JP2008262716A - 高分子電解質膜−電極接合体の製造方法 - Google Patents

高分子電解質膜−電極接合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高分子電解質膜の両側に燃料極および空気極を熱圧縮して形成させた燃料電池用MEAであって、経時的電圧低下の少ないものの製造方法を提供する。
【解決手段】塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に炭素材料を分散させ、この溶媒中でその片面側に撥水層を形成させたガス拡散電極を陽極として電圧を印加し、陽極材撥水層上に炭素材料薄膜を形成せしめ、次いで該炭素材料薄膜中に触媒層を形成させ、得られた積層体2枚を用いて、これら積層体の触媒層側が高分子電解質膜に接するように高分子電解質膜を挟み込み、ホットプレスして高分子電解質膜-電極接合体を製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高分子電解質膜-電極接合体(MEA)の製造方法に関する。さらに詳しくは、高分子電解質膜の両側に燃料極と空気極とを熱圧縮して形成させた燃料電池用高分子電解質膜-電極接合体の製造方法に関する。
また、燃料電池用のセルは、高分子電解質膜の両側の面に燃料極と空気極とを熱圧縮して、膜・電極接合体(MEA)として一般に作製されている。実際には、電極触媒層をシート状に膜成形し、同時にこれを高分子電解質膜にホットプレスする方法も一般的に行われているが、燃料電池の触媒層には、高いガス供給・排出性、水素イオン伝導性、触媒の活性が必要となる。高いガス供給・排出性の向上のため、触媒層を多孔質化する方法が提案されている。
特開2005−11582号公報 特開2005−108550号公報
これらの提案された方法は、従来の触媒担持カーボンとイオン導電性樹脂とを含む高分子電解質膜に塗布もしくは転写する方法と比べて、ガス供給・排出性にはすぐれているものの、電子伝導性については十分ではないという問題がみられる。
電子伝導性を高める多孔質化の方法として、カーボンナノチューブ等の気相成長法炭素繊維を触媒層に添加する方法も提案されているが、カーボンナノチューブは一般に分散性に乏しく、均一な触媒層の形成を困難なものとしている。
特開2003−115302号公報
本出願人は先に、炭素材料を塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に分散させ、この溶媒中で被被覆材を陽極として電圧を印加し、陽極材表面に炭素材料表面上に炭素材料薄膜を形成させる炭素材料薄膜の製膜方法を提案している。
特開2006−63436号公報
被被覆材としての陽極材としては、ガス拡散層を形成し得る炭素繊維系不織布等の多孔質炭素材料が用いられ、この表面上にカーボンナノチューブ(CNT)を均質に担持させ、このCNT担持表面にさらに触媒を担持させ、これを高分子電解質膜と一体化させてMEAを構成した場合には、初期的には発電が起こるが、時間の経過と共に発電量が低下することが新たに判明した。その原因としては、触媒の拡散または脱離など高分子電解質膜との触媒の接触密度の低下が影響していると考えられる。
本発明の目的は、高分子電解質膜の両側に燃料極および空気極を熱圧縮して形成させた燃料電池用MEAであって、経時的電圧低下の少ないものの製造方法を提供することにある。
かかる本発明の目的は、塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に炭素材料を分散させ、この溶媒中でその片面側に撥水層を形成させたガス拡散電極を陽極として電圧を印加し、陽極材撥水層上に炭素材料薄膜を形成せしめ、次いで該炭素材料薄膜中に触媒層を形成させ、得られた積層体2枚を用いて、これら積層体の触媒層側が高分子電解質膜に接するように高分子電解質膜を挟み込み、ホットプレスして高分子電解質膜-電極接合体を製造する方法によって達成される。
CNT等の炭素材料を、ガス拡散層上に設けた撥水層に電着させると、その形態から空隙を有するチューブにネックワークを形成させる。電着法では、CNTを分散させた溶液を塗布する手法とは異なり、均一な膜厚を有する薄膜を形成させることが可能であり、すなわちこの均一な空隙に触媒層を形成させることにより、触媒層にとって必要な高いガス供給・排出性が得られる。
特に、撥水層を設けたことで、触媒の担持状態が結果的に保持され、経時的な発電量の低下を抑制することができる。さらに、CNT等の炭素材料は高い導電性を有するため、カーボン粒子間における電子伝導の損失を低減することができ、高い電子伝導性が得られる。
まず、塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に炭素材料を分散させ、この溶媒中でその片面側に撥水層を形成させたガス拡散電極を陽極として電圧を印加し、陽極材表面上に炭素材料薄膜を形成せしめる方法について説明する。
炭素材料としては、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、黒鉛、カーボンファイバー、フラーレンなどが挙げられるが、好ましくは、優れた電気伝導性と熱伝導性の観点からカーボンナノチューブが、電気特性および嵩密度の観点からカーボンブラックまたは黒鉛が用いられる。これらは、溶液分散するものであれば特に制限なく使用することができ、カーボンナノチューブとしては単層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブなどが、カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどが、また黒鉛としては、人造黒鉛、天然黒鉛のいずれかが用いられる。
塩基性高分子型分散剤としては、分子量が数千〜数万であり、エステルを有する構造のものであれば特に制限なく使用することができ、脂肪酸エステルなど、好ましくはポリエステル酸アマイドアミン塩が用いられる。実際には、市販品、例えば楠本化成製品ディスパロンDA-703-50、DA-705、DA-725、DA-234等が用いられる。この他、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩である同社製品ディスパロンDA-325等も用いられる。これらは、1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%の割合で、炭化水素系溶媒中に添加されて用いられる。この使用割合がこれ以下では、本発明の目的が達成されず、一方これ以上の割合で用いられると、形成した薄膜中に塩基性高分子型分散剤が多量に付着することとなり、好ましくない。
塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に分散させた炭素材料、好ましくはカーボンナノチューブの平均粒子径(湿式でのレーザー散乱法による50%粒子径)は、100〜1000nm、好ましくは500〜800nmに設定されることが好ましい。このような平均粒子径への調整は、ボールミルなどを用いても行われるが、好ましくは超音波ホモジナイザを用いて行われる。超音波ホモジナイザの代りに、超音波洗浄器を用いると、分散液中のカーボンナノチューブ凝集塊の平均粒子径は1000nm以上となり、またポット型ボールミルを用いると、カーボンナノチューブの破断などがみられることもある。
また、塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に分散させた炭素材料、特にカーボンナノチューブの平均粒子径を100〜1000nmの範囲に設定した場合には、上記カーボンシートを用いた場合と同様に、吸着量および吸着層中のカーボンナノチューブ重量割合をいずれも増加させることができる。このことは、吸着中に同時に吸着される塩基性高分子型分散剤の重量割合が減少し、その結果としてカーボンナノチューブの重量割合が増加することを意味し、カーボンナノチューブ吸着層の機能として求められる導電性が十分に得られ、電気抵抗を減少させるという効果を奏する。
炭化水素系溶媒としては、芳香族炭化水素溶媒などが挙げられるが、好ましくはキシレンまたはトルエンが用いられる。これらの炭化水素系溶媒は、炭素材料に対して一般に約100〜1000倍量程度用いられる。
被被覆材となるその片面側に撥水層を形成させるためのガス拡散電極は、カーボンペーパー、カーボン不織布、カーボン織布等のカーボンシートよりなる多孔質炭素体が基材として用いられる。このような多孔質炭素体基材には、高い導電性と大きな比表面積が求められている。特に、燃料電池のガス拡散体としての使用に際しては、ガス拡散体片面側の電解質で発電した電気を、その反対側の面のセパレータに通電する必要があるため導電性にすぐれていることが求められており、ガス拡散体とセパレータとの接触面積が大きい程、接触抵抗が小さくなるので好ましいとされる。実際には、市販品例えば東レ製品TGP-H-060等をそのまま用いることができる。
かかるガス拡散電極の片面側への撥水層の形成は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体(ETFE)等の撥水性樹脂とアセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチエンブラック等であって、好ましくはその平均粒子径が約1〜100nm程度であるカーボンブラックとの分散液、例えばPTFEディスパージョン(固形分濃度約50〜70重量%)とアセチレンブラック等のカーボンブラックとを、PTFEとカーボンブラックとの固形分量比が10:90〜60:40になるように調整した溶液を塗布し、約80〜150℃、約0.5〜5時間程度乾燥させた後、さらに約320〜400℃で約0.5〜5時間程度加熱処理することにより行われる。形成された撥水層の平均空孔径は約50〜1000nm程度であり、約数10μm程度の空隙を有するガス拡散層に対し、緻密な層として形成される。また、その層は、約10〜100μm程度の膜厚で形成される。
このようにして得られる陽極材撥水層上への炭素材料薄膜の形成は、炭素材料を塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中で、上記陽極に電圧を印加することにより陽極材上に付着(吸着)することにより行われる。ここで、印加される電圧は、1〜1000V、好ましくは5〜500Vであり、印加電圧がこれより低い場合には、炭素材料の付着量が少なくなってしまい、一方これより大きい場合には、炭素材料の付着膜が不均一となり、かつ電力効率が悪化するため好ましくない。また、印加時間は必要とする製膜量により異なるが、例えば1〜3000秒、好ましくは30〜1000秒あるいは周期的に印加することも可能である。このとき、炭素材料の沈降を防ぐべく、分散溶液を攪拌しながら製膜することも行われる。また、製膜時にマスキングを行うことで、導電性が必要な部分にのみ炭素材料を付着させることができる。
表面に炭素材料薄膜が製膜された陽極材は、分散溶液中から取り出した後、表面に製膜された炭素材料以外を取除くように洗浄され、乾燥される。
以上の工程を繰り返し行うことで、陽極材表面上に製膜される炭素材料の膜厚を厚くしていくことができる。すなわち、上記工程の繰り返し回数を設定することによって、製膜される炭素材料の膜厚を所望の厚み、例えば約1〜50μm程度の厚みに制御することが可能となる。
このようにして陽極材撥水層上に炭素材料薄膜を形成させたものについて、次いで炭素材料薄膜中に触媒層を形成させることが行われる。触媒層の形成は、白金触媒、白金-ルテニウム合金触媒等が用いられ、白金触媒はカソード触媒として、また白金-ルテニウム合金触媒はこれをカーボン微粒子に担持させたアノード触媒として、それらをイオン交換樹脂含有溶液等に分散させた触媒ペーストとして塗布され、室温条件下で乾燥させることにより行われる。その触媒ペースト塗布量は、一般に乾燥重量として約0.1〜10mg/cm2程度である。
陽極材撥水層上に炭素材料薄膜を形成せしめ、次いでこの炭素材料薄膜中に形成させた得られた積層体は、それぞれ燃料電池の燃料極および空気極として作用する2枚の積層体として用いられ、これら2枚の積層体の触媒層側が高分子電解質膜に接するように高分子電解質膜を挟み込み、ホットプレスされる。
高分子電解質膜は、水素イオンに対するイオン交換基としてスルホン酸基(-SO3H)やカルボン酸基(-COOH)の如き酸性基を有し、水中で導電性を有する高分子膜であって、一般にはパーフルオロ系主鎖にスルホン酸基を置換したポリマーが用いられる。その膜厚は、約25〜500μm、好ましくは約50〜300μmのものが使用される。実際には、市販品であるデュポン社製品Nafion等が用いられる。また、薄膜の膜強度を補強するために、PTFE繊維やPTFE多孔質膜で補強したものなども用いられる。
ホットプレスは、加圧条件下(約0.1〜5MPa程度)で約100〜180℃の温度で行われる。このようにしてMEAが得られ、その両面にガス流路の溝を有するカーボン樹脂セパレータ、集電極およびエンドプレートを配し、ボルトによる締結を行って、単セルが作製される。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例
(1)ガス拡散電極(東レ製品TGP-H-060)を用い、それの片面側にPTFEディスパージョン(ダイキン製品POLYFLON D-1E)とアセチレンブラック(電化工業製品デンカブラック)とをPTFE:アセチレンブラック重量比が40:60になるように調整した溶液を塗布し、90℃で1時間乾燥させた後、360℃、1時間の加熱条件下で加熱処理を行い、撥水層を形成させた。形成させた撥水層の平均空孔径は約100nmであり、厚さ約数10μmのガス拡散層上に緻密な層として形成された。
(2)キシレン90mlに、ポリエステル酸アマイドアミン塩の50%キシレン溶液(楠本化成製品ディスパロンDA-703-50)10mlを加え、この溶液に気相成長法多層カーボンナノチューブ(日機装製品;繊維径10〜30nm、繊維長1〜100μm)500mgを添加し、超音波ホモジナイザ(BRANSON製 SONIFIER450)による出力300Wでの照射を12時間行い、多層カーボンナノチューブ分散液を得た。この分散液中の多層カーボンナノチューブの湿式でのレーザー散乱による平均粒子径は600nmであった。
次に、陽極として上記(1)で得られた撥水層形成ガス拡散電極を、また陰極としてSUS304を用い、ミニクランプを用いて電極間が2cmとなるように設置し、200Vの電圧を3分間印加することにより、陽極材撥水層上への製膜処理(製膜面積25cm2)を行った。製膜後、ガス拡散電極を室温条件下で乾燥させた。作製したカーボンナノチューブ薄膜の走査型電子顕微鏡による観察を行った結果、吸着層の膜厚は約25μmで、均一なカーボンナノチューブ薄膜が形成されていることが確認された。
(3)白金触媒担持カーボン(田中貴金属製品TECIOE50E;白金含有量50重量%)2g、電解質材料としてのNafion 5重量%溶液(デュポン社製品52,708-4;水45重量%、有機溶媒50重量%)16gおよび純水4gを、ホモジナイザ(アズワン製AUTO CELL MASTER CM-200)を用いて1時間攪拌し、均一な触媒ペーストを得た。
(4)上記(2)で得られた撥水層形成ガス拡散電極のカーボンナノチューブ薄膜両面上に、上記(3)で得られた白金触媒ペーストを乾燥重量が1mg/cm2となる塗布量で塗布し、室温条件下で乾燥させ、積層体を得た。乾燥させた積層体2枚を用いて、高分子電解質膜(デュポン社製品Nafion 1135;膜厚89μm)を挟み込み、2MPaの加圧条件下に120℃でホットプレスすることにより、電解質膜電極接合体(MEA)を得た。得られたMEAの両面それぞれに、ガス流路溝を有するカーボン樹脂セパレータ、集電極およびエンドプレートを配し、ボルトによる締結を行い、単セルを作製した。
比較例1
実施例において、カーボンナノチューブ薄膜を形成させない撥水層形成ガス拡散電極の撥水層に直接触媒ペーストを塗布した。
比較例2
触媒担持カーボン(TECIOE50E)2g、Nafion 5重量%溶液16g、純水4gおよび気相成長法多層カーボンナノチューブ(前記日機装製品)0.5gを、ホモジナイザ(前記アズワン製)を用いて、1時間攪拌を行い、触媒ペーストを調製した。得られた触媒ペーストを、比較例1と同様に、カーボンナノチューブ薄膜を形成させない撥水層形成ガス拡散電極の撥水層に直接塗布したが、塗布時に触媒ペースト中のカーボンナノチューブの凝集塊がみられ、分散状態が不十分であった。
比較例3
実施例において、撥水層を形成させないガス拡散電極を用い、そこに直接カーボンナノチューブの電着を行うと、ガス拡散電極を形成する炭素繊維の周囲にカーボンナノチューブが電着された。このガス拡散電極上に、触媒ペーストの塗布が行われた。
(発電評価)
アノード極に加湿した水素(露点70℃)を、またカソード極に加湿した酸素(露点70℃)をそれぞれ供給し、水素、酸素共大気圧条件下で、水素を300ml/分、酸素を200ml/分の供給速度で供給し、セル温度を75℃一定とし、発電開始24時間経過後をスタートとし、それから1000時間後の電流密度0.5A/cm2における電圧降下値を測定した。得られた結果は、次の表に示される。

電圧降下値 (V)
実施例 0.02
比較例1 0.08
比較例2 0.05
比較例3 −
以上の結果から、次のようなことがいえる。
(1)実施例−比較例1から、触媒層中にカーボンナノチューブ薄膜を含む実施例の方が電圧降下が低いことを示している。
(2)実施例−比較例2から、均一なカーボンナノチューブ薄膜が形成できた実施例の方が、分散が十分に行われなかった比較例2よりも電圧降下が低いことを示している。
(3)比較例3では電圧降下が著しく、1000時間までの評価は行えなかった。これは、緻密な撥水層を形成させなかったため、触媒反応に有効な触媒の数が減少したため、発電性能が低下したものと考えられる。

Claims (10)

  1. 塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に炭素材料を分散させ、この溶媒中でその片面側に撥水層を形成させたガス拡散電極を陽極として電圧を印加し陽極材撥水層上に炭素材料薄膜を形成せしめ、次いで該炭素材料薄膜中に触媒層を形成させ、得られた積層体2枚を用いて、これら積層体の触媒層側が高分子電解質膜に接するように高分子電解質膜を挟み込み、ホットプレスすることを特徴とする高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  2. PTFEディスパージョンとカーボンブラックとの混合物から撥水層が形成された請求項1記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  3. 2枚の積層体がそれぞれ燃料電池の燃料極および空気極として作用する積層体である請求項1記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  4. 炭素材料がカーボンナノチューブ、カーボンブラックまたは黒鉛である請求項1記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  5. 塩基性高分子型分散剤が、ポリエステル酸アマイドアミン塩である請求項1記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  6. 炭化水素系溶媒が芳香族炭化水素溶媒である請求項1記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  7. 塩素性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に分散させた炭素材料が100〜1000nmの平均粒子径(湿式でのレーザー散乱法による50%粒子径)を有する請求項1記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  8. 炭素材料がカーボンナノチューブである請求項7記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  9. 炭素材料の平均粒子径を100〜1000nmに調整することが超音波ホモジナイザを用いて行われる請求項7または8記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  10. 請求項1乃至9記載のいずれかの方法により製造された高分子電解質膜-電極接合体。
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