JP2005037213A - 検出装置及びこれを用いたイメージ化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大口径のテレセントリックレンズなどの特殊な結像光学系を用いることなく、一度に検出可能なテラヘルツ光等の電磁波の領域を拡大する。
【解決手段】電気光学結晶11は、テラヘルツパルス光を2次元領域で一括受光する。プローブパルス光発生部から発生しテラヘルツパルス光と同期したプローブパルス光が、偏光板13を透過して直線偏光光となった後に、ビームスプリッタ12で反射されて、テラヘルツパルス光と同じ側から電気光学結晶11の前記2次元領域に照射される。偏光板14は、電気光学結晶11を通過してテラヘルツパルス光により偏光状態が変化したプローブパルス光の所定偏光成分を抽出する。拡散板16は、偏光板14を透過したプローブパルス光を広く拡散する。CCDカメラ15は、偏光板14を透過し拡散板16により拡散されたプローブパルス光の強度分布像を撮像する。
【選択図】 図1
【解決手段】電気光学結晶11は、テラヘルツパルス光を2次元領域で一括受光する。プローブパルス光発生部から発生しテラヘルツパルス光と同期したプローブパルス光が、偏光板13を透過して直線偏光光となった後に、ビームスプリッタ12で反射されて、テラヘルツパルス光と同じ側から電気光学結晶11の前記2次元領域に照射される。偏光板14は、電気光学結晶11を通過してテラヘルツパルス光により偏光状態が変化したプローブパルス光の所定偏光成分を抽出する。拡散板16は、偏光板14を透過したプローブパルス光を広く拡散する。CCDカメラ15は、偏光板14を透過し拡散板16により拡散されたプローブパルス光の強度分布像を撮像する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テラヘルツ光又はその他の電磁波の電場強度又は磁場強度の1次元分布又は2次元分布を一度に検出し得る検出装置、及びこれを用いたイメージ化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
テラヘルツ光は、周波数がおおよそ0.01THzから100THzまでの範囲の電磁波である。従来から、テラヘルツ光等の電磁波の電場強度又は磁場強度の2次元分布を一度に検出し得る検出装置として、下記の特許文献1に開示されたテラヘルツ光検出装置が知られている。このテラヘルツ光検出装置は、例えば、対象物をリアルタイムでイメージ化するためなどに用いられている。
【0003】
このような従来のテラヘルツ光検出装置の要部を、図4に模式的に示す。この従来のテラヘルツ光検出装置では、電気光学結晶1が、ビームスプリッタ2を介して、テラヘルツパルス光を2次元領域で一括受光する。これにより、電気光学結晶1に入射したテラヘルツパルス光の電場強度分布に応じて、電気光学結晶1の2次元領域に複屈折分布が誘起される。つまり、テラヘルツパルス光の電場強度分布が電気光学結晶1上の複屈折分布に変換される。一方、図示しないプローブパルス光発生部から発生し前記テラヘルツパルス光と同期した可視光又は近赤外光等の平行光束のプローブパルス光が、偏光板3を透過して直線偏光光となった後に、ビームスプリッタ2で反射されて、テラヘルツパルス光と同じ側から電気光学結晶1の前記2次元領域に照射される。このプローブパルス光は、電気光学結晶1を通過する際、テラヘルツパルス光により誘起された電気光学結晶1の複屈折分布に応じて、偏光状態が変化する。この段階で、テラヘルツパルス光の電場強度分布に関する情報は、プローブパルス光の偏光状態分布が担っている。
【0004】
電気光学結晶1を通過したプローブパルス光は、更に偏光板4を透過する。偏光板4は、プローブパルス光の偏光状態分布を強度分布に変換する。すなわち、偏光板4は、電気光学結晶1を通過してテラヘルツパルス光により偏光状態が変化したプローブパルス光の所定偏光成分を抽出する。通常、この偏光板4の透過軸は偏光板3のそれと直交しており、電気光学結晶1において偏光状態変化がない場合には、プローブパルス光は透過しない。したがって、この場合には、偏光状態が変化したプローブパルス光の成分のみが、偏光板4を透過する。このようにして、電気光学結晶1上のテラヘルツパルス光の電場強度の2次元分布像がプローブパルス光の強度分布像に写し替えられる。そして、偏光板4を透過したプローブパルス光の強度分布像が、2次元CCDカメラ5で一括して検出される。これにより、テラヘルツパルス光の電場強度の2次元分布を一括して検出することができる。
【0005】
【特許文献1】
特許第3388319号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、前述した図4に示す従来のテラヘルツ光検出装置における電気光学結晶1から2次元CCDカメラ5までの光学系と、この光学系におけるプローブパルス光の様子を、図5に模式的に示す。図5に示すように、2次元CCDカメラ5は、光電変換部としての2次元CCDセンサ5aと、入射光による像を2次元CCDセンサ5aの受光面上に結像させる結像光学系をなすカメラレンズと、を有している。図5では、このカメラレンズを、1つの結像レンズ5b及び1つの絞り5cで代表して示している。図5において、Oは、結像レンズ5bの光軸である。図5に示す例では、前記カメラレンズとして、一般の銀塩カメラやCCDカメラ用に販売されている一般的なカメラレンズが採用されている。このような一般のカメラレンズでは、被写体で広い角度で散乱した光をフィルム上やCCD受光面上に結像させることを目的に設計されており、散乱角が小さい場合への適用は考慮されていない。
【0007】
前述したように、プローブパルス光は、平行光束として電気光学結晶1を照射して電気光学結晶1を通過する。その際、プローブパルス光は、テラヘルツパルス光の電場強度分布(すなわち、電気光学結晶1の複屈折分布)に応じて偏光状態の変化を受けるのみならず、電気光学結晶1により散乱される。しかしながら、その散乱角は一般に非常に小さいため、プローブパルス光は、電気光学結晶1を透過した後も、ほぼ平行光として伝搬する。図5には、電気光学結晶1における光軸O上の点A及び光軸Oから離れた点Bをそれぞれ透過したプローブパルス光が、電気光学結晶1により散乱される様子が示されている。また、図5には、点A,Bを透過して散乱されたプローブパルス光の2次元CCDセンサ5aの受光面上への結像の様子も示されている。
【0008】
図5に示す例では、前記カメラレンズとして一般的なカメラレンズ(被写体で光が広い角度で散乱することを前提としたカメラレンズ)が用いられているので、図5に示すように、点Aを透過しわずかな散乱角で散乱されたプローブパルス光は、ほぼ全て2次元CCDセンサ5aの受光面上に到達するが、点Bを透過してわずかな散乱角で散乱されたプローブパルス光は、絞り5cで遮られてしまい、2次元CCDセンサ5aの受光面上には全く到達しない。したがって、2次元CCDカメラ5の視野が制限されてしまい、これにより、一度に検出し得るテラヘルツパルス光の領域の大きさが制限されてしまう。
【0009】
このような不都合を解消するためには、前記カメラレンズとして、大口径のテレセントリックレンズなどの特殊なレンズを使用すればよい。しかし、この場合には、当該特殊なレンズが著しく高価でかつ大型であるため、装置のコストアップ及び大型化を免れない。
【0010】
以上説明した事情は、テラヘルツ光に代えて他の電磁波を用いた場合も同様である。
【0011】
本発明は、前述したような事情に鑑みてなされたもので、大口径のテレセントリックレンズなどの特殊な結像光学系を用いることなく、一度に検出可能なテラヘルツ光等の電磁波の1次元領域又は2次元領域を拡大することができる検出装置、及びこれを用いたイメージ化装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様による検出装置は、電磁波を1次元領域又は2次元領域で一括して受ける電気光学結晶又は磁気光学結晶と、前記電磁波と同期したプローブ光を、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶の前記1次元領域又は前記2次元領域に一括照射するプローブ光照射部と、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶を通過して前記電磁波により偏光状態が変化した前記プローブ光の所定偏光成分を抽出する検光部と、前記検光部による所定偏光成分の抽出後の前記プローブ光を、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶の前記1次元領域又は前記2次元領域の各部位に実質的に対応するもの毎に、それぞれ光電変換する光電変換部と、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶と前記光電変換部との間に配置され前記プローブ光を拡散する光拡散部と、を備えたものである。
【0013】
本発明の第2の態様による検出装置は、前記第1の態様において、前記電磁波がテラヘルツ光であるものである。
【0014】
本発明の第3の態様による検出装置は、前記第1又は第2の態様において、前記光拡散部が前記検光部と前記光電変換部との間に配置されたものである。
【0015】
本発明の第4の態様による検出装置は、前記第3の態様において、前記光拡散部が前記検光部に対して実質的に密接するように配置されたものである。
【0016】
本発明の第5の態様によるイメージ化装置は、電磁波を対象物の1次元領域又は2次元領域に照射する電磁波照射部と、前記対象物の前記1次元領域又は前記2次元領域を透過又は反射した電磁波を、前記対象物の前記1次元領域又は前記2次元領域に対応する1次元領域又は2次元領域で一括して受ける電気光学結晶又は磁気光学結晶と、前記電磁波と同期したプローブ光を、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶の前記1次元領域又は前記2次元領域に一括照射するプローブ光照射部と、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶を通過して前記電磁波により偏光状態が変化した前記プローブ光の所定偏光成分を抽出する検光部と、前記検光部による所定偏光成分の抽出後の前記プローブ光を、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶の前記1次元領域又は前記2次元領域の各部位に実質的に対応するもの毎に、それぞれ光電変換する光電変換部と、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶と前記光電変換部との間に配置され前記プローブ光を拡散する光拡散部と、を備えたものである。
【0017】
本発明の第6の態様によるイメージ化装置は、前記第5の態様において、前記電磁波がテラヘルツ光であるものである。
【0018】
本発明の第7の態様によるイメージ化装置は、前記第5又は第6の態様において、前記光拡散部が前記検光部と前記光電変換部との間に配置されたものである。
【0019】
本発明の第8の態様によるイメージ化装置は、前記第7の態様において、前記光拡散部が前記検光部に対して実質的に密接するように配置されたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による光検出装置及びイメージ化装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明では電磁波としてテラヘルツ光を用いた例を挙げるが、本発明では、テラヘルツ光に代えて他の電磁波を用いることもできる。
【0021】
[第1の実施の形態]
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるテラヘルツ光検出装置の要部を模式的に示す概略構成図である。
【0023】
本実施の形態によるテラヘルツ光検出装置は、テラヘルツパルス光を2次元領域で一括受光するZnTe等の電気光学結晶11と、前記テラヘルツパルス光と同期したプローブパルス光を電気光学結晶11の前記2次元領域に一括照射するプローブパルス光照射部と、電気光学結晶11を通過して前記テラヘルツパルス光により偏光状態が変化したプローブパルス光の所定偏光成分を抽出する検光部としての、偏光板14と、2次元CCDカメラ15と、電気光学結晶11と2次元CCDカメラ15との間に配置されプローブパルス光を拡散する光拡散部としての、拡散板16と、を備えている。
【0024】
本実施の形態では、前記プローブパルス光照射部は、図4に示す従来のテラヘルツ光検出装置と同様に、プローブパルス光発生部(図示せず)、ビームスプリッタ12及び偏光板13を有している。前記プローブパルス光発生部から発生し前記テラヘルツパルス光と同期した可視光又は近赤外光等の平行光束のプローブパルス光が、偏光板13を透過して直線偏光光となった後に、ビームスプリッタ2で反射されて、テラヘルツパルス光と同じ側から電気光学結晶11の前記2次元領域に照射されるようになっている。もっとも、電気光学結晶11を照射するプローブパルス光は、必ずしも平行光束である必要はない。また、電気光学結晶11を照射するプローブパルス光は、必ずしも直線偏光光である必要はなく、例えば、楕円偏光光等でもよい。また、例えば、前記プローブパルス光発生部として直線偏光光を出射するレーザ光源を用いれば、偏光板13を設けなくてもよい。なお、本実施の形態では、テラヘルツパルス光は、ビームスプリッタ12を透過して、電気光学結晶11の前記2次元領域に照射されるようになっている。
【0025】
本実施の形態では、拡散板16は、偏光板14と2次元CCDカメラ15との間に配置されているが、電気光学結晶11と偏光板14との間に配置してもよい。ただし、拡散板16を電気光学結晶11と偏光板14との間に配置すると、プローブパルス光の偏光状態が、偏光板14により検光される前に拡散板16によって変化するおそれがあるので、本実施の形態のように、拡散板16は偏光板14の後側に配置することが好ましい。
【0026】
また、本実施の形態では、電気光学結晶11上に構成されたテラヘルツパルス光の電界強度分布に応じた像が、拡散板16上でのプローブパルス光の強度分布による像に精度良く変換されるように、電気光学結晶11と拡散板16との間の距離を小さくすることが好ましい。これは、プローブパルス光が電気光学結晶11を透過して小さい散乱角で散乱されるため透過後にもほぼ平行光の状態を維持するとは言え、プローブパルス光が電気光学結晶11によって散乱されるためである。
【0027】
電気光学結晶11と拡散板16との間の距離は、小さいほど好ましい。前記距離を極力小さくするためには、拡散板16を偏光板14に密接させることが好ましい。前記距離は、10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることがより一層好ましい。電気光学結晶11と拡散板16との間に偏光板14が配置されているので、電気光学結晶11と拡散板16とを密接させることは難しい。しかしながら、前記距離が10mm以下であれば、実用上問題がないことも多い。偏光板14としてフィルム状の偏光板を使用すれば、前記距離を数mm以下の距離にすることは比較的容易であるし、拡散板16に直接にフィルム状の偏光板を貼り合わせれば1mm以下にすることも可能である。また、例えば、偏光板14の後側面に磨ガラスの表面のような拡散面を形成することで、偏光板14の後側面を拡散板16に代わる光拡散部にすることによっても、前記距離を小さくすることができる。
【0028】
2次元CCDカメラ15は、後述する図2に示すように、図5に示すCCDカメラ5と同様に、2次元CCDセンサ15aと、入射光による像を2次元CCDセンサ15aの受光面上に結像させる結像光学系をなすカメラレンズと、を有している。図2では、このカメラレンズを、1つの結像レンズ15b及び1つの絞り15cで代表して示している。図5において、O’は、結像レンズ15bの光軸である。本実施の形態では、前記カメラレンズとして、一般の銀塩カメラやCCDカメラ用に販売されている一般的なカメラレンズ(被写体で光が広い角度で散乱することを前提としたカメラレンズ)が用いられている。
【0029】
本実施の形態では、2次元CCDセンサ15aが、偏光板14による所定偏光成分の抽出後のプローブパルス光を、電気光学結晶11の前記2次元領域の各部位に実質的に対応するもの毎に、それぞれ光電変換する光電変換部を、構成している。なお、本発明では、このような光電変換部が2次元CCDセンサに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0030】
次に、本実施の形態によるテラヘルツ光検出装置の動作について、説明する。前述したように、電気光学結晶11が、ビームスプリッタ12を介して、テラヘルツパルス光を2次元領域で一括受光する。これにより、電気光学結晶11に入射したテラヘルツパルス光の電場強度分布に応じて、電気光学結晶11の2次元領域に複屈折分布が誘起される。つまり、テラヘルツパルス光の電場強度分布が電気光学結晶11上の複屈折分布に変換される。一方、図示しないプローブパルス光発生部から発生し前記テラヘルツパルス光と同期した可視光又は近赤外光等の平行光束のプローブパルス光が、偏光板13を透過して直線偏光光となった後に、ビームスプリッタ12で反射されて、テラヘルツパルス光と同じ側から電気光学結晶11の前記2次元領域に照射される。このプローブパルス光は、電気光学結晶11を通過する際、テラヘルツパルス光により誘起された電気光学結晶11の複屈折分布に応じて、偏光状態が変化する。この段階で、テラヘルツパルス光の電場強度分布に関する情報は、プローブパルス光の偏光状態分布が担っている。
【0031】
電気光学結晶11を通過したプローブパルス光は、更に偏光板14を透過する。偏光板14は、プローブパルス光の偏光状態分布を強度分布に変換する。すなわち、偏光板14は、電気光学結晶11を通過してテラヘルツパルス光により偏光状態が変化したプローブパルス光の所定偏光成分を抽出する。この偏光板14の透過軸は例えば偏光板13のそれと直交しており、電気光学結晶11において偏光状態変化がない場合には、プローブパルス光は透過しない。したがって、この場合には、偏光状態が変化したプローブパルス光の成分のみが、偏光板14を透過する。このようにして、電気光学結晶11上のテラヘルツパルス光の電場強度の2次元分布像がプローブパルス光の強度分布像に写し替えられる。そして、偏光板14を透過したプローブパルス光の強度分布像が、2次元CCDカメラ15で一括して検出される。
【0032】
これらの動作については、本実施の形態も前述した図4に示す従来のテラヘルツ光検出装置と同様である。
【0033】
本実施の形態では、従来のテラヘルツ光検出装置と異なり、偏光板14を透過したプローブパルス光が、拡散板16によって拡散される。プローブパルス光は、電気光学結晶11によりわずかな散乱角で散乱されるが、その散乱角が小さいとともに前述したように電気光学結晶11と拡散板16との間の距離が小さいので、電気光学結晶11上に構成されたテラヘルツパルス光の電界強度分布に応じた像が、拡散板16上でのプローブパルス光の強度分布による像に精度良く変換される。そして、このプローブパルス光が拡散板16によって広く拡散される。図2には、拡散板16における光軸O’から離れた点B’(図5中の点Bに対応)を通過した光が、拡散板16により拡散される様子が示されている。また、図2には、点B’を通過して散乱されたプローブパルス光の2次元CCDセンサ15aの受光面上への結像の様子も示されている。
【0034】
図2からわかるように、点B’で散乱されたプローブパルス光のうちハッチングを付した光以外の光は、絞り15cによって遮られて2次元CCDセンサ15aの受光面上に到達しないが、点B’で散乱されたプローブパルス光のうちハッチングを付した光は、絞り15cにより遮られることなく2次元CCDセンサ15aの受光面上に到達する。図2には示していないが、拡散板16における光軸O’付近で拡散されたプローブパルス光についても同様であることは、言うまでもない。
【0035】
このように、本実施の形態によれば、拡散板16によりプローブパルス光を拡散させることで、大口径のテレセントリックレンズなどの特殊なレンズを使用することなく一般的なカメラレンズ(被写体で光が広い角度で散乱することを前提としたカメラレンズ)を用いながらも、電気光学結晶11における光軸O’から離れた点におけるテラヘルツパルス光の電場強度を示す点B’を通過したプローブパルス光を、2次元CCDセンサ15aの受光面上に結像させることができる。そして、拡散板16上のプローブパルス光の強度分布像が2次元CCDカメラ15で一括して検出され、これにより、テラヘルツパルス光の電場強度の2次元分布が一括して検出される。したがって、本実施の形態によれば、一般的なカメラレンズを用いながらも、図4及び図5に示す従来のテラヘルツ光検出装置に比べて、一度に検出可能なテラヘルツ光の2次元領域を拡大することができる。なお、前述の説明からわかるように、拡散板16はプローブパルス光の強度分布像を形成していることになるので、この点から、拡散板16は、像を生成する部材であると言える。
【0036】
なお、図2からわかるように、プローブパルス光は、拡散板16で広く散乱されるため、その一部が2次元CCDセンサ15aの受光面上に到達しないが、プローブパルス光の強度を上げれば何ら問題が生じない。なお、拡散板16の拡散力が強すぎるなどの場合は、拡散板16の直後付近又は拡散板16内等にフィールドレンズ等を配置することで、プローブパルス光の利用効率を高めることができる。また、2次元CCDセンサ15aの受光面に到達する光量の均一性の改善などを目的として、拡散板16の直後付近又は拡散板16内等にフィールドレンズ等を配置してもよい。
【0037】
ところで、図2からわかるように、本実施の形態では、結像レンズ15bは、プローブパルス光による拡散板16の像がCCDセンサ15aの受光面上に結像するように、ピント調整される。図4及び図5に示すような従来のテラヘルツ光検出装置では、結像レンズ5bは、プローブパルス光による電気光学結晶11の像がCCDセンサ5aの受光面上に結像するように、ピントを合わせる必要がある。しかしながら、電気光学結晶は均一であるから、ピントが合っていることを確認することが難しい。これに対し、本実施の形態では、例えば、拡散板16上の一点を可視レーザ光などで照射し、それをCCDカメラ15で観察したときに、点に見えるようにピント調整をすれば良い。したがって、本実施の形態によれば、CCDカメラ15のピント調整が容易になるという利点も得られる。
【0038】
なお、拡散板16は静止したままでもよいが、例えば拡散板16を回転させるとで、像の解像度の改善等を図ることができる。
【0039】
[第2の実施の形態]
【0040】
図3は、本発明の第2の実施の形態によるイメージ化装置を模式的に示す概略構成図である。
【0041】
本実施の形態によるイメージ化装置は、対象物としての試料100をイメージ化するものであり、前記第1の実施の形態によるテラヘルツ光検出装置を用いて構成されている。図3において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0042】
本実施の形態によるイメージ化装置では、レーザ装置等からなるフェムト秒パルス光源21から放射された可視光又は近赤外光等のフェムト秒パルス光L1が、平面反射鏡22を経た後に、ビームスプリッタ23で2つのパルス光L2,L3に分割される。フェムト秒パルス光源21から放射されるフェムト秒パルス光L1の繰り返し周期は、例えば、1kHz程度とされる。本発明では、フェムト秒パルス光L21は単一パルスのみでもよいが、試料100が動くものであったり試料100を動かして観察したりする場合などに、いわば動画を得るように、経時的に連続して試料100を観察するためには、フェムト秒パルス光L1は繰り返しパルスであることが好ましい。
【0043】
ビームスプリッタ23で分割された一方のパルス光L2は、テラヘルツ光発生器としての大口径光伝導アンテナ30を励起してテラヘルツパルス光を発生させるためのポンプパルス光(励起パルス光)となる。大口径光伝導アンテナ30に代えて、ダイポールアンテナ等を用いた光導電アンテナや電気光学結晶などの他のテラヘルツ光発生器を用いてもよいことは、言うまでもない。ポンプパルス光L2は、平面反射鏡24,25、2枚もしくは3枚の平面反射鏡が組み合わされてなる可動鏡26を経た後、ビームエキスパンダ28でその断面が拡張され、更に、平面反射鏡29を経て、大口径光伝導アンテナ30へ導かれる。大口径光伝導アンテナ30の電極間には、バイアス電源31からバイアス電圧が印加されている。その結果、大口径光伝導アンテナ30からテラヘルツパルス光L4が放射され、このテラヘルツパルス光L4が対象物としての試料100の2次元領域を一括照射する。なお、可動鏡26は、移動機構27により矢印D方向に移動可能となっており、これにより、テラヘルツパルス光とプローブパルス光とを適切に同期させるために調整できるようになっている。
【0044】
このように、本実施の形態では、前記要素21〜31が、テラヘルツパルス光L4を試料100の2次元領域に一括照射するテラヘルツパルス光照射部を構成している。
【0045】
試料100の2次元領域を透過したテラヘルツパルス光L5は、結像光学系を構成するレンズ32,33を経てビームスプリッタ12を透過した後に、電気光学結晶11に入射する。本実施の形態では、レンズ32,33の焦点距離は共にfであり、前段のレンズ32は試料100から焦点距離fだけ離れた位置に配置され、後段のレンズ33は電気光学結晶11から焦点距離fだけ離れた位置に配置されている。したがって、レンズ32,33によって、試料100を透過したテラヘルツパルス光L5による試料100の2次元領域の像が、電気光学結晶11の対応する2次元領域に結像される。このように、本実施の形態では、電気光学結晶11は、試料100の2次元領域を透過したテラヘルツパルス光L5を、試料100の前記2次元領域に対応する2次元領域で一括受光する。もっとも、本発明では、電気光学結晶11が、試料100の2次元領域で反射されたテラヘルツパルス光を、試料100の前記2次元領域に対応する2次元領域で一括受光するように、構成してもよい。
【0046】
ビームスプリッタ23で分割された他方のパルス光L3は、テラヘルツパルス光L5を検出するためのプローブパルス光となる。このプローブパルス光L3は、平面反射鏡33〜35を経て、ビームエキスパンダ36でその断面が拡張された後に、偏光板13に入射する。そして、偏光板13に入射したプローブパルス光は、前記第1の実施の形態に関して説明した動作により、ビームスプリッタ12で反射され、電気光学結晶11、偏光板14及び拡散板16を経た後に、2次元CCDカメラ15で一括して検出される。すなわち、前記第1の実施の形態の説明からわかるように、試料100を透過したテラヘルツパルス光L5の電場強度分布(すなわち、試料100のテラヘルツ光透過像)が、プローブパルス光の強度分布像として2次元CCDカメラ15で一括して検出される。
【0047】
本実施の形態では、2次元CCDカメラ15からの画像信号がコンピュータ37で処理され、この画像信号に基づいて、試料100のテラヘルツ光透過像を示す画像が液晶パネル等の表示部38に表示される。このようにして、試料100のリアルタイムイメージングが行われる。
【0048】
なお、リアルタイムイメージングではないが、いわゆるポンプ−プローブ法により、可動鏡26を移動させることでテラヘルツパルス光とプローブパルス光との間の遅延時間を変えつつ、2次元CCDカメラ15から画像データを取得し、これにより、試料100の前記2次元領域の各部位に対応するもの毎に、テラヘルツパルス光の電場強度の時系列波形を取得し、これらの時系列波形に基づきコンピュータ37で各部位の特性(例えば、複屈折率)を演算し、当該特性により試料100をイメージ化してもよい。
【0049】
なお、本実施の形態では、前記要素21〜23,33〜36,13,12が、テラヘルツパルス光L5と同期したプローブパルス光を電気光学結晶11の前記2次元領域に一括照射するプローブパルス光照射部を構成している。
【0050】
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態によるテラヘルツ光検出装置(図3中の要素11〜16等)が用いられているので、CCDカメラ15のカメラレンズとして一般的なカメラレンズを用いながらも、一度にイメージ化し得る試料100の2次元領域を拡大することができる。
【0051】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0052】
例えば、前述した各実施の形態では、テラヘルツパルス光の電場強度の2次元分布を検出していたが、本発明では、テラヘルツパルス光の1次元分布を検出してもよい。この場合、前述した各実施の形態において、例えば、CCDカメラ15として、1次元CCDカメラを用いればよい。
【0053】
また、前述した各実施の形態では、電気光学結晶11を用いることでテラヘルツパルス光の電場強度を検出するように構成されているが、電気光学結晶11に代えて磁気光学結晶を用いることでテラヘルツパルス光の磁場強度を検出するように構成してもよい。
【0054】
さらに、本発明によるテラヘルツ光検出装置は、第2の実施の形態のように試料100をイメージ化するイメージ化装置において用いることができるのみならず、他の種々の用途において、テラヘルツ光の電場強度又は磁場強度の1次元分布又は2次元分布を検出するために用いることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、大口径のテレセントリックレンズなどの特殊な結像光学系を用いることなく、一度に検出可能なテラヘルツ光等の電磁波の1次元領域又は2次元領域を拡大することができる検出装置、及びこれを用いたイメージ化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるテラヘルツ光検出装置の要部を模式的に示す概略構成図である。
【図2】図1中の一部の光学系及び当該光学系におけるプローブパルス光の様子を模式的に示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態によるイメージ化装置を模式的に示す概略構成図である。
【図4】従来のテラヘルツ光検出装置の要部を模式的に示す概略構成図である。
【図5】図4中の一部の光学系及び当該光学系におけるプローブパルス光の様子を模式的に示す図である。
【符号の説明】
11 電気光学結晶
12 ビームスプリッタ
13,14 偏光板
15 2次元CCDカメラ
16 拡散板
100 試料(対象物)
【発明の属する技術分野】
本発明は、テラヘルツ光又はその他の電磁波の電場強度又は磁場強度の1次元分布又は2次元分布を一度に検出し得る検出装置、及びこれを用いたイメージ化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
テラヘルツ光は、周波数がおおよそ0.01THzから100THzまでの範囲の電磁波である。従来から、テラヘルツ光等の電磁波の電場強度又は磁場強度の2次元分布を一度に検出し得る検出装置として、下記の特許文献1に開示されたテラヘルツ光検出装置が知られている。このテラヘルツ光検出装置は、例えば、対象物をリアルタイムでイメージ化するためなどに用いられている。
【0003】
このような従来のテラヘルツ光検出装置の要部を、図4に模式的に示す。この従来のテラヘルツ光検出装置では、電気光学結晶1が、ビームスプリッタ2を介して、テラヘルツパルス光を2次元領域で一括受光する。これにより、電気光学結晶1に入射したテラヘルツパルス光の電場強度分布に応じて、電気光学結晶1の2次元領域に複屈折分布が誘起される。つまり、テラヘルツパルス光の電場強度分布が電気光学結晶1上の複屈折分布に変換される。一方、図示しないプローブパルス光発生部から発生し前記テラヘルツパルス光と同期した可視光又は近赤外光等の平行光束のプローブパルス光が、偏光板3を透過して直線偏光光となった後に、ビームスプリッタ2で反射されて、テラヘルツパルス光と同じ側から電気光学結晶1の前記2次元領域に照射される。このプローブパルス光は、電気光学結晶1を通過する際、テラヘルツパルス光により誘起された電気光学結晶1の複屈折分布に応じて、偏光状態が変化する。この段階で、テラヘルツパルス光の電場強度分布に関する情報は、プローブパルス光の偏光状態分布が担っている。
【0004】
電気光学結晶1を通過したプローブパルス光は、更に偏光板4を透過する。偏光板4は、プローブパルス光の偏光状態分布を強度分布に変換する。すなわち、偏光板4は、電気光学結晶1を通過してテラヘルツパルス光により偏光状態が変化したプローブパルス光の所定偏光成分を抽出する。通常、この偏光板4の透過軸は偏光板3のそれと直交しており、電気光学結晶1において偏光状態変化がない場合には、プローブパルス光は透過しない。したがって、この場合には、偏光状態が変化したプローブパルス光の成分のみが、偏光板4を透過する。このようにして、電気光学結晶1上のテラヘルツパルス光の電場強度の2次元分布像がプローブパルス光の強度分布像に写し替えられる。そして、偏光板4を透過したプローブパルス光の強度分布像が、2次元CCDカメラ5で一括して検出される。これにより、テラヘルツパルス光の電場強度の2次元分布を一括して検出することができる。
【0005】
【特許文献1】
特許第3388319号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、前述した図4に示す従来のテラヘルツ光検出装置における電気光学結晶1から2次元CCDカメラ5までの光学系と、この光学系におけるプローブパルス光の様子を、図5に模式的に示す。図5に示すように、2次元CCDカメラ5は、光電変換部としての2次元CCDセンサ5aと、入射光による像を2次元CCDセンサ5aの受光面上に結像させる結像光学系をなすカメラレンズと、を有している。図5では、このカメラレンズを、1つの結像レンズ5b及び1つの絞り5cで代表して示している。図5において、Oは、結像レンズ5bの光軸である。図5に示す例では、前記カメラレンズとして、一般の銀塩カメラやCCDカメラ用に販売されている一般的なカメラレンズが採用されている。このような一般のカメラレンズでは、被写体で広い角度で散乱した光をフィルム上やCCD受光面上に結像させることを目的に設計されており、散乱角が小さい場合への適用は考慮されていない。
【0007】
前述したように、プローブパルス光は、平行光束として電気光学結晶1を照射して電気光学結晶1を通過する。その際、プローブパルス光は、テラヘルツパルス光の電場強度分布(すなわち、電気光学結晶1の複屈折分布)に応じて偏光状態の変化を受けるのみならず、電気光学結晶1により散乱される。しかしながら、その散乱角は一般に非常に小さいため、プローブパルス光は、電気光学結晶1を透過した後も、ほぼ平行光として伝搬する。図5には、電気光学結晶1における光軸O上の点A及び光軸Oから離れた点Bをそれぞれ透過したプローブパルス光が、電気光学結晶1により散乱される様子が示されている。また、図5には、点A,Bを透過して散乱されたプローブパルス光の2次元CCDセンサ5aの受光面上への結像の様子も示されている。
【0008】
図5に示す例では、前記カメラレンズとして一般的なカメラレンズ(被写体で光が広い角度で散乱することを前提としたカメラレンズ)が用いられているので、図5に示すように、点Aを透過しわずかな散乱角で散乱されたプローブパルス光は、ほぼ全て2次元CCDセンサ5aの受光面上に到達するが、点Bを透過してわずかな散乱角で散乱されたプローブパルス光は、絞り5cで遮られてしまい、2次元CCDセンサ5aの受光面上には全く到達しない。したがって、2次元CCDカメラ5の視野が制限されてしまい、これにより、一度に検出し得るテラヘルツパルス光の領域の大きさが制限されてしまう。
【0009】
このような不都合を解消するためには、前記カメラレンズとして、大口径のテレセントリックレンズなどの特殊なレンズを使用すればよい。しかし、この場合には、当該特殊なレンズが著しく高価でかつ大型であるため、装置のコストアップ及び大型化を免れない。
【0010】
以上説明した事情は、テラヘルツ光に代えて他の電磁波を用いた場合も同様である。
【0011】
本発明は、前述したような事情に鑑みてなされたもので、大口径のテレセントリックレンズなどの特殊な結像光学系を用いることなく、一度に検出可能なテラヘルツ光等の電磁波の1次元領域又は2次元領域を拡大することができる検出装置、及びこれを用いたイメージ化装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様による検出装置は、電磁波を1次元領域又は2次元領域で一括して受ける電気光学結晶又は磁気光学結晶と、前記電磁波と同期したプローブ光を、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶の前記1次元領域又は前記2次元領域に一括照射するプローブ光照射部と、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶を通過して前記電磁波により偏光状態が変化した前記プローブ光の所定偏光成分を抽出する検光部と、前記検光部による所定偏光成分の抽出後の前記プローブ光を、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶の前記1次元領域又は前記2次元領域の各部位に実質的に対応するもの毎に、それぞれ光電変換する光電変換部と、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶と前記光電変換部との間に配置され前記プローブ光を拡散する光拡散部と、を備えたものである。
【0013】
本発明の第2の態様による検出装置は、前記第1の態様において、前記電磁波がテラヘルツ光であるものである。
【0014】
本発明の第3の態様による検出装置は、前記第1又は第2の態様において、前記光拡散部が前記検光部と前記光電変換部との間に配置されたものである。
【0015】
本発明の第4の態様による検出装置は、前記第3の態様において、前記光拡散部が前記検光部に対して実質的に密接するように配置されたものである。
【0016】
本発明の第5の態様によるイメージ化装置は、電磁波を対象物の1次元領域又は2次元領域に照射する電磁波照射部と、前記対象物の前記1次元領域又は前記2次元領域を透過又は反射した電磁波を、前記対象物の前記1次元領域又は前記2次元領域に対応する1次元領域又は2次元領域で一括して受ける電気光学結晶又は磁気光学結晶と、前記電磁波と同期したプローブ光を、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶の前記1次元領域又は前記2次元領域に一括照射するプローブ光照射部と、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶を通過して前記電磁波により偏光状態が変化した前記プローブ光の所定偏光成分を抽出する検光部と、前記検光部による所定偏光成分の抽出後の前記プローブ光を、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶の前記1次元領域又は前記2次元領域の各部位に実質的に対応するもの毎に、それぞれ光電変換する光電変換部と、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶と前記光電変換部との間に配置され前記プローブ光を拡散する光拡散部と、を備えたものである。
【0017】
本発明の第6の態様によるイメージ化装置は、前記第5の態様において、前記電磁波がテラヘルツ光であるものである。
【0018】
本発明の第7の態様によるイメージ化装置は、前記第5又は第6の態様において、前記光拡散部が前記検光部と前記光電変換部との間に配置されたものである。
【0019】
本発明の第8の態様によるイメージ化装置は、前記第7の態様において、前記光拡散部が前記検光部に対して実質的に密接するように配置されたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による光検出装置及びイメージ化装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明では電磁波としてテラヘルツ光を用いた例を挙げるが、本発明では、テラヘルツ光に代えて他の電磁波を用いることもできる。
【0021】
[第1の実施の形態]
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるテラヘルツ光検出装置の要部を模式的に示す概略構成図である。
【0023】
本実施の形態によるテラヘルツ光検出装置は、テラヘルツパルス光を2次元領域で一括受光するZnTe等の電気光学結晶11と、前記テラヘルツパルス光と同期したプローブパルス光を電気光学結晶11の前記2次元領域に一括照射するプローブパルス光照射部と、電気光学結晶11を通過して前記テラヘルツパルス光により偏光状態が変化したプローブパルス光の所定偏光成分を抽出する検光部としての、偏光板14と、2次元CCDカメラ15と、電気光学結晶11と2次元CCDカメラ15との間に配置されプローブパルス光を拡散する光拡散部としての、拡散板16と、を備えている。
【0024】
本実施の形態では、前記プローブパルス光照射部は、図4に示す従来のテラヘルツ光検出装置と同様に、プローブパルス光発生部(図示せず)、ビームスプリッタ12及び偏光板13を有している。前記プローブパルス光発生部から発生し前記テラヘルツパルス光と同期した可視光又は近赤外光等の平行光束のプローブパルス光が、偏光板13を透過して直線偏光光となった後に、ビームスプリッタ2で反射されて、テラヘルツパルス光と同じ側から電気光学結晶11の前記2次元領域に照射されるようになっている。もっとも、電気光学結晶11を照射するプローブパルス光は、必ずしも平行光束である必要はない。また、電気光学結晶11を照射するプローブパルス光は、必ずしも直線偏光光である必要はなく、例えば、楕円偏光光等でもよい。また、例えば、前記プローブパルス光発生部として直線偏光光を出射するレーザ光源を用いれば、偏光板13を設けなくてもよい。なお、本実施の形態では、テラヘルツパルス光は、ビームスプリッタ12を透過して、電気光学結晶11の前記2次元領域に照射されるようになっている。
【0025】
本実施の形態では、拡散板16は、偏光板14と2次元CCDカメラ15との間に配置されているが、電気光学結晶11と偏光板14との間に配置してもよい。ただし、拡散板16を電気光学結晶11と偏光板14との間に配置すると、プローブパルス光の偏光状態が、偏光板14により検光される前に拡散板16によって変化するおそれがあるので、本実施の形態のように、拡散板16は偏光板14の後側に配置することが好ましい。
【0026】
また、本実施の形態では、電気光学結晶11上に構成されたテラヘルツパルス光の電界強度分布に応じた像が、拡散板16上でのプローブパルス光の強度分布による像に精度良く変換されるように、電気光学結晶11と拡散板16との間の距離を小さくすることが好ましい。これは、プローブパルス光が電気光学結晶11を透過して小さい散乱角で散乱されるため透過後にもほぼ平行光の状態を維持するとは言え、プローブパルス光が電気光学結晶11によって散乱されるためである。
【0027】
電気光学結晶11と拡散板16との間の距離は、小さいほど好ましい。前記距離を極力小さくするためには、拡散板16を偏光板14に密接させることが好ましい。前記距離は、10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることがより一層好ましい。電気光学結晶11と拡散板16との間に偏光板14が配置されているので、電気光学結晶11と拡散板16とを密接させることは難しい。しかしながら、前記距離が10mm以下であれば、実用上問題がないことも多い。偏光板14としてフィルム状の偏光板を使用すれば、前記距離を数mm以下の距離にすることは比較的容易であるし、拡散板16に直接にフィルム状の偏光板を貼り合わせれば1mm以下にすることも可能である。また、例えば、偏光板14の後側面に磨ガラスの表面のような拡散面を形成することで、偏光板14の後側面を拡散板16に代わる光拡散部にすることによっても、前記距離を小さくすることができる。
【0028】
2次元CCDカメラ15は、後述する図2に示すように、図5に示すCCDカメラ5と同様に、2次元CCDセンサ15aと、入射光による像を2次元CCDセンサ15aの受光面上に結像させる結像光学系をなすカメラレンズと、を有している。図2では、このカメラレンズを、1つの結像レンズ15b及び1つの絞り15cで代表して示している。図5において、O’は、結像レンズ15bの光軸である。本実施の形態では、前記カメラレンズとして、一般の銀塩カメラやCCDカメラ用に販売されている一般的なカメラレンズ(被写体で光が広い角度で散乱することを前提としたカメラレンズ)が用いられている。
【0029】
本実施の形態では、2次元CCDセンサ15aが、偏光板14による所定偏光成分の抽出後のプローブパルス光を、電気光学結晶11の前記2次元領域の各部位に実質的に対応するもの毎に、それぞれ光電変換する光電変換部を、構成している。なお、本発明では、このような光電変換部が2次元CCDセンサに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0030】
次に、本実施の形態によるテラヘルツ光検出装置の動作について、説明する。前述したように、電気光学結晶11が、ビームスプリッタ12を介して、テラヘルツパルス光を2次元領域で一括受光する。これにより、電気光学結晶11に入射したテラヘルツパルス光の電場強度分布に応じて、電気光学結晶11の2次元領域に複屈折分布が誘起される。つまり、テラヘルツパルス光の電場強度分布が電気光学結晶11上の複屈折分布に変換される。一方、図示しないプローブパルス光発生部から発生し前記テラヘルツパルス光と同期した可視光又は近赤外光等の平行光束のプローブパルス光が、偏光板13を透過して直線偏光光となった後に、ビームスプリッタ12で反射されて、テラヘルツパルス光と同じ側から電気光学結晶11の前記2次元領域に照射される。このプローブパルス光は、電気光学結晶11を通過する際、テラヘルツパルス光により誘起された電気光学結晶11の複屈折分布に応じて、偏光状態が変化する。この段階で、テラヘルツパルス光の電場強度分布に関する情報は、プローブパルス光の偏光状態分布が担っている。
【0031】
電気光学結晶11を通過したプローブパルス光は、更に偏光板14を透過する。偏光板14は、プローブパルス光の偏光状態分布を強度分布に変換する。すなわち、偏光板14は、電気光学結晶11を通過してテラヘルツパルス光により偏光状態が変化したプローブパルス光の所定偏光成分を抽出する。この偏光板14の透過軸は例えば偏光板13のそれと直交しており、電気光学結晶11において偏光状態変化がない場合には、プローブパルス光は透過しない。したがって、この場合には、偏光状態が変化したプローブパルス光の成分のみが、偏光板14を透過する。このようにして、電気光学結晶11上のテラヘルツパルス光の電場強度の2次元分布像がプローブパルス光の強度分布像に写し替えられる。そして、偏光板14を透過したプローブパルス光の強度分布像が、2次元CCDカメラ15で一括して検出される。
【0032】
これらの動作については、本実施の形態も前述した図4に示す従来のテラヘルツ光検出装置と同様である。
【0033】
本実施の形態では、従来のテラヘルツ光検出装置と異なり、偏光板14を透過したプローブパルス光が、拡散板16によって拡散される。プローブパルス光は、電気光学結晶11によりわずかな散乱角で散乱されるが、その散乱角が小さいとともに前述したように電気光学結晶11と拡散板16との間の距離が小さいので、電気光学結晶11上に構成されたテラヘルツパルス光の電界強度分布に応じた像が、拡散板16上でのプローブパルス光の強度分布による像に精度良く変換される。そして、このプローブパルス光が拡散板16によって広く拡散される。図2には、拡散板16における光軸O’から離れた点B’(図5中の点Bに対応)を通過した光が、拡散板16により拡散される様子が示されている。また、図2には、点B’を通過して散乱されたプローブパルス光の2次元CCDセンサ15aの受光面上への結像の様子も示されている。
【0034】
図2からわかるように、点B’で散乱されたプローブパルス光のうちハッチングを付した光以外の光は、絞り15cによって遮られて2次元CCDセンサ15aの受光面上に到達しないが、点B’で散乱されたプローブパルス光のうちハッチングを付した光は、絞り15cにより遮られることなく2次元CCDセンサ15aの受光面上に到達する。図2には示していないが、拡散板16における光軸O’付近で拡散されたプローブパルス光についても同様であることは、言うまでもない。
【0035】
このように、本実施の形態によれば、拡散板16によりプローブパルス光を拡散させることで、大口径のテレセントリックレンズなどの特殊なレンズを使用することなく一般的なカメラレンズ(被写体で光が広い角度で散乱することを前提としたカメラレンズ)を用いながらも、電気光学結晶11における光軸O’から離れた点におけるテラヘルツパルス光の電場強度を示す点B’を通過したプローブパルス光を、2次元CCDセンサ15aの受光面上に結像させることができる。そして、拡散板16上のプローブパルス光の強度分布像が2次元CCDカメラ15で一括して検出され、これにより、テラヘルツパルス光の電場強度の2次元分布が一括して検出される。したがって、本実施の形態によれば、一般的なカメラレンズを用いながらも、図4及び図5に示す従来のテラヘルツ光検出装置に比べて、一度に検出可能なテラヘルツ光の2次元領域を拡大することができる。なお、前述の説明からわかるように、拡散板16はプローブパルス光の強度分布像を形成していることになるので、この点から、拡散板16は、像を生成する部材であると言える。
【0036】
なお、図2からわかるように、プローブパルス光は、拡散板16で広く散乱されるため、その一部が2次元CCDセンサ15aの受光面上に到達しないが、プローブパルス光の強度を上げれば何ら問題が生じない。なお、拡散板16の拡散力が強すぎるなどの場合は、拡散板16の直後付近又は拡散板16内等にフィールドレンズ等を配置することで、プローブパルス光の利用効率を高めることができる。また、2次元CCDセンサ15aの受光面に到達する光量の均一性の改善などを目的として、拡散板16の直後付近又は拡散板16内等にフィールドレンズ等を配置してもよい。
【0037】
ところで、図2からわかるように、本実施の形態では、結像レンズ15bは、プローブパルス光による拡散板16の像がCCDセンサ15aの受光面上に結像するように、ピント調整される。図4及び図5に示すような従来のテラヘルツ光検出装置では、結像レンズ5bは、プローブパルス光による電気光学結晶11の像がCCDセンサ5aの受光面上に結像するように、ピントを合わせる必要がある。しかしながら、電気光学結晶は均一であるから、ピントが合っていることを確認することが難しい。これに対し、本実施の形態では、例えば、拡散板16上の一点を可視レーザ光などで照射し、それをCCDカメラ15で観察したときに、点に見えるようにピント調整をすれば良い。したがって、本実施の形態によれば、CCDカメラ15のピント調整が容易になるという利点も得られる。
【0038】
なお、拡散板16は静止したままでもよいが、例えば拡散板16を回転させるとで、像の解像度の改善等を図ることができる。
【0039】
[第2の実施の形態]
【0040】
図3は、本発明の第2の実施の形態によるイメージ化装置を模式的に示す概略構成図である。
【0041】
本実施の形態によるイメージ化装置は、対象物としての試料100をイメージ化するものであり、前記第1の実施の形態によるテラヘルツ光検出装置を用いて構成されている。図3において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0042】
本実施の形態によるイメージ化装置では、レーザ装置等からなるフェムト秒パルス光源21から放射された可視光又は近赤外光等のフェムト秒パルス光L1が、平面反射鏡22を経た後に、ビームスプリッタ23で2つのパルス光L2,L3に分割される。フェムト秒パルス光源21から放射されるフェムト秒パルス光L1の繰り返し周期は、例えば、1kHz程度とされる。本発明では、フェムト秒パルス光L21は単一パルスのみでもよいが、試料100が動くものであったり試料100を動かして観察したりする場合などに、いわば動画を得るように、経時的に連続して試料100を観察するためには、フェムト秒パルス光L1は繰り返しパルスであることが好ましい。
【0043】
ビームスプリッタ23で分割された一方のパルス光L2は、テラヘルツ光発生器としての大口径光伝導アンテナ30を励起してテラヘルツパルス光を発生させるためのポンプパルス光(励起パルス光)となる。大口径光伝導アンテナ30に代えて、ダイポールアンテナ等を用いた光導電アンテナや電気光学結晶などの他のテラヘルツ光発生器を用いてもよいことは、言うまでもない。ポンプパルス光L2は、平面反射鏡24,25、2枚もしくは3枚の平面反射鏡が組み合わされてなる可動鏡26を経た後、ビームエキスパンダ28でその断面が拡張され、更に、平面反射鏡29を経て、大口径光伝導アンテナ30へ導かれる。大口径光伝導アンテナ30の電極間には、バイアス電源31からバイアス電圧が印加されている。その結果、大口径光伝導アンテナ30からテラヘルツパルス光L4が放射され、このテラヘルツパルス光L4が対象物としての試料100の2次元領域を一括照射する。なお、可動鏡26は、移動機構27により矢印D方向に移動可能となっており、これにより、テラヘルツパルス光とプローブパルス光とを適切に同期させるために調整できるようになっている。
【0044】
このように、本実施の形態では、前記要素21〜31が、テラヘルツパルス光L4を試料100の2次元領域に一括照射するテラヘルツパルス光照射部を構成している。
【0045】
試料100の2次元領域を透過したテラヘルツパルス光L5は、結像光学系を構成するレンズ32,33を経てビームスプリッタ12を透過した後に、電気光学結晶11に入射する。本実施の形態では、レンズ32,33の焦点距離は共にfであり、前段のレンズ32は試料100から焦点距離fだけ離れた位置に配置され、後段のレンズ33は電気光学結晶11から焦点距離fだけ離れた位置に配置されている。したがって、レンズ32,33によって、試料100を透過したテラヘルツパルス光L5による試料100の2次元領域の像が、電気光学結晶11の対応する2次元領域に結像される。このように、本実施の形態では、電気光学結晶11は、試料100の2次元領域を透過したテラヘルツパルス光L5を、試料100の前記2次元領域に対応する2次元領域で一括受光する。もっとも、本発明では、電気光学結晶11が、試料100の2次元領域で反射されたテラヘルツパルス光を、試料100の前記2次元領域に対応する2次元領域で一括受光するように、構成してもよい。
【0046】
ビームスプリッタ23で分割された他方のパルス光L3は、テラヘルツパルス光L5を検出するためのプローブパルス光となる。このプローブパルス光L3は、平面反射鏡33〜35を経て、ビームエキスパンダ36でその断面が拡張された後に、偏光板13に入射する。そして、偏光板13に入射したプローブパルス光は、前記第1の実施の形態に関して説明した動作により、ビームスプリッタ12で反射され、電気光学結晶11、偏光板14及び拡散板16を経た後に、2次元CCDカメラ15で一括して検出される。すなわち、前記第1の実施の形態の説明からわかるように、試料100を透過したテラヘルツパルス光L5の電場強度分布(すなわち、試料100のテラヘルツ光透過像)が、プローブパルス光の強度分布像として2次元CCDカメラ15で一括して検出される。
【0047】
本実施の形態では、2次元CCDカメラ15からの画像信号がコンピュータ37で処理され、この画像信号に基づいて、試料100のテラヘルツ光透過像を示す画像が液晶パネル等の表示部38に表示される。このようにして、試料100のリアルタイムイメージングが行われる。
【0048】
なお、リアルタイムイメージングではないが、いわゆるポンプ−プローブ法により、可動鏡26を移動させることでテラヘルツパルス光とプローブパルス光との間の遅延時間を変えつつ、2次元CCDカメラ15から画像データを取得し、これにより、試料100の前記2次元領域の各部位に対応するもの毎に、テラヘルツパルス光の電場強度の時系列波形を取得し、これらの時系列波形に基づきコンピュータ37で各部位の特性(例えば、複屈折率)を演算し、当該特性により試料100をイメージ化してもよい。
【0049】
なお、本実施の形態では、前記要素21〜23,33〜36,13,12が、テラヘルツパルス光L5と同期したプローブパルス光を電気光学結晶11の前記2次元領域に一括照射するプローブパルス光照射部を構成している。
【0050】
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態によるテラヘルツ光検出装置(図3中の要素11〜16等)が用いられているので、CCDカメラ15のカメラレンズとして一般的なカメラレンズを用いながらも、一度にイメージ化し得る試料100の2次元領域を拡大することができる。
【0051】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0052】
例えば、前述した各実施の形態では、テラヘルツパルス光の電場強度の2次元分布を検出していたが、本発明では、テラヘルツパルス光の1次元分布を検出してもよい。この場合、前述した各実施の形態において、例えば、CCDカメラ15として、1次元CCDカメラを用いればよい。
【0053】
また、前述した各実施の形態では、電気光学結晶11を用いることでテラヘルツパルス光の電場強度を検出するように構成されているが、電気光学結晶11に代えて磁気光学結晶を用いることでテラヘルツパルス光の磁場強度を検出するように構成してもよい。
【0054】
さらに、本発明によるテラヘルツ光検出装置は、第2の実施の形態のように試料100をイメージ化するイメージ化装置において用いることができるのみならず、他の種々の用途において、テラヘルツ光の電場強度又は磁場強度の1次元分布又は2次元分布を検出するために用いることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、大口径のテレセントリックレンズなどの特殊な結像光学系を用いることなく、一度に検出可能なテラヘルツ光等の電磁波の1次元領域又は2次元領域を拡大することができる検出装置、及びこれを用いたイメージ化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるテラヘルツ光検出装置の要部を模式的に示す概略構成図である。
【図2】図1中の一部の光学系及び当該光学系におけるプローブパルス光の様子を模式的に示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態によるイメージ化装置を模式的に示す概略構成図である。
【図4】従来のテラヘルツ光検出装置の要部を模式的に示す概略構成図である。
【図5】図4中の一部の光学系及び当該光学系におけるプローブパルス光の様子を模式的に示す図である。
【符号の説明】
11 電気光学結晶
12 ビームスプリッタ
13,14 偏光板
15 2次元CCDカメラ
16 拡散板
100 試料(対象物)
Claims (8)
- 電磁波を1次元領域又は2次元領域で一括して受ける電気光学結晶又は磁気光学結晶と、
前記電磁波と同期したプローブ光を、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶の前記1次元領域又は前記2次元領域に一括照射するプローブ光照射部と、
前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶を通過して前記電磁波により偏光状態が変化した前記プローブ光の所定偏光成分を抽出する検光部と、
前記検光部による所定偏光成分の抽出後の前記プローブ光を、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶の前記1次元領域又は前記2次元領域の各部位に実質的に対応するもの毎に、それぞれ光電変換する光電変換部と、
前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶と前記光電変換部との間に配置され前記プローブ光を拡散する光拡散部と、
を備えたことを特徴とする検出装置。 - 前記電磁波がテラヘルツ光であることを特徴とする請求項1記載の検出装置。
- 前記光拡散部が前記検光部と前記光電変換部との間に配置されたことを特徴とする請求項1又は2記載の検出装置。
- 前記光拡散部が前記検光部に対して実質的に密接するように配置されたことを特徴とする請求項3記載の検出装置。
- 電磁波を対象物の1次元領域又は2次元領域に照射する電磁波照射部と、
前記対象物の前記1次元領域又は前記2次元領域を透過又は反射した電磁波を、前記対象物の前記1次元領域又は前記2次元領域に対応する1次元領域又は2次元領域で一括して受ける電気光学結晶又は磁気光学結晶と、
前記電磁波と同期したプローブ光を、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶の前記1次元領域又は前記2次元領域に一括照射するプローブ光照射部と、
前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶を通過して前記電磁波により偏光状態が変化した前記プローブ光の所定偏光成分を抽出する検光部と、
前記検光部による所定偏光成分の抽出後の前記プローブ光を、前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶の前記1次元領域又は前記2次元領域の各部位に実質的に対応するもの毎に、それぞれ光電変換する光電変換部と、
前記電気光学結晶又は前記磁気光学結晶と前記光電変換部との間に配置され前記プローブ光を拡散する光拡散部と、
を備えたことを特徴とするイメージ化装置。 - 前記電磁波がテラヘルツ光であることを特徴とする請求項5記載のイメージ化装置。
- 前記光拡散部が前記検光部と前記光電変換部との間に配置されたことを特徴とする請求項5又は6記載のイメージ化装置。
- 前記光拡散部が前記検光部に対して実質的に密接するように配置されたことを特徴とする請求項7記載のイメージ化装置。
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