以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明を給湯装置の制御装置に適用した場合の回路ブロック図を示しており、また、図2はその回路図を示している。より詳細には、これら図1,図2は、本発明をいわゆる給湯単機能のガス給湯器の制御装置に適用した場合を示している。
ここで、給湯単機能のガス給湯器とは、熱交換器によって生成される温水を給湯にのみ用いる給湯器のことであって、その基本的な構成として、燃焼部に複数の燃焼管を一つにまとめたバーナユニットを備えている。このバーナユニットには、周知のように、所定本数の燃焼管毎に能力切替弁と呼ばれるガス電磁弁Aが設けられており、この能力切替弁を開閉によって該能力切替弁に連通する燃焼管への燃料ガスの供給・遮断の切り替えが可能とされている。なお、バーナユニットの火力の調節は、上記能力切替弁(燃焼管の燃焼本数)とその上流に設けられるガス比例弁(ガス圧)を制御することにより行われるが、その制御技術は周知であるのでここでは説明を省略する。
制御装置1は、上記ガス電磁弁(負荷)Aを駆動するための電磁弁駆動回路(負荷駆動手段)2と、電磁弁駆動回路2に供給される電源V1を遮断可能に構成した電源遮断回路(電源遮断手段)3と、バーナユニットからの燃料の異常漏出を検出するための燃料漏出検出手段4と、制御手段5とを主要部として構成される。
電磁弁駆動回路2は、ガス電磁弁A(図2参照)への通電を制御する回路であって、図2に示すように、リレーRL1(より詳細にはリレーのコイルを指す。以下同様)とこのリレーRL1の一端にコレクタ端子が接続されたトランジスタQ1とを主要部として構成される。そして、該トランジスタQ1のベース端子に後述するリレー駆動信号が与えられることにより該トランジスタQ1がオンとなってリレーRL1が通電し、これによりリレー接点(図示せず)が作動してガス電磁弁Aが通電されて開弁するように構成されている。つまり、リレーRL1への通電によりリレー接点が作動し、これによりガス電磁弁用の電源に対してこのリレー接点と直列に接続されたガス電磁弁Aのコイルが通電され、ガス電磁弁Aが開弁される。
なお、説明の便宜上、図1では上記電磁弁駆動回路2を一つだけ示しているが、実際のガス給湯器では上記能力切替弁毎に電磁弁駆動回路2が設けられている(図2の破線で示す回路参照)。また、たとえば給湯と風呂追い焚きや、給湯と暖房といったように複数の機能を備えた多機能の給湯器においても、ガス電磁弁の数に応じて電磁弁駆動回路2が複数設けられる。
電源遮断回路3は、上記リレーRL1に供給される電源を遮断可能に構成してなる回路であって、本実施形態では、上記リレーRL1の駆動電源V1と該リレーRL1との間に介装されるトランジスタQ2とを主要部として構成される。具体的には、このトランジスタQ2は、PNP型のトランジスタで構成され、そのエミッタ端子が上記駆動電源V1に接続されるとともに、コレクタ端子が上記リレーRL1の他端に接続され、ベース端子に後述する電源遮断信号が与えられることによりトランジスタQ2がオフとなってリレーRL1への電圧供給が遮断される。
なお、上述したように、実際の給湯器においては電磁弁駆動回路2が複数設けられるので、この電源遮断回路3は、全ての電磁弁駆動回路2に対して電源供給を遮断できるように構成される。つまり、上記トランジスタQ2が各電磁弁駆動回路2に共通のスイッチとして機能するように回路が構成される(図2参照)。
また、本実施形態では、この電源遮断回路3を構成するトランジスタQ2のベース端子には、図1における論理和回路6を構成するトランジスタQ3のコレクタ端子が接続され、このトランジスタQ3がオフすることにより上記トランジスタQ2もオフするように構成される。つまり、トランジスタQ3がオフすることにより、トランジスタQ2に電源遮断信号が与えられる。
燃料漏出検出手段4は、バーナユニットからの燃料の異常漏出を検出するための検出回路である。ここで、本実施形態では燃焼装置としてガス給湯器が用いられているので、燃料の異常漏出の態様としては、未燃焼ガス(未燃焼燃料)の漏出とバーナの空焚きとがある。したがって、この燃料漏出検出手段4は、これら未燃焼ガスの漏出と空焚きの双方を検出可能な回路で構成される。
具体的には、バーナユニットに燃料が供給されているにもかかわらず(換言すれば、上記ガス電磁弁Aのうち少なくとも一つが開弁しているにもかかわらず)、バーナユニットが燃焼していない状態(換言すれば、炎が未検出の状態)にあるときに未燃焼ガスの漏出があるといえるので、未燃焼ガスの漏出検出用として、電磁弁監視回路(負荷監視手段)41と、炎検出回路(炎検出手段)42とが用いられる。一方、バーナユニットに燃料が供給されており(換言すれば、上記ガス電磁弁Aのうち少なくとも一つが開弁しており)、かつ、バーナユニットが燃焼状態(換言すれば、炎が検出されている状態)にあるにもかかわらず、熱交換器に通水がない状態(換言すれば、通水が全くないか、あるいは通水はあっても給湯器の最低作動水量(MOQ)以下の通水しかない状態)にあるときは空焚きであるといえるので、空焚き検出用として、電磁弁監視回路41と、水量検出回路(通水検出手段)43とが用いられる。
より詳細には、上記電磁弁監視回路41は、図2に示すように、上記ガス電磁弁Aに供給される駆動電圧を監視することによってガス電磁弁Aが開弁・閉弁のいずれの状態にあるかを検出し、ガス電磁弁Aが開弁していると弁監視信号を出力する。具体的には、この電磁弁監視回路41は、ガス電磁弁Aのコイルの両端に印加される電圧を監視する回路で構成される。なお、この電磁弁監視回路41は、電磁弁Aが開弁・閉弁いずれの状態にあるかの検出ができればよく、例えばコイルの通電電流を監視するなど他の構成を採用することも可能である。また、上記炎検出回路42は、バーナの近傍に配されたフレームロッドBにより燃焼の有無を検出し、燃焼していると炎検知信号を出力する。さらに、上記水量検出回路43は、上記熱交換器の上流に設けられる水量センサCから得られる検出信号に基づいて通水流量を検出し、上記最低作動水量を超える通水があると通水検知信号を出力する。なお、これら電磁弁監視回路41、炎検出回路42および水量検出回路43の構成はいずれも周知であるので説明は省略する。
上記制御手段5は、それぞれが通信手段を有し、通信により相互に動作を監視し合う少なくとも二以上のマイコンを備えてなり、そのうちの一つが少なくとも上記電磁弁駆動回路2を含むガス給湯器各部の動作を制御するメインマイコンとされ、その他が少なくとも上記電源遮断回路3を制御するサブマイコンとされる。本実施形態では、この制御手段5として、メインマイコン51とサブマイコン52の合計2個のマイコンが用いられる。
メインマイコン51は、ガス給湯器各部の動作を制御するためのマイコンであって、上述した電磁弁駆動回路2の他にも、たとえば燃焼用空気の送風量を調節するファンモータや、水量制御用のサーボモータ、バーナユニットの点火プラグ等と電気的に接続されてこれらの動作を制御するとともに、ガス給湯器にリモコンが接続される場合には、当該リモコンと通信を行い、リモコンからの各種指令を受信し、また、リモコンに対して給湯器の動作状況を送信する等の処理を行うなど、従来のガス給湯器が給湯器制御用として備えていたマイコンが備える基本的な機能の全てを備えている。
そこで、本発明に関するメインマイコン51の特徴的構成を説明すると、本発明では、このメインマイコン51には、サブマイコン52と双方向でデータ通信を行うための通信端子TXD(送信)とRXD(受信)が設けられている。これらの端子TXD,RXDは、図示しないインターフェイス(通信手段)を介してメインマイコン51のマイクロプロセッサ(MPU)やメモリとバスを介して接続されており、これらの端子TXD,RXDが後述するサブマイコン52側の通信端子RXD(受信),TXD(送信)と接続されることによってメインマイコン51のマイクロプロセッサとサブマイコン52のマイクロプロセッサ間でデータの送受信が可能とされている。
また、メインマイコン51には、上述した各種アクチュエータ等に制御信号を出力する出力端子が設けられる。本発明では、この出力端子として、特に上記電磁弁駆動回路2にリレー駆動信号(負荷制御信号)を与えるリレー駆動端子RL・DRVと、上記論理和回路6にリレースタンバイ信号を与えるリレースタンバイ端子RL・STBとが設けられている。
具体的には、上記リレー駆動端子RL・DRVは、上記トランジスタQ1のベース端子に接続され、この端子RL・DRVからリレー駆動信号を出力することにより上記トランジスタQ1がオンして、リレーRL1が通電するように構成されている。一方、上記リレースタンバイ端子RL・STBは、上記トランジスタQ3のベース端子に接続される。そして、リレースタンバイ信号の出力によって上記トランジスタQ3がオンとなり、これによりトランジスタQ2がオンして、駆動電源V1から上記リレーRL1に駆動電圧が与えられる。つまり、このリレースタンバイ信号の出力を停止することにより上記トランジスタQ3がオフとなりトランジスタQ2もオフして、上記リレーRL1への電圧供給が停止する。したがって、リレースタンバイ信号の出力停止がメインマイコン51による電源遮断信号として機能する。
また、上記メインマイコン51の入力端子としては、上記燃料漏出検出手段4の構成に対応して、電磁弁監視回路41からの弁監視信号が入力される電磁弁監視入力端子SV・INと、炎検出回路42からの炎検知信号が入力される炎検知入力端子FR・INと、水量検出回路43からの通水検知信号が入力される水量入力端子WA・INとが設けられており、これらが上記電磁弁監視回路41、炎検出回路42、水量検出回路43の出力端子と接続されている。
なお、図示例では給湯単機能のガス給湯器の場合を示したので、これらの入力端子(電磁弁監視入力端子SV・IN、炎検知入力端子FR・IN、水量入力端子WA・IN)は給湯側についてしか記載していないか、上述した多機能の給湯器にあっては、これらの入力端子も各機能に対応して複数設けられる。
たとえば、給湯と風呂追い焚き機能を備えた給湯器の場合、上記入力端子として、給湯用の電磁弁監視入力端子SV・IN、炎検知入力端子FR・IN、水量入力端子WA・INに加えて、風呂追い焚き用の電磁弁監視入力端子SV・IN、炎検知入力端子FR・IN、水量入力端子WA・INの合計6個の入力端子が設けられる。
また、本実施形態では、上記電磁弁監視回路41、炎検出回路42、水量検出回路43の各出力端子は、後述するサブマイコン52に設けられる上記同様の入力端子(電磁弁監視入力端子SV・IN、炎検知入力端子FR・IN、水量入力端子WA・IN)にも接続されているが、サブマイコン52へのこれらの信号の供給については、たとえばメインマイコン51経由で通信によりサブマイコン52に与えるように構成することも可能である。
さらに、メインマイコン51には、上記サブマイコン52に対してリセット信号を出力するためのリセット出力端子RST・OUTと、サブマイコン52から出力されるリセット信号を入力するためのリセット入力端子RST・INとが設けられている。なお、リセット信号の入出力の詳細について後述する。また、図において符号7で示すのはシステムリセット用のリセットICである。
一方、サブマイコン52は、主としてメインマイコン51の監視機能(ウォッチドッグ機能)とフェールセーフ機能を果たすマイコンであるが、本発明ではこれらの機能に加えて、さらに後述する燃焼停止処理の分担機能等も果たすようにプログラミングされている。
そして、このサブマイコン52も上記メインマイコン51と同様にインターフェイス(通信手段)を備えて構成され、図2に示すように、メインマイコン51と同様に通信端子TXD,RXDを備える他、入力端子として、電磁弁監視入力端子SV・IN、炎検知入力端子FR・IN、水量入力端子WA・INを備えている。また、メインマイコン51のリセットならびにサブマイコン52のリセット用としてリセット出力端子RST・OUTとリセット入力端子RST・INを備える点も上記メインマイコン51と同様である。
ここで、上記入力端子については、上述したメインマイコン51と同様、多機能の給湯器の場合には、ガス電磁弁の数に応じて入力端子の数も追加されるが、周知のように、マイコンの入力端子は、予め入力される信号を特定しておく必要がある(機能確定処理)。そのため、本実施形態に示すサブマイコン52は、メインマイコン51との通信により取得した情報に基づいて入力端子の機能確定処理を行うように構成されている。なお、その詳細は後述する。
そして、このサブマイコン52には、出力端子としてフェールセーフ出力端子FS・OUTが備えられている。このフェールセーフ出力端子FS・OUTは、給湯器が正常に動作している際は開放(オープン)の状態にあり、後述するフェールセーフ出力時には短絡(Lo)するよう構成された端子であって、上記論理和回路6のトランジスタQ3のベース端子に接続されている。つまり、フェールセーフ出力時にはこのフェールセーフ出力端子FS・OUTがLoとなることでトランジスタQ3がオフし、それによりトランジスタQ2もオフとなり、電磁弁駆動回路2への電源供給が遮断(電圧供給が停止)される。換言すれば、上記フェールセーフ出力も電源遮断信号として機能するものとされている。
なお、図2において符号8で示すのは温度ヒューズであり、また符号V2はマイコン51,52のリセット端子をプルアップするための電源を示している。
次に、このように構成されてなる制御装置1の動作について、詳細に説明する。
A.ウォッチドッグ機能:
まず、メインマイコン51とサブマイコン52の相互監視機能(ウォッチドッグ機能)について説明する。なお、このウォッチドッグ機能については、相手方のマイコンが暴走などの異常な状態に陥っていないか否かを監視する通信監視処理と、相手方マイコンに異常があると判定したときのその後の処理とに分けて説明する。
そこで、まず通信監視処理について説明する。本発明に係る制御装置1では、上述したメインマイコン51とサブマイコン52はともにそれぞれが備えるインターフェイス(通信手段)によって相互に一定周期でデータを送受信しながら相手方マイコンが異常な状態に陥っていないかを監視する。
具体的には、たとえばメインマイコン51は、予め定められた一定周期(たとえば100ms周期)でサブマイコン52に対してデータを送信する。ここで送信されるデータは、サブマイコン52に対する指令やガス給湯器の状態を示すデータなどを所定のフォーマットに現したものが用いられる。
より詳細には、本実施形態では、特に、この送信されるデータの中には、少なくとも、後述するフェールセーフ機能との関係で上記電磁弁駆動回路2に与えたリレー駆動信号の情報(ガス電磁弁Aに対して開弁・閉弁いずれを指示しているかを示すデータ)が含まれる他、後述する燃焼停止処理との関係でサブマイコン52に対して燃焼停止処理の実行を命令する指令や、サブマイコン52の論理確定処理のための機種データなどが含まれる。
一方、サブマイコン52は、メインマイコン51から送信された上記データを受信すると、所定時間内にメインマイコン51に対して所定のフォーマットのデータを返信する。ここで、サブマイコン52から返信するデータとして、本実施形態では、特に、後述するフェールセーフ機能との関係で、サブマイコン52がフェールセーフ出力を行っていることを示すデータ(電源遮断報知信号)や、メインマイコン51からの燃焼停止処理の実行命令を受信したときの応答信号などが含まれる。
このように、メインマイコン51から一定周期でサブマイコン52にデータが送信され、サブマイコン52から一定時間内にデータが返信されるので、メインマイコン51は、上記データの送信後一定時間を経過してもサブマイコン52からの返信がなければサブマイコン52に異常があると判定できる。一方、サブマイコン52は、上記一定周期の時間が経過してもメインマイコン51からのデータを受信できない場合にはメインマイコン51に異常があると判定できる。
なお、この相手方の異常判定は、データ未受信状態が1回でもあれば直ちに相手方の異常と判定することもできるが、たとえばデータ未受信状態が所定回数繰り返された場合や、データ未受信状態が所定時間継続した場合に相手方マイコンを異常と判定することもできる。本実施形態では、データ未受信の状態がN回繰り返されると相手方の異常判定を行うものとされる。
次に、上記通信監視の結果、相手方マイコンが異常であると判定した場合の処理について説明する。この処理は、メインマイコン51とサブマイコン52とで以下のように異なる処理を行う。
まず、サブマイコン52において上記メインマイコン51に異常があると判定した場合について説明する。この場合、サブマイコン52は、そのリセット出力端子RST・OUTからリセット信号を出力して(具体的には、たとえば10mSの間、メインマイコン51のリセット入力端子RST・INをLoにして)、メインマイコン51をリセット(初期化)する。
その際、上記サブマイコン52は、上記メインマイコン51のリセットに伴う安全動作として、上記リセット信号の出力と並行してフェールセーフ出力端子FS・OUTをオープンからLoの状態にする(フェールセーフ出力)。これにより、トランジスタQ3,Q2をオフにして電磁弁駆動回路2への電源供給を遮断してガス電磁弁Aが閉弁する。なお、このフェールセーフ出力は、上記通信監視処理によりメインマイコン51からの通信が正常に受信されるようになると解除されるようプログラミングされる。
このようにしてメインマイコン51がリセットされると、メインマイコン51に特に故障等がなければメインマイコン51は正常な状態に復帰してサブマイコン52との通信を再開する。しかし、メインマイコン51に故障等があると通信は再開されず、上記通信監視処理の結果、サブマイコン52は再びメインマイコン51をリセットすることになる。
ところで、本発明のように、マイコンによるデータ通信を通じて相手方マイコンの動作を監視する方法は、従来のようにウォッチドッグ回路(ウォッチドッグIC)を用いてマイコンの動作を監視する方法に比べて相手方の動作異常の判定に長く時間を要するので、メインマイコン51のリセットを行うと、この間にアクチュエータが不要な動作(たとえばサーボモータのポジションリセット)を行ってしまう。そのため、故障等によりメインマイコン51のリセットが繰り返し行われると、アクチュエータに過剰な負担がかかり消耗や破損の原因となる。
本実施形態に示す制御装置1では、このような不具合を防止するために、サブマイコン52側に、リセット信号の出力回数をカウントするリセット回数カウンタを設けておき、このカウンタのカウント値に基づいて、リセット信号の連続出力回数が予め定めた所定回数X回(Xは任意)に到達してもメインマイコン51からの通信が復帰しない場合には、サブマイコン52からメインマイコン51のリセット入力端子RST・INへラッチ処理を行うように構成している。以下、その手順を図3のフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、サブマイコン52は上述した通信監視処理(図3ステップS1参照)を行い、その結果、メインマイコン51からのデータを受信できない場合(図3ステップS2でyesの場合)には、上記リセット回数カウンタのリセット回数の値をカウントする(図3ステップS3参照)。
ここで、前回行った通信監視処理の結果が正常であれば、後述する図3ステップS6によって上記リセット回数カウンタのカウントはクリアされているのでカウント値は「0」であるが、前回の通信監視処理においてメインマイコン51を異常と判定している場合には、その際にサブマイコン52からリセット信号が出力されているので当該カウント値は「0」以外の数値を示す(図3ステップS7,S8参照)。
次に、このカウントしたリセット回数と予め定めておいた所定回数Xとを比較して、リセット回数が上記所定回数X以上の場合(図3ステップS4においてyesの場合)にはメインマイコン51のリセット入力端子RST・INをラッチ処理し、当該リセット入力端子RST・INをLoに保持(Lo継続)して、メインマイコン51の動作を停止させる(図3ステップS5参照)。
一方、上記図3ステップS4の判断でリセット回数が上記所定回数Xに満たない場合には、サブマイコン52から上述したリセット信号を出力するとともに(図3ステップS7参照)、上記リセット回数カウンタのカウント値を加算し(カウント値に1を加え)、再び上記通信監視処理を実行する(図3ステップS1参照)。
このように、サブマイコン52によるメインマイコン51の監視に際して、リセット信号の出力回数をカウントし、メインマイコン51のリセットを所定回数繰り返してもメインマイコン51が正常に復帰しない場合にはリセット信号を継続的に出力してメインマイコン51の動作を停止させるようにしているので、メインマイコン51のリセットに伴うアクチュエータの動作回数を少なくすることができ、アクチュエータの消耗や破損を抑制することができる。また、メインマイコン51との通信が再開されない場合には、メインマイコン51の動作を停止させているので、ガス給湯器の安全動作をより確実なものとすることができる。
なお、本実施形態では、メインマイコン51のリセット入力端子RST・INに対するラッチ処理が、サブマイコン52から出力されるリセット信号の出力回数に基づいて実行される場合を示したが、たとえばリセット信号出力後、所定時間経過してもメインマイコン51からの通信が復帰しない場合にラッチ処理を実行するように構成することも可能である。
次に、メインマイコン51側の通信監視処理によって上記サブマイコン52に異常があると判定した場合について説明する。この場合、メインマイコン51は、サブマイコン52をリセットすることなく、メインマイコン51自身の処理によってガス給湯器の動作を停止させる。つまり、この場合、メインマイコン51はサブマイコン52に異常があると判定しているので、上述したサブマイコン52のフェールセーフ出力は使用せずに、メインマイコン51自身の制御によってバーナの燃焼を停止させる。
具体的には、メインマイコン51は、上述したリレースタンバイ端子RL・STBからのリレースタンバイ信号の出力を停止してトランジスタQ3,Q2をオフにするか、あるいはリレー駆動端子RL・DRVからのリレー駆動信号の出力を停止して上記トランジスタQ1をオフにして、電磁弁駆動回路2の動作を停止させて、ガス電磁弁Aを閉弁する(メインマイコン51による安全動作)。
また、このような燃焼停止の処理と並行して、メインマイコン51は、リモコンや給湯器本体に設けられる図示しない所定の報知手段を通じてサブマイコン52の異常を報知する。たとえば、表示装置によるエラー表示や、報知音出力装置による警告音の出力などによってサブマイコン52の異常を報知する。
なお、このメインマイコン51による安全動作の解除方法についてはメインマイコン51のプログラムにより適宜設定可能である。たとえばリモコンが設けられている場合には、当該リモコンの所定操作(たとえば運転スイッチの再投入操作)により解除されるようにすることができる。あるいは、カラン等の先栓の閉栓操作(熱交換器への通水を最低作動通水量以下にする操作)により上記安全動作が解除されるようにすることもできる。
一方、サブマイコン52のリセット(初期化)については、予め定められた所定の条件が満たされたことをトリガとしてメインマイコン51がサブマイコン52のリセット処理を実行する。
たとえば、本実施形態では、上述した安全動作が解除された際と、電源投入時から所定時間Y経過毎(ただし、所定時間Yの経過時にバーナが燃焼中の場合は燃焼停止後)にメインマイコン51がサブマイコン52のリセット処理を行う。なお、ここで上記所定時間Yの計測は、メインマイコン51の内部クロックを利用して、プログラムにより設定される計時手段(図示せず)により行われる。なお、この内部クロックは図示しないクロック端子に接続されるクロック用発振子から入力されるクロック信号に基づいて動作するように構成される(以下同様)。
そこで、このサブマイコン52のリセット処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
まず、上記メインマイコン51は、前回(すなわち100mS前)の通信監視処理の際に上記メインマイコン51による安全動作を行ったか否かを判断する(図4ステップS1参照)。この判断で、前回安全動作を行っていると判断すると(図4ステップS1でyesの場合)、次に今回の通信監視処理の際に安全動作を行ったか否かを判断する(図4ステップS2参照)。
ここで、図4ステップS2の判断が否定的、つまり安全動作を行っていない場合(図4ステップS2でnoの場合)には、上述した安全動作の解除がなされたと判断できるので、その場合はメインマイコン51がサブマイコン52のリセット処理を実行する(図4ステップS3参照)。なお、このサブマイコン52のリセット処理は、メインマイコン51のリセット出力端子RST・OUTからリセット信号を出力して、サブマイコン52のリセット入力端子RST・INにリセット信号を与える(たとえば10msの間、サブマイコン52のリセット入力端子RST・INをLoにする)ことにより行われる。
これに対して、図4ステップS2の判断が肯定的、つまり安全動作が継続中の場合にはサブマイコン52のリセット処理は行わない。この場合は、次の通信監視処理の際に改めて図4に示す手順が実行され、上記安全動作が解除されるまで図4に示す手順が繰り返される。
一方、図4ステップS1の判断が否定的、つまり前回安全動作を行っていない場合には、バーナが燃焼中であるか否かが判断される(図4ステップS4参照)。上述したように、本実施形態では安全動作の解除時以外にも所定時間Y(たとえば20時間)毎にサブマイコン52のリセット処理を行うように構成しているが、バーナが燃焼中にサブマイコン52をリセットするのは好ましくないのでこのステップでバーナの燃焼の有無を判断している。
そして、バーナが燃焼していない場合には、続く図4ステップS5に移行して、上記所定時間Yが経過しているか否かが判断され、所定時間Yを経過していると判断されると、上記サブマイコン52のリセット処理が実行される(図4ステップS6参照)。これに対して、バーナが燃焼中である場合(図4ステップS4でyesの場合)および上記所定時間Yが経過していない場合(図4ステップS5でnoの場合)には、いずれの場合も処理を終了する。つまり、これらの場合には、次の通信監視処理の際(本実施形態では100mS後)に改めて図4の手順が実行される。したがって、上記所定時間Yの経過時にバーナが燃焼していた場合は、バーナの燃焼が停止した後にサブマイコン52のリセット処理が行われる。
このように、本実施形態に示す制御装置1では、メインマイコン51がサブマイコン52の異常を検出すると、燃焼停止処理を含む所定の安全動作を実行するように構成しているので、給湯器の安全性を確保することができる。
さらに、サブマイコン52のリセットが定期的(安全動作解除時や所定時間毎)に行われるので、サブマイコン52を常に正常な状態に保つことができ、相互監視機能の信頼性を高めることができる。
B.フェールセーフ機能:
次に、本発明の制御装置1におけるフェールセーフ機能について説明する。このフェールセーフ機能は、未燃焼ガスの漏出や空焚きを防止するための機能であって、上述したサブマイコン52によって実現される。
具体的には、このフェールセーフ機能は、メインマイコン51による制御が正常に機能しない場合でも、サブマイコン52が、上記燃料漏出検出手段4から取得した情報に基づいて所定の論理判定を行い、未燃焼ガスの漏出や空焚きの発生を検知してバーナの燃焼停止処理を実行する機能である。
具体的には、サブマイコン52は、電磁弁監視回路41からの弁監視信号が開弁状態(弁監視信号オン)を示しており、かつ炎検出回路42からの炎検知信号が炎未検出(炎検知信号オフ)の状態が一定時間(少なくともイグナイタによる着火動作(着火シーケンス)が完了する時間より長い時間、たとえば、着火シーケンスに5秒程度かかる場合には余裕をみて15秒程度の時間)継続すると未燃焼ガスの漏出と判定する。また、未燃焼ガスの漏出が検出されていない状態で、上記弁監視信号が開弁状態(弁監視信号オン)を示しており、かつ炎が検出されている(炎検知信号オン)にもかかわらず、水量検出回路43からの通水検知信号が上記最低作動通水量以下の水量しか検出しない状態(通水検知信号オフ)が一定時間(上記未燃焼ガスの漏出判定と同様、たとえば15秒)継続すると空焚きと判定する。
ここで、上記燃料漏出または空焚きの兆候を示す状態が一定時間継続したときに燃料漏出や空焚きと判定するようにしたのは、これらの兆候を検出して直ちに判定を行うと誤判定のおそれがあるからである。また、上記一定時間を本実施形態では15秒に設定したのは、この時間をあまり長くとると燃料漏出や空焚きが長時間続くことになり好ましくないからであり、この時間は適宜変更可能である。なお、この一定時間の計測は、図示しないフェールセーフタイマによって行われる。フェールセーフタイマは、サブマイコン52のプログラミングにより、内部クロックに基づいて計時処理を行う計時手段(フェールセーフタイマ)を設けることにより実現される。
そして、これらの判定により未燃焼ガスの漏出や空焚きのいずれか一方が検知されると、サブマイコン52が、上記フェールセーフ出力端子FS・OUTをオープンからLoの状態にして(フェールセーフ出力)、電磁弁駆動回路2への電源供給を遮断し、ガス電磁弁Aを閉弁させる。
ところで、このフェールセーフ機能は上記燃料漏出検出手段4から取得した情報に基づいて実現されているが、電磁弁監視回路41からサブマイコン52の電磁弁監視入力端子SV・INまでの信号経路に異常(たとえば電磁弁監視回路41の故障、信号経路の断線や接続不良など)があると、サブマイコン52がガス電磁弁Aの状態を誤って認識する場合がある。特に、電磁弁監視入力端子SV・INが開放(オープン)になると、サブマイコン52は、ガス電磁弁Aが閉弁していると認識するので、上述したフェールセーフ機能が正常に働かないおそれがある。
そのため、本実施形態に示す制御装置1では、上述した通信機能により取得したデータに基づいて、サブマイコン52側が電磁弁監視経路に異常がないかを判定する処理(電磁弁監視経路の診断処理)を実行し、電磁弁監視経路の異常の有無を診断している。
具体的には、サブマイコン52は、メインマイコン51が電磁弁駆動回路2に与えたリレー駆動信号の情報(ガス電磁弁Aに対して開弁・閉弁いずれを指示しているかを示すデータ)を通信によりメインマイコン51から取得するとともに、この取得した情報と上記電磁弁監視回路41から取得する弁監視信号とを比較して、電磁弁監視回路41がメインマイコン51の指示通りの状態を検出しているか否かを判断して、電磁弁監視回路41が上記指示通りの状態を検出していない場合には電磁弁監視経路の異常と判定する。
そこで、この電磁弁監視経路の診断処理の手順を図5のフローチャートに基づいて説明する。
サブマイコン52は、メインマイコン51からの通信があると、まず後述する電磁弁監視経路の異常判定がなされているか否かを判断し(図5ステップS1参照)、電磁弁監視経路の異常判定がなされていなければ異常検出タイマ(図示せず)のカウントを開始する(図5ステップS2参照)。この異常検出タイマは、内部クロックに基づいてサブマイコン52が所定時間Z(本実施形態では15秒)を計測する機能である。なお、本実施形態ではこの異常検出タイマは上述したフェールセーフタイマと区別して説明したが、フェールセーフタイマで兼用させてもよい。
そして、上記タイマのカウント開始に伴って、メインマイコン51がガス電磁弁Aの開弁を指示するリレー駆動信号を出力しているか否かを判断する(図5ステップS3参照)。換言すれば、メインマイコン51がガス電磁弁Aに対して開弁を指示しているかを判断する。
そして、この図5ステップS3においてメインマイコン51がガス電磁弁Aに対して開弁を指示していると判断された場合には、続く図5ステップS4において、電磁弁監視回路41から取得する弁監視信号がガス電磁弁Aの閉弁状態を検出しているか(弁監視信号がオンか)否かを判断する(図5ステップS4参照)。つまり、この図5ステップS4では、メインマイコン51がガス電磁弁Aに開弁を指示しているにもかかわらず、電磁弁監視回路41がこれと矛盾する状態(閉弁状態)を検出しているかを判断する。
ここで、上記図5ステップS3または図5ステップS4のいずれか一方で否定的な判断がなされると、図5ステップS8に移行して異常検出タイマがセットされる。これにより、リレー駆動信号が閉弁を指示している場合や、電磁弁監視信号が開弁状態を検出している場合には、上記図5ステップS2でカウントを開始したタイマがリセットされる。
そして、次のステップでは、上記異常検出タイマがカウントアップしたか、つまりカウント開始から所定時間Z(15秒)が経過したか否かが判断される。ここで、上記図5ステップS8でタイマがセットされていると、この図5ステップS5の判断ではタイマがカウントアップすることはないが、上述した矛盾状態 にある場合(図5ステップS3,S4ともにyesの場合)には、上記図5ステップS1から図5ステップS4を繰り返すことで上記所定時間Z(15秒)経過後にタイマがカウントアップする。
このようにしてタイマがカウントアップすると、上述した矛盾状態が上記所定時間継続していると判断できるので、サブマイコン52は電磁弁監視経路に異常があると判定する(図5ステップS6参照)。そして、この場合、上述したようにフェールセーフ機能が正常に機能しないおそれがあるので、サブマイコン52はフェールセーフ出力により電磁弁駆動回路2への電源供給を遮断して(図5ステップS7参照)、ガス電磁弁Aを閉弁させる。
なお、この時のフェールセーフ出力はサブマイコン52がリセットされるまで保持されるようにプログラミングされ、サブマイコン52のリセットによりフェールセーフ出力が解除され、図5の手順に示す処理が再開される。
このように、サブマイコン52が、メインマイコン51から通信により取得したデータと上記電磁弁監視回路41から取得したデータとを比較して、ガス電磁弁Aが指示どおりに動作しているかを判断して、電磁弁監視経路の異常判定を行うことにより、電磁弁監視回路41からサブマイコン52の電磁弁監視入力端子SV・INまでの信号経路に生じた異常を速やかに発見でき、フェールセーフ機能を確実なものとすることができる。
ところで、このようにサブマイコン52側の処理(フェールセーフ出力)によって電磁弁駆動回路2への電源供給を遮断可能に構成した場合、フェールセーフ出力で電磁弁駆動回路2への電源供給が遮断されると、メインマイコン51側では何故に電磁弁駆動回路2への電源供給が遮断されたのかを把握できない。特に、この種のガス給湯器には、これまで説明した制御装置1の他にも、たとえば異常昇温を検出するとガス電磁弁Aへの電源供給を遮断するといった他の安全措置が施されたものがあり、そのような場合には、サブマイコン52の処理によって燃焼が停止したのか、それとも上記他の安全措置によって燃焼が停止したのかをメインマイコン51側で把握することができない。
そのため、本発明の制御装置1では、サブマイコン52の処理によって電磁弁駆動回路2への電源供給を遮断した場合には、その旨を知らせる所定の信号(電源遮断報知信号)を、上記通信機能を用いてサブマイコン52からメインマイコン51に送信するように構成している。
すなわち、サブマイコン52側の処理として、上述した燃料の異常漏出の検出や電磁弁監視経路の異常検出によってフェールセーフ出力を行った場合には、フェールセーフ出力とともに、その旨を示す電源遮断報知信号をメインマイコン51に送信する。この電源遮断報知信号は、上述した通信監視の際にメインマイコン51とやり取りするデータの中に含まれる。
これに対して、メインマイコン51側では、上記サブマイコン52からの電源遮断報知信号を受信すると、この信号に基づいて所定のエラー報知処理を実行する。つまり、この場合、給湯器の燃焼停止処理はサブマイコン52のフェールセーフ出力によって既に行われているので、メインマイコン51では受信した信号に基づいて所定のエラー報知処理を実行する。すなわち、この場合、サブマイコン52側の処理ですでに燃焼停止処理が行われているので、メインマイコン51側では、サブマイコン52のフェールセーフ出力によって燃焼が停止している旨を上記報知手段を通じて外部に報知する。なお、その際、サブマイコン52側の燃焼停止処理と並行して、メインマイコン51側でもリレースタンバイ信号の出力を停止するように構成しておけば、燃焼停止をより確実なものとすることができる。
また、メインマイコン51は、このエラー報知処理と並行して、上記燃料漏出検出手段4から取得した情報(特に、炎検出回路42の炎検出信号や電磁弁監視回路41の弁監視信号)に基づいてサブマイコン52による燃焼停止処理が確実に行われているかを確認し、燃焼が停止していなければメインマイコン51側で燃焼停止処理を実行する。
なお、このメインマイコン51によるエラー報知処理(および燃焼停止処理)は、給湯器の電源リセット(電源再投入)がなされるまで継続されるようにプログラムされ、電源リセットによって解除される。
このように、本発明の制御装置1によれば、燃料の異常漏出や電磁弁監視経路の異常によりサブマイコン52側の処理で電磁弁駆動回路2への電源供給を遮断した場合には、その旨を知らせる電源遮断報知信号がメインマイコン51側に送信されるので、メインマイコン51では、給湯器の燃焼停止がサブマイコン52の処理によって実行されていることを把握できる。そして、メインマイコン51が所定のエラー報知処理を実行することで、給湯器の燃焼停止がサブマイコン52の処理によるものであることをユーザや修理業者等に知らせることができ、故障箇所の特定を迅速、的確に行うことができ、修理作業等が容易になる。
また、本発明の制御装置1では、上述したフェールセーフ機能をサブマイコン52で行うように構成したことにより、上述したフェールセーフICを使用していた頃に比べて制御基板の基板検査を簡易かつ迅速に行わせることができる。
すなわち、従来の制御装置では、基板検査時にフェールセーフ機能の検査を行うには、未燃焼ガスの漏出や空焚きを示す論理状態をフェールセーフICに入力し、その状態でタイマ用のコンデンサがタイマアップするのを待つ必要があった。しかも検査後には上記コンデンサを放電させる処理も必要であった。そのため、従来のフェールセーフICを用いる構成では、このような検査に手間や時間を要していた。
それに対して、本発明の制御装置1では、上述したフェールセーフタイマはサブマイコン52のプログラムによって実現されているので、フェールセーフタイマで計測される上記一定時間はプログラムによって容易に設定変更可能である。本実施形態に示す制御装置1は、フェールセーフタイマとして、標準のタイマ(上記15秒)と、短縮されたタイマ(たとえば0秒)の2種類のタイマがプログラム上で用意され、通常時には上記標準のタイマが用いられる一方、出荷検査時(検査モード時)には上記短縮されたタイマが用いられる。なお、上記短縮されたタイマで設定される時間はプログラムの変更により適宜変更可能である。
これらタイマの切り替え(検査モードへの切り替え)は、検査開始を示す所定のトリガ(たとえばメインマイコン51からの検査モード実行命令)をサブマイコン52に与えることにより切り替えられる。
そのため、本実施形態の制御装置1によれば、出荷検査時には、上記検査モード実行命令をサブマイコン52に与えることにより、フェールセーフタイマが標準のタイマから短縮されたタイマに変更されるので、サブマイコン52には未燃焼ガスの漏出や空焚きを示す論理状態を与える作業を行うだけで直ちにフェールセーフ機能が正常に動作するかを確認することができる。したがって、従来に比べ、出荷検査の手間が少なくなり、検査時間も大幅に短縮できる。
C.燃焼制御機能:
次に、制御装置1によるバーナの燃焼制御について説明する。本発明では給湯器の制御手段5として、メインマイコン51とサブマイコン52の二つのマイコンを用いており、そのうちメインマイコン51が給湯器各部の動作を制御し、サブマイコン52が上述したウォッチドッグ機能とフェールセーフ機能とを担当することは上述したとおりであるが、特に本発明では、上記メインマイコン51が行う給湯器各部の制御のうち、通常の給湯運転に伴う燃焼停止の処理に関してはサブマイコン52もその処理を分担して行うように構成されている。
なお、この種の給湯器では、通常の給湯運転において、バーナの燃焼中に先栓が閉じられるなどして熱交換器の通水量が最低作動通水量を下回ったり、リモコンの運転スイッチがオフ操作されるなど、一定の条件を満たすとバーナの燃焼停止処理が実行されるが、かかる通常時の燃焼停止の条件自体は周知であるので詳細な説明は省略する。
そこで、本発明の特徴であるメインマイコン51とサブマイコン52による燃焼停止処理の分担について説明する。
この燃焼停止処理の分担にあたり、サブマイコン52は、上述したデータ通信によってメインマイコン51から与えられる燃焼停止処理の実行命令を受信した時に上述したフェールセーフ出力によって燃焼を停止させるようにプログラミングされる。つまり、サブマイコン52は、メインマイコン51からの上記実行命令を受信すると、フェールセーフ出力端子FS・OUTをLoにして、電源遮断手段3を作動させることにより燃焼停止処理を実行するように構成される。
一方、メインマイコン51側は、先栓の閉栓操作がなされる等によってバーナでの燃焼停止を必要とする場合に、燃焼停止の処理をメインマイコン51,サブマイコン52のいずれで行うかを決定するためのプログラムが搭載される。そして、サブマイコン52側で燃焼停止処理を行う場合には、メインマイコン51からサブマイコン52に対して上記燃焼停止処理の実行命令を送信する。
ところで、このプログラムは、本実施形態では、メインマイコン51が燃焼停止処理を実行した次の燃焼停止処理はサブマイコン52が行い、サブマイコン52が燃焼停止処理を実行した次の燃焼停止処理はメインマイコン51が行うといったように、燃焼停止処理をメインマイコン51とサブマイコン52とが1回ずつ交互に行うように設定される。
これは、通常の給湯運転の際に、フェールセーフ出力による燃焼停止処理を定期的に行わせることで、電源遮断回路3や電磁弁駆動回路2などの燃料制御系の回路を含めてフェールセーフ機能が正常に働くかを確認するためであり、そのためにはメインマイコン51とサブマイコン52とが1回ずつ交互に燃焼停止処理を実行するのが効果的だからである。したがって、このような目的の範囲内であれば、たとえば、メインマイコン51が燃焼停止処理を2回続けて行い、その後にサブマイコン52が燃焼停止処理を1回行うといったような変則的なものであってもよい。要は、サブマイコン52のフェールセーフ機能が正常に機能するかどうかを確認できる範囲であれば、燃焼停止処理の分担の具体的な手法は適宜変更可能である。
そして、この上記プログラムの決定によりメインマイコン51側で燃焼停止処理を行う場合には、自身の制御でリレー駆動信号の出力を停止してガス電磁弁Aを閉弁させることによって燃焼停止処理を行う。
このようにして、メインマイコン51またはサブマイコン52のいずれかによって燃焼停止処理が実行されると、メインマイコン51は上記電磁弁監視回路41からの弁監視信号に基づいて消火動作が正常に行われたか否かを判断し(消火判定処理)、正常に行われていなければ、次のような処理によって燃焼を停止させる。
すなわち、メインマイコン51側で行った燃焼停止処理が正常に機能しなかった場合には、サブマイコン52に対して通信により燃焼停止処理の実行命令を出力し、サブマイコン52側で燃焼停止処理を実行させる。これに対して、サブマイコン52側で行った燃焼停止処理が正常に機能しなかった場合には、リレー駆動信号の出力を停止してメインマイコン51側で燃焼停止処理を実行する。
なお、上述した燃焼停止処理の分担に関して、メインマイコン51側は、メインマイコン51自身による燃焼停止処理やサブマイコン52に対する燃焼停止処理の実行命令の送信に関する履歴をメモリに記録し、その記録に基づいて上述した交互の燃焼停止処理を実行する。
そこで、メインマイコン51とサブマイコン52による燃焼停止処理ならびに消火判定処理の詳細な内容について図6および図7に示すタイミングチャートに基づいて説明する。
まず、メインマイコン51側で燃焼停止処理を実行する場合について図6に基づいて説明する。ここで、図6(a) は、メインマイコン51による燃焼停止処理が正常に行われた場合を、図6(b) は、メインマイコン51による燃焼停止処理が正常に行われなかった場合を示している。
はじめに、メインマイコン51による燃焼開始処理について説明する。燃焼開始処理は、先栓が開栓されるなどして給湯器に上記最低作動通水量を超える通水が生じて通水検知信号がオンした際に実行される。具体的には、メインマイコン51は、リレー駆動信号を出力して(図示のリレー駆動信号オン)バーナに燃料ガスの供給を開始するとともに、点火プラグに点火命令を出力してバーナに点火する。これにより、弁監視信号が開弁を示すオンの状態となり、さらに炎検知信号も炎の検出を示すオンの状態になる(図中のT1参照)。
一方、燃焼停止処理は、先栓が閉栓され給湯器の通水量が上記最低作動通水量を下回って通水検知信号がオフになると開始される。すなわち、メインマイコン51は、リレー駆動信号の出力を停止し(リレー駆動信号オフ)、ガス電磁弁Aを閉弁させて燃焼を停止させる(図中T2参照)。これにより、弁監視信号が閉弁状態を示すオフとなるので、メインマイコン51はこの弁監視信号のオフにより燃焼停止処理が正常に行われたと判定する。
一方、メインマイコン51による燃焼停止処理が正常に行われなかった場合には、図6(b) に示すように、メインマイコン51はリレー駆動信号の出力を停止してから所定時間t1(たとえば15秒)が経過しても弁監視信号がオフしなければ燃焼停止処理が正常に行われていないと判定する。そして、この判定により、メインマイコン51はサブマイコン52に対して燃焼停止処理の実行命令を送信し、サブマイコン52がフェールセーフ出力により燃焼を停止させる(図中T3参照)。なお、この場合、メインマイコン51は、安全動作として、メインマイコン51側での燃焼停止処理が正常に機能しなかったことを上記報知手段を通じて外部に報知するとともに、給湯器の電源が再投入されるまでは上記燃焼停止処理の実行命令の送信を継続するように設定される。
ここで、メインマイコン51による燃焼停止処理が正常に行われたか否かの判断に所定時間t1の経過を待つようにしたのは、リレー駆動信号の出力停止から弁監視信号がオフするまでのタイムラグを見越して判断を遅延させたものであるが、あまり長時間に設定するとメインマイコン51による燃焼停止処理が正常に機能しなかった場合に空焚き状態が長く継続させることになるので、所定時間t1は仮に空焚きがあっても許容される時間の範囲内に設定される。また、この所定時間t1の計測手段は、メインマイコン51の内部クロックを利用してプログラム上で設定される。
次に、サブマイコン52側で燃焼停止処理を実行する場合について図7に基づいて説明する。ここで、図7(a) は、サブマイコン52による燃焼停止処理が正常に行われた場合を、図7(b) は、サブマイコン52による燃焼停止処理が正常に行われなかった場合を示している。なお、サブマイコン52により燃焼停止処理を行う場合でも、燃焼開始処理は上記と同様にメインマイコン51側で行われるので、その説明は省略する。
サブマイコン52による燃焼停止処理は、上述したようにメインマイコン51から送信される燃焼停止処理の実行命令をサブマイコン52が受信したことにより開始される。すなわち、図7(a) のT2で示すタイミングで通水検知信号のオフを検知したメインマイコン51は、リレー駆動信号の出力を維持しながら、上述した通信によってサブマイコン52に対して燃焼停止処理の実行命令を送信する(図中の燃焼停止実行命令オン参照)。なお、この燃焼停止処理の実行命令は、弁監視信号のオフによってガス電磁弁Aが閉弁したことが確認されるまで継続される。
一方、燃焼停止処理の実行命令を受信したサブマイコン52側は、フェールセーフ出力により電源遮断回路3を作動させてガス電磁弁Aを閉弁させる。そして、ガス電磁弁Aの閉弁が上記弁監視信号のオフによってメインマイコン51側で確認されると、メインマイコン51はサブマイコン52による燃焼停止処理が正常に行われたと判定して、サブマイコン52への燃焼停止処理の実行命令の送信を停止する(これに伴ってサブマイコン52側のフェールセーフ出力も停止する)とともに、リレー駆動信号の出力を停止する(図中T4参照)。
これに対して、サブマイコン52による燃焼停止処理が正常に行われなかった場合には、図7(b) に示すように、メインマイコン51は、上記燃焼停止処理の実行命令の送信を開始してから所定時間t1(たとえば15秒)が経過しても弁監視信号がオフしなければサブマイコン52による燃焼停止処理が正常に行われていないと判定する。そして、この判定により、メインマイコン51はリレー駆動信号の出力を停止して燃焼を停止させる(図中T3参照)。
なお、この場合、メインマイコン51は、安全動作として、サブマイコン52側での燃焼停止処理が正常に機能しなかったことを上記報知手段を通じて外部に報知するとともに、給湯器の電源が再投入されるまでは上記リレー駆動信号の出力停止状態を継続するように設定される。
このように、本実施形態に示す制御装置では、メインマイコン51の制御によってメインマイコン51とサブマイコン52とが交互に燃焼停止処理を実行しながら、燃焼停止処理が確実に行われたかをメインマイコン51が判断しているので、サブマイコン52のフェールセーフ出力が正常に機能するかを常時確認することができ、異常が発生した場合にはすみやかに発見することができる。
ところで、このように燃焼停止処理の実行命令を通信によりサブマイコン52に与える構成では、ノイズ等の一時的な通信エラーによって、サブマイコン52が上記実行命令を受信できない場合や、上記サブマイコン52は実行命令を受信したがサブマイコン52からの応答信号をメインマイコン51が受信できない場合が生じ得る。かかる場合、メインマイコン51またはサブマイコン52のいずれかにおいてデータ未受信(通信途絶)の状態が継続していると上述したウォッチドッグ機能によって異常が発生している側のマイコンのリセット処理が実行されるが、データの送受信そのものはなされていると上記ウォッチドッグ機能は機能せず、その結果、上記実行命令の送信後15秒後に行われる消火判定処理によってメインマイコン51側が燃焼停止処理を実行することになる。
しかし、それでは燃焼の停止が遅くなり、しかも上述した安全動作が実行される結果、電源を再投入しないとこの安全動作を解除できないので、実際の使用に当たっては使い勝手が悪くなる。
そのため、本実施形態では、燃焼停止処理の実行命令を送信したにもかかわらず、サブマイコン52から上記実行命令を受信したことを示す応答信号が返信されない(当該返信をメインマイコン51が受信できない)状態が所定回数M回(Mは任意)連続して繰り返されると、メインマイコン51側でリレー駆動信号の出力を停止して燃焼を停止させるように構成される。なお、この段階では、データの送受信そのものは行われており、単なる一時的な通信エラーと考えて支障ないので安全動作は行わないように設定される。
このように、サブマイコン51からの応答信号が受信されない状態が所定回数繰り返えされるとメインマイコン51側の処理でバーナの燃焼停止処理を実行するように構成したことにより、一時的な通信エラーがあっても迅速に燃焼停止処理を行うことができる。
D.サブマイコンの入力端子の機能確定処理:
上述したように、本発明の制御装置1では、サブマイコン52は、メインマイコン51との通信によりその入力端子の機能確定処理を実行するようにプログラミングされている。その手順を図8のフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、給湯器に電源が投入され(図8ステップS1参照)、メインマイコン51のリセットが解除されると、上述したようにメインマイコン51とサブマイコン52とが通信を開始する(図8ステップS2参照)。
この通信開始により、メインマイコン51から給湯器の機種を特定する機種データがサブマイコン52に送信され、サブマイコン52において機種データが取得される(図8ステップS3参照)。ここで、この機種データは、サブマイコン52の入力端子(入出力ポート)の機能確定に必要な事項を記述したデータで構成される。本実施形態では、後述する図8ステップS4の判断で単機能機種か複合機能機種かで機能確定が行われるように構成されているので、少なくとも、この機種データは給湯器が単機能の機種であるか、複合機能の機種であるかを示すデータで構成される。
そして、サブマイコン52は取得した機種データに基づいて給湯器が単機能の機種であるか、複合機能の機種であるかを判断し(図8ステップS4参照)、複合機種であると判断すると、サブマイコン52の入力端子を複合機能の機種で使用されるように入力端子の機能を確定する(図8ステップS5参照)。たとえば上記機種データによる判断が給湯と風呂追い焚きの複合機種である場合には、図9の符号52aで示すように、上記入力端子として、給湯用ガス電磁弁の弁監視信号を入力する電磁弁監視入力端子SV・IN(給湯)、給湯用のバーナの炎検知信号を入力する炎検知入力端子FR・IN(給湯)、給湯用の水量検出信号を入力する水量入力端子WA・IN(給湯)と、風呂追い焚き用のガス電磁弁の弁監視信号を入力する電磁弁監視入力端子SV・IN(風呂)、風呂追い焚き用のバーナの炎検知信号を入力するための炎検知入力端子FR・IN(風呂)、風呂追い焚き用の水流検知信号を入力するための水量入力端子WA・IN(風呂)に設定する。
これに対して、図8ステップS4の判断が単機能機種である場合には、サブマイコン52の入力端子を単機能の機種で使用されるように入力端子の機能を確定する。たとえば上記機種データによる判断が給湯単機能の機種である場合には、図9の符号52bで示すように、上記入力端子として、給湯用ガス電磁弁の弁監視信号を入力する電磁弁監視入力端子SV・IN(給湯)、給湯用のバーナの炎検知信号を入力する炎検知入力端子FR・IN(給湯)、給湯用の水量検出信号を入力する水量入力端子WA・IN(給湯)として機能確定するとともに、残余の入出力ポート(複合機種であれば燃料漏出検出手段4が接続される入出力ポート)を、他の入力端子(入力1〜3)として(たとえば、風圧スイッチ入力端子など)機能確定する。これにより、上記他の入力端子で得られたデータをメインマイコン51に提供できるようになり、メインマイコン51での制御を充実させることができる。
なお、この残余の入出力ポート(入力1〜3)をいかなる端子として使用するかはプログラムの設定により適宜変更可能である。また、上述した実施形態では、図8ステップS4の判断では単機能機種,複合機能機種のいずれであるかを判断させる場合を示したが、この判断はサブマイコン52の機能確定の態様に合わせてより詳細に行わせることも可能である。たとえば、複合機能機種であっても、給湯・風呂追い焚きの複合機種か、それとも給湯・暖房の複合機種かなどより細かく判断させることも可能であり、その場合は上記機種データもこの判断に合わせて詳細なデータが用いられる。
このように、本実施形態の制御装置では、サブマイコン52がメインマイコン51から取得した情報(機種データ)に基づいて、サブマイコン52に備えられた入出力ポートの機能を設定する処理(機能確定処理)を実行するので、給湯器の機種(単機能か複合機能か)に関係なく共通のサブマイコン52を提供できるので、サブマイコン52の製造コストを安く押さえることができ、その結果、制御装置1を安価に提供することができる。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態では、本発明をガス給湯器に用いた場合を示したが、本発明はこれに限定されず、オイルを燃料とする給湯器にも適用可能である。さらにまた、燃焼部を備えた燃焼装置であれば給湯器以外(たとえば暖房単機能の燃焼装置など)にも適用可能である。
また、上述した実施形態では、負荷駆動手段として電磁弁駆動回路2を示したが、負荷駆動手段の具体的な回路構成等は燃焼部に燃料を供給する負荷の態様に応じて適宜設計変更可能である。また、電源遮断回路3の具体的な回路も適宜設計変更可能である。
また、上述した実施形態ではフェールセーフ機能動作時に能力切替弁を閉弁させる場合を示したが元ガス電磁弁を閉弁させるように構成することも可能である。つまり、通常の給湯器では、能力切替弁の上流側にガス管からのガスの供給/遮断を司る大元の電磁弁が設けられているため、この電磁弁を閉弁させることによってバーナユニットへのガスの供給を遮断するように構成することも可能である。この場合、元ガス電磁弁も能力切替弁の場合と同様に、電源遮断回路3を介して電源供給を受ける上記電磁弁駆動回路2によって開閉制御されるように構成される。また、この元ガス電磁弁が開弁・閉弁のいずれの状態にあるかの監視も上記電磁弁監視回路41により行われる。
さらに、上述した実施形態では、ウォッチドッグ機能によってメインマイコン51がサブマイコン52の異常を検出した場合、直ちにサブマイコン52のリセット処理を行わない場合を示したが、かかる場合、メインマイコン51がサブマイコン52のリセット処理を直ちに実行するように構成することも可能である。
また、上述した実施形態では、通常の給湯運転時における消火判定処理はメインマイコン側でのみ行う場合を示したが、この消火判定処理もメインマイコン51とサブマイコン52とが分担するように構成することもできる。つまり、メインマイコン側で燃焼停止処理を実行した場合には、その消火判定処理を燃料漏出検出手段4からの検出信号(具体的には弁監視回路41からの弁監視信号)に基づいてサブマイコン52側で行わせ、サブマイコン側で燃焼停止処理を実行した場合には、メインマイコン51で消火判定処理を行うように構成することができる。そして、このような消火判定の結果、相手方による燃焼停止処理が正常に行われていないと判定された場合には、消火判定を行った側のマイコンが燃焼停止処理を行うように設定しておくことができ、この場合でも、通常の給湯運転における燃焼停止処理を確実に実行させることができる。
また、上述した実施形態ではメインマイコン51とサブマイコン52とのデータ通信を通信端子TXDとRXDの二つの端子を用いて行う場合について示したが、送受信兼用の一つの通信端子を用いてデータ通信を行わせることも可能である。
さらに、上述した実施形態では、フェールセーフ機能に関して、サブマイコン52側がメインマイコン51から取得した情報に基づいてフェールセーフ機能が正常に機能するか否かを判断する場合を示したが、メインマイコン51側においてもフェールセーフ機能が正常に機能するか否かを判断させることもできる。
その手順の一例は以下の通りである。すなわち、メインマイコン51は、サブマイコン52との通信により、サブマイコン52側が燃料漏出検出手段4から検出している給湯器の状態を示す情報(具体的には弁監視信号がオンかオフかを示す情報)取得する。そして、このサブマイコン52から取得した情報と、メインマイコン51自身が燃料漏出検出手段4から取得した情報と、メインマイコン51が電磁弁駆動回路2に与えたリレー駆動信号の状態とを比較して、これらが一致するか否かを判断する。これらが一致しなければ、メインマイコン51、サブマイコン52または燃料漏出検出手段4のいずれかに異常があると診断する。
そして、上記判断の結果、これら3種の情報が一致すれば、次に、メインマイコン51は、電磁弁駆動回路2にリレー駆動信号を与えるとともに、サブマイコン52に対してフェールセーフ出力を出すように命令し、サブマイコン52側の処理によって電磁弁駆動回路2に対する電源供給を遮断させる。そして、この状態で、再びメインマイコンが燃料漏出検出手段4から取得している弁監視信号の状態と、通信によりサブマイコン52から取得した弁監視信号の状態とを比較して、サブマイコン52側による電源遮断機能が正常に機能しているか否かを判断する。つまり、この時にメインマイコン51が燃料漏出検出手段4から弁監視信号オンの状態を検出していると、サブマイコン52によるフェールセーフ機能は正常に動作していないと診断する。
なお、このメインマイコン51によるフェールセーフ機能の診断処理を実行するためのプログラムは、メインマイコン51に予めプログラミングしておくことも可能であるが、たとえば、メインマイコン51に外部の検査装置を接続し、この検査装置に上記診断プログラムを記憶させておき、検査装置を通じてメインマイコン51に実行させることも可能である。その場合、外部の検査装置により迅速的確にフェールセーフ機能を診断することが可能となる。