JP2005032569A - フッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体、ガス拡散電極、並びに燃料電池 - Google Patents
フッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体、ガス拡散電極、並びに燃料電池 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ホットプレスを用いなくとも、電気抵抗が低く、硬く、強度を有するフッ素樹脂および炭素微粒子の複合体の提供、並びに、ガス通路を形成させた高価なバイポーラプレートを用いる必要がないガス拡散電極およびこれを用いた燃料電池の提供。
【解決手段】フッ素樹脂および炭素微粒子の分散液を、電気泳動法を用いて導電性基材の表面またはその近傍の多孔体の表面に形成させた析出物をフッ素樹脂の融点以上に加熱してなる複合体。
【選択図】なし
【解決手段】フッ素樹脂および炭素微粒子の分散液を、電気泳動法を用いて導電性基材の表面またはその近傍の多孔体の表面に形成させた析出物をフッ素樹脂の融点以上に加熱してなる複合体。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体に関するものである。当該複合体は、ソーダ電解や燃料電池におけるガス拡散電極のガス供給層に好適に用いられ、また導電性を有するフィルターとして電気・電子分野で広く用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
フッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体としては、従来、フッ素樹脂微粒子とカーボンブラック微粒子とを水性媒体中で混合分散した後、アルコール等で凝集し、濾過乾燥、ソルベントナフサを添加してロール掛けすることによりシート状のものが得られる。このシート状のものを融点以上で加熱することでフッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体を作ることができる。しかし、この複合体は電気抵抗が高く、柔軟性があり過ぎて実用的には使えないものである。フッ素樹脂の結合を強固にして実用的な抵抗値にする為に例えばフッ素樹脂の融点以上の温度380℃および50kg/cm2で60秒ホットプレスすることで初めて、燃料電池等のガス拡散電極のガス供給層として用いることが可能となるものであった。(特許文献1)
【0003】
更に、この複合体は柔らか過ぎて硬さがないので、例えばガス供給層として用いられた場合、シール部分を締め付けると締め付け圧を高くすると変形してしまうという欠点も有していた。
【0004】
また、この複合体はシート状物として表面に溝加工することができるが,柔らかいので、形成された加工溝は燃料電池を組み立てたときの締め付け圧で容易に変形するために溝が埋まってしまう欠点があった。
【0005】
一方、前記特許文献1記載の凝集・濾過による複合体を改良したフッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体として、フッ素樹脂微粒子とカーボンブラック微粒子との水性媒体から凝集ではなく、電気泳動によって導電性基材の表面に析出させ、乾燥後、界面活性剤除去した後、温度380℃、50kg/cm2の圧力で60秒間ホットプレスしてなる複合体がある。(特許文献2)
この複合体は、溝加工された金型を用いてホットプレスすれば硬度が出て、表面に溝加工が施されたガス供給層を得ることができるが、界面活性剤除去とホットプレス工程は設備、量産性の面から問題であった。
【0006】
一方、固体高分子電解質形燃料電池は、水素ガス通路となる溝加工されたバイポーラプレート、カーボンペーパーまたはカーボンクロス、ガス供給層、反応層、固体電解質、反応層、ガス供給層、カーボンペーパーまたはカーボンクロス、並びに酸素ガス通路となる溝加工されたバイポーラプレートの順で積層されたものが1ユニットとなり、必要に応じて複数のユニットを直列に並べた構成からなる。なお、当該ユニットを複数組み合わせた場合の一番外側または1ユニットのみからなる場合の両端では、バイポーラプレートの代わりに、内側の面のみに溝加工を施したセパレータを用いている。
【0007】
このバイポーラプレート(セパレータ)は、不浸透製カーボン板を主体にしたもので、ガス通路を形成させる溝加工は機械加工、例えば、フライス加工、サンドブラスト等で行なわれるため、非常に高価なものであった。
また、反応ガスの供給はバイポーラプレートに形成された溝にはガスが流れているので、カーボンペーパーを通して容易に反応層に供給されるが、カーボンペーパーとバイポーラプレートの接触部はガスが供給され難く、そのため高電流密度で発電する場合、接触部に近い反応部に反応ガスの供給が十分でない状況になる。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−80985号公報 請求項1、第6欄20〜27行
【特許文献2】
特開2002−121697号公報、請求項2、第15欄22〜33行
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の凝集・濾過によって作られたフッ素樹脂および炭素微粒子の複合体は、余りにも柔らか過ぎて硬さがない。
また、凝集・濾過による複合体の代わりに電気泳動で得たフッ素樹脂および炭素微粒子の複合体は、界面活性剤除去、ホットプレスが必要であるという欠点があった。
また、これとは別に燃料電池で用いるバイポーラプレートは両側にガス通路を形成させるので、加工が容易ではなく極めて高価であり、また隣接するガス供給層の表面にカーボンペーパーや多孔性電極が存在すると、両者が接する部分はガスが十分に供給されないという課題もあった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、本発明者は鋭意検討した結果、フッ素樹脂および炭素微粒子の分散液を、電気泳動法を用いて導電性基材の表面またはその近傍の多孔体の表面に形成させた析出物(以下、「複合体前駆析出物」と称する。)をフッ素樹脂の融点以上に加熱するだけで、得られた複合体は、ホットプレスを行なわなくとも電気抵抗が小さく、硬く強度の高いものであること、並びにこれは燃料電池またはソーダ電解におけるガス拡散電極のガス供給層として好適に用い得ることを見出して本発明を完成するに至った。
【0011】
更に、フッ素樹脂と炭素微粒子との分散液から電気泳動で形成した複合体前駆析出物が板状の場合は、完全に乾燥させる前では容易に溝形成等の加工ができるもので、加工後にフッ素樹脂の融点以上に加熱させることにより、ガス通路となる溝付きガス供給層を、容易な製造方法でかつコストを安く製造することを可能とするものである。当該溝付きガス供給層を用いると、溝を設けた高価なバイポーラプレートの代わりに安価な表面平滑な平板セパレータを用いても、燃料電池等のガス供給が可能となることを見出した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る複合体、これを利用してなるガス拡散電極並びに燃料電池を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の複合体前駆析出物の製造装置を示す概略説明図であって、この装置は、直流安定化電源、平行に置いた多孔質カソード、アノード、並びにフッ素樹脂微粒子と炭素微粒子との分散液を、基本的な構成要素とするものである。
【0014】
複合体前駆析出物の電気泳動での調製は、水性媒体中にフッ素樹脂微粒子およびカーボンブラック等の炭素微粒子を分散させた分散液に、カソードとアノードとを浸し、電流を流すことでフッ素樹脂および炭素微粒子をアノード側に電気泳動させ、導電性基材、具体的にはアノード表面またはアノード近傍に設置した多孔体、例えば多孔膜に析出させるという方法で行われる。
分散液に用いられるフッ素樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、三フッ化塩化エチレン樹脂、パーフロロアルコキシ樹脂等が挙げられる。
【0015】
分散液に用いられる炭素微粒子としては、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、活性炭、炭素繊維、ウィスカー、フラーレンまたはカーボンナノチューブ等が挙げられ、これらのうち1種もしくは2種以上を選択して使用する。中でも、炭素微粒子の全部または一部、好ましくは20〜2%に、カーボンナノチューブを用いると、得られる構造体の比抵抗値を更に低下させることができるので好ましい
炭素微粒子は、1ミクロン以下の粒径に調製しておくのが好ましく、更に、要求される特性に応じた粒径とする。疎水性カーボンブラック等のように、水への分散性が悪いものについては、非イオン性界面活性剤を併用し、ジェットミル等を用いて、1ミクロン以下の粒径にして分散させることが好ましい。非イオン性界面活性剤としては、トライトン(ユニオンカーバイド社製品)や他の高級アルコール系非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)が好適に用いることができる。分散および泳動電着に適する該界面活性剤のHLB値は11〜18、好ましくは13〜16である。また、該界面活性剤のアルキル基の炭素数は10〜16、より好ましくは12〜15である。
【0016】
分散液はフッ素樹脂微粒子と炭素微粒子とを含むもので、この2成分が全固形分中の80%以上を占める主成分とするものである。分散液には必要に応じて、他の樹脂や金属粉等の導電剤、界面活性剤等を配合することができる。
分散液中のフッ素樹脂の割合が大きくなると、得られる複合体の強度は大きくなるがガス透過能が低下する。逆にフッ素樹脂の割合を低くすると強度は小さくなり、ガス透過能は増加するので、優先する機能で組成を選べばよい。一般に20〜60%が好ましい。
【0017】
電気泳動浴の構成の例として、図1に円筒状のガラス容器1の底部に白金板を敷いてアノード2としたのち、ガラス容器1に前記分散液4を満たし、この分散液4の液面の少し下方に、ニッケル網を白金板と平行に設置してカソード3としたものを挙げた。
電気泳動に際しては、理論上、アノード2とカソード3は、水平または垂直に配置されたいずれの状態でも行うことができるが、電気泳動させると分散している微粒子の濃度勾配ができるので重力により液の対流が生じる。その為、アノード2とカソード3は水平に配置し、かつ電気泳動による微粒子等が移動する方向と重力による沈降の方向が同じになるように、析出物を付着させる導電性基材、すなわち、通常、アノード2を下方に配置することが好ましい。
【0018】
以下、この説明においては、アノード2に析出物を付着させる方法について説明するが、アノード2とカソード3を前記のように配置することによって、析出物の移動時間を短くすることでき、能率的であるだけではなく、導電性基材であるアノード2に、析出物を均一に付着させることができ、しかもその組成が等しくなるようにすることができる。
【0019】
電気泳動においては、アノード2は必ずしも固定させている必要はなく、図2に示すように連続的に移動させたり、回転させるようにすれば、析出物を連続的に製造することができる。特に、アノードとしてカーボンクロスを使用し、それを連続的に移動させることにより、カーボンクロスを基体とし析出物が積載された多孔質体を連続的に製造することができる。
回転ドラムをアノードとして直接あるいは近傍に設けた多孔膜上に連続的に析出させても良い。
【0020】
アノード2の材料は、ステンレス、アルミニウム、銀、鉄、白金、カーボン等の導電性の基体が使用できるが、白金、イリジウム等の貴金属およびそれらの合金、カーボン等が好ましい。カソード3は金属であれば何でもいいが、ニッケル並びに、白金、パラジウム等の白金族金属が好ましい。
カソードとする金属の形状は、網状のような多孔状のものが好ましいが、板状でも使用できる。網状の場合には網目が0. 5〜2mmのものがよい。極間は5〜100mmが好適である。あまり近いと短絡の心配があり、広いと高電圧電源が必要である。また、アノードとカソードの間にフィルターまたは/およびイオン交換膜を設置することも可能である。
【0021】
また、アノードを金属線、好ましくは白金の線とすれば、電気泳動により、その周囲に複合体前駆析出物を形成させ、その後、金属線を抜き去れば、管状の複合体を得ることができる。
複合体前駆析出物の取扱いを良くする等のために、アノード近傍のカソード側に、網状または多孔膜等の多孔体を設置し、この表面に当該析出物を形成させることも可能である。
【0022】
電気泳動に使用される電圧は10〜100V/cmが好ましく、泳動量は電圧に比例するので、電圧を変動させることにより電気泳動速度を制御できる。
電気泳動に使用される分散液の電気電導度は1mS以下が望ましいが、電気電導度の大きいものは、それだけ大きな電源を必要とするので、必要に応じて分散液中のイオンをイオン交換樹脂で除去、フォロファイバーによる透析等で、分散液の電気電導度を0. 1mS以下にしておくのが好ましい。電気泳動液のpHも電気電導度に影響を及ぼすので、グリシン、リシン、トリシン等のバッファーを適量添加して適切な値に調整するのが好ましい。電気泳動温度は30℃以下が望ましい。
【0023】
電気泳動における通電方式は直流で、連続通電またはパルス通電で行うことができる。
通常のパルス通電は0.5〜2秒の間隔でon、offを繰り返すと複合体前駆析出物の表面が平滑となり好ましい。
分散液を電気泳動することにより、アノードまたはアノード近傍に設置した多孔体表面上にフッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体前駆析出物が形成される。次いでこの析出物を乾燥させるが、乾燥は、初めは室温等の低温で行い、その後、好ましくは100〜150℃で行なうことが好ましい。高温での急激な乾燥は、得られる構造体に亀裂等を生じさせたり割れたりするおそれがある。場合により、加圧状態で乾燥することも重要である。
なお、電気泳動工程でカーボンクロスに直接析出させるか、または得られた析出物にカーボンクロスを埋没させてから乾燥させる等の方法で、カーボンクロスを含有した複合体を得ることができ、これは含有しないものより更に強度が上がり、接触抵抗が低下するので好ましい。
【0024】
乾燥後の複合体前駆析出物をフッ素の融点以上で加熱することで、本発明の複合体を得ることができる。添加した界面活性剤は加熱処理工程で蒸発除去される。必要に応じて乾燥後の析出物から界面活性剤を、アルコール等を用いて抽出した後にフッ素樹脂以上で加熱処理しても良い。
この複合体は、多孔質で、撥水性があり、硬く、強度が高く、比抵抗が低いという特長を有しており、ガス拡散電極のガス供給層材料として優れているものである。さらにホットプレスすることで強度を向上させ、比抵抗を低下させることもできる。
【0025】
複合体前駆析出物が板状の場合には、好ましくは乾燥前に型を押し当てる等の成形加工を施した後、フッ素樹脂の融点以上で加熱することにより、表面に溝等の加工が施された板状の複合体を得ることができる。析出物は乾燥工程で微小な亀裂が入いると複合体にそのまま亀裂が継承される性質がある。
乾燥後の板状物を加工するには型を高い圧力で加圧しなければならず、成形加工は未乾燥の状態かまたは少なくとも完全に乾燥する前が好ましい。
また、乾燥後の板状物を粉砕し粉末にした後、粉末成形した後加熱することによって表面に溝、貫通穴等の複雑な加工が施された複合体を得ることができる。この方法で得られたものは、比抵抗値が若干上昇するという欠点はあるが、構造体の亀裂は生じず、乾燥工程で亀裂を気にする必要もない。
また、完全に乾燥する前の未加熱の板状物を粉状にした後、完全に乾燥させた後に成形加工する方法もあり、この方法によると乾燥時間が短縮できるという利点がある。
【0026】
本発明の構造体は、ガス拡散電極のガス供給層とすることができる。
片面に溝形成等の加工を施した場合は、反対側の平滑な面に固体高分子電解質、炭素微粒子および触媒微粒子からなる反応層を電気泳動法または塗布等で形成させて、ガス拡散電極を得ることができる。このガス拡散電極2枚で固体電解質、例えば固体高分子電解質膜をはさみ、両端に表面平滑なプレートを積層すれば燃料電池スタックとなる。
【0027】
本発明の構造体は、硬く強度が高く、ガス透過性があり比抵抗が低いという特長を有するもので、ソーダ電解や燃料電池におけるガス拡散電極のガス供給層に好適に用いられる。また、溝形成等の加工が容易にできるもので、一面に並行した溝形成加工したものを、加工面を外側にした場合は、その外側に配置するバイポーラプレートは、表面が平滑な単なる平板セパレータで十分となる。このため、高価な溝加工を施したバイポーラプレートが不要となる。更に本発明の構造体は強度が大きいため、ガス拡散層にカーボンペーバーやカーボンクロスを積層する必要がなくなる。従来の溝付きバイポーラプレートはガスが透過しないのでカーボンペーパー等と接触した部分はガスが十分供給されないという欠点を有している。本発明の溝付きガス供給層を用いると溝を構成する壁の部分もガス透過性があるため反応層全体に均一にガスが供給されるという特長も有する。
また、これらの特長を生かした別の用途として、導電性フィルターがあり、特に電気・電子分野で好ましく使用できる。また、気液の分離や分析等のフィルターとしても使用できる。また管状の複合体は、チューブ状燃料電池、液体からのガス抜き等に用いることもできる。
【0028】
【作用】
本発明の複合体は、電気抵抗が小さく、硬く強度の高いものである。
その理由は、フッ素樹脂および炭素微粒子の分散液を、電気泳動法を用いて導電性基材の表面またはその近傍の他孔体の表面に形成させた複合体前駆析出物は、分散液の均一な分散状態を残してフッ素樹脂がフィブリル化しない状態で炭素微粒子と均一な複合を成した状態であり、更に、この析出物をフッ素樹脂の融点以上に加熱すると、その状態を保ったまま炭素微粒子とフッ素樹脂が結合するためと推測される。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の複合体、並びにその応用であるガス拡散電極および燃料電池について実施例にて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
(実施例1)
PTFE分散液(旭硝子(株)製)40重量%とカーボンブラック(電気化学工業(株)製、No.6)60重量%とを、非イオン性界面活性剤(トライトンX−100)を4%含有させた超純水に分散した分散液を作製した。なお、この分散液中のPTFEの固形含有率は13.5%であった。また、カーボンブラックの分散はジェットミルを用い平均粒径を400nmとした。製造した分散液はpH=7.25、導電率=0.068mS/cmであった。
内径40mmの円筒状セルの底部にアノードとなる白金板、白金板の上部15mmにカソードとなるニッケル網を設置し、底から16mmまで分散液を満たし、90Vで3分間電気泳動を行った。
その後、残りの分散液を捨て、白金上の析出物をガラス板上に移し替え、室温で12時間放置乾燥した。その後、120℃で2時間乾燥させて、39mm径で厚さ2.5mmの板状物が得られた。これを窒素雰囲気下、350℃で2時間加熱することで、38.5mm径、厚さ2.5mmの板状の構造体が得られた。この加熱後の構造体は多孔質で、撥水性があり、硬く、強度が高く20kg/cm2以上、比抵抗が0.21Ωcmと低かった。
【0031】
(比較例1)
実施例1の分散液を、アルコールで凝集し、濾過乾燥し、ソルベントナフサを添加してロール掛けすることで、厚さ1.0mmの10cm角のシートを得た.室温で12時間放置乾燥した。その後、120℃で2時間乾燥させて、厚さ0.94mmの板状物が得られた。これを窒素雰囲気下、350℃で2時間加熱することでシート状構造体を得た。この比抵抗は0.5Ωcm、柔らかく、強度は6kg/cm2であった。
【0032】
(実施例2)
実施例1で得られた、120℃で乾燥した未加熱の板状物をミキサーで粉砕して微粉末とした。これを40mm径のジグに入れ、50kg/cm2の圧力でプレス成形後、350℃で2時間加熱することで40mm径、厚さ1.5mmの板状構造体を得た。この比抵抗は0.41Ωcm、強度は17kg/cm2以上であった。
【0033】
(実施例3)
固形分として10%分だけカーボンナノチューブを加え、超音波分散機で3分間分散させた。実施例1と同様に電気泳動、乾燥および加熱操作を行い、板状構造体を得た。得られた構造体は、39mm径の厚さ2.7mmであり、硬く、強度が高く40kg/cm2以上、比抵抗が0.16Ωcmと低く良好なガス透過性を示した。
【0034】
(実施例4)
実施例1の分散液を深さ7cmのガラス容器に満たし、径1mmの白金線を1cm間隔で2本平行に底まで垂直に設置した。直流電圧40Vを2本の白金線に30秒間流すとアノード周辺に均一に析出物が生じた。引き上げて白金線を引き抜き、乾燥後,350℃,2時間加熱処理することで中空な直径3mm、長さ6.7mmの構造体を得た。アノードの白金線を複数設置することで同時に複数のチューブ状の析出物が得られた。
【0035】
(実施例5)
<ガス拡散電極および固体高分子形燃料電池>
実施例1の分散液を用い、実施例1に準じて白金板上に電気泳動により形成した板状の析出物を、乾燥途中で型により溝を形成させ、その後加熱して片面に1mmピッチの溝を形成させた3cm角の構造体を得た。これをガス拡散電極のガス供給層とする。
次いで反応層分散液として、ナフィオンフッ素樹脂系固体高分子電解質溶液(5%液体ナフィオン)、20重量%白金担持親水性カーボンブラックおよびエタノールからなる液を超音波分散してなる分散液を作製した。前述の溝を形成したガス供給層の平坦面に前記反応層分散液を白金担持量1.2mg/cm2となるように塗布し,窒素気流中80℃で2時間保持しエタノールを除くことで0.2mmの反応層を形成させて、ガス拡散電極を得た。
このガス拡散電極2枚で0.05mmの固体高分子電解質膜(ナフィオン)をはさみ、130℃で加圧接合することで電極膜接合体(MEA)を作製した。表面平滑なカーボン板で挟み燃料電池を得た。
1 atmの水素と酸素ガスを導入することで電池性能を測定した。単セルの測定結果は、開放電圧は0.96V、電池電圧0.6Vの時に電流密度0.56A/cm2であり、溝付きガス供給層を用いた燃料電池の発電が可能であった。
【0036】
【発明の効果】
本発明のフッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体は、硬く強度が高く、ガス透過性があり比抵抗が低いという特長を有するもので、ソーダ電解や燃料電池におけるガス拡散電極のガス供給層に好適である。
また、製造過程で溝形成等の加工が容易であるため、片面に溝加工した板状の複合体をガス供給層として用いると隣接させるバイポーラプレートは高価な溝付きバイポーラプレートとする必要がなく、燃料電池の製作コストを大幅に低減させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合体の製造装置を示す概略説明図である。
【図2】本発明の複合体の別の製造装置を示す概略説明図である。
【図3】本発明のガス拡散電極を組み込んでなる燃料電池の概略説明図である。
【符号の説明】
1‥ガラス容器
2‥アノード
3‥カソード
4‥分散液
5‥固体高分子電解質膜
6‥反応層
7‥ガス供給層
8‥溝
9‥バイポーラプレート(平板セパレータ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体に関するものである。当該複合体は、ソーダ電解や燃料電池におけるガス拡散電極のガス供給層に好適に用いられ、また導電性を有するフィルターとして電気・電子分野で広く用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
フッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体としては、従来、フッ素樹脂微粒子とカーボンブラック微粒子とを水性媒体中で混合分散した後、アルコール等で凝集し、濾過乾燥、ソルベントナフサを添加してロール掛けすることによりシート状のものが得られる。このシート状のものを融点以上で加熱することでフッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体を作ることができる。しかし、この複合体は電気抵抗が高く、柔軟性があり過ぎて実用的には使えないものである。フッ素樹脂の結合を強固にして実用的な抵抗値にする為に例えばフッ素樹脂の融点以上の温度380℃および50kg/cm2で60秒ホットプレスすることで初めて、燃料電池等のガス拡散電極のガス供給層として用いることが可能となるものであった。(特許文献1)
【0003】
更に、この複合体は柔らか過ぎて硬さがないので、例えばガス供給層として用いられた場合、シール部分を締め付けると締め付け圧を高くすると変形してしまうという欠点も有していた。
【0004】
また、この複合体はシート状物として表面に溝加工することができるが,柔らかいので、形成された加工溝は燃料電池を組み立てたときの締め付け圧で容易に変形するために溝が埋まってしまう欠点があった。
【0005】
一方、前記特許文献1記載の凝集・濾過による複合体を改良したフッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体として、フッ素樹脂微粒子とカーボンブラック微粒子との水性媒体から凝集ではなく、電気泳動によって導電性基材の表面に析出させ、乾燥後、界面活性剤除去した後、温度380℃、50kg/cm2の圧力で60秒間ホットプレスしてなる複合体がある。(特許文献2)
この複合体は、溝加工された金型を用いてホットプレスすれば硬度が出て、表面に溝加工が施されたガス供給層を得ることができるが、界面活性剤除去とホットプレス工程は設備、量産性の面から問題であった。
【0006】
一方、固体高分子電解質形燃料電池は、水素ガス通路となる溝加工されたバイポーラプレート、カーボンペーパーまたはカーボンクロス、ガス供給層、反応層、固体電解質、反応層、ガス供給層、カーボンペーパーまたはカーボンクロス、並びに酸素ガス通路となる溝加工されたバイポーラプレートの順で積層されたものが1ユニットとなり、必要に応じて複数のユニットを直列に並べた構成からなる。なお、当該ユニットを複数組み合わせた場合の一番外側または1ユニットのみからなる場合の両端では、バイポーラプレートの代わりに、内側の面のみに溝加工を施したセパレータを用いている。
【0007】
このバイポーラプレート(セパレータ)は、不浸透製カーボン板を主体にしたもので、ガス通路を形成させる溝加工は機械加工、例えば、フライス加工、サンドブラスト等で行なわれるため、非常に高価なものであった。
また、反応ガスの供給はバイポーラプレートに形成された溝にはガスが流れているので、カーボンペーパーを通して容易に反応層に供給されるが、カーボンペーパーとバイポーラプレートの接触部はガスが供給され難く、そのため高電流密度で発電する場合、接触部に近い反応部に反応ガスの供給が十分でない状況になる。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−80985号公報 請求項1、第6欄20〜27行
【特許文献2】
特開2002−121697号公報、請求項2、第15欄22〜33行
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の凝集・濾過によって作られたフッ素樹脂および炭素微粒子の複合体は、余りにも柔らか過ぎて硬さがない。
また、凝集・濾過による複合体の代わりに電気泳動で得たフッ素樹脂および炭素微粒子の複合体は、界面活性剤除去、ホットプレスが必要であるという欠点があった。
また、これとは別に燃料電池で用いるバイポーラプレートは両側にガス通路を形成させるので、加工が容易ではなく極めて高価であり、また隣接するガス供給層の表面にカーボンペーパーや多孔性電極が存在すると、両者が接する部分はガスが十分に供給されないという課題もあった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、本発明者は鋭意検討した結果、フッ素樹脂および炭素微粒子の分散液を、電気泳動法を用いて導電性基材の表面またはその近傍の多孔体の表面に形成させた析出物(以下、「複合体前駆析出物」と称する。)をフッ素樹脂の融点以上に加熱するだけで、得られた複合体は、ホットプレスを行なわなくとも電気抵抗が小さく、硬く強度の高いものであること、並びにこれは燃料電池またはソーダ電解におけるガス拡散電極のガス供給層として好適に用い得ることを見出して本発明を完成するに至った。
【0011】
更に、フッ素樹脂と炭素微粒子との分散液から電気泳動で形成した複合体前駆析出物が板状の場合は、完全に乾燥させる前では容易に溝形成等の加工ができるもので、加工後にフッ素樹脂の融点以上に加熱させることにより、ガス通路となる溝付きガス供給層を、容易な製造方法でかつコストを安く製造することを可能とするものである。当該溝付きガス供給層を用いると、溝を設けた高価なバイポーラプレートの代わりに安価な表面平滑な平板セパレータを用いても、燃料電池等のガス供給が可能となることを見出した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る複合体、これを利用してなるガス拡散電極並びに燃料電池を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の複合体前駆析出物の製造装置を示す概略説明図であって、この装置は、直流安定化電源、平行に置いた多孔質カソード、アノード、並びにフッ素樹脂微粒子と炭素微粒子との分散液を、基本的な構成要素とするものである。
【0014】
複合体前駆析出物の電気泳動での調製は、水性媒体中にフッ素樹脂微粒子およびカーボンブラック等の炭素微粒子を分散させた分散液に、カソードとアノードとを浸し、電流を流すことでフッ素樹脂および炭素微粒子をアノード側に電気泳動させ、導電性基材、具体的にはアノード表面またはアノード近傍に設置した多孔体、例えば多孔膜に析出させるという方法で行われる。
分散液に用いられるフッ素樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、三フッ化塩化エチレン樹脂、パーフロロアルコキシ樹脂等が挙げられる。
【0015】
分散液に用いられる炭素微粒子としては、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、活性炭、炭素繊維、ウィスカー、フラーレンまたはカーボンナノチューブ等が挙げられ、これらのうち1種もしくは2種以上を選択して使用する。中でも、炭素微粒子の全部または一部、好ましくは20〜2%に、カーボンナノチューブを用いると、得られる構造体の比抵抗値を更に低下させることができるので好ましい
炭素微粒子は、1ミクロン以下の粒径に調製しておくのが好ましく、更に、要求される特性に応じた粒径とする。疎水性カーボンブラック等のように、水への分散性が悪いものについては、非イオン性界面活性剤を併用し、ジェットミル等を用いて、1ミクロン以下の粒径にして分散させることが好ましい。非イオン性界面活性剤としては、トライトン(ユニオンカーバイド社製品)や他の高級アルコール系非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)が好適に用いることができる。分散および泳動電着に適する該界面活性剤のHLB値は11〜18、好ましくは13〜16である。また、該界面活性剤のアルキル基の炭素数は10〜16、より好ましくは12〜15である。
【0016】
分散液はフッ素樹脂微粒子と炭素微粒子とを含むもので、この2成分が全固形分中の80%以上を占める主成分とするものである。分散液には必要に応じて、他の樹脂や金属粉等の導電剤、界面活性剤等を配合することができる。
分散液中のフッ素樹脂の割合が大きくなると、得られる複合体の強度は大きくなるがガス透過能が低下する。逆にフッ素樹脂の割合を低くすると強度は小さくなり、ガス透過能は増加するので、優先する機能で組成を選べばよい。一般に20〜60%が好ましい。
【0017】
電気泳動浴の構成の例として、図1に円筒状のガラス容器1の底部に白金板を敷いてアノード2としたのち、ガラス容器1に前記分散液4を満たし、この分散液4の液面の少し下方に、ニッケル網を白金板と平行に設置してカソード3としたものを挙げた。
電気泳動に際しては、理論上、アノード2とカソード3は、水平または垂直に配置されたいずれの状態でも行うことができるが、電気泳動させると分散している微粒子の濃度勾配ができるので重力により液の対流が生じる。その為、アノード2とカソード3は水平に配置し、かつ電気泳動による微粒子等が移動する方向と重力による沈降の方向が同じになるように、析出物を付着させる導電性基材、すなわち、通常、アノード2を下方に配置することが好ましい。
【0018】
以下、この説明においては、アノード2に析出物を付着させる方法について説明するが、アノード2とカソード3を前記のように配置することによって、析出物の移動時間を短くすることでき、能率的であるだけではなく、導電性基材であるアノード2に、析出物を均一に付着させることができ、しかもその組成が等しくなるようにすることができる。
【0019】
電気泳動においては、アノード2は必ずしも固定させている必要はなく、図2に示すように連続的に移動させたり、回転させるようにすれば、析出物を連続的に製造することができる。特に、アノードとしてカーボンクロスを使用し、それを連続的に移動させることにより、カーボンクロスを基体とし析出物が積載された多孔質体を連続的に製造することができる。
回転ドラムをアノードとして直接あるいは近傍に設けた多孔膜上に連続的に析出させても良い。
【0020】
アノード2の材料は、ステンレス、アルミニウム、銀、鉄、白金、カーボン等の導電性の基体が使用できるが、白金、イリジウム等の貴金属およびそれらの合金、カーボン等が好ましい。カソード3は金属であれば何でもいいが、ニッケル並びに、白金、パラジウム等の白金族金属が好ましい。
カソードとする金属の形状は、網状のような多孔状のものが好ましいが、板状でも使用できる。網状の場合には網目が0. 5〜2mmのものがよい。極間は5〜100mmが好適である。あまり近いと短絡の心配があり、広いと高電圧電源が必要である。また、アノードとカソードの間にフィルターまたは/およびイオン交換膜を設置することも可能である。
【0021】
また、アノードを金属線、好ましくは白金の線とすれば、電気泳動により、その周囲に複合体前駆析出物を形成させ、その後、金属線を抜き去れば、管状の複合体を得ることができる。
複合体前駆析出物の取扱いを良くする等のために、アノード近傍のカソード側に、網状または多孔膜等の多孔体を設置し、この表面に当該析出物を形成させることも可能である。
【0022】
電気泳動に使用される電圧は10〜100V/cmが好ましく、泳動量は電圧に比例するので、電圧を変動させることにより電気泳動速度を制御できる。
電気泳動に使用される分散液の電気電導度は1mS以下が望ましいが、電気電導度の大きいものは、それだけ大きな電源を必要とするので、必要に応じて分散液中のイオンをイオン交換樹脂で除去、フォロファイバーによる透析等で、分散液の電気電導度を0. 1mS以下にしておくのが好ましい。電気泳動液のpHも電気電導度に影響を及ぼすので、グリシン、リシン、トリシン等のバッファーを適量添加して適切な値に調整するのが好ましい。電気泳動温度は30℃以下が望ましい。
【0023】
電気泳動における通電方式は直流で、連続通電またはパルス通電で行うことができる。
通常のパルス通電は0.5〜2秒の間隔でon、offを繰り返すと複合体前駆析出物の表面が平滑となり好ましい。
分散液を電気泳動することにより、アノードまたはアノード近傍に設置した多孔体表面上にフッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体前駆析出物が形成される。次いでこの析出物を乾燥させるが、乾燥は、初めは室温等の低温で行い、その後、好ましくは100〜150℃で行なうことが好ましい。高温での急激な乾燥は、得られる構造体に亀裂等を生じさせたり割れたりするおそれがある。場合により、加圧状態で乾燥することも重要である。
なお、電気泳動工程でカーボンクロスに直接析出させるか、または得られた析出物にカーボンクロスを埋没させてから乾燥させる等の方法で、カーボンクロスを含有した複合体を得ることができ、これは含有しないものより更に強度が上がり、接触抵抗が低下するので好ましい。
【0024】
乾燥後の複合体前駆析出物をフッ素の融点以上で加熱することで、本発明の複合体を得ることができる。添加した界面活性剤は加熱処理工程で蒸発除去される。必要に応じて乾燥後の析出物から界面活性剤を、アルコール等を用いて抽出した後にフッ素樹脂以上で加熱処理しても良い。
この複合体は、多孔質で、撥水性があり、硬く、強度が高く、比抵抗が低いという特長を有しており、ガス拡散電極のガス供給層材料として優れているものである。さらにホットプレスすることで強度を向上させ、比抵抗を低下させることもできる。
【0025】
複合体前駆析出物が板状の場合には、好ましくは乾燥前に型を押し当てる等の成形加工を施した後、フッ素樹脂の融点以上で加熱することにより、表面に溝等の加工が施された板状の複合体を得ることができる。析出物は乾燥工程で微小な亀裂が入いると複合体にそのまま亀裂が継承される性質がある。
乾燥後の板状物を加工するには型を高い圧力で加圧しなければならず、成形加工は未乾燥の状態かまたは少なくとも完全に乾燥する前が好ましい。
また、乾燥後の板状物を粉砕し粉末にした後、粉末成形した後加熱することによって表面に溝、貫通穴等の複雑な加工が施された複合体を得ることができる。この方法で得られたものは、比抵抗値が若干上昇するという欠点はあるが、構造体の亀裂は生じず、乾燥工程で亀裂を気にする必要もない。
また、完全に乾燥する前の未加熱の板状物を粉状にした後、完全に乾燥させた後に成形加工する方法もあり、この方法によると乾燥時間が短縮できるという利点がある。
【0026】
本発明の構造体は、ガス拡散電極のガス供給層とすることができる。
片面に溝形成等の加工を施した場合は、反対側の平滑な面に固体高分子電解質、炭素微粒子および触媒微粒子からなる反応層を電気泳動法または塗布等で形成させて、ガス拡散電極を得ることができる。このガス拡散電極2枚で固体電解質、例えば固体高分子電解質膜をはさみ、両端に表面平滑なプレートを積層すれば燃料電池スタックとなる。
【0027】
本発明の構造体は、硬く強度が高く、ガス透過性があり比抵抗が低いという特長を有するもので、ソーダ電解や燃料電池におけるガス拡散電極のガス供給層に好適に用いられる。また、溝形成等の加工が容易にできるもので、一面に並行した溝形成加工したものを、加工面を外側にした場合は、その外側に配置するバイポーラプレートは、表面が平滑な単なる平板セパレータで十分となる。このため、高価な溝加工を施したバイポーラプレートが不要となる。更に本発明の構造体は強度が大きいため、ガス拡散層にカーボンペーバーやカーボンクロスを積層する必要がなくなる。従来の溝付きバイポーラプレートはガスが透過しないのでカーボンペーパー等と接触した部分はガスが十分供給されないという欠点を有している。本発明の溝付きガス供給層を用いると溝を構成する壁の部分もガス透過性があるため反応層全体に均一にガスが供給されるという特長も有する。
また、これらの特長を生かした別の用途として、導電性フィルターがあり、特に電気・電子分野で好ましく使用できる。また、気液の分離や分析等のフィルターとしても使用できる。また管状の複合体は、チューブ状燃料電池、液体からのガス抜き等に用いることもできる。
【0028】
【作用】
本発明の複合体は、電気抵抗が小さく、硬く強度の高いものである。
その理由は、フッ素樹脂および炭素微粒子の分散液を、電気泳動法を用いて導電性基材の表面またはその近傍の他孔体の表面に形成させた複合体前駆析出物は、分散液の均一な分散状態を残してフッ素樹脂がフィブリル化しない状態で炭素微粒子と均一な複合を成した状態であり、更に、この析出物をフッ素樹脂の融点以上に加熱すると、その状態を保ったまま炭素微粒子とフッ素樹脂が結合するためと推測される。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の複合体、並びにその応用であるガス拡散電極および燃料電池について実施例にて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
(実施例1)
PTFE分散液(旭硝子(株)製)40重量%とカーボンブラック(電気化学工業(株)製、No.6)60重量%とを、非イオン性界面活性剤(トライトンX−100)を4%含有させた超純水に分散した分散液を作製した。なお、この分散液中のPTFEの固形含有率は13.5%であった。また、カーボンブラックの分散はジェットミルを用い平均粒径を400nmとした。製造した分散液はpH=7.25、導電率=0.068mS/cmであった。
内径40mmの円筒状セルの底部にアノードとなる白金板、白金板の上部15mmにカソードとなるニッケル網を設置し、底から16mmまで分散液を満たし、90Vで3分間電気泳動を行った。
その後、残りの分散液を捨て、白金上の析出物をガラス板上に移し替え、室温で12時間放置乾燥した。その後、120℃で2時間乾燥させて、39mm径で厚さ2.5mmの板状物が得られた。これを窒素雰囲気下、350℃で2時間加熱することで、38.5mm径、厚さ2.5mmの板状の構造体が得られた。この加熱後の構造体は多孔質で、撥水性があり、硬く、強度が高く20kg/cm2以上、比抵抗が0.21Ωcmと低かった。
【0031】
(比較例1)
実施例1の分散液を、アルコールで凝集し、濾過乾燥し、ソルベントナフサを添加してロール掛けすることで、厚さ1.0mmの10cm角のシートを得た.室温で12時間放置乾燥した。その後、120℃で2時間乾燥させて、厚さ0.94mmの板状物が得られた。これを窒素雰囲気下、350℃で2時間加熱することでシート状構造体を得た。この比抵抗は0.5Ωcm、柔らかく、強度は6kg/cm2であった。
【0032】
(実施例2)
実施例1で得られた、120℃で乾燥した未加熱の板状物をミキサーで粉砕して微粉末とした。これを40mm径のジグに入れ、50kg/cm2の圧力でプレス成形後、350℃で2時間加熱することで40mm径、厚さ1.5mmの板状構造体を得た。この比抵抗は0.41Ωcm、強度は17kg/cm2以上であった。
【0033】
(実施例3)
固形分として10%分だけカーボンナノチューブを加え、超音波分散機で3分間分散させた。実施例1と同様に電気泳動、乾燥および加熱操作を行い、板状構造体を得た。得られた構造体は、39mm径の厚さ2.7mmであり、硬く、強度が高く40kg/cm2以上、比抵抗が0.16Ωcmと低く良好なガス透過性を示した。
【0034】
(実施例4)
実施例1の分散液を深さ7cmのガラス容器に満たし、径1mmの白金線を1cm間隔で2本平行に底まで垂直に設置した。直流電圧40Vを2本の白金線に30秒間流すとアノード周辺に均一に析出物が生じた。引き上げて白金線を引き抜き、乾燥後,350℃,2時間加熱処理することで中空な直径3mm、長さ6.7mmの構造体を得た。アノードの白金線を複数設置することで同時に複数のチューブ状の析出物が得られた。
【0035】
(実施例5)
<ガス拡散電極および固体高分子形燃料電池>
実施例1の分散液を用い、実施例1に準じて白金板上に電気泳動により形成した板状の析出物を、乾燥途中で型により溝を形成させ、その後加熱して片面に1mmピッチの溝を形成させた3cm角の構造体を得た。これをガス拡散電極のガス供給層とする。
次いで反応層分散液として、ナフィオンフッ素樹脂系固体高分子電解質溶液(5%液体ナフィオン)、20重量%白金担持親水性カーボンブラックおよびエタノールからなる液を超音波分散してなる分散液を作製した。前述の溝を形成したガス供給層の平坦面に前記反応層分散液を白金担持量1.2mg/cm2となるように塗布し,窒素気流中80℃で2時間保持しエタノールを除くことで0.2mmの反応層を形成させて、ガス拡散電極を得た。
このガス拡散電極2枚で0.05mmの固体高分子電解質膜(ナフィオン)をはさみ、130℃で加圧接合することで電極膜接合体(MEA)を作製した。表面平滑なカーボン板で挟み燃料電池を得た。
1 atmの水素と酸素ガスを導入することで電池性能を測定した。単セルの測定結果は、開放電圧は0.96V、電池電圧0.6Vの時に電流密度0.56A/cm2であり、溝付きガス供給層を用いた燃料電池の発電が可能であった。
【0036】
【発明の効果】
本発明のフッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体は、硬く強度が高く、ガス透過性があり比抵抗が低いという特長を有するもので、ソーダ電解や燃料電池におけるガス拡散電極のガス供給層に好適である。
また、製造過程で溝形成等の加工が容易であるため、片面に溝加工した板状の複合体をガス供給層として用いると隣接させるバイポーラプレートは高価な溝付きバイポーラプレートとする必要がなく、燃料電池の製作コストを大幅に低減させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合体の製造装置を示す概略説明図である。
【図2】本発明の複合体の別の製造装置を示す概略説明図である。
【図3】本発明のガス拡散電極を組み込んでなる燃料電池の概略説明図である。
【符号の説明】
1‥ガラス容器
2‥アノード
3‥カソード
4‥分散液
5‥固体高分子電解質膜
6‥反応層
7‥ガス供給層
8‥溝
9‥バイポーラプレート(平板セパレータ)
Claims (8)
- フッ素樹脂微粒子と炭素微粒子との分散液から電気泳動により形成させた析出物を、当該フッ素樹脂の融点以上に加熱してなるフッ素樹脂および炭素微粒子からなる複合体。
- フッ素樹脂微粒子と炭素微粒子との分散液から、電気泳動により導電性基材またはその近傍の多孔体の表面に形成させた析出物を、乾燥後に前記フッ素樹脂の融点以上で加熱してなる請求項1の複合体。
- フッ素樹脂微粒子と炭素微粒子との分散液から、電気泳動により導電性基材またはその近傍の多孔体の表面に形成させた析出物を、乾燥後に粉末とし、粉末成形した後、前記フッ素樹脂の融点以上で加熱してなる請求項1または2の複合体。
- 炭素微粒子の全部または一部として、カーボンナノチューブを使用したことを特徴とする請求項1ないし3の複合体。
- 析出物の表面に成形加工を施したことを特徴とする請求項1ないし4の複合体。
- 成形加工が、並行した溝を設けたものであることを特徴とする請求項5の複合体。
- 請求項1ないし6の複合体をガス供給層とし、一方の面に電気化学的触媒を含有させた反応層を形成させてなるガス拡散電極。
- 請求項7のガス拡散電極の反応層側を内側にして固体電解質を挟み、これらを更に平板セパレータで挟んでなる構造のユニットからなる固体高分子電解質形燃料電池。
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