JP2005265592A - グルコース濃度測定装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 生体から検出されるグルコース濃度の情報量を増大させるとともに、光源において発生するゆらぎノイズを低減して測定精度を向上する。
【解決手段】 分光器7において分光された光を無偏光化して生体Aに入射させる光学手段を備え、光学手段が、分光器7の入口側に配置され、光源2から発せられた光Lを別々の偏光方向を有する2つの偏光光L,Lに分離する第1の偏光素子11、および、第1の偏光素子11において分離された偏光光L,Lの一方Lを入射させ、他方の偏光光Lに偏光方向を一致させる第1の旋光子12と、分光器7の出口側に配置され、分光器7から出射される2つの偏光光L,Lの一方Lを入射させ、他方の偏光光Lと偏光方向を異ならせる第2の旋光子13、および、異なる偏光方向を有する2つの偏光光L,Lを合波して無偏光化する第2の偏光素子14とを備えるグルコース濃度測定装置1を提供する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、グルコース濃度測定装置に関するものである。
従来、糖尿病の判断のために血中グルコース濃度測定が行われており、特に、糖尿病患者のインシュリン投与量を決定する血糖値を検査するために、グルコース濃度の測定が行われている。グルコース濃度の測定は、一般に、指や腕から採取した血液を直接分析することにより行われている。患者の体内における血液中のグルコース濃度は、食事の前後や運動後などの測定条件によって変化するため、正確な血糖値を得るためには、頻繁なグルコース濃度測定が必要である。
しかしながら、採血した血液を直接分析する上記方法は、グルコース濃度の測定の度に注射針等を刺して採血しなければならず、患者にかかる負担が大きいという問題がある。
この問題を解決するために、指、腕、耳朶などの生体組織に対し、外部から近赤外光を照射して生体内で拡散させ、生体外に出射された光を検出する非侵襲的なグルコース濃度測定方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1の方法は、複数本の発光ファイバと複数本の受光ファイバとを束ねて構成した光ファイババンドルを用意し、該光ファイババンドルを構成する各光ファイバの先端面を生体表面に接触状態に配置する。そして、ハロゲンランプから複数の発光ファイバに集光した近赤外光をそれら発光ファイバの先端面から照射することにより、生体内に入射させ、生体内において拡散されて生体表面から生体外に戻る光を複数の受光ファイバにおいて受光するとともに、受光された光のスペクトルを分析することによりグルコースの濃度を算出するものである。
特開2000−131322号公報(図3等)
特許文献1に示される方法は、多数の発光ファイバおよび受光ファイバを使用して、照射光量および検出光量を増加させることで、検出されるグルコース濃度の情報量を増加させている。
しかしながら、生体内において拡散あるいは透過されて、生体外に放出される光はごく微量であり、発光ファイバから受光ファイバまでの2つのファイバ間を光が伝播する間に、種々の生体組織によって散乱、吸収されるため、光量が大幅に減衰し、検出される光のS/N比が極めて低いという問題がある。したがって、照射光に含まれる僅かなノイズによっても測定精度が低下してしまうため、光源の特性により光量が微妙に変動するゆらぎノイズのような微細なノイズも除去しておくことが必要となる。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、生体から検出されるグルコース濃度の情報量を増大させるとともに、光源において発生するゆらぎノイズを低減して測定精度を向上し得るグルコース濃度測定装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、生体に照射する光を発生する光源と、該光源から発せられた光を分光する分光器と、該分光器において分光された後、生体内において拡散または透過した光を検出する光検出器とを備え、各波長における吸光度に基づいて生体内のグルコース濃度を測定するグルコース濃度測定装置であって、前記分光器において分光された光を無偏光化して生体に入射させる光学手段を備え、該光学手段が、前記分光器の入口側に配置され、光源から発せられた光を別々の偏光方向を有する2つの偏光光に分離する第1の偏光素子、および、該偏光素子において分離された偏光光の一方を入射させ、他方の偏光光に偏光方向を一致させる第1の旋光子と、前記分光器の出口側に配置され、該分光器から出射される2つの偏光光の一方を入射させ、他方の偏光光と偏光方向を異ならせる第2の旋光子、および、異なる偏光方向を有する2つの偏光光を合波して無偏光化する第2の偏光素子とを備えるグルコース濃度測定装置を提供する。
出願人は、光源の特性により発生するゆらぎが、光検出器により検出された検出信号内にノイズとして含まれてしまう、いわゆるゆらぎノイズのノイズ量について検討した結果、音響光学可変波長フィルタ(AOTF:Acoust-Optic
Tunable Filter、以下、AOTFという。)を用いた分光器により偏光された片方の回折光のみを用いて検出を行った場合と比較すると、+1次光と−1次光を合波した無偏光光を用いて検出を行う場合の方が少なくなるという知見を得た。
この発明によれば、光源から発せられた光が第1の偏光素子を通過させられることにより、偏光方向の異なる2つの偏光光に分離され、その一方が第1の旋光子に入射される。第1の旋光子に入射された偏光光は、偏光方向を90°回転させられることにより、他方の偏光光とその偏光方向を揃えられた状態で別々に分光器に入射させられる。分光器に入射される2つの偏光光がその偏光方向を揃えられているので、分光器から出力される分光された所定の波長の偏光光も、同一の偏光方向を有する偏光光としてそれぞれ出力される。したがって、その一方を第2の旋光子に入射させて偏光方向を90°回転させた後に、第2の偏光素子に入射させて合波することにより、異なる直線偏光光を含む無偏光の光として生体に入射させることができる。
これにより、いずれか一方を用いる場合と比較して、光量を増大させてグルコース濃度の情報量を増やすことができるとともに、光源の特性に起因するゆらぎノイズを低減して測定精度を向上するとが可能となる。
また、本発明は、生体に照射する光を発生する光源と、該光源から発せられた光を回折手段を用いて分光する分光器と、該分光器において分光された後、生体内において拡散または透過した光を検出する光検出器とを備え、各波長における吸光度に基づいて生体内のグルコース濃度を測定するグルコース濃度測定装置であって、前記光源が無偏光光源からなり、前記分光器において分光された+1次光と−1次光とを合波して生体に入射させる光学手段を備えるグルコース濃度測定装置を提供する。
無偏光光源、例えば、ASE(Amplified Spontaneous
Emission)光源から発せられた光には、偏光方向が90°異なる2種類の直線偏光光が含まれている。このような無偏光光を、AOTFを用いた分光器を通過させると、この無偏光光に含まれている2種類の直線偏光光が、それぞれ、さらに90°偏光された状態で別々の方向に+1次光および−1次光として出射される。
本発明によれば、光学手段の作動によりこれらの+1次光と−1次光とが合波されて生体に入射させられるので、光源の特性により発生するゆらぎノイズが低減され、測定精度を向上させることができる。
上記発明においては、前記光学手段が、前記分光器の出口側に配置され、+1次光と−1次光とを入射させて集光させる集光レンズと、該集光レンズと分光器との間に配置され、分光器から発せられた0次光を遮断する遮光手段とを備えることが好ましい。
本発明によれば、光源からの無偏光光が分光器に入射されると、分光器から0次光と+1次光と−1次光とが出射される。分光器から出射された0次光は遮光手段の作動により遮断されるので、+1次光と−1次光とが集光レンズにより集光されて合波されることになる。その結果、光量を増大させてグルコース濃度の情報量を増やすことができるとともに、光源の特性に起因するゆらぎノイズを低減して測定精度を向上するとが可能となる。
また、上記発明においては、前記光学手段が、前記分光器の出口側に配置され、+1次光と−1次光とを入射させて、一方を透過させ、他方を反射させることで合波する偏光ビームスプリッタを備えることとしてもよい。
この発明によれば、分光器において分光されることにより異なる方向に出射された+1次光と−1次光とが、偏光ビームスプリッタに入射される。+1次光と−1次光とは、異なる偏光方向を有しているので、偏光ビームスプリッタにおいては、一方を透過させ、一方を反射させることが可能となる。そして、透過方向と反射方向とが一致させられることにより、2つの光が効率よく合波され、グルコース濃度の測定に最大限に利用されることになる。その結果、さらに情報量を増大させ、かつ、ゆらぎノイズを低減して、測定精度を向上することができる。
また、上記発明においては、前記分光器と前記偏光ビームスプリッタとの間に配置され、+1次光と−1次光とを別々に伝送する偏波面保存ファイバを備えることとしてもよい。
このようにすることで、分光器から発せられた偏光方向の異なる2つの偏光光が、偏波面保存ファイバによって、偏光方向を維持したまま偏光ビームスプリッタまで導かれる。その結果、偏光ビームスプリッタにおいて効率よく合波することが可能となる。
本発明によれば、分光器を通過させることにより偏光される光を無偏光化させた状態で生体に入射させて検出することによってグルコース濃度の測定を行うので、生体に照射する光量を増大させて、生体から得られる情報量を増加させることができるとともに、光源の特性に起因するゆらぎノイズを低減して、測定精度を向上することができるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態に係るグルコース濃度測定装置1について図1〜図4を参照して説明する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1は、図1に示されるように、生体Aに照射する光を発生するASE光源(無偏光光源)2と、該ASE光源2から発せられた光を分光する分光器3と、前記分光器3から出射された測定光を生体Aに向けて照射するとともに、生体A内で拡散あるいは透過した信号光を生体A外部において受光する測定プローブ4と、該測定プローブ4により受光された信号光を検出する信号光検出器5と、該信号光検出器5により検出された信号光のスペクトルに基づいて生体A内のグルコース濃度を算出する演算部6とを備えている。
前記ASE光源2は所定の波長帯域の縦偏光光と横偏光光とを含む無偏光の励起光Lを出射する光源である。
前記分光器3は、入力された高周波信号の周波数に応じて、入射された光の内の特定の波長の光のみをさらに偏光して出射するAOTF7と、該AOTF7に高周波信号を供給して制御するフィルタ制御部8とを備えている。
前記フィルタ制御部8は、AOTF7に対して特定の周波数の高周波信号を供給する。フィルタ制御部8からAOTF7に供給される高周波信号の周波数は、順次変更されるようになっている。
また、フィルタ制御部8は、AOTF7に対して高周波信号を供給するのと同期して、該高周波信号を後述する演算部6に供給するようになっている。図中、符号9は、高周波信号の基本周波数を発生する発振器、符号10は加算器を示している。これにより、AOTF7および演算部6には、発振器9から供給される基本周波数とフィルタ制御部8から供給される周波数とが加算された周波数の高周波信号がそれぞれ入力されるようになっている。
AOTF7は、入射された光を分光して出力するが、その際に、光の偏光方向を90°回転させて出力する。すなわち、AOTF7に入射された縦偏光光は、横偏光光として出射され、横偏光光は縦偏光光として出射されるようになっている。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1は、ASE光源2とAOTF7との間に、第1の偏光素子11と第1の旋光子12、AOTF7と測定プローブ4との間に第2の旋光子13と第2の偏光素子14とを備えている。図中符号15は、装置本体16にコネクタ17により接続され、光を測定プローブ4まで導く光ファイバ、符号18は、光ファイバ15に光を集光して入射させるためのレンズを示している。
前記第1の偏光素子11は、ASE光源2から発せられた無偏光光Lを入射させて、偏光方向の異なる2つの偏光光L,L、例えば、縦偏光光Lと横偏光光Lとを分離して出射するように構成されている。また、第1の旋光子12は、第1の偏光素子11において分離された2つの偏光光L,Lの内、一方の偏光光、例えば、縦偏光光Lを入射させて、その偏光方向を90°回転させることによって横偏光光Lとして出射させるように構成されている。これにより、第1の偏光素子11によって分離された2つの偏光光L,Lは、偏光方向を相互に一致させた状態、この例の場合は横偏光方向に一致させた状態でAOTF7に別々に入射されるようになっている。
前記第2の旋光子13は、第1の偏光素子11によって分離され、第1の旋光子12を通過させられることなくAOTF7に入射させられ、AOTF7において90°回転させられて出射された偏光光L、この例では縦偏光光Lを入射させて、さらにその偏光方向を90°回転させ、横偏光光Lとして出射するようになっている。
また、第2の偏光素子14は、第2の旋光子13から出射された横偏光光Lと、AOTF7から出射された縦偏光光Lとを入射させて、第1の偏光素子11とは逆に、これら2つの偏光光L,Lを合波し、無偏光光Lとして出射するように構成されている。
第2の偏光素子14により合波された光は、レンズ18によって光ファイバ15の端面に集光され、コネクタ17を介して装置本体16外部の測定プローブ4に供給される。
測定プローブ4には、その先端面4aに、例えば、図2に示されるように、中心に1本の照射用光ファイバ15が配置され、その周囲に間隔をあけて複数本の受光用光ファイバ19が配置されている。すなわち、測定プローブ4の先端面4aを生体Aの表面に密着させた状態でグルコース濃度測定装置1を作動させることにより、測定プローブ4の中心から出射された測定光は、生体A内に入射され、拡散あるいは透過させられた後に、生体A表面に戻り、照射用光ファイバ15の周囲に配置されている受光用光ファイバ19によって信号光として受光されるようになっている。
各受光用光ファイバ19と照射用光ファイバ15との間の距離は、照射用光ファイバ15から出射された測定光が、所定の光路長を経て受光用光ファイバ19に受光されるような距離に設定されている。本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1の場合には、グルコースを多く含む真皮領域にまで測定光が進達するように、約0.4〜0.8mmの距離をあけて配置されている。これにより、受光用光ファイバ19により受光される信号光は、生体A組織内を真皮の深さまで進達した光を多く含んでいるようになる。受光用光ファイバ19は、束ねられることによりファイババンドルを形成し、他のコネクタ20により装置本体16に接続されている。
信号光検出器5は、例えば、PbSセンサ、あるいは、InGaAsセンサである。信号光検出器5は、装置本体16に接続された受光用光ファイバ19の端面にレンズ21を介して対向して配置されており、これら受光用光ファイバ19により受光され伝播されてきた信号光を検出して検出信号を出力するようになっている。
前記演算部6は、信号光検出器5の検出信号を増幅するアンプ22と、該アンプ22から出力された電気信号を入力するロックイン検波器23と、該ロックイン検波器23の出力をディジタル信号に変換するA/D変換器24と、該A/D変換器24から出力されたディジタル信号に基づいてグルコース濃度を算出するコンピュータ25とを備えている。
コンピュータ25においては、A/D変換器24から得られた複数の出力信号と、フィルタ制御部8から得られた各出力信号に対応する波長信号とから得られる出力信号のスペクトル分布に基づいて、特定の波長領域、例えば、波長1600nm近傍の領域における出力信号値からグルコース濃度が演算されるようになっている。
なお、コンピュータ25には、図示しない表示部が接続されており、コンピュータ25において演算されたグルコース濃度値が表示されるようになっている。
このように構成された本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1を用いて生体A内の体液のグルコース濃度を測定するには、測定プローブ4の先端面4aを生体A、例えば、指先の表面に密着させる。なお、測定部位は、指先の他、掌、前腕等でもよい。
この状態で、ASE光源2から励起光Lを照射する。
ASE光源2から発せられた無偏光の励起光Lは、第1の偏光素子11を通過させられることにより、縦偏光光Lと横偏光光Lとに分離され、別々の方向に出射させられる。一方の横偏光光LはそのままAOTF7に入射され、他方の縦偏光光Lは第1の旋光子12を通過させられることによって横偏光光Lに変換されてAOTF7に入射される。
AOTF7は、該AOTF7により分光する光の波長に対応する周波数の高周波信号をフィルタ制御部8から供給されることにより、入射された光から所定波長の光を分光して出射する。本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1によれば、AOTF7に別々に入射された2つの横偏光光L,Lは、同一の波長の縦偏光光L,LとしてAOTF7から別々に出射される。そして、一方の縦偏光光Lは第2の旋光子13を通過させられることにより横偏光光Lに変換され、他方の縦偏光光Lとともに第2の偏光素子14に入射される。第2の偏光素子14においては、これら縦偏光光Lと横偏光光Lとが合波されて、所定の波長を有する無偏光の測定光Lとしてレンズ18によって光ファイバ15端面に入射させられることになる。
光ファイバ15内に入射された測定光は、測定プローブ4まで光ファイバ15内を伝達され、その先端面4aから出射され、生体A内に入射される。
生体A内に入射された測定光は、生体A内を進行する間に、生体A組織に衝突して拡散される。測定光は、通過する生体A組織や体液の成分に応じて、特定の波長領域の光を吸収される。したがって、生体A内で拡散されることにより生体Aの表面に戻って生体A外に出射された信号光は、通過した生体A組織や体液に応じた特定の波長領域の光量が低下していることになる。
受光用光ファイバ19は、上述したように照射用光ファイバ15との間の距離を一定に固定されているので、その距離に応じた深さまで進達した光を多く含む信号光を受光する。本実施形態の場合には、測定光は真皮領域まで進達した後に、受光用光ファイバ19に受光されるので、受光される光はグルコースの情報を多く含んでいることになる。
受光された光は、受光用光ファイバ19を介して装置本体16内に戻され、受光用光ファイバ19の端面に対向配置されている信号光検出器5により検出される。
信号光検出器5からの出力信号は、演算部6に入力されると、アンプ22によって増幅される。アンプ22において増幅された信号光検出器5からの出力信号は、ロックイン検波器23を通過させられる。これにより、フィルタ制御部8からAOTF7に入力された高周波信号に対応する波長の光に関する出力信号のみが抽出される。したがって、抽出された出力信号には、生体Aに入射された測定光と波長を同じくする生体Aからの散乱光の情報のみが含まれ、他の波長の光、例えば、外来光に関する情報は除かれている。その結果、外来光等によるノイズの発生を抑制することができる。
そして、ロックイン検波器23において抽出された出力信号は、A/D変換器24によってディジタル信号に変換させられてコンピュータ25に入力される。フィルタ制御部8からAOTF7に入力される高周波信号の周波数が順次変更されており、コンピュータ25には、生体Aに入射させた測定光の波長情報が、フィルタ制御部8から順次供給される。したがって、コンピュータ25においては、出力信号と波長情報との関係を示す波長特性が求められていくことになる。また、コンピュータ25は、求めた波長特性の内、所定の波長領域、例えば、波長1600nm近傍の領域における出力信号値を求めることにより、生体A内部のグルコース濃度を演算する。そして、演算されたグルコース濃度値は、ディスプレイに表示されることになる。
この場合に、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1によれば、AOTF7を通過させられることにより偏光された偏光光L,Lを、生体Aへの入射前に無偏光化するので、ASE光源2の特性により生ずるゆらぎノイズを低減することができる。したがって、検出される検出信号に含まれるノイズ量を低減することができ、グルコース濃度の測定精度を向上することができる。
なお、上記実施形態においては、第1の偏光素子11により分離された縦偏光光Lを第1の旋光子12に入射させることとしたが、横偏光光Lを第1の旋光子12に入射させることにしてもよい。また、AOTF7から出射された2つの偏光光L,Lの内、どちらを第2の旋光子13に入射させることにしてもよい。また、AOTFを通過する2つの光路の特性をできるだけ一致させるという観点からは、縦偏光光L,Lまたは横偏光光L,Lという位置の組み合わせのどちらかに旋光子を配置することが望ましい。
また、信号光検出器5により検出される信号光の大きさは、生体Aに入射される光、すなわち、AOTF7から発せられた光の強度の変動とともに変動する。したがって、図3に示されるように、第2の偏光素子14の後段に、光分岐部26を設けて参照光を分岐して参照光検出器27によって検出しておき、コンピュータ25において、受光された信号光から差し引くことにより、AOTF7から発せられる光の強度変動による信号光強度の変動を除去することが可能となる。光分岐部26における分岐比率は、測定光に95%、参照光に5%程度となるように設定されているので、測定光が生体A内で大きく減衰されて得られる信号光と参照光とのレベル差を減少させて強度変動による信号光強度の変動を効果的に除去することができる。この場合に、コンピュータ25においては、参照光検出器27からの出力信号に所定の係数をかけることにより、信号レベルを調整してもよい。
光分岐部26としては、例えば、ビームスプリッタや、光カプラによる方法のものが考えられる。ビームスプリッタの場合に、測定光はビームスプリッタを透過させられ、参照光はビームスプリッタの表面において反射させられる。したがって、測定光は、参照光よりもビームスプリッタを透過した分だけ光が吸収されてしまうことになるので、図4に示されるように、ビームスプリッタ26による分岐後の参照光側の光路に、ビームスプリッタ26と同じ吸収特性を有する補正用光学素子28を挿入することにしてもよい。
また、光源としてASE光源を用いた場合について説明したが、これに代えて、ハロゲンランプ、タングステンハロゲンランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、SLD、LEDなどを用いることとしてもよい。
また、光源として無偏光光を発生するASE光源を用いたが、例えば直線偏光出力のASE光源を用いてもよい。この場合、縦偏光と横偏光の中間の45°の偏光面を有する光を検出器に入射させることとなり、これによっても光学系の偏光特性の影響を低減することができる。
また、分光器としてAOTFを用いたが、これに代えて、分散型の分光器、特に回折格子を用いてもよい。回折格子によれば、+1次光と−1次光がそれぞれ完全な直線偏光とはならず直線偏光と無偏光との間の中間状態になるが、これらを合波することにより光学系の偏光特性の影響を低減することができる。しかしながら、回折格子の場合、特定の次数の回折効率が高くなるように回折格子の断面形状が最適化されているのが一般的であり、他方の回折効率が低くなっているので、2つの回折次数光を合波しても改善効果はAOTFの場合より低い。したがって、本発明はAOTFを用いた場合に、より効果的である。
次に、本発明の第2の実施形態に係るグルコース濃度測定装置30について、図5を参照して以下に説明する。
なお、本実施形態の説明においては、図1に示される第1の実施形態に係るグルコース濃度測定装置1と構成を共通とする箇所に同一符号を付して説明を簡略化する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置30は、図5に示されるように、ASE光源2から発せられる無偏光の励起光Lを直接AOTF7に入射させる点、AOTF7の後段に、AOTF7から出射された光L,L10を入射させて光ファイバ15の端面に集光する集光レンズ31を備えている点、および、AOTF7の後段の集光レンズ31の中心位置近傍に0次光L11を遮断する遮光部材32が配置されている点において、図1に示される第1の実施形態に係るグルコース濃度測定装置1と相違している。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置30によれば、ASE光源2から発せられた無偏光光Lが直接AOTF7に入射させられるので、AOTF7からは、例えば、入射された横偏光光を分光した結果得られる縦偏光光である+1次光Lと、入射された縦偏光光を分光した結果得られる横偏光光である−1次光L10とが、中央から出射される0次光L11を中心として別々の方向に出射される。
本実施形態においては、遮光部材32の作動により0次光L11が集光レンズ31に入射されるのが防止され、その周囲に出射されている+1次光Lと−1次光L10とが集光レンズ31によって光ファイバ15の端面に集光される。その結果、光ファイバ15内には、縦偏光光Lと横偏光光L10とが合波された状態の無偏光光が入射されるので、生体Aへの照射および信号光検出器5による検出を無偏光光によって行うことができる。
すなわち、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置30によっても、第1実施形態に係るグルコース濃度測定装置1と同様に、検出信号に含まれるゆらぎノイズ量を低減することができ、グルコース濃度を精度よく測定することができる。また、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置30によれば、構造が簡単で低コストに製造することができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係るグルコース濃度測定装置40について、図6を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明においても同様に、第1、第2の実施形態に係るグルコース濃度測定装置1,30と構成を共通とする箇所に同一符号を付して説明を簡略化する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置40は、図6に示されるように、ASE光源から発せられる無偏光光Lを直接AOTF7に入射させる点において、第2の実施形態に係るグルコース濃度測定装置30と同様である。本実施形態に係るグルコース濃度測定装置40は、AOTF7の後段に、AOTF7から出射された+1次光Lと−1次光L10とをそれぞれ集光させる集光レンズ41,42と、該集光レンズ41,42により集光された偏光光L,L10をそれぞれ入射させる端面を有する偏波面保存(PANDA:Polarization
maintaining AND Absorption reducing)ファイバ43,44と、該偏波面保存ファイバ43,44から出射された偏光光L,L10を平行光にするコリメートレンズ45.46と、平行光にされた2つの偏光光L,L10を合波する偏光ビームスプリッタ47とを備えている。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置40によれば、ASE光源2から発せられた無偏光光Lが直接AOTF7に入射され、AOTF7からは、例えば、入射された横偏光光を分光した結果得られる縦偏光光である+1次光Lと、入射された縦偏光光を分光した結果得られる横偏光光である−1次光L10とが、中央から出射される0次光を中心として別々の方向に出射される。AOTF7から出射された+1次光Lおよび−1次光L10は、それぞれ偏波面保存ファイバ43,44によって導かれるので、偏光方向を保持したまま偏光ビームスプリッタ47に入射される。
偏光ビームスプリッタ47には、例えば、一方の偏波面保存ファイバ43によって導かれてきた縦偏光光である+1次光Lを透過させ、他方の偏波面保存ファイバ44によって導かれてきた横偏光光である−1次光L10を反射して90°偏向させる。これによって、+1次光Lと−1次光L10の偏光ビームスプリッタ47からの出射方向が一致させられるので、+1次光L−1次光L10とが合波され、無偏光光L11としてレンズ18によって光ファイバ15の端面に集光されることになる。
この場合において、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置40によれば、偏波面保存ファイバ43,44を通して偏光ビームスプリッタ47まで伝送しているので、偏光方向が保持されたまま偏光ビームスプリッタ47に入射される。これにより、入射された2つの偏光光L,l10は偏光ビームスプリッタ47において無駄なく透過または反射させられ、効率よく合波されることになる。その結果、光源2から発せられた光を無駄なく利用して光量を増大させ、生体Aから得られる情報量を増大させてS/N比を向上することができるとともに、縦偏光光と横偏光光とが合波された状態の無偏光光L11によって、生体Aへの照射および信号光検出器5による検出が行われるので、ゆらぎノイズを低減して、測定精度を向上することができる。
なお、図3においては、信号光検出器5および参照光検出器27からの出力信号をそれぞれ別個のアンプ22で増幅し、別個のロックイン検波器23およびA/D変換器24を介してコンピュータ25に入力し、該コンピュータ25において差分処理を行うこととしたが、これに代えて、信号光検出器5および参照光検出器27からの出力信号を差動アンプに入力することにより、得られた差分信号を単一のロックイン検波器およびA/D変換器を介してコンピュータ25に入力することにしてもよい。
本発明の一実施形態に係るグルコース濃度測定装置の全体構成を示す概略図である。 図1のグルコース濃度測定装置の測定プローブ先端面を示す図である。 図1のグルコース濃度測定装置において、参照光を検出する場合の変形例を示す図である。 図3の光分岐部としてビームスプリッタを用いる場合の補正用光学素子を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るグルコース濃度測定装置の全体構成を示す概略図である。 本発明の第3の実施形態に係るグルコース濃度測定装置の全体構成を示す概略図である。
符号の説明
A 生体
1,30,40 グルコース濃度測定装置
2 ASE光源(無偏光光源、光源)
5 信号光検出器(光検出器)
7 AOTF(分光器)
8 フィルタ制御手段(分光器)
11 第1の偏光素子(光学手段)
12 第1の旋光子(光学手段)
13 第2の旋光子(光学手段)
14 第2の偏光素子(光学手段)
31 集光レンズ(光学手段)
32 遮光手段
43,44 偏波面保存ファイバ
47 偏光ビームスプリッタ

Claims (5)

  1. 生体に照射する光を発生する光源と、該光源から発せられた光を分光する分光器と、該分光器において分光された後、生体内において拡散または透過した光を検出する光検出器とを備え、各波長における吸光度に基づいて生体内のグルコース濃度を測定するグルコース濃度測定装置であって、
    前記分光器において分光された光を無偏光化して生体に入射させる光学手段を備え、
    該光学手段が、前記分光器の入口側に配置され、光源から発せられた光を別々の偏光方向を有する2つの偏光光に分離する第1の偏光素子、および、該第1の偏光素子において分離された偏光光の一方を入射させ、他方の偏光光に偏光方向を一致させる第1の旋光子と、前記分光器の出口側に配置され、該分光器から出射される2つの偏光光の一方を入射させ、他方の偏光光と偏光方向を異ならせる第2の旋光子、および、異なる偏光方向を有する2つの偏光光を合波して無偏光化する第2の偏光素子とを備えるグルコース濃度測定装置。
  2. 生体に照射する光を発生する光源と、該光源から発せられた光を回折手段を用いて分光する分光器と、該分光器において分光された後、生体内において拡散または透過した光を検出する光検出器とを備え、各波長における吸光度に基づいて生体内のグルコース濃度を測定するグルコース濃度測定装置であって、
    前記分光器において分光された+1次光と−1次光とを合波して生体に入射させる光学手段を備えるグルコース濃度測定装置。
  3. 前記光学手段が、前記分光器の出口側に配置され、+1次光と−1次光とを入射させて集光させる集光レンズと、該集光レンズと分光器との間に配置され、分光器から発せられた0次光を遮断する遮光手段とを備える請求項2に記載のグルコース濃度測定装置。
  4. 前記光学手段が、前記分光器の出口側に配置され、+1次光と−1次光とを入射させて、一方を透過させ、他方を反射させることで合波する偏光ビームスプリッタを備える請求項3に記載のグルコース濃度測定装置。
  5. 前記分光器と前記偏光ビームスプリッタとの間に配置され、+1次光と−1次光とを別々に伝送する偏波面保存ファイバを備える請求項4に記載のグルコース濃度測定装置。
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