JPH0854452A - 磁場測定方法および磁場測定装置 - Google Patents

磁場測定方法および磁場測定装置

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JPH0854452A
JPH0854452A JP20911894A JP20911894A JPH0854452A JP H0854452 A JPH0854452 A JP H0854452A JP 20911894 A JP20911894 A JP 20911894A JP 20911894 A JP20911894 A JP 20911894A JP H0854452 A JPH0854452 A JP H0854452A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッドなどの微小素子からの磁界強度
を、簡単な構造で高精度に測定できるようにする。 【構成】 磁気ヘッド1から発せられる磁界が磁性膜1
1に与えられる。磁気ヘッド1から発せられる測定すべ
き磁界方向が、磁性膜11の磁化困難軸方向となる。発
光部20の半導体レーザ21から直線偏光の光が発せら
れ、集光レンズ24により集光されて磁性膜11に照射
される。磁気ヘッド1から磁界が与えられている部分の
磁性膜11では、直線偏光の光の偏光面がファラデー効
果またはカー効果により回転させられる。磁性膜11か
らの反射戻り光は、P波成分とS波成分とに分離され受
光素子33と34とで検出される。両受光素子からの受
光出力の差が偏光面の回転角に比例する。この回転角を
検出することにより、磁性膜11に与えられる磁界の強
度が検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドやその他の
電流を磁界に変換する素子などから生じる磁界の強度を
高精度に検出できるようにした磁場測定方法および磁場
測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ヘッドなどの微小素子から発生する
磁界の強度を検出するのは従来より非常に困難とされて
いた。一方において、最近、磁界変調記録方式の光磁気
記録装置が製品化されており、この装置に使用される磁
気ヘッドの発生磁界の強度の測定が必要となっている。
また、その他の磁気を用いた各種記録装置においても記
録動作の精密性が求められており、発生磁界の強度を測
定して、製品検査などを高精度に行うことが求められて
いる。従来、磁気ヘッドなどの微小素子から発生する磁
界の強度を測定する手段として、Iターンコイルを用い
る測定方法や、電子線を用いた測定方法が報告されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、Iターンコイ
ルを使用する磁界強度の測定では、検出感度が低く、ま
た空間分解能、特にスペーシング方向の分解能を十分に
確保できない欠点がある。また電子線を用いた測定で
は、測定に使用される装置が大がかりなものとなり設備
コストが高くなるのみならず、測定に時間がかかり、さ
らに測定しようとする磁気ヘッドなどと電子線との位置
合せが非常に難しい欠点がある。
【0004】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、磁気ヘッドやその他の微小素子から発せられる磁
界強度を高精度に測定することができ、且つ装置全体の
構造も簡単にできる磁場測定方法および磁場測定装置を
提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による磁場測定方
法は、一軸異方性を有する磁性膜の磁化困難軸方向へ測
定すべき磁界を与え、磁界が与えられている磁性膜に直
線偏光の検出光を照射し、磁性膜を経た前記検出光の偏
光面の回転角を検出することにより前記磁界の強度を測
定することを特徴とするものである。
【0006】また、本発明による磁場測定装置は、一軸
異方性を有する磁性膜と、磁性膜に磁界を与える磁界発
生部材と、磁性膜の磁界が与えられる部分に直線偏光の
検出光を照射する発光部と、磁性膜を経た前記検出光の
偏光面の回転角を検出する検出部とを有し、この検出部
にて検出される前記回転角により前記磁界発生部材から
磁性膜に与えられる磁界の強度が測定されることを特徴
とするものである。
【0007】上記において、磁界発生部材から磁性膜に
与えられる被測定磁界の方向が、磁性膜の磁化困難軸方
向であることが好ましい。
【0008】また、検出部により検出された回転角が信
号処理部により処理され、表示部に、磁性膜に与えられ
る磁界の強度が表示されるものである。
【0009】上記において、磁界発生部材は、電流を磁
界に変換する素子により構成される。
【0010】この場合に、検出部により検出された回転
角に対応する出力が信号処理部により処理され、磁界発
生部材に与えられた電流と、磁性膜に与えられる磁界の
強度との関係が表示部に表示されるものとすることが可
能である。
【0011】
【作用】上記磁場測定方法および磁場測定装置は、磁性
膜に直線偏光の検出光を与えると、磁性膜を経た光の偏
光面の回転角度が磁性膜の磁化の強さに応じて変化する
ことを利用している。直線偏光の検出光が磁性膜を透過
すると、ファラデー効果により、磁化の強さに比例して
偏光面の回転角が入射光の偏光面に対して回転する。入
射光に対する透過光の偏光面の回転角はθF(ファラデ
ー回転角)で表わされる。また、直線偏光の検出光が磁
性膜から反射されると、カー効果により、磁化の強さに
比例して偏光面の回転角が入射光の偏光面に対して回転
する。入射光に対する反射光の偏光面の回転角はθk
(カー回転角)で表わされる。
【0012】上記手段では、測定すべき磁界、すなわち
被測定物となる磁界発生部材からの磁界を磁性膜に与え
て磁性膜を磁化させ、直線偏光の検出光を磁性膜の前記
磁界が与えられている部分に照射し、磁性膜の透過光あ
るいは磁性膜からの反射光に対し前記ファラデー回転角
θFまたはカー回転角θkを検出する。これにより、磁性
膜の磁化の強さ、すなわち磁性膜に与えられる磁界の強
度を測定することが可能となる。
【0013】ここで、磁性膜としては一軸異方性を有す
るものが使用される。測定すべき磁界を磁性膜の磁化容
易軸方向へ与えると、比較的小さい磁界により磁性膜が
磁化される。ただし、この場合には磁性膜に保磁力が生
じて、外部から与えられる磁界と磁性膜の磁化との間に
ヒステリシス特性が生じ、磁性膜の保磁力により残留磁
化が生じる。
【0014】これに対し、本発明の好ましい例では、測
定すべき磁界の方向を磁性膜の磁化困難軸方向とするこ
とを特徴としている。磁性膜の磁化困難軸方向へ測定す
べき磁界Hを与えた場合、与える磁界Hが磁性膜の異方
性磁界Hk以下では、磁性膜の磁化Mと、与えられる磁
界Hの強さとが比例する。また、磁界HがHk以上とな
ると、磁性膜が飽和磁化Msとなり、磁化の強さは一定
になる。直線偏光の検出光が磁性膜に与えられると、そ
の透過光の偏光面の回転角θFまたは反射光の偏光面の
回転角θkは磁性膜の磁化の強さに比例する。したがっ
て、磁性膜に与える磁界がHk以下であれば、磁界Hの
強さは、前記回転角θFまたはθkに比例する。
【0015】上記手段では、検出部にて回転角θFまた
はθkを検出することにより、磁性膜に与えられる磁界
Hの強さを検出できることになる。この回転角の検出出
力を信号処理部にて処理し、これを表示することによ
り、被測定物となる磁界発生部材からの磁界の強度を高
精度に検出できることになる。
【0016】また、磁性膜に磁界を与える磁界発生部材
が、例えば磁気ヘッドのように電流を磁界に変換する素
子である場合に、磁界発生部材に与えられる電流値に応
じて磁性膜に与えられる磁界Hが変化する。したがっ
て、磁性膜を経た検出光の偏光面の回転角θFまたはθk
は、磁界発生部材に与えられる電流に応じて変化するこ
とになる。信号処理部では前記回転角θFまたはθkに基
づいて磁性膜の磁化Mの強さを換算し、表示部において
磁界発生部材に与えられる電流値Iiと磁性膜の磁化M
の強さ(磁性膜に与えられる磁界Hの強さ)との関係を
グラフなどにより表示することが可能である。
【0017】ここで、一定の強さの磁界を発生するもの
であって、発生磁界の強度がホール素子などを使用した
測定により予め解っている電磁石あるいは永久磁石など
の参照磁界発生体を使用し、この参照磁界を磁性膜に与
えて、磁性膜に与えられる磁界Hの強度と回転角θFま
たはθkすなわち磁性膜の磁化Mとの関係を求めてお
く。そして被測定物となる磁気ヘッド(電流を磁界に変
換する素子)から磁性膜に磁界Hを与え、そのときの回
転角θFまたはθkを測定する。この測定値と、一定の磁
界の電磁石などを使用したときのHとθF,θkまたはH
とMとの関係とから、磁気ヘッドなどに与えられる電流
値Iiと、磁気ヘッドなどから発せられる磁界Hの強度
との関係を知ることができる。信号処理部において、こ
の演算を行い、表示部に磁気ヘッドなどに与えられる電
流値Iiと、磁気ヘッドなどから発せられる磁界Hの強
度との関係として表示すれば、被測定物である磁気ヘッ
ドなどの素子の、供給電流と発生磁界との関係を測定す
ることが可能となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明について図面を参照して説明す
る。図1は本発明による磁場測定装置のブロック図であ
る。以下では、この磁場測定装置の構造および、磁場測
定装置を使用した磁場測定方法について説明する。図1
に示す例では、磁性膜に磁界Hを与える磁界発生部材と
して、電流を磁界に変換する素子すなわち磁気ヘッド1
が用いられ、磁場測定の被測定物が磁気ヘッド1となっ
ている。
【0019】図1に示す磁気ヘッド1は、例えば光磁気
記録装置において光磁気ディスクに垂直方向の磁界を与
える垂直磁界型である。その構造は、図2に示すように
I型のセンターコア1aの両側にC型のサイドコア1
b,1bが接合されて一対の磁気ギャップGが形成され
ている。コイル1cはI型コア1aに巻かれている。光
磁気ディスクなどの記録媒体を用いた記録動作では、こ
の磁気ヘッド1から記録媒体に対して垂直方向(Z方
向)への磁界が与えられる。磁場測定装置では、ガラス
基板などの透明基板10の磁気ヘッド側の面に、磁性膜
11が形成されている。磁性膜11の膜厚は数100オ
ングストローム程度である。磁性膜11は例えばCo−
Ni−Cr系合金膜などの面内磁化膜である。すなわち
磁性膜11は面方向(X方向)に一軸異方性を有してお
り、面方向(X方向)が磁化容易軸方向となっている。
よって測定すべき磁気ヘッド1からの垂直磁界方向(Z
方向)に対して、磁性膜11は磁化困難軸方向となって
いる。
【0020】磁性膜11は数100オングストローム程
度の薄いものである。薄い磁性膜11の場合には、検出
光が磁性膜11を透過し、ファラデー効果により、透過
した検出光の偏光面が入射光の偏光面に対して回転す
る。検出する偏光面の回転角をθFで示す。磁性膜11
に対する透過光を検出するものであるために、磁性膜1
1の下面にはアルミニウム(Al)などの反射膜12が
積層されている。この反射膜12は、磁性膜11の保護
膜としても機能する。反射膜12の膜厚は数100オン
グストロームである。
【0021】図1に示すように、磁界発生部材(被測定
物)である磁気ヘッド1は、X−Y−Zの三次元方向へ
の位置を変化できるステージ15上に固定されている。
磁気ヘッド1上に対し、非磁性材料のスペーサ14を介
して前記反射膜12が密着して設けられる。スペーサ1
4の厚さを、磁気ヘッド1が光磁気記録装置などに搭載
されたときの記録媒体との実際のスペーシング量に対応
させておくことにより、磁気ヘッド1が記録動作に使用
される際の記録媒体に与えられる磁界Hを測定すること
が可能である。また、スペーシングを介しての磁界Hの
強度の測定を必要としない場合には、スペーサ14を省
略してもよい。発光部20には、直線偏光の光を発生す
る発光素子として半導体レーザ21が設けられている。
この半導体レーザ21は、ケース内に半導体チップが封
入されたものである。半導体レーザ21から発せられる
発散光は、コリメートレンズ22により平行光とされ、
ビームスプリッタ23を経て、集光レンズ24により集
束され透明基板10を透過して磁性膜11に検出光とし
て照射される。
【0022】検出部30は、反射膜12から反射され、
さらにビームスプリッタ23により直角方向へ反射され
た検出光の戻り光を集束させる集束レンズ31を有して
いる。集束光の経路には、戻り光をP波成分とS波成分
とに分離する偏光ビームスプリッタ32が設けられてい
る。また戻り光のP波成分とS波成分はそれぞれ受光素
子であるピンホトダイオード33と34により受光され
る。差分出力器35では、ピンホトダイオード33にて
光電変換された検出電流とピンホトダイオード34にて
光電変換された検出電流との差となる検出電流I0が得
られる。この検出電流I0は、戻り光のP波成分の光電
変換出力とS波成分の光電変換出力の差であり、磁性膜
11でのファラデー効果による回転角、すなわち入射光
の直線偏光の偏光面に対する磁性膜11の透過光の偏光
面の回転角θFに比例したものとなる。また磁気ヘッド
1に設けられている前記コイル1cに電流を与える電流
供給部36からは、コイル1cに与える電流値Iiが検
出される。前記検出電流I0と、コイル1cに与えられ
る電流値Iiは、信号処理部41に与えられる。信号処
理部41では、検出電流I0に基づいて、磁性膜11の
磁化Mの強さ(磁性膜11に与えられる磁界Hの強さ)
が検出される。
【0023】次に、上記構造の磁場測定装置を用いた磁
場測定方法について説明する。X−Y−Zステージ15
上に、磁界発生部材(被測定部材)である磁気ヘッド1
を固定し、その上にスペーサ14を設置し、さらにその
上に透明基板10に磁性膜11と反射膜12とが積層さ
れたものを密着して設置する。ステージ15をX−Y−
Z方向へ移動して、磁気ヘッド1の磁気ギャップGの部
分を、集光レンズ24からの検出光の照射領域に一致さ
せる。そして、半導体レーザ21から発せられた直線偏
光の検出光を集束させて磁性膜11に照射する。そし
て、磁気ヘッド1から磁性膜11に磁界Hを与え、磁性
膜11を透過し反射膜12により反射された戻り光をピ
ンホトダイオード33と34とで受光する。
【0024】この実施例では、磁界発生部材である磁気
ヘッド1から磁性膜11に与えられる被検出磁界が垂直
磁界(Z方向磁界)であるのに対し、磁性膜11は面内
磁化膜であり、Z方向が磁化困難軸となっている。この
場合、図3に示すように、磁性膜11に与えられる磁界
Hの強さが磁性膜の異方性磁界Hk以下である場合に
は、磁性膜11に与えられる磁界Hの強さは、磁性膜1
1の磁化Mの大きさに比例する。また、磁界HがHk以
上となると、磁性膜11は飽和磁化Msとなり一定の値
となる。よって磁界HがHk以下の範囲では、磁気ヘッ
ド1からの垂直磁界Hの大きさと、磁性膜11の磁化M
の大きさとが比例する。磁性膜11の磁化Mの大きさ
は、磁化膜11を透過する直線偏光の光での偏光面の回
転角(ファラデー回転角)θFに比例し、この回転角θF
は検出電流I0として得ることができる。よって、信号
処理部41では、検出電流I0を検出することにより、
磁性膜11の磁化Mの大きさ、およびこれに比例する磁
気ヘッド1からの磁界Hの大きさを認識できることにな
る。
【0025】信号処理部41は、マイクロコンピュータ
などデジタル演算が可能なものが好ましく使用される。
信号処理部41がデジタル演算部である場合、検出電流
I0とコイル1cへ供給される電流値Iiはアナログ/
デジタル変換部によりデジタル値に変換されてから演算
がなされる。または電流値I0とIiは、電流/電圧変
換部により電圧値に変換され、さらにデジタル値に変換
されてからデジタル演算される。または、ピンホトダイ
オード33と34の検出電流を電流/電圧変換部により
電圧値に変換し、差分出力器35により両検出電圧の差
を出力させ、さらにこれをデジタル変換してから信号処
理部41にてデジタル演算してもよい。これらの演算結
果はディスプレイを備えた表示部43により表示され
る。または検出された電流I0とIiに対し、信号処理
部41においてアナログ回路により処理し、これをシン
クロスコープなどの表示部43に直接表示してもよい。
【0026】信号処理部41による処理方法と表示部4
3での表示方法として、まず単純に磁気ヘッド1のコイ
ル1cに与えられる電流値Iiを予め決められていた比
例直線に基づいて連続的に増加させていき、このときの
検出電流I0を表示部43の画面上にてレベル表示しま
たは表示部43にて数値表示することが可能である。こ
れにより、コイル1cに与えられる電流値Iiの増加に
対する磁性膜11の磁化Mの増加傾向(発生磁界Hの増
加傾向)を知ることができる。
【0027】また、磁性膜11に与えられる磁界Hに対
する磁性膜11の磁化Mの応答性が非常に速いものであ
るため、コイル1cに交流電流を与え、磁気ヘッド1に
より交流磁界Hを発生させると、高い応答性で検出電流
I0を変化させることができる。よって、交流により検
出される電流I0を、信号処理部41によりデジタル処
理あるいはアナログ処理して、表示部43の画面(アナ
ログ処理の場合にはシンクロスコープ画面など)に表示
すれば、交流磁界Hの強度変化を知ることができ、また
交流磁界の強度(振幅)を測定することも可能である。
さらに、予め磁界強度が解っている参照磁界を使用する
ことにより、コイル1cに供給される電流値Iiに対す
る磁気ヘッド1の発生磁界Hの関係を知ることが可能で
ある。
【0028】この場合の参照磁界発生体としては、一定
強度の磁界を発生するものであって、且つホール素子な
どを用いた測定によって予め前記磁界の大きさが解って
いる電磁石や永久磁石などが使用される。この参照磁界
発生体を図1に示す磁気ヘッド1の代わりに設置し、磁
性膜11に一定の磁界を与える。このとき、磁界強度を
比例的に変えた複数段の強度の参照磁界を磁性膜11に
与えることが好ましい。この参照磁界を磁性膜11に与
えて、検出電流I0を得る。予め解っている参照磁界発
生体の参照磁界Hと、検出電流I0とから、図5(イ)
に示すように、磁性膜11に与えられる磁界Hの大きさ
と検出電流I0との関係線図が得られる。
【0029】この磁界Hの大きさと検出電流I0との関
係(図5の(イ))をデジタル値として記憶部42に記
憶させておく。次に、被測定物(磁界発生部材)である
磁気ヘッド1を図1に示すように設置し、磁気ヘッド1
のコイル1cに与える電流値Iiを直線的に増加してい
き、そのときの検出電流I0の変化を検出する。信号処
理部41によりデジタル演算処理することにより、図5
(ロ)に示すように、コイル1cへの供給電流値Iiと
回転角θFに基づく検出電流I0との関係が求められる。
ここで記憶部42に記憶されている図5(イ)で示す検
出電流I0と磁界Hとの関係を参照する。磁気ヘッド1
を設置して検出された図5(ロ)の検出電流I0に対
し、図5(イ)での磁界Hを当てはめることにより、図
5(ハ)で示す電流Iiと磁界Hとの関係を求めること
ができる。
【0030】以上の演算処理は、例えば参照磁界発生体
を用いたときの測定で、検出電流I0を磁界Hの関数と
して求める。次に被測定物である磁気ヘッド1を設置し
て検出電流I0を得たとき、I0をIiの関数として求め
る。両関数からI0を消去することにより、コイル1c
への電流値Iiと磁界Hとの関係を算出できる。これを
表示部43の画面に表示したのが図5(ハ)である。図
5(ハ)に示すように、コイル1cに与える電流値Ii
と磁気ヘッド1から発せられる磁界Hとの関係を知るこ
とにより、磁気ヘッドそのものの電流−磁界特性を知る
ことができ、磁気ヘッドの磁気特性の評価が可能にな
る。
【0031】また、参照磁界発生体を用いることによ
り、図5(ハ)に示すように、電流値Iiの直線的な変
化に対する発生磁界Hの変化を知ることができるのみな
らず、コイル1cに交流電流Iiを与えたときの、この
交流電流Iiに対する発生磁界Hの変化の関係を知るこ
とも可能である。また、磁性膜11の飽和磁界Msを、
磁気ヘッド1のコアの飽和磁界よりも大きくしておく
と、図4に示すように、コイルへの電流値Iiに対する
磁気ヘッド1からの発生飽和磁界Hsを知ることも可能
である。コイルへの電流値Iiに対する発生磁界Hの変
化、および飽和磁界Hsを知ることにより、磁気ヘッド
の特性を十分に把握できる。
【0032】この磁場測定装置および測定方法では、検
出できる磁界Hの空間分解能が、集光レンズ24により
集束されて磁性膜11に照射される検出光のスポット径
とスペーサ14の厚さの精度とで決められる。スポット
サイズは半導体レーザ21の発光波長に比例し、集光レ
ンズ24の開口数NAに反比例するが、スポット径を1
μm程度とすることは可能である。スペーサ14の厚さ
は数μmであるため、磁界Hはμm立方程度の空間内で
の分解能にて検出することができる。
【0033】次に、図1に示したのと逆に、磁界発生部
材である磁気ヘッドあるいはその他の素子の面内磁界成
分(X方向の磁界成分)を検出する場合には、磁性膜1
1として垂直磁化膜が使用され、磁界測定方向であるX
方向が磁化困難軸とされる。この垂直磁化膜としては、
Gd−Co系磁性膜、またはTb−Fe−Co系磁性膜
などが使用される。また、磁性膜11が検出光を反射す
るものである場合には、反射膜12は不要であり、また
偏光面の回転角はカー回転角θkとして検出される。た
だし検出電流I0は図1と同様に、ピンホトダイオード
33と34との出力値の差から求めることができる。
【0034】以上のように、本発明の磁場測定装置およ
び磁場測定方法では、磁気ヘッドなどの微小素子から発
せられる磁界の強度を高精度にて測定することが可能で
ある。また、この磁場測定装置を使用して、電流変換器
を構成することが可能である。この電流変換器は、磁気
ヘッド1などのような電流を磁界に変換する素子と、こ
の素子からの磁界が与えられる一軸異方性の磁性膜11
と、この磁性膜11に直線偏光の検出光を与える発光部
20と、磁性膜11を透過したまたは磁性膜11から反
射された光の偏光面の入射光の偏光面に対する回転角
(θFまたはθk)を検出し回転角に応じた検出電流I0
を得る検出部30とから構成される。
【0035】この電流変換器では、磁気ヘッド1などの
磁界発生素子1のコイルなどに所定の電流値Iiを与え
ると、この電流値Iiに関連した検出電流I0が得られ
る。IiとI0との関係は、磁気ヘッド1などの磁界発
生素子の磁気特性と、磁性膜11の磁化特性に応じたも
のとなる。また電流IiとI0から、電流値に比例する
電圧ViとV0との関係を得る変換器とすることも可能
である。この変換器において、Iiを入力信号、I0を
出力信号とすると、ノイズカットフィルタとして使用す
ることができる。または磁気ヘッド1などの磁界発生素
子のインピーダンスを加味した高周波信号の変換装置、
あるいは高周波信号のノイズフィルタなどとして使用す
ることが可能となる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明による磁場測定方
法および磁場測定装置では、磁気ヘッドなどの微小素子
から発せられる磁界の強さの変化を高精度な電気信号と
して検出することが可能である。特に、磁性膜の磁化困
難軸方向を、測定すべき磁界方向とすることにより、磁
性膜に与えられる磁界の強度と偏光面の回転角に基づく
出力とを比例関係にすることができる。
【0037】また信号処理部と表示部を設けることによ
り、磁性膜に与えられる磁界の強度や磁性膜の磁化状態
を表示できるのみならず、磁界発生部材に与えられる電
流と、磁界発生部材から磁性膜に与えられる磁界の大き
さとの関係などを表示することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁場測定方法を示す構成ブロック
図、
【図2】磁界発生部材である磁気ヘッドと磁性膜との関
係を示す拡大正面図、
【図3】磁性膜に与えられる磁界と磁性膜の磁化との関
係を示す線図、
【図4】磁界発生部材である磁気ヘッドに与えられる電
流と磁性膜に与えられる磁界との関係を示す線図、
【図5】(イ)(ロ)(ハ)は、表示部に表示された測
定線図の説明図、
【符号の説明】
1 磁界発生部材(磁気ヘッド) 10 透明基板 11 磁性膜 12 反射膜 20 発光部 30 検出部 35 差分出力器 41 信号処理部 43 表示部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一軸異方性を有する磁性膜の磁化困難軸
    方向へ測定すべき磁界を与え、磁界が与えられている磁
    性膜に直線偏光の検出光を照射し、磁性膜を経た前記検
    出光の偏光面の回転角を検出することにより前記磁界の
    強度を測定することを特徴とする磁場測定方法。
  2. 【請求項2】 一軸異方性を有する磁性膜と、磁性膜に
    磁界を与える磁界発生部材と、磁性膜の磁界が与えられ
    る部分に直線偏光の検出光を照射する発光部と、磁性膜
    を経た前記検出光の偏光面の回転角を検出する検出部と
    を有し、この検出部にて検出される前記回転角により前
    記磁界発生部材から磁性膜に与えられる磁界の強度が測
    定されることを特徴とする磁場測定装置。
  3. 【請求項3】 磁界発生部材から磁性膜に与えられる被
    測定磁界の方向が、磁性膜の磁化困難軸方向である請求
    項2記載の磁場測定装置。
  4. 【請求項4】 検出部により検出された回転角が信号処
    理部により処理され、表示部に磁性膜に与えられる磁界
    の強度が表示される請求項2または3記載の磁場測定装
    置。
  5. 【請求項5】 磁界発生部材が、電流を磁界に変換する
    素子である請求項2または3記載の磁場測定装置。
  6. 【請求項6】 検出部により検出された回転角に対応す
    る出力が信号処理部により処理され、磁界発生部材に与
    えられた電流と、磁性膜に与えられる磁界の強度との関
    係が表示部に表示される請求項5記載の磁場測定装置。
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KR100425770B1 (ko) * 2002-04-23 2004-04-01 전자부품연구원 미소 반사체의 회전각도 측정장치
JP2012193981A (ja) * 2011-03-15 2012-10-11 Shinshu Univ センサおよびその調整方法
CN110596620A (zh) * 2019-10-12 2019-12-20 致真精密仪器(青岛)有限公司 一种用于磁光克尔测量仪器的磁场发生装置
CN112530835A (zh) * 2019-09-18 2021-03-19 东京毅力科创株式会社 成膜系统、磁化特性测量装置和成膜方法

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