JP2005035894A - キノリン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホルマリンを用いず、キノリン化合物を収率よく製造する方法を提供すること。
【解決手段】触媒の存在下、低級アルキル基で置換されていてもよいアニリン化合物と炭素数2〜4の脂肪族アルデヒドとを、気相条件下で反応させて、キノリン化合物を製造する方法であって、触媒として、鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有するシリカアルミナを用いることを特徴とするキノリン化合物の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】触媒の存在下、低級アルキル基で置換されていてもよいアニリン化合物と炭素数2〜4の脂肪族アルデヒドとを、気相条件下で反応させて、キノリン化合物を製造する方法であって、触媒として、鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有するシリカアルミナを用いることを特徴とするキノリン化合物の製造方法。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キノリン化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
キノリン化合物は、例えば医薬、農薬、染料等の合成中間体として重要な化合物である。かかるキノリン化合物を気相条件下で製造する方法としては、例えばアルミナ触媒存在下に、クロトンアルデヒドとアニリンを反応させる方法(例えば非特許文献1参照。)、固体酸触媒存在下に、アニリンとホルマリンと炭素数2〜4の脂肪族アルデヒドを反応させる方法(例えば特許文献1参照。)等が知られている。しかしながら、前者の方法は、キノリン化合物の収率が低く、また、後者の方法は、取扱いに注意を要するホルマリンを必須原料としており、工業的には、ホルマリンを使用せず、キノリン化合物を収率よく得る方法の開発が望まれていた。
【0003】
【特許文献1】特表平11−508918号公報
【非特許文献1】J.fur praktische chemie,107,122(1924)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者らは、ホルマリンを用いず、キノリン化合物を収率よく製造する方法を開発すべく鋭意検討したところ、鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有するシリカアルミナを触媒として用い、該触媒の存在下、低級アルキル基で置換されていてもよいアニリン化合物と炭素数2〜4の脂肪族アルデヒドとを、気相条件下で反応させることにより、キノリン化合物を収率よく製造することができることを見出し、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、触媒の存在下、低級アルキル基で置換されていてもよいアニリン化合物と炭素数2〜4の脂肪族アルデヒドとを、気相条件下で反応させて、キノリン化合物を製造する方法であって、触媒として、鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有するシリカアルミナを用いることを特徴とするキノリン化合物の製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
低級アルキル基で置換されていてもよいアニリン化合物(以下、アニリン化合物と略記する。)としては、アニリンおよびアニリンの芳香環の水素原子が、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状の低級アルキル基で置換されたもの、例えば2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2−エチルアニリン、3−イソプロピルアニリン、4−tert−ブチルアニリン等が挙げられる。かかるアニリン化合物としては、通常市販されているものが用いられる。
【0007】
炭素数2〜4の脂肪族アルデヒド(以下、アルデヒドと略記する。)としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒドおよびメタクロレインが挙げられる。用いるアルデヒドの種類によって、生成するキノリン化合物が異なるため、目的とするキノリン化合物に応じて、用いるアルデヒドを決めればよい。かかるアルデヒドとしては、通常市販されているものが用いられる。
【0008】
下記表1に、アニリン化合物としてアニリンを使用し、用いるアルデヒドと生成するキノリン化合物の関係を例示した。例えばアセトアルデヒドを用いた場合には、2−メチルキノリンを主成分とした2−メチルキノリンと4−メチルキノリンの混合物が、クロトンアルデヒドを用いた場合には、4−メチルキノリンを主成分とした2−メチルキノリンと4−メチルキノリンの混合物が得られる。また、プロピオンアルデヒドを用いた場合には、キノリンが、イソブチルアルデヒドを用いた場合には、3−メチルキノリンが、それぞれ得られる。
【0009】
【表1】
【0010】
また、アニリン化合物として、2−メチルアニリンを用い、アルデヒドとして、アクロレインを用いた場合には、8−メチルキノリンが得られる。
【0011】
アルデヒドの使用量は、用いるアルデヒドの種類により適宜選択すればよく、例えば炭素数2のアルデヒドであるアセトアルデヒドを用いる場合には、アニリン化合物に対して、通常1.8モル倍以上、好ましくは1.9モル倍以上、例えばプロピオンアルデヒド等の炭素数3〜4のアルデヒドを用いる場合には、アニリン化合物に対して、通常0.9モル倍以上、好ましくは0.95モル倍以上である。使用量の上限は特にないが、あまり多すぎても経済的に不利になりやすいため、実用的には、5モル倍以下である。
【0012】
本発明は、触媒の存在下、低級アルキル基で置換されていてもよいアニリン化合物と炭素数2〜4の脂肪族アルデヒドとを、気相条件下で反応させて、キノリン化合物を製造する方法であって、触媒として、鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有するシリカアルミナを用いることを特徴とするものである。
【0013】
触媒は、シリカとアルミナの非晶質の複合酸化物であるシリカアルミナに、鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有せしめたものであり、例えばシリカとアルミナの複合酸化物を調製した後、該複合酸化物に、鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有せしめることにより調製される。
【0014】
シリカとアルミナの複合酸化物は、例えば市販されているものを用いてもよいし、例えば共沈法、ゲル混練法等公知の方法により調製したものを用いてもよい。鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有せしめる方法としては、例えばイオン交換法、混練法、含浸法、浸漬法、沈着法、蒸発乾固法等の公知の方法が挙げられる。
【0015】
触媒中のシリカとアルミナの組成比は特に限定されないが、アルミニウム原子に対するケイ素原子の比が、通常2〜200のものが用いられる。なお、触媒中には、例えば酸化鉄や酸化ナトリウム等の酸化物が微量含まれていてもよい。
【0016】
鉛、コバルトおよびタリウムからなる群から選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物としては、前記元素のイオン、酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、水酸化物、硫化物、ケイ酸塩、チタン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩等の単独もしくは混合物が挙げられる。触媒中の鉛、コバルトおよびタリウムからなる群から選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物の含有量は、前記元素として、通常0.01〜30重量%である。かかる含有量は、例えばICP分析法等の分析方法により測定することができる。
【0017】
触媒の形状は特に制限されず、例えば粉末状のものを用いてもよいが、触媒の取扱いやすさ等の面から、例えばペレット状、錠剤状、球状等に成型した触媒を用いることが好ましい。
【0018】
反応温度や反応圧力は、反応を気相条件下で実施することが可能な範囲であればよいが、反応温度が250℃より低いと、反応速度が小さく、また気相条件で反応を実施することが困難になりやすく、反応温度が500℃を越えると、高温反応に耐え得る反応器の材質や加熱装置等設備面で不利になりやすく、また副生物の生成量も増加するため、実用的な反応温度は、250〜500℃の範囲であり、好ましくは360〜450℃の範囲である。
【0019】
反応圧力は反応温度条件下で反応系を気相条件に保つことができる圧力以下であれば、加圧条件下、常圧条件下、減圧条件下のいずれで実施してもよい。通常は、大気圧下で反応が行われる。
【0020】
反応は、回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよい。工業的には、連続式で行うことが好ましい。連続式で行う場合、固定床反応器、流動床反応器、移動床反応器等のいずれで行ってもよい。
【0021】
反応は、通常アルデヒドとアニリン化合物とを触媒に接触させることにより実施され、その接触のさせ方は特に制限されない。アルデヒドとアニリン化合物を予め混合した後、触媒と接触させてもよいし、それぞれ別々に触媒へ導入して接触させてもよい。また、アルデヒドやアニリン化合物は、通常気化した後触媒と接触させる。
【0022】
反応終了後、通常キノリン化合物を含む反応ガスが得られ、該反応ガスをそのまま冷却し、キノリン化合物を凝縮させて取り出してもよいし、該反応ガスとメタノール等の溶媒を混合し、キノリン化合物を含む溶液を得、該溶液を濃縮処理し、キノリン化合物を取り出してもよい。取り出したキノリン化合物は、通常の精製手段により、さらに精製してもよい。
【0023】
かくして得られるキノリン化合物としては、例えばキノリン、2−メチルキノリン、3−メチルキノリン、4−メチルキノリン、8−メチルキノリン、2,8−ジメチルキノリン、3,8−ジメチルキノリン、4,8−ジメチルキノリン、7−メチルキノリン、2,7−ジメチルキノリン、3,7−ジメチルキノリン、4,7−ジメチルキノリン、6−メチルキノリン、2,6−ジメチルキノリン、3,6−ジメチルキノリン、4,6−ジメチルキノリン、8−エチルキノリン、2−メチル−8−エチルキノリン、4−メチル−8−エチルキノリン、7−イソプロピル−2−メチルキノリン、6−tert−ブチル−4−メチルキノリン等が挙げられる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、分析には、ガスクロマトグラフィ法を用いた。
【0025】
実施例1
硝酸鉛3.36gを水45gに溶解した溶液に、シリカアルミナ(日揮化学株式会社製、触媒記号:N631L)30gを加えて含浸処理した後、120℃で4時間乾燥処理し、次いで空気気流中、500℃で5時間焼成処理し、鉛7重量%を含有するシリカアルミナを得た。かかるシリカアルミナ6gを触媒として、管径20mmの耐熱性ガラス製反応管に充填し、反応管を電気炉で450℃に加熱した。この反応管に、クロトンアルデヒド4.3g/Hrおよびアニリン5.8g/Hrを通じ、反応を行った。反応管を流出するガスをメタノール中に導き、反応生成物を捕集した。
反応開始から5時間後のアニリン転化率は45%、クロトンアルデヒド転化率は100%、4−メチルキノリンの選択率(アニリン基準)は33%で、2−メチルキノリンの選択率(アニリン基準)は2%であった。
【0026】
実施例2
実施例1において、クロトンアルデヒド4.3g/Hrに代えて、アセトアルデヒド9.6g/Hrを用いた以外は実施例1と同様に反応を実施した。反応開始から3時間後の2−メチルキノリンの収率(アニリン基準)は25%、4−メチルキノリンの収率(アニリン基準)は5%であった。
【0027】
比較例1
実施例1において、触媒をアルミナに代えた以外は実施例1と同様に反応を実施した。反応開始から5時間後のアニリン転化率は64%、クロトンアルデヒド転化率は100%、4−メチルキノリンの選択率(アニリン基準)は6.8%であった。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、取扱いに注意を要する原料を用いることなく、キノリン化合物を製造することができ、またキノリン化合物の収率の向上が図られるため、工業的に有利である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、キノリン化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
キノリン化合物は、例えば医薬、農薬、染料等の合成中間体として重要な化合物である。かかるキノリン化合物を気相条件下で製造する方法としては、例えばアルミナ触媒存在下に、クロトンアルデヒドとアニリンを反応させる方法(例えば非特許文献1参照。)、固体酸触媒存在下に、アニリンとホルマリンと炭素数2〜4の脂肪族アルデヒドを反応させる方法(例えば特許文献1参照。)等が知られている。しかしながら、前者の方法は、キノリン化合物の収率が低く、また、後者の方法は、取扱いに注意を要するホルマリンを必須原料としており、工業的には、ホルマリンを使用せず、キノリン化合物を収率よく得る方法の開発が望まれていた。
【0003】
【特許文献1】特表平11−508918号公報
【非特許文献1】J.fur praktische chemie,107,122(1924)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者らは、ホルマリンを用いず、キノリン化合物を収率よく製造する方法を開発すべく鋭意検討したところ、鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有するシリカアルミナを触媒として用い、該触媒の存在下、低級アルキル基で置換されていてもよいアニリン化合物と炭素数2〜4の脂肪族アルデヒドとを、気相条件下で反応させることにより、キノリン化合物を収率よく製造することができることを見出し、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、触媒の存在下、低級アルキル基で置換されていてもよいアニリン化合物と炭素数2〜4の脂肪族アルデヒドとを、気相条件下で反応させて、キノリン化合物を製造する方法であって、触媒として、鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有するシリカアルミナを用いることを特徴とするキノリン化合物の製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
低級アルキル基で置換されていてもよいアニリン化合物(以下、アニリン化合物と略記する。)としては、アニリンおよびアニリンの芳香環の水素原子が、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状の低級アルキル基で置換されたもの、例えば2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2−エチルアニリン、3−イソプロピルアニリン、4−tert−ブチルアニリン等が挙げられる。かかるアニリン化合物としては、通常市販されているものが用いられる。
【0007】
炭素数2〜4の脂肪族アルデヒド(以下、アルデヒドと略記する。)としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒドおよびメタクロレインが挙げられる。用いるアルデヒドの種類によって、生成するキノリン化合物が異なるため、目的とするキノリン化合物に応じて、用いるアルデヒドを決めればよい。かかるアルデヒドとしては、通常市販されているものが用いられる。
【0008】
下記表1に、アニリン化合物としてアニリンを使用し、用いるアルデヒドと生成するキノリン化合物の関係を例示した。例えばアセトアルデヒドを用いた場合には、2−メチルキノリンを主成分とした2−メチルキノリンと4−メチルキノリンの混合物が、クロトンアルデヒドを用いた場合には、4−メチルキノリンを主成分とした2−メチルキノリンと4−メチルキノリンの混合物が得られる。また、プロピオンアルデヒドを用いた場合には、キノリンが、イソブチルアルデヒドを用いた場合には、3−メチルキノリンが、それぞれ得られる。
【0009】
【表1】
【0010】
また、アニリン化合物として、2−メチルアニリンを用い、アルデヒドとして、アクロレインを用いた場合には、8−メチルキノリンが得られる。
【0011】
アルデヒドの使用量は、用いるアルデヒドの種類により適宜選択すればよく、例えば炭素数2のアルデヒドであるアセトアルデヒドを用いる場合には、アニリン化合物に対して、通常1.8モル倍以上、好ましくは1.9モル倍以上、例えばプロピオンアルデヒド等の炭素数3〜4のアルデヒドを用いる場合には、アニリン化合物に対して、通常0.9モル倍以上、好ましくは0.95モル倍以上である。使用量の上限は特にないが、あまり多すぎても経済的に不利になりやすいため、実用的には、5モル倍以下である。
【0012】
本発明は、触媒の存在下、低級アルキル基で置換されていてもよいアニリン化合物と炭素数2〜4の脂肪族アルデヒドとを、気相条件下で反応させて、キノリン化合物を製造する方法であって、触媒として、鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有するシリカアルミナを用いることを特徴とするものである。
【0013】
触媒は、シリカとアルミナの非晶質の複合酸化物であるシリカアルミナに、鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有せしめたものであり、例えばシリカとアルミナの複合酸化物を調製した後、該複合酸化物に、鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有せしめることにより調製される。
【0014】
シリカとアルミナの複合酸化物は、例えば市販されているものを用いてもよいし、例えば共沈法、ゲル混練法等公知の方法により調製したものを用いてもよい。鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有せしめる方法としては、例えばイオン交換法、混練法、含浸法、浸漬法、沈着法、蒸発乾固法等の公知の方法が挙げられる。
【0015】
触媒中のシリカとアルミナの組成比は特に限定されないが、アルミニウム原子に対するケイ素原子の比が、通常2〜200のものが用いられる。なお、触媒中には、例えば酸化鉄や酸化ナトリウム等の酸化物が微量含まれていてもよい。
【0016】
鉛、コバルトおよびタリウムからなる群から選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物としては、前記元素のイオン、酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、水酸化物、硫化物、ケイ酸塩、チタン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩等の単独もしくは混合物が挙げられる。触媒中の鉛、コバルトおよびタリウムからなる群から選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物の含有量は、前記元素として、通常0.01〜30重量%である。かかる含有量は、例えばICP分析法等の分析方法により測定することができる。
【0017】
触媒の形状は特に制限されず、例えば粉末状のものを用いてもよいが、触媒の取扱いやすさ等の面から、例えばペレット状、錠剤状、球状等に成型した触媒を用いることが好ましい。
【0018】
反応温度や反応圧力は、反応を気相条件下で実施することが可能な範囲であればよいが、反応温度が250℃より低いと、反応速度が小さく、また気相条件で反応を実施することが困難になりやすく、反応温度が500℃を越えると、高温反応に耐え得る反応器の材質や加熱装置等設備面で不利になりやすく、また副生物の生成量も増加するため、実用的な反応温度は、250〜500℃の範囲であり、好ましくは360〜450℃の範囲である。
【0019】
反応圧力は反応温度条件下で反応系を気相条件に保つことができる圧力以下であれば、加圧条件下、常圧条件下、減圧条件下のいずれで実施してもよい。通常は、大気圧下で反応が行われる。
【0020】
反応は、回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよい。工業的には、連続式で行うことが好ましい。連続式で行う場合、固定床反応器、流動床反応器、移動床反応器等のいずれで行ってもよい。
【0021】
反応は、通常アルデヒドとアニリン化合物とを触媒に接触させることにより実施され、その接触のさせ方は特に制限されない。アルデヒドとアニリン化合物を予め混合した後、触媒と接触させてもよいし、それぞれ別々に触媒へ導入して接触させてもよい。また、アルデヒドやアニリン化合物は、通常気化した後触媒と接触させる。
【0022】
反応終了後、通常キノリン化合物を含む反応ガスが得られ、該反応ガスをそのまま冷却し、キノリン化合物を凝縮させて取り出してもよいし、該反応ガスとメタノール等の溶媒を混合し、キノリン化合物を含む溶液を得、該溶液を濃縮処理し、キノリン化合物を取り出してもよい。取り出したキノリン化合物は、通常の精製手段により、さらに精製してもよい。
【0023】
かくして得られるキノリン化合物としては、例えばキノリン、2−メチルキノリン、3−メチルキノリン、4−メチルキノリン、8−メチルキノリン、2,8−ジメチルキノリン、3,8−ジメチルキノリン、4,8−ジメチルキノリン、7−メチルキノリン、2,7−ジメチルキノリン、3,7−ジメチルキノリン、4,7−ジメチルキノリン、6−メチルキノリン、2,6−ジメチルキノリン、3,6−ジメチルキノリン、4,6−ジメチルキノリン、8−エチルキノリン、2−メチル−8−エチルキノリン、4−メチル−8−エチルキノリン、7−イソプロピル−2−メチルキノリン、6−tert−ブチル−4−メチルキノリン等が挙げられる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、分析には、ガスクロマトグラフィ法を用いた。
【0025】
実施例1
硝酸鉛3.36gを水45gに溶解した溶液に、シリカアルミナ(日揮化学株式会社製、触媒記号:N631L)30gを加えて含浸処理した後、120℃で4時間乾燥処理し、次いで空気気流中、500℃で5時間焼成処理し、鉛7重量%を含有するシリカアルミナを得た。かかるシリカアルミナ6gを触媒として、管径20mmの耐熱性ガラス製反応管に充填し、反応管を電気炉で450℃に加熱した。この反応管に、クロトンアルデヒド4.3g/Hrおよびアニリン5.8g/Hrを通じ、反応を行った。反応管を流出するガスをメタノール中に導き、反応生成物を捕集した。
反応開始から5時間後のアニリン転化率は45%、クロトンアルデヒド転化率は100%、4−メチルキノリンの選択率(アニリン基準)は33%で、2−メチルキノリンの選択率(アニリン基準)は2%であった。
【0026】
実施例2
実施例1において、クロトンアルデヒド4.3g/Hrに代えて、アセトアルデヒド9.6g/Hrを用いた以外は実施例1と同様に反応を実施した。反応開始から3時間後の2−メチルキノリンの収率(アニリン基準)は25%、4−メチルキノリンの収率(アニリン基準)は5%であった。
【0027】
比較例1
実施例1において、触媒をアルミナに代えた以外は実施例1と同様に反応を実施した。反応開始から5時間後のアニリン転化率は64%、クロトンアルデヒド転化率は100%、4−メチルキノリンの選択率(アニリン基準)は6.8%であった。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、取扱いに注意を要する原料を用いることなく、キノリン化合物を製造することができ、またキノリン化合物の収率の向上が図られるため、工業的に有利である。
Claims (2)
- 触媒の存在下、低級アルキル基で置換されていてもよいアニリン化合物と炭素数2〜4の脂肪族アルデヒドとを、気相条件下で反応させて、キノリン化合物を製造する方法であって、触媒として、鉛、コバルトおよびタリウムからなる群より選ばれる一以上の元素のイオンおよび/または化合物を含有するシリカアルミナを用いることを特徴とするキノリン化合物の製造方法。
- 炭素数2〜4の脂肪族アルデヒドが、クロトンアルデヒドである請求項1に記載のキノリン類の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003197101A JP2005035894A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | キノリン化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003197101A JP2005035894A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | キノリン化合物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005035894A true JP2005035894A (ja) | 2005-02-10 |
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ID=34207354
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JP2003197101A Pending JP2005035894A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | キノリン化合物の製造方法 |
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JP (1) | JP2005035894A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117050011A (zh) * | 2023-10-11 | 2023-11-14 | 湖南工程学院 | 一种以醋酸乙烯酯为原料合成2-甲基喹啉的方法 |
CN117069654A (zh) * | 2023-10-11 | 2023-11-17 | 湖南工程学院 | 一种以三聚乙醛为原料合成2-甲基喹啉的方法 |
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2003
- 2003-07-15 JP JP2003197101A patent/JP2005035894A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN117050011A (zh) * | 2023-10-11 | 2023-11-14 | 湖南工程学院 | 一种以醋酸乙烯酯为原料合成2-甲基喹啉的方法 |
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CN117050011B (zh) * | 2023-10-11 | 2024-01-23 | 湖南工程学院 | 一种以醋酸乙烯酯为原料合成2-甲基喹啉的方法 |
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