フィールド中における消去期間
の長さの合計が長くなってしまう。つまり、PDP表示
装置の駆動にあっては、このように合計時間が長くなる
と、1フィールドの時間を維持するために、消去期間以
外の期間(例えば、維持放電期間など)の長さを減少さ
せる必要が生じることがある。
【0063】これに対して、本実施の形態に係るPDP
表示装置では、書き込み不良の発生を抑制するのに必用
最小限の延長時間T1をサブフィールド毎に設定するこ
とにより、画像品質が優れたものとなる。また、消去期
間D2中における延長時間の配分については、上記図3
に示すものに限定される必要はない。例えば、ランプ波
形の勾配を緩やかなものとして、このランプ波形部分に
延長時間T1を使用すれば、壁電荷を蓄積する際の誤放
電の発生が抑制されるので、好ましい。
【0064】また、実際のPDP表示装置では、消去期
間の長さを、160(μsec.)以上460(μse
c.)以下の範囲内で設定することが好ましい。 (チャージ抜け抑制のメカニズム)次に、消去期間D2
の期間の長さを、これに先だつ維持放電期間C2におけ
る印加の維持パルス数に応じて延長した場合に、上述の
ようにチャージ抜けが生じ難くなるメカニズムについ
て、図4および図5を用いて説明する。図4は、維持放
電期間および書き込み期間における壁電荷の状態を示す
模式図であり、図5は、維持放電期間終了時からの経過
時間に対するチャージ量の変化を示す特性図である。
【0065】図4(a)に示すように、維持放電期間後
には、走査電極12a(SCN)に電圧VSCN=140
(V)のパルスが印加され、データ電極22(D)は電
圧VD AT=0(V)(接地電位)に維持される。これら
のパルス印加後における壁電荷の状態は、前面パネル1
0側の表面に壁電荷が蓄積された状態となっている。こ
れにより、前面パネル10の走査電極12aと背面パネ
ル20のデータ電極22との間には、電界Eersがか
かっている。ここで、電圧VSCNは、上記図3の消去期
間D1、D2における電圧Vdに対応するものである。
【0066】一方、図4(b)に示すように、書き込み
期間には、走査電極12a(SCN)に電圧VSCN=−
20(V)のパルスが印加され、データ電極22(D)
に電圧VDAT=70(V)のパルスが印加される。これ
らのパルス印加後における壁電荷の状態は、前面パネル
10側に壁電荷が蓄積された状態となっているが、上記
図4(a)における壁電荷よりは少ない量である。これ
により、前面パネル10の走査電極12aと背面パネル
20のデータ電極22との間には、電界Eadrがかか
っている。
【0067】電界Eersと電界Eadrとの関係は、
Eers<Eadrとなっている。次に、維持放電期間
終了から書き込み期間におけるパルス印加を開始するま
での間の時間(図3における消去期間)と、走査電極1
2aとデータ電極22との間に蓄積されている電荷量
(チャージ量)との関係を、図5を用いて説明する。図
5は、横軸に維持放電期間終了時点からの経過時間をと
り、縦軸にチャージ量をとっている。
【0068】図5では、次の4つの場合におけるチャー
ジ量の変化を示している。 (a)維持放電期間終了直後に電界Eadrを印加した
場合 (b)維持放電期間終了直後に電界Eersを印加した
場合 (c)維持放電期間終了後、時間T0経過後に書き込み
期間を開始した場合 (d)維持放電期間終了後、時間T0+T1経過後に書き
込み期間を開始した場合 図5に示すように、チャージ量は、維持放電期間終了直
後から時間の経過とともに指数関数的に減少する。その
中でも、特性曲線(a)は、他の3つの特性曲線と比べ
て、経過時間に対するチャージ量の減少の度合いが非常
に大きい。つまり、仮に維持放電期間終了直後から書き
込み期間におけるパルス印加を開始した場合には、チャ
ージ抜けの量が△V(a)となる。このように特性曲線
(a)におけるチャージ抜けの量が多いのは、次のよう
な理由によるものである。
【0069】上記図4(a)に示す維持放電期間終了直
後には、電荷がパネルの壁部分だけでなく、放電空間3
0に多く存在している。これは、放電空間30中の不純
物ガス(炭素、酸素、水素、窒素などを含む分子ガス)
による不純物準位によるものである。つまり、維持放電
期間終了直後には、不純物ガスと蛍光体層25および誘
電体保護膜14などとの間で不純物準位が生成された状
態となっている。そして、維持放電期間終了直後に電界
Eadrを印加した場合には、不純物準位の影響を受け
て蓄積されている壁電荷が放電空間30内に放出され、
チャージ抜けが発生する。
【0070】特性曲線(b)は、上記電界Eadrより
も弱い電界ersを印加した場合のチャージ量の変化を
示しているが、図からも分かるように、その減少度合い
が非常に小さい。次に、特性曲線(c)は、従来の駆動
方法におけるチャージ量の変化を示している。つまり、
特性曲線(c)では、維持放電期間終了後、時間T0
過までは上記特性曲線(b)に沿って推移し、この時点
から書き込み期間が開始される。そして、この特性曲線
(c)におけるチャージ抜け量は、△V(c)であり、
書き込み期間終了直後のチャージ量は、V2である。チ
ャージ抜け量△V(c)は、時間T0において印加され
る電界Eersによる減少量と、書き込み期間において
印加される電界Eadrによる減少量との合計である。
【0071】このような特性を有する従来のPDP表示
装置にあっては、チャージ抜けにより、残存チャージ量
と書き込みパルス電圧を合計した電荷量が放電開始電圧
に到達しないということが生じ得る。この場合には、書
き込み不良を生じてしまうことになる。これに対して、
特性曲線(d)は、維持放電期間が終了して後、時間T
0に加えて延長時間T1を経過してから書き込み期間にお
けるパルス印加が開始されるまでのチャージ量の変化を
示している。
【0072】図5に示すように、特性曲線(d)では、
維持放電期間が終了して時間(T0+T1)が経過する時
点までは、チャージ量が上記特性曲線(b)に沿って減
少していく。そして、時間(T0+T1)経過時点で書き
込み期間が開始され、電界Eadrが印加される。この
直後のチャージ量の減少度合いは、特性曲線(a)や特
性曲線(c)などの電界Eadrを印加した直後の場合
に比べて、非常に緩やかなものとなっている。特性曲線
(d)における書き込み期間終了時までのチャージ量抜
けは、△V(d)であり、残存のチャージ量は、V1で
ある。これは、延長時間T1を設けることによって、維
持放電期間で生じた不純物準位を低減することができ、
チャージ抜けの発生が抑制されるためである。
【0073】なお、実際のPDP表示装置では、上述の
不純物ガスの量によっても、チャージ抜けの度合いが影
響を受ける。書き込み期間におけるパルス印加を終了す
る時点での残存チャージ量は、この残留する不純物の量
が多いほど減少しやすくなる傾向を有する。しかし、上
記特性曲線(d)のように、時間(T0+T1)経過後に
書き込み期間を開始する場合には、放電空間30中にお
いて不純物が残存する場合にも、相対的に効果を奏する
ことができる。このため、維持放電期間終了から書き込
み期間開始までの時間を(T0+T1)とした場合には、
パネル封着後の放電空間30内を必要以上に高真空にし
なくても、書き込み不良を低減することができるので、
製造コストの面からも優位性を有する。 (第2の実施の形態)次に、第2の実施の形態に係るP
DP表示装置の駆動方法について、図6を用いて説明す
る。
【0074】第2の実施の形態に係るPDP表示装置の
装置構成については、上記第1の実施の形態に係るもの
と同一である。図6に示すように、本実施の形態に係る
駆動方法が上記第1の実施の形態にかかる駆動方法と異
なるのは、全てのサブフィールドが初期化期間、書き込
み期間、維持放電期間、消去期間の4つのシーケンスを
有する点である。
【0075】SF1における消去期間D11では、SF
2が初期化期間A12を有するので、放電空間30内の
壁電荷を消去するための矩形パルスが維持電極群SUS
1〜SUSnに印加される。SF2における初期化期間
A12では、SF1における初期化期間A11で印加さ
れたのと同一の初期化パルスが印加される。このとき、
初期化期間A12の長さは、SF1の維持放電期間C1
1で印加された維持パルス数が25発未満であるので、
SF1の初期化期間A11の長さと同一に設定される。
【0076】SF2における維持放電期間C12では、
データ電極群D1〜Dmを接地電位に設定しておき、走
査電極群SCN1〜SCNnおよび維持電極群SUS1
〜SUSnに対して、交互に矩形波である維持パルス電
圧Vsを印加する。これにより、維持放電期間C12で
は、書き込み期間B12においてアドレス動作が実施さ
れた放電セルで維持放電を生じ、発光が継続して行われ
る。このとき印加される維持パルス数は、25発以上5
0発未満である。
【0077】SF3における初期化期間A13の長さ
は、SF2における初期化期間A12よりも延長時間T
1分(160(μsec.))だけ長く設定されてい
る。これは、T1設定部102が直前の維持放電期間C
12における維持パルス数(25発以上50発未満)か
ら設定したものである。つまり、本実施の形態に係る駆
動方法では、延長時間T1がサブフィールド毎に設定さ
れるとともに、設定された延長時間T1が初期化期間内
に算入される。
【0078】このように直前の維持放電期間における維
持パルス数に応じて初期化期間の長さを設定した場合に
も、維持パルス数に応じて維持放電期間終了から書き込
み期間におけるパルス印加を開始するまでの長さが適切
に設定されたこととなり、チャージ抜けの発生を抑制す
ることができる。この理由については、上記第1の実施
の形態のように消去期間の長さを維持パルス数に応じて
設定した場合と同様である。
【0079】なお、ここで対象となる壁電荷は、当該初
期化期間A13で蓄積される電荷である。従って、本実
施の形態に係るPDP表示装置でも、低電圧で駆動する
場合にも書き込み不良を生じ難く、優れた画像品質が確
保される。なお、延長時間T1には、上述のように、フ
ィールド内における調整時間を用いられる。よって、1
フィールドの時間16.6(msec.)が変動される
ことはない。
【0080】また、実際のPDP表示装置にあっては、
全てのサブフィールドにおける初期化期間の長さを36
0(μsec.)以上660(μsec.)以下の範囲
内で設定することが望ましい。 (第3の実施の形態)第3の実施の形態に係るPDP表
示装置の駆動方法について、図7を用いて説明する。
【0081】第3の実施の形態についても、PDP表示
装置に上記第1の実施の形態、および第2の実施の形態
と同一の構成を有する。図7に示すように、本実施の形
態に係る駆動方法では、全てのサブフィールド(SF1
〜SFn)で消去期間が設定されていない。これに加え
て、SF2以降のサブフィールドには、初期化期間も設
定されていない。
【0082】本実施の形態に係る駆動方法においては、
直前の維持放電期間に印加された維持パルス数に応じ
て、書き込み期間開始時点から実際に電極にパルスが印
加されるまでの間の時間が設定されている。具体的に
は、印加される維持パルス数が25発以上50発未満で
ある維持放電期間C22の後のSF3では、書き込み期
間B23の長さがSF1およびSF2における書き込み
期間B21、B22に対して、延長時間T1分だけ加算
された長さとなっている。
【0083】図中において、書き込み期間B23の中の
待機時間B231は、書き込み期間B21における待機
時間B211や、書き込み期間B22における待機時間
B221よりも160(μsec.)長く設定されてい
る。このような駆動方法のPDP表示装置は、直前の維
持放電期間でのチャージ量の内、書き込み期間での残存
量が書き込み期間における放電開始電圧から書き込みパ
ルス電圧値を引いた値よりも低くなってしまうのを抑制
することができる。
【0084】従って、このPDP表示装置では、低電圧
で駆動する場合にも書き込み不良を生じ難く、優れた画
像品質が確保される。なお、実際のPDP表示装置にあ
っては、維持放電期間終了から書き込み期間で実際に書
き込みパルス電圧が印加されるまでの間の時間を、10
(μsec.)以上820(μsec.)以下に設定す
ることが好ましい。
【0085】また、延長時間T1の捻出方法について
は、上記第1の実施の形態および第2の実施の形態と同
様である。 (その他の事項)なお、上記実施の形態では、維持パル
ス数に応じてT1設定部102が設定する延長時間T1
を上記表1のテーブルに基づいて行ったが、表2に示す
範囲内であれば、これに限定されるものではない。
【0086】
【表2】
【0087】また、上記実施の形態では、先のサブフィ
ールドの維持放電期間における維持パルス数に応じて、
先のサブフィールドにおける維持放電期間終了からあと
のサブフィールドの書き込み期間におけるパルス印加開
始までの間の時間に延長時間T1を加算していたが、こ
れに加えて、フィールド間においてもこの関係を適用す
れば、より高い画像品質を確保することができる。この
駆動方法の一例としては、あるフィールドにおけるフィ
ールド全体での蓄積壁電荷量が少ない場合(輝度が低
い)、次のフィールドにおいて、第2の延長時間T2
加算を行わず、反対に、あるフィールドにおけるフィー
ルド全体での蓄積壁電荷量が多い場合(輝度が高い)、
次のフィールドにおいて、第2の延長時間T2を加算す
るというような方法があげられる。ここで、第2の延長
時間T2とは、サブフィールド毎に設定される延長時間
1に上乗せして加算するものである。
【0088】具体的には、上記T1設定部102とは別
にT2設定部を設けておき、このT2設定部でフィール
ド毎に輝度を検出し、その輝度が閾値より低い場合、次
のフィールドで第2の延長時間T2の加算を行わず、閾
値以上の場合、一律に各サブフィールドに第2の延長時
間T2をプリプロセッサ101に送る。そして、プリプ
ロセッサ101は、延長時間T1およびT2を加味し、サ
ブフィールド毎の動作タイミングの設定を行う。
【0089】さらに、上記実施の形態で用いたPDP表
示装置は、説明のための一例であり、駆動装置を含む装
置の構造、使用材料、製造方法などはこれに限定を受け
るものではない。 (確認実験)次に、上記効果を確認するために実施した
実験について、図8および図9を用いて説明する。
【0090】本実験では、PDPの各設計寸法を以下の
ように設定した。 ・誘電体ガラス層13の層厚み:42(μm) ・誘電体保護膜14の膜厚み:0.5(μm)〜0.8
(μm) ・操作電極12aと維持電極12bとのギャップ:80
(μm) ・隔壁24の高さ:120(μm) ・基準時間(T0):140(μsec.) また、上記図3における印加パルスの各電圧値を以下の
ように設定した。 ・Va=220(V) ・Vb=100(V) ・Vc=80(V) ・Vd=140(V) ・Ve=150(V) ・Vs=180(V) 本実験では、以上のような設定値を有するPDP表示装
置を用いて、先のサブフィールドの維持放電期間におけ
る維持パルス数(12,15、…、215,255)毎
に延長時間T1を変化させたときの必要な書き込みパル
ス電圧の値を測定した。図8は、その結果を示すグラフ
である。
【0091】図8に示すように、維持パルス数が25発
未満の場合には、延長時間T1を変化させても、必要な
書き込みパルス電圧Vdatは57(V)以下で安定し
ており、ほとんど変化しなかった。維持パルス数が25
発以上50発未満の場合、必要な書き込みパルス電圧V
datの値は、延長時間T1が20(μsec.)より
も小さいときに、60(V)〜64(V)程度で安定し
ており、延長時間T1が20(μsec.)以上300
(μsec.)以下の範囲で時間T1の増加に伴い低下
している。延長時間T1が300(μsec.)を超え
ると、必要な書き込みパルス電圧Vdatは、55
(V)〜58(V)の範囲で安定する。
【0092】維持パルス数が50発以上80発未満の場
合、必要な書き込みパルス電圧Vdatの値は、延長時
間T1が40(μsec.)よりも小さいときに、約8
0(V)程度で安定しており、延長時間T1が40(μ
sec.)以上320(μsec.)以下の範囲で時間
1の増加に伴い指数関数的に低下している。延長時間
1が320(μsec.)を超えると、必要な書き込
みパルス電圧Vdatは、58(V)〜60(V)の範
囲で安定する。
【0093】維持パルス数が80発以上の場合、必要な
書き込みパルス電圧Vdatの値は、延長時間T1が6
0(μsec.)よりも小さいときに、約80(V)程
度で安定しており、延長時間T1が60(μsec.)
以上340(μsec.)以下の範囲で時間T1の増加
に伴い指数関数的に低下している。延長時間T1が34
0(μsec.)を超えると、必要な書き込みパルス電
圧Vdatは、60(V)〜63(V)の範囲で安定す
る。
【0094】以上の結果より、PDP表示装置では、維
持パルス数が25発以上の場合、延長時間T1が短いほ
ど必要な書き込みパルス電圧が高く、維持放電期間にお
ける維持パルス数が大きいほど、必要な書き込みパルス
電圧Vdatを低く抑えるのに延長時間T1を大きく設
定する必要があることがわかる。なお、図8において、
減少したチャージ量は、書き込み期間における放電開始
電圧の値から図中の書き込みパルス電圧Vdatを差し
引いたものである。
【0095】また、図中において、維持パルス数が55
発以上の場合における延長時間T1の短い領域では、書
き込みパルス電圧Vdatが80(V)で略一定となっ
ているが、これは、書き込みパルス電圧Vdatの測定
を80(V)を上限として実施したためである。次に、
同じPDP表示装置を用いて、65(V)と67(V)
の2水準の書き込みパルス電圧Vdatにおける維持パ
ルス数と必要な延長時間T1との関係を測定した。図9
は、その結果を示すグラフである。ここでいう必要な延
長時間T 1とは、書き込みパルス電圧を一定に維持した
状態で、書き込み期間において、書き込み不良を起こさ
ないために必要最小限の延長時間である。また、図中に
おける維持パルス数は、先のサブフィールドの維持放電
期間に印加されたものを指している。
【0096】図9に示すように、維持放電期間に印加さ
れた維持パルス数が25発未満の場合、必要な延長時間
1は、0(μsec.)である。つまり、維持パルス
数が25発未満の場合には、延長時間T1を加算しなく
ても書き込み期間における書き込み不良が発生しない。
維持パルスが25発以上130発未満の範囲内にあると
き、延長時間T1は、維持パルス数の増加に伴って長く
なっていく。このような傾向は、書き込みパルス電圧V
dat=65(V)の場合、および書き込みパルス電圧
Vdat=67(V)の場合の両方において同じであ
る。
【0097】従って、上記図8および図9に示す両特性
図より、延長時間T1は、維持放電期間において印加さ
れる維持パルス数に応じて設定されることが望ましい。
具体的には、次に示すように設定する。維持放電期間に
おいて印加される維持パルス数が25発未満の場合に
は、延長時間T1=0とする。つまり、このような場合
には、時間の延長を行わなわず、維持放電期間終了から
書き込みパルス印加開始までの時間を基準時間T0(1
40μsec.)に設定する。
【0098】維持放電期間において印加される維持パル
ス数が25発以上50発未満の場合には、延長時間T1
を20(μsec.)以上300(μsec.)以下の
範囲で設定する。維持放電期間において印加される維持
パルス数が50発以上80発未満の場合には、延長時間
1を40(μsec.)以上320(μsec.)以
下の範囲で設定する。
【0099】維持放電期間において印加される維持パル
ス数が80発以上の場合には、延長時間T1を60(μ
sec.)以上340(μsec.)以下の範囲で設定
する。これらの各延長時間T1については、上述のよう
に、予めテーブル化されて上記図2におけるT1テーブ
ル格納部103に格納されている。
【0100】なお、本確認実験の結果は、上記各設計寸
法および各印加電圧値をもって得られたものであるが、
維持放電期間終了から書き込み期間におけるパルス印加
までの時間を、サブフィールド毎あるいはフィールド毎
に、維持パルス数に応じて設定すれば、その間における
チャージ抜けの発生が抑制されるという効果について
は、上記設定値以外のPDP表示装置でも得られる。
【0101】
【発明の効果】以上で説明してきたように、本発明のP
DP表示装置では、m番目の各サブフィールドの維持放
電期間における印加維持パルス数に応じて、m番目のサ
ブフィールドにおける維持放電期間終了から(m+1)
番目のサブフィールドの書き込みパルス印加開始までの
第1の時間が、n番目のサブフィールドと(n+1)番
目のサブフィールドとの間における対応する第2の時間
と異なる長さの関係を有するようなmおよびnが存在す
るので、不純物準位の存在によるチャージ抜けの発生を
効果的に抑制するのに適した時間を設定することができ
る。
【0102】従って、本発明のPDP表示装置では、消
費電力が低いとともに、書き込み期間における書き込み
不良が発生し難く、高い画像品質が確保される。また、
PDP表示装置の駆動方法では、m番目の各サブフィー
ルドの維持放電期間における印加維持パルス数に応じ
て、m番目のサブフィールドにおける維持放電期間終了
から(m+1)番目のサブフィールドの書き込みパルス
印加開始までの第1の時間が、n番目のサブフィールド
と(n+1)番目のサブフィールドとの間における対応
する第2の時間と異なる長さの関係を有するようなmお
よびnが存在するので、不純物準位の存在によるチャー
ジ抜けの発生を効果的に抑制するのに適した時間を設定
することができる。
【0103】従って、このPDP表示装置の駆動方法で
は、消費電力が低いとともに、書き込み期間における書
き込み不良が発生し難く、高い画像品質が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態に係るAC型PDP表示装置
におけるパネルの要部斜視図(一部断面図)である。
【図2】発明の実施の形態に係るAC型PDP表示装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係る駆動方法を示す印加パ
ルスの波形図である。
【図4】維持放電期間および書き込み期間におけるチャ
ージ量を示す模式図である。
【図5】維持放電期間終了からの経過時間とチャージ量
との関係を示す特性図である。
【図6】第2の実施の形態に係る駆動方法を示す印加パ
ルスの波形図である。
【図7】第3の実施の形態に係る駆動方法を示す印加パ
ルスの波形図である。
【図8】延長時間T1とアドレス電圧との関係を示す特
性図である。
【図9】直前の維持放電期間における維持パルス数と延
長時間T1との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1.プラズマディスプレイパネル 10. 前面パネル 12a.走査電極 12b.維持電極 14. 誘電体保護膜 20. 背面パネル 22. データ電極 25. 蛍光体層 30. 放電空間 102.T1設定部 103.T1テーブル格納部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥村 茂行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 倉田 隆次 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C058 AA11 BA01 BA26 5C080 AA05 BB05 DD03 DD09 DD26 EE29 HH04 HH05 HH07 JJ02 JJ04 JJ05 JJ06

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚のパネル間に複数の放電セルからな
    る放電空間が形成されてなるプラズマディスプレイパネ
    ルと、前記プラズマディスプレイパネルを発光駆動する
    駆動回路とを備え、 輝度重み付けされたn個のサブフィールドで1フィール
    ドが構成され、前記放電セル毎に所望の輝度重みを有す
    るサブフィールドを選択的に点灯駆動させて階調表示す
    るプラズマディスプレイパネル表示装置であって、 各々のサブフィールドには、書き込み期間および維持放
    電期間が配分されており、 m番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数がn
    番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数と異な
    るとともに、前記m番目のサブフィールドにおける維持
    放電期間終了から(m+1)番目のサブフィールドにお
    ける書き込み期間の書き込みパルス印加開始までの第1
    の時間が、前記n番目のサブフィールドと(n+1)番
    目のサブフィールとの間において対応する第2の時間と
    異なる長さの関係を満足するmおよびnが少なくとも1
    組存在することを特徴とするプラズマディスプレイパネ
    ル表示装置。
  2. 【請求項2】 先のサブフィールドにおける印加維持パ
    ルス数が所要値未満であるときの先のサブフィールドに
    おける数維持放電期間終了からそれに続くサブフィール
    ドにおける書き込み期間の書き込みパルス印加開始まで
    の時間を基準時間とするとき、 前記m番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数
    が前記所要値以上である場合に、前記第1の時間は、前
    記m番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数に
    基づいて設定された延長時間を前記基準時間に加算する
    ことにより設定されることを特徴とする請求項1に記載
    のプラズマディスプレイパネル表示装置。
  3. 【請求項3】 前記延長時間は、 前記m番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数
    が25発以上50発未満の場合に、20μsec.以上
    300μsec.以下の範囲内で設定され、 前記m番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数
    が50発以上80発未満の場合に、40μsec.以上
    320μsec.以下の範囲内で設定され、 前記m番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数
    が80発以上の場合に、60μsec.以上340μs
    ec.以下の範囲内で設定されていることを特徴とする
    請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル表示装
    置。
  4. 【請求項4】 発光駆動中における維持放電期間終了か
    ら書き込み期間の書き込みパルス印加開始までの時間
    は、全てが10μsec.以上820μsec.以下の
    範囲内で設定されていることを特徴とする請求項3に記
    載のプラズマディスプレイパネル表示装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動回路は、前記印加維持パルス数
    と延長時間との関係を対応付けるテーブルを格納するテ
    ーブル格納部と、前記テーブルを参照しながら前記m番
    目のサブフィールドにおける印加維持パルス数から前記
    延長時間を設定する延長時間設定部とを有していること
    を特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパ
    ネル表示装置。
  6. 【請求項6】 前記m番目のサブフィールドにおける維
    持放電期間の後には、前記放電セル内の壁電荷の消去を
    行う消去期間が設けられており、 前記延長時間は、前記m番目のサブフィールドにおける
    消去期間中に組み入れられていることを特徴とする請求
    項2に記載のプラズマディスプレイパネル表示装置。
  7. 【請求項7】 前記発光駆動中における全てのサブフィ
    ールドの前記消去期間は、その長さが160μsec.
    以上460μsec.以下の範囲内で設定されているこ
    とを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイ
    パネル表示装置。
  8. 【請求項8】 各サブフィールドにおける書き込み期間
    の前には、前記放電セル内の電荷状態の初期化を行う初
    期化期間が設けられており、 前記延長時間は、前記m番目のサブフィールドにおける
    初期化期間中に組み入れられていることを特徴とする請
    求項2に記載のプラズマディスプレイパネル表示装置。
  9. 【請求項9】 前記発光駆動中における全てのサブフィ
    ールドの前記初期化期間は、その長さが360μse
    c.以上660μsec.以下の範囲内で設定されてい
    ることを特徴とする請求項8に記載のプラズマディスプ
    レイパネル表示装置。
  10. 【請求項10】 全てのサブフィールド間における維持
    放電期間終了から書き込み期間の書き込みパルス印加開
    始までの時間は、10μsec.以上820μsec.
    以下の範囲内で設定されていることを特徴とする請求項
    2に記載のプラズマディスプレイパネル表示装置。
  11. 【請求項11】 先のフィールドにおける印加維持パル
    ス数の合計が所要値以上である場合、これに続くフィー
    ルドにおける各サブフィールド間では、維持放電期間終
    了から書き込み期間の書き込みパルス印加開始までの時
    間に第2の延長時間が加算されていることを特徴とする
    請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル表示装
    置。
  12. 【請求項12】 2枚のパネル間に放電空間が形成され
    てなるプラズマディスプレイパネルに対して、 輝度重み付けされたn個のサブフィールドから、前記放
    電セル毎に所望の輝度重みを有するサブフィールドを選
    択的に点灯駆動させて階調表示するプラズマディスプレ
    イパネル表示装置の駆動方法であって、 各々のサブフィールドには、書き込み期間および維持放
    電期間が配分されており、 m番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数がn
    番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数と異な
    るとともに、前記m番目のサブフィールドにおける維持
    放電期間終了から(m+1)番目のサブフィールドにお
    ける書き込み期間の書き込みパルス印加開始までの第1
    の時間が、前記n番目のサブフィールドと(n+1)番
    目のサブフィールとの間において対応する第2の時間と
    異なる長さの関係を満足するmおよびnが少なくとも1
    組存在することを特徴とするプラズマディスプレイパネ
    ル表示装置の駆動方法。
  13. 【請求項13】 先のサブフィールドにおける印加維持
    パルス数が所要値未満であるときの先のサブフィールド
    における数維持放電期間終了からそれに続くサブフィー
    ルドにおける書き込み期間の書き込みパルス印加開始ま
    での時間を基準時間とするとき、 前記m番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数
    が前記所要値以上である場合に、前記第1の時間は、前
    記m番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数に
    基づいて設定された延長時間を前記基準時間に加算する
    ことにより設定されることを特徴とする請求項12に記
    載のプラズマディスプレイパネル表示装置の駆動方法。
  14. 【請求項14】 前記延長時間は、 前記m番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数
    が25発以上50発未満の場合に、20μsec.以上
    300μsec.以下の範囲内で設定され、 前記m番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数
    が50発以上80発未満の場合に、40μsec.以上
    320μsec.以下の範囲内で設定され、 前記m番目のサブフィールドにおける印加維持パルス数
    が80発以上の場合に、60μsec.以上340μs
    ec.以下の範囲内で設定されていることを特徴とする
    請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル表示装
    置の駆動方法。
  15. 【請求項15】 発光駆動中における維持放電期間終了
    から書き込み期間の書き込みパルス印加開始までの時間
    は、全てが10μsec.以上820μsec.以下の
    範囲内で設定されていることを特徴とする請求項14に
    記載のプラズマディスプレイパネル表示装置の駆動方
    法。
  16. 【請求項16】 前記延長時間は、予め格納されている
    前記維持パルス数と延長時間との対応テーブルを参照し
    ながら前記維持パルス数から設定されることを特徴とす
    る請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル表示
    装置の駆動方法。
  17. 【請求項17】 前記m番目のサブフィールドにおける
    維持放電期間の後には、前記放電セル内の壁電荷の消去
    を行う消去期間が設けられており、 前記延長時間は、前記m番目のサブフィールドにおける
    消去期間中に組み入れられていることを特徴とする請求
    項13に記載のプラズマディスプレイパネル表示装置の
    駆動方法。
  18. 【請求項18】 各サブフィールドにおける書き込み期
    間の前には、前記放電セル内の電荷状態の初期化を行う
    初期化期間が設けられており、 前記延長時間が加算されているのは、前記初期化期間で
    あることを特徴とする請求項13に記載のプラズマディ
    スプレイパネル表示装置の駆動方法。
  19. 【請求項19】 先のフィールドにおける印加維持パル
    ス数の合計が所要値以上である場合、これに続くフィー
    ルドにおける各サブフィールド間では、維持放電期間終
    了から書き込み期間の書き込みパルス印加開始までの時
    間に第2の延長時間が加算されていることを特徴とする
    請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル表示装
    置の駆動方法。
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