JP2005037595A - ステレオ写真撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、縦位置、横位置、斜め位置など、任意の角度のカメラ位置でステレオ写真の撮影が可能なステレオ写真撮影装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、2台のカメラで共通の被写体を撮影することによってステレオ写真を撮影するステレオ写真撮影装置である。
2台のカメラ50を、カメラ50のレンズの光軸を中心とした任意の角度でそれぞれ固定可能な2つのカメラ角度固定手段40と、2つのカメラ角度固定手段40を支持する台座10と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、2台のカメラで共通の被写体を撮影することによってステレオ写真を撮影するステレオ写真撮影装置である。
2台のカメラ50を、カメラ50のレンズの光軸を中心とした任意の角度でそれぞれ固定可能な2つのカメラ角度固定手段40と、2つのカメラ角度固定手段40を支持する台座10と、を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はステレオ写真撮影装置に係り、特に縦位置、横位置、斜め位置など、任意の角度のカメラ位置でステレオ写真の撮影が可能なステレオ写真撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一つの被写体を左目用レンズ及び右目用レンズの2つのレンズで撮影するステレオ写真撮影装置が種々提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−160815号公報(第10欄第35行〜第13欄第34行、図3〜図8)
特許文献1では、2台のカメラを左右一対として保持し、この2台のカメラで共通の被写体を撮影することによって立体写真を撮影する装置が開示されている。この装置では、三脚の雲台上面に、水平に延びるガイドレールが固定され、このガイドレール上の左右に、カメラ固定部材を介して2台のカメラがそれぞれ固定されている。
カメラ固定部材は、ガイドレールに水平方向に可動可能に固定されると共に鉛直に起立するカメラ装着部材と、このカメラ装着部材にネジ止めされると共にカメラを載置するカメラ保持部材とを備えている。
【0004】
カメラ保持部材には、カメラ装着部材を嵌合可能な溝が十字型に切られており、十字に交叉する溝のどちらかにカメラ装着部材を嵌合固定することにより、カメラ保持部材をカメラごと縦位置又は横位置に設置して、カメラを縦位置、横位置に設置できるように構成されている。
従って、この特許文献1に記載された立体写真撮影装置によれば、カメラを縦位置、横位置に設置できるため、縦長の立体写真、横長の立体写真の双方を撮影することが可能となる。
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載された従来技術によれば、縦位置及び横位置におけるステレオ写真の撮影は可能であるが、斜め位置のカメラにより斜めのステレオ写真を撮影することはできないという問題点がある。
初級のカメラユーザが旅行先で又は友人と共にスナップ写真を撮影する場合など個人向けの用途であれば、縦位置及び横位置における撮影ができれば十分であるが、プロのカメラマンが商用に、又は作品としてステレオ写真を撮影する場合には、任意の角度の斜め位置での撮影ができるか否かは、その写真の商品又は作品としての価値に影響を及ぼす場合もあり、任意の角度の斜め位置におけるステレオ写真を撮影できる装置の開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点を解決することにあり、斜め位置におけるステレオ写真を迅速かつ正確に撮影することのできるステレオ写真撮影装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、請求項1に係る発明によれば、2台のカメラで共通の被写体を撮影することによってステレオ写真を撮影するステレオ写真撮影装置であって、2台の前記カメラを、該カメラのレンズの光軸を中心とした任意の角度でそれぞれ固定可能な2つのカメラ角度固定手段と、2つの前記カメラ角度固定手段を支持する台座と、を備えることにより解決される。
【0008】
このように、2台の前記カメラを、該カメラのレンズの光軸を中心とした任意の角度でそれぞれ固定可能な2つのカメラ角度固定手段を備えているため、縦位置、横位置、斜め位置など、任意の角度のカメラ位置でステレオ写真の撮影が可能となり、撮影できる構図の自由度が高くなる。
また、カメラ角度固定手段が、2台の前記カメラを、該カメラのレンズの光軸を中心とした角度で固定可能であるため、ステレオ写真の撮影中にカメラの角度を変更しても、角度はカメラのレンズの光軸を中心として変更されるため、カメラの光軸合わせを改めて行う必要が殆どなく、シャッターを切る時間間隔を短くすることができる。従って、スピーディに撮影ができると共に、光軸合わせのためにシャッターチャンスを逃す可能性が低くなる。
【0009】
このとき、前記カメラ角度固定手段は、前記台座に対して固定される台座側部材と、該台座側部材に対して回動可能で前記カメラが固定される可動部材と、該可動部材を前記台座側部材に回動しないように固定する固定手段と、を備えるように構成すると好適である。
【0010】
このように、台座側部材に対して回動可能で前記カメラが固定される可動部材を備えているため、カメラをレンズの光軸を中心とした任意の角度で固定することができる。また、カメラを固定する角度を数°程度の小さな角度単位に設定でき、種々の角度の斜め位置でステレオ写真の撮影をすることが可能となる。
【0011】
また、前記カメラ角度固定手段は、内面円筒形の外部材と、外面が前記外部材の内面より僅かに小さな径の円筒形の内部材と、該内部材と前記外部材とを互いに固定する固定部材と、を備え、前記外部材及び前記内部材の一方は、前記台座に対して固定され、他方は、前記カメラに対して固定され、前記外部材と前記内部材とは、互いに回動可能であるように構成すると好適である。
【0012】
このように構成しているため、カメラをレンズの光軸を中心とした任意の角度で固定することができる。また、カメラを固定する角度を数°程度の小さな角度単位に設定でき、種々の角度の斜め位置でステレオ写真の撮影をすることが可能となる。
【0013】
また、一方の前記カメラの画面中心を指すレーザーポインタを備えるように構成すると好適である。
このように構成しているため、2台のカメラのファインダが離れているときであっても、レーザーポインタを照射しながら他方のカメラのファインダを覗いて、一方のカメラのファインダ中のレーザーの位置と他方のカメラのファインダ中のレーザーの位置とを合わせることにより、2台のカメラの光軸合わせが可能となる。
また、2台のカメラのファインダを同時に覗かなくても2台のカメラの光軸合わせができるため、2台のカメラのレンズ間距離(ステレオベース)を広げることが可能となり、ステレオ写真の中距離撮影、遠距離撮影が可能となる。
【0014】
また、前記台座には、前記カメラ角度固定手段を支持すると共に前記カメラの位置を調整するための位置調整手段が、前記カメラ毎に設置され、前記位置調整手段は、雄ネジに連結された上部材と雌ネジに連結された下部材とを備えた水平調整手段、及び、略U字型の板体の上板部に該上板部に平行に設けられた当接部と、前記上板部に湾曲部を介して連続した下板部に回動可能に固定されると共に、前記当接部に先端が当接するネジとを備えた上下調整手段を備えるように構成すると好適である。
このように構成しているため、2台のカメラの水平及び上下位置を、個別に迅速に調整可能となる。また、被写体までの距離に応じて左右の画面を正確に一致させることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本明細書においてステレオ写真とは、立体写真と同義であり、人の目で見たときに立体的に見える写真をいう。本発明は、種々の方式のステレオ写真の中でも、特に、右目用カメラで撮影された右目用写真と左目用カメラで撮影された左目用写真とを、それぞれ右目のみ及び左目のみで同時に見ることにより立体視する方式に関するものである。
【0016】
本実施形態のステレオ写真撮影装置は、カメラ用の不図示の三脚に、不図示の雲台を介して取り付けられ、2つのカメラ50で、一つの被写体の左目用写真と右目用写真とからなるステレオ写真を撮影する装置である。
本実施形態のステレオ写真撮影装置は、図1に示すように、台座10と、台座10に固定される2つのカメラ間隔調節装置20と、2つの各カメラ間隔調節装置20に固定される2つの上下水平微動装置30と、2つの各上下水平微動装置30に固定される2つのカメラ回転装置40及び2つのカメラ50と、を主要構成要素とする。
【0017】
台座10は、2台のカメラ50を不図示の雲台に固定する役割を果たすものである。
台座10は、図1に示すように、上面10bが取付時水平になる平面からなり、両端よりも中央の厚みが厚く形成された略板状体の台座本体10aと、台座本体10aの略中央の下面に固定されたカメラクイックシュー10fと、から構成されている。
台座本体10aの略中央の最も厚みの厚い部分には、横長の取付孔10cが形成され、カメラクイックシュー10fにも、取付孔10cと同じ位置に不図示の取付孔が形成されている。この取付孔10c及びカメラクイックシュー10fの取付孔は、台座10を不図示の雲台に固定するための不図示のネジを螺合するために用いられる。
【0018】
台座本体10aは、図1に示すように、撮影者から見て右側の端部10gから取付孔10cまでの長さよりも、撮影者から見て左側の端部10hから取付孔10cまでの長さが、長くなるように形成されている。
台座本体10aには、撮影者から見て右側の端部10gと取付孔10cとの間及び撮影者から見て左側の端部10hと取付孔10cとの間に、カメラ間隔調節装置20をネジ止めするための取付孔10d,10eがそれぞれ形成されている。
撮影者から見て左側の端部10hと取付孔10cとの間の取付孔10eは、図1に示すように、台座本体10aの長手方向に伸びており、スリット状に形成されている。
【0019】
このように、一方の取付孔10eが、長さを持ったスリット状に形成されているため、カメラ50として、種々の大きさのカメラを用いることができる。小さなカメラ50を用いた場合には、撮影者から見て左側のカメラ間隔調整装置20を、取付孔10eの台座本体10a中央寄りの位置に固定し、大きなカメラ50を用いた場合には、撮影者から見て左側のカメラ間隔調整装置20を、台座本体10aの端部寄りの位置に固定できるので、サイズの大小に関わらず種々のカメラ50を設置可能となる。
【0020】
カメラ間隔調節装置20は、2つのカメラ50それぞれに対して設けられ、2つのカメラ50の間隔を調整する役割を果たす。
カメラ間隔調節装置20は、公知のマクロ撮影用フォーカシングレールであり、下面に不図示のスリットが形成されたカメラ間隔微動レール21と、カメラ間隔微動レール21に対し不図示のスリットに沿って水平方向に摺動可能な摺動板22と、摺動板22を摺動させるためのカメラ間隔微動ネジ23と、を主要構成要素とする。
【0021】
カメラ間隔微動レール21は、中空略直方体からなり下面に2本の不図示のスリットが形成されている。また、カメラ間隔微動レール21のステレオ写真撮影装置の外側の側面の中心には、不図示の取付孔が形成されており、この取付孔にカメラ間隔微動ネジ23が取り付けられている。
【0022】
摺動板22は、カメラ間隔微動レール21よりも幅の狭い底面長方形の板体からなり、底面に、台座10に取付けるための不図示の取付孔が形成されている。摺動板22の上面には、不図示のスリットを通る幅狭部と、この幅狭部の上端に連続する幅広部が形成されている。幅狭部がスリットを通るため、摺動板22はカメラ間隔微動レール21の下に、幅広部はカメラ間隔微動レール21の内部に位置している。
この幅広部は、カメラ間隔微動ネジ23に対して雌ネジとして形成されている。
【0023】
カメラ間隔微動ネジ23は、カメラ間隔微動レール21のステレオ写真撮影装置の外側の面の中心の不図示の取付孔に螺合されている。カメラ間隔微動ネジ23を回動させると、雌ネジである不図示の幅広部が、カメラ間隔微動レール21に対して長さ方向に移動し、それに伴って摺動板22も移動するように構成されている。
【0024】
また、2つのカメラ間隔調節装置20のうち、撮影者から見て右側のカメラ間隔調節装置20のカメラ間隔微動ネジ23は右ネジ、左側のカメラ間隔調節装置20のカメラ間隔微動ネジ23は、左ネジ(逆ネジ)からなる。
このように、左右のカメラ間隔調節装置20のカメラ間隔微動ネジ23の巻き方向を逆にすることにより、カメラ間隔微動ネジ23のネジ頭部をステレオ写真撮影装置の外側に配置でき、カメラ間隔調節動作の操作性を向上させることが可能となる。
【0025】
撮影者から見て右側のカメラ間隔調節装置20には、図1に示すように、カメラ間隔微動レール21の上面に、公知の水準器26が固定されている。
この水準器26は、台座10の水平を保つために用いられる。
また、撮影者から見て左側のカメラ間隔調節装置20には、図1に示すように、カメラ間隔微動レール21の上面に、公知のレーザーポインタ25が、公知の自由雲台24を介して固定されている。
【0026】
このレーザーポインタ25は、横位置撮影,斜め位置撮影など、左右のカメラ50のファインダが離れており同時に両眼視できない場合に、光軸合わせの補助装置として用いられる。
つまり、一般的に、2台のカメラを用いて一つの被写体を同時撮影するステレオ写真撮影方式では、2台のカメラのレンズの光軸がずれると、2つの画面が正しく一致せず、厳密なステレオ写真にならないため、2台のカメラの光軸を完全に一致させる必要があるのである。
また、自由雲台24は、レーザーポインタ25の照射ポイントを設定するために用いられる。
【0027】
このレーザーポインタ25は、次のように用いられる。
すなわち、予め撮影者から見て左側のカメラ50のファインダで見える適当な点,例えばファインダ内中央のフォーカスフレームにレーザーを照射する。照射したポイントは、レーザーの色として視認できるため、このポイントに、撮影者から見て右側のカメラ50のファインダで見える同じ点,例えばファインダ内の同一フォーカスフレームを合わせる。
なお、レーザーポインタ25で照射したポイントは、明るい野外などでは見え難いため、レーザーポインタ25は、室内や暗い屋外で特に有効に活用可能である。
【0028】
また、レーザーポインタ25の代わりに、左右のカメラ50のファインダそれぞれにCCDカメラを取り付け、このCCDカメラで撮影された画像を液晶画面等でモニターするように構成してもよい。このように構成することにより、2台のカメラ50のファインダを両眼視できないときにも、両眼立体モニターが可能となり、2台のカメラ50の光軸合わせをすることができる。
【0029】
カメラ間隔微動レール21の上面には、公知の円板状のカメラ取付台27がネジ止めされている。
このカメラ取付台27は、円板の周囲に、この円板と同軸状のリング体が回動可能に摺設されて形成されており、リング体の下面の端部近くには、リング体を貫通するネジ28が設けられている。このネジ28を締めることにより、リング体が円板に対して固定されるように構成されている。円板の上面には、上下水平微動装置30を取り付けるための不図示の取付孔、リング体の下面には、カメラ間隔調節装置20に取り付けるための取付孔が形成されている。
カメラ取付台27は、カメラ50を、鉛直な軸を中心として回動可能にする役割を果たす。つまり、両カメラ50の輻輳角やカメラ50の水平方向の向きを調節するために用いられる。
【0030】
上下水平微動装置30は、カメラ50を水平,上下方向に微調整する装置である。
上下水平微動装置30は、図2に示すように、板体が断面略U字状に湾曲されたU字板31、U字板31の上面に載置された支持板34、U字板31の開口31e側に支持板34と一体に設けられた水平微動ネジ33、U字板31の下板部31aを貫通して上板部31cに達する上下微動ネジ32を主要構成要素としている。
【0031】
U字板31は、鉄製の底面長方形からなる板体をU字状に湾曲させた形状からなり、図2に示すように、平面に形成された下板部31aと、下板部31aに連続する湾曲部31bと、湾曲部31bから連続して平面に形成された上板部31cと、上板部31cから垂直に下方へ起立した後更に先端が上板部31cと平行になるよう垂直に折曲された水平微動ネジ格納部31dと、から形成されている。
下板部31aの上面には、図1に示すように、長さ方向に伸びる直線状の凸部31lが2本形成されている。凸部31lは、バネ36の横方向の動きを規制する。
【0032】
凸部31lの間には、バネ36が配置され、バネ36の上には、ネジ部35bを上方に向けてネジ35が配置されている。
ネジ35は、取付孔37aを貫通して突出し、カメラ回転装置40を固定するために設けられたものである。バネ36は、ネジ35を上方に付勢し、ネジ35を取付位置に常に配置して、ネジ止めを迅速に行い易くしている。
【0033】
下板部31aには、図3に示すように、上下微動ネジ32を貫通させるための取付孔31fが形成され、この取付孔31fに、略中空円筒体からなるスペーサ31gが固定されている。スペーサ31gは内壁が雌ネジとしてネジ切りされ、上下微動ネジ32を螺合可能に形成されている。
スペーサ31gの高さは、湾曲部31bに負担がかからない最小限の間隔に形成されており、下板部31aと上板部31c,水平微動ネジ格納部31dとの間の最短間隔を規定する役割を果たす。
【0034】
水平微動ネジ格納部31dの開口31e側端部には、幅方向の中心に、U字型の切欠き31hが設けられている。この切欠き31hには、円柱体31iが当接するように固定されている。
円柱体31iは、切欠き31hが嵌合する部分が円柱状の細径部31jとして細く形成された略円柱体からなる。円柱体31iは、切欠き31hに細径部31jが嵌合することにより、水平微動ネジ33の長さ方向に位置決めされる。
円柱体31iには、図3に示すように、水平微動ネジ33の長さ方向に、雌ネジ31kが形成されている。雌ネジ31kは、水平微動ネジ33と螺合されている。円柱体31iは雌ネジ31kが螺入されることにより、支持板34の長さ方向に位置決めされる。
【0035】
支持板34は、鉄製の底面長方形からなる板体を略L字状に折曲させた形状からなる。
支持板34は、図2、図3に示すように、U字板31の上板部31c上に重ねて載置される平面部34aと、平面部34aから垂直に下方へ折曲された折曲部34bと、折曲部34bの側端から湾曲部31b方向へ折曲された2つの耳部34c,34dと、からなる。
平面部34a,折曲部34b,耳部34c,34d,上板部31cから垂直に下方へ起立した部分,水平微動ネジ格納部31dは、略中空直方体を構成し、この中空直方体内に水平微動ネジ33のネジ部分及び雌ネジ31kが格納されている。
【0036】
平面部34aは、カメラ回転装置40が取り付けられる面であり、上面には、カメラ回転装置40との間の衝撃を吸収するためのゴム製の板体37が接着されている。
平面部34a及びゴム製の板体37には、ネジ35を貫通させるための取付孔37aが形成されている。
【0037】
耳部34c,34dには、水平微動ネジ33を螺合するための取付孔34e,34fが形成され、一方の耳部34dには、水平微動ネジ33の軸受33bが形成されている。
水平微動ネジ33は、取付孔34e,34fに螺合され、軸受33bで支持されている。また、水平微動ネジ33のネジ頭部33aと耳部34cとの間には、水平微動ネジ33のネジ部分周囲に、円筒形のカバー33cが配置されている。
【0038】
また、水平微動ネジ33は、円柱体31iの雌ネジ31kに螺合される。
水平微動ネジ33を締める方向に回転させると、水平微動ネジ33が、円柱体31iの雌ネジ31kに対して進行方向Cに進み、円柱体31iは、水平微動ネジ33に対して進行方向Cとは逆の後退方向Dへ進む。
従って、水平微動ネジ33に連結されている支持板34は、ネジ部35bを軸として、円柱体31iに連結されているU字板31に対して進行方向Cに回転する。
【0039】
一方、水平微動ネジ33を緩める方向に回転させると、水平微動ネジ33が、円柱体31iの雌ネジ31kに対して後退方向Dに進み、円柱体31iは、水平微動ネジ33に対して後退方向Dとは逆の進行方向Cへ進む。
従って、水平微動ネジ33に連結されている支持板34は、ネジ部35bを軸として、円柱体31iに連結されているU字板31に対して後退方向Dに回転する。
このように水平微動ネジ33を回転させることにより、カメラ50の水平方向の微調整が可能となる。
【0040】
また、2つの上下水平微動装置30のうち、撮影者から見て右側の上下水平微動装置30の水平微動ネジ33は右ネジ、左側の上下水平微動装置30の水平微動ネジ33は、左ネジ(逆ネジ)からなる。
このように、左右の上下水平微動装置30の水平微動ネジ33の巻き方向を逆にすることにより、水平微動ネジ33のネジ頭部をステレオ写真撮影装置の外側に配置でき、水平微動調節動作の操作性を向上させることが可能となる。
【0041】
さらに、左右の水平微動ネジ33の巻き方向を逆にしているため、左右の水平微動ネジ33を同じ角度回転させると、左右の支持板34は、ネジ部35bを軸として逆方向に同じ角度回転する。従って、微動ネジ33を同一方向に同じ角度回転させることにより、左右のカメラ50の光軸を同じ角度開閉させることが可能となり、撮影中の被写体の距離に応じて左右レンズの光軸角度を調整することが容易になる。
さらに、微動ネジを同一方向に同じ角度回転させるだけで左右のカメラ50の光軸を同じ角度開閉させることができるため、近距離撮影、中距離撮影、遠距離撮影の切替が容易であり、スピーディかつシャッターチャンスを逃さずに、ステレオ写真の撮影が可能となる。
【0042】
つまり、左右のカメラ50の光軸は無限遠の場合には平行であり、被写体までの距離が近づくに従って内側に収斂するが、光軸の開閉操作を怠ると左右の画面が正しく一致せず、厳密なステレオ写真にならない。同機種のレンズとカメラ50を使用しても、レンズマウントとカメラマウントとの取付角の僅かな固体誤差や、ズーミングによる芯ぶれ、気温・湿度・工作精度などによる芯ぶれ、カメラ50とカメラ回転装置40とのセット誤差なども、光軸が不一致になることがあるのである。水平微動ネジ33により、このような光軸不一致を、迅速に補正することが可能となる。
【0043】
上下微動ネジ32は、カメラ50を上下方向に微動させて調整する装置である。上下微動ネジ32は、先端32aが平面として形成されており、円柱体31iの下端面に当接している。
また、上下微動ネジ32は、スペーサ31gに螺合されている。
上下微動ネジ32を締める方向に回転させると、図3に示すように、上下微動ネジ32の先端32aがスペーサ31gよりも突出した状態となって円柱体31iの下端面に当接するようになり、上板部31cと下板部31aとの間隔が広まり、カメラ50は上に持ち上げられる。
【0044】
一方、上下微動ネジ32を緩める方向に回転させると、上下微動ネジ32の先端32aがスペーサ31gの先端よりも下の位置となって、スペーサ31gの先端が円柱体31iの下端面に当接するようになり、上板部31cと下板部31aとの間隔が最も狭くなり、カメラ50は最も低い位置となる。
【0045】
カメラ50の光軸に対して垂直な面での回転角度は、後述するカメラ回転装置40により自由に変更可能であるが、光軸に対して垂直な面での回転角度を左右一致させるだけでは、左右の画像は正確に一致しない。
特に上下方向のずれは、ステレオ写真の立体感を大きく損ない、1〜2%のずれでもステレオ写真は見づらくなる。
そこで、本実施形態では上下水平微動装置30を備え、左右の画像の上下及び水平の位置を一致させることを可能としている。また、4つのネジにより調整できるため、迅速に上下及び水平の位置を調整できると共に高精度のステレオ写真の撮影が可能である。
【0046】
カメラ回転装置40は、カメラ50を載せるカメラ取付座44と、カメラ取付座44に固定された内リング42及び内リング42の外側に摺動可能に配設された外リング41と、を主要構成要素とする。
カメラ取付座44は、カメラ50を載せるためのものであり、図4、図5に示すように、底面略長方形の板体からなり、カメラ50を載せる位置には、コルク製のクッション材44aが貼付されている。
【0047】
また、カメラ50を載せる位置には、カメラ取付座44を厚み方向に貫通する蟻みぞ44bが形成されている。この蟻みぞ44bは、漢字の「土」の字型に形成されている。このように、蟻みぞ44bが、スリットが縦横に伸びた「土」の字型に形成されているため、種々のカメラをカメラ取付座44に取り付けることが可能となり、本実施形態におけるステレオ写真装置による写真撮影が種々のカメラにより可能となる。
カメラ取付座44の前端は、図1、図5に示すように、取付孔43aに螺合されたネジにより内リング42の支持部43に固定されている。
【0048】
内リング42及び外リング41は、カメラ50を所定の角度で保持するために用いられる装置である。
内リング42は、図5(b)に示すように、略円筒体からなるリング部42aと、板体からなる支持部43とが一体にされた形状からなる。
リング部42aは外周に、角度15°おきに、クリック溝42bが内リング42の前後方向に伸びるように刻設されている。また、リング部42aの外周の全周には、周方向に伸びる固定溝42cが形成されている。
【0049】
支持部43は、内周がリング部42aの内周と同径で連続してなり、外周がリング部42aの外周よりも大きく形成されている。
また、支持部43外周の下端の左右には、突出する突出部43bが形成されている。この突出部43bには、図1に示すように、複数の取付孔43aが形成されている。突出部43bの取付孔43aで、内リング42とカメラ取付座44とをネジにより固定可能に構成されている。
突出部43bに、複数の取付孔43aが形成されているため、カメラ50の底面からレンズ中心までの距離に応じて、適当な取付孔43aを選択してネジ止め可能となり、カメラ50の大きさが変わっても、カメラ50のレンズ中心と内リング42の回動軸とを一致させることが可能となる。
【0050】
内リング42の前面には、図4に示すように、全周に亘って、角度を示す目盛45a、45b、45c、45dが描かれている。
目盛45a、45b、45c、45dは、外リング41に対する内リング42の回転角度を読取るために用いられるものであり、外リング41に描かれた基準点マーク46と合っている目盛45a、45b、45c、45dを読むことにより、外リング41に対する内リング42の回転角度を知ることができる。
【0051】
目盛45aは90°の倍数の角度、目盛45bは目盛45a以外の30°の倍数の角度、目盛45cは、目盛45a,45b以外の10°の倍数の角度、目盛45dは、目盛45a,45b,45c以外の5°の倍数の角度を示している。
【0052】
外リング41は、図5(a)に示すように、内周が内リング42の外周より僅かに大きく形成された円筒体からなる。
外リング41の内周の1箇所には、クリック凸部41aが、外リング41の前後方向に伸びるように形成されている。クリック凸部41aは、断面略三角形のごく低い突起であり、内リング42のクリック溝42bに係合可能である。
【0053】
外リング41の周には、組立時に内リング42の固定溝42cと重なる位置に、不図示のネジ孔が、外リング41を貫通して形成されている。このネジ孔には、図5(a)に示すように、ロックネジ41bが螺合されている。
ロックネジ41bは、組立時に締めることにより、外リング41を内リング42に対して固定可能である。
【0054】
外リング41の下端には、底面が平らに形成された取付部41cが形成されている。この取付部41cの底面には、不図示のネジ孔が形成されている。このネジ孔に上下水平微動装置30のネジ35を螺合することにより、外リング41は、上下水平微動装置30に取り付けられる。
外リング41の前面の時計の0時の位置には、図4に示すように、基準点マーク46が描かれている。
【0055】
カメラ回転装置40を用いた本実施形態のステレオ写真装置は、俯瞰撮影等にも有効である。
俯瞰撮影などの被写体にカメラ50が正対しない撮影では、画面上部と画面下部が一致しない現象(パララックス)が現れる。パララックスが現れた場合、2台のカメラ50を逆方向に僅かに回転させると、パララックスを解消して見やすい画面を作ることが可能である。
【0056】
例えば、画面中心の被写体に光軸を合わせた俯瞰撮影の場合、画面下部にパララックスが生じる。この場合、カメラ回転装置40により、右のカメラ50は右回転、左のカメラ50は左回転させると、パララックスが解消する。この回転は、左右一方の回転により効果が現れる場合もある。
なお、本実施形態のカメラ回転装置40の代わりに、カメラ50のレンズ鏡筒自体に精密な回転式三脚座を設けて、それぞれのカメラ50を360°回動可能としてもよい。
【0057】
カメラ50は、市販の一眼レフのカメラである。なお、このカメラ50は、カメラ取付座44に取り付け可能なものであれば、どのようなカメラを用いてもよい。正確なステレオ写真を得るために、2台のカメラ50とレンズとは同一種類のものを用いる。
なお、カメラ50とレンズは、機械作動部分の誤差が最小になるようにそれぞれの組合せを調整すると、更に同調速度を高めることができ、好適である。
本実施形態では、一体型のステレオカメラではなく、2台のカメラ50を使用する方法を採用しているため、レンズ交換が可能で広範囲の撮影に対応可能である。
【0058】
カメラ50は、レンズ中心の光軸が、内リング42の回動軸に略一致するように、カメラ取付座44に取り付けられる。
レンズの光軸と内リング42の回転軸とが略一致しない場合には、内リング42と取付座55とを固定するネジを、適当な取付孔43aに入れ替えることによりカメラ50のレンズと内リング42との位置関係を調節する。
【0059】
カメラ50には、図6に示すように、シャッター連動装置52が接続されている。シャッター連動装置52は、2つのカメラ50のシャッターを同時に切るための装置である。
シャッター連動装置52は、2本のレリーズコード51が接続され、シャッターボタン53を備えている。
【0060】
レリーズコード51は、公知の2極プラグの電磁レリーズコードからなり、中央の銅線の外周にこの中央の銅線に対して絶縁されると共に筒状に編まれた銅線が配置され、筒状に編まれた銅線の周囲が、絶縁体からなるカバーで被覆されて形成されている。
中央の銅線と筒状に編まれた銅線は、カメラ50の電磁レリーズの接点に接続されており、シャッターボタン53又は一方のカメラ50の不図示のシャッターボタンを押すと、中央の銅線と筒状に編まれた銅線との間に電位差が生じて、カメラ50のシャッターが切れるように構成されている。
【0061】
シャッター連動装置52では、2本のレリーズコード51の中央の銅線同士、筒状に編まれた銅線同士が、導電体で連結されている。このとき、中央の銅線と筒状に編まれた銅線との間は、絶縁された状態とされている。
このように構成されているので、シャッターボタン53、カメラ50の不図示のシャッターボタンのいずれかを押すと、即時に2本のレリーズコード51の中央の銅線と筒状に編まれた銅線との間に電位差が生じ、左右のカメラ50のシャッターを同時に切ることが可能となる。
【0062】
単に2本のレリーズコード51の先端を一つのシャッターボタンに接続した場合には、シャッターボタンを同時に押しても、シャッターボタンの信号が伝わるタイミングが2本のレリーズコード51間でずれる場合があるが、本実施形態では、中央の銅線同士、筒状に編まれた銅線同士をそれぞれ接続しているため、左右のカメラ50にシャッターボタンの信号が伝わるタイミングを完全に同期させることが可能となる。
【0063】
2台のカメラ50にレリーズコード51を接続し、シャッターボタン53を押すことにより、撮影指令信号が2台のカメラ50に発信され、同時に2つのカメラ50で撮影可能である。
また、一方のカメラ50の不図示のシャッターボタンを押すと、撮影指令信号が他方のカメラ50にも発信され、両方のカメラ50を同時にレリーズでき、同時に2つのカメラ50で撮影可能である。
【0064】
このように、シャッター連動装置52を用いているため、2台のカメラ50のシャッターの同調が可能となる。
視差を有するステレオ写真では、「時間の一致と画面の一致」が基本的原理である。動きの速い被写体を撮影する場合、僅かでも時間のずれがあると、左右の画像が一致せず正しいステレオ写真にならないが、シャッター連動装置52を用いているため、ステレオ写真の動体撮影が可能となる。
【0065】
カメラ50は、カメラ取付座44に、カメラ50下面のネジ孔でネジ止めされる。
本実施形態のステレオ写真撮影装置では、カメラ50を種々の配置として写真撮影が可能である。各配置について説明する。
図6は、左右のカメラ50を互いに天地逆とした横位置撮影配置である。一般的なカメラは、レンズの中心からカメラ本体の横端までの距離が左右で異なる。従って、この配置では、レンズの中心からカメラ50本体の横端までの距離が近い側を内側とし、2台のカメラ50のレンズ間距離,すなわちステレオベースを最短としている。
【0066】
例えば、カメラ50から被写体までの距離が80〜150cm程度の近距離撮影時には、2台のカメラ50のステレオベースを小さくする必要があるため、図6のように、天地逆に配置する。
なお、図6の左右のカメラ50を互いに天地逆とした配置では、二つのカメラ50のファインダを同時に覗くことはできない。従って、レーザーポインタ25を利用して、左右の光軸合わせを行う。
【0067】
なお、横位置撮影でも、図6のように天地を逆にすると、ステレオベースを小さくすることができる。その結果、横長のカメラ50を縦位置撮影とほぼ同一のステレオベースにすることが可能で、横位置・縦位置に関わらず同一のステレオ感を得ることができるため、縦位置撮影、横位置撮影間で、撮影距離を変更する必要がなくなる。
【0068】
また、図示しないが、左右のカメラ50を共に、カメラ50の上側を上として、天地同一とした横位置撮影配置としてもよい。
一般的な一眼レフのカメラを用いた場合、左右のカメラ50を天地同一とした横位置撮影配置では、左右のファインダが160mm前後離れるため、二つのカメラ50のファインダを同時に覗くことはできない。従って、レーザーポインタ25を利用して、左右の光軸合わせを行う。
左右のカメラ50を天地同一とした横位置撮影配置は、カメラ50から被写体までの距離が1.5〜5m程度の中距離撮影に適している。
なお、左右のカメラ50を天地同一とした横位置撮影配置として、左右のカメラ50を共に、カメラ50の下側を上として配置してもよい。
【0069】
また、図示しないが、図6の状態から左右のカメラ50をカメラ回転装置40で同じ角度回転させた斜め位置撮影配置としてもよい。
この場合、外リング41の基準点マーク46と合っていた目盛45a、45b、45c、45dから、同じ角度だけ内リング42を回転させる。
【0070】
図7は、左右のカメラ50を互いに異なる方向に90°回転させ、両カメラ50のファインダを近づけた縦位置撮影配置である。一般的なカメラでは、ファインダはカメラ50の上端寄りに配置されているため、各カメラ50のファインダが内側になるように配置し、ファインダを両眼視可能としたものである。
この場合、レーザーポインタ25を利用して、左右の光軸合わせを行ってもよいが、ファインダを両眼視して左右の光軸合わせを行うとよい。
このように、ファインダを両眼視できる配置では、ファインダで直接立体像を確認できるため撮影能率が大幅に向上すると共に、被写体までの距離の違いによって生じる立体感の過不足と画面ずれを事前にチェックすることができる。
【0071】
次に、本実施形態のステレオ写真撮影装置を用いた撮影手順について説明する。
まず、撮影現場で、ステレオ写真撮影装置を組立てる。
不図示の三脚の上に不図示の雲台を固定し、この雲台に、台座10を固定する。
台座10の取付孔10dに、右用のカメラ間隔調節装置20を、台座10の取付孔10eに、左用のカメラ間隔調節装置20をネジで固定する。このとき、カメラ間隔調節装置20は、カメラ間隔微動ネジ23のネジ頭部がステレオ写真撮影装置の外側になるように固定する。
【0072】
次いで、各カメラ間隔調節装置20に、それぞれカメラ取付台27及び上下水平微動装置30を順次螺着する。
各上下水平微動装置30のネジ35を取付部41cの不図示のネジ孔に螺合して、カメラ回転装置40を各上下水平微動装置30に固定する。
【0073】
各カメラ回転装置40のカメラ取付座44にそれぞれカメラ50を載せ、カメラ50を取り付けたときに、カメラのレンズの光軸と内リング42の回動軸に略一致するか、肉眼で確認する。一致しない場合には、内リング42とカメラ取付座44とを固定するネジを、適当な取付孔43aに入れ替えて、再度内リング42とカメラ取付座44とを固定する。
不図示のネジを蟻みぞ44bを介して挿し込み、カメラ50をカメラ取付座44に固定する。
【0074】
その後、カメラ50の位置の微調整を行う。
まず、水準器26を見て、カメラ間隔調節装置20が水平になっているか確認する。カメラ間隔調節装置20が水平になっていない場合には、左右のカメラ50の土台となる台座10が水平になっていないということを意味するため、台座10の下の不図示の雲台の上下方向及び水平方向の位置を微調整し、水準器26を水平な状態とする。
傾きが大きくなると立体感が失われてしまうため、台座10自体が斜めでなく水平に保たれている必要がある。
【0075】
次に、2つのカメラ50のファインダの間隔が広い場合には、レーザーポインタ25の位置合わせをする。撮影者から見て左のカメラ50のファインダを覗きながら、レーザーポインタ25でレーザーを照射する。レーザーポインタ25の照射ポイントが、左のカメラ50のファインダ内中央のフォーカスフレームに入るように、自由雲台24を調整する。
【0076】
次に、右のカメラ50のファインダを覗きながらレーザーポインタ25を照射し、レーザーポインタ25の照射ポイントが、右のカメラ50のファインダ内中央のフォーカスフレームに入るよう、上下水平微動装置30を用いて、上下方向及び水平方向に微調整して、光軸合わせを行う。
2つのカメラ50のファインダ間隔が両眼視できるほど狭い場合には2つのファインダを同時に覗きながら、上下水平微動装置30を用いて、上下方向及び水平方向に微調整して、光軸合わせを行う。
【0077】
光軸合わせが完了すると、ステレオ写真を撮影する。
すなわち、2つのカメラ50のファインダの間隔が広い場合には、レーザーポインタ25で被写体の中央にレーザー照射し、撮影者から見て右のカメラ50のファインダを覗きながら、レーザーポインタ25の照射ポイントが、右のカメラ50のファインダ内中央のフォーカスフレームに入るように、右のカメラ50の位置を上下水平微動装置30で調整する。
次に、左右のカメラ50の焦点をそれぞれ合わせる。
その後、シャッターボタン53を押し、写真撮影する。
【0078】
次の写真を、最初に撮影した位置とは異なる位置の撮影配置で撮影する場合には、カメラ回転装置40のロックネジ41bを緩め、左右のカメラ50の片方又は双方の内リング42を所望の角度回転させた後、ロックネジ41bを締める。ここで、内リング42の回動軸がカメラ50の光軸と略一致しているため、内リング42を回転させて撮影配置を変更しても、水平位置、上下位置の微調整を殆ど行う必要がない。
【0079】
また、内リング42には回転角度を示す目盛45a、45b、45c、45dが描かれ、かつ内リング42の外周に15°おきにクリック溝42bが刻設され、外リング41の内周の1箇所に形成されたクリック凸部41aと係合するため、左右のカメラ50を、縦位置、横位置、斜め位置のいずれの場合にも、正確に同じ角度に設定することができる。
更に、回転角度を示す目盛45a、45b、45c、45dのうち最も細かい目盛45dは5°おきに描かれているため、斜め位置の斜めの角度も、5°単位で所望の角度に設定でき、撮影できるステレオ写真の自由度も高い。
このようにして撮影された写真は、図8に示す右目用フィルム61、左目用フィルム62となる。
【0080】
次に、本実施形態のステレオ写真撮影装置を用いて撮影されたステレオ写真を鑑賞するためのステレオマウント60、ステレオビュア70、ステレオビュア用ライトボックス80について説明する。
ステレオマウント60は、右目用フィルム61及び左目用フィルム62をフレーム63に固定して一体化したもので、ステレオビュア70で鑑賞するために用いられる。
【0081】
ステレオマウント60は、フレーム63と、フレーム63に固定された2つのスライドマウント65と、2つのスライドマウントにそれぞれ格納された右目用フィルム61及び左目用フィルム62とを主要構成要素としている。
フレーム63は、縦50mm、横105mmの表用フレーム63a及び裏用フレーム63bが重ね合わせられて形成されている。
表用フレーム63a及び裏用フレーム63bは、樹脂の射出成形により形成されている。
【0082】
表用フレーム63a及び裏用フレーム63bには、図8に示すように、左右2つのフィルム用開口63cが形成されている。
このフィルム用開口63cは、36mm四方の正方形に形成されている。
従って、右目用フィルム61及び左目用フィルム62が図8のような縦長画像の場合には、画像の左右にスライドマウント65の一部が露出し、右目用フィルム61及び左目用フィルム62が横長画像の場合には、画像の上下にスライドマウント65の一部が露出する。
つまり、スライドマウント65の一部が画像左右又は上下に露出される状態で、画像が縦長又は横長のいずれの場合にも同じフレーム63を用いることができる。
【0083】
表用フレーム63a及び裏用フレーム63bは、図8に示すように、横方向の中央が、縦方向に伸びる薄肉のヒンジ部64として形成されている。このように、表用フレーム63a及び裏用フレーム63b中央に薄肉のヒンジ部64が形成されているため、鑑賞時に右目用フィルム61及び左目用フィルム62の間を輻輳角に応じた適当な角度に保つことが可能となり、ユーザに対して、ステレオ写真をより自然な立体画像と感じさせることが可能となる。
【0084】
ここで、輻輳とは、ひとが無限遠以外の対象物を中止するときに眼球が眼筋の働きによって内側を向くことをいい、輻輳角とは、眼球の回転角をいう。
なお、ヒンジ部64は右目用フィルム61と左目用フィルム62との角度の調整が自在であるため、フレーム63に平行アタッチメントを介して光軸の平行を保持し、偏光ステレオプロジェクタで大画面に投影するようにしてもよい。
【0085】
スライドマウント65は、一辺が約50mmの正方形からなり、プラスチックの成形品として形成されている。スライドマウント65には、35mmフィルムの画像を露出可能なように、中央に約24mm×36mmの長方形の開口が形成されている。
スライドマウント65は2枚が一組となっており、2枚のスライドマウント65の間に、画像が開口で露出されるように35mmフィルムである右目用フィルム61又は左目用フィルム62が挟まれ、強力接着剤又は超音波溶着で固定されている。
このように、右目用フィルム61及び左目用フィルム62をスライドマウント65に収納してからフレーム63に収納するので、縦画面、横画面を問わず同じスライドマウント65及びフレーム63を用いることができ、縦画面用、横画面用に異なる部材を用いる必要がない。
【0086】
右目用フィルム61及び左目用フィルム62は、写真撮影に用いられる一般的な35mmフルサイズフィルムである。
このように、ステレオマウント60が、現在最も普及している35mmフルサイズフィルムに対応しているため、通常の写真撮影で用いる一般的なフィルムを用いてステレオマウント60に加工することができ、利便性が高い。
【0087】
右目用フィルム61及び左目用フィルム62は、スライドマウント65に固定された後、この右目用と左目用のスライドマウント65が、強力接着剤又は超音波溶着で表用フレーム63aと裏用フレーム63bとの間に固定される。
このように、右目用フィルム61及び左目用フィルム62を収納したスライドマウント65を強力接着剤又は超音波溶着で固定することにより、容易に内部のフィルム61,62を取り出せないようにし、フィルム61,62の二次使用を防止して、写真の著作権、被写体の肖像権を守ることができる。
【0088】
ステレオビュア70は、ステレオマウント60の右目用フィルム61及び左目用フィルム62を両眼視してステレオ写真を鑑賞するための装置である。
視差を有する左右のステレオ写真を鑑賞するために、両眼の眼幅調節と視度調節の機能を持ち、かつ左右のレンズ光軸の輻輳角により「眼」が対象物を生理的に注視し易く設計されている。
眼幅調節と視度調節は、「眼」の機能の個人差に対応したものである。
ステレオビュア70は、図8に示すように、本体ケース71と、本体ケース71の前面枠72に左右各一つずつ摺動可能に形成されたスライド板73と、各スライド板73に固定された凸レンズ75と、を主要構成要素とする。
【0089】
本体ケース71は、プラスチック製の断面長方形の筒体からなり、本体ケース71の前面には、本体ケース71と同じ素材からなる前面枠72が融着固定されている。
本体ケースの上面71a及び不図示の底面は、前側の端部が、中央が凸になった170°の逆V字状になるように形成されている。
【0090】
前面枠72は、中央72bが両端よりも前方に位置するよう中央72bで角度170°に折曲されている。中央72bの左右には、不図示の円形の開口が形成されている。
本体ケース71の上面及び底面と前面枠72との間には、不図示のスライド溝が左右1本ずつ形成されている。
本体ケース71の前端部は、所定長さで切り欠かれており、本体ケース71と前面枠72とを融着すると、本体ケース71と前面枠72との間にスライド溝が現れるように形成されている。
【0091】
前面枠72の中央72b左右には、図8に示すように、スライド板73が配設されている。
また、本体ケース71の上面には、ステレオマウント挿入用のスリット76が形成されている。
スリット76は、幅3〜5mmの開口からなり、角度170°のV字型に形成されている。V字の2つの辺の長さは、ステレオマウント60のから中央までの距離より僅かに大きい約51mmである。
【0092】
本体ケース71の後端近くには、外周に、ライトボックス80を連結するための係止部77及び係合突起78が形成されている。
係止部77は、本体ケース71の左右方向に伸びる狭幅の直方体形状の突起であって、本体ケース71の上面71a及び下面に形成されている。係止部77は、本体ケース71の左右の幅全体に亘って伸び、係止部77の両端は、本体ケース71の外周に沿って垂直に折り曲げられている。
係止部77は、本体ケース71にライトボックス80を取り付けたときに、ライトボックス80を位置決めすると共に支持する役割を果たす。
【0093】
係合突起78は、本体ケース71の各外側面の上端及び下端に合計4つ設けられ、高さ2mm、長さ5mm程度のかまぼこ状の小突起である。
係合突起78は、ライトボックス80の係止部88に係合し、係止部77と協働して、本体ケース71にライトボックス80を固定する役割を果たす。
【0094】
スライド板73は、本体ケース71と同じ素材の略長方形の板体からなり、上端及び下端が本体ケース71後側へ垂直に折曲されると共に、その先端がさらに垂直に本体ケース71側に折曲されている。
この先端は、本体ケース71と前面枠72との間にスライド溝に挿入されている。これにより、スライド板73は、本体ケース71の前面枠72の前に、左右に摺動可能に配置される。
また、スライド板73は、前面枠72と平行に配置されるため、2つのスライド板73は、相互に170°の角度を保つこととなる。
【0095】
各スライド板73の中心には、図8に示すように、円筒体からなる接眼鏡筒74と、この接眼鏡筒74にはめ込まれた凸レンズ75が固定されている。
接眼鏡筒74は、スライド板73に垂直に固定される。従って、左右の凸レンズ75の光軸は、スライド板73に対して垂直となるため、平行よりも10°内側を向いた角度となる。
このように、左右の凸レンズ75の光軸を平行よりも内側を向いた角度とし、かつ右目用フィルム61と左目用フィルム62との角度を170°として左右のフィルム61,62の面と光軸とが90°となるようにすることにより、左右の画像を正確に一致させることが可能となる。
左右の凸レンズの間隔は、50〜70mmの範囲で調節可能に構成されている。
【0096】
また、各スライド板73のステレオビュア70中央側の下端には、図8に示すように、円弧状の切欠き部73aが形成されている。この切欠き部73aは、スライド板73のステレオビュア70中央側の下端が、鑑賞時ユーザの鼻が当る位置になるため、鼻が当ることを防ぐために形成されている。
凸レンズ75は、一般的なステレオビュアで用いられる公知の凸レンズからなる。
【0097】
従来のステレオビュアは、眼幅調節と視度調節の機構がなく、個人の「眼」の機能に対応しておらず、十分な光学性能を発揮できないものが多数であった。
平行の光軸によって設計されたビュアでは、心理的には目前の対象物を見ていながら、生理的な眼球の動きは平行(無限遠)のままであるという矛盾があった。ステレオ写真は主に両眼の視差から立体感を生み出す写真技術であるが、両眼視差以外の要素も重要であって、可能な限りこれらの要素を加えることによってより現実的な立体映像として成立するものである。ひとが立体を認識するためには知覚的・心理的・生理的な様々な要素が必要で、眼筋の働きも大切な生理的要素のひとつである。
すなわち、人が無限遠以外の対象物を注視するとき、眼球は眼筋の働きによって内側を向くことになる。これを輻輳といい、この眼球の回転角(輻輳角)からもひとは距離情報を得ているのであるが、この問題を解決したステレオビュアの開発が望まれていた。
【0098】
本実施形態のステレオビュア70では、眼幅が50〜75mmまで無段階で調節可能に構成されているため、子供から眼幅の大きい人まで無理なくステレオ写真の鑑賞が可能である。また、本実施形態ではミリ単位で個々人の眼幅に正確に適合可能なスライド式を採用しているため、レンズ固定式ビュアで鑑賞するよりも、立体画像の見え方は極めて優れたものとなる。
また、本実施形態では、左右の凸レンズ75の光軸は、平行よりも10°内側を向いた角度に設定された輻輳角付きビュアとして構成されているため、長時間の鑑賞にも疲れにくい。
なお、凸レンズ75を、左右で個別に焦点調節可能なレンズとすると、正確なピント調整が可能となると共に左右の視力が違うユーザでも正しいピントを得ることができ好適である。
【0099】
ライトボックス80は、ステレオビュア70の後側に取り付けられ、ステレオ写真鑑賞時にフィルム61,62に光を与える役割を果たす。
十分な採光が得られない状況でステレオ写真を鑑賞するために用いられる。
ライトボックス80は、図8、図9に示すように、本体ケース81と、基板82と、LED83と、ロータリースイッチ85a,85b,85c,85dと、電池86と、中間板87と、係止部88と、を主要構成要素とする。
図9は、本体ケース81から中間板87を取り外したときの正面図であって、基板82のパンチ孔、配線の図示は、省略されている。
本体ケース81は、前面が開口として形成された中空略直方体からなり、本体ケース81内部がライトボックスとして形成されている。
【0100】
基板82は、一般的なLED用の基板からなり、本体ケース81後面の内壁に固定されている。
基板82には、図9に示すように、LED83及び抵抗84が固定されている。
LED83としては、白色LED83a、青色LED83b、赤色LED83c、緑色LED83dの4つが固定されている。
これらのLED83は、電池86に互いに並列に接続されると共に、それぞれのLED83は、異なる抵抗84及び白色用ロータリースイッチ85a、青色用ロータリースイッチ85b、赤色用ロータリースイッチ85c、緑色用ロータリースイッチ85dに接続されている。
【0101】
従って、本体ケース81後面外側に突出する白色用ロータリースイッチ85a、青色用ロータリースイッチ85b、赤色用ロータリースイッチ85c、緑色用ロータリースイッチ85dのいずれかをスイッチを入れる方向に回転させると、LED83のいずれかが点灯する。
【0102】
図8に示すように、本体ケース81の基板82の前には、本体ケース81内部を覆い隠すように中間板87が固定される。
中間板87は、蛍光灯カバー等に用いられる公知の乳白色のプラスチック板からなる。中間板87は、LED83の光が、ステレオビュア70側に均等に入るようにするために配設されている。
この中間板87により、ステレオビュア70で鑑賞したときに、ステレオ写真の一部に特に強い光があたり、画像が斑に見えることを防止することができる。
【0103】
係止部88は、ライトボックス80の側壁内面の端部近くに設けられ、係合突起78が嵌合可能な凹部として形成されている。係止部88は本体ケース71とライトボックス80とを連結するためのものであり、係合突起78と同数の4つ設けられている。
側壁の係止部88が設けられている位置の外面には、図8に示すように、側壁が厚く形成された肉厚部89が形成されている。
肉厚部89は、係合突起78と当接することにより係止部88が弱ることを防止する役割を果たす。
【0104】
従来より、2つのレンズを一体のケースに取り付けたリアリストタイプのステレオビュアでは、ステレオビュア内蔵タイプのライトボックスが知られているが、電源に交流電源及び乾電池が用いられ、光源に豆電球が用いられていたため、照射むらが残ると共に光源の色温度が低く色調表現に無理があった。
本実施形態のライトボックス80は、4色のLED83a〜83dを用いているため、色調表現に優れている。白色LED83aは、バックライトとしては最も使用頻度の高い色であるが、色温度が若干高く青みが強いため、肌色の再現のために赤色LED83cを別途設けて色を混合可能にし、色温度を調節できるように構成されている。
【0105】
また、4色は独立した光量コントロールによって調節できるため、色温度を変化させることが可能である。例えば、風景写真などで白色LED83aのみを使用した場合は昼間の雰囲気、赤色LED83Cを使用した場合は夕景の雰囲気を作ることができる。また画面内に暖炉や室内灯を取り入れた撮影では、光量の調節に応じてこれらの光源が変化するように見えるため、静止画であるステレオ写真に時間的な要素を取り入れることができる楽しさが加えられる。
【0106】
次いで、本実施形態のステレオマウント60、ステレオビュア70、ステレオビュア用ライトボックス80を用いてステレオ写真を鑑賞する手順について説明する。
ライトボックス80を用いない場合、ユーザは、ステレオビュア70のスリット76に、矢印Eのようにステレオマウント60を挿入し、凸レンズ75よりステレオビュア70を覗いてステレオ写真の立体画像を鑑賞する。
【0107】
ライトボックス80を用いる場合、ユーザは、ステレオビュア70の係合突起78をライトボックス80の係止部88に係止させ、矢印Fのようにステレオビュア70の後端にライトボックス80を固定する。
ステレオビュア70のスリット76に、矢印Eのようにステレオマウント60を挿入する。
ロータリースイッチ85a,85b,85c,85dの少なくとも一つを回転させて白色LED83a、青色LED83b、赤色LED83c、緑色LED83dのうち少なくとも一つを点灯させ、凸レンズ75よりステレオビュア70を覗いてステレオ写真の立体画像を鑑賞する。
【0108】
このとき、白色LED83a、青色LED83b、赤色LED83c、緑色LED83dのいずれを点灯するかによって、見える画像の印象が異なる。
例えば、光が差し込む窓をバックに室内を撮影した写真では、赤色LED83cを点灯すれば、窓の外が夕焼けであるような印象を与え、青色LED83bを点灯すれば、窓の外が夜であるような印象を与え、白色LED83aを点灯すれば、窓の外が晴れの日の昼であるような印象を与える。
【0109】
また、各LED83を単独でなく同時に点灯することにより、更に異なる印象を与えることができる。また、各LED83のロータリースイッチ85a〜85dは、スイッチを回す角度によりLED83の光の強度も調節できるので、各LED83の回す角度により、各LEDの色を適宜混合させた適当な色とすることができる。
【0110】
図10に、ステレオビュアの他の例を示す。
図10のステレオビュア90は、2つの本体ケース91と、2つの後部キャップ92と、2つの本体ケース91を相互に連結するヒンジ93と、凸レンズ94と、ロック機構95と、を備えている。
【0111】
本体ケース91は、右目用、左目用が別体として構成されており、略四角錐の頂点側が切り取られた形状からなる。本体ケース91の頭部には、それぞれ凸レンズ94が固定され、本体ケース91の底部には、本体ケース91とは別体として形成された後部キャップ92が着脱可能に設けられている。
本体ケース91と後部キャップ92との間は、底面と平行なスリット96として形成され、ステレオマウント60を挿入可能である。
【0112】
右目用、左目用の本体ケース91は、ヒンジ93で接続され、このヒンジ93を軸に左右の光軸の角度を調整可能にされている。
本体ケース91の一側面には、図9に示すように、眼幅を固定するためのロック機構95が形成されている。
【0113】
このロック機構95は、筒体95cと、両端が球として形成された連結部材95cとが複数連続した形状からなり、一端95aが、一方の本体ケース91に固定され、他端95bが他方の本体ケース91にマジックテープ(登録商標)により着脱可能に固定されている。
ロック機構95は、他端95bをマジックテープ(登録商標)により適当な位置に固定することにより、2つの本体ケース91同士を適当な角度に調整可能である。
【0114】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、2台の前記カメラを、該カメラのレンズの光軸を中心とした任意の角度でそれぞれ固定可能な2つのカメラ角度固定手段を備えているため、縦位置、横位置、斜め位置など、任意の角度のカメラ位置でステレオ写真の撮影が可能となり、撮影できる構図の自由度が高くなる。
また、カメラ角度固定手段が、2台の前記カメラを、該カメラのレンズの光軸を中心とした角度で固定可能であるため、ステレオ写真の撮影中にカメラの角度を変更しても、角度はカメラのレンズの光軸中心に変更されるため、カメラの光軸合わせを改めて行う必要が殆どなく、シャッターを切る時間間隔を短くすることができる。従って、スピーディに撮影ができると共に、光軸合わせのためにシャッターチャンスを逃す可能性が低くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るステレオ写真撮影装置の各構成部材の連結状態を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るステレオ写真撮影装置の上下水平微動装置を示す説明図である。
【図3】図2のA−A端面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るステレオ写真撮影装置のカメラ回転装置の斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るステレオ写真撮影装置のカメラ回転装置の連結状態を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るステレオ写真撮影装置において、カメラを横位置撮影配置とした場合を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るステレオ写真撮影装置において、カメラを縦位置撮影配置とした場合を示す説明図である。
【図8】ステレオ写真を観察するステレオビュアを示す説明図である。
【図9】ステレオビュア用のライトボックスの正面図である。
【図10】ステレオ写真を観察するステレオビュアの他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 台座
10a 台座本体
10c,10d,10e,31f,34e,34f,37a,43a 取付孔
10f カメラクイックシュー
10g 右側の端部
10h 左側の端部
20 カメラ間隔調節装置
21 カメラ間隔微動レール
22 摺動板
23 カメラ間隔微動ネジ
24 自由雲台
25 レーザーポインタ
26 水準器
27 カメラ取付台
28,35 ネジ
30 上下水平微動装置
31 U字板
31a 下板部
31b 湾曲部
31c 上板部
31d 水平微動ネジ格納部
31e 開口
31g スペーサ
31h 切欠き
31i 円柱体
31j 細径部
31k 雌ネジ
31l 凸部
32 上下微動ネジ
32a 先端
33 水平微動ネジ
33a ネジ頭部
33b 軸受
33c カバー
34 支持板
34a 平面部
34b 折曲部
34c,34d 耳部
35b ネジ部
36 バネ
37 板体
40 カメラ回転装置
41 外リング
41a クリック凸部
41b ロックネジ
41c 取付部
42 内リング
42a リング部
42b クリック溝
42c 固定溝
43 支持部
43b 突出部
44 カメラ取付座
44a クッション材
44b 蟻みぞ
45a、45b、45c、45d 目盛
46 基準点マーク
50 カメラ
60 ステレオマウント
61 右目用フィルム
62 左目用フィルム
63 フレーム
63a 表用フレーム
63b 裏用フレーム
63c フィルム用開口
64 ヒンジ部
65 枠
70,90 ステレオビュア
71,91 本体ケース
71a 上面
72 前面枠
73 スライド板
73a 切欠き部
74 接眼鏡筒
75,94 凸レンズ
76,96 スリット
77,88 係止部
78 係合突起
80 ライトボックス
81 本体ケース
82 基板
83 LED
83a 白色LED
83b 青色LED
83c 赤色LED
83d 緑色LED
84 抵抗
85a,85b,85c,85d ロータリースイッチ
86 電池
87 中間板
92 後部キャップ
93 ヒンジ
95 ロック機構
【発明の属する技術分野】
本発明はステレオ写真撮影装置に係り、特に縦位置、横位置、斜め位置など、任意の角度のカメラ位置でステレオ写真の撮影が可能なステレオ写真撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一つの被写体を左目用レンズ及び右目用レンズの2つのレンズで撮影するステレオ写真撮影装置が種々提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−160815号公報(第10欄第35行〜第13欄第34行、図3〜図8)
特許文献1では、2台のカメラを左右一対として保持し、この2台のカメラで共通の被写体を撮影することによって立体写真を撮影する装置が開示されている。この装置では、三脚の雲台上面に、水平に延びるガイドレールが固定され、このガイドレール上の左右に、カメラ固定部材を介して2台のカメラがそれぞれ固定されている。
カメラ固定部材は、ガイドレールに水平方向に可動可能に固定されると共に鉛直に起立するカメラ装着部材と、このカメラ装着部材にネジ止めされると共にカメラを載置するカメラ保持部材とを備えている。
【0004】
カメラ保持部材には、カメラ装着部材を嵌合可能な溝が十字型に切られており、十字に交叉する溝のどちらかにカメラ装着部材を嵌合固定することにより、カメラ保持部材をカメラごと縦位置又は横位置に設置して、カメラを縦位置、横位置に設置できるように構成されている。
従って、この特許文献1に記載された立体写真撮影装置によれば、カメラを縦位置、横位置に設置できるため、縦長の立体写真、横長の立体写真の双方を撮影することが可能となる。
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載された従来技術によれば、縦位置及び横位置におけるステレオ写真の撮影は可能であるが、斜め位置のカメラにより斜めのステレオ写真を撮影することはできないという問題点がある。
初級のカメラユーザが旅行先で又は友人と共にスナップ写真を撮影する場合など個人向けの用途であれば、縦位置及び横位置における撮影ができれば十分であるが、プロのカメラマンが商用に、又は作品としてステレオ写真を撮影する場合には、任意の角度の斜め位置での撮影ができるか否かは、その写真の商品又は作品としての価値に影響を及ぼす場合もあり、任意の角度の斜め位置におけるステレオ写真を撮影できる装置の開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点を解決することにあり、斜め位置におけるステレオ写真を迅速かつ正確に撮影することのできるステレオ写真撮影装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、請求項1に係る発明によれば、2台のカメラで共通の被写体を撮影することによってステレオ写真を撮影するステレオ写真撮影装置であって、2台の前記カメラを、該カメラのレンズの光軸を中心とした任意の角度でそれぞれ固定可能な2つのカメラ角度固定手段と、2つの前記カメラ角度固定手段を支持する台座と、を備えることにより解決される。
【0008】
このように、2台の前記カメラを、該カメラのレンズの光軸を中心とした任意の角度でそれぞれ固定可能な2つのカメラ角度固定手段を備えているため、縦位置、横位置、斜め位置など、任意の角度のカメラ位置でステレオ写真の撮影が可能となり、撮影できる構図の自由度が高くなる。
また、カメラ角度固定手段が、2台の前記カメラを、該カメラのレンズの光軸を中心とした角度で固定可能であるため、ステレオ写真の撮影中にカメラの角度を変更しても、角度はカメラのレンズの光軸を中心として変更されるため、カメラの光軸合わせを改めて行う必要が殆どなく、シャッターを切る時間間隔を短くすることができる。従って、スピーディに撮影ができると共に、光軸合わせのためにシャッターチャンスを逃す可能性が低くなる。
【0009】
このとき、前記カメラ角度固定手段は、前記台座に対して固定される台座側部材と、該台座側部材に対して回動可能で前記カメラが固定される可動部材と、該可動部材を前記台座側部材に回動しないように固定する固定手段と、を備えるように構成すると好適である。
【0010】
このように、台座側部材に対して回動可能で前記カメラが固定される可動部材を備えているため、カメラをレンズの光軸を中心とした任意の角度で固定することができる。また、カメラを固定する角度を数°程度の小さな角度単位に設定でき、種々の角度の斜め位置でステレオ写真の撮影をすることが可能となる。
【0011】
また、前記カメラ角度固定手段は、内面円筒形の外部材と、外面が前記外部材の内面より僅かに小さな径の円筒形の内部材と、該内部材と前記外部材とを互いに固定する固定部材と、を備え、前記外部材及び前記内部材の一方は、前記台座に対して固定され、他方は、前記カメラに対して固定され、前記外部材と前記内部材とは、互いに回動可能であるように構成すると好適である。
【0012】
このように構成しているため、カメラをレンズの光軸を中心とした任意の角度で固定することができる。また、カメラを固定する角度を数°程度の小さな角度単位に設定でき、種々の角度の斜め位置でステレオ写真の撮影をすることが可能となる。
【0013】
また、一方の前記カメラの画面中心を指すレーザーポインタを備えるように構成すると好適である。
このように構成しているため、2台のカメラのファインダが離れているときであっても、レーザーポインタを照射しながら他方のカメラのファインダを覗いて、一方のカメラのファインダ中のレーザーの位置と他方のカメラのファインダ中のレーザーの位置とを合わせることにより、2台のカメラの光軸合わせが可能となる。
また、2台のカメラのファインダを同時に覗かなくても2台のカメラの光軸合わせができるため、2台のカメラのレンズ間距離(ステレオベース)を広げることが可能となり、ステレオ写真の中距離撮影、遠距離撮影が可能となる。
【0014】
また、前記台座には、前記カメラ角度固定手段を支持すると共に前記カメラの位置を調整するための位置調整手段が、前記カメラ毎に設置され、前記位置調整手段は、雄ネジに連結された上部材と雌ネジに連結された下部材とを備えた水平調整手段、及び、略U字型の板体の上板部に該上板部に平行に設けられた当接部と、前記上板部に湾曲部を介して連続した下板部に回動可能に固定されると共に、前記当接部に先端が当接するネジとを備えた上下調整手段を備えるように構成すると好適である。
このように構成しているため、2台のカメラの水平及び上下位置を、個別に迅速に調整可能となる。また、被写体までの距離に応じて左右の画面を正確に一致させることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本明細書においてステレオ写真とは、立体写真と同義であり、人の目で見たときに立体的に見える写真をいう。本発明は、種々の方式のステレオ写真の中でも、特に、右目用カメラで撮影された右目用写真と左目用カメラで撮影された左目用写真とを、それぞれ右目のみ及び左目のみで同時に見ることにより立体視する方式に関するものである。
【0016】
本実施形態のステレオ写真撮影装置は、カメラ用の不図示の三脚に、不図示の雲台を介して取り付けられ、2つのカメラ50で、一つの被写体の左目用写真と右目用写真とからなるステレオ写真を撮影する装置である。
本実施形態のステレオ写真撮影装置は、図1に示すように、台座10と、台座10に固定される2つのカメラ間隔調節装置20と、2つの各カメラ間隔調節装置20に固定される2つの上下水平微動装置30と、2つの各上下水平微動装置30に固定される2つのカメラ回転装置40及び2つのカメラ50と、を主要構成要素とする。
【0017】
台座10は、2台のカメラ50を不図示の雲台に固定する役割を果たすものである。
台座10は、図1に示すように、上面10bが取付時水平になる平面からなり、両端よりも中央の厚みが厚く形成された略板状体の台座本体10aと、台座本体10aの略中央の下面に固定されたカメラクイックシュー10fと、から構成されている。
台座本体10aの略中央の最も厚みの厚い部分には、横長の取付孔10cが形成され、カメラクイックシュー10fにも、取付孔10cと同じ位置に不図示の取付孔が形成されている。この取付孔10c及びカメラクイックシュー10fの取付孔は、台座10を不図示の雲台に固定するための不図示のネジを螺合するために用いられる。
【0018】
台座本体10aは、図1に示すように、撮影者から見て右側の端部10gから取付孔10cまでの長さよりも、撮影者から見て左側の端部10hから取付孔10cまでの長さが、長くなるように形成されている。
台座本体10aには、撮影者から見て右側の端部10gと取付孔10cとの間及び撮影者から見て左側の端部10hと取付孔10cとの間に、カメラ間隔調節装置20をネジ止めするための取付孔10d,10eがそれぞれ形成されている。
撮影者から見て左側の端部10hと取付孔10cとの間の取付孔10eは、図1に示すように、台座本体10aの長手方向に伸びており、スリット状に形成されている。
【0019】
このように、一方の取付孔10eが、長さを持ったスリット状に形成されているため、カメラ50として、種々の大きさのカメラを用いることができる。小さなカメラ50を用いた場合には、撮影者から見て左側のカメラ間隔調整装置20を、取付孔10eの台座本体10a中央寄りの位置に固定し、大きなカメラ50を用いた場合には、撮影者から見て左側のカメラ間隔調整装置20を、台座本体10aの端部寄りの位置に固定できるので、サイズの大小に関わらず種々のカメラ50を設置可能となる。
【0020】
カメラ間隔調節装置20は、2つのカメラ50それぞれに対して設けられ、2つのカメラ50の間隔を調整する役割を果たす。
カメラ間隔調節装置20は、公知のマクロ撮影用フォーカシングレールであり、下面に不図示のスリットが形成されたカメラ間隔微動レール21と、カメラ間隔微動レール21に対し不図示のスリットに沿って水平方向に摺動可能な摺動板22と、摺動板22を摺動させるためのカメラ間隔微動ネジ23と、を主要構成要素とする。
【0021】
カメラ間隔微動レール21は、中空略直方体からなり下面に2本の不図示のスリットが形成されている。また、カメラ間隔微動レール21のステレオ写真撮影装置の外側の側面の中心には、不図示の取付孔が形成されており、この取付孔にカメラ間隔微動ネジ23が取り付けられている。
【0022】
摺動板22は、カメラ間隔微動レール21よりも幅の狭い底面長方形の板体からなり、底面に、台座10に取付けるための不図示の取付孔が形成されている。摺動板22の上面には、不図示のスリットを通る幅狭部と、この幅狭部の上端に連続する幅広部が形成されている。幅狭部がスリットを通るため、摺動板22はカメラ間隔微動レール21の下に、幅広部はカメラ間隔微動レール21の内部に位置している。
この幅広部は、カメラ間隔微動ネジ23に対して雌ネジとして形成されている。
【0023】
カメラ間隔微動ネジ23は、カメラ間隔微動レール21のステレオ写真撮影装置の外側の面の中心の不図示の取付孔に螺合されている。カメラ間隔微動ネジ23を回動させると、雌ネジである不図示の幅広部が、カメラ間隔微動レール21に対して長さ方向に移動し、それに伴って摺動板22も移動するように構成されている。
【0024】
また、2つのカメラ間隔調節装置20のうち、撮影者から見て右側のカメラ間隔調節装置20のカメラ間隔微動ネジ23は右ネジ、左側のカメラ間隔調節装置20のカメラ間隔微動ネジ23は、左ネジ(逆ネジ)からなる。
このように、左右のカメラ間隔調節装置20のカメラ間隔微動ネジ23の巻き方向を逆にすることにより、カメラ間隔微動ネジ23のネジ頭部をステレオ写真撮影装置の外側に配置でき、カメラ間隔調節動作の操作性を向上させることが可能となる。
【0025】
撮影者から見て右側のカメラ間隔調節装置20には、図1に示すように、カメラ間隔微動レール21の上面に、公知の水準器26が固定されている。
この水準器26は、台座10の水平を保つために用いられる。
また、撮影者から見て左側のカメラ間隔調節装置20には、図1に示すように、カメラ間隔微動レール21の上面に、公知のレーザーポインタ25が、公知の自由雲台24を介して固定されている。
【0026】
このレーザーポインタ25は、横位置撮影,斜め位置撮影など、左右のカメラ50のファインダが離れており同時に両眼視できない場合に、光軸合わせの補助装置として用いられる。
つまり、一般的に、2台のカメラを用いて一つの被写体を同時撮影するステレオ写真撮影方式では、2台のカメラのレンズの光軸がずれると、2つの画面が正しく一致せず、厳密なステレオ写真にならないため、2台のカメラの光軸を完全に一致させる必要があるのである。
また、自由雲台24は、レーザーポインタ25の照射ポイントを設定するために用いられる。
【0027】
このレーザーポインタ25は、次のように用いられる。
すなわち、予め撮影者から見て左側のカメラ50のファインダで見える適当な点,例えばファインダ内中央のフォーカスフレームにレーザーを照射する。照射したポイントは、レーザーの色として視認できるため、このポイントに、撮影者から見て右側のカメラ50のファインダで見える同じ点,例えばファインダ内の同一フォーカスフレームを合わせる。
なお、レーザーポインタ25で照射したポイントは、明るい野外などでは見え難いため、レーザーポインタ25は、室内や暗い屋外で特に有効に活用可能である。
【0028】
また、レーザーポインタ25の代わりに、左右のカメラ50のファインダそれぞれにCCDカメラを取り付け、このCCDカメラで撮影された画像を液晶画面等でモニターするように構成してもよい。このように構成することにより、2台のカメラ50のファインダを両眼視できないときにも、両眼立体モニターが可能となり、2台のカメラ50の光軸合わせをすることができる。
【0029】
カメラ間隔微動レール21の上面には、公知の円板状のカメラ取付台27がネジ止めされている。
このカメラ取付台27は、円板の周囲に、この円板と同軸状のリング体が回動可能に摺設されて形成されており、リング体の下面の端部近くには、リング体を貫通するネジ28が設けられている。このネジ28を締めることにより、リング体が円板に対して固定されるように構成されている。円板の上面には、上下水平微動装置30を取り付けるための不図示の取付孔、リング体の下面には、カメラ間隔調節装置20に取り付けるための取付孔が形成されている。
カメラ取付台27は、カメラ50を、鉛直な軸を中心として回動可能にする役割を果たす。つまり、両カメラ50の輻輳角やカメラ50の水平方向の向きを調節するために用いられる。
【0030】
上下水平微動装置30は、カメラ50を水平,上下方向に微調整する装置である。
上下水平微動装置30は、図2に示すように、板体が断面略U字状に湾曲されたU字板31、U字板31の上面に載置された支持板34、U字板31の開口31e側に支持板34と一体に設けられた水平微動ネジ33、U字板31の下板部31aを貫通して上板部31cに達する上下微動ネジ32を主要構成要素としている。
【0031】
U字板31は、鉄製の底面長方形からなる板体をU字状に湾曲させた形状からなり、図2に示すように、平面に形成された下板部31aと、下板部31aに連続する湾曲部31bと、湾曲部31bから連続して平面に形成された上板部31cと、上板部31cから垂直に下方へ起立した後更に先端が上板部31cと平行になるよう垂直に折曲された水平微動ネジ格納部31dと、から形成されている。
下板部31aの上面には、図1に示すように、長さ方向に伸びる直線状の凸部31lが2本形成されている。凸部31lは、バネ36の横方向の動きを規制する。
【0032】
凸部31lの間には、バネ36が配置され、バネ36の上には、ネジ部35bを上方に向けてネジ35が配置されている。
ネジ35は、取付孔37aを貫通して突出し、カメラ回転装置40を固定するために設けられたものである。バネ36は、ネジ35を上方に付勢し、ネジ35を取付位置に常に配置して、ネジ止めを迅速に行い易くしている。
【0033】
下板部31aには、図3に示すように、上下微動ネジ32を貫通させるための取付孔31fが形成され、この取付孔31fに、略中空円筒体からなるスペーサ31gが固定されている。スペーサ31gは内壁が雌ネジとしてネジ切りされ、上下微動ネジ32を螺合可能に形成されている。
スペーサ31gの高さは、湾曲部31bに負担がかからない最小限の間隔に形成されており、下板部31aと上板部31c,水平微動ネジ格納部31dとの間の最短間隔を規定する役割を果たす。
【0034】
水平微動ネジ格納部31dの開口31e側端部には、幅方向の中心に、U字型の切欠き31hが設けられている。この切欠き31hには、円柱体31iが当接するように固定されている。
円柱体31iは、切欠き31hが嵌合する部分が円柱状の細径部31jとして細く形成された略円柱体からなる。円柱体31iは、切欠き31hに細径部31jが嵌合することにより、水平微動ネジ33の長さ方向に位置決めされる。
円柱体31iには、図3に示すように、水平微動ネジ33の長さ方向に、雌ネジ31kが形成されている。雌ネジ31kは、水平微動ネジ33と螺合されている。円柱体31iは雌ネジ31kが螺入されることにより、支持板34の長さ方向に位置決めされる。
【0035】
支持板34は、鉄製の底面長方形からなる板体を略L字状に折曲させた形状からなる。
支持板34は、図2、図3に示すように、U字板31の上板部31c上に重ねて載置される平面部34aと、平面部34aから垂直に下方へ折曲された折曲部34bと、折曲部34bの側端から湾曲部31b方向へ折曲された2つの耳部34c,34dと、からなる。
平面部34a,折曲部34b,耳部34c,34d,上板部31cから垂直に下方へ起立した部分,水平微動ネジ格納部31dは、略中空直方体を構成し、この中空直方体内に水平微動ネジ33のネジ部分及び雌ネジ31kが格納されている。
【0036】
平面部34aは、カメラ回転装置40が取り付けられる面であり、上面には、カメラ回転装置40との間の衝撃を吸収するためのゴム製の板体37が接着されている。
平面部34a及びゴム製の板体37には、ネジ35を貫通させるための取付孔37aが形成されている。
【0037】
耳部34c,34dには、水平微動ネジ33を螺合するための取付孔34e,34fが形成され、一方の耳部34dには、水平微動ネジ33の軸受33bが形成されている。
水平微動ネジ33は、取付孔34e,34fに螺合され、軸受33bで支持されている。また、水平微動ネジ33のネジ頭部33aと耳部34cとの間には、水平微動ネジ33のネジ部分周囲に、円筒形のカバー33cが配置されている。
【0038】
また、水平微動ネジ33は、円柱体31iの雌ネジ31kに螺合される。
水平微動ネジ33を締める方向に回転させると、水平微動ネジ33が、円柱体31iの雌ネジ31kに対して進行方向Cに進み、円柱体31iは、水平微動ネジ33に対して進行方向Cとは逆の後退方向Dへ進む。
従って、水平微動ネジ33に連結されている支持板34は、ネジ部35bを軸として、円柱体31iに連結されているU字板31に対して進行方向Cに回転する。
【0039】
一方、水平微動ネジ33を緩める方向に回転させると、水平微動ネジ33が、円柱体31iの雌ネジ31kに対して後退方向Dに進み、円柱体31iは、水平微動ネジ33に対して後退方向Dとは逆の進行方向Cへ進む。
従って、水平微動ネジ33に連結されている支持板34は、ネジ部35bを軸として、円柱体31iに連結されているU字板31に対して後退方向Dに回転する。
このように水平微動ネジ33を回転させることにより、カメラ50の水平方向の微調整が可能となる。
【0040】
また、2つの上下水平微動装置30のうち、撮影者から見て右側の上下水平微動装置30の水平微動ネジ33は右ネジ、左側の上下水平微動装置30の水平微動ネジ33は、左ネジ(逆ネジ)からなる。
このように、左右の上下水平微動装置30の水平微動ネジ33の巻き方向を逆にすることにより、水平微動ネジ33のネジ頭部をステレオ写真撮影装置の外側に配置でき、水平微動調節動作の操作性を向上させることが可能となる。
【0041】
さらに、左右の水平微動ネジ33の巻き方向を逆にしているため、左右の水平微動ネジ33を同じ角度回転させると、左右の支持板34は、ネジ部35bを軸として逆方向に同じ角度回転する。従って、微動ネジ33を同一方向に同じ角度回転させることにより、左右のカメラ50の光軸を同じ角度開閉させることが可能となり、撮影中の被写体の距離に応じて左右レンズの光軸角度を調整することが容易になる。
さらに、微動ネジを同一方向に同じ角度回転させるだけで左右のカメラ50の光軸を同じ角度開閉させることができるため、近距離撮影、中距離撮影、遠距離撮影の切替が容易であり、スピーディかつシャッターチャンスを逃さずに、ステレオ写真の撮影が可能となる。
【0042】
つまり、左右のカメラ50の光軸は無限遠の場合には平行であり、被写体までの距離が近づくに従って内側に収斂するが、光軸の開閉操作を怠ると左右の画面が正しく一致せず、厳密なステレオ写真にならない。同機種のレンズとカメラ50を使用しても、レンズマウントとカメラマウントとの取付角の僅かな固体誤差や、ズーミングによる芯ぶれ、気温・湿度・工作精度などによる芯ぶれ、カメラ50とカメラ回転装置40とのセット誤差なども、光軸が不一致になることがあるのである。水平微動ネジ33により、このような光軸不一致を、迅速に補正することが可能となる。
【0043】
上下微動ネジ32は、カメラ50を上下方向に微動させて調整する装置である。上下微動ネジ32は、先端32aが平面として形成されており、円柱体31iの下端面に当接している。
また、上下微動ネジ32は、スペーサ31gに螺合されている。
上下微動ネジ32を締める方向に回転させると、図3に示すように、上下微動ネジ32の先端32aがスペーサ31gよりも突出した状態となって円柱体31iの下端面に当接するようになり、上板部31cと下板部31aとの間隔が広まり、カメラ50は上に持ち上げられる。
【0044】
一方、上下微動ネジ32を緩める方向に回転させると、上下微動ネジ32の先端32aがスペーサ31gの先端よりも下の位置となって、スペーサ31gの先端が円柱体31iの下端面に当接するようになり、上板部31cと下板部31aとの間隔が最も狭くなり、カメラ50は最も低い位置となる。
【0045】
カメラ50の光軸に対して垂直な面での回転角度は、後述するカメラ回転装置40により自由に変更可能であるが、光軸に対して垂直な面での回転角度を左右一致させるだけでは、左右の画像は正確に一致しない。
特に上下方向のずれは、ステレオ写真の立体感を大きく損ない、1〜2%のずれでもステレオ写真は見づらくなる。
そこで、本実施形態では上下水平微動装置30を備え、左右の画像の上下及び水平の位置を一致させることを可能としている。また、4つのネジにより調整できるため、迅速に上下及び水平の位置を調整できると共に高精度のステレオ写真の撮影が可能である。
【0046】
カメラ回転装置40は、カメラ50を載せるカメラ取付座44と、カメラ取付座44に固定された内リング42及び内リング42の外側に摺動可能に配設された外リング41と、を主要構成要素とする。
カメラ取付座44は、カメラ50を載せるためのものであり、図4、図5に示すように、底面略長方形の板体からなり、カメラ50を載せる位置には、コルク製のクッション材44aが貼付されている。
【0047】
また、カメラ50を載せる位置には、カメラ取付座44を厚み方向に貫通する蟻みぞ44bが形成されている。この蟻みぞ44bは、漢字の「土」の字型に形成されている。このように、蟻みぞ44bが、スリットが縦横に伸びた「土」の字型に形成されているため、種々のカメラをカメラ取付座44に取り付けることが可能となり、本実施形態におけるステレオ写真装置による写真撮影が種々のカメラにより可能となる。
カメラ取付座44の前端は、図1、図5に示すように、取付孔43aに螺合されたネジにより内リング42の支持部43に固定されている。
【0048】
内リング42及び外リング41は、カメラ50を所定の角度で保持するために用いられる装置である。
内リング42は、図5(b)に示すように、略円筒体からなるリング部42aと、板体からなる支持部43とが一体にされた形状からなる。
リング部42aは外周に、角度15°おきに、クリック溝42bが内リング42の前後方向に伸びるように刻設されている。また、リング部42aの外周の全周には、周方向に伸びる固定溝42cが形成されている。
【0049】
支持部43は、内周がリング部42aの内周と同径で連続してなり、外周がリング部42aの外周よりも大きく形成されている。
また、支持部43外周の下端の左右には、突出する突出部43bが形成されている。この突出部43bには、図1に示すように、複数の取付孔43aが形成されている。突出部43bの取付孔43aで、内リング42とカメラ取付座44とをネジにより固定可能に構成されている。
突出部43bに、複数の取付孔43aが形成されているため、カメラ50の底面からレンズ中心までの距離に応じて、適当な取付孔43aを選択してネジ止め可能となり、カメラ50の大きさが変わっても、カメラ50のレンズ中心と内リング42の回動軸とを一致させることが可能となる。
【0050】
内リング42の前面には、図4に示すように、全周に亘って、角度を示す目盛45a、45b、45c、45dが描かれている。
目盛45a、45b、45c、45dは、外リング41に対する内リング42の回転角度を読取るために用いられるものであり、外リング41に描かれた基準点マーク46と合っている目盛45a、45b、45c、45dを読むことにより、外リング41に対する内リング42の回転角度を知ることができる。
【0051】
目盛45aは90°の倍数の角度、目盛45bは目盛45a以外の30°の倍数の角度、目盛45cは、目盛45a,45b以外の10°の倍数の角度、目盛45dは、目盛45a,45b,45c以外の5°の倍数の角度を示している。
【0052】
外リング41は、図5(a)に示すように、内周が内リング42の外周より僅かに大きく形成された円筒体からなる。
外リング41の内周の1箇所には、クリック凸部41aが、外リング41の前後方向に伸びるように形成されている。クリック凸部41aは、断面略三角形のごく低い突起であり、内リング42のクリック溝42bに係合可能である。
【0053】
外リング41の周には、組立時に内リング42の固定溝42cと重なる位置に、不図示のネジ孔が、外リング41を貫通して形成されている。このネジ孔には、図5(a)に示すように、ロックネジ41bが螺合されている。
ロックネジ41bは、組立時に締めることにより、外リング41を内リング42に対して固定可能である。
【0054】
外リング41の下端には、底面が平らに形成された取付部41cが形成されている。この取付部41cの底面には、不図示のネジ孔が形成されている。このネジ孔に上下水平微動装置30のネジ35を螺合することにより、外リング41は、上下水平微動装置30に取り付けられる。
外リング41の前面の時計の0時の位置には、図4に示すように、基準点マーク46が描かれている。
【0055】
カメラ回転装置40を用いた本実施形態のステレオ写真装置は、俯瞰撮影等にも有効である。
俯瞰撮影などの被写体にカメラ50が正対しない撮影では、画面上部と画面下部が一致しない現象(パララックス)が現れる。パララックスが現れた場合、2台のカメラ50を逆方向に僅かに回転させると、パララックスを解消して見やすい画面を作ることが可能である。
【0056】
例えば、画面中心の被写体に光軸を合わせた俯瞰撮影の場合、画面下部にパララックスが生じる。この場合、カメラ回転装置40により、右のカメラ50は右回転、左のカメラ50は左回転させると、パララックスが解消する。この回転は、左右一方の回転により効果が現れる場合もある。
なお、本実施形態のカメラ回転装置40の代わりに、カメラ50のレンズ鏡筒自体に精密な回転式三脚座を設けて、それぞれのカメラ50を360°回動可能としてもよい。
【0057】
カメラ50は、市販の一眼レフのカメラである。なお、このカメラ50は、カメラ取付座44に取り付け可能なものであれば、どのようなカメラを用いてもよい。正確なステレオ写真を得るために、2台のカメラ50とレンズとは同一種類のものを用いる。
なお、カメラ50とレンズは、機械作動部分の誤差が最小になるようにそれぞれの組合せを調整すると、更に同調速度を高めることができ、好適である。
本実施形態では、一体型のステレオカメラではなく、2台のカメラ50を使用する方法を採用しているため、レンズ交換が可能で広範囲の撮影に対応可能である。
【0058】
カメラ50は、レンズ中心の光軸が、内リング42の回動軸に略一致するように、カメラ取付座44に取り付けられる。
レンズの光軸と内リング42の回転軸とが略一致しない場合には、内リング42と取付座55とを固定するネジを、適当な取付孔43aに入れ替えることによりカメラ50のレンズと内リング42との位置関係を調節する。
【0059】
カメラ50には、図6に示すように、シャッター連動装置52が接続されている。シャッター連動装置52は、2つのカメラ50のシャッターを同時に切るための装置である。
シャッター連動装置52は、2本のレリーズコード51が接続され、シャッターボタン53を備えている。
【0060】
レリーズコード51は、公知の2極プラグの電磁レリーズコードからなり、中央の銅線の外周にこの中央の銅線に対して絶縁されると共に筒状に編まれた銅線が配置され、筒状に編まれた銅線の周囲が、絶縁体からなるカバーで被覆されて形成されている。
中央の銅線と筒状に編まれた銅線は、カメラ50の電磁レリーズの接点に接続されており、シャッターボタン53又は一方のカメラ50の不図示のシャッターボタンを押すと、中央の銅線と筒状に編まれた銅線との間に電位差が生じて、カメラ50のシャッターが切れるように構成されている。
【0061】
シャッター連動装置52では、2本のレリーズコード51の中央の銅線同士、筒状に編まれた銅線同士が、導電体で連結されている。このとき、中央の銅線と筒状に編まれた銅線との間は、絶縁された状態とされている。
このように構成されているので、シャッターボタン53、カメラ50の不図示のシャッターボタンのいずれかを押すと、即時に2本のレリーズコード51の中央の銅線と筒状に編まれた銅線との間に電位差が生じ、左右のカメラ50のシャッターを同時に切ることが可能となる。
【0062】
単に2本のレリーズコード51の先端を一つのシャッターボタンに接続した場合には、シャッターボタンを同時に押しても、シャッターボタンの信号が伝わるタイミングが2本のレリーズコード51間でずれる場合があるが、本実施形態では、中央の銅線同士、筒状に編まれた銅線同士をそれぞれ接続しているため、左右のカメラ50にシャッターボタンの信号が伝わるタイミングを完全に同期させることが可能となる。
【0063】
2台のカメラ50にレリーズコード51を接続し、シャッターボタン53を押すことにより、撮影指令信号が2台のカメラ50に発信され、同時に2つのカメラ50で撮影可能である。
また、一方のカメラ50の不図示のシャッターボタンを押すと、撮影指令信号が他方のカメラ50にも発信され、両方のカメラ50を同時にレリーズでき、同時に2つのカメラ50で撮影可能である。
【0064】
このように、シャッター連動装置52を用いているため、2台のカメラ50のシャッターの同調が可能となる。
視差を有するステレオ写真では、「時間の一致と画面の一致」が基本的原理である。動きの速い被写体を撮影する場合、僅かでも時間のずれがあると、左右の画像が一致せず正しいステレオ写真にならないが、シャッター連動装置52を用いているため、ステレオ写真の動体撮影が可能となる。
【0065】
カメラ50は、カメラ取付座44に、カメラ50下面のネジ孔でネジ止めされる。
本実施形態のステレオ写真撮影装置では、カメラ50を種々の配置として写真撮影が可能である。各配置について説明する。
図6は、左右のカメラ50を互いに天地逆とした横位置撮影配置である。一般的なカメラは、レンズの中心からカメラ本体の横端までの距離が左右で異なる。従って、この配置では、レンズの中心からカメラ50本体の横端までの距離が近い側を内側とし、2台のカメラ50のレンズ間距離,すなわちステレオベースを最短としている。
【0066】
例えば、カメラ50から被写体までの距離が80〜150cm程度の近距離撮影時には、2台のカメラ50のステレオベースを小さくする必要があるため、図6のように、天地逆に配置する。
なお、図6の左右のカメラ50を互いに天地逆とした配置では、二つのカメラ50のファインダを同時に覗くことはできない。従って、レーザーポインタ25を利用して、左右の光軸合わせを行う。
【0067】
なお、横位置撮影でも、図6のように天地を逆にすると、ステレオベースを小さくすることができる。その結果、横長のカメラ50を縦位置撮影とほぼ同一のステレオベースにすることが可能で、横位置・縦位置に関わらず同一のステレオ感を得ることができるため、縦位置撮影、横位置撮影間で、撮影距離を変更する必要がなくなる。
【0068】
また、図示しないが、左右のカメラ50を共に、カメラ50の上側を上として、天地同一とした横位置撮影配置としてもよい。
一般的な一眼レフのカメラを用いた場合、左右のカメラ50を天地同一とした横位置撮影配置では、左右のファインダが160mm前後離れるため、二つのカメラ50のファインダを同時に覗くことはできない。従って、レーザーポインタ25を利用して、左右の光軸合わせを行う。
左右のカメラ50を天地同一とした横位置撮影配置は、カメラ50から被写体までの距離が1.5〜5m程度の中距離撮影に適している。
なお、左右のカメラ50を天地同一とした横位置撮影配置として、左右のカメラ50を共に、カメラ50の下側を上として配置してもよい。
【0069】
また、図示しないが、図6の状態から左右のカメラ50をカメラ回転装置40で同じ角度回転させた斜め位置撮影配置としてもよい。
この場合、外リング41の基準点マーク46と合っていた目盛45a、45b、45c、45dから、同じ角度だけ内リング42を回転させる。
【0070】
図7は、左右のカメラ50を互いに異なる方向に90°回転させ、両カメラ50のファインダを近づけた縦位置撮影配置である。一般的なカメラでは、ファインダはカメラ50の上端寄りに配置されているため、各カメラ50のファインダが内側になるように配置し、ファインダを両眼視可能としたものである。
この場合、レーザーポインタ25を利用して、左右の光軸合わせを行ってもよいが、ファインダを両眼視して左右の光軸合わせを行うとよい。
このように、ファインダを両眼視できる配置では、ファインダで直接立体像を確認できるため撮影能率が大幅に向上すると共に、被写体までの距離の違いによって生じる立体感の過不足と画面ずれを事前にチェックすることができる。
【0071】
次に、本実施形態のステレオ写真撮影装置を用いた撮影手順について説明する。
まず、撮影現場で、ステレオ写真撮影装置を組立てる。
不図示の三脚の上に不図示の雲台を固定し、この雲台に、台座10を固定する。
台座10の取付孔10dに、右用のカメラ間隔調節装置20を、台座10の取付孔10eに、左用のカメラ間隔調節装置20をネジで固定する。このとき、カメラ間隔調節装置20は、カメラ間隔微動ネジ23のネジ頭部がステレオ写真撮影装置の外側になるように固定する。
【0072】
次いで、各カメラ間隔調節装置20に、それぞれカメラ取付台27及び上下水平微動装置30を順次螺着する。
各上下水平微動装置30のネジ35を取付部41cの不図示のネジ孔に螺合して、カメラ回転装置40を各上下水平微動装置30に固定する。
【0073】
各カメラ回転装置40のカメラ取付座44にそれぞれカメラ50を載せ、カメラ50を取り付けたときに、カメラのレンズの光軸と内リング42の回動軸に略一致するか、肉眼で確認する。一致しない場合には、内リング42とカメラ取付座44とを固定するネジを、適当な取付孔43aに入れ替えて、再度内リング42とカメラ取付座44とを固定する。
不図示のネジを蟻みぞ44bを介して挿し込み、カメラ50をカメラ取付座44に固定する。
【0074】
その後、カメラ50の位置の微調整を行う。
まず、水準器26を見て、カメラ間隔調節装置20が水平になっているか確認する。カメラ間隔調節装置20が水平になっていない場合には、左右のカメラ50の土台となる台座10が水平になっていないということを意味するため、台座10の下の不図示の雲台の上下方向及び水平方向の位置を微調整し、水準器26を水平な状態とする。
傾きが大きくなると立体感が失われてしまうため、台座10自体が斜めでなく水平に保たれている必要がある。
【0075】
次に、2つのカメラ50のファインダの間隔が広い場合には、レーザーポインタ25の位置合わせをする。撮影者から見て左のカメラ50のファインダを覗きながら、レーザーポインタ25でレーザーを照射する。レーザーポインタ25の照射ポイントが、左のカメラ50のファインダ内中央のフォーカスフレームに入るように、自由雲台24を調整する。
【0076】
次に、右のカメラ50のファインダを覗きながらレーザーポインタ25を照射し、レーザーポインタ25の照射ポイントが、右のカメラ50のファインダ内中央のフォーカスフレームに入るよう、上下水平微動装置30を用いて、上下方向及び水平方向に微調整して、光軸合わせを行う。
2つのカメラ50のファインダ間隔が両眼視できるほど狭い場合には2つのファインダを同時に覗きながら、上下水平微動装置30を用いて、上下方向及び水平方向に微調整して、光軸合わせを行う。
【0077】
光軸合わせが完了すると、ステレオ写真を撮影する。
すなわち、2つのカメラ50のファインダの間隔が広い場合には、レーザーポインタ25で被写体の中央にレーザー照射し、撮影者から見て右のカメラ50のファインダを覗きながら、レーザーポインタ25の照射ポイントが、右のカメラ50のファインダ内中央のフォーカスフレームに入るように、右のカメラ50の位置を上下水平微動装置30で調整する。
次に、左右のカメラ50の焦点をそれぞれ合わせる。
その後、シャッターボタン53を押し、写真撮影する。
【0078】
次の写真を、最初に撮影した位置とは異なる位置の撮影配置で撮影する場合には、カメラ回転装置40のロックネジ41bを緩め、左右のカメラ50の片方又は双方の内リング42を所望の角度回転させた後、ロックネジ41bを締める。ここで、内リング42の回動軸がカメラ50の光軸と略一致しているため、内リング42を回転させて撮影配置を変更しても、水平位置、上下位置の微調整を殆ど行う必要がない。
【0079】
また、内リング42には回転角度を示す目盛45a、45b、45c、45dが描かれ、かつ内リング42の外周に15°おきにクリック溝42bが刻設され、外リング41の内周の1箇所に形成されたクリック凸部41aと係合するため、左右のカメラ50を、縦位置、横位置、斜め位置のいずれの場合にも、正確に同じ角度に設定することができる。
更に、回転角度を示す目盛45a、45b、45c、45dのうち最も細かい目盛45dは5°おきに描かれているため、斜め位置の斜めの角度も、5°単位で所望の角度に設定でき、撮影できるステレオ写真の自由度も高い。
このようにして撮影された写真は、図8に示す右目用フィルム61、左目用フィルム62となる。
【0080】
次に、本実施形態のステレオ写真撮影装置を用いて撮影されたステレオ写真を鑑賞するためのステレオマウント60、ステレオビュア70、ステレオビュア用ライトボックス80について説明する。
ステレオマウント60は、右目用フィルム61及び左目用フィルム62をフレーム63に固定して一体化したもので、ステレオビュア70で鑑賞するために用いられる。
【0081】
ステレオマウント60は、フレーム63と、フレーム63に固定された2つのスライドマウント65と、2つのスライドマウントにそれぞれ格納された右目用フィルム61及び左目用フィルム62とを主要構成要素としている。
フレーム63は、縦50mm、横105mmの表用フレーム63a及び裏用フレーム63bが重ね合わせられて形成されている。
表用フレーム63a及び裏用フレーム63bは、樹脂の射出成形により形成されている。
【0082】
表用フレーム63a及び裏用フレーム63bには、図8に示すように、左右2つのフィルム用開口63cが形成されている。
このフィルム用開口63cは、36mm四方の正方形に形成されている。
従って、右目用フィルム61及び左目用フィルム62が図8のような縦長画像の場合には、画像の左右にスライドマウント65の一部が露出し、右目用フィルム61及び左目用フィルム62が横長画像の場合には、画像の上下にスライドマウント65の一部が露出する。
つまり、スライドマウント65の一部が画像左右又は上下に露出される状態で、画像が縦長又は横長のいずれの場合にも同じフレーム63を用いることができる。
【0083】
表用フレーム63a及び裏用フレーム63bは、図8に示すように、横方向の中央が、縦方向に伸びる薄肉のヒンジ部64として形成されている。このように、表用フレーム63a及び裏用フレーム63b中央に薄肉のヒンジ部64が形成されているため、鑑賞時に右目用フィルム61及び左目用フィルム62の間を輻輳角に応じた適当な角度に保つことが可能となり、ユーザに対して、ステレオ写真をより自然な立体画像と感じさせることが可能となる。
【0084】
ここで、輻輳とは、ひとが無限遠以外の対象物を中止するときに眼球が眼筋の働きによって内側を向くことをいい、輻輳角とは、眼球の回転角をいう。
なお、ヒンジ部64は右目用フィルム61と左目用フィルム62との角度の調整が自在であるため、フレーム63に平行アタッチメントを介して光軸の平行を保持し、偏光ステレオプロジェクタで大画面に投影するようにしてもよい。
【0085】
スライドマウント65は、一辺が約50mmの正方形からなり、プラスチックの成形品として形成されている。スライドマウント65には、35mmフィルムの画像を露出可能なように、中央に約24mm×36mmの長方形の開口が形成されている。
スライドマウント65は2枚が一組となっており、2枚のスライドマウント65の間に、画像が開口で露出されるように35mmフィルムである右目用フィルム61又は左目用フィルム62が挟まれ、強力接着剤又は超音波溶着で固定されている。
このように、右目用フィルム61及び左目用フィルム62をスライドマウント65に収納してからフレーム63に収納するので、縦画面、横画面を問わず同じスライドマウント65及びフレーム63を用いることができ、縦画面用、横画面用に異なる部材を用いる必要がない。
【0086】
右目用フィルム61及び左目用フィルム62は、写真撮影に用いられる一般的な35mmフルサイズフィルムである。
このように、ステレオマウント60が、現在最も普及している35mmフルサイズフィルムに対応しているため、通常の写真撮影で用いる一般的なフィルムを用いてステレオマウント60に加工することができ、利便性が高い。
【0087】
右目用フィルム61及び左目用フィルム62は、スライドマウント65に固定された後、この右目用と左目用のスライドマウント65が、強力接着剤又は超音波溶着で表用フレーム63aと裏用フレーム63bとの間に固定される。
このように、右目用フィルム61及び左目用フィルム62を収納したスライドマウント65を強力接着剤又は超音波溶着で固定することにより、容易に内部のフィルム61,62を取り出せないようにし、フィルム61,62の二次使用を防止して、写真の著作権、被写体の肖像権を守ることができる。
【0088】
ステレオビュア70は、ステレオマウント60の右目用フィルム61及び左目用フィルム62を両眼視してステレオ写真を鑑賞するための装置である。
視差を有する左右のステレオ写真を鑑賞するために、両眼の眼幅調節と視度調節の機能を持ち、かつ左右のレンズ光軸の輻輳角により「眼」が対象物を生理的に注視し易く設計されている。
眼幅調節と視度調節は、「眼」の機能の個人差に対応したものである。
ステレオビュア70は、図8に示すように、本体ケース71と、本体ケース71の前面枠72に左右各一つずつ摺動可能に形成されたスライド板73と、各スライド板73に固定された凸レンズ75と、を主要構成要素とする。
【0089】
本体ケース71は、プラスチック製の断面長方形の筒体からなり、本体ケース71の前面には、本体ケース71と同じ素材からなる前面枠72が融着固定されている。
本体ケースの上面71a及び不図示の底面は、前側の端部が、中央が凸になった170°の逆V字状になるように形成されている。
【0090】
前面枠72は、中央72bが両端よりも前方に位置するよう中央72bで角度170°に折曲されている。中央72bの左右には、不図示の円形の開口が形成されている。
本体ケース71の上面及び底面と前面枠72との間には、不図示のスライド溝が左右1本ずつ形成されている。
本体ケース71の前端部は、所定長さで切り欠かれており、本体ケース71と前面枠72とを融着すると、本体ケース71と前面枠72との間にスライド溝が現れるように形成されている。
【0091】
前面枠72の中央72b左右には、図8に示すように、スライド板73が配設されている。
また、本体ケース71の上面には、ステレオマウント挿入用のスリット76が形成されている。
スリット76は、幅3〜5mmの開口からなり、角度170°のV字型に形成されている。V字の2つの辺の長さは、ステレオマウント60のから中央までの距離より僅かに大きい約51mmである。
【0092】
本体ケース71の後端近くには、外周に、ライトボックス80を連結するための係止部77及び係合突起78が形成されている。
係止部77は、本体ケース71の左右方向に伸びる狭幅の直方体形状の突起であって、本体ケース71の上面71a及び下面に形成されている。係止部77は、本体ケース71の左右の幅全体に亘って伸び、係止部77の両端は、本体ケース71の外周に沿って垂直に折り曲げられている。
係止部77は、本体ケース71にライトボックス80を取り付けたときに、ライトボックス80を位置決めすると共に支持する役割を果たす。
【0093】
係合突起78は、本体ケース71の各外側面の上端及び下端に合計4つ設けられ、高さ2mm、長さ5mm程度のかまぼこ状の小突起である。
係合突起78は、ライトボックス80の係止部88に係合し、係止部77と協働して、本体ケース71にライトボックス80を固定する役割を果たす。
【0094】
スライド板73は、本体ケース71と同じ素材の略長方形の板体からなり、上端及び下端が本体ケース71後側へ垂直に折曲されると共に、その先端がさらに垂直に本体ケース71側に折曲されている。
この先端は、本体ケース71と前面枠72との間にスライド溝に挿入されている。これにより、スライド板73は、本体ケース71の前面枠72の前に、左右に摺動可能に配置される。
また、スライド板73は、前面枠72と平行に配置されるため、2つのスライド板73は、相互に170°の角度を保つこととなる。
【0095】
各スライド板73の中心には、図8に示すように、円筒体からなる接眼鏡筒74と、この接眼鏡筒74にはめ込まれた凸レンズ75が固定されている。
接眼鏡筒74は、スライド板73に垂直に固定される。従って、左右の凸レンズ75の光軸は、スライド板73に対して垂直となるため、平行よりも10°内側を向いた角度となる。
このように、左右の凸レンズ75の光軸を平行よりも内側を向いた角度とし、かつ右目用フィルム61と左目用フィルム62との角度を170°として左右のフィルム61,62の面と光軸とが90°となるようにすることにより、左右の画像を正確に一致させることが可能となる。
左右の凸レンズの間隔は、50〜70mmの範囲で調節可能に構成されている。
【0096】
また、各スライド板73のステレオビュア70中央側の下端には、図8に示すように、円弧状の切欠き部73aが形成されている。この切欠き部73aは、スライド板73のステレオビュア70中央側の下端が、鑑賞時ユーザの鼻が当る位置になるため、鼻が当ることを防ぐために形成されている。
凸レンズ75は、一般的なステレオビュアで用いられる公知の凸レンズからなる。
【0097】
従来のステレオビュアは、眼幅調節と視度調節の機構がなく、個人の「眼」の機能に対応しておらず、十分な光学性能を発揮できないものが多数であった。
平行の光軸によって設計されたビュアでは、心理的には目前の対象物を見ていながら、生理的な眼球の動きは平行(無限遠)のままであるという矛盾があった。ステレオ写真は主に両眼の視差から立体感を生み出す写真技術であるが、両眼視差以外の要素も重要であって、可能な限りこれらの要素を加えることによってより現実的な立体映像として成立するものである。ひとが立体を認識するためには知覚的・心理的・生理的な様々な要素が必要で、眼筋の働きも大切な生理的要素のひとつである。
すなわち、人が無限遠以外の対象物を注視するとき、眼球は眼筋の働きによって内側を向くことになる。これを輻輳といい、この眼球の回転角(輻輳角)からもひとは距離情報を得ているのであるが、この問題を解決したステレオビュアの開発が望まれていた。
【0098】
本実施形態のステレオビュア70では、眼幅が50〜75mmまで無段階で調節可能に構成されているため、子供から眼幅の大きい人まで無理なくステレオ写真の鑑賞が可能である。また、本実施形態ではミリ単位で個々人の眼幅に正確に適合可能なスライド式を採用しているため、レンズ固定式ビュアで鑑賞するよりも、立体画像の見え方は極めて優れたものとなる。
また、本実施形態では、左右の凸レンズ75の光軸は、平行よりも10°内側を向いた角度に設定された輻輳角付きビュアとして構成されているため、長時間の鑑賞にも疲れにくい。
なお、凸レンズ75を、左右で個別に焦点調節可能なレンズとすると、正確なピント調整が可能となると共に左右の視力が違うユーザでも正しいピントを得ることができ好適である。
【0099】
ライトボックス80は、ステレオビュア70の後側に取り付けられ、ステレオ写真鑑賞時にフィルム61,62に光を与える役割を果たす。
十分な採光が得られない状況でステレオ写真を鑑賞するために用いられる。
ライトボックス80は、図8、図9に示すように、本体ケース81と、基板82と、LED83と、ロータリースイッチ85a,85b,85c,85dと、電池86と、中間板87と、係止部88と、を主要構成要素とする。
図9は、本体ケース81から中間板87を取り外したときの正面図であって、基板82のパンチ孔、配線の図示は、省略されている。
本体ケース81は、前面が開口として形成された中空略直方体からなり、本体ケース81内部がライトボックスとして形成されている。
【0100】
基板82は、一般的なLED用の基板からなり、本体ケース81後面の内壁に固定されている。
基板82には、図9に示すように、LED83及び抵抗84が固定されている。
LED83としては、白色LED83a、青色LED83b、赤色LED83c、緑色LED83dの4つが固定されている。
これらのLED83は、電池86に互いに並列に接続されると共に、それぞれのLED83は、異なる抵抗84及び白色用ロータリースイッチ85a、青色用ロータリースイッチ85b、赤色用ロータリースイッチ85c、緑色用ロータリースイッチ85dに接続されている。
【0101】
従って、本体ケース81後面外側に突出する白色用ロータリースイッチ85a、青色用ロータリースイッチ85b、赤色用ロータリースイッチ85c、緑色用ロータリースイッチ85dのいずれかをスイッチを入れる方向に回転させると、LED83のいずれかが点灯する。
【0102】
図8に示すように、本体ケース81の基板82の前には、本体ケース81内部を覆い隠すように中間板87が固定される。
中間板87は、蛍光灯カバー等に用いられる公知の乳白色のプラスチック板からなる。中間板87は、LED83の光が、ステレオビュア70側に均等に入るようにするために配設されている。
この中間板87により、ステレオビュア70で鑑賞したときに、ステレオ写真の一部に特に強い光があたり、画像が斑に見えることを防止することができる。
【0103】
係止部88は、ライトボックス80の側壁内面の端部近くに設けられ、係合突起78が嵌合可能な凹部として形成されている。係止部88は本体ケース71とライトボックス80とを連結するためのものであり、係合突起78と同数の4つ設けられている。
側壁の係止部88が設けられている位置の外面には、図8に示すように、側壁が厚く形成された肉厚部89が形成されている。
肉厚部89は、係合突起78と当接することにより係止部88が弱ることを防止する役割を果たす。
【0104】
従来より、2つのレンズを一体のケースに取り付けたリアリストタイプのステレオビュアでは、ステレオビュア内蔵タイプのライトボックスが知られているが、電源に交流電源及び乾電池が用いられ、光源に豆電球が用いられていたため、照射むらが残ると共に光源の色温度が低く色調表現に無理があった。
本実施形態のライトボックス80は、4色のLED83a〜83dを用いているため、色調表現に優れている。白色LED83aは、バックライトとしては最も使用頻度の高い色であるが、色温度が若干高く青みが強いため、肌色の再現のために赤色LED83cを別途設けて色を混合可能にし、色温度を調節できるように構成されている。
【0105】
また、4色は独立した光量コントロールによって調節できるため、色温度を変化させることが可能である。例えば、風景写真などで白色LED83aのみを使用した場合は昼間の雰囲気、赤色LED83Cを使用した場合は夕景の雰囲気を作ることができる。また画面内に暖炉や室内灯を取り入れた撮影では、光量の調節に応じてこれらの光源が変化するように見えるため、静止画であるステレオ写真に時間的な要素を取り入れることができる楽しさが加えられる。
【0106】
次いで、本実施形態のステレオマウント60、ステレオビュア70、ステレオビュア用ライトボックス80を用いてステレオ写真を鑑賞する手順について説明する。
ライトボックス80を用いない場合、ユーザは、ステレオビュア70のスリット76に、矢印Eのようにステレオマウント60を挿入し、凸レンズ75よりステレオビュア70を覗いてステレオ写真の立体画像を鑑賞する。
【0107】
ライトボックス80を用いる場合、ユーザは、ステレオビュア70の係合突起78をライトボックス80の係止部88に係止させ、矢印Fのようにステレオビュア70の後端にライトボックス80を固定する。
ステレオビュア70のスリット76に、矢印Eのようにステレオマウント60を挿入する。
ロータリースイッチ85a,85b,85c,85dの少なくとも一つを回転させて白色LED83a、青色LED83b、赤色LED83c、緑色LED83dのうち少なくとも一つを点灯させ、凸レンズ75よりステレオビュア70を覗いてステレオ写真の立体画像を鑑賞する。
【0108】
このとき、白色LED83a、青色LED83b、赤色LED83c、緑色LED83dのいずれを点灯するかによって、見える画像の印象が異なる。
例えば、光が差し込む窓をバックに室内を撮影した写真では、赤色LED83cを点灯すれば、窓の外が夕焼けであるような印象を与え、青色LED83bを点灯すれば、窓の外が夜であるような印象を与え、白色LED83aを点灯すれば、窓の外が晴れの日の昼であるような印象を与える。
【0109】
また、各LED83を単独でなく同時に点灯することにより、更に異なる印象を与えることができる。また、各LED83のロータリースイッチ85a〜85dは、スイッチを回す角度によりLED83の光の強度も調節できるので、各LED83の回す角度により、各LEDの色を適宜混合させた適当な色とすることができる。
【0110】
図10に、ステレオビュアの他の例を示す。
図10のステレオビュア90は、2つの本体ケース91と、2つの後部キャップ92と、2つの本体ケース91を相互に連結するヒンジ93と、凸レンズ94と、ロック機構95と、を備えている。
【0111】
本体ケース91は、右目用、左目用が別体として構成されており、略四角錐の頂点側が切り取られた形状からなる。本体ケース91の頭部には、それぞれ凸レンズ94が固定され、本体ケース91の底部には、本体ケース91とは別体として形成された後部キャップ92が着脱可能に設けられている。
本体ケース91と後部キャップ92との間は、底面と平行なスリット96として形成され、ステレオマウント60を挿入可能である。
【0112】
右目用、左目用の本体ケース91は、ヒンジ93で接続され、このヒンジ93を軸に左右の光軸の角度を調整可能にされている。
本体ケース91の一側面には、図9に示すように、眼幅を固定するためのロック機構95が形成されている。
【0113】
このロック機構95は、筒体95cと、両端が球として形成された連結部材95cとが複数連続した形状からなり、一端95aが、一方の本体ケース91に固定され、他端95bが他方の本体ケース91にマジックテープ(登録商標)により着脱可能に固定されている。
ロック機構95は、他端95bをマジックテープ(登録商標)により適当な位置に固定することにより、2つの本体ケース91同士を適当な角度に調整可能である。
【0114】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、2台の前記カメラを、該カメラのレンズの光軸を中心とした任意の角度でそれぞれ固定可能な2つのカメラ角度固定手段を備えているため、縦位置、横位置、斜め位置など、任意の角度のカメラ位置でステレオ写真の撮影が可能となり、撮影できる構図の自由度が高くなる。
また、カメラ角度固定手段が、2台の前記カメラを、該カメラのレンズの光軸を中心とした角度で固定可能であるため、ステレオ写真の撮影中にカメラの角度を変更しても、角度はカメラのレンズの光軸中心に変更されるため、カメラの光軸合わせを改めて行う必要が殆どなく、シャッターを切る時間間隔を短くすることができる。従って、スピーディに撮影ができると共に、光軸合わせのためにシャッターチャンスを逃す可能性が低くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るステレオ写真撮影装置の各構成部材の連結状態を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るステレオ写真撮影装置の上下水平微動装置を示す説明図である。
【図3】図2のA−A端面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るステレオ写真撮影装置のカメラ回転装置の斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るステレオ写真撮影装置のカメラ回転装置の連結状態を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るステレオ写真撮影装置において、カメラを横位置撮影配置とした場合を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るステレオ写真撮影装置において、カメラを縦位置撮影配置とした場合を示す説明図である。
【図8】ステレオ写真を観察するステレオビュアを示す説明図である。
【図9】ステレオビュア用のライトボックスの正面図である。
【図10】ステレオ写真を観察するステレオビュアの他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 台座
10a 台座本体
10c,10d,10e,31f,34e,34f,37a,43a 取付孔
10f カメラクイックシュー
10g 右側の端部
10h 左側の端部
20 カメラ間隔調節装置
21 カメラ間隔微動レール
22 摺動板
23 カメラ間隔微動ネジ
24 自由雲台
25 レーザーポインタ
26 水準器
27 カメラ取付台
28,35 ネジ
30 上下水平微動装置
31 U字板
31a 下板部
31b 湾曲部
31c 上板部
31d 水平微動ネジ格納部
31e 開口
31g スペーサ
31h 切欠き
31i 円柱体
31j 細径部
31k 雌ネジ
31l 凸部
32 上下微動ネジ
32a 先端
33 水平微動ネジ
33a ネジ頭部
33b 軸受
33c カバー
34 支持板
34a 平面部
34b 折曲部
34c,34d 耳部
35b ネジ部
36 バネ
37 板体
40 カメラ回転装置
41 外リング
41a クリック凸部
41b ロックネジ
41c 取付部
42 内リング
42a リング部
42b クリック溝
42c 固定溝
43 支持部
43b 突出部
44 カメラ取付座
44a クッション材
44b 蟻みぞ
45a、45b、45c、45d 目盛
46 基準点マーク
50 カメラ
60 ステレオマウント
61 右目用フィルム
62 左目用フィルム
63 フレーム
63a 表用フレーム
63b 裏用フレーム
63c フィルム用開口
64 ヒンジ部
65 枠
70,90 ステレオビュア
71,91 本体ケース
71a 上面
72 前面枠
73 スライド板
73a 切欠き部
74 接眼鏡筒
75,94 凸レンズ
76,96 スリット
77,88 係止部
78 係合突起
80 ライトボックス
81 本体ケース
82 基板
83 LED
83a 白色LED
83b 青色LED
83c 赤色LED
83d 緑色LED
84 抵抗
85a,85b,85c,85d ロータリースイッチ
86 電池
87 中間板
92 後部キャップ
93 ヒンジ
95 ロック機構
Claims (5)
- 2台のカメラで共通の被写体を撮影することによってステレオ写真を撮影するステレオ写真撮影装置であって、
2台の前記カメラを、該カメラのレンズの光軸を中心とした任意の角度でそれぞれ固定可能な2つのカメラ角度固定手段と、
2つの前記カメラ角度固定手段を支持する台座と、を備えることを特徴とするステレオ写真撮影装置。 - 前記カメラ角度固定手段は、前記台座に対して固定される台座側部材と、該台座側部材に対して回動可能で前記カメラが固定される可動部材と、該可動部材を前記台座側部材に回動しないように固定する固定手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載のステレオ写真撮影装置。
- 前記カメラ角度固定手段は、内面円筒形の外部材と、外面が前記外部材の内面より僅かに小さな径の円筒形の内部材と、該内部材と前記外部材とを互いに固定する固定部材と、を備え、
前記外部材及び前記内部材の一方は、前記台座に対して固定され、他方は、前記カメラに対して固定され、
前記外部材と前記内部材とは、互いに回動可能であることを特徴とする請求項1記載のステレオ写真撮影装置。 - 一方の前記カメラの画面中心を指すレーザーポインタを備えることを特徴とする請求項1記載のステレオ写真撮影装置。
- 前記台座には、前記カメラ角度固定手段を支持すると共に前記カメラの位置を調整するための位置調整手段が、前記カメラ毎に設置され、
前記位置調整手段は、雄ネジに連結された上部材と雌ネジに連結された下部材とを備えた水平調整手段、及び略U字型の板体の上板部に該上板部に平行に設けられた当接部と、前記上板部に湾曲部を介して連続した下板部に回動可能に固定されると共に、前記当接部に先端が当接するネジとを備えた上下調整手段を備えることを特徴とする請求項1記載のステレオ写真撮影装置。
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