JP2007106653A - 磁気光学素子用結晶及びそれを用いた磁気光学素子並びに磁界検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の磁気光学素子用結晶と比較して高い磁界感度を有する磁気光学素子用結晶を提供すると共に、その磁気光学素子用結晶を用いた磁気光学素子並びに磁界検出装置を提供する。
【解決手段】化学式Y3−xCexFe5O12(式中、0<x<3である。)又は化学式Y3−xCexFe5ーyAyO12(式中、Aは3族元素を示し、0<x<3、0<y<3である。)で表される磁気光学素子用結晶を用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】化学式Y3−xCexFe5O12(式中、0<x<3である。)又は化学式Y3−xCexFe5ーyAyO12(式中、Aは3族元素を示し、0<x<3、0<y<3である。)で表される磁気光学素子用結晶を用いる。
【選択図】 図1
Description
本発明はファラデー効果を有する磁気光学素子用結晶及びそれを用いた磁気光学素子、並びにその磁気光学素子を用いて磁界を検出し、その磁界強度を測定する磁界検出装置に関するものである。
携帯電話に使用されている集積回路等の故障箇所を検出する方法やそのような集積回路等が通常の仕様通りに作成されているかを確認する方法として、光を用いて集積回路内を流れる電流の周りに発生する磁界強度を測定する方法が提案されている。すなわち、磁束密度の変化を、磁気光学素子のファラデー効果(磁化した結晶中を直線偏光が透過したときに、偏光面が回転する現象)を利用して偏光面の回転角の変化として検出することにより、集積回路等の故障箇所などを検出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、以下に示すようにして集積回路等の故障箇所などを検出することができる。図13に示すように、矢印510で示すレーザー光線が磁気光学素子用結晶540に入射すると、そのレーザー光線は磁気光学素子用結晶540内に侵入する。すると、そのレーザー光線は、磁気光学素子用結晶540の下面で反射されると共に、ファラデー効果により、磁気光学素子用結晶540の下方に位置する集積回路等520の磁界の強さに応じて偏光面が回転し、矢印530で示すように出てくる。そして、入射したレーザー光線の偏光面と出てきたレーザー光線の偏光面との間の回転角を測定することによって、集積回路等の配線550の配置や集積回路等の故障箇所などを検出することができる。
しかしながら、従来のこのような方法に用いられる磁気光学素子用結晶540は、硫化ユウロピウム(EuS)、イットリウム・鉄・ガーネット(YIG)、カルシウムを添加したイットリウム・鉄・ガーネット(Y3−xCaxFe2(Fe3−xSix)O)、Bi1.3Gd0.1La0.1Y1.5Fe4.4Ga0.6O12などであり、その磁界感度が充分ではないという問題があった。特に、携帯電話等で使用されている集積回路の故障箇所を検出するには140dBm程度の感度が必要となるが、上述した磁気光学素子用結晶は110dBm以下の感度しかなく、磁界感度が不十分であるという問題があった。
一方、集積回路等の故障箇所や集積回路等が通常の仕様通りに作成されているかを確認する方法として、渦電流探傷法が知られている(例えば、特許文献2参照)。この方法は、コイルが発生する交番磁界により集積回路などの被探傷部材に渦電流を発生させ、その傷の存在により乱れる前記渦電流に起因する磁束密度の変化を検知することで集積回路等の故障箇所など検出するものである。この方法では、携帯電話等で使用されている集積回路の故障箇所などを検出するのに充分な感度を得ることができるが、交番磁界を発生させるコイルの幅よりも狭い配線からなる回路に用いると、そのような集積回路等の故障箇所を特定することができないという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑み、従来の磁気光学素子用結晶と比較して高い磁界感度を有する磁気光学素子用結晶を提供すると共に、その磁気光学素子用結晶を用いた磁気光学素子並びに磁界検出装置を提供することを目的とする。
本発明者は、化学式Y3−xCexFe5O12(式中、0<x<3である。)又は化学式Y3−xCexFe5ーyAyO12(式中、Aは3族元素を示し、0<x<3、0<y<3である。)で表される物質に関する研究を通じて、これらの物質が高い磁界感度を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、化学式Y3−xCexFe5O12(式中、0<x<3である。)又は化学式Y3−xCexFe5ーyAyO12(式中、Aは3族元素を示し、0<x<3、0<y<3である。)で表されることを特徴とする磁気光学素子用結晶にある。
かかる第1の態様では、高い磁界感度を有する磁気光学素子用結晶を提供することができる。
本発明の第2の態様は、請求項1に記載の磁気光学素子用結晶からなることを特徴とする磁気光学素子にある。
かかる第2の態様では、高い磁界感度を有する磁気光学素子を提供することができる。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の磁気光学素子からなる薄膜の縁部に前記磁気光学素子用結晶より高い透磁率を有する物質を設けたことを特徴とする磁気光学素子にある。
かかる第3の態様では、より高い磁界感度を有する磁気光学素子を提供することができる。
本発明の第4の態様は、検査部材の表面と相対向する端面に反射膜を設けた請求項2又は3に記載の磁気光学素子と、光源からの光を前記反射膜に向けて前記磁気光学素子に入射させる入射用光ファイバと、反射膜で反射した反射光を検光子に入射させる出射用光ファイバと、前記検光子の出力光を電気信号に変換する光電変換素子と、この光電変換素子の出力信号を処理して前記反射光の偏光面の回転角に基づき前記被検査部材の磁界を検出する演算処理手段とを有することを特徴とする磁界検出装置にある。
かかる第4の態様では、検査部材の磁界に関する高精度の情報を得ることができる。
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載の磁界検出装置において、フェルールを介して、前記磁気光学素子と、前記入射用光ファイバ及び前記出射用光ファイバの少なくとも一方とを接続することを特徴とする磁界検出装置にある。
かかる第5の態様では、光ファイバから入射される入射光及び磁気光学素子から出射される出射光の減衰を防止することができると共に、より強固に光ファイバに磁気光学素子用結晶を固定することができる。
本発明の第6の態様は、第4又は5の態様に記載の磁界検出装置において、入射用光ファイバと出射用光ファイバとを1本の光ファイバで形成すると共にその光路の途中にサーキュレータを介在させ、光源からサーキュレータを介して磁気光学素子に光を入射させると共に、サーキュレータを介してこの磁気光学素子からの反射光を検光子に入射させるようにしたことを特徴とする磁界検出装置にある。
かかる第6の態様では、安価に且つ容易に磁界検出装置を製造することができる。
本発明の第7の態様は、第4〜6の態様に記載の磁界検出装置の何れかにおいて、前記光ファイバの出力光が前記検光子の位置で直線偏光となるように調整した偏光子を光ファイバで形成する光路の途中に配設したことを特徴とする磁界検出装置にある。
かかる第7の態様では、容易に偏光面の回転角を計測することができる。
本発明の第8の態様は、第4〜6の態様に記載の磁界検出装置の何れかにおいて、前記光ファイバを偏波保持ファイバで形成したことを特徴とする磁界検出装置にある。
かかる第8の態様では、容易に変更目の回転角を計測することができる。
本発明の第9の態様は、第4〜8に記載の磁界検出装置の何れかにおいて、前記反射光を前記出射用光ファイバの入射端面に集光させるように前記反射膜で形成する反射面を曲面としたことを特徴とする磁界検出装置にある。
かかる第9の態様では、磁界感度を向上させることができる。
本発明の第10の態様は、検査部材の表面と相対向する端面に反射膜を設けた請求項2又は3に記載の磁気光学素子と、第1の光源からの光を前記反射膜に向けて前記磁気光学素子に入射させる第1の入射用光ファイバと、反射膜で反射した反射光を第1の検光子に入射させる第1の出射用光ファイバと、前記第1の検光子の出力光を電気信号に変換する第1の光電変換素子と、第2の光源からの光を前記反射膜に向けて前記磁気光学素子に入射させる第2の入射用光ファイバと、反射膜で反射した反射光を第2の検光子に入射させる第2の出射用光ファイバと、前記第2の検光子の出力光を電気信号に変換する第2の光電変換素子と、第1及び第2の光電変換素子の出力信号を処理して前記反射光の偏光面の回転角に基づき前記被検査部材の磁界を検出する演算処理手段とを有することを特徴とする磁界検出装置にある。
かかる第10の態様では、検査部材の磁界に関するより高精度の情報を得ることができる。
本発明の第11の態様は、第10の態様に記載の磁界検出装置において、第1のフェルールを介して、前記磁気光学素子と、前記第1の入射用光ファイバ及び前記第2の出射用光ファイバの少なくとも一方とを接続すると共に、第2のフェルールを介して、前記磁気光学素子と、前記第2の入射用光ファイバ及び前記第2の出射用光ファイバの少なくとも一方とを接続することを特徴とする磁界検出装置にある。
かかる第11の態様では、光ファイバから入射される入射光及び磁気光学素子から出射される出射光の減衰を防止することができると共に、より強固に光ファイバに磁気光学素子用結晶を固定することができる。
本発明の第12の態様は、第10又は11の態様に記載の磁界検出装置において、第1の入射用光ファイバと第1の出射用光ファイバとを1本の光ファイバで形成すると共にその光路の途中に第1のサーキュレータを介在させ、光源から第1のサーキュレータを介して磁気光学素子に光を入射させると共に、この磁気光学素子からの反射光をサーキュレータを介して第1の検光子に入射させるようにし、且つ第2の入射用光ファイバと第2の出射用光ファイバとを1本の光ファイバで形成すると共にその光路の途中に第2のサーキュレータを介在させ、光源から第2のサーキュレータを介して磁気光学素子に光を入射させると共に、この磁気光学素子からの反射光をサーキュレータを介して第2の検光子に入射させるようにしたことを特徴とする磁界検出装置にある。
かかる第12の態様では、安価に且つ容易に磁界検出装置を製造することができる。
本発明の第13の態様は、第10〜12の態様に記載の磁界検出装置の何れかにおいて、前記第1の光ファイバの出力光が前記第1の検光子の位置で直線偏光となるように調整した第1の偏光子を光ファイバで形成する光路の途中に配設すると共に前記第2の光ファイバの出力光が前記第2の検光子の位置で直線偏光となるように調整した第2の偏光子を光ファイバで形成する光路の途中に配設したことを特徴とする磁界検出装置にある。
かかる第13の態様では、容易に偏光面の回転角を計測することができる。
本発明の第14の態様は、第10〜13の態様に記載の磁界検出装置の何れかにおいて、前記第1の光ファイバを偏波保持ファイバで形成すると共に、前記第2の光ファイバを偏波保持ファイバで形成したことを特徴とする磁界検出装置にある。
かかる第14の態様では、容易に偏光面の回転角を計測することができる。
本発明の第15の態様は、第10〜14の態様に記載の磁界検出装置の何れかにおいて、前記第1の反射光を前記第1の出射用光ファイバの入射端面に集光させると共に前記第2の反射光を前記第2の出射用光ファイバの入射端面に集光させるように前記反射膜で形成する反射面を曲面としたことを特徴とする磁界検出装置にある。
かかる第15の態様では、磁界感度を向上させることができる。
本発明の第16の態様は、被検査部材の表面と相対向する端面に反射膜を設けた請求項2又は3に記載の磁気光学素子と、光源からの光を前記磁気光学素子の表面を走査するように前記反射膜向けて前記磁気光学素子に入射させる走査手段と、反射膜で反射した反射光を検出する検光子と、前記検光子の出力光を電気信号に変換する光電変換素子と、この光電変換素子の出力信号を処理して前記反射光の偏光面の回転角に基づき前記被検査部材の磁界を検出する演算処理手段とを有することを特徴とする磁界検出装置にある。
かかる第16の態様では、検査部材に対する磁気光学素子10の位置を相対的にそれ程移動させることなく、検査部材の広範囲の磁界に関する高精度の情報を効率的に得ることができる。
本発明の磁気光学素子用結晶は、化学式Y3−xCexFe5O12(式中、0<x<3である。)で表されるものであるが、xの値がより大きなものが好ましい。xの値が大きいもの方が、より感度よく磁界の変化を検出することができる。
同様に、本発明の磁気光学素子用結晶は、化学式Y3−xCexFe5ーyAyO12(式中、Aは3族元素を示し、0<x<3、0<y<3である。)で表されるものであるが、xの値がより大きなものが好ましく、特にAがガリウム(Ga)であるものが好ましい。xの値が大きい方がより感度よく磁界の変化を検出することができ、Aがガリウムであるものが、さらにより感度よく磁界の変化を検出することができる。
なお、本発明の磁気光学素子用結晶の製造方法は特に限定されないが、フローティングゾーン法(FZ法)又は液相エピタキシー法が好ましい。
本発明に係る磁気光学素子用結晶及びそれを用いた磁界検出装置及び磁界検出方法によると、従来の磁気光学素子用結晶と比較して高い磁界感度を有する磁気光学素子用結晶を提供すると共に、その磁気光学素子用結晶を用いた磁気光学素子並びに磁界検出装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
(実施形態1)
<磁気光学素子用結晶>
本発明の磁気光学素子用結晶である化学式Y3−xCexFe5O12(式中、0<x<3である。)及び化学式Y3−xCexFe5ーyAyO12(式中、0<x<3、0<y<3である。)を製造するには、CeO2、Y2O3、Fe2O3、Ga2O3などの酸化物粉末を所定の比率で混合後、棒状にプレスして棒状体とする。得られた棒状体を酸素気流中1400〜1500℃で1〜10時間燒結して、理論密度に対して85〜95%の密度を有する焼結棒を作製する。そして得られた焼結棒から磁気光学素子用結晶を作製する。
<磁気光学素子用結晶>
本発明の磁気光学素子用結晶である化学式Y3−xCexFe5O12(式中、0<x<3である。)及び化学式Y3−xCexFe5ーyAyO12(式中、0<x<3、0<y<3である。)を製造するには、CeO2、Y2O3、Fe2O3、Ga2O3などの酸化物粉末を所定の比率で混合後、棒状にプレスして棒状体とする。得られた棒状体を酸素気流中1400〜1500℃で1〜10時間燒結して、理論密度に対して85〜95%の密度を有する焼結棒を作製する。そして得られた焼結棒から磁気光学素子用結晶を作製する。
このように作製された焼結棒から磁気光学素子用結晶を製造する方法は特に限定されないが、フローティングゾーン法(FZ法)又は液相エピタキシー法が好ましい。
例えば、フローティングゾーン法によると、種結晶として[111]方向に伸びたイットリウム鉄ガーネット(YIG)単結晶を用い、種結晶の先端に焼結棒と同様にして作製した溶剤を取り付け、純酸素を導入しながら昇温して溶剤を溶解させると共に焼結棒の先端部を昇温して融解させる。そして、焼結棒の先端部に種結晶を接合させた後、焼結棒と種結晶とを速度0.5〜5mm/hの速度で下方に移動させることにより、磁気光学素子用結晶が得られる。
このように製造された磁気光学素子用結晶は、高い磁界感度を有するので、この磁気光学素子用結晶を用いることにより、高い磁界感度を有する磁気光学素子を提供することができる。
<磁気光学素子>
図1は、本実施形態に係る磁気光学素子用結晶を用いた磁気光学素子の一例を示す。図1に示すように、本実施形態の磁気光学素子10は上述した磁気光学素子用結晶5を具備し、磁界を検出する検査部材の表面と相対向する磁気光学素子用結晶5の一方の端面5aに反射膜11が設けられている。反射膜11は、磁気光学素子用結晶5の他端面5bから入射する入射光の偏光面を回転させると共に、その反射光を他端面5bから出射することができるようになっている。すなわち、かかる入射光は磁気光学素子用結晶5のファラデー効果により検査部材の磁界の強さに応じて偏光面が回転して反射されるようになっている。
図1は、本実施形態に係る磁気光学素子用結晶を用いた磁気光学素子の一例を示す。図1に示すように、本実施形態の磁気光学素子10は上述した磁気光学素子用結晶5を具備し、磁界を検出する検査部材の表面と相対向する磁気光学素子用結晶5の一方の端面5aに反射膜11が設けられている。反射膜11は、磁気光学素子用結晶5の他端面5bから入射する入射光の偏光面を回転させると共に、その反射光を他端面5bから出射することができるようになっている。すなわち、かかる入射光は磁気光学素子用結晶5のファラデー効果により検査部材の磁界の強さに応じて偏光面が回転して反射されるようになっている。
ここで、この磁気光学素子用結晶5の端面5aは、反射光を集光させることができるように反射膜11の反射面を曲面として形成してある。この反射膜11は入射光を効率よく反射することができるものであれば特に限定されないが、金属膜(例えば金など)又は誘電体多層膜(SiO2/Ta2O5)で形成するのが好ましい。
また、この磁気光学素子用結晶5の端面5aに設けられた反射膜11を覆うように保護膜を設けてもよい。かかる保護膜を設けることにより、磁気光学素子用結晶5の耐久性を高めることができる。保護膜としては、例えばテフロン、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、紫外線硬化樹脂からなるものが挙げられる。なお、保護膜の厚さは特に限定されないが、10〜20μmの範囲のものが好ましい。
さらに、磁気光学素子用結晶5を磁界検出装置等に取り付ける場合において、入射光に対する磁気光学素子用結晶5の結晶軸の方向は特に限定されないが、入射光に対して結晶軸<111>が垂直方向になるように磁界検出装置等に取り付けるのが好ましい。この磁気光学素子結晶5の磁化容易軸は結晶軸<111>であるので、結晶軸<111>が入射光に対して垂直方向になるように取り付けることにより、磁壁抗磁力による感度の低下を防止することができる。
このように製造された磁気光学素子10は高い磁界感度を有するので、この磁気光学素子10を用いることにより、高精度の磁界検出装置を提供することができる。
なお、磁気光学素子用結晶の磁界感度は、結晶の形状を変化させることにより、より高感度にすることができる。具体的には、(光透過・被測定磁界方向)/(結晶の面積)の値が大きくなるように本発明の磁気光学素子用結晶の形状を変化させることにより、反磁界係数を小さくさせることができるので、磁界感度をより高感度にすることができる。
<磁界検出装置>
次に、上述した磁気光学素子10を用いた磁界検出装置について説明する。図2は、本実施形態に係る磁気光学素子10を用いた磁界検出装置を示す概略図であり、図3は図2に示すAの部分の拡大概略図である。図2及び図3に示すように、磁界検出装置1を構成する磁気光学素子10は、フェルール20を介して光ファイバ30の一端と接続されており、光ファイバ30及びフェルール20を介して入射する入射光の反射光を、光ファイバ30及びフェルール20を介して出射するようになっている。このように、フェルール20を介して光ファイバ30と磁気光学素子10とを接続することにより、光ファイバ30から入射される入射光及び磁気光学素子10から出射される出射光の減衰を防止することができる。さらに、図3に示すように、フェルール20は光ファイバ30と比べて端面の面積が大きく、磁気光学素子10の端面の全体を用いて磁気光学素子10とフェルール20とを接続させることができるので、光ファイバ30と磁気光学素子10を直接接続するよりも強固に光ファイバ30に磁気光学素子10を固定することができる。
次に、上述した磁気光学素子10を用いた磁界検出装置について説明する。図2は、本実施形態に係る磁気光学素子10を用いた磁界検出装置を示す概略図であり、図3は図2に示すAの部分の拡大概略図である。図2及び図3に示すように、磁界検出装置1を構成する磁気光学素子10は、フェルール20を介して光ファイバ30の一端と接続されており、光ファイバ30及びフェルール20を介して入射する入射光の反射光を、光ファイバ30及びフェルール20を介して出射するようになっている。このように、フェルール20を介して光ファイバ30と磁気光学素子10とを接続することにより、光ファイバ30から入射される入射光及び磁気光学素子10から出射される出射光の減衰を防止することができる。さらに、図3に示すように、フェルール20は光ファイバ30と比べて端面の面積が大きく、磁気光学素子10の端面の全体を用いて磁気光学素子10とフェルール20とを接続させることができるので、光ファイバ30と磁気光学素子10を直接接続するよりも強固に光ファイバ30に磁気光学素子10を固定することができる。
ここで、フェルール20は光ファイバ30と磁気光学素子10とを接続することができ、上述したように入射光と出射光とを減衰させることなく光ファイバ30又は磁気光学素子10に導くことができるものであれば特に限定されない。
光ファイバ30は入射光及び反射光を導くことができるものであれば特に限定されないが、シングルモード光ファイバが好ましく、シングルモード光ファイバの端部のコア径を拡大したTEC光ファイバ(商品名)が特に好ましい。TEC光ファイバは開口(NA)が小さく、その分反射光を効率よく入射させることができる。
光源50は出射用の光を発生することができるものであれば特に限定されないが、例えば波長が1.55、1.3、0.8μm、出力が1〜4mWのレーザダイオードで構成したものが好ましい。
光アンプ51は、光源50が出射した光を増幅するものであれば特に限定されず、必要に応じて設ければよい。λ/2板52、λ/4板53は光ファイバ30に伝送される光の偏光状態を調節するものであれば特に限定されず、光ファイバ30内を伝送中に種々の原因、例えば光ファイバ30の振動等で乱れる偏光状態を調整し、検光子60に入射する光が直線偏光になるようにするためのものである。
サーキュレータ40は光源50の光を磁気光学素子10に向けて案内するとともに、磁気光学素子10で反射した反射光を検光子60に向けて案内するものであれば特に限定されない。したがって、本実施形態のように、サーキュレータ40を光路の途中に介在させることにより、磁気光学素子10に光を入射させる光路と磁気光学素子10で反射した光を導出する光路とを兼用することができる。すなわち、光ファイバ30が1本で済むことになる。
検光子60は上述した反射光及びその偏光面の向きを検出することができるものであれば特に限定されない。なお、本実施形態では、検光子60は検査部材100の磁束密度の変化が最大になる角度(透過光に対して45度)に設定してある。すなわち、図4に示すように、検査部材100に磁界が発生していないときに45度とし、この45度を中心とする直線部分を利用するように調整してある。
光電変換素子61は、検光子60を透過した光をその強度を表す電気信号に変換するものであれば特に限定されないが、フォトダイオードで構成したものが好ましい。
演算処理装置62は光電変換素子61の出力信号を処理して出射光の偏光面と反射光の偏向面との間の回転角に基づいて検査部材100の磁界を検出することができるものであれば特に限定されない。具体的な構成は種々のものが考えられるが、特定の周波数の信号のレベルを検出するスペクトラムアナライザ又はロックインアンプの機能を最低限度有するものであればよい。ここで、例えば集積回路の各種の傷に対してその性状(貫通傷、表面からの亀裂、裏面からの亀裂等)に関するデータベース、傷の深さと信号レベルとの相関関係を表すデータベースを構築しておき、これらのデータベースを前記信号の処理の際に参照することにより傷の性状及び傷の深さ等のデータも得ることができる。
表示装置63は演算処理装置62が処理したデータを可視化して表示することができるものであれば特に限定されない。表示されるデータとしては、例えば、集積回路の配線図、集積回路の傷の位置及び形状等が挙げられる。
かかる磁界検出装置1において、光源50から出射する光は、光アンプ51、λ/2板52、λ/4板53、サーキュレータ40を介して磁気光学素子10に入射するとともに、磁気光学素子10の反射膜11(図1参照)で反射されて検光子60に至る。このとき、検光子60を透過する偏光は、磁気光学素子10が置かれた磁界の影響を受け、その磁束密度に応じて偏光面が回転する。したがって、検査部材100により磁界が乱された場合、それは偏光面の回転角の変化として反映される。この結果、検光子60の出力光を光電変換素子61で変換して得る電気信号は検査部材100の磁界の情報を含む信号となる。この電気信号を適正に処理することで検査部材100の磁界の情報を得ることができる。
このときの検査部材100の磁界に関する分解能は、磁気光学素子10に依存するので、高い磁界感度を有する本発明の磁気光学素子用結晶5を用いた本実施形態の磁界検出装置1によれば、検査部材100の磁界に関する高精度の情報を得ることができる。
(実施形態2)
実施形態1では、上述したようにして磁界検出装置1を構成したが、図5及び図6に示すように実施形態1の磁界検出装置1にさらに光源50A、光アンプ51A、λ/2板52A、λ/4板53A、サーキュレータ40A、光ファイバ30A、検光子60A及び光電変換素子61Aを設けて磁界検出装置1Aを構成してもよい。図5は本実施形態に係る磁界検出装置の概略図であり、図6は図5に示すBの拡大概略図である。
実施形態1では、上述したようにして磁界検出装置1を構成したが、図5及び図6に示すように実施形態1の磁界検出装置1にさらに光源50A、光アンプ51A、λ/2板52A、λ/4板53A、サーキュレータ40A、光ファイバ30A、検光子60A及び光電変換素子61Aを設けて磁界検出装置1Aを構成してもよい。図5は本実施形態に係る磁界検出装置の概略図であり、図6は図5に示すBの拡大概略図である。
この磁界検出装置1Aでは、図6に示すように、光ファイバ30の近傍に別の光ファイバ30Aが設けられており、フェルール20、20Aを介して磁気光学素子10と光ファイバ30、30Aとがそれぞれ接続されるようになっている。したがって、本実施形態の磁界検出装置1Aを実施形態1の磁界検出装置1と同様に動作させることにより、同一磁気光学素子10の異なる2つ部分を用いて、例えば図7に示すように、検査部材100の磁界の変化を検出することができる。すなわち、検査部材100に対して同一磁気光学素子10の位置を相対的に移動させることにより、同一磁気光学素子10の異なる2つの部分を用いて検査部材100の同一箇所の磁界を測定することができる。そして、得られた検出結果の差分を取ることにより、検出結果のノイズを低減することができる。すなわち、一方の検出結果からは磁界の変化が検出され、他方の検出結果からは磁界の変化が検出されていない場合には、一方の検出結果から他方の検出結果を引くことにより、検出結果のノイズを低減することができる。また、図7に示される2つのピーク間の距離を計測することにより、集積回路の故障箇所の幅や集積回路の配線の幅等をより正確に検出することができる。さらに、図7に示される2つの信号の山の面積の差分を取ることにより、集積回路の故障箇所の深さや集積回路の配線の厚さ等をより正確に検出することができる。
ここで、フェルール20Aは、上述したフェルール20と同様に、磁気光学素子10と光ファイバ30Aとを接続することができ、入射光と出射光とを減衰させることなく光ファイバ30A又は磁気光学素子10に導くことができるものであれば特に限定されない。なお、光源50A、光アンプ51A、λ/2板52A、λ/4板53A、サーキュレータ40A、光ファイバ30A、検光子60A及び光電変換素子61Aは、実施形態1の光源50、光アンプ51、λ/2板52、λ/4板53、サーキュレータ40、光ファイバ30、検光子60及び光電変換素子61とそれぞれ同様のものであるので、それぞれの説明を省略する。
(実施形態3)
実施形態1及び2の磁界検出装置1、1Aは、検査部材100に対する磁気光学素子10の位置を相対的に移動させることにより、検査部材100の磁界の変化を検出していたが、図8に示すように、大きな表面積を有する磁気光学素子10を設け、その表面を走査するように光を出射し、磁気光学結晶から反射された反射光を検出することにより、検査部材100の磁界の変化を検出するようにしてもよい。図8は、本実施形態に係る磁界検出装置の概略図である。
実施形態1及び2の磁界検出装置1、1Aは、検査部材100に対する磁気光学素子10の位置を相対的に移動させることにより、検査部材100の磁界の変化を検出していたが、図8に示すように、大きな表面積を有する磁気光学素子10を設け、その表面を走査するように光を出射し、磁気光学結晶から反射された反射光を検出することにより、検査部材100の磁界の変化を検出するようにしてもよい。図8は、本実施形態に係る磁界検出装置の概略図である。
図8に示すように、本実施形態の磁界検出装置1Bは、実施形態1及び2と比較して大きな表面積を有する磁気光学素子10と、磁気光学素子10の表面を走査するように光を出射できる走査手段80を有している。走査手段80は、磁気光学素子10と、磁気光学素子10に光を出射するλ/4板53との間に設置され、磁気光学素子10の表面を走査するように光の向きを変えることができるようになっている。
また、本実施形態の磁界検出装置1Bは、大きな表面積を有する磁気光学素子10によって反射された光を検出することができる検光子60を有しており、走査手段80により磁気光学素子10の表面を走査するように出射された光の反射光を検出できるようになっている。
このような構成とすることにより、本実施形態の磁界検出装置1Bにおいては、検査部材100に対する磁気光学素子10の位置を相対的にそれ程移動させることなく、検査部材100の広範囲の磁界に関する高精度の情報を効率的に得ることができる。
ここで、走査手段80は、磁気光学素子10の表面を走査するように光の向きを変えることができるものであれば特に限定されない。走査手段80としては、例えば磁気光学素子10の表面に対する姿勢を変更することができるプリズムやレンズ、又は磁気光学素子10の表面に対する角度を変更することができるミラーなどが挙げられる。なお、光源50、光アンプ51、λ/2板52、λ/4板53、サーキュレータ40、光ファイバ30、検光子60及び光電変換素子61は実施形態1及び2と同様であるので、それぞれの説明を省略する。
(他の実施形態)
実施形態1又は2では、磁気光学素子10として、図1に示す磁気光学素子10を用いているが、図9に示すように、磁気光学素子用結晶5からなる薄膜の縁部に、磁気光学素子用結晶5の透磁率よりも高い透磁率を有する物質からなる層12をさらに設けたものを磁気光学素子として用いてもよい。図9は、本実施形態に係る磁気光学素子の概略図である。かかる磁気光学素子10Aには、薄膜の縁部に磁気光学素子用結晶5より透磁率が高い物質からなる層12が設けられているので、磁気光学素子10Aに対応する検査部材100の領域外から放出される磁束は磁気光学素子用結晶5ではなく層12を通過することになる。したがって、磁気光学素子10Aは対応する検査部材100の領域外からの磁界の影響を低減させることができるので、磁気光学素子10Aに対応する検査部材100の領域の磁界の変化をより正確に検出することができる。
実施形態1又は2では、磁気光学素子10として、図1に示す磁気光学素子10を用いているが、図9に示すように、磁気光学素子用結晶5からなる薄膜の縁部に、磁気光学素子用結晶5の透磁率よりも高い透磁率を有する物質からなる層12をさらに設けたものを磁気光学素子として用いてもよい。図9は、本実施形態に係る磁気光学素子の概略図である。かかる磁気光学素子10Aには、薄膜の縁部に磁気光学素子用結晶5より透磁率が高い物質からなる層12が設けられているので、磁気光学素子10Aに対応する検査部材100の領域外から放出される磁束は磁気光学素子用結晶5ではなく層12を通過することになる。したがって、磁気光学素子10Aは対応する検査部材100の領域外からの磁界の影響を低減させることができるので、磁気光学素子10Aに対応する検査部材100の領域の磁界の変化をより正確に検出することができる。
ここで、層12を構成する物質は、磁気光学素子用結晶5より透磁率が高いものであれば特に限定されないが、例えば強磁性(ニッケル系、コバルト系)粉末分散エポキシ樹脂などが挙げられる。
(実施例1)
<磁気光学素子用結晶>
CeO2、Y2O3、Fe2O3粉末をCe:Y:Feのモル数が0.24:2.76:5の割合になるように混合して棒状体を作製し、その棒状体を酸素気流中1400℃で10時間燒結して、理論密度に対して90%の密度を有する直径8mm、長さ60mmの焼結棒を作製した。そして、種結晶として[111]方向に伸びたイットリウム鉄ガーネット(YIG)単結晶を用い、焼結棒の先端部に種結晶を接合させた後、焼結棒と種結晶とを速度1mm/hの速度で下方に移動させて、直径8mm、長さ5cmの磁気光学素子用結晶(Ce0.24Y2.76Fe5O12)を作製した。なお、加熱装置としては赤外線集光加熱装置を用いた。
<磁気光学素子用結晶>
CeO2、Y2O3、Fe2O3粉末をCe:Y:Feのモル数が0.24:2.76:5の割合になるように混合して棒状体を作製し、その棒状体を酸素気流中1400℃で10時間燒結して、理論密度に対して90%の密度を有する直径8mm、長さ60mmの焼結棒を作製した。そして、種結晶として[111]方向に伸びたイットリウム鉄ガーネット(YIG)単結晶を用い、焼結棒の先端部に種結晶を接合させた後、焼結棒と種結晶とを速度1mm/hの速度で下方に移動させて、直径8mm、長さ5cmの磁気光学素子用結晶(Ce0.24Y2.76Fe5O12)を作製した。なお、加熱装置としては赤外線集光加熱装置を用いた。
<磁気光学素子>
次に、この磁気光学素子用結晶から、200μm角で厚さが100μmの磁気光学素子用結晶を作製すると共に、その磁気光学素子用結晶の検査部材に対向する端面に、厚さ5μmの誘電体多層膜(SiO2/Ta2O5)を設けて、磁気光学素子を作成した。
次に、この磁気光学素子用結晶から、200μm角で厚さが100μmの磁気光学素子用結晶を作製すると共に、その磁気光学素子用結晶の検査部材に対向する端面に、厚さ5μmの誘電体多層膜(SiO2/Ta2O5)を設けて、磁気光学素子を作成した。
<磁界測定装置>
磁気光学素子として、上述した磁気光学素子を用いて図2に示す磁界検出装置を製作した。この磁界検出装置では、光源として波長1.55μm、出力1.4mWのレーザー(ソーテック社製TSL−600−S)を用い、アンプとしてEG&G Prinston Applied Phsics社製5202、光アンプとして古河電工社製ErFA1030、λ/2板、λ/4、検光子板として応用光電社製OYK−9565、サーキュレータとして応用光電社製PICT−1550−S−FC、光ファイバとして三菱電線社製1.55μmシングルモードファイバ、光電変換素子として応用光電社製InGaAsPINフォトダイオード、演算処理装置として上記ロックインアンプ、表示装置としてアドバンテスト社製データロガーR7326Bを用いた。
磁気光学素子として、上述した磁気光学素子を用いて図2に示す磁界検出装置を製作した。この磁界検出装置では、光源として波長1.55μm、出力1.4mWのレーザー(ソーテック社製TSL−600−S)を用い、アンプとしてEG&G Prinston Applied Phsics社製5202、光アンプとして古河電工社製ErFA1030、λ/2板、λ/4、検光子板として応用光電社製OYK−9565、サーキュレータとして応用光電社製PICT−1550−S−FC、光ファイバとして三菱電線社製1.55μmシングルモードファイバ、光電変換素子として応用光電社製InGaAsPINフォトダイオード、演算処理装置として上記ロックインアンプ、表示装置としてアドバンテスト社製データロガーR7326Bを用いた。
(試験例1)
ネオアーク(株)製BH−M600F−Dを用いて、クロス−ニコル法により波長1100nm〜1600nmの領域で50nmごとに、実施例1で得られた磁気光学素子用結晶(Ce0.24Y2.76Fe5O12)の磁界感度を測定した。図10に、この測定に用いた測定装置の概略図を示す。なお、本試験例では、磁界発生にはヘルムホルツ型配置コイルを有する電磁石を用い、分光器には半値幅0.8nmの分解能(500nmで0.01mmのスリット幅のとき)を有するツエルニターナー型モノクロメーターを用い、偏光子及び検光子は消光比が5×10−5のグラントムソンプリズムを用い、磁界の測定にはガウスメータ(F.W.BELL製、4048)を用いた。
ネオアーク(株)製BH−M600F−Dを用いて、クロス−ニコル法により波長1100nm〜1600nmの領域で50nmごとに、実施例1で得られた磁気光学素子用結晶(Ce0.24Y2.76Fe5O12)の磁界感度を測定した。図10に、この測定に用いた測定装置の概略図を示す。なお、本試験例では、磁界発生にはヘルムホルツ型配置コイルを有する電磁石を用い、分光器には半値幅0.8nmの分解能(500nmで0.01mmのスリット幅のとき)を有するツエルニターナー型モノクロメーターを用い、偏光子及び検光子は消光比が5×10−5のグラントムソンプリズムを用い、磁界の測定にはガウスメータ(F.W.BELL製、4048)を用いた。
この測定装置を用いて、波長1.3μmの光における実施例1で得られた磁気光学素子用結晶のファラデー回転角を測定したところ、72°であった。なお、この実験で用いた磁気光学素子用結晶の光吸収係数が5.5mm−1であることから、この磁気光学素子用結晶の厚さは360μmであることが分かった。
ここで、ファラデー回転角が45度で変調が100%になることから(検光子を45度に設定しているため)、次式を用いて実施例1で得られた磁気光学素子用結晶の磁界感度Sを算出した。
S=[(ファラデー回転角/45)/40000]×100
この式より、実施例1で得られた磁気光学素子用結晶の磁界感度は0.004%m/Aであることが分かった。同様にして(BiGaLaY)3(FeGa)5O12結晶の磁気感度を算出したところ、(BiGaLaY)3(FeGa)5O12結晶の磁気感度は0.0023%m/Aであることが分かった。すなわち、実施例1で得られた磁気光学素子用結晶は(BiGdLaY)3(FeGa)5O12結晶の約2倍の磁気感度を有することが分かった。
(試験例2)
図11に示すように、直径0.3mmの銅線を1mm間隔で設置して、周波数1MHz、印加電圧10Vで交流電流を印加し、図中のC−C’線に沿って実施例1で作成した磁界検出装置を用いて磁界を検出した。その実験結果の磁界信号を図12に示す。図12に示すように、この磁界検出装置を用いると、銅線の周囲には電流の向きに対応して反対方向の磁界が発生していることが分かると共に、銅線の間隔と等しい磁界分布を精度よく測定できたことが分かった。
図11に示すように、直径0.3mmの銅線を1mm間隔で設置して、周波数1MHz、印加電圧10Vで交流電流を印加し、図中のC−C’線に沿って実施例1で作成した磁界検出装置を用いて磁界を検出した。その実験結果の磁界信号を図12に示す。図12に示すように、この磁界検出装置を用いると、銅線の周囲には電流の向きに対応して反対方向の磁界が発生していることが分かると共に、銅線の間隔と等しい磁界分布を精度よく測定できたことが分かった。
1、1A、1B 磁界検出装置
5 磁気光学素子用結晶
5a、5b 磁気光学素子結晶の端面
10、10A 磁気光学素子
11 反射膜
12 層
20、20A フェルール
30、30A 光ファイバ
40、40A サーキュレータ
50、50A 光源
51、51A 光アンプ
52、52A λ/2板
53、53A λ/4板
60、60A 検光子
61、61A 光電変換素子
62 演算処理装置
63 表示装置
80 走査手段
100 検査部材
5 磁気光学素子用結晶
5a、5b 磁気光学素子結晶の端面
10、10A 磁気光学素子
11 反射膜
12 層
20、20A フェルール
30、30A 光ファイバ
40、40A サーキュレータ
50、50A 光源
51、51A 光アンプ
52、52A λ/2板
53、53A λ/4板
60、60A 検光子
61、61A 光電変換素子
62 演算処理装置
63 表示装置
80 走査手段
100 検査部材
Claims (16)
- 化学式Y3−xCexFe5O12
(式中、0<x<3である。)
又は
化学式Y3−xCexFe5ーyAyO12
(式中、Aは3族元素を示し、0<x<3、0<y<3である。)
で表されることを特徴とする磁気光学素子用結晶。 - 請求項1に記載の磁気光学素子用結晶からなることを特徴とする磁気光学素子。
- 請求項2に記載の磁気光学素子からなる薄膜の縁部に前記磁気光学素子用結晶より高い透磁率を有する物質を設けたことを特徴とする磁気光学素子。
- 被検査部材の表面と相対向する端面に反射膜を設けた請求項2又は3に記載の磁気光学素子と、
光源からの光を前記反射膜に向けて前記磁気光学素子に入射させる入射用光ファイバと、
反射膜で反射した反射光を検光子に
入射させる出射用光ファイバと、
前記検光子の出力光を電気信号に変換する光電変換素子と、
この光電変換素子の出力信号を処理して前記反射光の偏光面の回転角に基づき前記被検査部材の磁界を検出する演算処理手段とを有することを特徴とする磁界検出装置。 - 請求項4に記載の磁界検出装置において、フェルールを介して、前記磁気光学素子と、前記入射用光ファイバ及び前記出射用光ファイバの少なくとも一方とを接続することを特徴とする磁界検出装置。
- 請求項4又は5に記載の磁界検出装置において、入射用光ファイバと出射用光ファイバとを1本の光ファイバで形成すると共にその光路の途中にサーキュレータを介在させ、光源からサーキュレータを介して磁気光学素子に光を入射させると共に、サーキュレータを介してこの磁気光学素子からの反射光を検光子に入射させるようにしたことを特徴とする磁界検出装置。
- 請求項4〜6に記載の磁界検出装置の何れかにおいて、前記光ファイバの出力光が前記検光子の位置で直線偏光となるように調整した偏光子を光ファイバで形成する光路の途中に配設したことを特徴とする磁界検出装置。
- 請求項4〜6に記載の磁界検出装置の何れかにおいて、前記光ファイバを偏波保持ファイバで形成したことを特徴とする磁界検出装置。
- 請求項4〜8に記載の磁界検出装置の何れかにおいて、前記反射光を前記出射用光ファイバの入射端面に集光させるように前記反射膜で形成する反射面を曲面としたことを特徴とする磁界検出装置。
- 被検査部材の表面と相対向する端面に反射膜を設けた請求項2又は3に記載の磁気光学素子と、
第1の光源からの光を前記反射膜に向けて前記磁気光学素子に入射させる第1の入射用光ファイバと、
反射膜で反射した反射光を第1の検光子に入射させる第1の出射用光ファイバと、
前記第1の検光子の出力光を電気信号に変換する第1の光電変換素子と、
第2の光源からの光を前記反射膜に向けて前記磁気光学素子に入射させる第2の入射用光ファイバと、
反射膜で反射した反射光を第2の検光子に入射させる第2の出射用光ファイバと、
前記第2の検光子の出力光を電気信号に変換する第2の光電変換素子と、
第1及び第2の光電変換素子の出力信号を処理して前記反射光の偏光面の回転角に基づき前記被検査部材の磁界を検出する演算処理手段とを有することを特徴とする磁界検出装置。 - 請求項10に記載の磁界検出装置において、第1のフェルールを介して、前記磁気光学素子と、前記第1の入射用光ファイバ及び前記第2の出射用光ファイバの少なくとも一方とを接続すると共に、第2のフェルールを介して、前記磁気光学素子と、前記第2の入射用光ファイバ及び前記第2の出射用光ファイバの少なくとも一方とを接続することを特徴とする磁界検出装置。
- 請求項10又は11に記載の磁界検出装置において、
第1の入射用光ファイバと第1の出射用光ファイバとを1本の光ファイバで形成すると共にその光路の途中に第1のサーキュレータを介在させ、光源から第1のサーキュレータを介して磁気光学素子に光を入射させると共に、この磁気光学素子からの反射光をサーキュレータを介して第1の検光子に入射させるようにし、且つ
第2の入射用光ファイバと第2の出射用光ファイバとを1本の光ファイバで形成すると共にその光路の途中に第2のサーキュレータを介在させ、光源から第2のサーキュレータを介して磁気光学素子に光を入射させると共に、この磁気光学素子からの反射光をサーキュレータを介して第2の検光子に入射させるようにしたことを特徴とする磁界検出装置。 - 請求項10〜12に記載の磁界検出装置の何れかにおいて、
前記第1の光ファイバの出力光が前記第1の検光子の位置で直線偏光となるように調整した第1の偏光子を光ファイバで形成する光路の途中に配設すると共に
前記第2の光ファイバの出力光が前記第2の検光子の位置で直線偏光となるように調整した第2の偏光子を光ファイバで形成する光路の途中に配設したことを特徴とする磁界検出装置。 - 請求項10〜12に記載の磁界検出装置の何れかにおいて、前記第1の光ファイバを偏波保持ファイバで形成すると共に、前記第2の光ファイバを偏波保持ファイバで形成したことを特徴とする磁界検出装置。
- 請求項10〜14に記載の磁界検出装置の何れかにおいて、前記第1の反射光を前記第1の出射用光ファイバの入射端面に集光させると共に前記第2の反射光を前記第2の出射用光ファイバの入射端面に集光させるように前記反射膜で形成する反射面を曲面としたことを特徴とする磁界検出装置。
- 被検査部材の表面と相対向する端面に反射膜を設けた請求項2又は3に記載の磁気光学素子と、
光源からの光を前記磁気光学素子の表面を走査するように前記反射膜に向けて前記磁気光学素子に入射させる走査手段と、
反射膜で反射した反射光を検出する検光子と、
前記検光子の出力光を電気信号に変換する光電変換素子と、
この光電変換素子の出力信号を処理して前記反射光の偏光面の回転角に基づき前記被検査部材の磁界を検出する演算処理手段とを有することを特徴とする磁界検出装置。
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JP2010053006A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-11 | Okayama Univ | 酸化物及び電気導体の電気物性制御方法 |
WO2019066050A1 (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-04 | シチズンファインデバイス株式会社 | 磁気センサ素子及び磁気センサ装置 |
-
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WO2019066050A1 (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-04 | シチズンファインデバイス株式会社 | 磁気センサ素子及び磁気センサ装置 |
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