JP2005036171A - 水性フロアーポリッシュ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 環境に配慮しつつ、光沢、耐久性、耐スリップ性等各分野で求められる物性すべてにおいて優れた水性フロアーポリッシュを提供する。
【解決手段】 下記一般式(I)で示される化合物を使用することにより、上記課題を解決する。
【化1】
R−O−(CO)m(CO)n(CO)p−H (I)
〔式中、Rは炭素数6〜22の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基またはアルケニル基を示す。mは1〜10の整数、nは1〜6の整数、pは0〜3の整数である。酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレンの付加順序は特に限定されず、付加形態は、ブロック型、ランダム型でもいずれでも良い。〕

Description

本発明は、特定の構造を有する化合物を含有し、環境に配慮しつつ、光沢、耐久性、耐スリップ性等が優れた水性フロアーポリッシュ組成物に関する。
一般に水性ポリッシュ類は使用範囲が広く、例えば各種物品の保護用、美観維持のための艶出し用として、スーパーマーケット、百貨店、ホテル等の商業施設用、家庭用のフロアーポリッシュとして、さらにはビルや橋梁等の構造物の外壁塗装、離型剤などとして有用なものである。従って表面に塗布され形成される塗膜は、用途に応じ、光沢性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐候性、耐磨耗性、密着性等の特性が優れていることが必要とされる。
水性フロアーポリッシュ処方の代表例は特許文献1、特許文献2、JIS K3920(フロアーポリッシュ試験方法)、JFPA規格(日本フロアーポリッシュ工業会規格)などに解説されている。これらによれば樹脂成分として乳化重合系樹脂エマルション、ワックス類の界面活性剤を使用したエマルション、アルカリ可溶性樹脂などの樹脂類と可塑剤、溶剤、その他界面活性作用を有する化合物類が配合されている。これらを配合することにより応用用途での必要性能、すなわち光沢、耐久性、耐スリップ性等が得られる。
さらに水性フロアーポリッシュに配合する新たな化合物の提案として、特許文献3のアルコキシ化直鎖脂肪族アルコール、特許文献4のアジピン酸エステル等、特許文献5のN−メチル2ピロリドン類等、特許文献6のアルキルカルボン酸、特許文献7のポリエトキシ化脂肪族アルコールなどが例示できる。アルコキシ化脂肪族アルコールを使用する方法は特許文献3以外にも特許文献8にも開示されている。
しかし近年環境問題に対する認識が高まり、水性ポリッシュ類についても例外とはいえなくなっている。一般的に水性ポリッシュ類には諸性能発現のため種々の添加物が配合されているが、環境への放散が大きい、PRTR法適用化合物である、リン系化合物を含むなどといった、環境負荷の高いものが多い。先に例を挙げた配合物にも、環境に配慮しつつ、光沢、耐久性、耐水性等各分野で求められる物性すべてにおいて優れているものは得られていない。
特に床材用に使用される場合は、艶出し効果によって美観、清潔感を維持するとともに床材の磨耗、スリップ事故の防止などの性能、実用上優れた保存安定性が求められる。さらにシックハウス症候群を引き起こす恐れがある化合物、PRTR法規制対象化合物など環境中に放出されると人体及び生態系に悪影響を与える化合物を含まないなど高レベルの環境対策が要求される。
特公昭44−24407 特公昭49−1458 特公平6−23335 特開平6−80933 特開2001−302990 特表2002−506479 特開平6−33016 USP4131585
本発明が解決しようとする課題は、環境に配慮しつつ、光沢、耐久性、耐スリップ性等各分野で求められる物性すべてにおいて優れた水性フロアーポリッシュを提供することである
問題を解決するための手段
発明者は鋭意検討を行った結果、乳化重合系樹脂エマルションと粒子径20〜500nmであるカルボキシル基を有するポリオレフィン系エマルションを使用する水性フロアーポリッシュにおいて下記一般式(II)で示される化合物を使用することで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
化2
R−O−(CO)m(CO)n(CO)p−H (II)
〔式中、Rは炭素数6〜22の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基またはアルケニル基を示す。mは1〜10の整数、nは1〜6の整数、pは0〜3の整数である。酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレンの付加順序は特に限定されず、付加形態は、ブロック型、ランダム型でもいずれでも良い。〕
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係わる水性フロアーポリッシュ組成物は、乳化重合系樹脂エマルション、粒子径20〜500nmであるカルボキシル基を有するポリオレフィン系エマルションと一般式(II)で示される化合物を使用することで得ることが出来る。
本発明に係わる一般式(II)で表される化合物について説明する。本化合物の合成に使用する原料アルコールを例示すると、直鎖脂肪族アルコールとしては例えば、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デシルアルコール、n−ウンデシルアルコール、n−ドデシルアルコール、n−トリデシルアルコール、n−テトラデシルアルコール、n−ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール類、さらにオレイルアルコール、リノレイルアルコールおよびこれらのアルコールの混合物が使用できる。
分岐脂肪族アルコールとしては例えば、2−ブチルオクタノール、2−ブチルデカノール、2−ヘキシルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルデカノール、2−ヘキシルドデカノール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール類、市販品として、ISOFOL(CONDEA社)、エヌジェコール(新日本理化)などが例示できる。
また側鎖脂肪族アルコールとしては例えばイソオクチルアルコール、イソデシルアルコール、イソウンデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、およびそれらのアルコールの混合物、炭素数12〜14の側鎖アルコールの混合物、3,5,5−トリメチル−ヘキサノール、イソヘキサデシルアルコール、イソオクタデシルアルコールなどが挙げられる。これらは単独でも混合しても使用できる。
混合系の市販品としては、コノール(新日本理化製)、ドバノール(シエル化学製)、オキソコール(協和発酵製)、ファインオキソコール(日産化学製)などが例示できる。
本発明に係わる一般式(II)で表される化合物の合成には、炭素数6〜22の飽和または不飽和アルコールが使用される。炭素数が5以下のアルコールを使用した場合、均一なフロアポリッシュが得られず、また耐久性に劣る。また、炭素数が22を超えるアルコールは容易に入手することができない。
前記一般式(II)の化合物はこれらのアルコール類にアルキレンオキサイドを付加し得ることが出来る。付加反応に使用するアルキレンオキサイドはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドから選ばれる。付加モル数は、エチレンオキサイドが1〜10の整数。プロピレンオキサイドは1〜6の整数、ブチレンオキサイドが0〜3の整数である。
エチレンオキサイドの付加モル数が11以上であると、塗膜の耐水性、又塗工性に劣り、プロピレンオキサイドの付加モル数が同様に7以上、ブチレンオキサイドが4以上であると均一な系が得られない。又アルキレンオキサイド付加が行なわれないとポリッシュの安定性、塗工性の点で劣り、原料アルコールに起因する臭気が強く実用的でなくなる。
また、炭素数12〜15のアルキル基の使用においては、プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドのいずれかを化合物中に1モル以上含有させることによりフロアーポリッシュの光沢性が改善されるため好ましい。
付加順序は特に限定されず、付加反応の形式はランダム型、ブロック型のいずれでもよい。付加順序は目的に応じて決められる。
乳化重合系樹脂エマルションと粒子径20〜500nmであるカルボキシル基を有するポリオレフィン系エマルションと本発明の化合物との組み合わせにより優れた性能が得られるが、その原因の解明には至っていない。
末端がプロピレンオキサイドである場合には、消泡性、造膜性によい傾向があるが、乳化性能は低下する。
アルキル基が分岐型である場合には、可塑性、造膜性に好ましい傾向にあるが、乳化重合系樹脂により左右され、今後の検討課題である。
これら本発明に係わる一般式(II)で表される化合物の使用量は樹脂成分(固形分)に対し0.2〜30重量%、好ましくは0.2〜25重量%である。0.2重量%未満ではハジキを生じ、塗工性が悪く、30重量%を超えれば乾燥性、系の安定性が低下する。乳化重合系樹脂エマルションと本発明のポリアルコキシ化脂肪族アルコールを混合し、これらの高融点のカルボキシル基を付与したオレフィンワックスエマルションを配合することにより、環境負荷の高い化合物を使用することなく光沢、耐久性、耐スリップ性等に優れた水性フロアーポリッシュ用組成物を得ることが出来る。
本発明に係わる乳化重合系樹脂エマルションの製造に使用されるモノマーを例示すると、スチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、ジクロロスチレン、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリルなどが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
エマルション安定性の向上、また金属架橋による性能向上を目的にカルボキシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸などの不飽和一塩基酸類、イタコン酸、マレイン酸などの不飽和二塩基酸なども使用でき、必要に応じCa、Zn等の多価金属キレート剤を添加してなる金属架橋タイプも含まれる。
金属架橋については、得られたエマルションに対し特開平6−212126に開示されているように直接金属酸化物の分散液を使用する方法、特公昭49−1548に開示されている金属キレートなどを使用する方法、特開平2−219863では実施例に架橋条件など記載されており必要に応じこれらの方法が使用される。
乳化重合の際に使用する重合開始剤としては、通常用いられる過硫酸カリ、過硫酸アンモニウ厶などの過硫酸塩類、過酸化水素などのラジカル発生剤、アゾ化合物類、ラジカル発生剤と組み合わせたレドックス系触媒などを用いることができる。
本発明に係わる水性フロアーポリッシュ用組成物に使用されるカルボキシル基を含有するポリオレフィン系エマルションは、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、酸変性ポリエチレンワックス、酸変性ポリプロピレンワックス、エチレン共重合ワックスなどカルボキシル基を付与したオレフィンワックス類を主な原料とする。これらのワックスは、その密度、硬度、融点、分子量、使用する界面活性剤の種類、使用量などを考慮して単独または各種の併用で使用される。また、必要に応じてカルボキシル基をアンモニア、各種アミン類、Na,K,Liなど金属類の塩、Zn,Ca,Mg,Feなどを使用して中和することによりエマルションの調整が行なわれる。
カルボキシル基を含有するポリオレフィン系エマルションの製造には特開2002−69302、特開2002−69386等に開示されているように、撹拌機、温度計、温度コントローラーと、必要に応じ高圧下での乳化設備が利用される。乳化方法、界面活性剤の種類、使用量により得られるエマルションの粒子径が異なり、フロアーポリッシュの性能、安定性などに影響を及ぼす。乳化方法は特に限定されるものではないが、例えば高圧分散法では最小粒径が300nmのエマルションが、サンドグラインダー法では同じく1μmのエマルションが得られる。
本発明では粒子径20〜500nm、好ましくは20〜300nmのカルボキシル基を含有するポリオレフィン系エマルションを使用する。得られるエマルションの粒子径が500nmより大きくなると水性ポリッシュの安定性が悪く、塗工後の光沢などが低下する。20nmより小さなエマルションを得るには使用する界面活性剤の量が多く必要となり、得られるポリッシュの耐水性などを低下させる。
乳化の際に使用する界面活性剤は非イオン系、アニオン系、カチオン系など公知のものでよいが、エンドクリン非該当、PRTR法規制対象外化合物であることが望ましい。また本発明に係わる化合物を乳化時に使用する界面活性剤としても使用することができる。
これら重合及び乳化に使用される乳化剤を汎用名で例示すると、脂肪酸石鹸、アシルザルコシン塩、高級アルコール硫酸エステル塩、オレフィンスルホン酸塩、メチルタウリン塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ナフタリン誘導体スルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(アリル)燐酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(アリル)ホウ酸エステルなどのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリンエーテル、ポリエチレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエステルなど非イオン系界面活性剤、その他両性系、カチオン系界面活性剤などが挙げられる。これらは単独又は2種以上併用し使用される。又使用態様も乳化相、重合相での使用、又重合後の段階での使用等などその目的に合わせ選定される。
その他必要に応じ、アルカリ可溶性樹脂、例えばアクリル酸またはスチレン/マレイン酸無水物重合樹脂、変性ロジンエステル樹脂などを配合することもできる。これらの樹脂は、レベリング性の調整目的でも使用される。
可塑性、造膜性、乾燥性、溶解性などの調整を目的に必要に応じて併用される化合物を例示するとエタノール、プロパノール、ブタノールなどの各種アルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテルなど、さらにはプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルなど各種のグリコールエーテル類。メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエステル類、ジオキサン、ジオキソランなどの環状化合物、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテルなどの各種グライム類などが挙げられる。
テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、アルキル基の炭素数が16以上の例えばイソヘキサデシル、イソオクタデシルアルコールを使用した化合物の場合、沸点は260℃以上であり、VOC問題を改善する意味で好ましい。
この他ジブチルフタレートなどフタル酸エステル、クエン酸エステル類、アジピン酸エステル、テキサノール(2,2,4−トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート)などそれぞれ単独あるいは混合し使用される。
添加剤、湿潤剤、分散剤として公知の非イオン系界面活性剤や陰イオン系界面活性剤等、消泡剤としてシリコン系、フッ素系消泡剤、防腐剤としてトリアジン系、チアゾリン系防腐剤等、造膜助剤としてグリコール系溶剤等を適宜配合することも出来る。
得られた水性フロアーポリッシュ用組成物が一般に使用される床材を例示すると、ビニルタイル、ラバータイル、アスファルト、木質系、石質系他各種ある。これらの床材への塗工は通常の方法で行われ、特に限定されるものではない。
発明の効果
一般式(II)で表される化合物は安全性の高い化合物であり、乳化重合系樹脂エマルション及び粒子径で20〜500nmのカルボキシ基を有するポリオレフィン系エマルションを必須成分として組み合わせて使用することにより耐久性等に優れた性能を有する水系フロアーポリッシュを得ることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
合成例1(乳化重合系樹脂エマルション)
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応容器にイオン交換水430g、アルスコープTAP−30;13g、ルノックスS−100;4g(ともに東邦化学工業(株)製アニオン界面活性剤)、ペグノールL−20;5g(東邦化学工業(株)製ノニオン界面活性剤)を仕込み窒素置換し加熱した。70℃に達したとき、過硫酸カリ1gを加えた後、スチレン130g、メチルメタクリレート30g、アクリル酸ブチル60g、メタクリル酸20gのモノマー混合物を滴下ロートを用いて2時間で滴下し重合した。途中で過硫酸カリ1gを追加した。引き続き約75〜80℃で2時間熟成後冷却しエマルションを得た。
合成例2(ポリオレフィン系エマルション)
温度計、攪拌機、温度コントローラーを備えた内容量1.5リットルの乳化設備に融点135℃、密度0.93の酸化ポリエチレン(旧アライドケミカル製商品名AC−392)300g、イオン交換水650g、界面活性剤としてイソデシル(炭素数10)PO2モル、EO6モル付加物、イソデシル(炭素数10)PO2モル、EO8モル付加物、ペグノールL−12をそれぞれ30g(いずれも東邦化学工業(株)製ノニオン界面活性剤)、48%水酸化カリウム10gを加え窒素で置換の後、160℃で2時間高速攪拌することによって乳化した後冷却しサンプルを得た。平均粒子径は120nmであった。
合成例3(一般式(II)の化合物)
脂肪族アルコールのエチレンオキサイド付加は160℃から170℃で、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド付加は130〜140℃でいずれも触媒として苛性カリを使用して反応させ、これを中和してサンプルとした。エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの付加順序、付加形式を振ることによって得られた種々のサンプルを表1に示す。
Figure 2005036171
水性フロアーポリッシュの調整
水性フロアーポリッシュの調整は下記の処方により行なった。
1.イオン交換水 48.2%
2.表1に示す一般式(II)で表される化合物(合成例3) 4.0%
3.ジエチレングリコールモノエチルエーテル 2.6%
(ユニオンカーバイト製)
4.FC−129(湿潤剤、1%aq) 1.0%
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)
5.乳化重合系樹脂エマルション(合成例1) 36.8%
6.カルボキシル基を含有するポリオレフィン系エマルション(合成例2)
7.4%
7.SE−21(消泡剤、17%aq) 0.01%
(ワッカーシリコーン製/三洋貿易)
水性フロアーポリッシュ用組成物の調整は、まず原料1〜4を仕込み、30分間攪拌し、次いで、原料5、6を仕込み、10分間攪拌する。その後、原料7を仕込み、10分間攪拌後、150メッシュのフィルターでろ過し、24時間以上経過したものを試料液として得た。
性能評価は以下の項目についてJFPA規格(日本フロアーポリッシュ工業会規格)に準じて実施した。結果を表2に示す。
耐BHM性:JFPA規格11の測定ドラムを使用し測定、黒い部分の付着程度を目視判定。
耐水性:皮膜の水滴による白化に対する抵抗性を測定。
光沢度:鏡面光沢度測定機を使用し、基準面を100とした時の百分率で示す。
再塗布性:JIS K−3920に準じガーゼによる塗膜調整を行い、塗布後の乾燥時 間を30分とし3回塗布したときのガーゼ塗布の容易さ、及び塗布膜の外観 を目視した。
貯蔵安定性:50℃恒温槽で14日後の判定。使用可能を合格、不適を不合格。
Figure 2005036171
表2に示した結果から明らかなように、一般式(II)で表される化合物を使用することにより、耐BHM性、耐水性等において優れた性能を有する水性フロアーポリッシュ用組成物を提供することができる。
さらに樹脂成分として以下に示すものを使用して試験を行った。配合処方は表3に、評価結果を表4にまとめる。
乳化重合系樹脂エマルション
1.デュラプラス−2
(DP−2、ロームアンドハース社製;MFT;70℃、38%aq)
2.プライマルB−74
(ロームアンドハース社製;MFT;41℃、38%aq)
ポリオレフィン系エマルション
3.ハイテックE−9015 : カルボキシル基含有
(東邦化学工業製酸化ポリエチレンワックス、40%aq、平均粒子径60nm)
4.ハイテックP−5060P : カルボキシル基含有
(東邦化学工業製酸変性ポリプロピレンワックス、30%aq、
平均粒子径30nm)
Figure 2005036171
Figure 2005036171
表4に示した結果から明らかなように、一般式(II)で表される化合物を使用することにより、耐BHM性、耐水性等において優れた性能を有する水性フロアーポリッシュ用組成物を提供することができる。

Claims (1)

  1. 乳化重合系樹脂エマルションと粒子径20〜500nmであるカルボキシル基を有するポリオレフィン系エマルションを使用する水性フロアーポリッシュにおいて下記一般式(I)で示される化合物を含有する水性フロアーポリッシュ組成物。
    【化1】
    R−O−(CO)m(CO)n(CO)p−H (I)
    〔式中、Rは炭素数6〜22の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基またはアルケニル基を示す。mは1〜10の整数、nは1〜6の整数、pは0〜3の整数である。酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレンの付加順序は特に限定されず、付加形態は、ブロック型、ランダム型でもいずれでも良い。〕
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