JP2005034931A - カップ型超砥粒ホイールおよびウエハの平面研削加工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエハ等の工作物の回転中心に、凹部の発生しない、高精度な研削加工が可能なカップ型超砥粒ホイールとウエハの平面研削加工法を提供する。
【解決手段】カップ型台金の軸心に直交する端面に、2種類の異なる作用面面積を有するチップ1,2を固着し、カップ型台金の軸心から最も遠いチップ端部までの距離R1は、作用面面積の小さいチップ2より、作用面面積の大きいチップ1が長くなるようにする。作用面面積の小さいチップ2の半径方向の幅T2は、大きいチップの半径方向の幅T1より小さくし、チップの作用面の形状は円または楕円であることが好ましい。そして、ウエハの回転中心を研削するのは、作用面面積の大きいチップだけとなるようにセッティングする。
【選択図】図1
【解決手段】カップ型台金の軸心に直交する端面に、2種類の異なる作用面面積を有するチップ1,2を固着し、カップ型台金の軸心から最も遠いチップ端部までの距離R1は、作用面面積の小さいチップ2より、作用面面積の大きいチップ1が長くなるようにする。作用面面積の小さいチップ2の半径方向の幅T2は、大きいチップの半径方向の幅T1より小さくし、チップの作用面の形状は円または楕円であることが好ましい。そして、ウエハの回転中心を研削するのは、作用面面積の大きいチップだけとなるようにセッティングする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カップ型超砥粒ホイールに関するものである。その中でも特に、半導体材料、半導体部品、電子材料、電子部品、ウエハ等の平面研削加工において、高い平坦度が要求される高精度な研削加工に用いられるカップ型超砥粒ホイールと平面研削加工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のカップ型超砥粒ホイールとしては次のようなものが公知である。平均粒径が10〜200μmの超砥粒ニッケルめっきまたはロウ材で台金表面に一層固着する。そして、超砥粒の先端部をツルーイングによって、相互の段差が1μm以下の平坦部を形成して、さらにドレッシングによって平坦部に5μm以下の微少な溝または凹部を形成する。これらが切れ刃として作用し、シリコンウエハなどの鏡面加工を可能にするものである。このカップ型超砥粒ホイールはインフィード切り込み方式のロータリーテーブル式平面研削盤に取り付けて使用される。工作物であるシリコンウエハは、ロータリーテーブルの上に固定され、カップ型超砥粒ホイールの作用面をシリコンウエハの表面に平行に当接させる。そして、ロータリーテーブルとカップ型超砥粒ホイールをそれぞれ軸心まわりに回転させてシリコンウエハの平面研削加工をする。この研削加工時のレイアウトが特許文献1の図1に示されているが、カップ型超砥粒ホイールの作用面は、工作物であるシリコンウエハの回転中心を研削するようにセッティングされている。この場合の超砥粒層の作用面はドーナツ状であり、作用面全体に渡って超砥粒が均一に分散している。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
他には、次のようなカップ型超砥粒ホイールが公知である。カップ型台金の軸線方向の一端に、工作物に当接する複数のチップが台金軸線を中心とする円周に沿って配列され、チップのうち少なくとも5〜35%のチップは、ホイール回転方向前方にある先端部の幅に比して、回転方向後方にある後端部の幅が1.2〜2倍に拡大された形状をなしているものである。こうすることにより、回転方向後方にある後端部の幅が拡大された形状をなすチップは、そのチップの先端部になだらかにつながる後端部によりスムーズに研削加工することができる。さらに、幅の拡大されていない、普通のチップの内周側と外周側での研削量を減少させて、チップのコーナー部が早く摩耗しすぎることを防止できる。したがって、幅の拡大されていない、通常の形状のチップの形状ダレによる、ウエハ中心部に突起ができることを防止でき高精度のウエハの平面研削加工ができるものである。(例えば、特許文献2参照)
【0004】
さらに他のものとしては、次のようなカップ型超砥粒ホイールが公知である。カップ型台金の軸線方向の一端に、工作物に当接する複数のチップが台金軸線を中心とする円周に沿って配列され、チップのうち少なくとも5〜35%のチップは、その円周方向両端部に比して、円周方向中央部の幅が1.2〜2倍に拡大された鼓形状をなしているものである。こうすることにより、中央部の拡大されたチップは、通常のチップになだらかにつながってスムーズな研削加工ができるので、通常のチップのコーナー部が早く摩耗しすぎることを防止できる。したがって、幅の拡大されていない、通常の形状のチップの形状ダレによる、ウエハ中心部に突起ができることを防止でき高精度のウエハの平面研削加工ができるものである。(例えば、特許文献3参照)
【0005】
【特許文献1】
特開2000−24934号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平11−207635号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平11−207634号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献に記載されたカップ型超砥粒ホイールを用いても、ホイールのボンド材の種類、超砥粒の粒度、超砥粒の種類、集中度、研削条件、研削盤の種類などによっては、ウエハ表面の回転中心に、微少な凹部が発生する問題があった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。すなわち、ウエハ等の工作物の回転中心に、凹部の発生しない高精度な研削加工が可能なカップ型超砥粒ホイールとウエハの平面研削加工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、カップ型台金の軸心に直交する端面に、2種類の異なる作用面面積を有するチップが固着されたカップ型超砥粒ホイールであって、カップ型台金の軸心から最も遠いチップ端部までの距離が、作用面面積の小さいチップより、作用面面積の大きいチップが長くなっていることを特徴とするものである。
図1に示すように、作用面面積の小さいチップ2の台金中心(ホイール回転中心)から最も遠いチップ端部までの距離R2よりも、作用面面積の大きいチップ1の台金中心から最も遠いチップ端部までの距離R1のほうが長くなっていることを特徴とするものである。
工作物の回転中心に微小な凹部が発生するのは、以下のような原因が考えられる。工作物の回転中心を常にチップが研削加工すると、工作物表面に研削液が到達しにくくなり、加工による熱や負荷による歪みが生じ、加工完了後に微小な凹部となると考えられる。この凹部対策のために、作用面面積の小さいチップ2の台金中心(ホイール回転中心)から最も遠いチップ端部までの距離R2よりも、作用面面積の大きいチップ1の台金中心から最も遠いチップ端部までの距離R1のほうを長くして、工作物の回転中心を研削加工するチップを減少させるものである。
【0010】
そして、作用面面積の小さいチップ2のカップ型台金の半径方向の幅T2は、上記作用面面積の大きいチップ1のカップ型台金の半径方向の幅T1より小さいことを特徴とするものである。
こうすることにより、研削液のまわりが改善され、工作物の回転中心の凹部の発生を防止して加工精度を著しく改善することができる。ここで、T2はT1の1/4倍〜3/4倍であることが好ましく、1/3倍〜2/3倍であることがより好ましい。
【0011】
2種類のチップの作用面の形状は、円または楕円であることを特徴とするものである。円または楕円にすることにより、研削加工中に工作物から一旦離れたチップが再び工作物に接触する際のチップにかかる負荷が急激に変化することを防止して、加工精度を高めることができる。さらにチップのコーナー部には、R0.05〜R0.2程度のR部を設けておくと、チップにかかる負荷が急激に変化することを防止するのにより効果的である。
【0012】
請求項1〜3のいずれかに記載されたカップ型超砥粒ホイールを用いたウエハの平面研削加工法であって、ウエハの回転中心を研削するのは、作用面面積の大きいチップだけとなるようにウエハとカップ型超砥粒ホイールがセッティングされたことを特徴とするウエハの平面研削加工法である。
台金中心から工作物の回転中心までの距離は、図1においてR3で示される。このように、ウエハの回転中心を研削するのは、作用面面積の大きいチップだけけで、小さいチップは研削に寄与しないようにセッティングする。ここで、R3は、R2<R3<R1、かつ、R1−(1/2)T1<R3<R1−(1/6)T1となるように設定するのが好ましい。ここで、R3が、R1−(1/2)T1よりも小さくなると、工作物の回転中心は凹形状となり、R1−(1/6)T1よりも大きくなると工作物の回転中心は凸形状となる。
【実施例】
(実施例1)
シリコンウエハを本発明のカップ型超砥粒ホイールで研削加工した。ホイールサイズは外径300mm、作用面面積の大きい方のチップの作用面形状は楕円でT1=10mm、作用面面積に小さい方のチップの作用面形状は円でT2=6mm、大きいチップの台金中心から最も遠いチップ端部までの距離R1=150mm、小さいチップの台金中心から最も遠いチップ端部までの距離R2=146mm、台金中心から工作物の回転中心までの距離R3=148mm、ホイール回転数2500/min、工作物回転数100/min、総切り込み量0.01mm、切り込み速度0.01mm/min、スパークアウト30秒とした。加工完了後、シリコンウエハの回転中心部の断面形状を調査したところ、約7μmの凹部が発生していることが判明した。
【0013】
(実施例2)
シリコンウエハを本発明のカップ型超砥粒ホイールで研削加工した。ホイールサイズは外径300mm、作用面面積の大きい方のチップの作用面形状は楕円でT1=10mm、作用面面積に小さい方のチップの作用面形状は円でT2=6mm、大きいチップの台金中心から最も遠いチップ端部までの距離R1=150mm、小さいチップの台金中心から最も遠いチップ端部までの距離R2=146mm、台金中心から工作物の回転中心までの距離R3=145.2mm、ホイール回転数2500/min、工作物回転数100/min、総切り込み量0.01mm、切り込み速度0.01mm/min、スパークアウト30秒とした。加工完了後、シリコンウエハの回転中心部の断面形状を調査したところ、約5μmの凹部が発生していることが判明した。
【0014】
(比較例1)
シリコンウエハを本発明のカップ型超砥粒ホイールで研削加工した。ホイールサイズは外径300mm、作用面面積の大きい方のチップの作用面形状は楕円でT1=10mm、作用面面積に小さい方のチップの作用面形状は円でT2=6mm、R1=150mm、R2=146mm、R3=149mm、加工条件は実施例1,2と同一とした。加工完了後、シリコンウエハの回転中心部の断面形状を調査したところ、約12μmの凸部が発生していることが判明した。
【0015】
(比較例2)
シリコンウエハを本発明のカップ型超砥粒ホイールで研削加工した。ホイールサイズは外径300mm、作用面面積の大きい方のチップの作用面形状は楕円でT1=10mm、作用面面積に小さい方のチップの作用面形状は円でT2=6mm、R1=150mm、R2=146mm、R3=144mm、加工条件は実施例1,2と同一とした。加工完了後、シリコンウエハの回転中心部の断面形状を調査したところ、約22μmの凹部が発生していることが判明した。
【0016】
(比較例3)
シリコンウエハを本発明のカップ型超砥粒ホイールで研削加工した。ホイールサイズは外径300mm、チップの作用面形状は円でT1=8mm、R1=150mm、R3=145mm、加工条件は実施例1,2と同一とした。加工完了後、シリコンウエハの回転中心部の断面形状を調査したところ、約25μmの凹部が発生していることが判明した。
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のカップ型超砥粒ホイールを用いてシリコンウエハを平面研削加工すると、ウエハの回転中心に発生する凹部を小さくすることができ、高精度な平面が得られる。また、R3(台金中心から工作物の回転中心までの距離)は、テーブルなどを平行に移動させるだけで最も高精度な平面が得られるようにセッティングできるので、研削作業も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホイールと工作物のレイアウトを示す図である。
【図2】本発明のホイールの平面図である。
【図3】本発明のチップ配列を示す図である。
【図4】別の本発明のチップ配列を示す図である。
【図5】また別の本発明のチップ配列を示す図である。
【図6】さらに別の本発明のチップ配列を示す図である。
【図7】比較例3のホイールの平面図を示す。
【符号の説明】
P カップ型超砥粒ホイール
1 作用面面積の大きいチップ
2 作用面面積の小さいチップ
3 台金
4 ホイールの外周面
T1 作用面面積の大きいチップのホイール半径方向の幅
T2 作用面面積の小さいチップのホイール半径方向の幅
R1 作用面面積の大きいチップの台金中心から最も遠いチップ端部までの距離
R2 作用面面積の小さいチップの台金中心から最も遠いチップ端部までの距離
R3 台金中心から工作物の回転中心までの距離
R ホイール回転方向
W 工作物(ウエハ等)
RW 工作物の回転方向
O 台金中心(ホイールの回転中心)
WO 工作物の回転中心
【発明の属する技術分野】
本発明は、カップ型超砥粒ホイールに関するものである。その中でも特に、半導体材料、半導体部品、電子材料、電子部品、ウエハ等の平面研削加工において、高い平坦度が要求される高精度な研削加工に用いられるカップ型超砥粒ホイールと平面研削加工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のカップ型超砥粒ホイールとしては次のようなものが公知である。平均粒径が10〜200μmの超砥粒ニッケルめっきまたはロウ材で台金表面に一層固着する。そして、超砥粒の先端部をツルーイングによって、相互の段差が1μm以下の平坦部を形成して、さらにドレッシングによって平坦部に5μm以下の微少な溝または凹部を形成する。これらが切れ刃として作用し、シリコンウエハなどの鏡面加工を可能にするものである。このカップ型超砥粒ホイールはインフィード切り込み方式のロータリーテーブル式平面研削盤に取り付けて使用される。工作物であるシリコンウエハは、ロータリーテーブルの上に固定され、カップ型超砥粒ホイールの作用面をシリコンウエハの表面に平行に当接させる。そして、ロータリーテーブルとカップ型超砥粒ホイールをそれぞれ軸心まわりに回転させてシリコンウエハの平面研削加工をする。この研削加工時のレイアウトが特許文献1の図1に示されているが、カップ型超砥粒ホイールの作用面は、工作物であるシリコンウエハの回転中心を研削するようにセッティングされている。この場合の超砥粒層の作用面はドーナツ状であり、作用面全体に渡って超砥粒が均一に分散している。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
他には、次のようなカップ型超砥粒ホイールが公知である。カップ型台金の軸線方向の一端に、工作物に当接する複数のチップが台金軸線を中心とする円周に沿って配列され、チップのうち少なくとも5〜35%のチップは、ホイール回転方向前方にある先端部の幅に比して、回転方向後方にある後端部の幅が1.2〜2倍に拡大された形状をなしているものである。こうすることにより、回転方向後方にある後端部の幅が拡大された形状をなすチップは、そのチップの先端部になだらかにつながる後端部によりスムーズに研削加工することができる。さらに、幅の拡大されていない、普通のチップの内周側と外周側での研削量を減少させて、チップのコーナー部が早く摩耗しすぎることを防止できる。したがって、幅の拡大されていない、通常の形状のチップの形状ダレによる、ウエハ中心部に突起ができることを防止でき高精度のウエハの平面研削加工ができるものである。(例えば、特許文献2参照)
【0004】
さらに他のものとしては、次のようなカップ型超砥粒ホイールが公知である。カップ型台金の軸線方向の一端に、工作物に当接する複数のチップが台金軸線を中心とする円周に沿って配列され、チップのうち少なくとも5〜35%のチップは、その円周方向両端部に比して、円周方向中央部の幅が1.2〜2倍に拡大された鼓形状をなしているものである。こうすることにより、中央部の拡大されたチップは、通常のチップになだらかにつながってスムーズな研削加工ができるので、通常のチップのコーナー部が早く摩耗しすぎることを防止できる。したがって、幅の拡大されていない、通常の形状のチップの形状ダレによる、ウエハ中心部に突起ができることを防止でき高精度のウエハの平面研削加工ができるものである。(例えば、特許文献3参照)
【0005】
【特許文献1】
特開2000−24934号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平11−207635号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平11−207634号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献に記載されたカップ型超砥粒ホイールを用いても、ホイールのボンド材の種類、超砥粒の粒度、超砥粒の種類、集中度、研削条件、研削盤の種類などによっては、ウエハ表面の回転中心に、微少な凹部が発生する問題があった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。すなわち、ウエハ等の工作物の回転中心に、凹部の発生しない高精度な研削加工が可能なカップ型超砥粒ホイールとウエハの平面研削加工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、カップ型台金の軸心に直交する端面に、2種類の異なる作用面面積を有するチップが固着されたカップ型超砥粒ホイールであって、カップ型台金の軸心から最も遠いチップ端部までの距離が、作用面面積の小さいチップより、作用面面積の大きいチップが長くなっていることを特徴とするものである。
図1に示すように、作用面面積の小さいチップ2の台金中心(ホイール回転中心)から最も遠いチップ端部までの距離R2よりも、作用面面積の大きいチップ1の台金中心から最も遠いチップ端部までの距離R1のほうが長くなっていることを特徴とするものである。
工作物の回転中心に微小な凹部が発生するのは、以下のような原因が考えられる。工作物の回転中心を常にチップが研削加工すると、工作物表面に研削液が到達しにくくなり、加工による熱や負荷による歪みが生じ、加工完了後に微小な凹部となると考えられる。この凹部対策のために、作用面面積の小さいチップ2の台金中心(ホイール回転中心)から最も遠いチップ端部までの距離R2よりも、作用面面積の大きいチップ1の台金中心から最も遠いチップ端部までの距離R1のほうを長くして、工作物の回転中心を研削加工するチップを減少させるものである。
【0010】
そして、作用面面積の小さいチップ2のカップ型台金の半径方向の幅T2は、上記作用面面積の大きいチップ1のカップ型台金の半径方向の幅T1より小さいことを特徴とするものである。
こうすることにより、研削液のまわりが改善され、工作物の回転中心の凹部の発生を防止して加工精度を著しく改善することができる。ここで、T2はT1の1/4倍〜3/4倍であることが好ましく、1/3倍〜2/3倍であることがより好ましい。
【0011】
2種類のチップの作用面の形状は、円または楕円であることを特徴とするものである。円または楕円にすることにより、研削加工中に工作物から一旦離れたチップが再び工作物に接触する際のチップにかかる負荷が急激に変化することを防止して、加工精度を高めることができる。さらにチップのコーナー部には、R0.05〜R0.2程度のR部を設けておくと、チップにかかる負荷が急激に変化することを防止するのにより効果的である。
【0012】
請求項1〜3のいずれかに記載されたカップ型超砥粒ホイールを用いたウエハの平面研削加工法であって、ウエハの回転中心を研削するのは、作用面面積の大きいチップだけとなるようにウエハとカップ型超砥粒ホイールがセッティングされたことを特徴とするウエハの平面研削加工法である。
台金中心から工作物の回転中心までの距離は、図1においてR3で示される。このように、ウエハの回転中心を研削するのは、作用面面積の大きいチップだけけで、小さいチップは研削に寄与しないようにセッティングする。ここで、R3は、R2<R3<R1、かつ、R1−(1/2)T1<R3<R1−(1/6)T1となるように設定するのが好ましい。ここで、R3が、R1−(1/2)T1よりも小さくなると、工作物の回転中心は凹形状となり、R1−(1/6)T1よりも大きくなると工作物の回転中心は凸形状となる。
【実施例】
(実施例1)
シリコンウエハを本発明のカップ型超砥粒ホイールで研削加工した。ホイールサイズは外径300mm、作用面面積の大きい方のチップの作用面形状は楕円でT1=10mm、作用面面積に小さい方のチップの作用面形状は円でT2=6mm、大きいチップの台金中心から最も遠いチップ端部までの距離R1=150mm、小さいチップの台金中心から最も遠いチップ端部までの距離R2=146mm、台金中心から工作物の回転中心までの距離R3=148mm、ホイール回転数2500/min、工作物回転数100/min、総切り込み量0.01mm、切り込み速度0.01mm/min、スパークアウト30秒とした。加工完了後、シリコンウエハの回転中心部の断面形状を調査したところ、約7μmの凹部が発生していることが判明した。
【0013】
(実施例2)
シリコンウエハを本発明のカップ型超砥粒ホイールで研削加工した。ホイールサイズは外径300mm、作用面面積の大きい方のチップの作用面形状は楕円でT1=10mm、作用面面積に小さい方のチップの作用面形状は円でT2=6mm、大きいチップの台金中心から最も遠いチップ端部までの距離R1=150mm、小さいチップの台金中心から最も遠いチップ端部までの距離R2=146mm、台金中心から工作物の回転中心までの距離R3=145.2mm、ホイール回転数2500/min、工作物回転数100/min、総切り込み量0.01mm、切り込み速度0.01mm/min、スパークアウト30秒とした。加工完了後、シリコンウエハの回転中心部の断面形状を調査したところ、約5μmの凹部が発生していることが判明した。
【0014】
(比較例1)
シリコンウエハを本発明のカップ型超砥粒ホイールで研削加工した。ホイールサイズは外径300mm、作用面面積の大きい方のチップの作用面形状は楕円でT1=10mm、作用面面積に小さい方のチップの作用面形状は円でT2=6mm、R1=150mm、R2=146mm、R3=149mm、加工条件は実施例1,2と同一とした。加工完了後、シリコンウエハの回転中心部の断面形状を調査したところ、約12μmの凸部が発生していることが判明した。
【0015】
(比較例2)
シリコンウエハを本発明のカップ型超砥粒ホイールで研削加工した。ホイールサイズは外径300mm、作用面面積の大きい方のチップの作用面形状は楕円でT1=10mm、作用面面積に小さい方のチップの作用面形状は円でT2=6mm、R1=150mm、R2=146mm、R3=144mm、加工条件は実施例1,2と同一とした。加工完了後、シリコンウエハの回転中心部の断面形状を調査したところ、約22μmの凹部が発生していることが判明した。
【0016】
(比較例3)
シリコンウエハを本発明のカップ型超砥粒ホイールで研削加工した。ホイールサイズは外径300mm、チップの作用面形状は円でT1=8mm、R1=150mm、R3=145mm、加工条件は実施例1,2と同一とした。加工完了後、シリコンウエハの回転中心部の断面形状を調査したところ、約25μmの凹部が発生していることが判明した。
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のカップ型超砥粒ホイールを用いてシリコンウエハを平面研削加工すると、ウエハの回転中心に発生する凹部を小さくすることができ、高精度な平面が得られる。また、R3(台金中心から工作物の回転中心までの距離)は、テーブルなどを平行に移動させるだけで最も高精度な平面が得られるようにセッティングできるので、研削作業も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホイールと工作物のレイアウトを示す図である。
【図2】本発明のホイールの平面図である。
【図3】本発明のチップ配列を示す図である。
【図4】別の本発明のチップ配列を示す図である。
【図5】また別の本発明のチップ配列を示す図である。
【図6】さらに別の本発明のチップ配列を示す図である。
【図7】比較例3のホイールの平面図を示す。
【符号の説明】
P カップ型超砥粒ホイール
1 作用面面積の大きいチップ
2 作用面面積の小さいチップ
3 台金
4 ホイールの外周面
T1 作用面面積の大きいチップのホイール半径方向の幅
T2 作用面面積の小さいチップのホイール半径方向の幅
R1 作用面面積の大きいチップの台金中心から最も遠いチップ端部までの距離
R2 作用面面積の小さいチップの台金中心から最も遠いチップ端部までの距離
R3 台金中心から工作物の回転中心までの距離
R ホイール回転方向
W 工作物(ウエハ等)
RW 工作物の回転方向
O 台金中心(ホイールの回転中心)
WO 工作物の回転中心
Claims (4)
- カップ型台金の軸心に直交する端面に、2種類の異なる作用面面積を有するチップが固着されたカップ型超砥粒ホイールであって、
上記カップ型台金の軸心から最も遠いチップ端部までの距離が、作用面面積の小さいチップ2より、作用面面積の大きいチップ1が長くなっていることを特徴とするカップ型超砥粒ホイール。 - 上記作用面面積の小さいチップ2のカップ型台金の半径方向の幅T2は、上記作用面面積の大きいチップ1のカップ型台金の半径方向の幅T1より小さいことを特徴とする請求項1記載のカップ型超砥粒ホイール。
- 上記2種類のチップの作用面の形状は、円または楕円であることを特徴とする請求項1または2記載のカップ型超砥粒ホイール。
- 請求項1〜3のいずれかに記載されたカップ型超砥粒ホイールを用いたウエハの平面研削加工法であって、
ウエハの回転中心を研削するのは、作用面面積の大きいチップだけとなるようにウエハとカップ型超砥粒ホイールがセッティングされたことを特徴とするウエハの平面研削加工法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003198816A JP2005034931A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | カップ型超砥粒ホイールおよびウエハの平面研削加工法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019051560A (ja) * | 2017-09-13 | 2019-04-04 | 株式会社ディスコ | 研削ホイール及び研削装置 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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