JP2005037577A - 液晶注入方法及び液晶注入装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶使用量の低減を図ると共に、安価で確実、かつ生産性の向上を実現することができる液晶注入方法及び液晶注入装置を提供する。
【解決手段】真空槽内で所定の間隙を介して対面配置された一対の液晶基板間に液晶を注入する液晶注入方法において、真空槽内に液晶注入口が上方を向く様に液晶セル1が配置され、真空槽内を減圧し、減圧した真空槽内で細棒4を液晶が充填された容器3に浸漬する。続いて、細棒の先端部に付着した液晶を液晶セルに接触させた後、真空槽内を大気圧とする。
【選択図】 図1
【解決手段】真空槽内で所定の間隙を介して対面配置された一対の液晶基板間に液晶を注入する液晶注入方法において、真空槽内に液晶注入口が上方を向く様に液晶セル1が配置され、真空槽内を減圧し、減圧した真空槽内で細棒4を液晶が充填された容器3に浸漬する。続いて、細棒の先端部に付着した液晶を液晶セルに接触させた後、真空槽内を大気圧とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶注入方法及び液晶注入装置に関する。詳しくは、所定の間隙を介して対面配置された一対の液晶基板間に液晶を注入する液晶注入方法及び液晶注入装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶基板に形成された透明電極に印加する電圧により液晶の分子配列を変更させて画像の形成を行う液晶セルは、液晶基板の端部に塗布されたシール剤を介して対面配置された2枚の液晶基板の隙間に液晶を密封した構造を採っており、液晶セルの製造においては、液晶を注入するための液晶注入口(以下、注入口と言う)を残して端部をシール剤で封止した2枚の液晶基板の隙間に液晶を注入する必要がある。
【0003】
ここで、従来の液晶注入方法は、先ず、図4(a)で示す様に、真空槽(図示せず)内に液晶101を充満させた液晶ボート102を配置すると共に、液晶セル103を保持するためのマガジン(図示せず)に複数個の液晶セルを注入口104が下向きとなる様に載置した状態で真空槽の減圧を行う。なお、この際、液晶ボート内の液晶は表面張力を利用して凸状の表面を形成するようにする。
次に、液晶セルを保持したマガジンを下降もしくは液晶ボートを上昇させることによって、図4(b)で示す様に、注入口を液晶ボートの液晶の凸状表面に接触させる。その後、注入口が液晶の凸状表面に接触した状態で真空槽内の圧力を大気圧に開放することによって図4(c)で示す様に2枚の液晶基板の隙間に液晶を注入する。
【0004】
しかし、上記した液晶注入方法では、実際に液晶セル内に注入される液晶量に対して液晶ボートに充填する液晶量が多く、液晶ボート内に充填された液晶を使いきることができず、高価な材料である液晶を無駄にしてしまうために製造コストが上昇してしまうという問題があった。また、液晶ボート内の液晶は表面張力により凸状の表面を形成することによって注入口と接触するのであるが、真空槽内を減圧した際に、液晶中から発生する気泡等の影響で吹き零れてしまい、液晶量が少なくなった場合には液晶セルと液晶ボート内の液晶表面の接触が完全でないために、液晶セル内に気泡が混入してしまうという不具合があった。
【0005】
上記の様な不具合に対して、従来、液晶を注入する注入口を上方に設けた液晶セルを減圧雰囲気下の真空槽内にセットし、この真空槽内の液晶セルの上方に配置され、所定量の液晶を滴下する図5で示す様なディスペンサー105を用いて、このディスペンサー内の駆動部に加圧不活性ガスを送り込むことによって駆動シャフト106を作動させ、この駆動シャフトの下方に連結されているピストン107を下降せしめることで液溜め部108に充填されている液晶を細管109から放出し、注入口に液晶を接触させ、チャンバー内を大気圧に戻すことによって液晶注入を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−282512号公報 (第2−6頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、減圧雰囲気下での不活性ガスの加圧導入によるピストンの上下運動の制御では送り込む不活性ガスの流量調整が難しく、ピストンの安定した動作を得ることができないために、液晶の滴下を制御することが非常に困難であった。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、液晶使用量の低減を図ると共に、安価で確実、かつ生産性の向上を実現することができる液晶注入方法及び液晶注入装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る液晶注入方法は、真空槽内で所定の間隙を介して対面配置された一対の液晶基板間に液晶を注入する液晶注入方法において、真空槽内に液晶注入口が上方を向く様に前記一対の液晶基板が配置され、真空槽内を減圧する工程と、減圧された前記真空槽内で細棒を液晶中に浸漬する工程と、前記細棒の先端部に付着した液晶を前記一対の液晶基板の液晶注入口に接触させる工程と、前記真空槽内を大気圧とする工程とを備える。
【0010】
ここで、減圧された真空槽内で細棒を液晶中に浸漬することによって、表面張力により細棒の先端部に液晶を付着させることができる。
また、細棒の先端部に付着した液晶を一対の液晶基板の液晶注入口に接触させることによって、細棒の先端部に付着している液晶を液晶注入口に付着させることができる。
更に、真空槽内を大気圧とすることによって、液晶注入口に付着した液晶を所定の間隙を介して対面配置された一対の液晶基板間に注入することができる。
【0011】
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る液晶注入装置は、真空槽と、該真空槽内に設けられ、液晶注入口が上方を向く様に所定の間隙を介して対面配置された一対の液晶基板を保持する液晶基板保持具と、該液晶基板保持具に保持される前記一対の液晶基板間に注入する液晶が充填された液溜め部と、該液溜め部に浸漬され、その後、その先端部に付着した液晶を前記液晶基板保持具に保持される前記一対の液晶基板の液晶注入口と接触させる細棒とを備える。
【0012】
ここで、液溜め部に浸漬され、その後、その先端部に付着した液晶を液晶基板保持具に保持される一対の液晶基板の液晶注入口と接触させる細棒によって、液晶を液晶基板の液晶注入口に供給することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を適用した液晶注入方法の一例を説明するための斜視図であり、本発明を適用した液晶注入方法の一例では先ず、図1(a)で示す様に、減圧された真空槽(図示せず)内で、液晶セル1を保持するためのマガジン(図示せず)に複数個の液晶セルを、その一端面に設けられた注入口2が上向きとなる様に載置する。
【0014】
次に、図1(b)で示す様に、液晶セルの上方に配置され、その内部に液晶が充填された容器3の中に細棒4が浸漬する様に細棒を図1(b)中符号aで示す様に下降し、その後図1(c)中符号bで示す様に細棒を再び上昇させる。なお、細棒を液晶が充填された容器の中に浸漬した後に再び上昇させることにより、細棒の先端部に表面張力によって液晶が例えば図3に示す様な球状または雫状に付着する。
【0015】
ここで、上記では細棒を下降・上昇させることによって細棒の先端部に液晶を付着させているが、細棒の先端部に液晶を付着させることができれば充分であり、必ずしも細棒を下降・上昇させる必要は無く、液晶が充填された容器を上昇・下降させても構わないのは勿論である。なお、液晶の種類、細棒の材質及び細棒の径を制御することによって、所望の量の液晶を細棒の先端部に付着させることができるものと考えられる。
【0016】
続いて、図1(d)中符号cで示す様に、液晶が充填された容器を水平方向に移動し、図2(e)中符号dで示す様に、細棒を下降して細棒の先端部に付着した液晶を液晶セルに接触させた後に、図2(f)中符号eで示す様に、再び細棒を上昇する。なお、細棒の先端部に付着した液晶が液晶セルに接触する様に細棒を下降することによって、細棒の先端部に付着していた液晶の一部が注入口の全領域を覆う様に注入口に付着する。
【0017】
ここで、上記では注入口の真上の位置において細棒を下降・上昇して細棒の先端部に液晶を付着させた後に、容器を水平方向に移動することによって容器を注入口の真上から逃がしているが、細棒を下降することにより細棒の先端部に付着した液晶が液晶セルに接触することができる様な細棒及び容器の位置関係を担保すれば充分であり、必ずしも容器を水平移動することによって上記した位置関係を担保する必要は無い。即ち、注入口の真上では無い位置において細棒を下降・上昇して細棒の先端部に液晶を付着させた後に、細棒を水平移動することによって細棒を注入口の真上に位置せしめ、その後、細棒を下降することにより細棒の先端部に付着した液晶を液晶セルに接触させても構わない。但し、細棒を液晶が充填された容器内に浸漬することによる細棒の先端部への液晶の付着は表面張力によってのみであり、細棒の水平移動によって細棒に付着した液晶が落下してしまう恐れがあるために、細棒の水平移動を伴わない方法、即ち、注入口の真上の位置において細棒を下降・上昇して細棒の先端部に液晶を付着させた後に、容器を水平方向に移動することによって容器を注入口の真上から逃す方法の方が好ましい。
【0018】
また、液晶が注入口の全領域を覆う様に付着するのは、以下に述べる真空槽内を大気圧に開放する際に液晶セルの内部に気泡が入ってしまうのを防止するためであり、液晶セルに細棒の先端部に付着した液晶を一度接触させたのみでは液晶が注入口の全領域を覆うことができない場合には、細棒の容器への浸漬及び細棒の先端部に付着した液晶の液晶セルへの接触という工程を複数回行うことによって液晶が注入口の全領域を覆う様にする。
【0019】
その後、真空槽内の圧力を大気圧に開放することによって、図2(g)で示す様に、注入口を覆う液晶が液晶セルの中に注入される
【0020】
ここで、注入口の全領域を覆う様に付着させた液晶のみでは液晶セル内部に注入する液晶量に満たない場合には、真空槽内の圧力を大気圧に開放する過程において、注入口に付着させた液晶が液晶セルにほぼ注入された段階で再度、細棒の容器への浸漬及び細棒の先端部に付着した液晶の液晶セルへの接触という作業を行い注入口に液晶を供給した後に真空槽内の圧力を大気圧に開放することによって液晶セル内部に充分に液晶を注入することができるものと考えられる。
【0021】
なお、真空槽内の圧力を大気圧に開放する前に細棒の容器への浸漬及び細棒の先端部に付着した液晶の液晶セルへの接触という作業を複数回行うことにより、液晶セル内部に注入するための充分な液晶量を注入口に供給することが可能であれば、真空槽内の圧力を大気圧に開放する過程において細棒の容器への浸漬及び細棒の先端部に付着した液晶の液晶セルへの接触という作業を行う必要が無くて効率的であるが、液晶を注入口に付着させておくのは表面張力のみであるために、一度にあまり多量の液晶を注入口の近傍には供給できないものであると考えられる。
【0022】
上記した本発明を適用した液晶注入方法では、容器に充填した液晶を繰り返し使用することができ、液晶を無駄にすることなく液晶セルに注入を行うことができる。
即ち、上記した液晶セルの注入口を下向きとなる様に載置し、注入口を液晶ボートの液晶の表面に接触させた状態で真空槽内の圧力を大気圧に開放する従来の液晶注入方法では、液晶ボートに充填された液晶内に液晶セルに付着したダスト等が混入するために液晶注入毎に液晶ボート内の液晶を交換する必要があり、液晶を無駄にしてしまっていたが、本発明を適用した液晶注入方法においては、液晶が充填された容器に浸漬するのは細棒のみであり、しかも液晶を注入口に付着する際に細棒は液晶セルとは接触しないために容器内の液晶にダストが混入することも少なく、容器内の液晶を繰り返して使用することができ、液晶を無駄にすることなく液晶セルに注入を行うことができる。
【0023】
また、本発明を適用した液晶注入方法では、細棒に付着した液晶を液晶セルに接触させることにより注入口に液晶を供給しているために、安定した量の液晶を液晶セルに供給することができ、生産性の向上を図ることができる。
即ち、上記した従来のディスペンサーによる液晶の滴下では、ピストンの動きを調整する流量調整弁の調整が困難であり、液晶が滴下できなかったり、必要以上の液晶を滴下してしまったりすることによって不良品の発生原因にもなっていたが、本発明を適用した液晶注入方法においては容易に液晶の供給量を制御でき、不良品の発生を低減することができるために生産性の向上を図ることができる。
【0024】
更に、上記した従来のディスペンサーによる液晶の滴下では、連続的に並べた液晶セルに1サイクル動作で一度に液晶を供給する場合には、複数のディスペンサーを用意し、各々のディスペンサーに駆動部を形成する必要があるが、本発明を適用した液晶注入方法では、細棒の数を増やすことのみで連続的に並べた液晶セルに1サイクル動作で一度に液晶を供給することが可能であり、安価であると共に容易に生産性の向上を図ることが期待できる。
【0025】
【発明の効果】
以上述べてきた如く、本発明の液晶注入装置及び液晶注入方法では、液晶使用量の低減を図ると共に、安価で確実、かつ生産性の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した液晶注入方法の一例を説明するための斜視図(1)である。
【図2】本発明を適用した液晶注入方法の一例を説明するための斜視図(2)である。
【図3】細棒の先端部に付着した液晶を説明するための図である。
【図4】従来の液晶注入方法を説明するための図である。
【図5】従来の液晶注入に用いるディスペンサーを説明するための図である。
【符号の説明】
1 液晶セル
2 注入口
3 容器
4 細棒
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶注入方法及び液晶注入装置に関する。詳しくは、所定の間隙を介して対面配置された一対の液晶基板間に液晶を注入する液晶注入方法及び液晶注入装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶基板に形成された透明電極に印加する電圧により液晶の分子配列を変更させて画像の形成を行う液晶セルは、液晶基板の端部に塗布されたシール剤を介して対面配置された2枚の液晶基板の隙間に液晶を密封した構造を採っており、液晶セルの製造においては、液晶を注入するための液晶注入口(以下、注入口と言う)を残して端部をシール剤で封止した2枚の液晶基板の隙間に液晶を注入する必要がある。
【0003】
ここで、従来の液晶注入方法は、先ず、図4(a)で示す様に、真空槽(図示せず)内に液晶101を充満させた液晶ボート102を配置すると共に、液晶セル103を保持するためのマガジン(図示せず)に複数個の液晶セルを注入口104が下向きとなる様に載置した状態で真空槽の減圧を行う。なお、この際、液晶ボート内の液晶は表面張力を利用して凸状の表面を形成するようにする。
次に、液晶セルを保持したマガジンを下降もしくは液晶ボートを上昇させることによって、図4(b)で示す様に、注入口を液晶ボートの液晶の凸状表面に接触させる。その後、注入口が液晶の凸状表面に接触した状態で真空槽内の圧力を大気圧に開放することによって図4(c)で示す様に2枚の液晶基板の隙間に液晶を注入する。
【0004】
しかし、上記した液晶注入方法では、実際に液晶セル内に注入される液晶量に対して液晶ボートに充填する液晶量が多く、液晶ボート内に充填された液晶を使いきることができず、高価な材料である液晶を無駄にしてしまうために製造コストが上昇してしまうという問題があった。また、液晶ボート内の液晶は表面張力により凸状の表面を形成することによって注入口と接触するのであるが、真空槽内を減圧した際に、液晶中から発生する気泡等の影響で吹き零れてしまい、液晶量が少なくなった場合には液晶セルと液晶ボート内の液晶表面の接触が完全でないために、液晶セル内に気泡が混入してしまうという不具合があった。
【0005】
上記の様な不具合に対して、従来、液晶を注入する注入口を上方に設けた液晶セルを減圧雰囲気下の真空槽内にセットし、この真空槽内の液晶セルの上方に配置され、所定量の液晶を滴下する図5で示す様なディスペンサー105を用いて、このディスペンサー内の駆動部に加圧不活性ガスを送り込むことによって駆動シャフト106を作動させ、この駆動シャフトの下方に連結されているピストン107を下降せしめることで液溜め部108に充填されている液晶を細管109から放出し、注入口に液晶を接触させ、チャンバー内を大気圧に戻すことによって液晶注入を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−282512号公報 (第2−6頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、減圧雰囲気下での不活性ガスの加圧導入によるピストンの上下運動の制御では送り込む不活性ガスの流量調整が難しく、ピストンの安定した動作を得ることができないために、液晶の滴下を制御することが非常に困難であった。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、液晶使用量の低減を図ると共に、安価で確実、かつ生産性の向上を実現することができる液晶注入方法及び液晶注入装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る液晶注入方法は、真空槽内で所定の間隙を介して対面配置された一対の液晶基板間に液晶を注入する液晶注入方法において、真空槽内に液晶注入口が上方を向く様に前記一対の液晶基板が配置され、真空槽内を減圧する工程と、減圧された前記真空槽内で細棒を液晶中に浸漬する工程と、前記細棒の先端部に付着した液晶を前記一対の液晶基板の液晶注入口に接触させる工程と、前記真空槽内を大気圧とする工程とを備える。
【0010】
ここで、減圧された真空槽内で細棒を液晶中に浸漬することによって、表面張力により細棒の先端部に液晶を付着させることができる。
また、細棒の先端部に付着した液晶を一対の液晶基板の液晶注入口に接触させることによって、細棒の先端部に付着している液晶を液晶注入口に付着させることができる。
更に、真空槽内を大気圧とすることによって、液晶注入口に付着した液晶を所定の間隙を介して対面配置された一対の液晶基板間に注入することができる。
【0011】
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る液晶注入装置は、真空槽と、該真空槽内に設けられ、液晶注入口が上方を向く様に所定の間隙を介して対面配置された一対の液晶基板を保持する液晶基板保持具と、該液晶基板保持具に保持される前記一対の液晶基板間に注入する液晶が充填された液溜め部と、該液溜め部に浸漬され、その後、その先端部に付着した液晶を前記液晶基板保持具に保持される前記一対の液晶基板の液晶注入口と接触させる細棒とを備える。
【0012】
ここで、液溜め部に浸漬され、その後、その先端部に付着した液晶を液晶基板保持具に保持される一対の液晶基板の液晶注入口と接触させる細棒によって、液晶を液晶基板の液晶注入口に供給することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を適用した液晶注入方法の一例を説明するための斜視図であり、本発明を適用した液晶注入方法の一例では先ず、図1(a)で示す様に、減圧された真空槽(図示せず)内で、液晶セル1を保持するためのマガジン(図示せず)に複数個の液晶セルを、その一端面に設けられた注入口2が上向きとなる様に載置する。
【0014】
次に、図1(b)で示す様に、液晶セルの上方に配置され、その内部に液晶が充填された容器3の中に細棒4が浸漬する様に細棒を図1(b)中符号aで示す様に下降し、その後図1(c)中符号bで示す様に細棒を再び上昇させる。なお、細棒を液晶が充填された容器の中に浸漬した後に再び上昇させることにより、細棒の先端部に表面張力によって液晶が例えば図3に示す様な球状または雫状に付着する。
【0015】
ここで、上記では細棒を下降・上昇させることによって細棒の先端部に液晶を付着させているが、細棒の先端部に液晶を付着させることができれば充分であり、必ずしも細棒を下降・上昇させる必要は無く、液晶が充填された容器を上昇・下降させても構わないのは勿論である。なお、液晶の種類、細棒の材質及び細棒の径を制御することによって、所望の量の液晶を細棒の先端部に付着させることができるものと考えられる。
【0016】
続いて、図1(d)中符号cで示す様に、液晶が充填された容器を水平方向に移動し、図2(e)中符号dで示す様に、細棒を下降して細棒の先端部に付着した液晶を液晶セルに接触させた後に、図2(f)中符号eで示す様に、再び細棒を上昇する。なお、細棒の先端部に付着した液晶が液晶セルに接触する様に細棒を下降することによって、細棒の先端部に付着していた液晶の一部が注入口の全領域を覆う様に注入口に付着する。
【0017】
ここで、上記では注入口の真上の位置において細棒を下降・上昇して細棒の先端部に液晶を付着させた後に、容器を水平方向に移動することによって容器を注入口の真上から逃がしているが、細棒を下降することにより細棒の先端部に付着した液晶が液晶セルに接触することができる様な細棒及び容器の位置関係を担保すれば充分であり、必ずしも容器を水平移動することによって上記した位置関係を担保する必要は無い。即ち、注入口の真上では無い位置において細棒を下降・上昇して細棒の先端部に液晶を付着させた後に、細棒を水平移動することによって細棒を注入口の真上に位置せしめ、その後、細棒を下降することにより細棒の先端部に付着した液晶を液晶セルに接触させても構わない。但し、細棒を液晶が充填された容器内に浸漬することによる細棒の先端部への液晶の付着は表面張力によってのみであり、細棒の水平移動によって細棒に付着した液晶が落下してしまう恐れがあるために、細棒の水平移動を伴わない方法、即ち、注入口の真上の位置において細棒を下降・上昇して細棒の先端部に液晶を付着させた後に、容器を水平方向に移動することによって容器を注入口の真上から逃す方法の方が好ましい。
【0018】
また、液晶が注入口の全領域を覆う様に付着するのは、以下に述べる真空槽内を大気圧に開放する際に液晶セルの内部に気泡が入ってしまうのを防止するためであり、液晶セルに細棒の先端部に付着した液晶を一度接触させたのみでは液晶が注入口の全領域を覆うことができない場合には、細棒の容器への浸漬及び細棒の先端部に付着した液晶の液晶セルへの接触という工程を複数回行うことによって液晶が注入口の全領域を覆う様にする。
【0019】
その後、真空槽内の圧力を大気圧に開放することによって、図2(g)で示す様に、注入口を覆う液晶が液晶セルの中に注入される
【0020】
ここで、注入口の全領域を覆う様に付着させた液晶のみでは液晶セル内部に注入する液晶量に満たない場合には、真空槽内の圧力を大気圧に開放する過程において、注入口に付着させた液晶が液晶セルにほぼ注入された段階で再度、細棒の容器への浸漬及び細棒の先端部に付着した液晶の液晶セルへの接触という作業を行い注入口に液晶を供給した後に真空槽内の圧力を大気圧に開放することによって液晶セル内部に充分に液晶を注入することができるものと考えられる。
【0021】
なお、真空槽内の圧力を大気圧に開放する前に細棒の容器への浸漬及び細棒の先端部に付着した液晶の液晶セルへの接触という作業を複数回行うことにより、液晶セル内部に注入するための充分な液晶量を注入口に供給することが可能であれば、真空槽内の圧力を大気圧に開放する過程において細棒の容器への浸漬及び細棒の先端部に付着した液晶の液晶セルへの接触という作業を行う必要が無くて効率的であるが、液晶を注入口に付着させておくのは表面張力のみであるために、一度にあまり多量の液晶を注入口の近傍には供給できないものであると考えられる。
【0022】
上記した本発明を適用した液晶注入方法では、容器に充填した液晶を繰り返し使用することができ、液晶を無駄にすることなく液晶セルに注入を行うことができる。
即ち、上記した液晶セルの注入口を下向きとなる様に載置し、注入口を液晶ボートの液晶の表面に接触させた状態で真空槽内の圧力を大気圧に開放する従来の液晶注入方法では、液晶ボートに充填された液晶内に液晶セルに付着したダスト等が混入するために液晶注入毎に液晶ボート内の液晶を交換する必要があり、液晶を無駄にしてしまっていたが、本発明を適用した液晶注入方法においては、液晶が充填された容器に浸漬するのは細棒のみであり、しかも液晶を注入口に付着する際に細棒は液晶セルとは接触しないために容器内の液晶にダストが混入することも少なく、容器内の液晶を繰り返して使用することができ、液晶を無駄にすることなく液晶セルに注入を行うことができる。
【0023】
また、本発明を適用した液晶注入方法では、細棒に付着した液晶を液晶セルに接触させることにより注入口に液晶を供給しているために、安定した量の液晶を液晶セルに供給することができ、生産性の向上を図ることができる。
即ち、上記した従来のディスペンサーによる液晶の滴下では、ピストンの動きを調整する流量調整弁の調整が困難であり、液晶が滴下できなかったり、必要以上の液晶を滴下してしまったりすることによって不良品の発生原因にもなっていたが、本発明を適用した液晶注入方法においては容易に液晶の供給量を制御でき、不良品の発生を低減することができるために生産性の向上を図ることができる。
【0024】
更に、上記した従来のディスペンサーによる液晶の滴下では、連続的に並べた液晶セルに1サイクル動作で一度に液晶を供給する場合には、複数のディスペンサーを用意し、各々のディスペンサーに駆動部を形成する必要があるが、本発明を適用した液晶注入方法では、細棒の数を増やすことのみで連続的に並べた液晶セルに1サイクル動作で一度に液晶を供給することが可能であり、安価であると共に容易に生産性の向上を図ることが期待できる。
【0025】
【発明の効果】
以上述べてきた如く、本発明の液晶注入装置及び液晶注入方法では、液晶使用量の低減を図ると共に、安価で確実、かつ生産性の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した液晶注入方法の一例を説明するための斜視図(1)である。
【図2】本発明を適用した液晶注入方法の一例を説明するための斜視図(2)である。
【図3】細棒の先端部に付着した液晶を説明するための図である。
【図4】従来の液晶注入方法を説明するための図である。
【図5】従来の液晶注入に用いるディスペンサーを説明するための図である。
【符号の説明】
1 液晶セル
2 注入口
3 容器
4 細棒
Claims (2)
- 真空槽内で所定の間隙を介して対面配置された一対の液晶基板間に液晶を注入する液晶注入方法において、
真空槽内に液晶注入口が上方を向く様に前記一対の液晶基板が配置され、真空槽内を減圧する工程と、
減圧された前記真空槽内で細棒を液晶中に浸漬する工程と、
前記細棒の先端部に付着した液晶を前記一対の液晶基板の液晶注入口に接触させる工程と、
前記真空槽内を大気圧とする工程とを備える
ことを特徴とする液晶注入方法。 - 真空槽と、
該真空槽内に設けられ、液晶注入口が上方を向く様に所定の間隙を介して対面配置された一対の液晶基板を保持する液晶基板保持具と、
該液晶基板保持具に保持される前記一対の液晶基板間に注入する液晶が充填された液溜め部と、
該液溜め部に浸漬され、その後、その先端部に付着した液晶を前記液晶基板保持具に保持される前記一対の液晶基板の液晶注入口と接触させる細棒とを備える
ことを特徴とする液晶注入装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003198949A JP2005037577A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | 液晶注入方法及び液晶注入装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003198949A JP2005037577A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | 液晶注入方法及び液晶注入装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=34208546
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JP (1) | JP2005037577A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2060945A1 (en) | 2007-11-07 | 2009-05-20 | Kabushiki Kaisha Topcon | Stereomicroscope |
-
2003
- 2003-07-18 JP JP2003198949A patent/JP2005037577A/ja active Pending
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EP2060945A1 (en) | 2007-11-07 | 2009-05-20 | Kabushiki Kaisha Topcon | Stereomicroscope |
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