JP2005034285A - 手術用顕微鏡及び観察プリズム - Google Patents
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Abstract
【課題】グレアーが少なく視認性の良い観察を行うことが可能な手術用顕微鏡及び観察プリズムを提供する。
【解決手段】被手術眼Eに対峙して配置される対物レンズ11と、被手術眼Eと対物レンズ11の前側焦点Fとの間に設けられた、照明光を集束させて被手術眼Eの内部を照明するための前置レンズ40と、被手術眼Eの眼底周辺部Er′を観察するために前置レンズ40の近傍に装着される観察プリズム50と、を備え、観察プリズム50の傾斜面(屈折面)51は、屈折面52との交差線53の方向に向かって徐々に傾斜が緩やかになる曲面形状とされている。これにより、観察系の入射瞳の像A及び照明系の射出瞳の像Bに生じる収差を補正することができ、像A、Bは被手術眼Eの角膜上で十分に分離され、グレアーの少ない観察を行うことができる。
【選択図】 図5
【解決手段】被手術眼Eに対峙して配置される対物レンズ11と、被手術眼Eと対物レンズ11の前側焦点Fとの間に設けられた、照明光を集束させて被手術眼Eの内部を照明するための前置レンズ40と、被手術眼Eの眼底周辺部Er′を観察するために前置レンズ40の近傍に装着される観察プリズム50と、を備え、観察プリズム50の傾斜面(屈折面)51は、屈折面52との交差線53の方向に向かって徐々に傾斜が緩やかになる曲面形状とされている。これにより、観察系の入射瞳の像A及び照明系の射出瞳の像Bに生じる収差を補正することができ、像A、Bは被手術眼Eの角膜上で十分に分離され、グレアーの少ない観察を行うことができる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼科分野における手術用顕微鏡及び観察プリズムに関する。特に、被手術眼の眼底を観察するための前置レンズを備えるとともに、硝子体手術時などに被手術眼の眼底周辺部を観察するために前置レンズの近傍に装着される観察プリズムを備えた手術用顕微鏡、及びこのような手術用顕微鏡に用いられる観察プリズムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
眼科分野の手術は、通常、顕微鏡観察下において行われる。下記の特許文献1には、眼科分野で用いられる手術用顕微鏡の一例が開示されている。当該文献に示す手術用顕微鏡は、対物レンズ(の前側焦点位置)と被手術眼との間に前置レンズを挿脱可能に構成されている。この前置レンズは、30〜50ディオプター(D)程度の屈折力を有するレンズであり、照明光を集束させ被手術眼の内部に導くために配置されている。このような前置レンズを用いることにより、両手に手術器具を持った状態で手術を行うことが可能になる。
【0003】
また、特許文献1記載の手術用顕微鏡の前置レンズの近傍には、被手術眼の眼底周辺部を観察するための観察プリズムが回転可能に設けられている。この観察プリズムの底面及び傾斜面はともに平面状に形成されている。
【0004】
図8及び図9は、このような従来の手術用顕微鏡が備える光学系の一部の概略図である。図8は、上記のような観察プリズムを用いて被手術眼の眼底周辺部を観察しているときの観察系の入射瞳の結像状態を示す側面図である。また、図9は、図8に示す前置レンズ及び観察プリズムの部分拡大図で、図9(A)はその側面図であり、図9(B)は図9(A)の紙面に直交する方向における断面図である。
【0005】
従来の手術用顕微鏡は、図8に示すように、対物レンズ101の前側焦点Fと前置レンズ103との間に観察プリズム102を配置した状態で被手術眼Eの眼底周辺部Er′を観察するよう構成されている。なお、眼底周辺部Er′とは、被手術眼Eの眼底Erの周辺領域を意味する。また、同図中の符号F′は、眼底Erの像が形成される中間像面を示している。
【0006】
図9の両図に示すように、光線は、観察プリズム102の2つの屈折面102a及び102bによって屈折されてその進行方向を変更するようになっている。これら2つの屈折面102a及び102bは、ともに平面状(つまり曲率が0)に形成されている。また、観察プリズム102は、屈折面(傾斜面)102aが屈折面102bに対して所定の傾斜角を有するように構成されている。なお、その傾斜角度は、2つの屈折面102a及び102bの交差線(プリズム頂点)102cにおける交差角度である。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−62003号公報(明細書〔請求項〕、段落〔0062〕、〔0089〕−〔0091〕、第6図、第16図、第30図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図8及び図9には、被手術眼Eの観察点に対応する主光線R1、R2及びR3が示されている。図9(A)に拡大して示すように、観察プリズム102を通過する際に光線は傾斜面102aにより大きく屈折されるとともに屈折面102bによっても屈折され、前置レンズ103の光軸方向に対して大きな角度をもって前置レンズ103に入射される。そのため、屈折方向に大きな収差が発生してしまう。したがって、対物レンズ101の上方に位置する観察系の入射瞳は、被手術眼Eの角膜上において鮮明に結像されず、ぼやけた状態となってしまう。また、図示は省略するが、照明光を照射する照明系の射出瞳の像についても、同様にぼやけた状態となってしまう。
【0009】
一方、図9(B)に示すように、上記傾斜方向に直交する方向には収差は発生せず、主光線R4〜R6は点Hにおいて集束される。
【0010】
ところで、グレアーの少ない観察を行うためには、被手術眼Eの角膜上において照明光束と観察光束とが分離されている必要がある。即ち、図10(A)に示すように、観察系の入射瞳の像Aと照明系の射出瞳の像Bとが角膜C上で明瞭に分離されていなければならない。
【0011】
しかしながら、従来の手術用顕微鏡では、上述のように観察系の入射瞳及び照明系の射出瞳の結像状態が悪く、図10(B)に示すように入射瞳の像A′及び上記射出瞳の像B′はともにぼやけて角膜C上に形成されてしまうので、像A′及びB′は互いに重なり合って明瞭に分離されない。これにより、観察光にはグレアーが混入し、視認性良く観察を行えなかった。
【0012】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、観察プリズムを用いたときに発生する収差を補正することにより観察系の入射瞳の像及び照明系の射出瞳の像の結像状態を良好にし、グレアーの少ない視認性の良い観察を行うことが可能な手術用顕微鏡を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、手術用顕微鏡に用いることにより、グレアーの少ない眼底周辺部の観察を得ることが可能な観察プリズムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、被手術眼に対峙する対物レンズと、前記被手術眼と前記対物レンズの前側焦点との間に設けられ、照明光を集束させて前記被手術眼の内部を照明するための前置レンズと、前記対物レンズの前記前側焦点と前記前置レンズとの間に挿脱可能に設けられた、前記照明光を2つの屈折面で屈折させて前記被手術眼の眼底周辺部を照明するための観察プリズムと、を備える手術用顕微鏡であって、前記観察プリズムの前記2つの屈折面の少なくとも一方の屈折面は、前記2つの屈折面の交差線の方向に向かって徐々に傾斜が緩やかになる曲面形状に形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の手術用顕微鏡であって、前記観察プリズムの前記一方の屈折面は、前記交差線に向かう方向と直交する方向の曲率が0である前記曲面形状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の手術用顕微鏡であって、前記観察プリズムの前記一方の屈折面は、前記交差線の方向に向かって一定の度合いで前記傾斜が緩やかになる前記曲面形状に形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、被手術眼と対物レンズの前側焦点との間に設けられ、照明光を集束させて前記被手術眼の内部を照明するための前置レンズを備えた手術用顕微鏡の前記前側焦点と前記前置レンズとの間に配置され、前記照明光を2つの屈折面で屈折させて前記被手術眼の眼底周辺部を照明するために用いられる観察プリズムであって、前記2つの屈折面の少なくとも一方の屈折面は、前記2つの屈折面の交差線の方向に向かって徐々に傾斜が緩やかになる曲面形状に形成されていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る手術用顕微鏡の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
〔手術用顕微鏡の全体構成〕
図1には、本実施形態の手術用顕微鏡1の全体構成が示されている。この手術用顕微鏡1は、装置を支持するための支柱2と、支柱2の上端にその一端を接続された第1アーム3と、第1アーム3の他端にその一端を接続された第2アーム4と、第2アーム4の他端に接続された駆動装置5と、駆動装置5により懸架された術者用顕微鏡6と、術者用顕微鏡6に付設された助手用顕微鏡7と、各種操作を足で行うためのフットスイッチ8とを備えている。術者用顕微鏡6及び助手用顕微鏡7は、駆動装置5によって上下方向及び水平方向に三次元的に駆動されるようになっている。符号Eは手術を受ける患者の眼(被手術眼)である。また、符号40は、術者用顕微鏡6の対物レンズ(後述)と被手術眼Eとの間に配設された前置レンズを示している。
【0020】
〔術者用顕微鏡の構成〕
図2の各図は術者用顕微鏡6の構成を説明するための拡大図で、図2(A)はその外観側面図を、図2(B)は外観正面図を、図2(C)は前置レンズ40の収納態様を示す透視側面図をそれぞれ示している。これらの図に示すように、術者用顕微鏡6は、本体部6aと、鏡筒部10と、インバータ部20と、左右一対の接眼レンズ30(30L、30R)とを備えている。なお、図2(B)では、接眼レンズ30の図示は省略されている。前置レンズ40は、保持アーム41等を介して本体部6aに接続され、上述の対物レンズと被手術眼Eとの間に挿脱可能に設けられている(詳細については後述する)。
【0021】
本体部6aには、図示は省略するが、術者用顕微鏡6の動作制御を行う制御回路や、この制御回路によって鏡筒部10を上下に微動させる駆動装置等が格納されている。鏡筒部10には、被手術眼Eに対峙される対物レンズ11や、被手術眼Eに照明光を照射するための公知の照明系や、この照明系により照明された被手術眼Eを観察するための公知の観察系が格納されている。インバータ部20には、倒像として観察される像を正立像に転換するための公知の光学ユニットが格納されている。
【0022】
〔前置レンズ及びその周辺部の構成〕
続いて、前置レンズ40及びその周辺部の構成について説明する。前置レンズ40は、前述のように、保持アーム41等を介して術者用顕微鏡6に接続されている。前置レンズ40は、保持アーム41の先端部に形成された保持板41aに取り付けられている。
【0023】
保持アーム41と保持板41aとは、枢軸41bにより回動可能に接続されている。また、保持板41aには傾斜部41cが設けられている。また、保持アーム41には、保持アーム41を旋回させるための前置レンズ操作ノブ42が設けられている。
【0024】
術者用顕微鏡6には、更に、上部にフリンジ部71aを備えた昇降アーム71と、昇降アーム71の下部に接続された接続部71bと、この接続部71bに接続された上昇規制部材72と、接続部71bに挿通して設けられた連結ノブ73と、上昇規制部材72に着脱可能に設けられ、前置レンズ40及び保持アーム41を収納するための収納部74とを含んでいる。保持アーム41は、枢軸74aにより収納部74に枢設されている。また、保持アーム41の上部には、コイルスプリング54が取り付けられている。なお、収納部74が上昇規制部材72に対して着脱可能とされているのは、手術後等に前置レンズ40や保持アーム41を滅菌処理するときなどに取り外す必要があるからである。また、前置レンズ40等を取り外した状態においても、通常の手術用顕微鏡として利用することが可能である。以下、本段落に登場した各部材による構成をまとめて前置レンズ支持部と称することがある。
【0025】
術者用顕微鏡6の本体部6aには、昇降アーム71を支持する昇降アーム支持部材76を上下方向に駆動するための駆動部75が設けられている。昇降アーム71は、昇降アーム支持部材76を挿通して設けられている。また、昇降アーム71は、フリンジ部71aにより昇降アーム支持部材76からの落下が防止されている。結局、駆動部75による昇降アーム支持部材76の上下移動にしたがって前置レンズ40が上下に移動され、対物レンズ11との距離が相対的に変位されることとなる。このような構成により、鏡筒部10の上下微動とは独立して、前置レンズ40のみを上下に移動させることが可能となる。
【0026】
また、本体部6aの下部には、上昇規制部材72とともに前置レンズ支持部の上方への移動範囲を規制する上昇規制部材77が取り付けられている。この上昇規制部材77には、連結ノブ73を操作して前置レンズ支持部を本体部6aに連結して固定するための連結穴77aが形成されている。なお、前置レンズ支持部の本体部6aへの連結は、駆動部75により前置レンズ支持部を最も上の位置まで上昇させたのち(このとき、連結ノブ73の凸部73aと連結穴77との位置が合うようになっている。)、連結ノブ73を所定の方向に回転操作して凸部73を連結穴77に嵌入することにより行われる。
【0027】
図2(A)及び図2(B)に表す術者用顕微鏡6の前置レンズ40は、被手術眼Eと対物レンズ111との間に挿入された状態(使用状態)を示している。術者は、前置レンズ40の使用を止めてこれを退避させるときには、前置レンズ操作ノブ42を把持して枢軸74aを軸に保持アーム41を上方に旋回させることにより、前置レンズ40及び保持アーム41を収納部74に収納する。一方、収納部74に収納された前置レンズ40を使用状態とするには、同じ要領で保持アーム41を下方に旋回させる。
【0028】
図2(C)には、前置レンズ40が収納部74(収納位置)に収められた状態が示されている。同図によれば、枢軸74aを軸として上方に旋回された前置レンズ40及び保持アーム41は、収納部74の長手方向に沿って収納されるようになっている。また、保持板41aは、枢軸41bを軸に回動されて、折り曲げられたような状態で収納される。これは、保持板41aの傾斜部41cと、収納部74の端部に取り付けられた接触部材74bとの作用によるもので、保持アーム41が上方に旋回されると傾斜部41cが接触部材74bに接触し、傾斜部41cの傾斜に案内されて保持板41aが枢軸41bを軸に回動し、自動的に折り曲げられて収納されるよう構成されていることによる。
【0029】
〔術者用顕微鏡の光学系の構成〕
次に、術者用顕微鏡6に格納された光学系について、図3に示す当該光学系の概略側面図を参照して説明する。対物レンズ鏡筒部10には、被手術眼Eに対峙される対物レンズ11、ズームレンズ12及び照明プリズム13が格納されている。また、被手術眼Eと対物レンズ11の前側焦点Fとの間に前置レンズ40が挿入されるようになっている。ここで、前置レンズ40の後側焦点位置は、対物レンズ11の前側焦点Fと一致されている。
【0030】
ズームレンズ12は、上記の観察系の一部を構成する光学素子であり、観察像の倍率を変更するために用いられる。なお、図示は省略するが、ズームレンズ12を含む上記観察系は、接眼レンズ30Lに観察光束を導くための左観察系と、接眼レンズ30Rに観察光を導くための右観察系とから構成されている。また、観察系の入射瞳は、対物レンズ11とズームレンズ12との間の位置に形成される。
【0031】
照明プリズム13は、対物レンズ11の光軸(観察軸)Oから偏心した位置に配置されたプリズム部材であって、図示しない上記の照明系からの照明光を偏向して被手術眼Eに照射するためのものである。また、照明系の射出瞳は、照明プリズム13の屈折面上に形成されるようになっている。
【0032】
〔観察プリズムの構成及びその作用〕
次に、手術用顕微鏡1を用いて被手術眼Eの硝子体手術を行う場合等に使用される観察プリズムの構成及びその作用について、図4、図5及び図6を参照して説明する。図4は、本実施形態の観察プリズム50を装着して被手術眼Eの眼底周辺部Er′を観察している場合における観察系の入射瞳の結像状態を示す概略図である。なお、図4中の符号Pは、観察系の入射瞳と共役な被手術眼Eの角膜上の点を示している。また、図5は、図4に示す前置レンズ40及び観察プリズム50の部分拡大図で、図5(A)はその側面図であり、図5(B)は図5(A)の紙面に直交する方向における断面図である。図6は、観察プリズム50を装着して被手術眼Eの眼底周辺部Er′を観察している場合における照明系の射出瞳の結像状態を説明するための図である。
【0033】
観察プリズム50は、対物レンズ11の前側焦点Fと前置レンズ40との間に配置される。ここで、符号F′は、被手術眼Eの眼底Er(又は眼底周辺部Er′)の像が形成される中間像面を示している。なお、図示は省略するが、観察プリズム50は所定の筐体内に格納されており、当該筐体の下部を前置レンズ40の保持板41aの上部に嵌め込むことにより上記の位置に配置されるようになっている。
【0034】
本実施形態の手術用顕微鏡1に配設される観察プリズム50は、図5(A)に示すように、交差線(プリズム頂点)53において交差する2つの屈折面51及び52によって照明光や観察光を屈折させるようになっている。屈折面52は、平面状に形成されている。
【0035】
屈折面(傾斜面ともいう)51は、交差線53の方向に向かって徐々に傾斜が緩やかとなる曲面形状、即ち凹面形状に形成されている。この傾斜面51は、交差線の方向(又は傾斜面51の傾斜方向という)に向かって一定の度合いで傾斜が緩やかになる(つまり、当該方向に沿って一定の負の曲率を有する)よう形成されている。ここで、図4及び図5(A)では、観察プリズムの構成を明確に示すために、傾斜面51の曲率は誇張されている。
【0036】
また、図5(B)に示すように、傾斜方向に直交する方向(図5(A)の紙面に直交する方向)に沿った傾斜面51の曲率は0である。即ち、傾斜面51は、傾斜方向に沿って一定の(負の)曲率を有し、それと直交する方向の曲率が0であるシリンダー面(の一部)として形成されている。なお、変形例として後述するが、観察プリズム50の構成はこれに限定されるものではない。
【0037】
この観察プリズム50の傾斜面51の形状(傾斜方向の曲率)は、当該傾斜面が平面状であると仮定したときに発生する収差の量を算出した結果に基づいて適宜決定することができる。
【0038】
ここで、図8及び図9(A)に示した従来の手術用顕微鏡の問題点について述べる。ここで、前置レンズ103は、観察プリズム102側の屈折面103aと、被手術眼E側の屈折面103bとを有している。従来の手術用顕微鏡では、特に、プリズム頂点102cに近い主光線R3は、前置レンズ103の(被手術眼E側の)屈折面103bに極度に斜め方向から入射するため、大きな収差が発生してしまう。
【0039】
一方、本実施形態の手術用顕微鏡では、観察プリズム50の傾斜面51の傾斜方向(収差発生方向)に負の曲率を持たせたことにより、プリズム頂点53に近い主光線R3は従来と比較して大きな角度θを成して観察プリズム50に入射するため従来ほど収差が発生しない。また、主光線R3の入射点P1では、主光線R1及びR2の入射点で生じる収差とは逆の収差が発生される。
【0040】
これにより、前置レンズ40及び観察プリズム50を用いたときに生じる収差が補正され、各主光線R1〜R3は点F1にて好適に集束する。このとき、あらかじめ駆動装置5により術者用顕微鏡6を駆動して被手術眼Eに対するアライメントを行い、主光線R1〜R3の集束点F1を角膜上の点P(観察系の入射瞳に共役な点)に一致させておけば、図4に示すように、収差の少ない好適な結像状態を得ることができる。このような結像状態とすることで、図10(A)に示すように、左右の観察系の入射瞳の像A′は被手術眼Eの角膜C上において互いに十分に分離され、グレアーの発生を抑制することができる。なお、傾斜面51の傾斜方向に直交する方向については、傾斜面51の当該方向の曲率が0であることから収差は発生しない(図5(B)参照)。
【0041】
図6は、上述のように観察プリズム50を装着して被手術眼Eの眼底周辺部Er′を観察している場合における照明系の射出瞳の結像状態を説明するための図で、前置レンズ40及び観察プリズム50の部分を示す側面図である(図5(A)に対応する図である)。
【0042】
図示しない照明系から照明プリズム13及び対物レンズ11を介して導かれる照明光は、図3に示すように観察軸Oに対して所定の角度方向から被手術眼Eに投射される。ここで、従来の観察プリズム102を用いると、照明光(特に照明プリズム13から遠いプリズム頂点53側の光線)は、前置レンズ40に大きく斜め方向から入射されるために大きな収差が生じ、被手術眼Eの角膜上における照明系の射出瞳の像は、図10(B)に示す像B′のように収差量の大きなぼやけた状態で結像される。
【0043】
一方、シリンダー曲面からなる傾斜面51を備えた本実施形態の観察プリズム50を装着した場合、照明光の主光線S1〜S3の光路は図6に示すようになり、特に主光線S3は、傾斜面51に対して従来よりも大きな角度をもって観察プリズム50に入射されるため、傾斜面51で発生される収差量が小さくなるとともに、主光線S1及びS2の入射点における収差とは逆の収差が生じるため全体として収差が補正される。したがって、照明系の射出瞳の像は、図10(A)の像Bのように、被手術眼Eの角膜上で明瞭に結像されることとなる。
【0044】
以上のように、本実施形態のように傾斜方向(収差発生方向)に負の屈折力を発生させる凹面状の傾斜面51を備えた観察プリズム50を用いることにより、観察系の入射瞳の像A及び照明系の射出瞳の像Bは、収差量が補正されて被手術眼Eの角膜上で良好に結像する。したがって、観察系の入射瞳の像A及び照明系の射出瞳の像Bは図10(A)に示すように互いに十分に分離され、グレアーの少ない好適な観察状態を得ることが可能となる。
【0045】
〔変形例〕
手術用顕微鏡1に用いられる観察プリズムは、上記のようなシリンダー曲面状の傾斜面を有する構成に限定されるものではなく、例えばトーリック曲面状の傾斜面を有するものであってもよい。図7に示す観察プリズム50′のように、傾斜方向に負の屈折力を発生させるための曲率を有するとともに、それと直交する方向にも負の屈折力を発生させるための曲率を有するトーリック曲面状の傾斜面51′を備えている。この観察プリズム50′によれば、傾斜方向に発生する収差を補正することができ、更に倍率変換レンズとしての作用も有している。なお、傾斜方向に直交する方向の曲率は、正の屈折力を発生させるようなものであってもよい。即ち、収差を補正するための負の屈折力を傾斜方向に持つ傾斜面を備えた観察プリズムであれば、傾斜方向と直交する方向の屈折力は目的に応じて任意に設定することができる。
【0046】
以上において詳細に説明した構成は、本発明を実施するための一例であり、本発明の範囲内における各種の構成の変形や変更、追加を施すことが可能である。例えば、下面側(前置レンズ側)の屈折面が凹面状に形成された観察プリズムや、2つの屈折面の双方が凹面状に形成された観察プリズムを用いた構成としてもよい。また、このような観察プリズムは、手術用顕微鏡以外の所望の観察装置による観察にも適用することが可能である。例えば、本発明の観察プリズムを被観察物の照明領域を変更するために用いれば、照明光や観察光が屈折される際に生じる収差を補正することが可能となる。
【0047】
【発明の効果】
請求項1記載の手術用顕微鏡によれば、観察プリズムを用いて眼底周辺部を観察する際に発生する収差が補正され、観察系の入射瞳の像及び照明系の射出瞳の像の結像状態が良好となり、グレアーの少ない視認性の良い観察を行うことが可能となる。
【0048】
また、請求項4記載の観察プリズムによれば、これを眼科分野の手術用顕微鏡に用いて眼底周辺部を観察する際に発生する収差が補正され、観察系の入射瞳の像及び照明系の射出瞳の像の結像状態が良好となり、グレアーの少ない視認性の良い観察を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る手術用顕微鏡の一実施形態の全体構成の概略を示す外観図である。
【図2】本発明に係る手術用顕微鏡の一実施形態の術者用顕微鏡の概略構成を示す拡大図であって、図2(A)は外観側面図であり、図2(B)は外観正面図であり、図2(C)は前置レンズの収納態様を示す透視側面図である。
【図3】本発明に係る手術用顕微鏡の一実施形態が備える光学系の一部を示す概略図である。
【図4】観察プリズムを装着して被手術眼の眼底周辺部の観察している場合における観察系の入射瞳の結像状態を示す概略図である。
【図5】図4に示す前置レンズ及び観察プリズムの部分拡大図で、図5(A)はその側面図であり、図5(B)は図5(A)の紙面に直交する方向における断面図である。
【図6】観察プリズムを装着して被手術眼の眼底周辺部を観察している場合における照明系の射出瞳の結像状態を説明するための図である。
【図7】本発明に係る手術用顕微鏡の一実施形態の変形例の一例を示す部分拡大図で、図7(A)はその側面図であり、図7(B)は図7(A)の紙面に直交する方向における断面図である。
【図8】従来の観察プリズムを装着して被手術眼の眼底周辺部の観察している場合における観察系の入射瞳の結像状態を示す概略図である。
【図9】図8に示す前置レンズ及び従来の観察プリズムの部分拡大図で、図9(A)はその側面図であり、図9(B)は図9(A)の紙面に直交する方向における断面図である。
【図10】被手術眼の角膜上における観察系の入射瞳の像及び照明系の射出瞳の像の結像状態を示す模式図で、図10(A)は本発明の手術用顕微鏡によりこれらの像が分離されている状態を示し、図10(B)はこれらの像がオーバーラップしている従来の場合を示している。
【符号の説明】
E 被手術眼
A、A′ 観察系の入射瞳の像
B、B′ 照明系の出射瞳の像
1 手術用顕微鏡
6 術者用顕微鏡
11 対物レンズ
13 照明プリズム
40 前置レンズ
50、50′ 観察プリズム
51、51′ 傾斜面(屈折面)
52、52′ 屈折面
53、53′ 交差線(プリズム頂点)
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼科分野における手術用顕微鏡及び観察プリズムに関する。特に、被手術眼の眼底を観察するための前置レンズを備えるとともに、硝子体手術時などに被手術眼の眼底周辺部を観察するために前置レンズの近傍に装着される観察プリズムを備えた手術用顕微鏡、及びこのような手術用顕微鏡に用いられる観察プリズムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
眼科分野の手術は、通常、顕微鏡観察下において行われる。下記の特許文献1には、眼科分野で用いられる手術用顕微鏡の一例が開示されている。当該文献に示す手術用顕微鏡は、対物レンズ(の前側焦点位置)と被手術眼との間に前置レンズを挿脱可能に構成されている。この前置レンズは、30〜50ディオプター(D)程度の屈折力を有するレンズであり、照明光を集束させ被手術眼の内部に導くために配置されている。このような前置レンズを用いることにより、両手に手術器具を持った状態で手術を行うことが可能になる。
【0003】
また、特許文献1記載の手術用顕微鏡の前置レンズの近傍には、被手術眼の眼底周辺部を観察するための観察プリズムが回転可能に設けられている。この観察プリズムの底面及び傾斜面はともに平面状に形成されている。
【0004】
図8及び図9は、このような従来の手術用顕微鏡が備える光学系の一部の概略図である。図8は、上記のような観察プリズムを用いて被手術眼の眼底周辺部を観察しているときの観察系の入射瞳の結像状態を示す側面図である。また、図9は、図8に示す前置レンズ及び観察プリズムの部分拡大図で、図9(A)はその側面図であり、図9(B)は図9(A)の紙面に直交する方向における断面図である。
【0005】
従来の手術用顕微鏡は、図8に示すように、対物レンズ101の前側焦点Fと前置レンズ103との間に観察プリズム102を配置した状態で被手術眼Eの眼底周辺部Er′を観察するよう構成されている。なお、眼底周辺部Er′とは、被手術眼Eの眼底Erの周辺領域を意味する。また、同図中の符号F′は、眼底Erの像が形成される中間像面を示している。
【0006】
図9の両図に示すように、光線は、観察プリズム102の2つの屈折面102a及び102bによって屈折されてその進行方向を変更するようになっている。これら2つの屈折面102a及び102bは、ともに平面状(つまり曲率が0)に形成されている。また、観察プリズム102は、屈折面(傾斜面)102aが屈折面102bに対して所定の傾斜角を有するように構成されている。なお、その傾斜角度は、2つの屈折面102a及び102bの交差線(プリズム頂点)102cにおける交差角度である。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−62003号公報(明細書〔請求項〕、段落〔0062〕、〔0089〕−〔0091〕、第6図、第16図、第30図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図8及び図9には、被手術眼Eの観察点に対応する主光線R1、R2及びR3が示されている。図9(A)に拡大して示すように、観察プリズム102を通過する際に光線は傾斜面102aにより大きく屈折されるとともに屈折面102bによっても屈折され、前置レンズ103の光軸方向に対して大きな角度をもって前置レンズ103に入射される。そのため、屈折方向に大きな収差が発生してしまう。したがって、対物レンズ101の上方に位置する観察系の入射瞳は、被手術眼Eの角膜上において鮮明に結像されず、ぼやけた状態となってしまう。また、図示は省略するが、照明光を照射する照明系の射出瞳の像についても、同様にぼやけた状態となってしまう。
【0009】
一方、図9(B)に示すように、上記傾斜方向に直交する方向には収差は発生せず、主光線R4〜R6は点Hにおいて集束される。
【0010】
ところで、グレアーの少ない観察を行うためには、被手術眼Eの角膜上において照明光束と観察光束とが分離されている必要がある。即ち、図10(A)に示すように、観察系の入射瞳の像Aと照明系の射出瞳の像Bとが角膜C上で明瞭に分離されていなければならない。
【0011】
しかしながら、従来の手術用顕微鏡では、上述のように観察系の入射瞳及び照明系の射出瞳の結像状態が悪く、図10(B)に示すように入射瞳の像A′及び上記射出瞳の像B′はともにぼやけて角膜C上に形成されてしまうので、像A′及びB′は互いに重なり合って明瞭に分離されない。これにより、観察光にはグレアーが混入し、視認性良く観察を行えなかった。
【0012】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、観察プリズムを用いたときに発生する収差を補正することにより観察系の入射瞳の像及び照明系の射出瞳の像の結像状態を良好にし、グレアーの少ない視認性の良い観察を行うことが可能な手術用顕微鏡を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、手術用顕微鏡に用いることにより、グレアーの少ない眼底周辺部の観察を得ることが可能な観察プリズムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、被手術眼に対峙する対物レンズと、前記被手術眼と前記対物レンズの前側焦点との間に設けられ、照明光を集束させて前記被手術眼の内部を照明するための前置レンズと、前記対物レンズの前記前側焦点と前記前置レンズとの間に挿脱可能に設けられた、前記照明光を2つの屈折面で屈折させて前記被手術眼の眼底周辺部を照明するための観察プリズムと、を備える手術用顕微鏡であって、前記観察プリズムの前記2つの屈折面の少なくとも一方の屈折面は、前記2つの屈折面の交差線の方向に向かって徐々に傾斜が緩やかになる曲面形状に形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の手術用顕微鏡であって、前記観察プリズムの前記一方の屈折面は、前記交差線に向かう方向と直交する方向の曲率が0である前記曲面形状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の手術用顕微鏡であって、前記観察プリズムの前記一方の屈折面は、前記交差線の方向に向かって一定の度合いで前記傾斜が緩やかになる前記曲面形状に形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、被手術眼と対物レンズの前側焦点との間に設けられ、照明光を集束させて前記被手術眼の内部を照明するための前置レンズを備えた手術用顕微鏡の前記前側焦点と前記前置レンズとの間に配置され、前記照明光を2つの屈折面で屈折させて前記被手術眼の眼底周辺部を照明するために用いられる観察プリズムであって、前記2つの屈折面の少なくとも一方の屈折面は、前記2つの屈折面の交差線の方向に向かって徐々に傾斜が緩やかになる曲面形状に形成されていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る手術用顕微鏡の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
〔手術用顕微鏡の全体構成〕
図1には、本実施形態の手術用顕微鏡1の全体構成が示されている。この手術用顕微鏡1は、装置を支持するための支柱2と、支柱2の上端にその一端を接続された第1アーム3と、第1アーム3の他端にその一端を接続された第2アーム4と、第2アーム4の他端に接続された駆動装置5と、駆動装置5により懸架された術者用顕微鏡6と、術者用顕微鏡6に付設された助手用顕微鏡7と、各種操作を足で行うためのフットスイッチ8とを備えている。術者用顕微鏡6及び助手用顕微鏡7は、駆動装置5によって上下方向及び水平方向に三次元的に駆動されるようになっている。符号Eは手術を受ける患者の眼(被手術眼)である。また、符号40は、術者用顕微鏡6の対物レンズ(後述)と被手術眼Eとの間に配設された前置レンズを示している。
【0020】
〔術者用顕微鏡の構成〕
図2の各図は術者用顕微鏡6の構成を説明するための拡大図で、図2(A)はその外観側面図を、図2(B)は外観正面図を、図2(C)は前置レンズ40の収納態様を示す透視側面図をそれぞれ示している。これらの図に示すように、術者用顕微鏡6は、本体部6aと、鏡筒部10と、インバータ部20と、左右一対の接眼レンズ30(30L、30R)とを備えている。なお、図2(B)では、接眼レンズ30の図示は省略されている。前置レンズ40は、保持アーム41等を介して本体部6aに接続され、上述の対物レンズと被手術眼Eとの間に挿脱可能に設けられている(詳細については後述する)。
【0021】
本体部6aには、図示は省略するが、術者用顕微鏡6の動作制御を行う制御回路や、この制御回路によって鏡筒部10を上下に微動させる駆動装置等が格納されている。鏡筒部10には、被手術眼Eに対峙される対物レンズ11や、被手術眼Eに照明光を照射するための公知の照明系や、この照明系により照明された被手術眼Eを観察するための公知の観察系が格納されている。インバータ部20には、倒像として観察される像を正立像に転換するための公知の光学ユニットが格納されている。
【0022】
〔前置レンズ及びその周辺部の構成〕
続いて、前置レンズ40及びその周辺部の構成について説明する。前置レンズ40は、前述のように、保持アーム41等を介して術者用顕微鏡6に接続されている。前置レンズ40は、保持アーム41の先端部に形成された保持板41aに取り付けられている。
【0023】
保持アーム41と保持板41aとは、枢軸41bにより回動可能に接続されている。また、保持板41aには傾斜部41cが設けられている。また、保持アーム41には、保持アーム41を旋回させるための前置レンズ操作ノブ42が設けられている。
【0024】
術者用顕微鏡6には、更に、上部にフリンジ部71aを備えた昇降アーム71と、昇降アーム71の下部に接続された接続部71bと、この接続部71bに接続された上昇規制部材72と、接続部71bに挿通して設けられた連結ノブ73と、上昇規制部材72に着脱可能に設けられ、前置レンズ40及び保持アーム41を収納するための収納部74とを含んでいる。保持アーム41は、枢軸74aにより収納部74に枢設されている。また、保持アーム41の上部には、コイルスプリング54が取り付けられている。なお、収納部74が上昇規制部材72に対して着脱可能とされているのは、手術後等に前置レンズ40や保持アーム41を滅菌処理するときなどに取り外す必要があるからである。また、前置レンズ40等を取り外した状態においても、通常の手術用顕微鏡として利用することが可能である。以下、本段落に登場した各部材による構成をまとめて前置レンズ支持部と称することがある。
【0025】
術者用顕微鏡6の本体部6aには、昇降アーム71を支持する昇降アーム支持部材76を上下方向に駆動するための駆動部75が設けられている。昇降アーム71は、昇降アーム支持部材76を挿通して設けられている。また、昇降アーム71は、フリンジ部71aにより昇降アーム支持部材76からの落下が防止されている。結局、駆動部75による昇降アーム支持部材76の上下移動にしたがって前置レンズ40が上下に移動され、対物レンズ11との距離が相対的に変位されることとなる。このような構成により、鏡筒部10の上下微動とは独立して、前置レンズ40のみを上下に移動させることが可能となる。
【0026】
また、本体部6aの下部には、上昇規制部材72とともに前置レンズ支持部の上方への移動範囲を規制する上昇規制部材77が取り付けられている。この上昇規制部材77には、連結ノブ73を操作して前置レンズ支持部を本体部6aに連結して固定するための連結穴77aが形成されている。なお、前置レンズ支持部の本体部6aへの連結は、駆動部75により前置レンズ支持部を最も上の位置まで上昇させたのち(このとき、連結ノブ73の凸部73aと連結穴77との位置が合うようになっている。)、連結ノブ73を所定の方向に回転操作して凸部73を連結穴77に嵌入することにより行われる。
【0027】
図2(A)及び図2(B)に表す術者用顕微鏡6の前置レンズ40は、被手術眼Eと対物レンズ111との間に挿入された状態(使用状態)を示している。術者は、前置レンズ40の使用を止めてこれを退避させるときには、前置レンズ操作ノブ42を把持して枢軸74aを軸に保持アーム41を上方に旋回させることにより、前置レンズ40及び保持アーム41を収納部74に収納する。一方、収納部74に収納された前置レンズ40を使用状態とするには、同じ要領で保持アーム41を下方に旋回させる。
【0028】
図2(C)には、前置レンズ40が収納部74(収納位置)に収められた状態が示されている。同図によれば、枢軸74aを軸として上方に旋回された前置レンズ40及び保持アーム41は、収納部74の長手方向に沿って収納されるようになっている。また、保持板41aは、枢軸41bを軸に回動されて、折り曲げられたような状態で収納される。これは、保持板41aの傾斜部41cと、収納部74の端部に取り付けられた接触部材74bとの作用によるもので、保持アーム41が上方に旋回されると傾斜部41cが接触部材74bに接触し、傾斜部41cの傾斜に案内されて保持板41aが枢軸41bを軸に回動し、自動的に折り曲げられて収納されるよう構成されていることによる。
【0029】
〔術者用顕微鏡の光学系の構成〕
次に、術者用顕微鏡6に格納された光学系について、図3に示す当該光学系の概略側面図を参照して説明する。対物レンズ鏡筒部10には、被手術眼Eに対峙される対物レンズ11、ズームレンズ12及び照明プリズム13が格納されている。また、被手術眼Eと対物レンズ11の前側焦点Fとの間に前置レンズ40が挿入されるようになっている。ここで、前置レンズ40の後側焦点位置は、対物レンズ11の前側焦点Fと一致されている。
【0030】
ズームレンズ12は、上記の観察系の一部を構成する光学素子であり、観察像の倍率を変更するために用いられる。なお、図示は省略するが、ズームレンズ12を含む上記観察系は、接眼レンズ30Lに観察光束を導くための左観察系と、接眼レンズ30Rに観察光を導くための右観察系とから構成されている。また、観察系の入射瞳は、対物レンズ11とズームレンズ12との間の位置に形成される。
【0031】
照明プリズム13は、対物レンズ11の光軸(観察軸)Oから偏心した位置に配置されたプリズム部材であって、図示しない上記の照明系からの照明光を偏向して被手術眼Eに照射するためのものである。また、照明系の射出瞳は、照明プリズム13の屈折面上に形成されるようになっている。
【0032】
〔観察プリズムの構成及びその作用〕
次に、手術用顕微鏡1を用いて被手術眼Eの硝子体手術を行う場合等に使用される観察プリズムの構成及びその作用について、図4、図5及び図6を参照して説明する。図4は、本実施形態の観察プリズム50を装着して被手術眼Eの眼底周辺部Er′を観察している場合における観察系の入射瞳の結像状態を示す概略図である。なお、図4中の符号Pは、観察系の入射瞳と共役な被手術眼Eの角膜上の点を示している。また、図5は、図4に示す前置レンズ40及び観察プリズム50の部分拡大図で、図5(A)はその側面図であり、図5(B)は図5(A)の紙面に直交する方向における断面図である。図6は、観察プリズム50を装着して被手術眼Eの眼底周辺部Er′を観察している場合における照明系の射出瞳の結像状態を説明するための図である。
【0033】
観察プリズム50は、対物レンズ11の前側焦点Fと前置レンズ40との間に配置される。ここで、符号F′は、被手術眼Eの眼底Er(又は眼底周辺部Er′)の像が形成される中間像面を示している。なお、図示は省略するが、観察プリズム50は所定の筐体内に格納されており、当該筐体の下部を前置レンズ40の保持板41aの上部に嵌め込むことにより上記の位置に配置されるようになっている。
【0034】
本実施形態の手術用顕微鏡1に配設される観察プリズム50は、図5(A)に示すように、交差線(プリズム頂点)53において交差する2つの屈折面51及び52によって照明光や観察光を屈折させるようになっている。屈折面52は、平面状に形成されている。
【0035】
屈折面(傾斜面ともいう)51は、交差線53の方向に向かって徐々に傾斜が緩やかとなる曲面形状、即ち凹面形状に形成されている。この傾斜面51は、交差線の方向(又は傾斜面51の傾斜方向という)に向かって一定の度合いで傾斜が緩やかになる(つまり、当該方向に沿って一定の負の曲率を有する)よう形成されている。ここで、図4及び図5(A)では、観察プリズムの構成を明確に示すために、傾斜面51の曲率は誇張されている。
【0036】
また、図5(B)に示すように、傾斜方向に直交する方向(図5(A)の紙面に直交する方向)に沿った傾斜面51の曲率は0である。即ち、傾斜面51は、傾斜方向に沿って一定の(負の)曲率を有し、それと直交する方向の曲率が0であるシリンダー面(の一部)として形成されている。なお、変形例として後述するが、観察プリズム50の構成はこれに限定されるものではない。
【0037】
この観察プリズム50の傾斜面51の形状(傾斜方向の曲率)は、当該傾斜面が平面状であると仮定したときに発生する収差の量を算出した結果に基づいて適宜決定することができる。
【0038】
ここで、図8及び図9(A)に示した従来の手術用顕微鏡の問題点について述べる。ここで、前置レンズ103は、観察プリズム102側の屈折面103aと、被手術眼E側の屈折面103bとを有している。従来の手術用顕微鏡では、特に、プリズム頂点102cに近い主光線R3は、前置レンズ103の(被手術眼E側の)屈折面103bに極度に斜め方向から入射するため、大きな収差が発生してしまう。
【0039】
一方、本実施形態の手術用顕微鏡では、観察プリズム50の傾斜面51の傾斜方向(収差発生方向)に負の曲率を持たせたことにより、プリズム頂点53に近い主光線R3は従来と比較して大きな角度θを成して観察プリズム50に入射するため従来ほど収差が発生しない。また、主光線R3の入射点P1では、主光線R1及びR2の入射点で生じる収差とは逆の収差が発生される。
【0040】
これにより、前置レンズ40及び観察プリズム50を用いたときに生じる収差が補正され、各主光線R1〜R3は点F1にて好適に集束する。このとき、あらかじめ駆動装置5により術者用顕微鏡6を駆動して被手術眼Eに対するアライメントを行い、主光線R1〜R3の集束点F1を角膜上の点P(観察系の入射瞳に共役な点)に一致させておけば、図4に示すように、収差の少ない好適な結像状態を得ることができる。このような結像状態とすることで、図10(A)に示すように、左右の観察系の入射瞳の像A′は被手術眼Eの角膜C上において互いに十分に分離され、グレアーの発生を抑制することができる。なお、傾斜面51の傾斜方向に直交する方向については、傾斜面51の当該方向の曲率が0であることから収差は発生しない(図5(B)参照)。
【0041】
図6は、上述のように観察プリズム50を装着して被手術眼Eの眼底周辺部Er′を観察している場合における照明系の射出瞳の結像状態を説明するための図で、前置レンズ40及び観察プリズム50の部分を示す側面図である(図5(A)に対応する図である)。
【0042】
図示しない照明系から照明プリズム13及び対物レンズ11を介して導かれる照明光は、図3に示すように観察軸Oに対して所定の角度方向から被手術眼Eに投射される。ここで、従来の観察プリズム102を用いると、照明光(特に照明プリズム13から遠いプリズム頂点53側の光線)は、前置レンズ40に大きく斜め方向から入射されるために大きな収差が生じ、被手術眼Eの角膜上における照明系の射出瞳の像は、図10(B)に示す像B′のように収差量の大きなぼやけた状態で結像される。
【0043】
一方、シリンダー曲面からなる傾斜面51を備えた本実施形態の観察プリズム50を装着した場合、照明光の主光線S1〜S3の光路は図6に示すようになり、特に主光線S3は、傾斜面51に対して従来よりも大きな角度をもって観察プリズム50に入射されるため、傾斜面51で発生される収差量が小さくなるとともに、主光線S1及びS2の入射点における収差とは逆の収差が生じるため全体として収差が補正される。したがって、照明系の射出瞳の像は、図10(A)の像Bのように、被手術眼Eの角膜上で明瞭に結像されることとなる。
【0044】
以上のように、本実施形態のように傾斜方向(収差発生方向)に負の屈折力を発生させる凹面状の傾斜面51を備えた観察プリズム50を用いることにより、観察系の入射瞳の像A及び照明系の射出瞳の像Bは、収差量が補正されて被手術眼Eの角膜上で良好に結像する。したがって、観察系の入射瞳の像A及び照明系の射出瞳の像Bは図10(A)に示すように互いに十分に分離され、グレアーの少ない好適な観察状態を得ることが可能となる。
【0045】
〔変形例〕
手術用顕微鏡1に用いられる観察プリズムは、上記のようなシリンダー曲面状の傾斜面を有する構成に限定されるものではなく、例えばトーリック曲面状の傾斜面を有するものであってもよい。図7に示す観察プリズム50′のように、傾斜方向に負の屈折力を発生させるための曲率を有するとともに、それと直交する方向にも負の屈折力を発生させるための曲率を有するトーリック曲面状の傾斜面51′を備えている。この観察プリズム50′によれば、傾斜方向に発生する収差を補正することができ、更に倍率変換レンズとしての作用も有している。なお、傾斜方向に直交する方向の曲率は、正の屈折力を発生させるようなものであってもよい。即ち、収差を補正するための負の屈折力を傾斜方向に持つ傾斜面を備えた観察プリズムであれば、傾斜方向と直交する方向の屈折力は目的に応じて任意に設定することができる。
【0046】
以上において詳細に説明した構成は、本発明を実施するための一例であり、本発明の範囲内における各種の構成の変形や変更、追加を施すことが可能である。例えば、下面側(前置レンズ側)の屈折面が凹面状に形成された観察プリズムや、2つの屈折面の双方が凹面状に形成された観察プリズムを用いた構成としてもよい。また、このような観察プリズムは、手術用顕微鏡以外の所望の観察装置による観察にも適用することが可能である。例えば、本発明の観察プリズムを被観察物の照明領域を変更するために用いれば、照明光や観察光が屈折される際に生じる収差を補正することが可能となる。
【0047】
【発明の効果】
請求項1記載の手術用顕微鏡によれば、観察プリズムを用いて眼底周辺部を観察する際に発生する収差が補正され、観察系の入射瞳の像及び照明系の射出瞳の像の結像状態が良好となり、グレアーの少ない視認性の良い観察を行うことが可能となる。
【0048】
また、請求項4記載の観察プリズムによれば、これを眼科分野の手術用顕微鏡に用いて眼底周辺部を観察する際に発生する収差が補正され、観察系の入射瞳の像及び照明系の射出瞳の像の結像状態が良好となり、グレアーの少ない視認性の良い観察を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る手術用顕微鏡の一実施形態の全体構成の概略を示す外観図である。
【図2】本発明に係る手術用顕微鏡の一実施形態の術者用顕微鏡の概略構成を示す拡大図であって、図2(A)は外観側面図であり、図2(B)は外観正面図であり、図2(C)は前置レンズの収納態様を示す透視側面図である。
【図3】本発明に係る手術用顕微鏡の一実施形態が備える光学系の一部を示す概略図である。
【図4】観察プリズムを装着して被手術眼の眼底周辺部の観察している場合における観察系の入射瞳の結像状態を示す概略図である。
【図5】図4に示す前置レンズ及び観察プリズムの部分拡大図で、図5(A)はその側面図であり、図5(B)は図5(A)の紙面に直交する方向における断面図である。
【図6】観察プリズムを装着して被手術眼の眼底周辺部を観察している場合における照明系の射出瞳の結像状態を説明するための図である。
【図7】本発明に係る手術用顕微鏡の一実施形態の変形例の一例を示す部分拡大図で、図7(A)はその側面図であり、図7(B)は図7(A)の紙面に直交する方向における断面図である。
【図8】従来の観察プリズムを装着して被手術眼の眼底周辺部の観察している場合における観察系の入射瞳の結像状態を示す概略図である。
【図9】図8に示す前置レンズ及び従来の観察プリズムの部分拡大図で、図9(A)はその側面図であり、図9(B)は図9(A)の紙面に直交する方向における断面図である。
【図10】被手術眼の角膜上における観察系の入射瞳の像及び照明系の射出瞳の像の結像状態を示す模式図で、図10(A)は本発明の手術用顕微鏡によりこれらの像が分離されている状態を示し、図10(B)はこれらの像がオーバーラップしている従来の場合を示している。
【符号の説明】
E 被手術眼
A、A′ 観察系の入射瞳の像
B、B′ 照明系の出射瞳の像
1 手術用顕微鏡
6 術者用顕微鏡
11 対物レンズ
13 照明プリズム
40 前置レンズ
50、50′ 観察プリズム
51、51′ 傾斜面(屈折面)
52、52′ 屈折面
53、53′ 交差線(プリズム頂点)
Claims (4)
- 被手術眼に対峙する対物レンズと、
前記被手術眼と前記対物レンズの前側焦点との間に設けられ、照明光を集束させて前記被手術眼の内部を照明するための前置レンズと、
前記対物レンズの前記前側焦点と前記前置レンズとの間に挿脱可能に設けられた、前記照明光を2つの屈折面で屈折させて前記被手術眼の眼底周辺部を照明するための観察プリズムと、
を備える手術用顕微鏡において、
前記観察プリズムの前記2つの屈折面の少なくとも一方の屈折面は、前記2つの屈折面の交差線の方向に向かって徐々に傾斜が緩やかになる曲面形状に形成されていることを特徴とする手術用顕微鏡。 - 前記観察プリズムの前記一方の屈折面は、前記交差線に向かう方向と直交する方向の曲率が0である前記曲面形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の手術用顕微鏡。
- 前記観察プリズムの前記一方の屈折面は、前記交差線の方向に向かって一定の度合いで前記傾斜が緩やかになる前記曲面形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の手術用顕微鏡。
- 被手術眼と対物レンズの前側焦点との間に設けられ、照明光を集束させて前記被手術眼の内部を照明するための前置レンズを備えた手術用顕微鏡の前記前側焦点と前記前置レンズとの間に配置され、前記照明光を2つの屈折面で屈折させて前記被手術眼の眼底周辺部を照明するために用いられる観察プリズムであって、
前記2つの屈折面の少なくとも一方の屈折面は、前記2つの屈折面の交差線の方向に向かって徐々に傾斜が緩やかになる曲面形状に形成されていることを特徴とする観察プリズム。
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