JP2005035264A - 熱伝導性シリコーン成形体及びその製造方法 - Google Patents

熱伝導性シリコーン成形体及びその製造方法 Download PDF

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雅弥 朝稲
Ikuo Sakurai
郁男 櫻井
Suketaka Sakurai
祐貴 櫻井
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Abstract

【課題】 (a)分子鎖両末端にのみアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
(b)熱伝導性充填剤
(c)分子鎖両末端にのみケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(d)白金族系付加反応触媒
好ましくは(e)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
を含有するシリコーン組成物をシート状に成形して付加反応させることにより得られたパテ状の熱伝導性シート体の片面又は両面に、
(f)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、上記(a)成分との付加反応体、又はこれと(g)離型剤からなる表面保護層を形成せしめた熱伝導性シリコーン成形体、及びその製造方法。
【解決手段】 本発明の成形体は、取扱いが容易で、被放熱物の形状に沿うように変形し、被放熱物に応力をかけることなく、良好な放熱特性を示す。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱伝導性シリコーン組成物をシート状に成形させた熱伝導性シリコーン成形体に関し、特に電子部品の放熱のために、発熱性電子部品の熱境界面とヒートシンク又は回路基板などの熱放散部材との間に介装する熱伝達材料として有効な熱伝導性シリコーン組成物をシート状に成形させた熱伝導性シリコーン成形体、及びその製造方法に関する。
パーソナルコンピューター、デジタルビデオディスク、携帯電話等の電子機器に使用されるCPU、ドライバICやメモリー等のLSIチップは、高性能化・高速化・小型化・高集積化に伴い、それ自身が大量の熱を発生するようになり、その熱によるチップの温度上昇はチップの動作不良、破壊を引き起こす。そのため、動作中のチップの温度上昇を抑制するための多くの熱放散方法及びそれに使用する熱放散部材が提案されている。
従来、電子機器等においては、動作中のチップの温度上昇を抑えるために、アルミニウムや銅等の熱伝導率の高い金属板を用いたヒートシンクが使用されている。このヒートシンクは、そのチップが発生する熱を伝導し、その熱を外気との温度差によって表面から放出する。
ここで、チップから発生する熱をヒートシンクに効率よく伝えるために、ヒートシンクをチップに密着させる必要があるが、各チップの高さの違いや組み付け加工による公差があるため、柔軟性を有するシートや、グリースをチップとヒートシンクとの間に介装させ、このシート又はグリースを介してチップからヒートシンクへの熱伝導を実現している。
シートはグリースに比べて取り扱い性に優れており、熱伝導性シリコーンゴム等で形成された熱伝導シート(熱伝導性シリコーンゴムシート)は様々な分野に用いられている。
これら熱伝導シートは、チップ及びヒートシンクに対する密着性を向上させるため、シートを押しつぶすように強い応力をかけられることが多く、弾性体のシートではその残留応力がチップに悪影響を及ぼすことがある。特開2002−33427号公報(特許文献1)には、シート成形時にオルガノハイドロジェンシロキサンをフィルムに塗布し、そのフィルムで挟み込んで加熱成形せしめることによりシート上下両面表層部をゴム状に硬化させた薄膜補強層を持ち、その間に未加硫の組成物層が存在する放熱シートが提案されている。しかしながら、未加硫の状態でシート形状を維持するために、成形前の材料は粘度及びチキソ性が高いものに限定される。そのため、コーティングによる連続成形は困難であり、量産性において不利である。また、特願2002−346964号では、液状の熱伝導性組成物のベースオイルを鎖長延長させることでパテ化せしめて、取り扱いを可能にさせているが、圧縮時のピーク荷重を低くするため、パテをより柔らかくした場合、所望のサイズにカットした後、使用するまでの間に隣接するシートと再固着してしまうおそれがあった。
特開2002−33427号公報 米国特許第3,220,972号明細書 米国特許第3,159,601号明細書 米国特許第3,159,662号明細書 米国特許第3,775,452号明細書
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、流動性のある組成物を用い、容易に連続成型可能で、圧縮時のピーク荷重が低く、シートとして取り扱いが容易な非弾性体の熱伝導性シリコーン成形体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、(a)分子鎖両末端にのみアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、(b)熱伝導性充填剤、(c)分子鎖両末端にのみケイ素原子に直接結合した水素原子を持つオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(d)白金族系付加反応触媒、この場合、更に好ましくは(e)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンをケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数が(c)成分のケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数の0.1〜10%となる量で配合してなるシリコーン組成物をシート状に成形して付加反応させることにより得られたパテ状の熱伝導性シート体の片面又は両面に、(f)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと上記(a)成分との付加反応体、又はこれと(g)離型剤からなる表面保護層を形成せしめた熱伝導性シリコーン成形体が、容易に連続成型が可能で、圧縮時のピーク荷重が低く、シートとして取り扱いが容易な非弾性体の成形体となり得ることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示す熱伝導性シリコーン成形体及びその製造方法を提供する。
〔1〕 (a)分子鎖両末端にのみアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
(b)熱伝導性充填剤
(c)分子鎖両末端にのみケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(d)白金族系付加反応触媒
を含有するシリコーン組成物をシート状に成形して付加反応させることにより得られたパテ状の熱伝導性シート体の片面又は両面に、
(f)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、上記(a)成分との付加反応体からなる表面保護層を形成せしめたことを特徴とする熱伝導性シリコーン成形体。
〔2〕 (a)分子鎖両末端にのみアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
(b)熱伝導性充填剤
(c)分子鎖両末端にのみケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(d)白金族系付加反応触媒
を含有するシリコーン組成物をシート状に成形して付加反応させることにより得られたパテ状の熱伝導性シート体の片面又は両面に、
(f)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、上記(a)成分との付加反応体及び(g)離型剤からなる表面保護層を形成せしめたことを特徴とする熱伝導性シリコーン成形体。
〔3〕 (a)〜(d)成分を含有するシリコーン組成物に、更に(e)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、ケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数が(c)成分のケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数の0.1〜10%となる量で配合したことを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の熱伝導性シリコーン成形体。
〔4〕 (b)熱伝導性充填剤が、金属、酸化物、窒化物、ケイ化物及び人工ダイヤモンドから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン成形体。
〔5〕 (a)分子鎖両末端にのみアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
(b)熱伝導性充填剤
(c)分子鎖両末端にのみケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(d)白金族系付加反応触媒
を含有するシリコーン組成物をシート状に成形し、この成形物を付加反応させる前又はさせた後に、上記シート体の片面又は両面に、
(f)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
を塗布し、この(f)成分と上記(a)成分とを付加反応させ、上記(a)〜(d)成分及び必要により(e)成分を含むシリコーン組成物が未反応の場合には該組成物を同時に付加反応させて、上記シリコーン組成物の付加反応によるパテ状の熱伝導性シート体の片面又は両面に上記(f)成分と上記(a)成分との付加反応体からなる表面保護層を形成することを特徴とする熱伝導性シリコーン成形体の製造方法。
〔6〕 (a)分子鎖両末端にのみアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
(b)熱伝導性充填剤
(c)分子鎖両末端にのみケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(d)白金族系付加反応触媒
を含有するシリコーン組成物をシート状に成形し、この成形物を付加反応させる前又はさせた後に、上記シート体の片面又は両面に、
(f)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び
(g)離型剤
の混合物を塗布し、この混合物中の(f)成分と上記(a)成分とを付加反応させ、上記(a)〜(d)成分を含むシリコーン組成物が未反応の場合には該組成物を同時に付加反応させて、上記シリコーン組成物の付加反応によるパテ状の熱伝導性シート体の片面又は両面に上記(f)成分と上記(a)成分との付加反応体及び(g)離型剤からなる表面保護層を形成することを特徴とする熱伝導性シリコーン成形体の製造方法。
〔7〕 上記シリコーン組成物が、更に(e)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、ケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数が(c)成分のケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数の0.1〜10%となる量で含有する〔5〕又は〔6〕記載の製造方法。
本発明の熱伝導性シリコーン成形体は、取扱いが容易で、被放熱物の形状に沿うように変形し、被放熱物に応力をかけることなく、良好な放熱特性を示すものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる(a)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、分子鎖の両末端にそれぞれ1個、合計2個のアルケニル基を含有するもので、通常は、主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなるものが好ましい。
(a)成分として具体例には、下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2005035264
(式中、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、Xはアルケニル基であり、aは0又は1以上の整数である。)
上記式中、R1の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、並びにこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等の炭素原子数が1〜10、特に炭素原子数が1〜6のものが挙げられ、これらの中でも好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基、及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基である。また、R1は全てが同一であっても、異なっていてもよい。
また、Xのアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の通常、炭素原子数2〜8程度のものが挙げられ、中でもビニル基、アリル基等の低級アルケニル基が好ましく、特にはビニル基が好ましい。
式中、aは0又は1以上の整数であるが、10≦a≦10,000を満たす整数であることが好ましく、より好ましくは50≦a≦2,000を満足する整数であり、更に好ましくは100≦a≦1,000を満足する整数である。
このオルガノポリシロキサンは、1種単独で使用しても、複数の異なる粘度のものを併用しても構わない。
本発明に用いられる(b)成分の熱伝導性充填剤は、非磁性の銅、アルミニウム等の金属、アルミナ、シリカ、マグネシア、ベンガラ、ベリリア、チタニア、ジルコニア等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の金属窒化物、人工ダイヤモンドあるいは炭化ケイ素等、一般に熱伝導性充填剤とされる物質を用いることができる。なお、(b)成分は、鉄、鉄を含む化合物、及びフェライトは除かれる。
これら熱伝導性充填剤は、平均粒径が0.1〜100μm、望ましくは0.5〜50μm、更に望ましくは0.5〜30μmのものを用いることができる。これら充填剤は1種単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。また、平均粒径の異なる粒子を2種以上用いることも可能である。
熱伝導性充填剤の配合量は、(a)成分100質量部に対して200〜3,000質量部が好ましく、より好ましくは300〜1,500質量部である。熱伝導性充填剤の配合量が多すぎると流動性が失われ、コーティングが困難となる場合があり、少なすぎると所望の熱伝導性を得ることができないおそれがある。
本発明に用いられる(c)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子鎖の両末端にのみケイ素原子に直接結合する水素原子(即ち、Si−H基)を有するものである。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、下記平均構造式(2)で表されるものが挙げられる。
Figure 2005035264
(式中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、bは0又は正数である。)
上記式(2)中、R2の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、並びにこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等の炭素原子数が1〜10、特に炭素原子数が1〜6のものが挙げられ、これらの中でも好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基である。また、R2は全てが同一であっても、異なっていてもよい。
また、式(2)中のbは、0又は正数であるが、0〜500であることが好ましく、より好ましくは5〜100の正数であり、更に好ましくは10〜50の正数である。
これら(c)成分の添加量は、(c)成分のSi−H基が(a)成分中のアルケニル基1モルに対して0.1〜5モルとなる量、望ましくは0.3〜3モルとなる量、更に望ましくは0.5〜2モルとなる量であることが好ましい。(c)成分のSi−H基の量が(a)成分中のアルケニル基1モルに対して0.1モル未満、又は5モルを超える量では、所望のシートを得ることができないおそれがある。
本発明に用いられる(d)成分の白金族系付加反応触媒は、(a)成分中のアルケニル基と、(c)成分及び後述する(e),(f)成分中のSi−H基との付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。その具体例としては、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体、H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(但し、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩、アルコール変性塩化白金酸(特許文献2参照)、塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(特許文献3〜5参照)、白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの、ロジウム−オレフィンコンプレックス、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックスなどが挙げられる。
(d)成分の使用量は、所謂触媒量でよく、通常、(a)成分に対する白金族金属元素の質量換算で、0.1〜500ppm、望ましくは0.5〜200ppm、更に望ましくは1.0〜100ppm程度がよい。
本発明においては、更に(e)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子(Si−H基)を1個以上、特に2〜10個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを配合することが好ましい。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均構造式(3)〜(5)で表されるものが例示され、これらは単一又は混合物として用いることができる。
Figure 2005035264
(各式中、R3は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基である。またcは0又は0を超える正数であり、d,e,fは0を超える正数である。)
上記式(3)〜(5)中、R3の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、並びにこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等が挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に代表的なものは炭素原子数が1〜6のものであり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基である。また、R3は全てが同一であることを限定するものではない。また、式(3)中のcは0又は0を超える正数であり、d,e,fは0を超える正数、望ましくは1以上の正数、特に望ましくは2〜10の正数である。なお、(e)成分の25℃における粘度は、1〜10,000mm2/s、特に5〜1,000mm2/s、とりわけ10〜500mm2/sであることが好ましい。
また、(e)成分の添加量は、(c)成分のSi−H量に対して(e)成分のSi−H量が0.1〜10モル%、望ましくは0.2〜5モル%となる量であることが好ましい。添加量が0.1モル%未満では、強度向上効果が期待できないおそれがあり、また10モル%を超える量では、弾性体となり、圧縮時のピーク荷重が高くなるおそれがある。
なお、(e)成分を配合した場合、(c)、(e)成分の合計Si−H基が(a)成分中のアルケニル基1モルに対して0.1〜5モル、望ましくは0.3〜3モル、更に望ましくは0.5〜2モルとなる量であることが好ましい。
本発明のシリコーン組成物には、この他に、熱伝導性充填剤の表面処理剤、硬化速度を調整するための反応抑制剤、着色のための顔料・染料、難燃性付与剤、金型やセパレーターフィルムからの型離れをよくするための内添離型剤等、機能を向上させるための様々な添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加することが可能である。
本発明のシリコーン組成物は、上記成分を常法に準じて混合することにより製造することができる。このシリコーン組成物は、流動性があり、容易に連続成形可能なものである。
本発明のシリコーン組成物をシート状に成形する際の成形方法としては、コーティング成形、プレス成形、射出成形等が挙げられるが、コーティングにより成形することが好ましい。ここで、コーティング方法としては、ナイフコーター、コンマコーター等を用いた連続コーティング法等の公知のコーティング方法を用いることができる。また、シート状に成形した成形物を熱伝導性シート体とする際の付加反応条件としては、公知の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物と同様の反応条件を採用することができ、常温でも十分にシート化が可能であるが、必要に応じて加熱してもよい。ここで、加熱を行う場合の加熱条件としては、60〜200℃で、2分〜1時間とすることが好ましい。
本発明の熱伝導性シリコーン成形体は、上記シート状に成形した熱伝導性シート体の片面又は両面に、(f)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを塗布して上記(f)成分と上記(a)成分との付加反応体からなる表面保護層、又は上記(f)成分と(g)離型剤との混合物を塗布して上記(f)成分と上記(a)成分との付加反応体と(g)離型剤からなる表面保護層を形成したものである。
本発明に用いられる(f)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子側鎖にSi−H基を2個以上、特に4個以上有するものであり、下記平均構造式(6)〜(8)で表されるものが例示され、これらは単一又は混合物として用いることができる。
Figure 2005035264
(各式中、R4は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基である。gは0又は0を超える正数であり、h,j,kは2以上の正数である。)
上記式(6)〜(8)中、R4の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、並びにこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等が挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に代表的なものは炭素原子数が1〜6のものであり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基である。また、R4は全てが同一であることを限定するものではない。
また、式(6)〜(8)中のgは0又は0を超える正数であり、h,j,kは2以上、望ましくは3以上、更に望ましくは10以上の正数である。なお、h,j,kの上限は通常500以下、特に100以下である。更に、この(f)成分の粘度は、25℃において1〜10,000mm2/s、特に5〜1,000mm2/s、とりわけ10〜500mm2/sであることが好ましい。
本発明に用いられる(g)成分は、離型剤として効果のあるものであれば何れのものでもよいが、(a)成分と完全には相溶せず、化学的に不活性で、不揮発性であるものが望ましい。(a)成分と完全に相溶してしまうと、(g)成分が成形後又は成形前のシートに浸透してしまい、硬化層が厚くなり、圧縮応力が高くなるおそれがある。このような離型剤として、具体的には、イソパラフィンなどの炭化水素化合物、(a)成分とは異なる側鎖を部分的もしくは全体的にもつ無官能のオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
上記無官能のオルガノポリシロキサンとして、具体例には、下記一般式(9)で表されるものが挙げられる。
Figure 2005035264
(式中、R5は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、pは0又は1以上の整数である。)
上記式中、R5の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、並びにこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等の炭素原子数が1〜10、特に炭素原子数が1〜6のものが挙げられ、これらの中でも好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基、及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基である。また、R5は全てが同一であっても、異なっていてもよい。
また、pは0又は1以上の整数である。更に、このオルガノポリシロキサンの粘度は、25℃において1〜100,000mm2/s、特に10〜10,000mm2/s、とりわけ100〜5,000mm2/sであることが好ましい。
本発明に用いる離型剤は、1種単独で使用しても、複数の異なるものを併用しても構わない。
ここで、表面保護層として(f)成分と(g)成分を混合したものを塗布する場合、この混合物の配合割合としては、(f)成分:(g)成分が質量比で1:99〜90:10、特に5:95〜50:50とすることが好ましい。(g)成分の配合割合が多すぎると表面保護層の形成が不十分となる場合があり、少なすぎると離型剤添加の効果がみられない場合がある。
上記シリコーン組成物をシート状に成形した熱伝導性シート体の片面又は両面に(f)成分、又は(f)成分と(g)成分との混合物を塗布し、室温以上、特に30〜200℃の温度の雰囲気下に、5分〜24時間放置することで成形体表面に硬化膜を形成することができる。ここで、(f)成分、又は(f)成分と(g)成分との混合物の塗布方法としては、スプレー塗布、転写塗布、刷毛塗りなど、いかなる方法でも構わない。中でも作業性の面から転写塗布が好ましく、具体的には、(f)成分、又は(f)成分と(g)成分との混合物を塗布したPETフィルム(表面処理PETフィルム)を熱伝導性シート体表面に貼り付けて転写した後に、PETフィルムを剥離する方法である。また、塗布するタイミングは、シリコーン組成物をシート状に成形し、この成形物を付加反応させる前でも、又は付加反応させた後でも構わない。
また、(f)成分の上記熱伝導性シート体への塗布量としては、0.001〜10g/m2、特に0.005〜5g/m2とすることが好ましく、(f)成分と(g)成分との混合物の上記熱伝導性シート体への塗布量としては、(f)成分が0.001〜10g/m2、特に0.005〜5g/m2となる量とすることが好ましい。(f)成分、又は(f)成分と(g)成分との混合物の塗布量が多すぎると形成される皮膜が厚く、圧縮時のピーク荷重が高くなるおそれがあり、少なすぎると皮膜が薄く、所望の皮膜強度が得られないおそれがある。
なおこの場合、(a)成分中のアルケニル基モル量に対し、(c)成分(及び(e)成分)の合計Si−H基モル量が過剰である場合も、上記シリコーン組成物の硬化物中に未反応のアルケニル基が残存するため、上記(f)成分中のSi−H基が反応するものと推定される。従って、(a)成分中のアルケニル基モル量が(c)成分(及び(e)成分)の合計Si−H基モル量より少なくても差し支えないが、より好ましくは、アルケニル基モル量は(c)成分(及び(e)成分)の合計Si−H基モル量と同じかそれ以上であることが好ましい。
また、本発明においては、上記シリコーン組成物を既にシート状に成形した放熱シート上に塗布し、更にその上に(f)成分、又は(f)成分と(g)成分の混合物を塗布して成形せしめてもよい。この場合、シート状に成形した放熱シートとしては、信越化学工業(株)製TC−10E等が挙げられる。
このようにして得られる本発明の熱伝導性シリコーン成形体は、シートとして取り扱いが可能な非弾性の成形体であり、該シリコーン成形体は、熱伝導性に優れ、被放熱物の形状に沿うように変形するため、被放熱物に応力をかけることなく良好な放熱特性を示すものである。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において粘度は25℃における粘度であり、式中のMeはメチル基、Phはフェニル基である。
[実施例1]
(a)成分として600mm2/sの粘度をもつ末端をビニル基で封止したジメチルオルガノポリシロキサン500gと、(b)成分として4μmの平均粒径をもつアルミナAL−24(昭和電工株式会社製、商品名)2,000gを品川式万能攪拌機に仕込み、60分間混合せしめた。得られた混合物を更に3本ロールにかけ、均一な液状ベースを得た。この液状ベース500gに、(d)成分として2%塩化白金酸2−エチルヘキサノール溶液0.2gと、50%エチニルシクロヘキサノールトルエン溶液0.2gを添加して均一に混合した。更に(c)成分として下記平均構造式(10)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを12g添加し、均一に混合して組成物aを得た。
Figure 2005035264
調製した組成物aをPETフィルム上に1.0mmの厚さでコーティングし、120℃×10分間の条件で加熱せしめたのち、(f)成分として下記平均構造式(11)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを5g/m2塗布したPETフィルムを表面に貼り付け、80℃の雰囲気下に30分放置し、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを塗布したPETフィルムを剥がして、シートA(大きさ約10cm角)を得た。
Figure 2005035264
この後、下のPETフィルムは切らないようにシートAのみを20mm角にカットし、10kgf/m2の荷重をかけて1日放置し、その後に取り扱い性、圧縮応力及び熱抵抗を確認した。
圧縮応力は、島津製作所製オートグラフAG−Iを用いて、0.5mm/分の速度で0.5mm圧縮を行い、圧縮開始〜停止の間でもっとも高い圧縮応力を示したときの値(ピーク値)と10分後の値を読み取った。
熱抵抗の測定方法は、トランジスタTO−3型のアルミニウム製ケースの中にヒーターを埋め込んだモデルヒーター(設置面積7cm2)とヒートシンク(フラット型60F230×70mm:LEX製)の間にヒーターと同じ形状にカットしたシートAを設置し、300gf/cm2の荷重で圧着せしめ、モデルヒーターに28Wの電力を印加せしめ、モデルヒーターの温度T1とヒートシンクの温度T2を熱電対で測定し、次式からサンプルの熱抵抗を求めた。
熱抵抗 R=(T1−T2)/28
[実施例2]
(a)成分として600mm2/sの粘度をもつ末端をビニル基で封止したジメチルオルガノポリシロキサン500gと、(b)成分として4μmの平均粒径をもつアルミナAL−24(昭和電工株式会社製、商品名)2,000gを品川式万能攪拌機に仕込み、60分間混合せしめた。得られた混合物を更に3本ロールにかけ、均一な液状ベースを得た。この液状ベース500gに、(d)成分として2%塩化白金酸2−エチルヘキサノール溶液0.2gと、50%エチニルシクロヘキサノールトルエン溶液0.2gを添加して均一に混合した。(c)成分として上記平均構造式(10)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを11.4gと、(e)成分として下記平均構造式(12)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを0.6g添加し、均一に混合して組成物bを得た。
Figure 2005035264
調製した組成物bをPETフィルム上に1.0mmの厚さでコーティングし、120℃×10分間の条件で加熱せしめたのち、(f)成分として上記平均構造式(11)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを5g/m2塗布したPETフィルムを表面に貼り付け、80℃の雰囲気下に30分放置し、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを塗布したPETフィルムを剥がして、シートB(大きさ約10cm角)を得た。この後、下のPETフィルムは切らないようにシートBのみを20mm角にカットし、10kgf/m2の荷重をかけて1日放置し、その後に取り扱い性、圧縮応力及び熱抵抗を実施例1と同様に確認した。
[比較例1]
実施例1で調製した組成物aをPETフィルム上に1.0mmの厚さでコーティングし、120℃×10分間の条件で加熱せしめてシートC(大きさ約10cm角)を得た。この後、下のPETフィルムは切らないようにシートCのみを20mm角にカットし、10kgf/m2の荷重をかけて1日放置し、その後に取り扱い性、圧縮応力及び熱抵抗を実施例1と同様に確認した。
[実施例3]
実施例1で調製した組成物aをPETフィルム上に成型された信越化学工業製熱伝導性シリコーンゴムシートTC−10E(厚さ0.1mm)上に0.9mmの厚さでコーティングし、全体の厚さを1.0mmにして120℃×10分間の条件で加熱せしめた後、(f)成分として上記平均構造式(11)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを5g/m2塗布したPETフィルムを表面に貼り付け、80℃の雰囲気下に30分放置し、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを塗布したPETフィルムを剥がして、シートD(大きさ約10cm角)を得た。この後、TC−10EのPETフィルムは切らないでシートDのみを20mm角にカットし、10kgf/m2の荷重をかけて1日放置し、その後に取り扱い性、圧縮応力及び熱抵抗を実施例1と同様に確認した。
[実施例4]
実施例2で調製した組成物bをPETフィルム上に成型された信越化学工業製熱伝導性シリコーンゴムシートTC−10E(厚さ0.1mm)上に0.9mmの厚さでコーティングし、全体の厚さを1.0mmにして120℃×10分間の条件で加熱せしめた後、(f)成分として上記平均構造式(11)で示される平均構造式をもつオルガノハイドロジェンポリシロキサンを5g/m2塗布したPETフィルムを表面に貼り付け、80℃の雰囲気下に30分放置し、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを塗布したPETフィルムを剥がして、シートE(大きさ約10cm角)を得た。この後、TC−10EのPETフィルムは切らないでシートEのみを20mm角にカットし、10kgf/m2の荷重をかけて1日放置し、その後に取り扱い性、圧縮応力及び熱抵抗を実施例1と同様に確認した。
[比較例2]
実施例1で調製した組成物aをPETフィルム上に成型された信越化学工業製熱伝導性シリコーンゴムシートTC−10E(厚さ0.1mm)上に0.9mmの厚さでコーティングし、全体の厚さを1.0mmにして120℃×10分間の条件で加熱せしめてシートF(大きさ約10cm角)を得た。この後、TC−10EのPETフィルムは切らないでシートFのみを20mm角にカットし、10kgf/m2の荷重をかけて1日放置し、その後に取り扱い性、圧縮応力及び熱抵抗を実施例1と同様に確認した。
[比較例3]
(a)成分として600mm2/sの粘度をもつ末端をビニル基で封止したジメチルオルガノポリシロキサン500gと、(b)成分として4μmの平均粒径をもつアルミナAL−24(昭和電工株式会社製、商品名)2,000gを品川式万能攪拌機に仕込み、60分間混合せしめた。得られた混合物を更に3本ロールにかけ、均一な液状ベースを得た。この液状ベース500gに(d)成分として2%塩化白金酸2−エチルヘキサノール溶液0.2gと、50%エチニルシクロヘキサノールトルエン溶液0.2gを添加して均一に混合した。更に(e)成分として上記平均構造式(12)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを12g添加し、均一に混合し、組成物cを得た。
調製した組成物cをPETフィルム上に1.0mmの厚さでコーティングし、120℃×10分間の条件で加熱せしめたのち、更に(f)成分として上記平均構造式(11)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを5g/m2塗布したPETフィルムを表面に貼り付け、80℃の雰囲気下に30分放置し、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを塗布したPETフィルムを剥がして、シートG(大きさ約10cm角)を得た。この後、下のPETフィルムは切らないでシートGのみを20mm角にカットし、10kgf/m2の荷重をかけて1日放置し、その後に取り扱い性、圧縮応力及び熱抵抗を実施例1と同様に確認した。
[実施例5]
実施例1で調製した組成物aをPETフィルム上に1.0mmの厚さでコーティングし、120℃×10分間の条件で加熱せしめたのち、コーティング用組成物[(f)成分として上記平均構造式(11)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと(g)離型剤として下記平均構造式(13)で示される25℃での粘度が1,000cStのオルガノポリシロキサンの20質量部:80質量部の混合液]を10g/m2塗布したPETフィルムを表面に貼り付け、80℃の雰囲気下に30分放置し、コーティング用組成物を塗布したPETフィルムを剥がして、シートH(大きさ約10cm角)を得た。
Figure 2005035264
(但し、m/(n+m)=0.05)
この後、下のPETフィルムは切らないようにシートHのみを20mm角にカットし、10kgf/m2の荷重をかけて1日放置し、その後に取り扱い性、圧縮応力及び熱低抗を確認した。
[実施例6]
実施例2で調製した組成物bをPETフィルム上に1.0mmの厚さでコーティングし、120℃×10分間の条件で加熱せしめたのち、コーティング用組成物[(f)成分として上記平均構造式(11)で示されるオルガノハイドロジェンボリシロキサンと(g)離型剤として上記平均構造式(13)で示される25℃での粘度が1,000cStのオルガノポリシロキサンの20質量部:80質量部の混合液]を10g/m2塗布したPETフィルムを表面に貼り付け、80℃の雰囲気下に30分放置し、コーティング用組成物を塗布したPETフィルムを剥がして、シートI(大きさ約10cm角)を得た。この後、下のPETフィルムは切らないようにシートIのみを20mm角にカットし、10kgf/m2の荷重をかけて1日放置し、その後に取り扱い性、圧縮応力及び熱抵抗を実施例1と同様に確認した。
これらの結果を表1,2に示す。
Figure 2005035264
表面処理用PETフィルム剥離性
◎:容易に剥離する
○:剥離するが、剥離の際に抵抗を感じる
端部状態
○:はみ出した部分が1mm未満
△:はみ出した部分が1mm以上2mm未満
×:はみ出した部分が2mm以上
カットシートの取り扱い
◎:隣接するシートときれいに分離し、取り扱いが容易
○:隣接するシートと容易に分離し、取り扱いが容易
△:隣接するシートと接する部分が若干伸びるが、取り扱い可能
×:隣接するシートと接する部分が伸びてしまい完全に変形し、取り扱い困難
Figure 2005035264

Claims (7)

  1. (a)分子鎖両末端にのみアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
    (b)熱伝導性充填剤
    (c)分子鎖両末端にのみケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    (d)白金族系付加反応触媒
    を含有するシリコーン組成物をシート状に成形して付加反応させることにより得られたパテ状の熱伝導性シート体の片面又は両面に、
    (f)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、上記(a)成分との付加反応体からなる表面保護層を形成せしめたことを特徴とする熱伝導性シリコーン成形体。
  2. (a)分子鎖両末端にのみアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
    (b)熱伝導性充填剤
    (c)分子鎖両末端にのみケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    (d)白金族系付加反応触媒
    を含有するシリコーン組成物をシート状に成形して付加反応させることにより得られたパテ状の熱伝導性シート体の片面又は両面に、
    (f)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、上記(a)成分との付加反応体及び(g)離型剤からなる表面保護層を形成せしめたことを特徴とする熱伝導性シリコーン成形体。
  3. (a)〜(d)成分を含有するシリコーン組成物に、更に(e)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、ケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数が(c)成分のケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数の0.1〜10%となる量で配合したことを特徴とする請求項1又は2記載の熱伝導性シリコーン成形体。
  4. (b)熱伝導性充填剤が、金属、酸化物、窒化物、ケイ化物及び人工ダイヤモンドから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の熱伝導性シリコーン成形体。
  5. (a)分子鎖両末端にのみアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
    (b)熱伝導性充填剤
    (c)分子鎖両末端にのみケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    (d)白金族系付加反応触媒
    を含有するシリコーン組成物をシート状に成形し、この成形物を付加反応させる前又はさせた後に、上記シート体の片面又は両面に、
    (f)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    を塗布し、この(f)成分と上記(a)成分とを付加反応させ、上記(a)〜(d)成分を含むシリコーン組成物が未反応の場合には該組成物を同時に付加反応させて、上記シリコーン組成物の付加反応によるパテ状の熱伝導性シート体の片面又は両面に上記(f)成分と上記(a)成分との付加反応体からなる表面保護層を形成することを特徴とする熱伝導性シリコーン成形体の製造方法。
  6. (a)分子鎖両末端にのみアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
    (b)熱伝導性充填剤
    (c)分子鎖両末端にのみケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    (d)白金族系付加反応触媒
    を含有するシリコーン組成物をシート状に成形し、この成形物を付加反応させる前又はさせた後に、上記シート体の片面又は両面に、
    (f)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び
    (g)離型剤
    の混合物を塗布し、この混合物中の(f)成分と上記(a)成分とを付加反応させ、上記(a)〜(d)成分を含むシリコーン組成物が未反応の場合には該組成物を同時に付加反応させて、上記シリコーン組成物の付加反応によるパテ状の熱伝導性シート体の片面又は両面に上記(f)成分と上記(a)成分との付加反応体及び(g)離型剤からなる表面保護層を形成することを特徴とする熱伝導性シリコーン成形体の製造方法。
  7. 上記シリコーン組成物が、更に(e)分子側鎖にケイ素原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、ケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数が(c)成分のケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数の0.1〜10%となる量で含有する請求項5又は6記載の製造方法。

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