JP2005036438A - 除塵機 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動軸及びテークアップ軸に塵芥の一部が巻きつくのを防ぎ、また、循環移動する無端リンクチェーンのリンクローラー部分や無端リンクチェーンをガイドするガイドレール内に塵芥が混入するのを簡単な構造で防ぐことにある。
【解決手段】無端状ネット3の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーン4と噛み合って循環移動させる左右の各駆動スプロケット5を、無端状ネット3のネット内面3a上方に配置されネット駆動装置9に連動連結される駆動軸5aの両端側に取り付け、上記駆動軸5aの外周に保護材8を回転する駆動軸5aに対して非回転状態に取り付け、左右の各テークアップ装置6を構成するテークアップガイド6aを、除塵機1の上部側の左右の上部側板1cに内側に向けて突出してそれぞれ独立して軸支された左右のテークアップガイド軸6bの先端にそれぞれ回転自在に軸設した。
【選択図】 図2
【解決手段】無端状ネット3の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーン4と噛み合って循環移動させる左右の各駆動スプロケット5を、無端状ネット3のネット内面3a上方に配置されネット駆動装置9に連動連結される駆動軸5aの両端側に取り付け、上記駆動軸5aの外周に保護材8を回転する駆動軸5aに対して非回転状態に取り付け、左右の各テークアップ装置6を構成するテークアップガイド6aを、除塵機1の上部側の左右の上部側板1cに内側に向けて突出してそれぞれ独立して軸支された左右のテークアップガイド軸6bの先端にそれぞれ回転自在に軸設した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、上下方向に循環動自在に設けられた通水性の無端状通水体の表面側で塵芥を捕捉して塵芥が下流側に流出するのを防ぐようにした除塵機に係り、特に、無端状通水体の内部の上部に取り付ける駆動軸の外周に回転する駆動軸に対し非回転の保護材を取り付け、又無端状通水体の内部の上部にテークアップ軸を取り付けない構造にすることによって、駆動軸及びテークアップ軸に塵芥の一部が巻きつくのを防ぎ、また、循環移動する無端リンクチェーンのリンクローラー部分や無端リンクチェーンをガイドするガイドレール内に塵芥が混入するのを簡単な構造で防ぐようにした除塵機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、揚水機場のポンプの故障原因となり又送水端末に設けられる各種弁、ノズル等の作動不良となる塵芥を除去するために、主に揚水機場のポンプ吸水槽に流れ込む水路には除塵機が設置されている。
また、除塵機の中には、上下方向に循環動自在に設けられた無端状ネットなどの無端状通水体の内面側で塵芥を捕捉して塵芥が下流側に流出するのを防ぐようにした機構のものがある。このような除塵機として、例えば、特許出願人は特願2000−247880を出願している。
この特願2000−247880の除塵機では、無端状通水体の駆動軸に塵芥の一部が巻き付くのを防ぐために、無端状通水体の通水体外面上方に駆動軸を設けて、無端状通水体の内部の上部に駆動軸を取り付けない構造にしている。
また、特願2000−247880の除塵機には、図11(A)〜(C)に図示するように、循環移動する無端リンクチェーン101のリンクローラー102部分や無端リンクチェーン101をガイドするガイドレール内に塵芥が混入するのを防ぐために、循環移動する無端リンクチェーン101の通水体取り付け側の外面を同一平面にするべく、内側リンク板103と外側リンク板104とを交互に連結して構成される無端リンクチェーン101のうち、全ての内側リンク板103の外面の全域には外側リンク板104と同一板厚の補助板105が取り付けられている。この補助板105はその長手方向両端をリンクローラ102の形状に対応する凹状円弧に形成されている。又各リンクローラー102の外側寄りの円周にはフランジ106が鍔として形成されている。この鍔としてのフランジ106はリンクローラー102が断面溝型のガイドレール内に嵌まり込んで、リンクローラー102がガイドレールに沿ってスムーズに転動しなくなるのを防ぐと共に、無端状ネットの無端状通水体が左右のガイドレール側に横移動するのを防ぐ機能を果たしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の特願2000−247880の除塵機にあっては、無端状通水体の駆動軸に塵芥の一部が巻き付くのを防ぐために、無端状通水体の通水体外面上方に駆動軸を設けているため、除塵機の高さがその分高くなるという不都合が生じ、又駆動軸の駆動力を左右のスプロケット軸に伝達する動力伝達機構を必要とし、その結果部品が増えるという不都合もあった。
また、前記の特願2000−247880の除塵機にあっては、循環移動する無端リンクチェーンのリンクローラー部分や無端リンクチェーンをガイドするガイドレール内に塵芥が混入するのを防ぐために、全ての内側リンク板の外面の全域に外側リンク板と同一板厚の補助板を取り付けているが、同除塵機を設置して使用したところ、初期の予想に比べて塵芥が混入し難く、内側リンク板の外面の全域に補助板を取り付けて塞ぐ必要がないことが判明し、その一方、内側リンク板に取り付ける全ての補助板は内側リンクの外面全域に取り付けるべくその両端をリンクローラの形状に対応する凹状円弧に加工形成されているが、全ての補助板をこのように加工形成するのは手間と時間がかかりコスト高となり、塵芥が混入し難いことを考慮すると現状の補助板の構造は明らかに過剰品質であった。また、リンクローラーがガイドレールに沿ってスムーズに転動しなくなるのを防ぐと共に、無端状ネットの無端状通水体が左右のガイドレール側に横移動するのを防ぐために、各リンクローラーにはフランジが鍔として形成されているが、各リンクローラーの外側寄りの円周にフランジを形成するのは手間と時間がかかりコスト高になるという不都合があった。
【0004】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、無端状通水体の内部の上部に取り付ける駆動軸の外周に回転する駆動軸に対し非回転の保護材を取り付け、又無端状通水体の内部の上部にテークアップ軸を取り付けない構造にすることによって、駆動軸及びテークアップ軸に塵芥の一部が巻きつくのを防ぎ、また、循環移動する無端リンクチェーンのリンクローラー部分や無端リンクチェーンをガイドするガイドレール内に塵芥が混入するのを簡単な構造で防ぐことのできる除塵機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、塵芥を捕捉する通水性の無端状通水体を、上下方向回りに循環動自在に且つ水路上流側の水を通水体内面を通過させて水路下流側に流れるように水路に配置し、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンと噛み合って循環移動させる左右の各駆動スプロケットを、無端状通水体の通水体内面上方に配置され通水体駆動装置に連動連結される駆動軸の両端側に取り付け、上記駆動軸の外周に保護材を回転する駆動軸に対して非回転状態に取り付け、左右の無端リンクチェーンの緩み、緊張具合を調整する左右の各テークアップ装置を構成するテークアップガイドを、除塵機の上部側の左右の上部側板に内側に向けて突出してそれぞれ独立して軸支された左右のテークアップガイド軸の先端にそれぞれ回転自在に軸設し、通水体内面に捕捉した塵芥を噴射水によって下方に落とす洗浄装置を無端状通水体の通水体外面上方に設け、噴射水によって通水体内面から落ちる塵芥を回収するトラフを無端状通水体の内面側の上部に配置した手段よりなるものである。
【0006】
また、請求項2の発明は、塵芥を捕捉する通水性の無端状通水体を、上下方向回りに循環動自在に水路に配置し、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンの通水体取り付け側の交互に凹凸面となる外面の凹面に、凹凸面の厚み差と同一の板厚からなり且つ直角な関係のリンク取付側とネット取付側を有する断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の両端を両側の凸面近傍まで延ばして取り付け、左右の無端リンクチェーンをガイドするガイドレールを断面溝型から構成し、断面溝型からなる左右のガイドレールを、無端状通水体の通水体上流側に臨む側に位置する内側ガイドレール片と無端状通水体の通水体下流側に臨む側に位置する外側ガイドレール片から構成し、無端リンクチェーンの通水体取り付け側の外面と僅かな隙間をあけて、無端状通水体の通水体上流側に臨む側の無端リンクチェーンの上記外面を覆うように、防塵板を内側ガイドレール片の全長さにわたって取り付け、無端リンクチェーンの上記外面の凹面に取り付けられる断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の先端を無端リンクチェーンのリンクローラーの防塵板側寄り周縁の延長線上から防塵板側に向けて突出させると共にその突出量をガイドレールの溝幅からリンクローラーの直径を引いた差より大きくし、無端状通水体に捕捉した塵芥を噴射水によって下方に落とす洗浄装置を無端状通水体の上方に設け、噴射水によって通水体から落ちる塵芥を回収するトラフを無端状通水体の上部に配置した手段よりなるものである。
【0007】
また、請求項3の発明は、塵芥を捕捉する通水性の無端状通水体を、上下方向回りに循環動自在に且つ水路上流側の水を通水体内面を通過させて水路下流側に流れるように水路に配置し、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンと噛み合って循環移動させる左右の各駆動スプロケットを、無端状通水体の通水体内面上方に配置され通水体駆動装置に連動連結される駆動軸の両端側に取り付け、上記駆動軸の外周に保護材を回転する駆動軸に対して非回転状態に取り付け、左右の無端リンクチェーンの緩み、緊張具合を調整する左右の各テークアップ装置を構成するテークアップガイドを、除塵機の上部側の左右の上部側板に内側に向けて突出してそれぞれ独立して軸支された左右のテークアップガイド軸の先端にそれぞれ回転自在に軸設し、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンの通水体取り付け側の交互に凹凸面となる外面の凹面に、凹凸面の厚み差と同一の板厚からなり且つ直角な関係のリンク取付側とネット取付側を有する断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の両端を両側の凸面近傍まで延ばして取り付け、左右の無端リンクチェーンをガイドするガイドレールを断面溝型から構成し、断面溝型からなる左右のガイドレールを、無端状通水体の通水体上流側に臨む側に位置する内側ガイドレール片と無端状通水体の通水体下流側に臨む側に位置する外側ガイドレール片から構成し、無端リンクチェーンの通水体取り付け側の外面と僅かな隙間をあけて、無端状通水体の通水体上流側に臨む側の無端リンクチェーンの上記外面を覆うように、防塵板を内側ガイドレール片の全長さにわたって取り付け、無端リンクチェーンの上記外面の凹面に取り付けられる断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の先端を無端リンクチェーンのリンクローラーの防塵板側寄り周縁の延長線上から防塵板側に向けて突出させると共にその突出量をガイドレールの溝幅からリンクローラーの直径を引いた差より大きくし、通水体内面に捕捉した塵芥を噴射水によって下方に落とす洗浄装置を無端状通水体の通水体外面上方に設け、噴射水によって通水体内面から落ちる塵芥を回収するトラフを無端状通水体の内面側の上部に配置した手段よりなるものである。
【0008】
ここで、請求項1、請求項3の発明は、保護材は駆動軸の外周に直接支持して取り付けられると共に、保護材の下部には錘が取り付けられていてもよく、また、保護材は半割りの二分割された部材からなるものでもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に記載の発明の実施の形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0010】
ここで、図1は除塵機の全体側断面図、図2は除塵機の水路上流側から見たときの全体概略正断面図、図3は除塵機の全体平断面図、図4は除塵機の上部側の平断面図、図5(A)〜(C)は保護材の断面図、図6(A)〜(C)は二分割の保護材の断面図、図7は保護材のブラケット支持の側面図、図8は除塵機のガイドレール側の部分拡大平断面図、図9は除塵機の無端リンクチェーンの部分側面図、図10は除塵機の無端リンクチェーンの部分正面図である。
【0011】
図において、除塵機1は、主に揚水機場のポンプ吸水槽に流れ込む水路2に設置され、ポンプの故障原因となり又送水端末に設けられる各種弁、ノズル等の作動不良となる塵芥を除去する装置で、無端状通水体としての例えば無端状ネット3、無端リンクチェーン4、駆動スプロケット5、テークアップ装置6、ガイドレール7、保護材8、通水体駆動装置としての例えばネット駆動装置9、洗浄装置12、トラフ13などから構成されている。
【0012】
除塵機1が設置される個所の水路2の直近上流の左右両側壁には、水路2の両側壁から中央側に向けてそれぞれ案内側壁2cが突出形成されていて、一時的に水路幅が狭くなっている。左右の案内側壁2cは、水路2の下流に向けて傾斜して水路2の左右両壁側の水を中央側に向けて案内誘導する構造になっている。
【0013】
塵芥を捕捉する通水性の無端状通水体としての例えば無端状ネット3は、水路2の左右の案内側壁2cの直近下流の中央部位に上下方向回りに循環動自在に配置されている。所定の幅面つまりネット面を有する無端状ネット3は、その幅方向となるネット面が水路2の水流に対して略平行に配置されている。つまり、無端状ネット3のネット面は水路2の左右の側壁に平行になるように水路2に配置されている。
【0014】
水路2の中央部位に配置された無端状ネット3はその一側面が左右の案内側壁2cによって一時的に狭くなっている水路上流側2bに向けて開放されており、開放された両側には左右の案内側壁2cとの隙間に上流側止水板1aがそれぞれ取り付けられていて、この上流側止水板1aによって水路上流側2bの水が無端状ネット3を通過せずに水路下流側2aに流出するのを阻止している。
【0015】
また、無端状ネット3のネット内面3a側の他側面には下流側止水板1bが水路2を横断する方向に設置されていて、ネット内面3a側に流入した水及び塵芥はこの下流側止水板1bによってネット内面3aを通過せずに水路下流側2aに流れるのが阻止されると共に、左右両側のネット内面3aに向けて流れを変えられるようになっている。
【0016】
無端状ネット3は、水路上流側2bから見て、その下部は半円弧状に形成され、その左右両側は垂直上下向きに平行に形成され、その上部側は左右両側が中央に向けて90度の円弧状に曲がって水平状態になっていて、下部長円形状で上部略長方形状の形状に形成されている。そして、無端状ネット3はこの形状で循環移動して、ネット内面3aで捕捉した塵芥を上部側の水平状態の部分から下方に落下させて排出する構造になっている。
【0017】
無端状ネット3はその幅面つまりネット面の両端がそれぞれ左右の無端状の無端リンクチェーン4に連結されている。左右の無端リンクチェーン4は水路2の正面側から見て、無端状ネット3と全く同一な形状に配置されている。
【0018】
つまり、左右の無端リンクチェーン4は、水路上流側2bから見て、その下部は半円弧状に形成され、その左右両側は垂直上下向きに平行に形成され、その上部側は左右両側が中央に向けて90度の円弧状に曲がって水平状態になっていて、下部長円形状で上部略長方形状の形状に形成されている。そして、左右の無端リンクチェーン4はこの形状で循環移動する構造になっている。
【0019】
左右の無端リンクチェーン4は、厚みを有する長円形状の内側リンク板4aと外側リンク板4bを長さ方向に交互にその両端側同士を一部板厚側に重ねて連結軸4cによって屈曲自在に連結され、又この両者を重ねて連結する両側の内側部分に挟まれたリンクローラー4dが連結軸4cに回転自在に取り付けられた構造から構成されている。
【0020】
厚みを有する内側リンク板4aと外側リンク板4bを長さ方向に交互に重ねて連結するため、無端状通水体としての無端状ネット3の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーン4の通水体取り付け側つまり無端状ネット3の取り付け側の外面は、外側リンク板4bの厚みによって交互に凹凸面になっている。このうち、凸面の外面は外側リンク板4bの外面であり、凹面の外面は内側リンク板4aの外面である。
【0021】
左右無端リンクチェーン4の無端状ネット3の端部が取り付けられる側の各内側リンク板4aの外面つまり凹面となる外面には、外側リンク板4bと同じ板厚の断面L字型ネット取付補助板4eがそれぞれ取り付けられている。
【0022】
断面L字型ネット取付補助板4eは、無端状ネット3の端部を取り付けるためのものであり、又別の機能としては、リンクローラー4dが断面溝型のガイドレール7内に嵌まり込んで、リンクローラー4dがガイドレール7に沿ってスムーズに転動しなくなるのを防ぐと共に、無端状ネット3が左右のガイドレール7側に横移動するのを防ぐ機能を果たし、さらに、外側リンク板4bの板厚分だけ有する隙間を埋めてこの部分から塵芥が混入するのを防ぐ機能を果たす。
【0023】
この断面L字型ネット取付補助板4eはその断面が直角に曲がっていて、直角曲がった一方側のリンク取付側4fは内側リンク板4aの外面に取り付けられ、直角に曲がった他方側のネット取付側4gには無端状ネット3の端部が取り付けられる。
【0024】
断面L字型ネット取付補助板4eのリンク取付側4fは、リンクローラー4dが断面溝型のガイドレール7内に嵌まり込んで、リンクローラー4dがガイドレール7に沿ってスムーズに転動しなくなるのを防ぐと共に、無端状ネット3が左右のガイドレール7側に横移動するのを防ぐ機能を果たす。
【0025】
このため、リンク取付側4fはその先端が内側リンク板4aの側縁及びリンクローラー4dの周縁の延長線上から後述する防塵板10側に向けて少し突出するように内側リンク板4aに取り付けられる。リンク取付側4fのリンクローラー4dの周縁の延長線上からの突出量は、後述の溝型のガイドレール7の溝幅からリンクローラー4dの直径を引いた差より大きい量であり、これにより、リンク取付側4fの突出する側は常にガイドレール7の溝の出口先端の外側に位置して溝内側に入ることがない。
【0026】
つまり、無端状ネット3が左右に移動しても、リンク取付側4fの突出する側が片方のガイドレール7の溝の出口先端に当接してそれ以上溝内側に無端状ネット3が移動するのを阻止し、同様にリンクローラー4dが断面溝型のガイドレール7内に嵌まり込んで、リンクローラー4dがガイドレール7に沿ってスムーズに転動しなくなるのを防ぐことができる。
【0027】
内側リンク板4aの外面に取り付けられる外側リンク板4bと同一の板厚を有するリンク取付側4fは、その長さ方向の両端が両側の凸面を構成する外側リンク板4bの近傍まで延ばして取り付けられていて、外側リンク板4bの板厚分だけ隙間のある内側リンク板4aの外面側を外側リンク板4bと同一板厚のリンク取付側4fによって略塞いで塵芥の混入を防ぐことができるようになっている。
【0028】
また、左右無端リンクチェーン4の無端状ネット3の端部が取り付けられる側の各外側リンク板4bの外面には、無端状ネット3の端部を取り付けるためのネット取付板4hが垂直に取り付けられている。ネット取付板4hと断面L字型ネット取付補助板4eのネット取付側4gとは同一直線上に位置するように外側リンク板4bと内側リンク板4aにそれぞれ取り付けられる。
【0029】
左右の無端リンクチェーン4は、無端状ネット3はその幅面つまりネット面の両端側にそれぞれ配置された、上部側の左右の駆動スプロケット5、上部側の左右のテークアップ装置6の円形のテークアップガイド6a、及び左右の垂直上下方向及び下部の半円弧状に形成されたガイドレール7によって、下部長円形状で上部略長方形状の形状に保持されて循環動するようになっている。
【0030】
このうち、左右の無端リンクチェーン4の上端部両側の円弧状に曲がる部分の内側には駆動スプロケット5とテークアップ装置6の円形のテークアップガイド6aがそれぞれ取り付けられている。また、下端部には半円弧状に形成されたガイドレール7が取り付けられている。
【0031】
左右の駆動スプロケット5は、左右の無端リンクチェーン4と噛み合って無端リンクチェーン4を循環動させるもので、無端状ネット3の上部側の内面側に配置された駆動軸5aの両端側に取り付けられている。両端側に駆動スプロケット5が取り付けられた駆動軸5aの配置方向は水路2の水流方向に平行になっている。この左右の駆動スプロケット5によって左右の無端リンクチェーン4は、例えば垂直上向きから水平向きに90度反転する。
【0032】
駆動軸5aの両端側は除塵機1の上部側の左右の上部側板1cにそれぞれ軸支されると共に、駆動軸5aの一端側は一方の上部側板1cを貫通してその外側に設けられた外部側板1dに取り付けられた減速機及び電動モーターから構成されるネット駆動装置9に連動連結されている。ネット駆動装置9の駆動力は、駆動軸5aを介して両側の駆動スプロケット5にそれぞれ伝達されて、両側の駆動スプロケット5は同一速度で回転する。
【0033】
駆動軸5aは、特願2000−247880と異なり、特開平10−317355と同様に、無端状ネット3の上部側の内面側に配置されているため、無端状ネット3の上部側で捕捉した塵芥を下方のトラフ13内に落下させる際に、回転する駆動軸5aに塵芥の一部が巻き付くことが考えられる。このため、駆動軸5aの外周には、回転する駆動軸5aに対して保護材8が非回転状態で取り付けられている。
【0034】
即ち、保護材8は回転する駆動軸5aに対して絶対的に非回転状態、つまり常時停止状態にある。非回転の保護材8は、回転する駆動軸5aの外周に直接支持して取り付ける場合と、回転する駆動軸5aでは支持させずに後述のブラケット8cにより上部側板1cに支持して取り付ける場合とがある。
【0035】
回転する駆動軸5aの外周側面の全周面と滑り接触する保護材8の内部には例えば中空円筒形状のオイルレスベアリング8aが取り付けられている。このオイルレスベアリング8aの働きによって、回転する駆動軸5aに対して保護材8は非回転状態を維持することが可能となる。
【0036】
また、保護材8の非回転を高めるために、保護材8の下部には必要に応じて錘8bが取り付けられる。錘8bを保護材8の下部に取り付けることにより、オイルレスベアリング8aの滑りが低下しても、錘8bによって保護材8が回転するのを阻止して非回転状態を維持することが可能となる。
【0037】
更にまた、保護材8の非回転を確実する構造として、錘8bに代えて保護材8の両端側を左右のブラケット8cを介して左右の上部側板1cに連結支持する構造にしてもよい。この構造の場合には、保護材8の内部のオイルレスベアリング8aを省略することも可能となる。オイルレスベアリング8aを省略する場合には、保護材8の内周面と駆動軸5aの外周面とが非接触になるように隙間をあける。
【0038】
保護材8として、例えば断面円筒形の鋼管、断面角型の鋼管、断面逆U字型鋼などがある。また、保護材8は、二分割されたいわゆる半割り状態の部材もある。二分割された半割りの場合には両側から合わせることによって駆動軸5aの外周に簡単に取り付けることができるため、既設の除塵機の駆動軸に取り付けることが可能である。
【0039】
左右のテークアップ装置6は、左右の無端リンクチェーン4の緩み、緊張具合を調整する装置で、円形のテークアップガイド6a、テークアップガイド軸6b、テークアップガイド軸スライド調節具6cなどから構成され、除塵機1の上部側の左右の上部側板1cにそれぞれ独立して設けられている。
【0040】
左右の各テークアップ装置6の円形の各テークアップガイド6aは、左右の各駆動スプロケット5の近くに設けられている。また、左右の各円形のテークアップガイド6aには円板又は駆動スプロケット5と同じように歯付きのものが使用され、約4分の1の円周の長さ分程度、無端リンクチェーン4が回装されている。
【0041】
左右の円形のテークアップガイド6aは、除塵機1の上部側の左右の上部側板1cに内側に向けて突出してそれぞれ独立して軸支された左右のテークアップガイド軸6bの先端にそれぞれ回転自在に軸支されている。左右の各テークアップガイド軸6bは独立していて非連結状態あり、左右のテークアップガイド6aの間には両者を連動連結する連結軸は横設されていない。
【0042】
左右の各テークアップガイド軸6bは、その基端が左右の各上部側板1cの内側に取り付けられたテークアップガイド軸スライド調節具6cにスライド調節自在に軸設されている。このテークアップガイド軸スライド調節具6cを調節してテークアップガイド軸6bをスライドさせることによって、円形のテークアップガイド6aを介して無端リンクチェーン4の緩み、緊張具合を調整する機構になっている。
【0043】
左右のガイドレール7は、左右の無端リンクチェーン4を格納しながらガイドするもので、断面溝型の形状からなっている。左右のガイドレール7は、水路上流側2bから見て、下端側が半円弧状に形成され、その両側が平行に上下方向に形成され、上部が開放された、U字型の形状に形成されている。
【0044】
このうち、平面図で、左側のガイドレール7はその上部側を除く大半部分が上流側止水板1aにそれぞれ取り付けられ、右側のガイドレール7はその上部側を除く大半部分が下流側止水板1bにそれぞれ取り付けられている。
【0045】
断面溝型からなる左右のガイドレール7は、水の流れ方向から見て通水体上流側となる無端状ネット3のネット内面3a側に臨む側に位置する内側ガイドレール片7aと、水の流れ方向から見て通水体下流側となる無端状ネット3のネット外面3b側に臨む側に位置する外側ガイドレール片7bから構成されている。
【0046】
断面溝型からなるガイドレール7を構成する内側ガイドレール片7aと外側ガイドレール片7bとは、無端リンクチェーン4のリンクローラー4dの直径より少し広い間隔で平行に、上流側止水板1a及び下流側止水板1bに取り付けられている。
【0047】
左右のガイドレール7の水の流れ方向から見て通水体上流側となる無端状ネット3のネット内面3aに臨む側に位置する内側ガイドレール片7aは、そのU字型の上端の両側が駆動スプロケット5及びテークアップガイド6aの接触しない程度の直近まで延設されている。
【0048】
この内側ガイドレール片7aには、防塵板10が全長さにわたって取り付けられている。防塵板10は、塵芥の一部が循環移動する無端リンクチェーン4のリンクローラー4d部分や無端リンクチェーン4をガイドするガイドレール7内に混入するのを防ぐものである。
【0049】
防塵板10は、その基端側が内側ガイドレール片7aの外側面に取り付けられ、その先端側が内側ガイドレール片7aの先端から無端状ネット3の内面側に少し突出すると共に、無端リンクチェーン4の無端状ネット3の取り付け側の同一平面となる外側リンク板4b及び断面L字型ネット取付補助板4eのリンク取付側4fの外面より僅かに突出する位置で、無端リンクチェーン4側に略90度折れ曲がって、その先端が外側リンク板4b及びリンク取付側4fの外面と接触しない僅かな隙間をあけて、無端状ネット3のネット内面3a側の無端リンクチェーン4の無端状ネット3の取り付け側の同一平面となる外側リンク板4b及び断面L字型ネット取付補助板4eのリンク取付側4fの外面を覆うように取り付けられている。この防塵板10は例えば断面L字型に形成されている。防塵板10には例えば鋼板又はゴムシールで製作されたものが使用される。
【0050】
また、左右のガイドレール7の水の流れ方向から見て通水体下流側となる無端状ネット3のネット外面3bに臨む側に位置する外側ガイドレール片7bは、そのU字型の両側の上端が無端状ネット3の上端面より少し上方に突出する程度まで延設されている。
【0051】
無端状ネット3のネット内面3aには塵芥を掻き上げ且つ無端状ネット3の取付部材を兼ねる複数のレーキ11が、必要に応じて無端状ネット3の循環方向に一定間隔で取り付けられている。各レーキ11の両端は左右の無端リンクチェーン4にそれぞれ連結されている。各レーキ11は無端状ネット3の保持強度を高める機能を果たす。
【0052】
洗浄装置12は無端状ネット3のネット内面3aに捕捉した塵芥を噴射水によって下方に落とす装置で、水路2の上方の水平な無端状ネット3のネット外面3b上方にノズル付洗浄管12aが下向きに設けられている。ノズル付洗浄管12aに向けて水を供給する水中ポンプ12bが無端状ネット3の水路下流側2aの水路底面側に配置されており、また、水中ポンプ12bから送られる噴射水をノズル付洗浄管12aまで供給する洗浄用配管12cが配設されている。
【0053】
トラフ13は、ノズル付洗浄管12aからの噴射水によって無端状ネット3のネット内面3aから落ちる塵芥を回収するもので、無端状ネット3のネット内面3a側の上部に無端状ネット3の幅方向に配置され、その一端側は無端状ネット3の外側まで延設されている。トラフ13は上向きに拡開していて、噴射水及びネット内面3aから落ちる塵芥がその内部に入り易いように形成されている。
【0054】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
水路2の両側壁から中央側に向けてそれぞれ案内側壁2cが突出形成されている中央部位の直近下流に、上下方向回りに循環動自在に除塵機1の無端状ネット3が配置されており、無端状ネット3の一側面は水路上流側2bに向けて開放されている。
【0055】
このため、水路上流側2bから水路下流側2aに向かって流れる水と塵芥は、左右の案内側壁2cによって水路2の中央側に誘導され、無端状ネット3の水路上流側2bに向けて開放された側面からネット上流側となるネット内面3a側に流入する。
【0056】
側面から流入した水と塵芥はネット内面3a側で左右に分かれて両側の上昇側ネット内面3a及び下降側ネット内面3aをそれぞれ通過して水路下流側2aに向かって流れる。水はその両側のネット内面3aを通過するが塵芥はネット内面3aで捕捉される。
【0057】
水路2の中央部位に上下方向回りに循環動自在に配置された無端状ネット3は、そのネット面の両端が左右の無端リンクチェーン4にそれぞれ連結されている。左右の無端リンクチェーン4は、左右の駆動スプロケット5、及び無端状ネット3のネット内面3a上方に幅方向に横設され且つその外周に非回転の保護材8が取り付けられた駆動軸5aを介して連動連結されたネット駆動装置9によって、ガイドレール7に沿って循環動する。
【0058】
すなわち、ネット駆動装置9の駆動によって左右の駆動スプロケット5は同一速度で回転し、この左右駆動スプロケット5と噛み合う無端リンクチェーン4は上下方向回りに循環動し、この無端リンクチェーン4と一体となって無端状ネット3も上下方向回りに循環動する。
【0059】
ネット内面3aで捕捉された塵芥は垂直上向きに移動している無端状ネット3によって上方に運ばれ、駆動スプロケット5の箇所で水平向きに反転してテークアップ装置6のテークアップガイド6aに向けて水平に移動する無端状ネット3によって、トラフ13の上方に運ばれる。
【0060】
無端状ネット3のネット内面3a側にレーキ11が取り付けられている場合には、一部の塵芥はレーキ11によって掻き上げられ、トラフ13の上方側でレーキ11から落下してトラフ13内に回収される。
【0061】
トラフ13の上方の無端状ネット3のネット外面3b上方には洗浄装置12のノズル付洗浄管12aが下向きに設けられていて、そのノズル付洗浄管12aから下向きに噴射水が噴射される。この噴射水によって水平部分の無端状ネット3のネット内面3aに付着している塵芥は下方に水と共に落下してトラフ13内に回収される。トラフ13内に回収された水及び塵芥は端部から外部に排出される。
【0062】
噴射水によってネット内面3aに付着していた塵芥が落とされた無端状ネット3は円形のテークアップガイド6aの箇所で垂直下向きに反転して、真っ直ぐに下方に移動して水面に突入し、半円弧状の下端側で反転して垂直上向きになり、水面上に出るときにネット内面3aで再び塵芥を捕捉しつつ垂直上向きに循環移動する。
【0063】
このとき、トラフ13の上方で無端状ネット3のネット内面3aの上部側に横設された駆動軸5aの外周には非回転の保護材8が取り付けられ、又トラフ13の上方で無端状ネット3のネット内面3aの上部側にはテークアップ軸が取り付けられていないため、落下する塵芥の一部が駆動軸5aやテークアップ軸に巻き付くこともなく、スムーズにトラフ13内に回収される。
【0064】
また、無端リンクチェーン4をガイドするガイドレール7は、無端状ネット3のネット内面3aに臨む側に位置する内側ガイドレール片7aに防塵板10が全長さにわたって取り付けられている。しかも、ガイドレール7にガイドされる無端リンクチェーン4の防塵板10によって覆われる側は、外側リンク板4bの板厚分だけ隙間のある内側リンク板4aの外面側を外側リンク板4bと同一板厚の断面L字型ネット取付補助板4eのリンク取付側4fによって略塞いでいるので、その隙間から無端リンクチェーン4又はガイドレール7内への塵芥の混入を防ぐことができる。
【0065】
このように、塵芥は無端状ネット3のネット内面3aに捕捉され、塵芥を捕捉する側を内側にして無端状ネット3は循環動するため、塵芥を水路下流側2aの外部に流下させることを極力減少させることができる。
【0066】
なお、この発明は上記発明の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。例えば、前記実施の形態では、無端状通水体の内面側で塵芥を捕捉する場合で説明したが、これに限定されるものではなく、水の流れが無端状通水体の外面より入り内側に抜けて行くタイプの除塵機や、略長円形状に循環動する無端状通水体の外面側で塵芥を捕捉するタイプの除塵機にも適用できる。また、前記実施の形態では無端状通水体として無端状ネット3の場合で説明したが、これに限定されるものではなく、例えば複数の通水板を無端状に連結したものでもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上の記載より明らかなように、請求項1の発明に係る除塵機によれば、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンと噛み合って循環移動させる左右の各駆動スプロケットを、無端状通水体の通水体内面上方に配置され通水体駆動装置に連動連結される駆動軸の両端側に取り付け、上記駆動軸の外周に保護材を回転する駆動軸に対して非回転状態に取り付け、左右の無端リンクチェーンの緩み、緊張具合を調整する左右の各テークアップ装置を構成するテークアップガイドを、除塵機の上部側の左右の上部側板に内側に向けて突出してそれぞれ独立して軸支された左右のテークアップガイド軸の先端にそれぞれ回転自在に軸設したことにより、無端状通水体の内部の上部に駆動軸の外周に取り付けた非回転の保護材によって、駆動軸に塵芥の一部が巻きつくのを防ぐことができる。また、テークアップ軸を取り付けない構造にすることができるので、テークアップ軸に塵芥の一部が巻きつくのを防ぐことができる。さらに、特願2000−247880に比べて、無端状通水体の通水体外面上方に駆動軸などを横設しないので、除塵機の高さが高くなるのを回避でき、しかも動力伝達機構を省略できるので、部品数を減らすことができる。
【0068】
また、請求項2の発明に係る除塵機によれば、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンの通水体取り付け側の交互に凹凸面となる外面の凹面に、凹凸面の厚み差と同一の板厚からなり且つ直角な関係のリンク取付側とネット取付側を有する断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の両端を両側の凸面近傍まで延ばして取り付け、左右の無端リンクチェーンをガイドするガイドレールを断面溝型から構成し、断面溝型からなる左右のガイドレールを、無端状通水体の通水体上流側に臨む側に位置する内側ガイドレール片と無端状通水体の通水体下流側に臨む側に位置する外側ガイドレール片から構成し、無端リンクチェーンの通水体取り付け側の外面と僅かな隙間をあけて、無端状通水体の通水体上流側に臨む側の無端リンクチェーンの上記外面を覆うように、防塵板を内側ガイドレール片の全長さにわたって取り付け、無端リンクチェーンの上記外面の凹面に取り付けられる断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の先端を無端リンクチェーンのリンクローラーの防塵板側寄り周縁の延長線上から防塵板側に向けて突出させると共にその突出量をガイドレールの溝幅からリンクローラーの直径を引いた差より大きくしたことにより、循環移動する無端リンクチェーンのリンクローラー部分や無端リンクチェーンをガイドするガイドレール内に塵芥が混入するのを簡単な構造で防ぐことができると共にリンクローラーの外周側に鍔としてのフランジの形成を省略することができる。しかも、断面L字型ネット取付補助板は市販の部材を使用できるため、特願2000−247880に比べて、部材の成形加工を簡略でき、作業手間と時間を短縮し得てコストを軽減することができる。
【0069】
また、請求項3の発明に係る除塵機によれば、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンと噛み合って循環移動させる左右の各駆動スプロケットを、無端状通水体の通水体内面上方に配置され通水体駆動装置に連動連結される駆動軸の両端側に取り付け、上記駆動軸の外周に保護材を回転する駆動軸に対して非回転状態に取り付け、左右の無端リンクチェーンの緩み、緊張具合を調整する左右の各テークアップ装置を構成するテークアップガイドを、除塵機の上部側の左右の上部側板に内側に向けて突出してそれぞれ独立して軸支された左右のテークアップガイド軸の先端にそれぞれ回転自在に軸設したことにより、無端状通水体の内部の上部に駆動軸の外周に取り付けた非回転の保護材によって、駆動軸に塵芥の一部が巻きつくのを防ぐことができる。また、テークアップ軸を取り付けない構造にすることができるので、テークアップ軸に塵芥の一部が巻きつくのを防ぐことができる。さらに、特願2000−247880に比べて、無端状通水体の通水体外面上方に駆動軸などを横設しないので、除塵機の高さが高くなるのを回避でき、しかも動力伝達機構を省略できるので、部品数を減らす
ことができる。
【0070】
これに加えて、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンの通水体取り付け側の交互に凹凸面となる外面の凹面に、凹凸面の厚み差と同一の板厚からなり且つ直角な関係のリンク取付側とネット取付側を有する断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の両端を両側の凸面近傍まで延ばして取り付け、左右の無端リンクチェーンをガイドするガイドレールを断面溝型から構成し、断面溝型からなる左右のガイドレールを、無端状通水体の通水体上流側に臨む側に位置する内側ガイドレール片と無端状通水体の通水体下流側に臨む側に位置する外側ガイドレール片から構成し、無端リンクチェーンの通水体取り付け側の外面と僅かな隙間をあけて、無端状通水体の通水体上流側に臨む側の無端リンクチェーンの上記外面を覆うように、防塵板を内側ガイドレール片の全長さにわたって取り付け、無端リンクチェーンの上記外面の凹面に取り付けられる断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の先端を無端リンクチェーンのリンクローラーの防塵板側寄り周縁の延長線上から防塵板側に向けて突出させると共にその突出量をガイドレールの溝幅からリンクローラーの直径を引いた差より大きくしたことにより、循環移動する無端リンクチェーンのリンクローラー部分や無端リンクチェーンをガイドするガイドレール内に塵芥が混入するのを簡単な構造で防ぐことができると共にリンクローラーの外周側に鍔としてのフランジの形成を省略することができる。しかも、断面L字型ネット取付補助板は市販の部材を使用できるため、特願2000−247880に比べて、部材の成形加工を簡略でき、作業手間と時間を短縮し得てコストを軽減することができる。
【0071】
また、請求項4のように、保護材が駆動軸の外周に直接支持して取り付けられると共に、保護材の下部に錘が取り付けられている場合には、保護材を支持するための部材を省略でき、又保護材の非回転状態を高めることができる。
【0072】
保護材が半割りの二分割された部材からなる場合には、両側から合わせることによって駆動軸の外周に簡単に取り付けることができるため、既設の除塵機の駆動軸に取り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す除塵機の全体側断面図である。
【図2】この発明の実施の形態を示す除塵機の水路上流側から見たときの全体概略正断面図である。
【図3】この発明の実施の形態を示す除塵機の全体平断面図である。
【図4】この発明の実施の形態を示す除塵機の上部側の平断面図である。
【図5】(A)〜(C)はこの発明の実施の形態を示す保護材の断面図である。
【図6】(A)〜(C)はこの発明の実施の形態を示す二分割の保護材の断面図である。
【図7】この発明の実施の形態を示す保護材のブラケット支持の側面図である。
【図8】この発明の実施の形態を示す除塵機のガイドレール側の部分拡大平断面図である。
【図9】この発明の実施の形態を示す除塵機の無端リンクチェーンの部分側面図である。
【図10】この発明の実施の形態を示す除塵機の無端リンクチェーンの部分正面図である。
【図11】(A)は特願2000−247880の除塵機の無端リンクチェーンの部分側面図である。
(B)は特願2000−247880の除塵機の無端リンクチェーンの内側リンク板と外側リンク板の部分側面図である。
(C)は図11(B)の正面図である。
【符号の説明】
1 除塵機
1a 上流側止水板
1b 下流側止水板
1c 上部側板
1d 外部側板
2 水路
2a 水路下流側
2b 水路上流側
2c 案内側壁
3 無端状ネット
3a ネット内面
3b ネット外面
4 無端リンクチェーン
4a 内側リンク板
4b 外側リンク板
4c 連結軸
4d リンクローラー
4e 断面L字型ネット取付補助板
4f リンク取付側
4g ネット取付側
4h ネット取付板
5 駆動スプロケット
5a 駆動軸
6 テークアップ装置
6a テークアップガイド
6b テークアップガイド軸
6c テークアップガイド軸スライド調節具
7 ガイドレール
7a 内側ガイドレール片
7b 外側ガイドレール片
8 保護材
8a オイルレスベアリング
8b 錘
8c ブラケット
9 ネット駆動装置
10 防塵板
11 レーキ
12 洗浄装置
12a ノズル付洗浄管
12b 水中ポンプ
12c 洗浄用配管
13 トラフ
【発明の属する技術分野】
この発明は、上下方向に循環動自在に設けられた通水性の無端状通水体の表面側で塵芥を捕捉して塵芥が下流側に流出するのを防ぐようにした除塵機に係り、特に、無端状通水体の内部の上部に取り付ける駆動軸の外周に回転する駆動軸に対し非回転の保護材を取り付け、又無端状通水体の内部の上部にテークアップ軸を取り付けない構造にすることによって、駆動軸及びテークアップ軸に塵芥の一部が巻きつくのを防ぎ、また、循環移動する無端リンクチェーンのリンクローラー部分や無端リンクチェーンをガイドするガイドレール内に塵芥が混入するのを簡単な構造で防ぐようにした除塵機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、揚水機場のポンプの故障原因となり又送水端末に設けられる各種弁、ノズル等の作動不良となる塵芥を除去するために、主に揚水機場のポンプ吸水槽に流れ込む水路には除塵機が設置されている。
また、除塵機の中には、上下方向に循環動自在に設けられた無端状ネットなどの無端状通水体の内面側で塵芥を捕捉して塵芥が下流側に流出するのを防ぐようにした機構のものがある。このような除塵機として、例えば、特許出願人は特願2000−247880を出願している。
この特願2000−247880の除塵機では、無端状通水体の駆動軸に塵芥の一部が巻き付くのを防ぐために、無端状通水体の通水体外面上方に駆動軸を設けて、無端状通水体の内部の上部に駆動軸を取り付けない構造にしている。
また、特願2000−247880の除塵機には、図11(A)〜(C)に図示するように、循環移動する無端リンクチェーン101のリンクローラー102部分や無端リンクチェーン101をガイドするガイドレール内に塵芥が混入するのを防ぐために、循環移動する無端リンクチェーン101の通水体取り付け側の外面を同一平面にするべく、内側リンク板103と外側リンク板104とを交互に連結して構成される無端リンクチェーン101のうち、全ての内側リンク板103の外面の全域には外側リンク板104と同一板厚の補助板105が取り付けられている。この補助板105はその長手方向両端をリンクローラ102の形状に対応する凹状円弧に形成されている。又各リンクローラー102の外側寄りの円周にはフランジ106が鍔として形成されている。この鍔としてのフランジ106はリンクローラー102が断面溝型のガイドレール内に嵌まり込んで、リンクローラー102がガイドレールに沿ってスムーズに転動しなくなるのを防ぐと共に、無端状ネットの無端状通水体が左右のガイドレール側に横移動するのを防ぐ機能を果たしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の特願2000−247880の除塵機にあっては、無端状通水体の駆動軸に塵芥の一部が巻き付くのを防ぐために、無端状通水体の通水体外面上方に駆動軸を設けているため、除塵機の高さがその分高くなるという不都合が生じ、又駆動軸の駆動力を左右のスプロケット軸に伝達する動力伝達機構を必要とし、その結果部品が増えるという不都合もあった。
また、前記の特願2000−247880の除塵機にあっては、循環移動する無端リンクチェーンのリンクローラー部分や無端リンクチェーンをガイドするガイドレール内に塵芥が混入するのを防ぐために、全ての内側リンク板の外面の全域に外側リンク板と同一板厚の補助板を取り付けているが、同除塵機を設置して使用したところ、初期の予想に比べて塵芥が混入し難く、内側リンク板の外面の全域に補助板を取り付けて塞ぐ必要がないことが判明し、その一方、内側リンク板に取り付ける全ての補助板は内側リンクの外面全域に取り付けるべくその両端をリンクローラの形状に対応する凹状円弧に加工形成されているが、全ての補助板をこのように加工形成するのは手間と時間がかかりコスト高となり、塵芥が混入し難いことを考慮すると現状の補助板の構造は明らかに過剰品質であった。また、リンクローラーがガイドレールに沿ってスムーズに転動しなくなるのを防ぐと共に、無端状ネットの無端状通水体が左右のガイドレール側に横移動するのを防ぐために、各リンクローラーにはフランジが鍔として形成されているが、各リンクローラーの外側寄りの円周にフランジを形成するのは手間と時間がかかりコスト高になるという不都合があった。
【0004】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、無端状通水体の内部の上部に取り付ける駆動軸の外周に回転する駆動軸に対し非回転の保護材を取り付け、又無端状通水体の内部の上部にテークアップ軸を取り付けない構造にすることによって、駆動軸及びテークアップ軸に塵芥の一部が巻きつくのを防ぎ、また、循環移動する無端リンクチェーンのリンクローラー部分や無端リンクチェーンをガイドするガイドレール内に塵芥が混入するのを簡単な構造で防ぐことのできる除塵機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、塵芥を捕捉する通水性の無端状通水体を、上下方向回りに循環動自在に且つ水路上流側の水を通水体内面を通過させて水路下流側に流れるように水路に配置し、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンと噛み合って循環移動させる左右の各駆動スプロケットを、無端状通水体の通水体内面上方に配置され通水体駆動装置に連動連結される駆動軸の両端側に取り付け、上記駆動軸の外周に保護材を回転する駆動軸に対して非回転状態に取り付け、左右の無端リンクチェーンの緩み、緊張具合を調整する左右の各テークアップ装置を構成するテークアップガイドを、除塵機の上部側の左右の上部側板に内側に向けて突出してそれぞれ独立して軸支された左右のテークアップガイド軸の先端にそれぞれ回転自在に軸設し、通水体内面に捕捉した塵芥を噴射水によって下方に落とす洗浄装置を無端状通水体の通水体外面上方に設け、噴射水によって通水体内面から落ちる塵芥を回収するトラフを無端状通水体の内面側の上部に配置した手段よりなるものである。
【0006】
また、請求項2の発明は、塵芥を捕捉する通水性の無端状通水体を、上下方向回りに循環動自在に水路に配置し、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンの通水体取り付け側の交互に凹凸面となる外面の凹面に、凹凸面の厚み差と同一の板厚からなり且つ直角な関係のリンク取付側とネット取付側を有する断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の両端を両側の凸面近傍まで延ばして取り付け、左右の無端リンクチェーンをガイドするガイドレールを断面溝型から構成し、断面溝型からなる左右のガイドレールを、無端状通水体の通水体上流側に臨む側に位置する内側ガイドレール片と無端状通水体の通水体下流側に臨む側に位置する外側ガイドレール片から構成し、無端リンクチェーンの通水体取り付け側の外面と僅かな隙間をあけて、無端状通水体の通水体上流側に臨む側の無端リンクチェーンの上記外面を覆うように、防塵板を内側ガイドレール片の全長さにわたって取り付け、無端リンクチェーンの上記外面の凹面に取り付けられる断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の先端を無端リンクチェーンのリンクローラーの防塵板側寄り周縁の延長線上から防塵板側に向けて突出させると共にその突出量をガイドレールの溝幅からリンクローラーの直径を引いた差より大きくし、無端状通水体に捕捉した塵芥を噴射水によって下方に落とす洗浄装置を無端状通水体の上方に設け、噴射水によって通水体から落ちる塵芥を回収するトラフを無端状通水体の上部に配置した手段よりなるものである。
【0007】
また、請求項3の発明は、塵芥を捕捉する通水性の無端状通水体を、上下方向回りに循環動自在に且つ水路上流側の水を通水体内面を通過させて水路下流側に流れるように水路に配置し、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンと噛み合って循環移動させる左右の各駆動スプロケットを、無端状通水体の通水体内面上方に配置され通水体駆動装置に連動連結される駆動軸の両端側に取り付け、上記駆動軸の外周に保護材を回転する駆動軸に対して非回転状態に取り付け、左右の無端リンクチェーンの緩み、緊張具合を調整する左右の各テークアップ装置を構成するテークアップガイドを、除塵機の上部側の左右の上部側板に内側に向けて突出してそれぞれ独立して軸支された左右のテークアップガイド軸の先端にそれぞれ回転自在に軸設し、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンの通水体取り付け側の交互に凹凸面となる外面の凹面に、凹凸面の厚み差と同一の板厚からなり且つ直角な関係のリンク取付側とネット取付側を有する断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の両端を両側の凸面近傍まで延ばして取り付け、左右の無端リンクチェーンをガイドするガイドレールを断面溝型から構成し、断面溝型からなる左右のガイドレールを、無端状通水体の通水体上流側に臨む側に位置する内側ガイドレール片と無端状通水体の通水体下流側に臨む側に位置する外側ガイドレール片から構成し、無端リンクチェーンの通水体取り付け側の外面と僅かな隙間をあけて、無端状通水体の通水体上流側に臨む側の無端リンクチェーンの上記外面を覆うように、防塵板を内側ガイドレール片の全長さにわたって取り付け、無端リンクチェーンの上記外面の凹面に取り付けられる断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の先端を無端リンクチェーンのリンクローラーの防塵板側寄り周縁の延長線上から防塵板側に向けて突出させると共にその突出量をガイドレールの溝幅からリンクローラーの直径を引いた差より大きくし、通水体内面に捕捉した塵芥を噴射水によって下方に落とす洗浄装置を無端状通水体の通水体外面上方に設け、噴射水によって通水体内面から落ちる塵芥を回収するトラフを無端状通水体の内面側の上部に配置した手段よりなるものである。
【0008】
ここで、請求項1、請求項3の発明は、保護材は駆動軸の外周に直接支持して取り付けられると共に、保護材の下部には錘が取り付けられていてもよく、また、保護材は半割りの二分割された部材からなるものでもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に記載の発明の実施の形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0010】
ここで、図1は除塵機の全体側断面図、図2は除塵機の水路上流側から見たときの全体概略正断面図、図3は除塵機の全体平断面図、図4は除塵機の上部側の平断面図、図5(A)〜(C)は保護材の断面図、図6(A)〜(C)は二分割の保護材の断面図、図7は保護材のブラケット支持の側面図、図8は除塵機のガイドレール側の部分拡大平断面図、図9は除塵機の無端リンクチェーンの部分側面図、図10は除塵機の無端リンクチェーンの部分正面図である。
【0011】
図において、除塵機1は、主に揚水機場のポンプ吸水槽に流れ込む水路2に設置され、ポンプの故障原因となり又送水端末に設けられる各種弁、ノズル等の作動不良となる塵芥を除去する装置で、無端状通水体としての例えば無端状ネット3、無端リンクチェーン4、駆動スプロケット5、テークアップ装置6、ガイドレール7、保護材8、通水体駆動装置としての例えばネット駆動装置9、洗浄装置12、トラフ13などから構成されている。
【0012】
除塵機1が設置される個所の水路2の直近上流の左右両側壁には、水路2の両側壁から中央側に向けてそれぞれ案内側壁2cが突出形成されていて、一時的に水路幅が狭くなっている。左右の案内側壁2cは、水路2の下流に向けて傾斜して水路2の左右両壁側の水を中央側に向けて案内誘導する構造になっている。
【0013】
塵芥を捕捉する通水性の無端状通水体としての例えば無端状ネット3は、水路2の左右の案内側壁2cの直近下流の中央部位に上下方向回りに循環動自在に配置されている。所定の幅面つまりネット面を有する無端状ネット3は、その幅方向となるネット面が水路2の水流に対して略平行に配置されている。つまり、無端状ネット3のネット面は水路2の左右の側壁に平行になるように水路2に配置されている。
【0014】
水路2の中央部位に配置された無端状ネット3はその一側面が左右の案内側壁2cによって一時的に狭くなっている水路上流側2bに向けて開放されており、開放された両側には左右の案内側壁2cとの隙間に上流側止水板1aがそれぞれ取り付けられていて、この上流側止水板1aによって水路上流側2bの水が無端状ネット3を通過せずに水路下流側2aに流出するのを阻止している。
【0015】
また、無端状ネット3のネット内面3a側の他側面には下流側止水板1bが水路2を横断する方向に設置されていて、ネット内面3a側に流入した水及び塵芥はこの下流側止水板1bによってネット内面3aを通過せずに水路下流側2aに流れるのが阻止されると共に、左右両側のネット内面3aに向けて流れを変えられるようになっている。
【0016】
無端状ネット3は、水路上流側2bから見て、その下部は半円弧状に形成され、その左右両側は垂直上下向きに平行に形成され、その上部側は左右両側が中央に向けて90度の円弧状に曲がって水平状態になっていて、下部長円形状で上部略長方形状の形状に形成されている。そして、無端状ネット3はこの形状で循環移動して、ネット内面3aで捕捉した塵芥を上部側の水平状態の部分から下方に落下させて排出する構造になっている。
【0017】
無端状ネット3はその幅面つまりネット面の両端がそれぞれ左右の無端状の無端リンクチェーン4に連結されている。左右の無端リンクチェーン4は水路2の正面側から見て、無端状ネット3と全く同一な形状に配置されている。
【0018】
つまり、左右の無端リンクチェーン4は、水路上流側2bから見て、その下部は半円弧状に形成され、その左右両側は垂直上下向きに平行に形成され、その上部側は左右両側が中央に向けて90度の円弧状に曲がって水平状態になっていて、下部長円形状で上部略長方形状の形状に形成されている。そして、左右の無端リンクチェーン4はこの形状で循環移動する構造になっている。
【0019】
左右の無端リンクチェーン4は、厚みを有する長円形状の内側リンク板4aと外側リンク板4bを長さ方向に交互にその両端側同士を一部板厚側に重ねて連結軸4cによって屈曲自在に連結され、又この両者を重ねて連結する両側の内側部分に挟まれたリンクローラー4dが連結軸4cに回転自在に取り付けられた構造から構成されている。
【0020】
厚みを有する内側リンク板4aと外側リンク板4bを長さ方向に交互に重ねて連結するため、無端状通水体としての無端状ネット3の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーン4の通水体取り付け側つまり無端状ネット3の取り付け側の外面は、外側リンク板4bの厚みによって交互に凹凸面になっている。このうち、凸面の外面は外側リンク板4bの外面であり、凹面の外面は内側リンク板4aの外面である。
【0021】
左右無端リンクチェーン4の無端状ネット3の端部が取り付けられる側の各内側リンク板4aの外面つまり凹面となる外面には、外側リンク板4bと同じ板厚の断面L字型ネット取付補助板4eがそれぞれ取り付けられている。
【0022】
断面L字型ネット取付補助板4eは、無端状ネット3の端部を取り付けるためのものであり、又別の機能としては、リンクローラー4dが断面溝型のガイドレール7内に嵌まり込んで、リンクローラー4dがガイドレール7に沿ってスムーズに転動しなくなるのを防ぐと共に、無端状ネット3が左右のガイドレール7側に横移動するのを防ぐ機能を果たし、さらに、外側リンク板4bの板厚分だけ有する隙間を埋めてこの部分から塵芥が混入するのを防ぐ機能を果たす。
【0023】
この断面L字型ネット取付補助板4eはその断面が直角に曲がっていて、直角曲がった一方側のリンク取付側4fは内側リンク板4aの外面に取り付けられ、直角に曲がった他方側のネット取付側4gには無端状ネット3の端部が取り付けられる。
【0024】
断面L字型ネット取付補助板4eのリンク取付側4fは、リンクローラー4dが断面溝型のガイドレール7内に嵌まり込んで、リンクローラー4dがガイドレール7に沿ってスムーズに転動しなくなるのを防ぐと共に、無端状ネット3が左右のガイドレール7側に横移動するのを防ぐ機能を果たす。
【0025】
このため、リンク取付側4fはその先端が内側リンク板4aの側縁及びリンクローラー4dの周縁の延長線上から後述する防塵板10側に向けて少し突出するように内側リンク板4aに取り付けられる。リンク取付側4fのリンクローラー4dの周縁の延長線上からの突出量は、後述の溝型のガイドレール7の溝幅からリンクローラー4dの直径を引いた差より大きい量であり、これにより、リンク取付側4fの突出する側は常にガイドレール7の溝の出口先端の外側に位置して溝内側に入ることがない。
【0026】
つまり、無端状ネット3が左右に移動しても、リンク取付側4fの突出する側が片方のガイドレール7の溝の出口先端に当接してそれ以上溝内側に無端状ネット3が移動するのを阻止し、同様にリンクローラー4dが断面溝型のガイドレール7内に嵌まり込んで、リンクローラー4dがガイドレール7に沿ってスムーズに転動しなくなるのを防ぐことができる。
【0027】
内側リンク板4aの外面に取り付けられる外側リンク板4bと同一の板厚を有するリンク取付側4fは、その長さ方向の両端が両側の凸面を構成する外側リンク板4bの近傍まで延ばして取り付けられていて、外側リンク板4bの板厚分だけ隙間のある内側リンク板4aの外面側を外側リンク板4bと同一板厚のリンク取付側4fによって略塞いで塵芥の混入を防ぐことができるようになっている。
【0028】
また、左右無端リンクチェーン4の無端状ネット3の端部が取り付けられる側の各外側リンク板4bの外面には、無端状ネット3の端部を取り付けるためのネット取付板4hが垂直に取り付けられている。ネット取付板4hと断面L字型ネット取付補助板4eのネット取付側4gとは同一直線上に位置するように外側リンク板4bと内側リンク板4aにそれぞれ取り付けられる。
【0029】
左右の無端リンクチェーン4は、無端状ネット3はその幅面つまりネット面の両端側にそれぞれ配置された、上部側の左右の駆動スプロケット5、上部側の左右のテークアップ装置6の円形のテークアップガイド6a、及び左右の垂直上下方向及び下部の半円弧状に形成されたガイドレール7によって、下部長円形状で上部略長方形状の形状に保持されて循環動するようになっている。
【0030】
このうち、左右の無端リンクチェーン4の上端部両側の円弧状に曲がる部分の内側には駆動スプロケット5とテークアップ装置6の円形のテークアップガイド6aがそれぞれ取り付けられている。また、下端部には半円弧状に形成されたガイドレール7が取り付けられている。
【0031】
左右の駆動スプロケット5は、左右の無端リンクチェーン4と噛み合って無端リンクチェーン4を循環動させるもので、無端状ネット3の上部側の内面側に配置された駆動軸5aの両端側に取り付けられている。両端側に駆動スプロケット5が取り付けられた駆動軸5aの配置方向は水路2の水流方向に平行になっている。この左右の駆動スプロケット5によって左右の無端リンクチェーン4は、例えば垂直上向きから水平向きに90度反転する。
【0032】
駆動軸5aの両端側は除塵機1の上部側の左右の上部側板1cにそれぞれ軸支されると共に、駆動軸5aの一端側は一方の上部側板1cを貫通してその外側に設けられた外部側板1dに取り付けられた減速機及び電動モーターから構成されるネット駆動装置9に連動連結されている。ネット駆動装置9の駆動力は、駆動軸5aを介して両側の駆動スプロケット5にそれぞれ伝達されて、両側の駆動スプロケット5は同一速度で回転する。
【0033】
駆動軸5aは、特願2000−247880と異なり、特開平10−317355と同様に、無端状ネット3の上部側の内面側に配置されているため、無端状ネット3の上部側で捕捉した塵芥を下方のトラフ13内に落下させる際に、回転する駆動軸5aに塵芥の一部が巻き付くことが考えられる。このため、駆動軸5aの外周には、回転する駆動軸5aに対して保護材8が非回転状態で取り付けられている。
【0034】
即ち、保護材8は回転する駆動軸5aに対して絶対的に非回転状態、つまり常時停止状態にある。非回転の保護材8は、回転する駆動軸5aの外周に直接支持して取り付ける場合と、回転する駆動軸5aでは支持させずに後述のブラケット8cにより上部側板1cに支持して取り付ける場合とがある。
【0035】
回転する駆動軸5aの外周側面の全周面と滑り接触する保護材8の内部には例えば中空円筒形状のオイルレスベアリング8aが取り付けられている。このオイルレスベアリング8aの働きによって、回転する駆動軸5aに対して保護材8は非回転状態を維持することが可能となる。
【0036】
また、保護材8の非回転を高めるために、保護材8の下部には必要に応じて錘8bが取り付けられる。錘8bを保護材8の下部に取り付けることにより、オイルレスベアリング8aの滑りが低下しても、錘8bによって保護材8が回転するのを阻止して非回転状態を維持することが可能となる。
【0037】
更にまた、保護材8の非回転を確実する構造として、錘8bに代えて保護材8の両端側を左右のブラケット8cを介して左右の上部側板1cに連結支持する構造にしてもよい。この構造の場合には、保護材8の内部のオイルレスベアリング8aを省略することも可能となる。オイルレスベアリング8aを省略する場合には、保護材8の内周面と駆動軸5aの外周面とが非接触になるように隙間をあける。
【0038】
保護材8として、例えば断面円筒形の鋼管、断面角型の鋼管、断面逆U字型鋼などがある。また、保護材8は、二分割されたいわゆる半割り状態の部材もある。二分割された半割りの場合には両側から合わせることによって駆動軸5aの外周に簡単に取り付けることができるため、既設の除塵機の駆動軸に取り付けることが可能である。
【0039】
左右のテークアップ装置6は、左右の無端リンクチェーン4の緩み、緊張具合を調整する装置で、円形のテークアップガイド6a、テークアップガイド軸6b、テークアップガイド軸スライド調節具6cなどから構成され、除塵機1の上部側の左右の上部側板1cにそれぞれ独立して設けられている。
【0040】
左右の各テークアップ装置6の円形の各テークアップガイド6aは、左右の各駆動スプロケット5の近くに設けられている。また、左右の各円形のテークアップガイド6aには円板又は駆動スプロケット5と同じように歯付きのものが使用され、約4分の1の円周の長さ分程度、無端リンクチェーン4が回装されている。
【0041】
左右の円形のテークアップガイド6aは、除塵機1の上部側の左右の上部側板1cに内側に向けて突出してそれぞれ独立して軸支された左右のテークアップガイド軸6bの先端にそれぞれ回転自在に軸支されている。左右の各テークアップガイド軸6bは独立していて非連結状態あり、左右のテークアップガイド6aの間には両者を連動連結する連結軸は横設されていない。
【0042】
左右の各テークアップガイド軸6bは、その基端が左右の各上部側板1cの内側に取り付けられたテークアップガイド軸スライド調節具6cにスライド調節自在に軸設されている。このテークアップガイド軸スライド調節具6cを調節してテークアップガイド軸6bをスライドさせることによって、円形のテークアップガイド6aを介して無端リンクチェーン4の緩み、緊張具合を調整する機構になっている。
【0043】
左右のガイドレール7は、左右の無端リンクチェーン4を格納しながらガイドするもので、断面溝型の形状からなっている。左右のガイドレール7は、水路上流側2bから見て、下端側が半円弧状に形成され、その両側が平行に上下方向に形成され、上部が開放された、U字型の形状に形成されている。
【0044】
このうち、平面図で、左側のガイドレール7はその上部側を除く大半部分が上流側止水板1aにそれぞれ取り付けられ、右側のガイドレール7はその上部側を除く大半部分が下流側止水板1bにそれぞれ取り付けられている。
【0045】
断面溝型からなる左右のガイドレール7は、水の流れ方向から見て通水体上流側となる無端状ネット3のネット内面3a側に臨む側に位置する内側ガイドレール片7aと、水の流れ方向から見て通水体下流側となる無端状ネット3のネット外面3b側に臨む側に位置する外側ガイドレール片7bから構成されている。
【0046】
断面溝型からなるガイドレール7を構成する内側ガイドレール片7aと外側ガイドレール片7bとは、無端リンクチェーン4のリンクローラー4dの直径より少し広い間隔で平行に、上流側止水板1a及び下流側止水板1bに取り付けられている。
【0047】
左右のガイドレール7の水の流れ方向から見て通水体上流側となる無端状ネット3のネット内面3aに臨む側に位置する内側ガイドレール片7aは、そのU字型の上端の両側が駆動スプロケット5及びテークアップガイド6aの接触しない程度の直近まで延設されている。
【0048】
この内側ガイドレール片7aには、防塵板10が全長さにわたって取り付けられている。防塵板10は、塵芥の一部が循環移動する無端リンクチェーン4のリンクローラー4d部分や無端リンクチェーン4をガイドするガイドレール7内に混入するのを防ぐものである。
【0049】
防塵板10は、その基端側が内側ガイドレール片7aの外側面に取り付けられ、その先端側が内側ガイドレール片7aの先端から無端状ネット3の内面側に少し突出すると共に、無端リンクチェーン4の無端状ネット3の取り付け側の同一平面となる外側リンク板4b及び断面L字型ネット取付補助板4eのリンク取付側4fの外面より僅かに突出する位置で、無端リンクチェーン4側に略90度折れ曲がって、その先端が外側リンク板4b及びリンク取付側4fの外面と接触しない僅かな隙間をあけて、無端状ネット3のネット内面3a側の無端リンクチェーン4の無端状ネット3の取り付け側の同一平面となる外側リンク板4b及び断面L字型ネット取付補助板4eのリンク取付側4fの外面を覆うように取り付けられている。この防塵板10は例えば断面L字型に形成されている。防塵板10には例えば鋼板又はゴムシールで製作されたものが使用される。
【0050】
また、左右のガイドレール7の水の流れ方向から見て通水体下流側となる無端状ネット3のネット外面3bに臨む側に位置する外側ガイドレール片7bは、そのU字型の両側の上端が無端状ネット3の上端面より少し上方に突出する程度まで延設されている。
【0051】
無端状ネット3のネット内面3aには塵芥を掻き上げ且つ無端状ネット3の取付部材を兼ねる複数のレーキ11が、必要に応じて無端状ネット3の循環方向に一定間隔で取り付けられている。各レーキ11の両端は左右の無端リンクチェーン4にそれぞれ連結されている。各レーキ11は無端状ネット3の保持強度を高める機能を果たす。
【0052】
洗浄装置12は無端状ネット3のネット内面3aに捕捉した塵芥を噴射水によって下方に落とす装置で、水路2の上方の水平な無端状ネット3のネット外面3b上方にノズル付洗浄管12aが下向きに設けられている。ノズル付洗浄管12aに向けて水を供給する水中ポンプ12bが無端状ネット3の水路下流側2aの水路底面側に配置されており、また、水中ポンプ12bから送られる噴射水をノズル付洗浄管12aまで供給する洗浄用配管12cが配設されている。
【0053】
トラフ13は、ノズル付洗浄管12aからの噴射水によって無端状ネット3のネット内面3aから落ちる塵芥を回収するもので、無端状ネット3のネット内面3a側の上部に無端状ネット3の幅方向に配置され、その一端側は無端状ネット3の外側まで延設されている。トラフ13は上向きに拡開していて、噴射水及びネット内面3aから落ちる塵芥がその内部に入り易いように形成されている。
【0054】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
水路2の両側壁から中央側に向けてそれぞれ案内側壁2cが突出形成されている中央部位の直近下流に、上下方向回りに循環動自在に除塵機1の無端状ネット3が配置されており、無端状ネット3の一側面は水路上流側2bに向けて開放されている。
【0055】
このため、水路上流側2bから水路下流側2aに向かって流れる水と塵芥は、左右の案内側壁2cによって水路2の中央側に誘導され、無端状ネット3の水路上流側2bに向けて開放された側面からネット上流側となるネット内面3a側に流入する。
【0056】
側面から流入した水と塵芥はネット内面3a側で左右に分かれて両側の上昇側ネット内面3a及び下降側ネット内面3aをそれぞれ通過して水路下流側2aに向かって流れる。水はその両側のネット内面3aを通過するが塵芥はネット内面3aで捕捉される。
【0057】
水路2の中央部位に上下方向回りに循環動自在に配置された無端状ネット3は、そのネット面の両端が左右の無端リンクチェーン4にそれぞれ連結されている。左右の無端リンクチェーン4は、左右の駆動スプロケット5、及び無端状ネット3のネット内面3a上方に幅方向に横設され且つその外周に非回転の保護材8が取り付けられた駆動軸5aを介して連動連結されたネット駆動装置9によって、ガイドレール7に沿って循環動する。
【0058】
すなわち、ネット駆動装置9の駆動によって左右の駆動スプロケット5は同一速度で回転し、この左右駆動スプロケット5と噛み合う無端リンクチェーン4は上下方向回りに循環動し、この無端リンクチェーン4と一体となって無端状ネット3も上下方向回りに循環動する。
【0059】
ネット内面3aで捕捉された塵芥は垂直上向きに移動している無端状ネット3によって上方に運ばれ、駆動スプロケット5の箇所で水平向きに反転してテークアップ装置6のテークアップガイド6aに向けて水平に移動する無端状ネット3によって、トラフ13の上方に運ばれる。
【0060】
無端状ネット3のネット内面3a側にレーキ11が取り付けられている場合には、一部の塵芥はレーキ11によって掻き上げられ、トラフ13の上方側でレーキ11から落下してトラフ13内に回収される。
【0061】
トラフ13の上方の無端状ネット3のネット外面3b上方には洗浄装置12のノズル付洗浄管12aが下向きに設けられていて、そのノズル付洗浄管12aから下向きに噴射水が噴射される。この噴射水によって水平部分の無端状ネット3のネット内面3aに付着している塵芥は下方に水と共に落下してトラフ13内に回収される。トラフ13内に回収された水及び塵芥は端部から外部に排出される。
【0062】
噴射水によってネット内面3aに付着していた塵芥が落とされた無端状ネット3は円形のテークアップガイド6aの箇所で垂直下向きに反転して、真っ直ぐに下方に移動して水面に突入し、半円弧状の下端側で反転して垂直上向きになり、水面上に出るときにネット内面3aで再び塵芥を捕捉しつつ垂直上向きに循環移動する。
【0063】
このとき、トラフ13の上方で無端状ネット3のネット内面3aの上部側に横設された駆動軸5aの外周には非回転の保護材8が取り付けられ、又トラフ13の上方で無端状ネット3のネット内面3aの上部側にはテークアップ軸が取り付けられていないため、落下する塵芥の一部が駆動軸5aやテークアップ軸に巻き付くこともなく、スムーズにトラフ13内に回収される。
【0064】
また、無端リンクチェーン4をガイドするガイドレール7は、無端状ネット3のネット内面3aに臨む側に位置する内側ガイドレール片7aに防塵板10が全長さにわたって取り付けられている。しかも、ガイドレール7にガイドされる無端リンクチェーン4の防塵板10によって覆われる側は、外側リンク板4bの板厚分だけ隙間のある内側リンク板4aの外面側を外側リンク板4bと同一板厚の断面L字型ネット取付補助板4eのリンク取付側4fによって略塞いでいるので、その隙間から無端リンクチェーン4又はガイドレール7内への塵芥の混入を防ぐことができる。
【0065】
このように、塵芥は無端状ネット3のネット内面3aに捕捉され、塵芥を捕捉する側を内側にして無端状ネット3は循環動するため、塵芥を水路下流側2aの外部に流下させることを極力減少させることができる。
【0066】
なお、この発明は上記発明の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。例えば、前記実施の形態では、無端状通水体の内面側で塵芥を捕捉する場合で説明したが、これに限定されるものではなく、水の流れが無端状通水体の外面より入り内側に抜けて行くタイプの除塵機や、略長円形状に循環動する無端状通水体の外面側で塵芥を捕捉するタイプの除塵機にも適用できる。また、前記実施の形態では無端状通水体として無端状ネット3の場合で説明したが、これに限定されるものではなく、例えば複数の通水板を無端状に連結したものでもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上の記載より明らかなように、請求項1の発明に係る除塵機によれば、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンと噛み合って循環移動させる左右の各駆動スプロケットを、無端状通水体の通水体内面上方に配置され通水体駆動装置に連動連結される駆動軸の両端側に取り付け、上記駆動軸の外周に保護材を回転する駆動軸に対して非回転状態に取り付け、左右の無端リンクチェーンの緩み、緊張具合を調整する左右の各テークアップ装置を構成するテークアップガイドを、除塵機の上部側の左右の上部側板に内側に向けて突出してそれぞれ独立して軸支された左右のテークアップガイド軸の先端にそれぞれ回転自在に軸設したことにより、無端状通水体の内部の上部に駆動軸の外周に取り付けた非回転の保護材によって、駆動軸に塵芥の一部が巻きつくのを防ぐことができる。また、テークアップ軸を取り付けない構造にすることができるので、テークアップ軸に塵芥の一部が巻きつくのを防ぐことができる。さらに、特願2000−247880に比べて、無端状通水体の通水体外面上方に駆動軸などを横設しないので、除塵機の高さが高くなるのを回避でき、しかも動力伝達機構を省略できるので、部品数を減らすことができる。
【0068】
また、請求項2の発明に係る除塵機によれば、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンの通水体取り付け側の交互に凹凸面となる外面の凹面に、凹凸面の厚み差と同一の板厚からなり且つ直角な関係のリンク取付側とネット取付側を有する断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の両端を両側の凸面近傍まで延ばして取り付け、左右の無端リンクチェーンをガイドするガイドレールを断面溝型から構成し、断面溝型からなる左右のガイドレールを、無端状通水体の通水体上流側に臨む側に位置する内側ガイドレール片と無端状通水体の通水体下流側に臨む側に位置する外側ガイドレール片から構成し、無端リンクチェーンの通水体取り付け側の外面と僅かな隙間をあけて、無端状通水体の通水体上流側に臨む側の無端リンクチェーンの上記外面を覆うように、防塵板を内側ガイドレール片の全長さにわたって取り付け、無端リンクチェーンの上記外面の凹面に取り付けられる断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の先端を無端リンクチェーンのリンクローラーの防塵板側寄り周縁の延長線上から防塵板側に向けて突出させると共にその突出量をガイドレールの溝幅からリンクローラーの直径を引いた差より大きくしたことにより、循環移動する無端リンクチェーンのリンクローラー部分や無端リンクチェーンをガイドするガイドレール内に塵芥が混入するのを簡単な構造で防ぐことができると共にリンクローラーの外周側に鍔としてのフランジの形成を省略することができる。しかも、断面L字型ネット取付補助板は市販の部材を使用できるため、特願2000−247880に比べて、部材の成形加工を簡略でき、作業手間と時間を短縮し得てコストを軽減することができる。
【0069】
また、請求項3の発明に係る除塵機によれば、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンと噛み合って循環移動させる左右の各駆動スプロケットを、無端状通水体の通水体内面上方に配置され通水体駆動装置に連動連結される駆動軸の両端側に取り付け、上記駆動軸の外周に保護材を回転する駆動軸に対して非回転状態に取り付け、左右の無端リンクチェーンの緩み、緊張具合を調整する左右の各テークアップ装置を構成するテークアップガイドを、除塵機の上部側の左右の上部側板に内側に向けて突出してそれぞれ独立して軸支された左右のテークアップガイド軸の先端にそれぞれ回転自在に軸設したことにより、無端状通水体の内部の上部に駆動軸の外周に取り付けた非回転の保護材によって、駆動軸に塵芥の一部が巻きつくのを防ぐことができる。また、テークアップ軸を取り付けない構造にすることができるので、テークアップ軸に塵芥の一部が巻きつくのを防ぐことができる。さらに、特願2000−247880に比べて、無端状通水体の通水体外面上方に駆動軸などを横設しないので、除塵機の高さが高くなるのを回避でき、しかも動力伝達機構を省略できるので、部品数を減らす
ことができる。
【0070】
これに加えて、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンの通水体取り付け側の交互に凹凸面となる外面の凹面に、凹凸面の厚み差と同一の板厚からなり且つ直角な関係のリンク取付側とネット取付側を有する断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の両端を両側の凸面近傍まで延ばして取り付け、左右の無端リンクチェーンをガイドするガイドレールを断面溝型から構成し、断面溝型からなる左右のガイドレールを、無端状通水体の通水体上流側に臨む側に位置する内側ガイドレール片と無端状通水体の通水体下流側に臨む側に位置する外側ガイドレール片から構成し、無端リンクチェーンの通水体取り付け側の外面と僅かな隙間をあけて、無端状通水体の通水体上流側に臨む側の無端リンクチェーンの上記外面を覆うように、防塵板を内側ガイドレール片の全長さにわたって取り付け、無端リンクチェーンの上記外面の凹面に取り付けられる断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の先端を無端リンクチェーンのリンクローラーの防塵板側寄り周縁の延長線上から防塵板側に向けて突出させると共にその突出量をガイドレールの溝幅からリンクローラーの直径を引いた差より大きくしたことにより、循環移動する無端リンクチェーンのリンクローラー部分や無端リンクチェーンをガイドするガイドレール内に塵芥が混入するのを簡単な構造で防ぐことができると共にリンクローラーの外周側に鍔としてのフランジの形成を省略することができる。しかも、断面L字型ネット取付補助板は市販の部材を使用できるため、特願2000−247880に比べて、部材の成形加工を簡略でき、作業手間と時間を短縮し得てコストを軽減することができる。
【0071】
また、請求項4のように、保護材が駆動軸の外周に直接支持して取り付けられると共に、保護材の下部に錘が取り付けられている場合には、保護材を支持するための部材を省略でき、又保護材の非回転状態を高めることができる。
【0072】
保護材が半割りの二分割された部材からなる場合には、両側から合わせることによって駆動軸の外周に簡単に取り付けることができるため、既設の除塵機の駆動軸に取り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す除塵機の全体側断面図である。
【図2】この発明の実施の形態を示す除塵機の水路上流側から見たときの全体概略正断面図である。
【図3】この発明の実施の形態を示す除塵機の全体平断面図である。
【図4】この発明の実施の形態を示す除塵機の上部側の平断面図である。
【図5】(A)〜(C)はこの発明の実施の形態を示す保護材の断面図である。
【図6】(A)〜(C)はこの発明の実施の形態を示す二分割の保護材の断面図である。
【図7】この発明の実施の形態を示す保護材のブラケット支持の側面図である。
【図8】この発明の実施の形態を示す除塵機のガイドレール側の部分拡大平断面図である。
【図9】この発明の実施の形態を示す除塵機の無端リンクチェーンの部分側面図である。
【図10】この発明の実施の形態を示す除塵機の無端リンクチェーンの部分正面図である。
【図11】(A)は特願2000−247880の除塵機の無端リンクチェーンの部分側面図である。
(B)は特願2000−247880の除塵機の無端リンクチェーンの内側リンク板と外側リンク板の部分側面図である。
(C)は図11(B)の正面図である。
【符号の説明】
1 除塵機
1a 上流側止水板
1b 下流側止水板
1c 上部側板
1d 外部側板
2 水路
2a 水路下流側
2b 水路上流側
2c 案内側壁
3 無端状ネット
3a ネット内面
3b ネット外面
4 無端リンクチェーン
4a 内側リンク板
4b 外側リンク板
4c 連結軸
4d リンクローラー
4e 断面L字型ネット取付補助板
4f リンク取付側
4g ネット取付側
4h ネット取付板
5 駆動スプロケット
5a 駆動軸
6 テークアップ装置
6a テークアップガイド
6b テークアップガイド軸
6c テークアップガイド軸スライド調節具
7 ガイドレール
7a 内側ガイドレール片
7b 外側ガイドレール片
8 保護材
8a オイルレスベアリング
8b 錘
8c ブラケット
9 ネット駆動装置
10 防塵板
11 レーキ
12 洗浄装置
12a ノズル付洗浄管
12b 水中ポンプ
12c 洗浄用配管
13 トラフ
Claims (5)
- 塵芥を捕捉する通水性の無端状通水体を、上下方向回りに循環動自在に且つ水路上流側の水を通水体内面を通過させて水路下流側に流れるように水路に配置し、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンと噛み合って循環移動させる左右の各駆動スプロケットを、無端状通水体の通水体内面上方に配置され通水体駆動装置に連動連結される駆動軸の両端側に取り付け、上記駆動軸の外周に保護材を回転する駆動軸に対して非回転状態に取り付け、左右の無端リンクチェーンの緩み、緊張具合を調整する左右の各テークアップ装置を構成するテークアップガイドを、除塵機の上部側の左右の上部側板に内側に向けて突出してそれぞれ独立して軸支された左右のテークアップガイド軸の先端にそれぞれ回転自在に軸設し、通水体内面に捕捉した塵芥を噴射水によって下方に落とす洗浄装置を無端状通水体の通水体外面上方に設け、噴射水によって通水体内面から落ちる塵芥を回収するトラフを無端状通水体の内面側の上部に配置したことを特徴とする除塵機。
- 塵芥を捕捉する通水性の無端状通水体を、上下方向回りに循環動自在に水路に配置し、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンの通水体取り付け側の交互に凹凸面となる外面の凹面に、凹凸面の厚み差と同一の板厚からなり且つ直角な関係のリンク取付側とネット取付側を有する断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の両端を両側の凸面近傍まで延ばして取り付け、左右の無端リンクチェーンをガイドするガイドレールを断面溝型から構成し、断面溝型からなる左右のガイドレールを、無端状通水体の通水体上流側に臨む側に位置する内側ガイドレール片と無端状通水体の通水体下流側に臨む側に位置する外側ガイドレール片から構成し、無端リンクチェーンの通水体取り付け側の外面と僅かな隙間をあけて、無端状通水体の通水体上流側に臨む側の無端リンクチェーンの上記外面を覆うように、防塵板を内側ガイドレール片の全長さにわたって取り付け、無端リンクチェーンの上記外面の凹面に取り付けられる断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の先端を無端リンクチェーンのリンクローラーの防塵板側寄り周縁の延長線上から防塵板側に向けて突出させると共にその突出量をガイドレールの溝幅からリンクローラーの直径を引いた差より大きくし、無端状通水体に捕捉した塵芥を噴射水によって下方に落とす洗浄装置を無端状通水体の上方に設け、噴射水によって通水体から落ちる塵芥を回収するトラフを無端状通水体の上部に配置したことを特徴とする除塵機。
- 塵芥を捕捉する通水性の無端状通水体を、上下方向回りに循環動自在に且つ水路上流側の水を通水体内面を通過させて水路下流側に流れるように水路に配置し、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンと噛み合って循環移動させる左右の各駆動スプロケットを、無端状通水体の通水体内面上方に配置され通水体駆動装置に連動連結される駆動軸の両端側に取り付け、上記駆動軸の外周に保護材を回転する駆動軸に対して非回転状態に取り付け、左右の無端リンクチェーンの緩み、緊張具合を調整する左右の各テークアップ装置を構成するテークアップガイドを、除塵機の上部側の左右の上部側板に内側に向けて突出してそれぞれ独立して軸支された左右のテークアップガイド軸の先端にそれぞれ回転自在に軸設し、無端状通水体の両端が取り付けられる左右の無端リンクチェーンの通水体取り付け側の交互に凹凸面となる外面の凹面に、凹凸面の厚み差と同一の板厚からなり且つ直角な関係のリンク取付側とネット取付側を有する断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の両端を両側の凸面近傍まで延ばして取り付け、左右の無端リンクチェーンをガイドするガイドレールを断面溝型から構成し、断面溝型からなる左右のガイドレールを、無端状通水体の通水体上流側に臨む側に位置する内側ガイドレール片と無端状通水体の通水体下流側に臨む側に位置する外側ガイドレール片から構成し、無端リンクチェーンの通水体取り付け側の外面と僅かな隙間をあけて、無端状通水体の通水体上流側に臨む側の無端リンクチェーンの上記外面を覆うように、防塵板を内側ガイドレール片の全長さにわたって取り付け、無端リンクチェーンの上記外面の凹面に取り付けられる断面L字型ネット取付補助板のリンク取付側の先端を無端リンクチェーンのリンクローラーの防塵板側寄り周縁の延長線上から防塵板側に向けて突出させると共にその突出量をガイドレールの溝幅からリンクローラーの直径を引いた差より大きくし、通水体内面に捕捉した塵芥を噴射水によって下方に落とす洗浄装置を無端状通水体の通水体外面上方に設け、噴射水によって通水体内面から落ちる塵芥を回収するトラフを無端状通水体の内面側の上部に配置したことを特徴とする除塵機。
- 保護材は駆動軸の外周に直接支持して取り付けられると共に、保護材の下部には錘が取り付けられている請求項1又は請求項3に記載の除塵機。
- 保護材は半割りの二分割された部材からなる請求項1又は請求項3に記載の除塵機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003198234A JP2005036438A (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | 除塵機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003198234A JP2005036438A (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | 除塵機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005036438A true JP2005036438A (ja) | 2005-02-10 |
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ID=34208070
Family Applications (1)
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JP2003198234A Pending JP2005036438A (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | 除塵機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005036438A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114994194A (zh) * | 2022-05-09 | 2022-09-02 | 广东安纳检测技术有限公司 | 一种水质中丙二酸的测定方法及装置 |
-
2003
- 2003-07-17 JP JP2003198234A patent/JP2005036438A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114994194A (zh) * | 2022-05-09 | 2022-09-02 | 广东安纳检测技术有限公司 | 一种水质中丙二酸的测定方法及装置 |
CN114994194B (zh) * | 2022-05-09 | 2024-04-09 | 广东安纳检测技术有限公司 | 一种水质中丙二酸的测定方法及装置 |
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