JP6810355B2 - はんだ付け方法およびはんだ付け装置 - Google Patents
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Description
このIMS法においては、電極パッドに対応する開口部を有するレジスト膜が形成された基板が用いられる。この基板におけるレジスト膜の開口部に、溶融はんだを射出可能なノズルを接近させ、このノズルから溶融はんだを射出することにより、開口部にはんだを充填する。これにより、電極パッド上にはんだバンプが形成される。
このようなIMS法は、形成すべきはんだバンプの高さの制御が容易であること、はんだ材料の選択の自由度が大きいこと、レジスト膜の開口部が微細なパターンであっても、微細なパターンのはんだバンプを形成することが可能であることなどの点で、ソルダーペースト法やめっき法等に比べて有利である。
基板に形成された多数の電極ハッド上にはんだバンプを形成する、すなわちレジスト膜の多数の開口部にはんだを充填するためには、ノズルを開口部のパターンに従って移動させ、各開口部に対するはんだの充填を繰り返すことが必要である。このため、レジスト膜の全ての開口部に対するはんだの充填作業に長い時間を要する、という問題がある。
前記基板を減圧された処理空間に置く工程(1)、
前記処理空間において、前記基板における開口部形成面と溶融はんだとを接触させる工程(2)、および
前記基板における開口部形成面と前記溶融はんだとを接触させた状態で、前記処理空間を加圧する工程(3)
を有し、
前記工程(1)、前記工程(2)および前記工程(3)を、下記のはんだ付け装置を用いて行うことを特徴とする。
さらに、前記工程(3)を行った後に、前記レジスト膜の表面に付着した余剰の溶融はんだを除去する工程(4)を有することが好ましい。
また、前記工程(1)における減圧された処理空間の気圧が、0.02MPa以下であることが好ましい。
また、前記工程(3)における加圧された処理空間の気圧が、0.05MPa以上であることが好ましい。
また、前記工程(3)において、前記処理空間に不活性ガスを供給することによって当該処理空間を加圧することが好ましい。
はんだ付け処理を実行する処理空間が形成されたはんだ付け部と、前記はんだ付け部に設けられた、前記処理空間を減圧するための減圧ラインおよび前記処理空間を加圧するための加圧ラインとを備えてなり、
前記はんだ付け部は、
前記処理空間に配置された、溶融はんだを貯留する溶融はんだ槽、および
前記溶融はんだ槽内の溶融はんだと前記基板における開口部形成面とが互いに対向するように、当該基板を保持することが可能な基板保持部
を有することを特徴とする。
本発明のはんだ付け方法は、表面に形成された複数の電極パッド、および前記電極パッドに対応して開口部が形成されたレジスト膜を有する基板に対して、前記開口部に溶融はんだを充填するはんだ付け方法であって、
前記基板を減圧された処理空間に置く工程(1)、
前記処理空間において、前記基板における開口部形成面と溶融はんだとを接触させる工程(2)、および
前記基板における開口部形成面と前記溶融はんだとを接触させた状態で、前記処理空間を加圧する工程(3)
を有することを特徴とする。
以下、はんだ付け装置(A)およびはんだ付け装置(B)の詳細について、ならびにはんだ付け装置(A)およびはんだ付け装置(B)を用いたはんだ付け方法の詳細について述べる。
図1は、本発明のはんだ付け装置の一例(はんだ付け装置(A))における構成を示す説明図である。
はんだ付け装置(A)においては、基板1に対してはんだ付け処理を行うはんだ付け部10が設けられている。基板1は、表面に形成された複数の電極パッド(図示省略)、およびこの電極パッドに対応して開口部3が形成されたレジスト膜2を有するものである。 はんだ付け部10は、内部に処理空間Sが形成された筐体11を有する。
溶融はんだ槽20の上方には、溶融はんだ槽20内の溶融はんだHと基板1における開口部形成面とが互いに対向するように、当該基板1を保持することが可能な板状の基板保持部25が配置されている。基板保持部25には、当該基板保持部25を、溶融はんだ槽20内の溶融はんだHと基板1における開口部形成面とが離接するよう上下に移動させる移動機構(図示省略)が設けられている。
感光性樹脂組成物としては、特に限定されるものではなく、例えばIMS法においてレジスト膜の形成に使用される感光性樹脂組成物を用いることができる。
感光性樹脂組成物を塗布する方法としては、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法などを利用することができる。
レジスト膜2の厚みは、通常、0.001〜100μm、好ましくは0.01〜50μm、より好ましくは0.1〜10μmである。
レジスト膜2の開口部3の最小幅は、通常、500μm以下であり、好ましくは1〜200μmである。
工程(1A):基板1を減圧された処理空間Sに置く工程
工程(2A):減圧された処理空間Sにおいて、基板1における開口部形成面と溶融はんだとを接触させる工程
工程(3A):基板1における開口部形成面と溶融はんだHとを接触させた状態で、処理空間Sを加圧する工程
工程(4A):レジスト膜2の表面に付着した余剰の溶融はんだを除去する工程
工程(1A)においては、処理空間S内のガスを減圧ライン30を介して排気することによって、処理空間Sを減圧する。減圧された処理空間Sの気圧は、通常、0.02MPa以下であり、好ましくは0.0001〜0.1MPaである。処理空間Sの気圧が前記範囲内である場合には、気泡等の充填不良に起因する不良が生じることなく、はんだバンプを形成することができる。
また、基板1における電極パッドの表面が酸化されやすいものである場合には、基板1が加熱された後に、処理空間Sに還元ガスを供給することにより、基板1における電極パッドの表面に対して、還元ガスを接触させて還元処理が施されることが好ましい。これにより、電極パッドの表面に形成された酸化膜が除去される。還元ガスとしては、ギ酸、水素ガスなどを用いることができる。
手順1:基板1を処理空間Sに配置し、処理空間S内の気体を、減圧ライン30を介して排気することによって、当該処理空間Sを所定の気圧に減圧する。
手順2:基板1を所定の温度に加熱する。
手順3:還元ガスを、還元ガス供給ライン33を介して処理空間Sに供給することにより、基板1における電極パッドの表面に還元ガスを接触させて還元処理を施す。
手順4:処理空間S内の気体を、減圧ライン30を介して排気することによって、処理空間Sを再度所定の気圧に減圧する。
工程(2A)においては、移動機構によって、基板1における開口部形成面が溶融はんだ槽20内の溶融はんだHに接近する方向(図示の例では下方)に基板保持部25を移動させることにより、基板1における開口部形成面に溶融はんだHを接触させる。これにより、図2に示すように、レジスト膜2の開口部3は、溶融はんだHによって閉塞された状態となる。
溶融はんだとしては、例えば、Sn−Ag−Cu系はんだ、Sn−Cu系はんだ、Sn−Bi系はんだ、Sn−In系はんだ、Sn−Sb系はんだ、Sn−Pb系はんだを用いることができる。
溶融はんだの融点は、通常、100〜300℃、好ましくは、150〜250℃である。また、溶融はんだは、その粘度が、通常、10cP以下、好ましくは1〜3cPとなるよう、溶融はんだの融点よりも10〜50℃高い温度で加温した状態とされる。
基板1における開口部形成面と溶融はんだHとの接触時間は、通常、0.1〜60秒間、好ましくは、1〜30秒間である。
工程(3A)においては、基板1における開口部形成面と溶融はんだHとを接触させた状態で、処理空間Sに加圧ライン31を介して加圧用ガスを供給することによって、処理空間Sを加圧する。これにより、レジスト膜2の開口部3内の気圧と処理空間Sの気圧との差が生じる結果、図3に示すように、溶融はんだHが開口部3内に進入して充填される。
処理空間Sの加圧は、当該処理空間Sに加圧用ガスとして例えは窒素ガスなどの不活性ガスを供給することによって行われることが好ましい。これにより、溶融はんだHの液面にドロス(はんだ酸化物)が発生することを抑えることができる。なお、得られるはんだバンプの表面にドロスが付着すると、接続不良の原因となる。
また、工程(1A)において減圧された処理空間Sの気圧と工程(3A)において加圧された処理空間Sの気圧との差は、通常、0.03MPa以上であり、好ましくは0.1MPa以上である。
工程(3A)における加圧された処理空間Sの気圧、および工程(1A)において減圧された処理空間Sの気圧と工程(3A)において加圧された処理空間Sの気圧との差のいずれか一方または両方が前記範囲であれば、開口部3のパターンが微細なレジスト膜2を有する基板1であっても、溶融はんだHを開口部3に良好に充填することができ、且つ、短時間ではんだ付けを実行することができる。
工程(4A)においては、基板1におけるレジスト膜2の表面に付着した余剰の溶融はんだHを除去する。レジスト膜2の表面から余剰の溶融はんだHを除去する方法としては、例えば基板1を溶融はんだ槽20から引き上げる速度を加速させる方法、引き上げ時に基板1を上下に振動させ除去する方法、および引き上げ時に前記基板1を回転させ遠心力で除去する方法が挙げられる。
従って、上記のはんだ付け方法によれば、開口部3のパターンが微細なレジスト膜2を有する基板1であっても、短時間ではんだ付けを実行することができる。
図4は、本発明のはんだ付け装置の他の例(はんだ付け装置(B))における構成を示す説明図である。
はんだ付け装置(B)において、はんだ付け部10は、内部に処理空間Sが形成された、下面が開口する筐体11を有する。筐体11の内部には、第1の隔壁12および第2の隔壁13が互いに一方向に離間して並ぶよう設けられており、これにより、処理空間Sは、一方向に並ぶ第1処理室S1、第2処理室S2および第3処理室S3に分割されている。この例では、第2処理室S2を形成する第1の隔壁12および第2の隔壁13によって、溶融はんだHを貯留する溶融はんだ槽20が形成されている。
溶融はんだ槽20、第1の隔壁12、第2の隔壁13、後述する基板保持ベルト28、基板導入用扉16および基板導出用扉17は、溶融はんだと接触しても溶融はんだが付着しないよう、フッ素樹脂など、はんだ濡れ性の悪い皮膜を表面に有していてもよい。
基板導出用扉17の先端には、基板1上に付着した余分な溶融はんだを、基板1が基板導出用扉17と基板保持ベルト28との間を通過する時に、除去するためのスキージもしくはローラよりなるはんだ除去部材17aを設けることもできる。
工程(1B):基板1を減圧された処理空間Sに置く工程
工程(2B):減圧された処理空間Sにおいて、基板1における開口部形成面と溶融はんだとを接触させる工程
工程(3B):基板1における開口部形成面と溶融はんだHとを接触させた状態で、処理空間Sを加圧する工程
工程(4A):レジスト膜2の表面に付着した余剰の溶融はんだを除去する工程
工程(1B)は、基板1を減圧された処理空間Sに置く工程である。
基板搬入用扉14を開いた状態で、基板保持ベルト28によって、基板1を、基板搬入口11aから第1処理室S1に搬入する。その後、基板搬入用扉14および基板導入用扉16を閉じた状態で、第1処理室S1内の気体を、減圧ライン30aを介して排気することによって、第1処理室S1を減圧する。次いで、基板1が所定温度に到達したら、還元ガスを、還元ガス供給ライン33を介して第1処理室S1に供給することにより、基板1における開口部3の底面に形成された電極パッドの表面に還元ガスを接触させて還元処理を施す。これにより、電極パッドの表面に形成された酸化膜が除去される。次いで、第1処理室S1内の気体を、減圧ライン30aを介して排気することによって、第1処理室S1を再度所定の気圧に減圧すると共に、第2処理室S2内の気体を減圧ライン30bを介して排気することによって、第2処理室S2を所定の気圧に減圧する。これにより、基板導入用扉16が開いても溶融はんだが第一処理室S1に流出しない状態となる。以上の手順により、基板1を処理空間Sにおける減圧された第1処理室S1に置くことができる。 なお、工程(1B)における、基板1の加熱温度、および還元ガス種等の条件は、はんだ付け装置(A)におけるはんだ付け方法の工程(1A)と同じである。
工程(2B)は、減圧された処理空間Sにおいて、基板1における開口部形成面と溶融はんだとを接触させる工程である。
基板導入用扉16を開いた状態で、第1処理室S1に置かれた基板1を、基板保持ベルト28によって基板導入口12aから第2処理室S2に導入することにより、基板1の開口部形成面と溶融はんだとを接触させる。
なお、工程(2B)における、溶融はんだ、および基板1における開口部形成面と溶融はんだHとの接触時間等の条件は、はんだ付け装置(A)におけるはんだ付け方法の工程(2A)と同じである。
工程(3B)は、基板1における開口部形成面と溶融はんだHとを接触させた状態で、処理空間Sを加圧する工程である。
基板導入用扉16および基板導出用扉17を閉じた状態で、第1処理室S1、第2処理室S2および第3処理室S3の各々に、加圧ライン31a,31b,31cを介して加圧用ガスを供給することによって、第1処理室S1、第2処理室S2および第3処理室S3すなわち処理空間S全体を加圧する。これにより、レジスト膜2の開口部3内の気圧と処理空間Sの気圧との差が生じる結果、溶融はんだHが開口部3内に進入して充填される。また、処理空間S全体を加圧することにより、溶融はんだHが第2処理室S2から第1処理室S1または第3処理室S3に流出することを防止することができる。
なお、工程(3B)における、気圧等の条件は、はんだ付け装置(A)におけるはんだ付け方法の工程(3A)と同じである。
工程(4B)は、レジスト膜2の表面に付着した余剰の溶融はんだを除去する工程である。
基板導出用扉17を開いた状態で、第2処理室S2において溶融はんだHと接触した状態の基板1を、基板保持ベルト28によって基板導出口13aから第3処理室S3に導出する。このとき、基板導出口13aを通過する基板1におけるレジスト膜2の表面に、基板導出用扉17の先端に設けられたはんだ除去部材17aが接触することにより、レジスト膜2の表面に付着した余剰の溶融はんだが除去される。
次いで、第3処理室S3において基板1を冷却し、第3処理室S3を常圧に戻す。その後、基板搬出用扉15を開き、第3処理室S3内の基板1を、基板保持ベルト28によって、基板搬出口11bからはんだ付け部11の外部に搬出する。
従って、上記のはんだ付け方法によれば、開口部3のパターンが微細なレジスト膜2を有する基板1であっても、短時間ではんだ付けを実行することができる。
本発明のはんだ付け方法および前記はんだ付け方法を行うためのはんだ付け装置によれば、アスペクト比が大きく、微細な開口部を有するレジスト膜であっても、短時間ではんだ付けを実行することができる。
また、IMS法では、はんだ付けは枚葉式で行うことになるが、本発明のはんだ付け方法であれば、バッチ式で行うことも可能であり、IMS法に比べて大幅にはんだ付けの時間を短縮することができる。
さらに、IMS法では、基板における開口部から溶融はんだが漏れるのを防ぐため、ノズルを加熱しながらレジスト膜に一定以上の圧力をかけながら移動させることが必要である。このため、レジスト膜には機械的にも負荷が大きいという問題がある。しかしながら、本発明のはんだ付け方法によれば、レジスト膜には機械的にも負荷をかけることはない。よって、歩留まりよくはんだ付けを実行することができる。
2 レジスト膜
3 開口部
10 はんだ付け部
11 筐体
11a 基板搬入口
11b 基板搬出口
12 第1の隔壁
12a 基板導入口
13 第2の隔壁
13a 基板導出口
14 基板搬入用扉
15 基板搬出用扉
16 基板導入用扉
17 基板導出用扉
17a はんだ除去部材
20 溶融はんだ槽
25 基板保持部
26,27 駆動ローラ
28 基板保持ベルト
30,30a,30b 減圧ライン
31,31a,31b,31c 加圧ライン
32 はんだ供給ライン
33 還元ガス供給ライン
H 溶融はんだ
S 処理空間
S1 第1処理室
S2 第2処理室
S3 第3処理室
Claims (7)
- 表面に形成された複数の電極パッド、および前記電極パッドに対応する開口部を形成するレジスト膜を有する基板に対して、前記開口部に溶融はんだを充填するはんだ付け装置であって、
はんだ付け処理を実行する処理空間が形成されたはんだ付け部と、前記はんだ付け部に設けられた、前記処理空間を減圧するための減圧ラインおよび前記処理空間を加圧するための加圧ラインとを備えてなり、
前記はんだ付け部は、
前記処理空間に配置された、溶融はんだを貯留する溶融はんだ槽、および
前記溶融はんだ槽内の溶融はんだと前記基板における開口部形成面とが互いに対向するように、当該基板を保持することが可能な基板保持部
を有することを特徴とするはんだ付け装置。 - 表面に形成された複数の電極パッド、および前記電極パッドに対応して開口部が形成されたレジスト膜を有する基板に対して、前記開口部に溶融はんだを充填するはんだ付け方法であって、
前記基板を減圧された処理空間に置く工程(1)、
前記処理空間において、前記基板における開口部形成面と溶融はんだとを接触させる工程(2)、および
前記基板における開口部形成面と前記溶融はんだとを接触させた状態で、前記処理空間を加圧する工程(3)
を有し、
前記工程(1)、前記工程(2)および前記工程(3)を、請求項1に記載のはんだ付け装置を用いて行うことを特徴とするはんだ付け方法。 - 前記開口部の最小幅が、500μm以下であることを特徴とする請求項2に記載のはんだ付け方法。
- さらに、前記工程(3)を行った後に、前記レジスト膜の表面に付着した余剰の溶融はんだを除去する工程(4)を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のはんだ付け方法。
- 前記工程(1)における減圧された処理空間の気圧が、0.02MPa以下であることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載のはんだ付け方法。
- 前記工程(3)における加圧された処理空間の気圧が、0.05MPa以上であることを特徴とする請求項5に記載のはんだ付け方法。
- 前記工程(3)において、前記処理空間に不活性ガスを供給することによって当該処理空間を加圧することを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれかに記載のはんだ付け方法。
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