JP2021063704A - テラヘルツ磁気光学センサ、これを用いた高性能非破壊検査装置及び方法、並びにこれに用いる磁気光学撮像センサ - Google Patents

テラヘルツ磁気光学センサ、これを用いた高性能非破壊検査装置及び方法、並びにこれに用いる磁気光学撮像センサ Download PDF

Info

Publication number
JP2021063704A
JP2021063704A JP2019188010A JP2019188010A JP2021063704A JP 2021063704 A JP2021063704 A JP 2021063704A JP 2019188010 A JP2019188010 A JP 2019188010A JP 2019188010 A JP2019188010 A JP 2019188010A JP 2021063704 A JP2021063704 A JP 2021063704A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magneto
optical
terahertz
layer
pulse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019188010A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7297306B2 (ja
Inventor
ドミトリー ブルガリビッチ
Bulgarevich Dmitry
ドミトリー ブルガリビッチ
渡邊 誠
Makoto Watanabe
誠 渡邊
谷 正彦
Masahiko Tani
正彦 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute for Materials Science
Original Assignee
National Institute for Materials Science
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute for Materials Science filed Critical National Institute for Materials Science
Priority to JP2019188010A priority Critical patent/JP7297306B2/ja
Publication of JP2021063704A publication Critical patent/JP2021063704A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7297306B2 publication Critical patent/JP7297306B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

【課題】テラヘルツ波スピントロニクスエミッタと電気光学検出器から構成される新しいタイプの小型磁気光学センサを提供する。【解決手段】テラヘルツ波のエミッタであるスピントロニクス素子とディテクターである電気光学検出器のペアは、スピントロニクス素子基板(MgO基板)層を隔てて積層されており、反射配置における磁気光学センサを構成する場合には、電気光学検出器側にテラヘルツ波とプローブ光を反射するミラーを配置する。当該配置を用いて単純なオンチップ型のテラヘルツ波生成/検出センサを構成し、反射配置のテラヘルツ時間領域分光法により、センサ表明近傍の磁場の強度と方向を検出する。またセンサの位置を試料表面に対してラスタ走査することで、磁場強度と方向の分布をマッピング検出し画像化する。【選択図】図1

Description

本発明は、テラヘルツ波スピントロニクスエミッタと電気光学検出器から構成される新しいタイプの小型磁気光学センサに関し、特に磁束漏洩検知による非破壊検査に用いて好適なテラヘルツ磁気光学センサに関する。
また本発明は、テラヘルツ波を利用した高性能な非破壊評価装置及び方法に関する。
また本発明は、テラヘルツ磁気光学センサに用いて好適な磁気光学撮像センサに関する。
被検査対象材料の表面では、構造欠陥により、面内印加磁場の法線成分の変動を引き起こし、この磁場変動は磁気光学(MO:magneto-optic)センサによるファラデー効果を介して感知される(非特許文献1参照)。
そこで、強力な希土類磁石は、磁束漏洩検知(MFL:Magnetic Flux Leakage Detection)による非破壊検査に最適である。希土類磁石は、磁束漏洩検知試験に必要とされる磁束レベル以上を、検査対象となる材料中に導入することができる。
他方で、特許文献1には、テラヘルツ光の電場強度又は磁場強度の一次元分布又は二次元分布を一度に検出し得る検出装置と、これを用いたイメージ化装置が提案されている。しかしながら、特許文献1では、磁束漏洩検知に用いる場合の言及がない。
また、磁束漏洩検知では、微細な欠陥探知能力が要求されている。磁気光学センサの微細な欠陥探知能力としては、例えば、大面積ファラデー回転子センサを使用することによって、磁気光学撮像で達成された最高の空間分解能は0.5から100μmの間である。この空間分解能は磁区の周期性およびセンサ層の厚さによって制限されていた。磁気光学撮像による最大10μTの磁場分解能/感度が報告されている。磁気光学Kerr効果顕微鏡(MOKE:Magneto-Optical Kerr Effect)も最大0.2μmの空間分解能を提供できるが、強いKerr応答を持つ材料に限られる。ダイヤモンド中の窒素空格子点中心の磁気感度は、0.44μmの空間分解能およびμT範囲の磁気感度を有する薄い強磁性フィルム中の漂遊磁界の撮像にも使用することができる。
一方、超伝導量子干渉素子(SQUID: Superconducting Quantum Interference Device)、巨大磁気抵抗(GMR: Giant Magneto Resistance)、異方性磁気抵抗(AMR: Anisotropic Magnetoresistance Ratio)、巨大磁気インピーダンス(GMI:)、トンネル磁気抵抗(TMR: Tunnel Magneto Resistance)、ホール効果、微小電気機械(MEMS: Micro Electro Mechanical System)を使った磁場画像(MFI:Magnetic Field Imaging)システムなどのセンサは、1T範囲までの優れた磁場感度/分解能を提供することができるが、空間分解能が100μm未満に低減される。
特開2005−37213号公報
Linear magneto-optic imager for non-destructive evaluation; P.-Y. Joubert, et. al., Sensors and Actuators A 129 (2006) 126-130 Enhanced magneto-optic imaging system for nondestructive evaluation; Yu Hua Cheng, et. al., NDT&E International 40 (2007) 374-377 Efficient metallic spintronic emitters of ultrabroadband terahertz radiation; T. Seifert, et. al.,NATURE PHOTONICS, VOL 10, JULY 2016, p.483-488 External magnetic field distribution mapping using terahertz emission from indium antimonide; Valynn Katrine Mag-usara, et. al., Japanese Journal of Applied Physics 56, 028001 (2017)
この点において、試料表面上の磁束漏洩(MFL)を検出する非破壊検査(NDT:non-destructive testing)用途のための新しいタイプの磁気光学撮像の開発は、磁気光学撮像の空間分解能と軸方向分解能との間、フィールド感度、物理的サイズ、堅牢性、動作条件、コスト、アプリケーションなどの要素間におけるバランスを見出すことに関して依然として重要なトピックである。
本発明は、可視光源およびより小さいサイズの感知ドメインを使用することによってより高い空間分解能を達成することが可能な、磁場画像装置(MFI)を超える典型的な磁気光学撮像装置(MOI)に用いて好適なテラヘルツ磁気光学センサを提供することを目的とする。
[1] 本発明のテラヘルツ磁気光学センサは、パルス幅がフェムト秒レベルのレーザパルスを発生するフェムト秒レーザと、前記フェムト秒レーザパルスをポンプパルスとプローブパルスに分割するビームスプリッタと、測定試料に僅かな間隔を隔てて設けられた磁気光学撮像センサと、前記ポンプパルスを前記磁気光学撮像センサに照射するポンプパルス光照射部と、前記ポンプパルスが照射される前記磁気光学撮像センサに、前記プローブパルスを照射するプローブパルス光照射部と、前記ポンプパルスを当ててから、前記プローブパルスを照射するまでの遅延時間を徐々に変えながら測定を繰り返す遅延時間調整部と、前記磁気光学撮像センサに照射するポンプパルスにより発生するテラヘルツ波によって、電気光学効果によって影響を受けた前記プローブパルスの偏光変化の程度を検出する光検出部と、前記磁気光学撮像センサに磁場を印加する磁場発生手段と、を備え、前記光検出部で検出された偏光変化の程度から、前記測定試料の磁場の変化を検出することを特徴とする。
ここで、前記僅かな間隔とは、フェムト秒レーザの波長程度の間隔から、測定試料と磁気光学撮像センサの隙間からノイズとなる信号が侵入しない程度までの間隔をいう。前記遅延時間を徐々に変えるとは、遅延時間をステップ信号状に増減させて、このステップ信号状の間隔程度の解析性能をえることをいう。
[2] 本発明のテラヘルツ磁気光学センサにおいて、好ましくは、さらに、前記ポンプパルスの照射された前記磁気光学撮像センサの位置における磁場強度もしくは磁場変化を表す画像を取得する画像センサを備えることを特徴とする。
[3] 本発明のテラヘルツ磁気光学センサにおいて、好ましくは、前記磁場発生手段は、静磁場又は交流磁場を生成することを特徴とする。
[4] 本発明のテラヘルツ磁気光学センサにおいて、好ましくは、前記磁気光学撮像センサは、基板層と、前記基板層の前記ポンプパルスが入射する側に設けられたスピントロニクス層であって、前記ポンプパルスをテラヘルツ光に変換する前記スピントロニクス層と、前記基板層を透過した前記テラヘルツ光を反射する反射鏡層と、前記基板層と前記反射鏡層の間に設けられた電気光学結晶層であって、前記テラヘルツ光と前記プローブパルスとを相互作用させる前記電気光学結晶層と、を備えることを特徴とする。
[5] 本発明のテラヘルツ磁気光学センサにおいて、好ましくは、前記スピントロニクス層は、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)などから選択される強磁性元素を含む強磁性体層と、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)などから選択される非磁性元素を含む非磁性体層とを有することを特徴とする。
[6] 本発明のテラヘルツ磁気光学センサにおいて、好ましくは、前記基板層は、MgO基板、石英基板、シリコン基板などテラヘルツ波を透過する誘電体材料から選択されることを特徴とする。
[7] 本発明のテラヘルツ磁気光学センサにおいて、好ましくは、前記電気光学結晶層は、テルル化亜鉛(ZnTe)、リン化ガリウム(Gap)など電気光学効果を有する媒質であることを特徴とする。
[8] 本発明の被測定試料の磁束漏洩検知による非破壊検査装置は、前記のテラヘルツ磁気光学センサを用いたものである。
[9] 本発明の被測定試料の磁束漏洩検知による非破壊検査方法は、前記のテラヘルツ磁気光学センサを、被測定試料の磁束漏洩検知による非破壊検査に用いるものである。
[10] 本発明の磁気光学撮像センサは、ポンプパルスを用いるものであって、基板層と、前記基板層のポンプパルスが入射する側に設けられ、前記ポンプパルスをテラヘルツ光に変換するスピントロニクス層と、前記基板層を透過した前記テラヘルツ光を反射する反射鏡層と、前記基板層と前記反射鏡層の間に設けられた電気光学結晶層であって、前記テラヘルツ光と前記プローブパルスとを相互作用させる前記電気光学結晶層と、を備えることを特徴とする。
本発明のテラヘルツ磁気光学センサによれば、電気光学(EO)による磁気光学高感度発光を用いてテラヘルツ時間領域(THz−TDS)の磁気光学撮像(MOI:Magneto-Optic Imaging)における検出を強化でき、高い空間分解能を有する磁気光学撮像装置(MOI)を提供できる。
本発明のテラヘルツ波を利用した高性能な非破壊評価装置及び方法によれば、磁束漏洩検知による非破壊検査に用いることで、被測定試料の微細な欠陥も早期に検出できる。
本発明の磁気光学撮像センサによれば、本発明のテラヘルツ磁気光学センサの基幹となる部品が提供できる。
本発明の一実施形態を示す反射型THz−TDS撮像設定器の概略構成図である。 図1に示す反射型THz−TDS撮像設定器の光学系を詳細に説明する構成図である。 図2に示す磁気光学撮像センサ近傍を拡大したオンチップセンサの構成断面図である。 図3に示す磁気光学撮像センサのスピントロニクス層近傍の要部拡大側面図である。 本発明の一実施形態を示す、反射型THz−TDS撮像設定器に用いて好適な、被測定試料の漏洩磁場検出に電磁石を磁場源として用いた場合の説明図である。 THz波の電気光学サンプリングの説明図である。 電磁石を磁場源として被測定試料の漏洩磁場検出を行う場合を模擬するための、永久磁石の姿勢の説明図である。 図7に示す永久磁石の磁場密度分布の説明図である。 磁気光学撮像センサと永久磁石の装着姿勢の説明図で、磁場ベクトルの向きBとポンプ/プローブ光の振動電場の向きEが平行になっている。 図9(A)に図示されている磁気光学設定を使用して収集された画像データを示すもので、(B)は所定位置での平均処理された画像データ、(C)は図9(B)の画像データをFFTで信号処理した画像を示している。 図9(A)に図示されている磁気光学設定を使用して収集された、強度変化として標準的な単極性の波形を示している。 磁気光学撮像センサと永久磁石の他の装着姿勢の説明図である。 図10(A)に図示されている磁気光学設定を使用して収集された画像データを示すものである。 図10(A)に図示されている磁気光学設定を使用した空間位置で収集された時間平均波形を示している。 磁気光学撮像センサと永久磁石の他の装着姿勢の説明図である。 図11(A)に図示されている磁気光学設定を使用して収集された画像データを示すものである。 磁気光学撮像センサと永久磁石の他の装着姿勢の説明図である。 図12(A)に図示されている磁気光学設定を使用して収集された画像データを示すものである。 図12(A)に図示されている磁気光学設定を使用した空間位置で収集された時間平均波形を示している。 磁気光学撮像センサと永久磁石の他の装着姿勢の説明図である。 図13(A)に図示されている磁気光学設定を使用して収集された画像データを示すものである。 図13(A)に図示されている磁気光学設定を使用した空間位置で収集された時間平均波形を示している。 磁気光学撮像センサと永久磁石の他の装着姿勢の説明図である。 図14(A)に図示されている磁気光学設定を使用して収集された画像データを示すものである。 図14(A)に図示されている磁気光学設定を使用した空間位置で収集された時間平均波形を示している。
テラヘルツ光は、周波数がおおよそ0.01THzから100THzまでの範囲の電磁波である。従来から、テラヘルツ光等の電磁波の電場強度又は磁場強度の2次元分布を一度に検出し得る検出装置として、特許文献1に開示されたテラヘルツ光検出装置が知られている。このテラヘルツ光検出装置は、例えば、対象物をリアルタイムでイメージ化するためなどに用いられている。
図1は本発明の一実施例を示す反射型THz−TDS撮像設定器の概略構成図である。ここで、反射型THz−TDS撮像設定器は、例えば株式会社アイスペック・インスツルメンツ(Aispec Instruments)、(福井県、日本)の型式名avpIRS−500−SPとして、入手できる。
反射型THz−TDS撮像設定器は、被測定試料10を載置するXYZ走査ステージ11、フェムト秒レーザ12、ビームスプリッタ13a、反射鏡13b、ビームスプリッタ13c、ポンプパルス(ポンプビーム)14、プローブパルス(プローブビーム)15、遅延時間回路16、励磁コイル17、磁気光学撮像センサ17b、対物光学系18、差動光検出器19、ロックインアンプ20a、パルス発生器20b、コンピュータ20cを備えている。
XYZ走査ステージ11は、被測定試料10を載置するもので、XYZの三方向に被測定試料10を移動させて、パルスレーザの照射される位置を調整できる。
フェムト秒レーザ12は、一定のパルス幅で発振するパルスレーザで、そのパルス幅がフェムト秒レベルのレーザである。フェムト(femto)は国際単位系(SI)における接頭辞の一つで、基本単位の10−15倍の量を示す。1フェムト秒では光でさえわずか0.3μmしか進めないため、電気回路の速度では追従できず、例えばパルス強度の自己相関測定が用いられる。フェムト秒レベルとは、例えば1〜1000フェムト秒の範囲内の時間幅をいう。
フェムト秒レーザ12には、例えばチタンサファイアレーザーにおけるカーレンズモード同期現象が用いられる。微小時間内での観察用光源として有益であり、超短時間の発光を利用し、分子の結合や離反といった化学反応の進行状況(遷移状態)をストロボ撮影のように観察する、フェムト化学(femtochemistry)に用いられる。
ビームスプリッタ13aは、フェムト秒レーザ12の発射するパルスレーザをポンプパルス14とプローブパルス15に分割する。
反射鏡13bは、ポンプパルス14と遅延時間回路16による位相差を持つプローブパルス15を平行光にして対物光学系18に送る。
ビームスプリッタ13cは、反射鏡13bから送られたポンプパルス14を対物光学系18と差動光検出器19の二方向に二分割する。
ポンプパルス14とプローブパルス15は、ポンプ・プローブ法で用いられる2つのレーザパルスで、強い光照射によって磁気光学撮像センサ17bでTHz波を発生させる。
遅延時間回路16は、ポンプパルス14を当ててからプローブパルス15で測定するまでの遅延時間を徐々に変えるものである。遅延時間を徐々に変えて測定することで、THz波の偏光状態を変えて見ることができる。
励磁コイル17は磁気光学撮像センサ17bと被測定試料10に磁場を印加する。磁気光学撮像センサ17bは、電気光学結晶を有しており、電気光学サンプリングを行うと共に、スピントロニクス層を用いてTHz波を発生する。この磁気光学撮像センサ17bにおけるTHz波の発生機構は、後で図3を参照して詳細に説明する。THz波は、磁気光学撮像センサ17bの測定対象である被測定試料10による磁場の変化に応じて偏光するので、この偏光の様子を磁気光学撮像センサ17bからの反射THz波を使って測定する。
対物光学系18は、反射鏡13bをへたポンプパルス14とプローブパルス15を、磁気光学撮像センサ17bに照準する。対物光学系18は、反射段階の再度の焦点合わせと操縦(リフォーカス/ステアリング)光学系を構成するもので、例えば作動距離の長い対物レンズを搭載したCCDカメラを用いるとよい。
差動光検出器(balanced photodetector)19は、入力のコモン変動を大幅に抑制しながら、2つの光入力信号間の光パワーの小さな差を検出するもので、例えば直列に接続された2つのフォトダイオードを使用する。そして、2つのフォトダイオードの光電流が等しい場合、両者の光電流は互いに相殺されると共に、光電流の差はトランスインピーダンスアンプに送られ、その差に比例した出力電圧が生成される。ここでは、差動光検出器19はウォラストンプリズムを内蔵している。ウォラストンプリズムの詳細は、後で説明する。
ロックインアンプ20aは、非常にノイズの多い環境から既知の搬送波を有する信号を抽出できるアンプの一種である。ロックインアンプは本質的にホモダイン検出器で、後段にカットオフ周波数とフィルタ次数が調整可能なローパスフィルタが設けられる。従来のロックインアンプは復調にアナログ周波数ミキサとRCフィルタを使用していたが、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの高速デジタル信号処理によって両方のステップを実現するものでもよい。
ロックインアンプ20aは、差動光検出器19から入力信号を取り込み、パルス発生器20bから供給される基準信号と乗算し、指定された時間、通常は数ミリ秒から数秒のオーダーで積分する。得られる信号はDC信号であり、基準信号と異なった周波数の信号からの寄与は減衰しゼロに近づく。基準信号と同じ周波数を有する信号の逆相成分も減衰され、位相感知検出器をロックインする。
パルス発生器20bは、電気回路用素子、電気回路、電気機器、電子システムなどの入出力特性を評価するための信号源として用いられるものである。ここで、パルス信号とは、ごく短時間に生じる、一定の幅を持った電気信号の波(矩形波)をいい、ここではフェムト秒レーザ12の発射するパルスレーザを一定周期、例えば2.76kHz(約362ms周期)に相当する周期で繰り返す。パルス発生器20bは、励磁コイル17に励磁信号を供給するタイミング信号となる基準信号を送ると共に、ロックインアンプ20aに対して当該基準信号を出力する。
コンピュータ20cは、ロックインアンプ20aから送られる、基準信号と同じ周波数を有する、信号成分を入力する。また、図示しないCCD(Charge-Coupled Device)センサを用いて、フェムト秒レーザ12を用いた反射型THz−TDS撮像設定器による被測定試料10の画像データを得ることができる。
このように構成された反射型THz−TDS撮像設定器では、フェムト秒レーザ12の発射するパルスレーザは、ビームスプリッタ13aによって、ポンプパルス14とプローブパルス15に分割される。ポンプパルス14は、ビームスプリッタ13a、反射鏡13b、ビームスプリッタ13cをへて、対物光学系18に送られ、磁気光学撮像センサ17bに照準される。
一方、プローブパルス15は、遅延時間回路16のビーム経路長に対応する遅延時間が付加されて、ビームスプリッタ13a、反射鏡13bをへて、対物光学系18に送られ、磁気光学撮像センサ17bに照準される。
磁気光学撮像センサ17bに照準されたポンプパルス14とプローブパルス15は、磁気光学撮像センサ17bでTHz波を発生させる。このTHz波は、励磁コイル17で生成された磁場が被測定試料10の漏洩磁場の影響を受けて、この漏洩磁場に応じた偏光をして磁気光学撮像センサ17bから反射される。反射したTHz波は、ビームスプリッタ13cをへて、差動光検出器19に送られる。
差動光検出器19では、内蔵されたウォラストンプリズムによって反射したTHz波が、左右の2つの偏光ビームに分割されて、直列に接続された2つのフォトダイオードにそれぞれ入射する。内蔵されたウォラストンプリズムで発散する光は、プリズムの角と端、および光の波長によって決定される偏向角で、左右の2つの偏光ビームに分割される。
ロックインアンプ20aは、差動光検出器19の検出信号を入力して、パルス発生器20bから送られる基準信号と同じ周波数を有する信号成分を出力する。コンピュータ20cは、ロックインアンプ20aから送られる信号成分を入力する。また、コンピュータ20cは、CCDカメラ(図示せず)を用いて、フェムト秒レーザ12を用いた反射型THz−TDS撮像設定器による被測定試料10の画像データを得る。XYZ走査ステージ11の位置制御をすることで、被測定試料10の任意の三次元的な位置での画像データが得られる。
パルス発生器20bは、励磁コイル17に励磁信号を供給するタイミング信号となる基準信号を送ると共に、ロックインアンプ20aに対して当該基準信号を出力する。この基準信号は、例えば2〜5kHzであり、フェムト秒レーザ12のパルス幅と比較して非常に長い周期を有していると共に、コンピュータ20cによる演算処理も可能としている。
図2は、図1に示す反射型THz−TDS撮像設定器の光学系を詳細に説明する構成図である。
反射型THz−TDS撮像設定器の光学系は、フェムト秒レーザ21、反射鏡22、ビームスプリッタ23、ポンプパルス光学系、プローブパルス光学系、磁気光学撮像チップ35、永久磁石36、XYZ走査ステージ37、CCDカメラ38を有している。フェムト秒レーザ21には、例えばIntegral Element PRO 400(Spectra-Physics社製)を用いるとよい。
ポンプパルス光学系は、光チョッパー24、半波長板25、凸レンズ26、楕円鏡27、ビームスプリッタ28、反射鏡29a、29b、29c、29d、偏光電場30を有している。
プローブパルス光学系は、反射鏡31a、31b、31c、31d、31e、31f、31g、31h、31i、凸レンズ32、楕円鏡33、反射鏡34a、34b、34c、34dを有している。このうち、遅延時間回路16に相当する光学経路は、反射鏡31a、31b、31c、31d、31e、31f、31gが対応している。
磁気光学撮像チップ35は、図3に示すように、Auミラー51、ZnTeウェーハ52、MgO基板53、スピントロニクス層54の四層構造になっている。永久磁石60(36)は、図1に示す励磁コイル17と漏洩磁場を有する被測定試料10に代えて設けられるもので、磁気光学撮像チップ35のポンプパルス14とプローブパルス15の入射面と反対側に位置している。
ポンプパルス光学系から分岐する参照光学系は、反射鏡40、凸レンズ41、四半波長板42、ウォラストンプリズム43、差動光検出器44を有している。この参照光学系は、磁気光学撮像チップ35で反射されたTHz波の偏光量を測定する。このTHz波の偏光量は、被測定試料10の漏洩磁場に相当する永久磁石36の姿勢に応じた磁場に依存する。この詳細は、後で図5を参照して詳細に説明する。
ウォラストンプリズム(Wollaston prism)は、底部で接合された2つの複屈折方解石プリズムで構成され(通常はカナダバルサムまたは別の低屈折率材料)、垂直光軸を持つ2つの直角三角形を形成する。発散する光は、プリズムの角と端、および光の波長によって決定される偏向角で、2つの偏光ビームでプリズムから発散する。市販のプリズムは15°〜45°の角度で使用できる。
フェムト秒レーザ21から出射されるポンプパルスとプローブパルスは、波長λが780nmの近赤外光領域で、パルス幅10fs程度である。ポンプパルスとプローブパルスは、図3に示すように、反射段階の再度の焦点合わせと操縦(リフォーカス/ステアリング)光学系に向かい側方向から入射し、ZnTe/Auミラー界面で交差した状態で焦点を合致される(クロスフォーカス)。THz信号検出には良好なクロスフォーカスが非常に重要であるため、Auミラーを取り外して、作動距離の長い対物レンズを搭載したCCDカメラを使用して、ZnTe/空気界面での初期アライメント/フォーカシングを行なうとよい。
図3に示すように、ポンプパルス62はスピントロニクス層54側から磁気光学撮像チップ50に入射し、薄膜ファブリーペロー共振器内で垂直方向に電子流を発生させる。図4に示すように、強磁性(FM)Fe層541が磁化されている場合、多数スピンアップ電子の移動度は少数スピンダウン電子の移動度と比較してはるかに高い。強いスピン−軌道相互作用を持つ非磁性のPt層542では、スピンアップとスピンダウンの電子は反対方向に偏向し、テラヘルツ放射源として作用する逆スピンホール効果(ISHE:Inverse Spin Hall effect)によって超高速の横方向電荷電流を生成する。そのようなTHz放射の直線偏光は磁化ベクトルに直交し、このTHz放射の直線偏光は10mT未満の磁場振幅で変調/変化させることができると共に、ポンプ偏光とは無関係である。
図3に戻り、スピントロニクス層54からのTHz放射は、MgO基板53および電気光学ZnTeウェーハ52を通って伝播し、Auミラー51から反射し、そしてZnTe層52の内側をAuミラー51から反射されたプローブパルス64と一緒に伝播する。THz/プローブの前面間の発散角は、約15°である。この段階では、プローブパルス64の直線偏光は、電気光学結晶内のTHz電界によって乱される。
最後に、プローブ偏光の誘導楕円率成分は、THz-TDS設定における標準電気光学サンプリングアセンブリを用いて分析され、それはTHz波形または/および画像の記録をもたらす。初期のポンプ/プローブ直線偏光は、スピントロニクス層54/空気界面と直交し面内であることに留意されたい。磁気光学撮像チップはまた、クロスフォーカシング設定での適度な0.2mJ/cm程度のポンプ/プローブ流速に起因する光学整流(OR:optical rectification)によって、電気光学結晶の内部で生成される寄生THz放射を抑制するために、ポンプパルスの偏光がZnTe結晶の<110>軸に直交するように回転ホルダ内で整列された。なお、画像後処理は、米国の国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)提供のFIJIソフトウェアパッケージを用いて行われた。
図3は、図2に示す磁気光学撮像センサ近傍を拡大したオンチップセンサの構成断面図である。
磁気光学撮像チップ50は、4層構造になっており、Auミラー51、電気光学結晶層52、基板層53、スピントロニクス層54で構成されている。
Auミラー51は、電気光学結晶層52を覆う状態で設けられるもので、スピントロニクス層54に入射したポンプパルス62とプローブパルス64を反射する。Auミラー51の近傍には、磁場を形成する磁石60が設けられている。
電気光学結晶層52は、例えばテルル化亜鉛(ZnTe)またはリン化ガリウム(GaP)を用いるとよい。ZnTeの場合は、例えば厚さ1mmであり、屈折率は近赤外線に相当する波長800nmで2.85、1THzに相当する波長300μmで3.17となっている。
基板層53は、例えばMgO基板で厚さ0.1mmであり、屈折率は近赤外線に相当する波長800nmで1.73、1THzに相当する波長300μmで3.11となっている。
スピントロニクス層54は、ポンプパルス62とプローブパルス64の入射側であると共に、Auミラー51で反射した反射光の出射側でもある。
磁石60は、サマリウムコバルト磁石やネオジム磁石のような永久磁石でもよく、また電磁石でもよい。
図4は、図3に示す磁気光学撮像センサのスピントロニクス層近傍の要部拡大側面図である。スピントロニクス層54は、基板層53側に位置するFe層541と、ポンプパルス62とプローブパルス64の入射側に位置するPt層542の二層構造になっている。Fe層541の厚さは3nm程度であり、Pt層542の厚さは2nm程度となっている。
Fe層541は、磁石60による磁場で磁化されている場合、多数スピンアップ電子の移動度は少数スピンダウン電子の移動度と比較してはるかに高い。
図5は、本発明の一実施形態を示す、反射型THz−TDS撮像設定器に用いて好適な、被測定試料の漏洩磁場検出に電磁石を磁場源として用いた場合の説明図である。希土類磁石と比較すると、電磁石はかさばって重いという性質がある。しかしながら、電磁石は、磁束レベルを容易に調整することができ、必要ならば磁束を「オフにする」ことができるという利点を有する。
同図において、被測定試料70は鉄やニッケルのような磁性材料で、表面近傍の一部に割れやボイドのような欠陥71を有している。
ポンプパルス72とプローブパルス74は、磁気光学撮像チップ75の被測定試料70側の面と反対側から入射する。
磁気光学撮像チップ75は、検出層752、エミッタ層754、保護層756の三層構造になっている。検出層752は、図3に示す磁気光学撮像チップ50の、電気光学結晶層52とスピントロニクス層54が対応している。エミッタ層754は、電気光学結晶層Auミラー51と基板層53が対応している。保護層756はエミッタ層754の被測定試料70対向面に設けられたもので、硬質の非磁性材料、例えばAlが用いられるが、これに限定されない。
電磁石は、磁性材料よりなるコの字形状のコア76と、コア76に巻装された巻き線77a、77b、77cを有している。巻き線77a、77b、77cは、これに流される交流電流に応じた磁場をコア76に発生する。交流電流が商用電源であれば、商用周波数は例えば50Hzや60Hzである。コア76は磁路を形成しており、磁気光学撮像チップ75に磁場を印加する。磁気光学撮像チップ75はTHz放射なので、商用周波数と比較して格段に高周波数であり、電磁石により発生する磁場も静磁場と同視できる状況で、被測定試料の漏洩磁場検出が可能である。
スペーサ78は、コア76と被測定試料70の隙間を確保するように設けられるもので、磁気光学撮像チップ75の保護層756が被測定試料70と接触するのを防止する。
次に、図6を参酌して、THz波の電気光学サンプリングの原理を説明する。電気光学サンプリングではプローブ光の偏光が電界に比例して変化するので、その偏光変化を検出している。
(i)まず、電気光学結晶層52にテラヘルツ波とプローブ光が同時に入射する。ここで、テラヘルツ波とプローブ光も直線偏光である。
(ii)テラヘルツ波の電場(E_THz)が電気光学結晶層52に作用することにより、電気光学効果を通じて、電気光学結晶層52の屈折率が非等方的に変化し、過渡的な複屈折(dn)を生じる。
(iii)プローブ光は上記電気光学効果による複屈折により、直線偏光がわずかに楕円偏光に変化する。
(iv)プローブ光は1/4波長板42を透過することで、円偏光に近い偏光状態に変化する。もしテラヘルツ波がない場合は、完全に円偏光になるので円偏光からのずれが、テラヘルツ波の電場E_THzに比例している。
(v)次のウォラストンプリズム(Wollaston prism)43はプローブ光を縦偏光と横偏光に分離する。
(vi)バランス型光検出器44(フォトダイオードを対にしたもの)で縦偏光と横偏光強度の差を検出する。この差は円偏光からのずれ、すなわち、テラヘルツ波の電場E_THzに比例している。
(vii)この差分信号をテラヘルツ波(すなわちポンプ光)とプローブ光の時間差を自動ステージで走査することにより、テラヘルツ波の電界振幅に相当する時間波形を取得する。時間波形をフーリエ変換することで、テラヘルツ波のスペクトル分布が得られる。なお、応用によってはフーリエ変換によるスペクトル解析は不要である。これが電気光学サンプリングを用いた、テラヘルツ時間領域分光法の原理である。通常電気光学信号という場合、縦偏光と横偏光強度の差分dIをプローブ光の全強度Iで規格化したdI/Iを指す。dI/Iは複屈折率変化dn、およびテラヘルツ波の電界振幅E_THzに比例する。
図7は、電磁石を磁場源として被測定試料の漏洩磁場検出を行う場合(図1、図5参照)を模擬するための、永久磁石の姿勢の構成斜視図で、(A)は正面、平面、側面の説明図、(B)は磁束線の説明図である。永久磁石の形状は高さ×幅×奥行きが20×10×20[mm]で、永久磁石材料としてはネオジム磁石を用いた。
図8は、図7に示す永久磁石の磁場密度分布の説明図である。永久磁石表面の磁束密度は概ね100mTから−103mTの範囲であった。
図9Aは、磁気光学撮像センサと永久磁石の装着姿勢の説明図で、磁場ベクトルの向きBとポンプ/プローブ光の振動電場の向きEが平行になっている。
図9BCは、図9Aに図示されている磁気光学設定を使用して収集された画像データを示すもので、(B)は所定位置での平均処理された画像データ、(C)は図9(B)の画像データをFFTで信号処理した画像を示している。図9(B)では、永久磁石がスピントロニクス層表面から約5mm上にあると共に、遅延時間は主ピークから+2.75psで、プリスキャンモードで、1x1[mm]の画素について16回平均したものである。各画像データは124×53画素又は123×53画素であるので、画像の大きさは124×53[mm]又は123×53[mm]である。
観察されたコントラストは、磁場方向に対して直交して偏光されている(ZnTeの<110>から平行||)スピントロニクス放射の畳み込みであり、プローブパルスの偏光および結晶配向(ZnTeの<110>から平行||)によるZnTe中の検出効率である。すなわち、検出効率は、スピントロニクス放射およびプローブパルスの偏光がZnTeの<110>軸と平行であるときに最大になる。図9(B)の白抜き黒丸と図9(C)の中央の白い領域が永久磁石の装着位置に対応している。
図9Dは、図9(A)に図示されている磁気光学設定を使用して収集された、強度変化として標準的な単極性の波形を示している。なお、図9(A)に図示されている磁気光学設定の利点として、オンチップTHz発生/検出方式による測定信号に対する大気中の水蒸気の影響はなかった。
主なTHzピークはZnTe結晶におけるポンプパルスの寄生光学整流(OR)から生じたもので、磁石の位置に敏感ではなかった。最も弱い信号は、ZnO/ZnTeウェーハにおける光ポンプとスピントロニクスエミッタによって生成されたTHz波面の屈折率の差のために、ZnTe/Au界面への伝搬後、光学整流(OR)から約+2.8ps遅延した(図9D参照)。
光学整流(OR)ピークから十分に離れていたので、磁気光学撮像測定に寄生的な影響を与えるたに過ぎなかった。このピーク振幅および位相は、一定のポンプ/プローブ電力での外部磁場の強度およびそのベクトルによってのみ影響された(以下で論じる)。磁石を除去した後、この信号は、Fe層541のゆっくりした減磁のために、完全に消失する前の数日間記録することができた。
遅延時間9.5psでの中程度の波形ピークは、ZnTe/MgO界面での光学整流(OR)生成THz面の反射および入射プローブパルスとのZnTe中の部分的な同時伝搬によるものである(図3を参照)。このように、この波形のピークはまた磁場に鈍感であった。本発明者による磁気光学撮像設定における現在利用可能なポンプ/プローブパワーでは信号対雑音比(SNR)が低かったので、信号対雑音比を改善するために多重波形または信号平均化を使用した。
図10A〜図14Aは、磁気光学撮像センサと永久磁石の他の装着姿勢の説明図である。図10Aでは、磁場ベクトルの向きBとポンプ/プローブ光の振動電場の向きEが反平行で、永久磁石がスピントロニクス層表面から約5mm上にある。図11Aでは、磁場ベクトルの向きBとポンプ/プローブ光の振動電場の向きEが平行で、永久磁石がスピントロニクス層表面から約9mm上にある。図12Aでは、磁場ベクトルの向きBとポンプ/プローブ光の振動電場の向きEが紙面斜め上方向で直交すると共に、Auミラーの面内に位置し、永久磁石がスピントロニクス層表面から約5mm上にある。図13Aでは、磁場ベクトルの向きBとポンプ/プローブ光の振動電場の向きEが紙面斜め下方向で直交すると共に、Auミラーの面内に位置し、永久磁石がスピントロニクス層表面から約5mm上にある。図14Aでは、磁場ベクトルの向きBとポンプ/プローブ光の振動電場の向きEがAuミラーの面内で斜めに交差し、永久磁石がスピントロニクス層表面から約5mm上にある。
図10BC〜図14BCは、夫々図10A〜図14Aに図示されている磁気光学設定を使用して収集された画像データを示すもので、(B)は所定位置での平均処理された画像データ、(C)は対応する(B)の画像データをFFTで信号処理した画像を示している。この磁気光学設定は、永久磁石/磁気光学撮像チップ構成における指示された磁場ベクトル(B)方向およびポンプ/プローブ光の振動電場ベクトル/分極(E)の画像を示す。
図10BC(B)〜図14BC(B)において、プローブパルスは、光学整流(OR)ピーク最大値から約+2.8psにおける磁場感受性波形最大値に対応する固定遅延段位置で収集された。連続した0.5秒/ピクセルのXスキャンステージ(磁石を取り付けた状態)の移動中、この遅延ステージ位置での波形振幅は、各1±1mmピクセル内で平均化するために16回サンプリングされた。図10BC(B)〜図14BC(B)の各原画像の収集には約1時間かかった。また図10BC〜図14BCの各画像データは、図9BCと同様に、124×53画素又は123×53画素であり、画像の大きさは124×53[mm]又は123×53[mm]である。
図10BC(C)〜図14BC(C)は、図10BC(B)〜図14BC(B)の画像のコントラストを向上させるために、高速フーリエ変換(FFT)を用いたバンドパスフィルタリングが適用された。図10BC(C)〜図14BC(C)に示されるように、ライン毎の画像収集時間にわたる弱い信号に関して、テラヘルツ時間領域(THz−TDS)システムによって、水平方向の縞が抑制された。また、40ピクセル以上の明るいパッチと暗いパッチのサイズでイメージの変化を滑らかにし、3ピクセル以下のオブジェクトを強く減衰させた。
図10D、図12D〜図14Dは、夫々図10A、図12A〜図14Aに図示されている磁気光学設定を使用して、異なる空間位置で収集された32個の時間平均波形を示している。それらは、磁場感受性ピークに対する信号が、磁気光学撮像チップ対磁石の位置/配向に依存してその強度だけでなくその位相にも依存し得ることを実証している。これは、磁場ベクトルの方向に依存する画像コントラストの反転を説明する(図9Dと図10Dならびに図12Dと図13Dを比較)。なお、図11Aに図示されている磁気光学設定を使用した時間平均波形については、図示を省略している。
図6に戻り、THz波の電気光学サンプリングの原理に基づき、追加的な説明をする。
αがZnTe結晶の(110)軸に対するTHzビーム偏光の角度である場合、電気光学サンプリング信号は√(1+3・cosα)係数でTHzビーム偏光の角度に依存する。スピントロニクス層54からのTHz放射の偏光は、磁気光学撮像センサ表面と面内にあるBベクトルの成分に対して常に直交していることに留意されたい。この面内のBベクトル成分は、このスポットでのスピントロニクス層54の再磁化による撮像中に、磁気光学撮像センサ上のポンプパルススポットに対する磁石の位置および向きと共に変化している。結果として、電気光学サンプリングは、そのような再磁化によってもたらされるTHz信号の振幅および位相変動を検出し、それは磁気光学撮像センサチップでの磁気光学撮像の可能性につながる。言い換えれば、磁気光学撮像センサは常にスピントロニクス層54上の集束ポンプパルスのスポット内の現在の磁化状態を検出する。
原則として、磁気光学撮像センサの横方向の空間分解能は、ポンプ/プローブ集束光学系の光学分解能によって支配される。軸方向の分解能は電気光学サンプリングによる磁場感度に依存し、空間分解能に影響を与える。これは本実施例に示すTHz-TDS設定の場合であり、すなわち横方向解像度は劣った画像コントラストのために、言い換えると低い磁場感度のために低かった。SNRを改善するためには、実施例に示す5mW(〜0.2mJ/cm(フル−エンス:単位面積当たりのエネルギー密度))のものと比較して、はるかに高いポンプ出力が必要である。本実施例に示すスピントロニクス層54は、励起パワーとTHz出力振幅との間に線形関係(傾斜度は概ね1である)で800nmと1550nmで少なくとも4倍高い入射パワーに耐えることができる。電気光学信号もまたTHz振幅に対して線形であるので、電気光学能力信号対ノイズ比(SNR:signal-to-noise ratio)はそれに応じて改善されると予想される。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、当業者に自明な範囲内で、各種の設計変更が可能である。例えば、本発明の実施例においては電気光学サンプリングの場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、適切なオンチップ光伝導アンテナまたはスピントロニクス検出器を用いても、THz磁気光学撮像感度を改善することができる。画像収集速度に関しては、より高いポンプ/プローブ変調速度の使用はより高い画像走査速度を可能にし得る。
本発明のテラヘルツ磁気光学センサは、特に磁束漏洩検知による非破壊検査に用いて好適である。
本発明のテラヘルツ波を利用した高性能非破壊評価装置及び方法は、磁束漏洩検知による従来型の非破壊検査に用いて好適である。
本発明者の知る限りでは、THz−TDS用のエミッタ/検出器センサを内蔵した最初の磁気光学撮像装置を提案している。そのSNRを改善することによって、本発明は、NDT用途のための非常に限られた数の報告された磁気光学撮像方式への価値ある貢献となり得る。潜在的に、本発明の方式は、潜在的に達成可能な空間分解能および様々な材料への適用性に関して、それぞれファラデーおよびカー効果に基づく方式よりも有利である。
10 被測定試料
11 XYZ走査ステージ
12、21 フェムト秒レーザ
13a、13c ビームスプリッタ
13b 反射鏡
14、62 ポンプパルス
15、64 プローブパルス
16 遅延時間回路
17 励磁コイル
17b 磁気光学撮像センサ
19、44 差動光検出器(balanced photodetector)
20a ロックインアンプ
24 チョッパー
27 楕円鏡(ポンプパルス)
29(29a〜29d) ポンプパルス反射光学系
31(31a〜31i) 遅延時間調整部
33 楕円鏡(プローブパルス)
34(34a〜34d) プローブパルス反射光学系
35 磁気光学撮像チップ
36 永久磁石
37 三次元走査ステージ
38 CCDカメラ
43 ウォラストンプリズム(Wollaston prism)
50 磁気光学撮像チップ(磁気光学撮像センサ)
51 Auミラー
52 電気光学結晶層(ZnTe)
53 基板層(MgO)
54 スピントロニクス層
60 永久磁石

Claims (12)

  1. パルス幅がフェムト秒のレーザパルスを発生するフェムト秒レーザと、
    前記フェムト秒レーザパルスをポンプパルスとプローブパルスに分割するビームスプリッタと、
    測定試料と間隔を隔てて設けられた磁気光学撮像センサと、
    前記ポンプパルスを前記磁気光学撮像センサに照射するポンプパルス光照射部と、
    前記ポンプパルスが照射される前記磁気光学撮像センサに、前記プローブパルスを照射するプローブパルス光照射部と、
    前記ポンプパルスを当ててから、前記プローブパルスを照射するまでの遅延時間を変えながら測定を繰り返す遅延時間調整部と、
    前記磁気光学撮像センサに照射するポンプパルスにより発生するテラヘルツ波によって、電気光学効果によって影響を受けた前記プローブパルスの偏光変化を検出する光検出部と、
    前記磁気光学撮像センサに磁場を印加する磁場発生手段と、
    を備え、前記光検出部で検出された偏光変化から、前記測定試料の磁場の変化を検出することを特徴とするテラヘルツ磁気光学センサ。
  2. さらに、前記ポンプパルスの照射された前記磁気光学撮像センサの位置における磁場強度もしくは磁場変化を表す画像を取得する画像センサを備えることを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ磁気光学センサ。
  3. 前記磁場発生手段は、静磁場又は交流磁場を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載のテラヘルツ磁気光学センサ。
  4. 前記磁気光学撮像センサは、
    基板層と、
    前記基板層の前記ポンプパルスが入射する側に設けられたスピントロニクス層であって、前記ポンプパルスをテラヘルツ光に変換する前記スピントロニクス層と、
    前記基板層を透過した前記テラヘルツ光を反射する反射鏡層と、
    前記基板層と前記反射鏡層の間に設けられ、前記テラヘルツ光と前記プローブパルスとを相互作用させる電気光学結晶層と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のテラヘルツ磁気光学センサ。
  5. 前記スピントロニクス層は、
    鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)から選択される強磁性元素を含む強磁性体層と、
    ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)から選択される非磁性元素を含む非磁性体層と、
    を有することを特徴とする請求項4に記載のテラヘルツ磁気光学センサ。
  6. 前記基板層は、テラヘルツ波を透過する誘電体材料から選択されることを特徴とする請求項4又は5に記載のテラヘルツ磁気光学センサ。
  7. 前記テラヘルツ波を透過する誘電体材料は、MgO基板、石英基板又はシリコン基板から選択されることを特徴とする請求項6に記載のテラヘルツ磁気光学センサ。
  8. 前記電気光学結晶層は、電気光学効果を有する媒質であることを特徴とする請求項4乃至7の何れか1項に記載のテラヘルツ磁気光学センサ。
  9. 前記電気光学効果を有する媒質は、テルル化亜鉛(ZnTe)又はリン化ガリウム(GaP)から選択されることを特徴とする請求項8に記載のテラヘルツ磁気光学センサ。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項に記載のテラヘルツ磁気光学センサを用いた、被測定試料の磁束漏洩検知による非破壊検査装置。
  11. 請求項1乃至9の何れか1項に記載のテラヘルツ磁気光学センサを、被測定試料の磁束漏洩検知による非破壊検査に用いる方法。
  12. ポンプパルスを用いる磁気光学撮像センサであって、
    基板層と、
    前記基板層のポンプパルスが入射する側に設けられたスピントロニクス層であって、前記ポンプパルスをテラヘルツ光に変換する前記スピントロニクス層と、
    前記基板層を透過した前記テラヘルツ光を反射する反射鏡層と、
    前記基板層と前記反射鏡層の間に設けられた電気光学結晶層であって、前記テラヘルツ光と前記プローブパルスとを相互作用させる前記電気光学結晶層と、
    を備えることを特徴とする磁気光学撮像センサ。
JP2019188010A 2019-10-11 2019-10-11 テラヘルツ磁気光学センサ、これを用いた高性能非破壊検査装置及び方法、並びにこれに用いる磁気光学撮像センサ Active JP7297306B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019188010A JP7297306B2 (ja) 2019-10-11 2019-10-11 テラヘルツ磁気光学センサ、これを用いた高性能非破壊検査装置及び方法、並びにこれに用いる磁気光学撮像センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019188010A JP7297306B2 (ja) 2019-10-11 2019-10-11 テラヘルツ磁気光学センサ、これを用いた高性能非破壊検査装置及び方法、並びにこれに用いる磁気光学撮像センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021063704A true JP2021063704A (ja) 2021-04-22
JP7297306B2 JP7297306B2 (ja) 2023-06-26

Family

ID=75487874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019188010A Active JP7297306B2 (ja) 2019-10-11 2019-10-11 テラヘルツ磁気光学センサ、これを用いた高性能非破壊検査装置及び方法、並びにこれに用いる磁気光学撮像センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7297306B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113567388A (zh) * 2021-07-22 2021-10-29 中国电子科技集团公司第四十一研究所 一种集成电子自旋芯片的太赫兹产生模块及时域光谱系统
CN113612102A (zh) * 2021-07-30 2021-11-05 北京航空航天大学合肥创新研究院(北京航空航天大学合肥研究生院) 一种自旋太赫兹产生装置
CN113794086A (zh) * 2021-09-14 2021-12-14 中国科学院物理研究所 基于金刚石薄膜的太赫兹产生装置及其产生方法
CN114664552A (zh) * 2022-03-01 2022-06-24 电子科技大学 基于SmCo5永磁薄膜获得显著太赫兹磁导率的方法
CN114784128A (zh) * 2022-03-25 2022-07-22 国科大杭州高等研究院 一种基于蝶形天线结构的拓扑增强型碲化锑太赫兹光电探测器及其制备方法
CN115219420A (zh) * 2022-06-09 2022-10-21 云南大学 新型飞秒时域微纳空间分辨多功能磁光仪
CN116067494A (zh) * 2023-02-20 2023-05-05 中国人民解放军国防科技大学 太赫兹单发测量系统

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005037213A (ja) * 2003-07-18 2005-02-10 Tochigi Nikon Corp 検出装置及びこれを用いたイメージ化装置
WO2013111467A1 (ja) * 2012-01-26 2013-08-01 Tdk株式会社 磁気測定装置
US20190227404A1 (en) * 2016-07-20 2019-07-25 National University Of Singapore Terahertz Radiation Emitters
JP2019152501A (ja) * 2018-03-02 2019-09-12 国立大学法人福井大学 電磁波検出方法及び電磁波検出装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005037213A (ja) * 2003-07-18 2005-02-10 Tochigi Nikon Corp 検出装置及びこれを用いたイメージ化装置
WO2013111467A1 (ja) * 2012-01-26 2013-08-01 Tdk株式会社 磁気測定装置
US20190227404A1 (en) * 2016-07-20 2019-07-25 National University Of Singapore Terahertz Radiation Emitters
JP2019152501A (ja) * 2018-03-02 2019-09-12 国立大学法人福井大学 電磁波検出方法及び電磁波検出装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113567388A (zh) * 2021-07-22 2021-10-29 中国电子科技集团公司第四十一研究所 一种集成电子自旋芯片的太赫兹产生模块及时域光谱系统
CN113612102A (zh) * 2021-07-30 2021-11-05 北京航空航天大学合肥创新研究院(北京航空航天大学合肥研究生院) 一种自旋太赫兹产生装置
CN113612102B (zh) * 2021-07-30 2023-06-23 北京航空航天大学合肥创新研究院(北京航空航天大学合肥研究生院) 一种自旋太赫兹产生装置
CN113794086A (zh) * 2021-09-14 2021-12-14 中国科学院物理研究所 基于金刚石薄膜的太赫兹产生装置及其产生方法
CN114664552A (zh) * 2022-03-01 2022-06-24 电子科技大学 基于SmCo5永磁薄膜获得显著太赫兹磁导率的方法
CN114784128A (zh) * 2022-03-25 2022-07-22 国科大杭州高等研究院 一种基于蝶形天线结构的拓扑增强型碲化锑太赫兹光电探测器及其制备方法
CN114784128B (zh) * 2022-03-25 2024-04-02 国科大杭州高等研究院 一种基于蝶形天线结构的拓扑增强型碲化锑太赫兹光电探测器及其制备方法
CN115219420A (zh) * 2022-06-09 2022-10-21 云南大学 新型飞秒时域微纳空间分辨多功能磁光仪
CN116067494A (zh) * 2023-02-20 2023-05-05 中国人民解放军国防科技大学 太赫兹单发测量系统
CN116067494B (zh) * 2023-02-20 2023-10-03 中国人民解放军国防科技大学 太赫兹单发测量系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP7297306B2 (ja) 2023-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7297306B2 (ja) テラヘルツ磁気光学センサ、これを用いた高性能非破壊検査装置及び方法、並びにこれに用いる磁気光学撮像センサ
Allwood et al. Magneto-optical Kerr effect analysis of magnetic nanostructures
JP4223769B2 (ja) 測定装置
US6934068B2 (en) Magnetic field and electrical current visualization system
Bevington et al. Enhanced material defect imaging with a radio-frequency atomic magnetometer
Urs et al. Advanced magneto-optical microscopy: Imaging from picoseconds to centimeters-imaging spin waves and temperature distributions
CN108195928B (zh) 一种基于图像融合的金属磁性材料缺陷检测装置
Bulgarevich et al. Terahertz magneto-optic sensor/imager
Neudert et al. Small-amplitude magnetization dynamics in permalloy elements investigated by time-resolved wide-field Kerr microscopy
JP2004101489A (ja) 電流計測方法および電流計測装置
CN108594142B (zh) 一种磁化矢量测量方法
US7271900B2 (en) Magneto-optical imaging method and device
US11747302B2 (en) Method and system for detecting a material response
CN108333121A (zh) 一种高频磁光谱仪
Schäfer et al. Magneto-optical microscopy
CN208140907U (zh) 一种用于复杂磁畴研究的克尔显微镜
Janda et al. Voigt effect-based wide-field magneto-optical microscope integrated in a pump-probe experimental setup
CN108362765A (zh) 一种具有灵敏度选择功能的克尔显微镜
Lekavicius et al. Magnetometry Based on Silicon-Vacancy Centers in Isotopically Purified 4 H-SiC
CN208109685U (zh) 一种高频磁光谱仪
Fu et al. Measurement System of Ferromagnetic Film Magnetic Properties Based on Mazneto-optical Kerr Effect
Helsen et al. Magneto-optical spectrum analyzer
CN208568828U (zh) 一种薄膜磁性测量装置
JPH0854452A (ja) 磁場測定方法および磁場測定装置
CN208171922U (zh) 一种具有灵敏度选择功能的克尔显微镜

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230607

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7297306

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150