JP2005032962A - 半導体装置 - Google Patents

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Toshinori Numata
敏典 沼田
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Abstract

【課題】ヘテロ構造によるバンド不連続による不具合を解消することができ、多数キャリアをボディコンタクト電極に速やかに逃がすことができ、基板浮遊効果を抑制しボディ電位の制御性を改善した素子動作の安定した半導体装置を実現する。
【解決手段】ヘテロ構造を有する基板上にMISFETを作製した半導体装置において、SiGeを主体とする第1の半導体層10と、第1の半導体層10上に形成されたSiを主体とする第2の半導体層11と、第2の半導体層11上にゲート絶縁膜5を介して形成されたゲート電極6と、第2の半導体層11中のゲート電極6に対応した位置に形成されたソース・ドレイン領域12と、第1の半導体層10に直接接触するように形成されたボディコンタクト電極9とを備えた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘテロ構造を有する基板上に形成されたMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)により構成される半導体装置に係わり、特にボディコンタクトの改良をはかった半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
SOI−MISFET、即ち絶縁層上の半導体層上に形成されたMISFETは、バルクの半導体基板上に形成されたMISFETに比べ、例えばソース・ドレイン領域と基板との接合容量を低減できることから、低消費電力,高速デバイスの作製に有利である。また、格子が緩和したSiGe層上の歪みSi層は、引っ張り歪みの影響でバンド構造が変化し、通常のSiに比してキャリアの移動度が増加する。このため、歪みSiをSOI構造と組み合わせることで、超高速・低消費デバイスが実現されることが期待されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
図9(a)(b)は、SOI層がヘテロ構造となった歪みSOI−MISFETの概略構成を説明するためのもので、(a)はゲート長方向の断面図、(b)はゲート幅方向の断面図である。
【0004】
図中の1は支持基板、2は埋め込み絶縁膜、4は素子分離領域、5はゲート絶縁膜、6はゲート電極、7はゲート側壁絶縁膜、8は層間絶縁膜、9はボディコンタクト電極、12はソース・ドレイン領域、13はシリサイドを示している。SOI層は、格子緩和したSiGe層からなる半導体層10と、SiGe層10の格子の影響により応力を受けたシリコン層からなる歪みSiと呼ばれる半導体層11からなる。歪みSi層11におけるキャリアの移動度はSiGeのGe組成の増加により向上され、高電流駆動力が実現できる。また、ボディコンタクト電極9の形成により、ボディ部の電位を固定、制御することが可能となり、基板浮遊効果の抑制や、トランジスタ動作時にボディも変化させるダイナミックスレッショルド(Dynamic Threshold)動作も可能となる。
【0005】
しかしながら、この種の半導体装置にあっては次のような問題があった。即ち、Si層11及びSiGe層10のヘテロ構造では、図10(a)(b)に示すようなバンド不連続が発生する。図10(a)は、例えば格子緩和したSiGe層10と、SiGe層の影響で格子歪みが発生した歪みSi層11との界面を示す。歪みSiのバレンスバンド端及びコンダクションバンド端は、緩和SiGe層よりも低くなった、バンド不連続構造となる。一方、図10(b)は、例えば格子緩和したSi層11と、Si層11や支持基板などの影響により格子歪みが発生したような歪みSiGe層10との界面を示す。緩和Si層11のバレンスバンド端は歪みSiGe層10のバレンスバンド端より低いが、緩和Si層11のコンダクションバンド端は歪みSiGe層10のそれより高い。
【0006】
これらバンド不連続が、基板浮遊効果抑制に影響する。図9(b)において、例えばn型チャネルの歪みSOI−MISFETとした時、インパクトイオン化やゲート絶縁膜のリーク電流などにより多数キャリアである正孔がボディに蓄積される。ボディ電位を制御するためボディコンタクトを形成するが、電極材料を埋め込んだボディコンタクト電極9は歪みSi層11に接している。そのため、バレンスバンド端の深さプロファイルの模式図に示すように、正孔である多数キャリアは歪みSiと緩和SiGeのバンド不連続のためボディ電極まで抜けにくくなってしまう。そのため、基板浮遊効果を十分抑制することが困難であり、素子動作の不安定しいては回路設計が非常に困難になると言う不具合が生じる。
【0007】
このバンド不連続は正孔に限られたことではなく、電子についても同様で、p型MISFETにおいても課題となる。また、このバンド不連続による不具合は、SOI構造に限られたことではない。バルクの半導体基板上のヘテロ構造を有する基板上に形成したMISFETにおいても、基板電位の制御が劣化することになる。
【0008】
【非特許文献1】
T.Mizuno, S.Takagi, N.Sugiyama, J.Koga, T.Tezuka, K.Usuda, T.Hatakeyama, A.Kurobe, and A.Toriumi, IEDM Technical Digests p.934 (1999), T.Tezuka, N.Sugiyama, T.Mizuno and S.Takagi, Symp. on VLSI Technology, p.96 (2002)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来、素子形成基板がSiGeとSiなどのヘテロ構造を有していると、上層のSi層にボディコンタクト電極を接続しても、ヘテロ構造によるバンド不連続により、多数キャリアを速やかに逃がすことができず、このために基板浮遊効果を十分に抑制することは困難であった。
【0010】
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、ヘテロ構造によるバンド不連続による不具合を解消することができ、多数キャリアをボディコンタクト電極に速やかに逃がすことができ、基板浮遊効果が抑制されて素子動作が安定し、またボディ,基板電位の制御を改善した半導体装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
【0012】
即ち本発明は、ヘテロ構造を有する基板上にMISFETを作製した半導体装置において、SiGeを主体とする第1の半導体層と、第1の半導体層上に形成されたSiを主体とする第2の半導体層と、第2の半導体層上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、第2の半導体層中の前記ゲート電極に対応した位置に形成されたソース・ドレイン領域と、第1の半導体層に直接接触するように形成されたボディコンタクト電極と、を具備してなることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、ヘテロ構造を有する基板上にMISFETを作製した半導体装置において、SiGeを主体とする第1の半導体層と、第1の半導体層上に形成されたSiを主体とする第2の半導体層と、第2の半導体層上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、第2の半導体層中の前記ゲート電極に対応した位置に形成されたソース・ドレイン領域と、第2の半導体層内のトランジスタ形成領域以外に、第1の半導体層に直接接するように形成されたコンタクト領域と、前記コンタクト領域に接触するように形成されたボディコンタクト電極と、を具備してなることを特徴とする。
【0014】
ここで、本発明の望ましい実施態様としては次のものがあげられる。
【0015】
(1) 第1の半導体層は、絶縁膜上に形成されていること。
【0016】
(2) 第1の半導体層は格子歪みが緩和された歪み緩和SiGeであり、第2の半導体層は伸張歪みを有する歪みSiであること。
【0017】
(3) 第1の半導体層は格子歪みが緩和された歪み緩和SiGeCであり、第2の半導体層は伸張歪みを有する歪みSiであること。
【0018】
(4) ボディコンタクト電極は、第2の半導体層を貫通して第1の半導体層に接続されていること。
【0019】
(5) 第2の半導体層は、ボディコンタクト電極を形成すべき部分を除いて第1半導体層上に選択的に形成され、第2の半導体層が形成されていない部分で第1の半導体層にボディコンタクト電極が接続されていること。
【0020】
(6) コンタクト領域は、第2の半導体層の下面から上面に達するまで形成されたシリサイド層であること。
【0021】
(7) コンタクト領域は、第2の半導体層の下面から上面に達するまで形成された拡散層であること。
【0022】
(8) コンタクト領域は、第2の半導体層の下面から上面に達するまで形成された拡散層と、この拡散層上に形成されたシリサイド層であること。
【0023】
(作用)
本発明によれば、ボディコンタクト電極が第2の半導体層のみではなく、第1の半導体層に直接接続、又は拡散層やシリサイドを介して接続されているため、ヘテロ基板に蓄積されたキャリアをボディコンタクト電極を通して速やかに排出することができる。従って、基板浮遊効果を十分に抑制することができ、SOI構造を生かした高性能の半導体デバイスを実現することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図1(a)(b)は本発明の第1の実施形態に係わる半導体装置の概略構成を説明するためのもので、(a)は断面図、(b)は平面図である。(a)は(b)におけるA−A’のゲート幅方向における断面構造を示している。ここでは、n型MISFETにおける構成を説明する。
【0026】
BやInなどの不純物を1015〜1020cm−3添加したSiからなる支持基板1上に、例えばシリコン酸化膜からなる埋め込み絶縁膜2が厚さ1〜1000nmで形成されている。埋め込み絶縁膜2上には、B或いはInを1015〜1018cm−3添加した厚さ1nm〜1μmでGe組成が0.5〜100%のp型SiGeからなる第1の半導体層10が形成されている。この半導体層10上には、B或いはInを1015〜1018cm−3添加した厚さ1〜500nmのp型Siからなる第2の半導体層11が形成されている。半導体層11のSiは、半導体層10のSiGeの格子の影響により応力を受けた歪みSi層となっている。
【0027】
なお、支持基板1はSiに限らず、SiGeであってもよい。また、支持基板1に添加する不純物は、B,Inに限らず、P,As,Sb等を用いることができる。さらに、埋め込み絶縁膜2としては、シリコン酸化膜の代わりにシリコン窒化膜を用いることができる。また、不純物濃度の表記に関して、1015とは1×1015そのものではなく1015台を意味する。即ち、1×1015〜9×1015を意味している。従って、1015〜1018cm−3とは1×1015〜9×1018cm−3を意味している。以下に濃度表記する10も同様である。
【0028】
半導体層10,11には、複数のMISFETを電気的に分離するため、シリコン酸化膜からなる厚さ2nm〜2μmの素子分離絶縁膜4が形成されている。そして、半導体層11上に、シリコン酸化膜からなる厚さ1〜200nmのゲート絶縁膜5、B或いはPやAsを1019cm−3以上添加した多結晶シリコン膜からなる厚さ10〜300nmのゲート電極6が形成されている。ゲート電極6の長さは5nm〜10μmで、幅は10nm〜100μmで形成される。
【0029】
なお、ゲート絶縁膜5としては、シリコン酸化膜の代わりにシリコン窒化膜,シリコンオキシナイトライド膜,タンタル酸化膜,チタン酸化膜、或いはハフニウム酸化膜やハフニウムシリケート膜などを用いることができる。また、ゲート電極6としては、多結晶シリコンの代わりに多結晶SiGe膜、或いはニッケルシリサイド、TiN,TaN,W,Alなどを用いることができる。
【0030】
ゲート電極6に対向する半導体層10及び半導体層11のチャネル領域の両側に隣接して、P,As,或いはSbを1016〜1021cm−3添加したn型不純物からなるソース・ドレイン領域12が構成されている。また、ゲート電極6の切り立った側面には、ゲート電極6とソース・ドレイン領域12との電気的分離を良好にするため、シリコン酸化膜からなる厚さ5〜400nmのゲート側壁絶縁膜7が形成されている。また、MISFET上には、上部に配線を形成するためシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜8が形成されている。
【0031】
そして、ゲート電極6の形成領域及びソース・ドレイン領域12とは離れた位置で、p型半導体からなるボディコンタクト形成領域14上に、層間絶縁膜8,ゲート絶縁膜5,更に半導体層11を通じて半導体層10に直接接するように、例えばWからなるボディコンタクト電極9が形成されている。ここで、ボディコンタクト領域14において、半導体層10の不純物添加量を他の領域よりも増やしておいてもよい。
【0032】
なお、ゲート電極6やソース・ドレイン領域12、或いは支持基板1又はチャネルと対向する支持基板中に形成されたバックゲートへのコンタクトやMISFET間の配線などの記載は省略する。また、ゲート側壁絶縁膜7及び層間絶縁膜8としては、シリコン酸化膜の代わりにシリコン窒化膜を用いることができる。さらに、ボディコンタクト電極9としては、Wの代わりにAl,AlSiCu,Ti,TiNなどを用いることができる。
【0033】
ボディコンタクト電極9の形成は、MISFET形成後、層間絶縁膜8を堆積した後、レジスト塗布とフォトリソグラフィーによりボディコンタクト形成領域14内にコンタクトホール用のパターンを形成し、RIE処理により、層間絶縁膜8、ゲート絶縁膜5さらに半導体層11をエッチングして、半導体層10の表面を露出させる。このとき、半導体層10を1〜100nm程度エッチングしてもよい。そして、例えばWなどからなる電極材料を埋め込んでボディコンタクト電極9を形成する。
【0034】
本実施形態の半導体構造の構成によると、以下のような効果が得られる。
【0035】
ボディコンタクト電極9は、Siからなる半導体層11を貫通してSiGeからなる半導体層10に直接接するように設けられている。そのため、Si/SiGeヘテロ界面におけるバンド不連続に影響されず、SiGe層10に蓄積された多数キャリアは直接ボディコンタクト電極9より抜き取ることが可能である。従って、インパクトイオン化現象やゲート絶縁膜のトンネルリーク電流などによって発生した多数キャリアは、半導体層10に蓄積されても直接ボディコンタクト電極9から抜き取ることが可能である。このため、基板浮遊効果による不具合をより低減した回路を安定に供給することが可能である。
【0036】
また、ボディ電位の制御性が改善されるため、例えばトランジスタ動作時にボディ電位も変化させるいわゆるダイナミックスレッショルド動作において良好なトランジスタ動作が実現できる。
【0037】
しかも、ボディコンタクト電極9は半導体層10と半導体層11の両半導体層に接するので、半導体層10と半導体層11によるバンド不連続の影響を受けずに、多数キャリアの抜き取り効果が更に増し、基板浮遊効果抑制が更に向上、ボディ電位の制御能力が更に向上するという効果が得られる。また、プロセスの大幅な変更を要することなく、コンタクトホール形成のためのエッチングの制御で実現できるという利点もある。
【0038】
半導体層10が例えばSiGeからなる場合、熱抵抗が高いためセルフヒーティング効果が増し、電気特性が劣化しやすいという問題がある。これに対して本実施形態では、ボディコンタクト電極9がSiGeからなる半導体層10に直接接するため、ボディコンタクト電極9がヒートシンクの役割を果たし、セルフティーティング効果抑制に寄与することができる。
【0039】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係わる半導体装置の概略構成を示す断面図であり、MISFETのゲート幅方向の断面構造を示している。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。また、ここではn型MISFETにおける構成を説明し、第1の実施形態にて説明したSOI−MISFETと同じ構成については省略する。
【0040】
本実施形態では、先の第1の実施形態と同様の構成のMISFETにおいて、ゲート電極6,ソース・ドレイン領域(図示せず)、そしてボディコンタクト形成領域14にコンタクト領域としてのシリサイド13を形成する。ボディコンタクト形成領域14におけるシリサイド13の厚さは半導体層11よりも厚く、例えば2〜600nmの厚さからなり、半導体層10に接するように構成される。そして、シリサイド13は、ボディコンタクト電極9に直接接続される。なお、図2では、ゲート電極6やソース・ドレイン領域、基板又はバックゲートへのコンタクトや、MISFET間の配線のために必要なコンタクト及び配線の記載は省略する。
【0041】
シリサイド13の形成は、ゲート電極6、ソース・ドレイン領域、及びボディコンタクト形成領域14のシリコン表面に、例えばチタンを形成し、加熱処理してシリコンと反応させることによりチタンシリサイドを形成する。チタンの代わりには、コバルト或いはニッケルを用いることができ、シリコンと反応させてコバルトシリサイド或いはニッケルシリサイドを形成してもよい。
【0042】
本実施形態によれば、ボディコンタクト形成領域14のシリサイド13は、ボディコンタクト電極9と直接接すると共に半導体層10と直接接するため、インパクトイオン化現象や、ゲート絶縁膜におけるトンネルリーク電流により発生した多数キャリアをバンド不連続の影響を受けずに半導体層10から直接抜き取ることが可能であり、基板浮遊効果による特性の不具合を解消することが可能である。さらに、ボディコンタクト形成領域14のシリサイド13は、半導体層11にも接するため、多数キャリアの抜き取り効果がさらに向上し、ボディ電位の制御能力の向上の効果が得られる。
【0043】
図3(a)(b)は、第2の実施形態の応用例であり、(a)はゲート長方向の断面図、(b)はゲート幅方向の断面図である。
【0044】
この例では、ソース・ドレイン領域12上に直接シリサイドを形成するのではなく、ソース・ドレイン領域12のシリコン表面に、例えばSi或いはSiGeを1〜500nmの厚さで選択エピタキシャル成長した後、シリサイド13を形成する。これにより、図3(a)に示すように、半導体層11内ではなく半導体層11上にシリサイド13を形成することができる。従ってソース・ドレインの低抵抗化、浅い接合形成による短チャネル効果抑制の効果が期待される。
【0045】
また、ボディコンタクト形成領域14におけるシリサイド形成は、選択エピタキシャル成長の際にマスキングすることでボディコンタクト形成領域14上が厚膜化されないようにする。これにより、図3(b)に示すように、半導体層10にまでシリサイド13が到達する構造を実現することが可能である。
【0046】
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態に係わる半導体装置の概略構成を示す断面図であり、ゲート幅方向の断面構造を示している。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。また、ここではn型MISFETにおける構成を説明し、第1及び第2の実施形態にて説明したMISFETと同じ構成については省略する。
【0047】
ボディコンタクト形成領域14の半導体層11に、コンタクト領域として、例えばGeを添加したGe添加領域15が形成されている。そして、ボディコンタクト電極9は、Ge添加領域15の半導体層10の表面に接するように形成される。図4では、ゲート電極6やソース・ドレイン領域、基板又はバックゲートへのコンタクトや、MISFET間の配線のために必要なコンタクトおよび配線などの記載は省略する。
【0048】
Ge添加領域15の形成は、イオン注入法や固層拡散法などによって行うことができる。Ge添加された半導体層11の領域15のGe組成は、半導体層10のGe組成と同じ若しくは同程度になるのが望ましい。また、Ge添加領域15の深さは半導体層10と半導体層11の界面に接するのが望ましいが、界面付近に存在するように形成すれば本発明の効果は得られる。
【0049】
半導体層11のGe添加領域15は、Ge添加によって半導体層10とほぼ同じGe組成にすることが可能である。これにより、バンド不連続を低減又は無くすことが可能となり、半導体層10及び半導体層11のヘテロ界面における多数キャリアの蓄積が低減され、基板浮遊効果の抑制が改善される。従って、第1の実施形態と同様の効果が得られる。即ち、半導体層11のバンド構造を制御することにより、半導体層10と半導体層11との界面におけるバンド不連続を低減し、ボディ電位制御能力を向上させることが可能である。
【0050】
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第4の実施形態に係わる半導体装置の概略構成を示す断面図であり、ゲート幅方向の断面構造を示している。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。また、ここではn型MISFETにおける構成を説明し、第1の実施形態から第3の実施形態にて説明したMISFETに関する構成については省略する。
【0051】
ボディコンタクト形成領域14の半導体層11に、コンタクト領域として、例えばB又はInを1017〜1021cm−3添加した不純物添加領域16が形成されている。そして、ボディコンタクト電極9は、不純物添加領域16の半導体層10の表面に接するように形成される。図5では、ゲート電極6やソース・ドレイン領域、基板又はバックゲートへのコンタクトや、MISFET間の配線のために必要なコンタクト及び配線などの記載は省略する。
【0052】
不純物添加領域16の形成は、イオン注入法や固層拡散法などによって行うことができる。不純物添加領域16は、半導体層11にのみ形成されるのが望ましいが、半導体層11と半導体層10の界面より浅くても深くてもほぼ同様の効果が得られる。
【0053】
半導体層11の不純物添加された領域16によって、ボディコンタクトに接する付近の半導体層11及び半導体層10のバンド構造は、半導体層11のコンダクションバンドが増加するためバンド不連続の差が低減される。そのため、半導体層10及び半導体層11のヘテロ界面における多数キャリアの蓄積が低減され、基板浮遊効果の抑制が改善される。
【0054】
(第5の実施形態)
図6は、本発明の第5の実施形態に係わる半導体装置の概略構成を示す断面図であり、ゲート幅方向の断面構造を示している。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0055】
本実施形態は、第2の実施形態におけるシリサイド形成と、第3及び第4の実施形態におけるコンタクト領域の形成とを組み合わせたものである。
【0056】
MISFETのシリコン表面に例えば、Si又はSiGeが選択エピタキシャル成長されており、これをチタン,コバルト,或いはニッケル等と反応させることによりシリサイド13が形成されている。ボディコンタクト形成領域14の半導体層11内には、Ge或いはB,Inの不純物が添加された領域17が形成され、この上のシリサイド13上にボディコンタクト電極9が直接接して形成されている。
【0057】
本実施形態では、ボディコンタクト形成領域14のシリコン表面にシリサイド形成のためのSi或いはSiGeがエピタキシャル成長されていても、第3或いは第4の実施形態の手法で、Ge或いはB,Inをイオン注入法又は固層拡散法にて半導体層10と半導体層11との界面にまで添加することにより、バンド不連続を低減することができる。即ち、不純物添加により半導体層11のバンドを制御することにより、選択エピタキシャル成長などによる半導体層10の深さの変化に対応可能である。
【0058】
なお、ボディコンタクトのレイアウトは、前記図1(b)に限らず、例えば図7(a)(b)などのような構造でもよい。図7(a)(b)は、半導体装置の平面概略図である。
【0059】
図7(a)に示すボディコンタクト形成領域14は、図1(b)のそれに比べ面積が狭くなっている。そのため、素子領域の小面積化、ひいては半導体装置の高集積化、小型化に寄与する。
【0060】
図7(b)では、ボディコンタクト形成領域14が、ゲート電極6のゲート幅方向外側の両側に設けられ、それぞれにおいてボディコンタクト電極を形成するため、本発明の効果である、多数キャリアの抜き取り効果がさらに向上する。さらに、図1(b)や図7(b)のようにボディコンタクト形成領域14が広いと、MISFETの電気特性改善の効果が得られる。
【0061】
ここで、半導体層10がSiGeからなると、SiGeは熱抵抗が高いため、MISFETにおいてセルフヒーティング効果が増加し、電気的特性が劣化するという不具合が生じる。しかし、本発明はボディコンタクト電極を半導体層10に接するように構成するため、ボディコンタクト電極及びその配線がヒートシンクの役割を果たし、セルフヒーティング効果を低減することが可能である。そして、図7(b)の構造にすると、図7(a)に比べボディ接触領域が倍増するためセルフヒーティング効果の抑制がさらに向上する。
【0062】
図8は、ボディコンタクトの別の設置例である。隣り合うMISFETに対し、共通のボディコンタクト電極9を形成することで素子面積の縮小、ひいては半導体装置の高集積化・小型化を実現可能である。なお、隣り合うMISFETは例えばn型MISFET同士だけでなく、n型とp型とのMISFETが隣り合う場合でも適用可能である。
【0063】
ボディコンタクト電極9の形成には、共有するボディコンタクト形成領域14にシリサイド13及び不純物添加領域17を形成することによって、両方のMISFETのボディ電位を同時に制御することが可能である。
【0064】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、実施形態の組み合わせなどによって、第1の半導体層10へ直接コンタクトを形成する若しくは半導体層10への不純物添加によって第1の半導体層10及び第2の半導体層11のバンド不連続を低減した構造になっていればよい。また、実施形態ではn型MISFETのみを示したが、p型MISFETにおいても実現は容易で、不純物の型であるn型,p型を逆にすれば実現は可能である。
【0065】
また、支持基板1はシリコンやSiGeに限らず、例えばガラスやプラスチックなどからなっていてもよい。さらに、埋め込み絶縁膜2はシリコン酸化膜に限らず、例えばHfOなどのいわゆるHigh−k絶縁膜やSILKなどのlow−k絶縁膜、更にはトランジスタ領域に対抗する埋め込み酸化膜領域が中空となったエアーギャップ層などでもよい。また、実施形態の構造に用いた材料は上述した材料に制限されることはない。
【0066】
また、第1及び第2の半導体層の材料や組成等の条件は適宜変更可能である。例えば、第1の半導体層としてのSiGe層のGe組成や格子歪み等の条件、更には第2の半導体層としての歪みSi層の格子歪み及び格子緩和等の条件は適宜変更可能である。また、材料はこれらに限られず、SiGeの代わりに例えば炭素を添加したSiGe:Cを用いることもできる。さらに、InP,GaAsなどと適宜組み合わせて用いることも可能である。何れにしても、第1及び第2の半導体層のヘテロ構造によるバンド不連続による不具合を解消する点で本発明は有効である。
【0067】
また、本発明は必ずしもSOI−MISFETに限らず、埋め込み絶縁膜を有しないバルク基板上においても適用可能である。このとき、基板電位の抑制能力向上、半導体層の高熱抵抗率によって発生する素子のセルフヒーティング効果を抑制することが可能となり、電気特性の良好な半導体装置を提供することが可能となる。
【0068】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、SiGeを主体とする第1の半導体層上にSiを主体とする第2の半導体層を積層したヘテロ構造の素子形成基板に対し、第1の半導体層に直接接する、又は拡散層を介して第1の半導体層に接するようにボディコンタクト電極を設けることにより、ヘテロ構造によるバンド不連続による不具合を解消することができ、多数キャリアをボディコンタクト電極に速やかに逃がすことができる。従って、基板浮遊効果を抑制した素子動作の安定した半導体装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる半導体装置の概略構成を示す断面図と平面図。
【図2】第2の実施形態に係わる半導体装置の概略構成を示す断面図。
【図3】第2の実施形態の応用例に係わる半導体装置の概略構成を示す断面図。
【図4】第3の実施形態に係わる半導体装置の概略構成を示す断面図。
【図5】第4の実施形態に係わる半導体装置の概略構成を示す断面図。
【図6】第5の実施形態に係わる半導体装置の概略構成を示す断面図。
【図7】ボディコンタクトのレイアウトを示す平面図。
【図8】ボディコンタクトの設置例を示す断面図。
【図9】従来の歪みSOI−MISFETの概略構成を示す断面図。
【図10】ヘテロ界面で生じるバンド不連続を示すバンド構造の概略図。
【符号の説明】
1…支持基板
2…埋め込み絶縁膜
3…SOI層
4…素子分離領域
5…ゲート絶縁膜
6…ゲート電極
7…ゲート側壁絶縁膜
8…層間絶縁膜
9…ボディコンタクト電極
10…第1の半導体層
11…第2の半導体層
12…ソース・ドレイン領域
13…シリサイド
14…ボディコンタクト形成領域
15…Ge添加領域
16…不純物添加領域
17…不純物添加領域
18…基板電極

Claims (9)

  1. SiGeを主体とする第1の半導体層と、
    第1の半導体層上に形成されたSiを主体とする第2の半導体層と、
    第2の半導体層上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
    第2の半導体層中の前記ゲート電極に対応した位置に形成されたソース・ドレイン領域と、
    第1の半導体層に直接接触するように形成されたボディコンタクト電極と、
    を具備してなることを特徴とする半導体装置。
  2. SiGeを主体とする第1の半導体層と、
    第1の半導体層上に形成されたSiを主体とする第2の半導体層と、
    第2の半導体層上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
    第2の半導体層中の前記ゲート電極に対応した位置に形成されたソース・ドレイン領域と、
    第2の半導体層内のトランジスタ形成領域以外に、第1の半導体層に直接接するように形成されたコンタクト領域と、
    前記コンタクト領域に接触するように形成されたボディコンタクト電極と、
    を具備してなることを特徴とする半導体装置。
  3. 第1の半導体層は、絶縁膜上に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
  4. 第1の半導体層は格子歪みが緩和された歪み緩和SiGeであり、第2の半導体層は伸張歪みを有する歪みSiであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の半導体装置。
  5. 前記ボディコンタクト電極は、第2の半導体層を貫通して第1の半導体層に接続されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  6. 第2の半導体層は、前記ボディコンタクト電極を形成すべき部分を除いて第1半導体層上に選択的に形成され、第2の半導体層が形成されてない部分で第1の半導体層にボディコンタクト電極が接続されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  7. 前記コンタクト領域は、第2の半導体層の下面から上面に達するまで形成されたシリサイド層であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  8. 前記コンタクト領域は、第2の半導体層の下面から上面に達するまで形成された拡散層であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  9. 前記コンタクト領域は、第2の半導体層の下面から上面に達するまで形成された拡散層と、この拡散層上に形成されたシリサイド層であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
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