JP2005037253A - グルコース濃度測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 非侵襲的なグルコース濃度測定において、S/N比を上げて測定精度を向上する。
【解決手段】 生体A表面に配置されて、生体A内に光を照射する光照射部3と、生体A内で拡散あるいは透過した光を生体A外部において検出する信号光検出器21を有する光検出部4と、信号光検出器21により検出された散乱光信号に基づいて生体A内のグルコース濃度を算出する演算手段5とを備え、光照射部3に、光源7と、光源7から生体A表面への光路上に配置され、光源7からの光の一部を遮る遮光部材16と、該遮光部材16において遮られることなく通過した光を集光させて生体A表面に入射させる集光光学系15とが設けられ、光検出部4に、遮光部材16の裏面側に配置され、生体A側から発せられた光を反射して信号光検出器21に向かわせる反射部材16が設けられているグルコース濃度測定装置1を提供する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、グルコース濃度測定装置に関するものである。
従来より、糖尿病の判断のために血中グルコース濃度測定が行われており、特に、糖尿病患者のインシュリン投与量を決定する血糖値を検査するために、グルコース濃度の測定が行われている。グルコース濃度の測定は、一般に、指や腕から採取した血液を直接分析することにより行われている。患者の体内における血液中のグルコース濃度は、食事の前後や運動後などの測定条件によって変化するため、正確な血糖値を得るためには、頻繁なグルコース濃度測定が必要である。
しかしながら、採血した血液を直接分析する上記方法は、グルコース濃度の測定の度に注射針等を刺して採血しなければならず、患者にかかる負担が大きいという問題がある。
しかしながら、採血した血液を直接分析する上記方法は、グルコース濃度の測定の度に注射針等を刺して採血しなければならず、患者にかかる負担が大きいという問題がある。
この問題を解決するために、指、腕、耳朶などの生体組織に対し、外部から近赤外光を照射して生体内で拡散させ、生体外に出射された光を検出する非侵襲的なグルコース濃度測定方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1の方法は、複数本の発光ファイバと複数本の受光ファイバとを束ねて構成した光ファイババンドルを用意し、該光ファイババンドルを構成する各光ファイバの先端面を生体表面に接触状態に配置する。そして、複数の発光ファイバの先端面から近赤外光を照射することにより、生体内に入射させ、生体内において拡散されて生体表面から生体外に戻る光を複数の受光ファイバにおいて受光するとともに、受光された光のスペクトルを分析することによりグルコースの濃度を算出するものである。
特開2000−131322号公報(図3等)
特許文献1に示される方法は、多数の発光ファイバおよび受光ファイバを使用することにより、照射光量および検出光量を増加させることで、検出されるグルコース濃度の情報量を増加させている。しかしながら、このように発光ファイバと受光ファイバとを離した方法では、2つのファイバ間を光が伝播する間に散乱、吸収されるため、光量が大幅に減衰するという問題がある。また、受光ファイバの受光面積に限りがあるため、生体外に出射された拡散光の一部が検出されずに失われる不都合もある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、生体の表皮における反射ノイズを抑え、S/N比を改善して測定精度を向上し得るグルコース濃度測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明は、以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、生体内に光を照射する光照射部と、生体内で拡散あるいは透過した光を生体外部において検出する信号光検出器を有する光検出部と、前記信号光検出器により検出された散乱光信号に基づいて生体内のグルコース濃度を算出する演算手段とを備え、前記光照射部に、光源と、光源から生体表面への光路上に配置され、光源からの光の一部を遮る遮光部材と、該遮光部材において遮られることなく通過した光を集光させて生体表面に入射させる集光光学系とが設けられ、前記光検出部に、前記遮光部材の裏面側に配置され、生体側から発せられた光を反射して前記信号光検出器に向かわせる反射部材が設けられているグルコース濃度測定装置を提供する。
請求項1に係る発明は、生体内に光を照射する光照射部と、生体内で拡散あるいは透過した光を生体外部において検出する信号光検出器を有する光検出部と、前記信号光検出器により検出された散乱光信号に基づいて生体内のグルコース濃度を算出する演算手段とを備え、前記光照射部に、光源と、光源から生体表面への光路上に配置され、光源からの光の一部を遮る遮光部材と、該遮光部材において遮られることなく通過した光を集光させて生体表面に入射させる集光光学系とが設けられ、前記光検出部に、前記遮光部材の裏面側に配置され、生体側から発せられた光を反射して前記信号光検出器に向かわせる反射部材が設けられているグルコース濃度測定装置を提供する。
この発明によれば、光源から発せられた光の一部が遮光部材によって遮られる一方、第1反射部材によって遮られることなく通過した光は、集光光学系を通して生体表面に入射され、生体内で散乱等された後に生体外部に出射される。出射された光の内反射部材により反射された光が信号光検出器に検出される。反射部材は遮光部材の裏面側に配置されているので、反射部材によって反射される光は、生体へ入射される光とは光路の異なる光となる。その結果、生体表面における直接反射光が信号光検出器に検出されることなく、生体内に一旦入射されて生体内において散乱された光が信号光検出器に検出されることになる。その結果、信号光検出器に検出される光からは、生体内におけるグルコース濃度測定に寄与しない成分が除外されており、演算手段においてグルコース濃度を精度よく算出することが可能となる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のグルコース濃度測定装置において、前記遮光部材が遮った光を反射する他の反射部材からなり、前記光照射部に、前記他の反射部材において反射された光を検出する参照光検出器が設けられ、前記演算手段が、前記散乱光信号と、前記参照光検出器により検出された参照光信号とに基づいて生体内のグルコース濃度を算出するグルコース濃度測定装置を提供する。
この発明によれば、グルコース濃度の算出の際に光源から発せられた光を参照光として用いるので、生体表面に照射する光の強度の変動を考慮してグルコース濃度を精度よく算出することが可能となる。
この発明によれば、グルコース濃度の算出の際に光源から発せられた光を参照光として用いるので、生体表面に照射する光の強度の変動を考慮してグルコース濃度を精度よく算出することが可能となる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のグルコース濃度測定装置において、前記2つの反射部材が、両面ミラーにより一体的に構成されているグルコース濃度測定装置を提供する。
この発明によれば、構成部品を少なくして上記作用を奏するグルコース濃度測定装置を安価に提供することができる。
この発明によれば、構成部品を少なくして上記作用を奏するグルコース濃度測定装置を安価に提供することができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のグルコース濃度測定装置において、前記両面ミラーが、光源から生体表面に向かう光束の略中央に配置される略円板状部材であるグルコース濃度測定装置を提供する。
この発明によれば、光源から発せられた光の内、その略中央を通る光が両面ミラーにより反射されて参照光検出器に検出され、周囲を通る光が両面ミラーによって遮られることなく生体表面に照射される。生体表面に照射された光の内、生体内に入射された散乱光は、入射時と異なる経路を通って生体外部に出射され、入射光束の略中央部に配される両面ミラーの裏面側により反射され、信号光検出器に検出されることになる。
この発明によれば、光源から発せられた光の内、その略中央を通る光が両面ミラーにより反射されて参照光検出器に検出され、周囲を通る光が両面ミラーによって遮られることなく生体表面に照射される。生体表面に照射された光の内、生体内に入射された散乱光は、入射時と異なる経路を通って生体外部に出射され、入射光束の略中央部に配される両面ミラーの裏面側により反射され、信号光検出器に検出されることになる。
請求項5に係る発明は、請求項3に記載のグルコース濃度測定装置において、前記両面ミラーが、光源から生体表面に向かう光束の外周部に配置されるリング板状部材であるグルコース濃度測定装置を提供する。
この発明によれば、入射光束の略中央を通る光が生体内において散乱され、両面ミラーの裏面側において反射されて信号光検出器に検出される。一方、入射光束の外周部を通る光は両面ミラーの表面側において反射され、参照光検出器に検出されることになる。なお、両面ミラーのさらに半径方向外方を通る光も生体表面に入射させて、その散乱光を信号光検出器において検出させることにしてもよい。
この発明によれば、入射光束の略中央を通る光が生体内において散乱され、両面ミラーの裏面側において反射されて信号光検出器に検出される。一方、入射光束の外周部を通る光は両面ミラーの表面側において反射され、参照光検出器に検出されることになる。なお、両面ミラーのさらに半径方向外方を通る光も生体表面に入射させて、その散乱光を信号光検出器において検出させることにしてもよい。
請求項6に係る発明は、請求項3に記載のグルコース濃度測定装置において、前記両面ミラーが、複数の貫通孔を備えるグルコース濃度測定装置を提供する。
この発明によれば、貫通孔を通過した光は生体内に入射させられて散乱され、両面ミラーの裏面側の貫通孔の開いていない部分で反射され、信号光検出器に検出される。一方、両面ミラーの表面側の貫通孔以外の部分で遮られ反射された光は参照光検出器に検出されることになる。
この発明によれば、貫通孔を通過した光は生体内に入射させられて散乱され、両面ミラーの裏面側の貫通孔の開いていない部分で反射され、信号光検出器に検出される。一方、両面ミラーの表面側の貫通孔以外の部分で遮られ反射された光は参照光検出器に検出されることになる。
請求項7に係る発明は、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のグルコース濃度測定装置において、前記両面ミラーの周縁部に非反射処理が施されているグルコース濃度測定装置を提供する。
この発明によれば、両面ミラーの周縁部に非反射処理を施すことによって、比較的表面に近い散乱光を抑制することで、より深部からの光を検出することが可能となる。
この発明によれば、両面ミラーの周縁部に非反射処理を施すことによって、比較的表面に近い散乱光を抑制することで、より深部からの光を検出することが可能となる。
本発明に係るグルコース濃度測定装置によれば、生体に入射させる近赤外光の光路と、生体から発せられて検出される近赤外光の光路とを異ならせることにより、生体の表面近傍において反射した近赤外光が検出されることにより発生する表皮における反射ノイズを抑制して、精度よくグルコース濃度を測定することができるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態に係るグルコース濃度測定装置について図面を参照して説明する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1は、図1に示されるように、近赤外光を生体A内に照射して、生体A内において散乱された光を検出することにより、生体A内のグルコース濃度を測定する装置であって、近赤外光を発生する照明制御部2と、該照明制御部2から発せられた近赤外光を生体Aに向けて照射する光照射部3と、生体A内において散乱された光を検出する光検出部4と、検出された光を電気信号に変換して得られた検出信号に基づいてグルコース濃度を算出する演算部5と、該演算部5において算出されたグルコース濃度を出力する表示部6とを備えている。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1は、図1に示されるように、近赤外光を生体A内に照射して、生体A内において散乱された光を検出することにより、生体A内のグルコース濃度を測定する装置であって、近赤外光を発生する照明制御部2と、該照明制御部2から発せられた近赤外光を生体Aに向けて照射する光照射部3と、生体A内において散乱された光を検出する光検出部4と、検出された光を電気信号に変換して得られた検出信号に基づいてグルコース濃度を算出する演算部5と、該演算部5において算出されたグルコース濃度を出力する表示部6とを備えている。
前記照明制御部2は、光源7と、該光源7から発せられた光をコリメートするコリメートレンズ8と、コリメートされた光を一定の偏光方向に偏光するポーラライザ9と、入力された高周波の周波数に応じて、ポーラライザ9で偏光された光の内特定の波長の光(近赤外光)のみをさらに偏光して出射する音響光学可変波長フィルタ(AOTF:Acoust-Optic Tunable Filter、以下、AOTFという。)10と、該AOTF10に高周波を供給して制御するフィルタ制御部11と、AOTF10において偏光された特定の波長の光のみを通過させるアナライザ12とを備えている。前記光源7は、例えば、ハロゲンランプであるが、キセノンランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、ASE(Amplified Spontaneous Emission)光源でもよい。
前記フィルタ制御部11は、AOTF10に対して特定の周波数の高周波を供給する。フィルタ制御部11からAOTF10に供給される高周波の周波数は、所定の速度で順次変更されるようになっている。また、フィルタ制御部11は、AOTF10に対して高周波を供給するのと同期して、該高周波を前記演算部5に供給するようになっている。図中、符号13は、高周波の基本周波数を発生する発振器、符号14は加算器を示している。これにより、AOTF10および演算部5には、発振器13から供給される基本周波数とフィルタ制御部11から供給される周波数とが加算された周波数がそれぞれ入力されるようになっている。
前記光照射部3は、前記照明制御部2のアナライザ12から発せられたコリメート光を集光させる第1集光レンズ15と、これらアナライザ12と第1集光レンズ15との間に配置された両面ミラー16と、該両面ミラー16のアナライザ12側の面(以下、表面という。)において反射された光を集光する第2集光レンズ17と、該第2集光レンズ17の結像位置近傍に配置された参照光検出器18とを備えている。第1集光レンズ15は着脱可能なアタッチメント19に取り付けられている。アタッチメント19は、略円筒状の部材であって、その先端面19aに、被測定物である生体A表面が密着状態に配置されるようになっている。
前記光検出部4は、前記両面ミラー16の第1集光レンズ15側の面(以下、裏面という。)において反射された光を集光する第3集光レンズ20と、該第3集光レンズ20の結像位置近傍に配置された信号光検出器21とを備えている。前記参照光検出器18および信号光検出器21はいずれも、例えば、PbSセンサ、あるいは、InGaAsセンサである。
前記両面ミラー16は、前記アナライザ12から発せられ、第1集光レンズ15に向かう光束Lの片側半分を遮るように光軸に対して、例えば、45°の角度をなして配置されている。したがって、両面ミラー16は、図2に示されるように、第1集光レンズ15に向かう光束Lの一部(半分)を表面側で反射して光軸を90°折り曲げるようになっている。また、第1集光レンズ15に向かう光束Lの他側の半分には両面ミラー16が配置されていないので、そこを通るコリメート光の他の半分は、両面ミラー16により遮られることなく通過させられて、第1集光レンズ15により集光させられるようになっている。すなわち、両面ミラー16は、光束Lの一部の第1集光レンズ15への進行を表面側において遮る遮光部材として機能する一方、生体A側から戻る光を裏面側において反射する反射部材としても機能している。
第1集光レンズ15の結像位置は、アタッチメント19の先端面19aに配置されている。
第1集光レンズ15の結像位置は、アタッチメント19の先端面19aに配置されている。
前記演算部5は、前記信号光検出器21の検出信号から前記参照光検出器18の検出信号を差し引く差動アンプ22と、該差動アンプ22から出力された電気信号から特定の周波数の信号のみを抽出するロックイン検波器23と、該ロックイン検波器23から出力された電気信号をディジタル信号に変換するA/D変換器24と、該A/D変換器24から出力されたディジタル信号に基づいてグルコース濃度を算出するコンピュータ(演算手段)25とを備えている。
前記ロックイン検波器23は、前記フィルタ制御部11から供給された高周波を受信して、差動アンプ22からの電気信号から、高周波の周波数に一致する周波数成分の電気信号のみを抽出するようになっている。
また、コンピュータ25は、ロックイン検波器23により抽出された電気信号をA/D変換した出力信号と、前記フィルタ制御部11から高周波の周波数に対応してAOTF10から発せられる光の波長信号とを入力されるようになっている。これにより、コンピュータ25においては、A/D変換器24から得られた複数の出力信号と、フィルタ制御部11から得られた各出力信号に対応する波長信号とから得られる出力信号のスペクトル分布に基づいて、特定の波長領域、例えば、波長1.5μm近傍の領域における出力信号値からグルコース濃度が演算されるようになっている。
なお、コンピュータ25には、ディスプレイ6(表示部)が備えられており、コンピュータ25において演算されたグルコース濃度値が表示されるようになっている。
また、コンピュータ25は、ロックイン検波器23により抽出された電気信号をA/D変換した出力信号と、前記フィルタ制御部11から高周波の周波数に対応してAOTF10から発せられる光の波長信号とを入力されるようになっている。これにより、コンピュータ25においては、A/D変換器24から得られた複数の出力信号と、フィルタ制御部11から得られた各出力信号に対応する波長信号とから得られる出力信号のスペクトル分布に基づいて、特定の波長領域、例えば、波長1.5μm近傍の領域における出力信号値からグルコース濃度が演算されるようになっている。
なお、コンピュータ25には、ディスプレイ6(表示部)が備えられており、コンピュータ25において演算されたグルコース濃度値が表示されるようになっている。
このように構成された本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1を用いて生体A内の体液のグルコース濃度を測定するには、アタッチメント19の先端面19aを生体A、例えば、指先の表面に密着させる。なお、測定部位は、指先の他、掌、前腕等でもよい。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1を用いて生体A内の体液のグルコース濃度を測定するには、アタッチメント19の先端面19aを生体A、例えば、指先の表面に密着させる。なお、測定部位は、指先の他、掌、前腕等でもよい。
この状態で、照明制御部2を作動させることにより、光源7およびAOTF10を作動させる。AOTF10を作動させるには、AOTF10により分光する近赤外光の波長に対応する周波数の高周波をフィルタ制御部11からAOTF10に入力する。これにより、光源7から発せられた光から所定波長の近赤外光を分光して光照射部3に入射させる。AOTF10において分光された近赤外光は、コリメート光として第1集光レンズ15に向かうことになる。
このコリメート光の光束L中には、両面ミラー16が配置されているので、コリメート光の一部が遮られて反射され、第2集光レンズ17において集光させられて参照光検出器18に検出される。一方、両面ミラー16によって遮られなかった部分のコリメート光は、そのまま第1集光レンズ15において集光される。第1集光レンズ15の結像位置がアタッチメント19の先端面19aに配置されているので、近赤外光は、アタッチメント19の先端面19aに密着させられている生体A表面に結像させられて、生体A内に入射させられることになる。
生体A内に入射された近赤外光は、入射方向に沿って生体A内を進行する間に、生体組織に衝突して拡散される。光は、通過する生体組織や体液の成分に応じて、特定の波長領域の光を吸収される。したがって、生体A内で拡散されることにより生体Aの表面に戻って生体A外に出射された光は、通過した生体組織や体液に応じた特定の波長領域の光量が低下している。
生体A外に出射された近赤外光は、再度第1集光レンズ15を通過させられて、コリメート光とされる。そして、その後に、そのコリメート光の一部が両面ミラー16で遮られて、反射されることにより光路を90°曲げられて第3集光レンズ20により集光され、信号光検出器21に検出されることになる。
また、信号光検出器21に検出される光は、生体A側から戻った光の内、光束L中に配置されている両面ミラー16によって反射された光であるため、生体A表面に入射された光とは異なる光路を通って戻る光となっている。すなわち、生体A表面において反射され同じ経路を戻る光は、両面ミラー16において反射されないので、信号光検出器21に検出されることがない。したがって、信号光検出器21に検出される光からは、生体A表面における直接反射光は除かれており、生体A内に一旦入射されることにより生体A内で散乱された散乱光が多く含まれていることになる。
信号光検出器21および参照光検出器18からの出力信号は、演算部5に入力されると、差動アンプ22によってその差分を演算される。信号光検出器21により検出される信号光の大きさは、生体Aに入射される光、すなわち、AOTF10から発せられた近赤外光の強度の変動とともに変動する。したがって、生体Aへの入射前の近赤外光を参照光として参照光検出器18により検出しておき、信号光から差し引くことにより、AOTF10から発せられる近赤外光の強度変動による信号光強度の変動を除去することが可能となる。このとき、参照光検出器18からの出力信号には所定の係数をかけておくことにより、得られる差分信号を調整してもよい。
このようにして得られた差分信号は、ロックイン検波器23を通過させられる。これにより、フィルタ制御部11からのAOTF10に入力された高周波に対応する波長の光に関する出力信号のみが抽出される。したがって、抽出された出力信号には、生体Aに入射された近赤外光と波長を同じくする生体Aからの散乱光の情報のみが含まれ、他の波長の光、例えば、外来光に関する情報は除かれていることになる。
そして、ロックイン検波器23において抽出された出力信号は、A/D変換器24によってディジタル信号に変換させられてコンピュータ25に入力される。フィルタ制御部11からAOTF10に入力される高周波の周波数が順次変更されており、コンピュータ25には、生体Aに入射させた近赤外光の波長情報が、フィルタ制御部11から順次供給される。したがって、コンピュータ25においては、出力信号と波長情報との関係を示す波長特性が求められていくことになる。また、コンピュータ25は、求めた波長特性の内、所定の波長領域、例えば、波長1.5μm近傍の領域における出力信号値を求めることにより、生体A内部のグルコース濃度を演算する。そして、演算されたグルコース濃度値は、ディスプレイに表示されることになる。
この場合において、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1によれば、第1に、生体A内に入射させる入射光と、生体Aから戻って信号光検出器21に検出される検出光との光路を異ならせることにより、信号光検出器21に検出される光に、生体A内に一旦入射して散乱された光を多く含めることができる。すなわち、入射光と同じ光路を通って戻る直接反射光のように、生体A内の真皮まで到達せず、グルコース濃度の情報を含まない光を検出光から除外することで、S/N比を向上して、グルコース濃度値を精度よく得ることができる。
第2に、信号光と参照光との差分をとることで、入射光の強度の変動による信号光の強度の変動、すなわち、グルコース濃度値の変動を防止して、精度よく測定することができる。
第3に、ロックイン検波器23を用いて、実際の入射光の波長と同じ波長の検出光のみを抽出することで、外来光等の他の波長の光による影響を除外して、精度よくグルコース濃度を演算することができる。
第3に、ロックイン検波器23を用いて、実際の入射光の波長と同じ波長の検出光のみを抽出することで、外来光等の他の波長の光による影響を除外して、精度よくグルコース濃度を演算することができる。
なお、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1においては、コリメート光の光束Lの半分を遮る両面ミラー16を用いたが、これに代えて、図3に示す形態の両面ミラー26を用いてもよい。すなわち、図3に示す両面ミラー26は、コリメート光の光束Lの略中央に配置される円板状に形成されている。この両面ミラー26によれば、図4に示されるように、光束Lの略中央部が両面ミラー26によって遮られて反射され、参照光検出器18に検出される一方、光束Lの周縁部分が両面ミラー26に遮られることなく生体Aに入射させられた後に、光束Lの略中央部に戻った散乱光のみが両面ミラー26によって反射されて信号光検出器21に検出されるようになっている。
この場合に、図4に示されるように、生体A表面に結像されるリング状の光の半径方向幅Dが、略2mm以下となるようにすることが好ましい。このようにすることにより、生体A内の真皮領域まで達し、減衰されることなく生体A外に戻った光を信号光検出器21において検出することが可能となる。
また、図5に示すように、中央に貫通孔27aを有するの両面ミラー27を用いることにしてもよい。この両面ミラー27によれば、図6に示されるように、光束Lの略中央部のみが両面ミラー27に遮られることなく、貫通孔27aを通過して生体Aに入射させられた後に、光束Lの周縁部分に戻った散乱光のみが両面ミラー27によって反射されて信号光検出器21に検出されるようになっている。
この場合に、図6に示されるように、上記と同じ理由により、生体A表面に結像される円形の光の直径寸法Dが、略2mm以下となるようにすることが好ましい。
この場合に、図6に示されるように、上記と同じ理由により、生体A表面に結像される円形の光の直径寸法Dが、略2mm以下となるようにすることが好ましい。
また、図7に示されるように、複数の貫通孔28aを、例えば、格子状に形成した両面ミラー28を採用してもよい。すなわち、貫通孔28a以外の部分で遮られた光を参照光として検出し、貫通孔28aを通過して生体Aに入射された光を信号光として検出することにしてもよい。貫通孔28aの形状は任意でよい。
また、図8に示されるように、円形のミラー部29aとリング板状のミラー部29bとを備える両面ミラー29を用いて、貫通孔29cを通過する輪帯照明としてもよい。すなわち、円環状の光を生体A表面に結像させ、略中央部と周縁部分の両方に戻る散乱光を信号光検出器21に導くことにしてもよい。
また、図8に示されるように、円形のミラー部29aとリング板状のミラー部29bとを備える両面ミラー29を用いて、貫通孔29cを通過する輪帯照明としてもよい。すなわち、円環状の光を生体A表面に結像させ、略中央部と周縁部分の両方に戻る散乱光を信号光検出器21に導くことにしてもよい。
また、これらの両面ミラー16,26,27,29を用いる場合に、例えば、図9、図10に示されるように、該両面ミラー26,27によって遮られる光と遮られることなく通過する光との境界部分に配置される両面ミラー26,27の縁部に、それぞれ、光を吸収する非反射処理を施した非反射処理部30を形成することにしてもよい。このようにすることで、比較的表面に近い散乱光を抑制することや、縁部における散乱光が迷光として信号光検出器21に検出され、ノイズとなるのを防止することができる。非反射処理としては、例えば、黒色塗料を塗布することが挙げられる。
また、上記実施形態においては、AOTF10から発せられる近赤外光の強度の変動による測定誤差を除去するためにコリメート光の光束L中に両面ミラー16,26,27,28,29を配置して、参照光を検出することとしたが、AOTF10からの近赤外光の強度の変動が無視できる場合には、参照光の検出を行わなくてもよい。この場合には、両面ミラー16,26,27,28,29に代えて、片面ミラー(図示略)とし、コリメート光の一部を遮り、生体Aから戻ってきた散乱光を片面ミラーによって信号光検出器21に導くことにしてもよい。また、片面ミラーに代えて、コリメート光の一部を遮る遮光部材(図示略)と、該遮光部材の裏面側に配置される遮光部材とは別体の反射ミラーとを採用してもよい。また、両面ミラー16,26,27,28,29は表裏面で別体の片面ミラーを採用してもよい。
また、上記実施形態においては、参照光検出器18を第2集光レンズ17の結像位置近傍に配置して直接検出することとしたが、これに代えて、図11に示されるように、セラミックボード31のような白色板において一旦反射させた光を参照光検出器18により検出することにしてもよい。このようにすることにより、光源7やAOTF10における波長特性を補正して、さらに精度よくグルコース濃度を測定することができる。
なお、さらに測定精度を向上するために、光路上にピンホール(図示略)を配置して共焦点系を構成することにしてもよい。
なお、さらに測定精度を向上するために、光路上にピンホール(図示略)を配置して共焦点系を構成することにしてもよい。
次に、本発明の他の実施形態に係るグルコース濃度測定装置について、図12を参照して説明する。本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態と構成を共通とする箇所には同一の符号を付して説明を簡略化する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置40は、上述した第1の実施形態に係るグルコース濃度測定装置1が、照明制御部2に対して光検出部4を固定的に配した構造のものであるのに対し、光ファイバ41,42,43により移動可能に連結した構造である点において相違している。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置40は、上述した第1の実施形態に係るグルコース濃度測定装置1が、照明制御部2に対して光検出部4を固定的に配した構造のものであるのに対し、光ファイバ41,42,43により移動可能に連結した構造である点において相違している。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置40は、照明制御部2、光検出部44、演算部5および表示部6を備える本体45と、光照射部3を備えるヘッド46と、これらを接続する光ファイバ41,42,43とを備えている。本体45内には、前記照明制御部2のアナライザ12から発せられたコリメート光を光ファイバ41に集光させる集光レンズ47と、参照光検出器18および信号光検出器21とが備えられている。ヘッド46には、光ファイバ41の端面から発せられた拡散光を平行光に変換するコリメートレンズ48が備えられている。また、光ファイバ42,43は、前記第2集光レンズ17および第3集光レンズ20の結像位置近傍にそれぞれ一端を配し、それらの他端を前記参照光検出器18および信号光検出器21の近傍に配している。
このように構成された本実施形態に係るグルコース濃度測定装置40によれば、光ファイバを湾曲させることにより、本体45に対してヘッド46を自由に移動させることが可能となる。また、ヘッド46のみを移動させることができるので、可動部を軽量化して操作性を向上することができる。
A 生体
1,40 グルコース濃度測定装置
3 光照射部
4,44 光検出部
5 演算部(演算手段)
7 光源
15 第1集光レンズ(集光光学系)
16,26,27,28,29 両面ミラー(遮光部材、反射部材、他の反射部材)
18 参照光検出器
21 信号光検出器
28a 貫通孔
1,40 グルコース濃度測定装置
3 光照射部
4,44 光検出部
5 演算部(演算手段)
7 光源
15 第1集光レンズ(集光光学系)
16,26,27,28,29 両面ミラー(遮光部材、反射部材、他の反射部材)
18 参照光検出器
21 信号光検出器
28a 貫通孔
Claims (7)
- 生体内に光を照射する光照射部と、
生体内で拡散あるいは透過した光を生体外部において検出する信号光検出器を有する光検出部と、
前記信号光検出器により検出された散乱光信号に基づいて生体内のグルコース濃度を算出する演算手段とを備え、
前記光照射部に、光源と、光源から生体表面への光路上に配置され、光源からの光の一部を遮る遮光部材と、該遮光部材において遮られることなく通過した光を集光させて生体表面に入射させる集光光学系とが設けられ、
前記光検出部に、前記遮光部材の裏面側に配置され、生体側から発せられた光を反射して前記信号光検出器に向かわせる反射部材が設けられているグルコース濃度測定装置。 - 前記遮光部材が遮った光を反射する他の反射部材からなり、
前記光照射部に、前記他の反射部材において反射された光を検出する参照光検出器が設けられ、
前記演算手段が、前記散乱光信号と、前記参照光検出器により検出された参照光信号とに基づいて生体内のグルコース濃度を算出する請求項1に記載のグルコース濃度測定装置。 - 前記2つの反射部材が、両面ミラーにより一体的に構成されている請求項2に記載のグルコース濃度測定装置。
- 前記両面ミラーが、光源から生体表面に向かう光束の略中央に配置される略円板状部材である請求項3に記載のグルコース濃度測定装置。
- 前記両面ミラーが、光源から生体表面に向かう光束の外周部に配置されるリング板状部材である請求項3に記載のグルコース濃度測定装置。
- 前記両面ミラーが、複数の貫通孔を備える請求項3に記載のグルコース濃度測定装置。
- 前記両面ミラーの周縁部に非反射処理が施されている請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のグルコース濃度測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003274833A JP2005037253A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | グルコース濃度測定装置 |
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JP (1) | JP2005037253A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012019979A (ja) * | 2010-07-15 | 2012-02-02 | Yokogawa Electric Corp | 共焦点光学系を用いた生体成分測定装置 |
JP2014098668A (ja) * | 2012-11-15 | 2014-05-29 | Pioneer Electronic Corp | 測定装置 |
WO2016111363A1 (ja) * | 2015-01-09 | 2016-07-14 | 国立大学法人電気通信大学 | 光学測定装置及び光学測定方法 |
JP2019027876A (ja) * | 2017-07-28 | 2019-02-21 | Jfeアドバンテック株式会社 | 光セパレータ構造及び物質濃度測定装置 |
-
2003
- 2003-07-15 JP JP2003274833A patent/JP2005037253A/ja not_active Withdrawn
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