JP2005037302A - 相対舵角センサ - Google Patents

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節 坂部
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Abstract

【課題】 簡単な構成で中立点検出用のパルス信号の位置、及びパルス幅を設定することができる相対舵角センサを提供する。
【解決手段】 ステアリングシャフト1と共に回転する第1のギヤ2と、第1のギヤ2に対して所望の加速比で回転駆動する第2のギヤ3と、第2のギヤ3の回転角度及び回転方向を示すA相パルス信号及びB相パルス信号と、ステアリングシャフト1の舵角が中立位置となる点を示すZ相パルス信号を出力する磁気センサ6を備え、Z相パルス信号の位置、及びパルス幅を変更可能としたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば車両のステアリングシャフトのような回転体の舵角を検出する相対舵角センサに係り、特に、中立点の位置、及び中立点の幅を変更する技術に関する。
従来より用いられている相対舵角センサとして、例えば、特開2000−180113号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。図4は、特許文献1に記載された相対舵角センサの構成を示す分解斜視図であり、同図に示すように、この相対舵角センサは、ステアリングシャフト101と連動して回転する着磁リング102を、カム部材103を用いて固定する。着磁リング102は、図5に示すように、S極とN極が交互に配置された着磁部102aと、N極単独の着磁部102bを有している。そして、図6に示すように、着磁リング102と対向する固定側に磁気センサ104を設け、該磁気センサ104を用いて、着磁部102aによる磁界の変化を検出することにより、ステアリングシャフト101の回転角度を検出する。また、着磁部102bを検出することにより、中立位置(例えば、ステアリングシャフトが直進方向を向いたときの位置)におけるパルス信号を検出することができるので、この位置を中立点とすることにより、ステアリングシャフト101の舵角を測定することができる。
特開2000−180113号公報
しかしながら、上述した如くの、従来における相対舵角センサでは、中立位置を求めるために、スイッチングホールIC等の磁気センサ104、及び着磁部102bを用いているので、着磁部102bや磁気センサ104の温度特性、バラツキ、及びこれらの組み付け精度やガタにより、中立点にて得られるパルス信号が変動する場合がある。また、中立点検出用の着磁部102bにより生じた磁界が角度検出特性(着磁部102a側での検出特性)に影響を与える場合がある。
更には、各種の舵角センサの仕様により、中立点を示すパルス信号のパルス幅を変更する必要があるため、各仕様に応じて、着磁部102bの大きさを変更する必要があるという問題が生じていた。
この発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成で中立点検出用のパルス信号の位置、及びパルス幅を設定することができる相対舵角センサを提供することにある。
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、回転体の舵角を検出する相対舵角センサにおいて、前記回転体と共に回転する第1のギヤと、前記第1のギヤに対して所望の加速比で回転駆動する第2のギヤと、前記第2のギヤの回転角度及び回転方向を示す第1のパルス信号及び第2のパルス信号と、前記回転体の舵角が中立位置となる点を示す第3のパルス信号を出力する第2ギヤ角度検出手段と、を備え、前記第3のパルス信号の位置、及びパルス幅を変更可能としたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記第1のパルス信号及び第2のパルス信号の分解能を変更可能であり、当該分解能で決定されるステップの単位で前記中立位置となる点を設定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記第1のパルス信号及び第2のパルス信号の分解能を変更可能であり、当該分解能で決定されるステップの単位で、前記第3のパルス信号のパルス幅を設定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記第2ギヤ角度検出手段は、前記第2のギヤと共に回転する2極着磁の磁石と、この磁石と対向する固定側に設けられた磁気センサを備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記磁気センサは、ホールアレイまたはAMR(異方性磁気抵抗素子)のいずれかであることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記回転体はステアリングシャフトであることを特徴とする。
本発明に係る相対舵角センサでは、第1のパルス信号、及び第2のパルス信号にて設定された分解能で分割される角度のうちの、任意の位置の1ステップ分、或いは複数ステップ分を中立点検出用の位置として設定することができるので、回転体の中立点位置を高精度に設定することができる。また、ステップ数を設定することにより、中立点位置とするパルス幅を任意に変更することができるので、各種の仕様に応じたパルス幅を、ソフト的な変更のみにより、設定することができる。
このため、各種の部品を変更することなく、設計変更に対応することができるようになり、部品の共用化、組み付け工数の低減化を図ることができるようになる。
また、磁気センサ6として、ホールアレイ、或いはAMRを用いることにより、磁気センサ及び磁石のバラツキや温度特性、或いは、磁気センサと磁石の相対位置に起因するZ相パルスの位置ズレ、幅の変動を防止することができる。
更に、回転体を、車両に搭載されるステアリングシャフトとし、該ステアリングシャフトの舵角検出に用いることにより、ステアリング舵角を高精度に求めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る相対舵角センサの構成を示す説明図である。同図に示すように、該相対舵角センサ50は、車両に搭載されるステアリングシャフト(回転体)1の舵角を測定するものであり、収納ケース4内に取り付けられステアリングシャフト1と同軸的に取り付けられる第1のギヤ2と、この第1のギヤ2と噛合する第2のギヤ3と、第2のギヤ3の中央部に取り付けられた2極着磁の磁石5を有している。本実施形態では、第1のギヤ2の歯数を「135」とし、第2のギヤ3の歯数を「48」としている。従って、その加速比は、135/48=2.8125である。
また、図2に示すように、磁石5と対向する固定側には、磁石5により発生する磁界の方向を検出するための磁気センサ(第2ギヤ角度検出手段)6が設けられている。磁気センサ6としては、ホールアレイ、或いはAMR(異方性磁気抵抗素子)を用いることができ、これらを用いることにより、検出精度を向上させることができる。
そして、磁気センサ6には、所定の分解能が設定され、この分解能で第2のギヤ3の回転角度を測定する。例えば、分解能が6ビット(64)に設定されている場合には、第2のギヤ3の1回転(360°)を64分割で測定することができるので、その分解能は、「5.625°」となる。
従って、磁気センサ6は、第2のギヤ3が1回転すると、図3に示すように、64段階(2進数で「000000」〜「111111」)の信号を出力する。このときの1目盛りは、5.625°となる。
そして、磁気センサ6は、第2のギヤ3の回転に伴い、同図(a)に示す如くのA相信号(第1のパルス信号)、及び同図(b)に示す如くのA相とは1/4波長位相がずれたB相信号(第2のパルス信号)を出力する。これにより、上位システム(図示省略)では、これらのA相信号、及びB相信号により、第2のギヤ3の回転角度、及びその回転方向(時計回りCW、或いは反時計回りCCW)を検出することができる。
更に、64分割された信号のうちの1つ、または複数を、中立点検出用の信号として設定することができる。つまり、図3(c)に示すZ相を設定することができる。図3に示す例では、2進数で「000101」のデジタル信号が、中立点となるように設定されている。
また、中立点を複数とすることにより、中立点として設定する角度範囲の幅を任意に設定することができる。例えば、上述した2進数の「000101」に対し、その左右の信号「000100」、「000110」を設定し、左右の信号を含む3つの信号で示される角度(即ち、5.625°×3=16.875°)の範囲を中立位置として設定することができる。
また、上述の例では、磁気センサ6の分解能が6ビットであり、第2のギヤ3の第1のギヤ2に対する加速比が2.8125である例について説明したが、分解能、及び加速比を適宜変更することにより、以下の表1,表2,表3に示すように、ステアリングシャフト1の分解能を設定することができる。
Figure 2005037302
Figure 2005037302
Figure 2005037302
ここで、磁気センサ6の分解能と、ギヤの加速比との関係は、適宜設定することができるが、上記の表1〜表3に示したように、(磁気センサ6の分解能)/(加速比)の値が、割り切れること、即ち、有限小数となることが望ましい。このように設定すれば、端数(割り切れないことにより切り捨てる値)が生じないので、ステアリングシャフト1の舵角検出時の分解能を、高精度に設定することができる。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る相対舵角センサ50の、Z相の設定手順について説明する。図1に示した相対舵角センサ50を、スパイラルケーブル、或いはステアリングシャフト1に対して組み付けた後、第1のギヤ2が有するリブ11の位置に留意し、スパイラルケーブル或いはステアリングシャフト1が中立となる位置(舵角が0°の位置)となるまで、第1のギヤ2を回転移動させる。
次いで、この位置において、Z相のパルス信号が出力されるように、磁気センサ6をプログラムする。更に、Z相のパルス幅を設定する。つまり、図3(c)に示したZ相のパルス信号の位置を、磁気センサ6のデジタル信号値に対応するように設定し、更に、その幅を設定する。
そして、このように設定された相対舵角センサ50より出力される三相のパルス信号(A相、B相、Z相)に基づいて、上位システムによりステアリングシャフト1の舵角が求められる。
即ち、本実施形態に係る舵角センサの出力信号を受ける上位システムでは、ステアリングシャフト1の舵角を検出する際に、車両が一定速度(例えば、20km/h)以上となったことが検出された状態で、磁気センサ6よりZ相のパルス信号が一定時間以上出力された場合に、この位置が中立位置(舵角が0°の位置)として認識し、その後、磁気センサ6より出力されるA相、及びB相(図3参照)のパルス信号に基づいて、ステアリングシャフト1の舵角を測定する。
なお、ステアリングシャフト1が中立位置であることを認識するための条件として、上記では、車両が一定速度以上であることを用いたが、例えば、所定の時間内でA相パルス信号、B相パルス信号の変化が小さい場合に、ステアリングシャフト1が中立位置であるように設定する等、他の手法を用いることも可能である。
このようにして、本実施形態に係る相対舵角センサ50では、第2のギヤ3の分解能(A相、B相のパルス信号の分解能)により設定される1ステップ分(この例では、5.625°)を選択して中立位置を設定することができるので、極めて簡単な方法で中立点を設定することができる。
また、中立点として設定するステップ数を1または複数とすることにより、Z相のパルス幅を広くしたり、或いは狭くすることができるので、各種の仕様に応じた、Z相パルス幅を容易に設定することができる。
従って、Z相検出用に、別途磁石(図5に示した着磁102b)を設ける必要がないので、Z相検出用の磁石の組み付け誤差、或いはガタに起因する検出精度に低下を防止することができる。更には、Z相検出用の磁石が不要となることにより、部品点数を削減することができると共に、この磁石がA相、B相の検出に影響を与えることを防止することができ、舵角の検出精度を著しく向上させることができるようになる。
また、中立点幅の仕様が異なる場合には、従来のように、磁石形状を変更するといった煩わしい作業が不要となり、製作時の作業工数を著しく低減することができる。
以上、本発明の相対舵角センサを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。例えば、上述した実施形態では、回転体として車両に搭載されるステアリングシャフト1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の回転体についても適用することができるものである。
本発明の一実施形態に係る相対舵角センサの構成を示す説明図である。 第2のギヤに取り付けられる磁石と、磁気センサの配置関係を示す説明図である。 第2のギヤの1回転を6ビットの分解能で検出する際に出力されるデジタル信号を示す説明図であり、(a)はA相パルス、(b)はB相パルス、(c)はZ相パルスを示す。 従来における相対舵角センサの分解斜視図である。 従来における相対舵角センサに用いられる着磁リングの構成を示す説明図である。 従来における舵角センサに用いられる磁気センサの構成を示す説明図である。
符号の説明
1 ステアリングシャフト(回転体)
2 第1のギヤ
3 第2のギヤ
4 収納ケース
5 磁石
6 磁気センサ(第2ギヤ角度検出手段)
11 リブ
50 相対舵角センサ
101 ステアリングシャフト
102 着磁リング
103 カム部材
104 磁気センサ

Claims (6)

  1. 回転体の舵角を検出する相対舵角センサにおいて、
    前記回転体と共に回転する第1のギヤと、
    前記第1のギヤに対して所望の加速比で回転駆動する第2のギヤと、
    前記第2のギヤの回転角度及び回転方向を示す第1のパルス信号及び第2のパルス信号と、前記回転体の舵角が中立位置となる点を示す第3のパルス信号を出力する第2ギヤ角度検出手段と、を備え、
    前記第3のパルス信号の位置、及びパルス幅を変更可能としたことを特徴とする相対舵角センサ。
  2. 前記第1のパルス信号及び第2のパルス信号の分解能を変更可能であり、当該分解能で決定されるステップの単位で前記中立位置となる点を設定することを特徴とする請求項1に記載の相対舵角センサ。
  3. 前記第1のパルス信号及び第2のパルス信号の分解能を変更可能であり、当該分解能で決定されるステップの単位で、前記第3のパルス信号のパルス幅を設定することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の相対舵角センサ。
  4. 前記第2ギヤ角度検出手段は、前記第2のギヤと共に回転する2極着磁の磁石と、この磁石と対向する固定側に設けられた磁気センサを備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の相対舵角センサ。
  5. 前記磁気センサは、ホールアレイまたはAMR(異方性磁気抵抗素子)のいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の相対舵角センサ。
  6. 前記回転体はステアリングシャフトであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の相対舵角センサ。
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