JP2005032437A - ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造が簡単で組み立て作業も容易であり、低廉な製造コストにより組み立て精度を管理することができるディスククランパを備えたディスク装置を提供することにある。
【解決手段】ディスククランパ5は、板状の支持部材50と、該支持部材50に回転可能に支持される回転子60とで構成されている。支持部材50は、機構組立体13のシャーシの上部に架設され、そのほぼ中央部に円形の開口51が形成されている。回転子60は、開口51に挿通された回転子本体61と、その内部に収納されたリング状の永久磁石65と、該永久磁石65の上面に設置されたバックヨーク66とで構成されている。このようなディスククランパ5の他に、ディスクトレイ4とメイン回路基板組立体12を備えた機構組立体13が底板11とケース14とフロントベゼル16から成る筐体に収納されて、ディスク装置を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は光ディスクを再生または記録するディスク装置に関する。
CD−ROM等の光ディスクを再生するディスク装置が知られている。図8は、従来のディスク装置の構造を模式的に示す断面側面図である。同図に示すように、従来のディスク装置1Bは、装置本体2と該装置本体2に対し、前後方向(図中横方向)に移動し、出し入れされるディスクトレイ4とから構成されている。
装置本体2は、底板11と、該底板11の上部に設けられたメイン回路基板組立体12と、該メイン回路基板組立体12の上部に設けられた機構組立体13と、該機構組立体13の上側を覆うケース14とから構成されている。ケース14は、天板部14aを有しその下面(内面)側には、ディスククランパ38が後述するターンテーブル26と同軸的に回転可能に設置されている。
機構組立体13は、シャーシ20を有し、該シャーシ20には、機構ユニット22が上下動可能に支持されている。この機構ユニット22は、ベース23を有し、該ベース23には、ターンテーブル回転用のスピンドルモータ25と、その回転軸に固定されたターンテーブル26と、光学ヘッド27と、該光学ヘッド27を光ディスク3の半径方向に移動する光学ヘッド移動機構(図示せず)とが設けられている。ターンテーブル26には、ディスククランパ38を吸着する磁石が内蔵されている。
ベース23は、その後方(装置本体2の奥部側)端部が弾性体(ゴム等)からなるインシュレータ29aを介して、シャーシ20に対し回動可能に支持されている。図示しない上下動機構の作動により、ベース23がインシュレータ29aを中心として回動し、機構ユニット22が上下動する。
ディスクトレイ4は、光ディスク3を載置する部材であり、前記上下動機構の作動による機構ユニット22の上下動に伴って、装置本体2に対し前後方向に、光ディスクの装填位置と光ディスクの排出位置との間を移動する。
ディスク装置1Bの非使用時には、ディスクトレイ4は、装置本体2内に収納された状態(ディスク装填位置)にある。この状態でイジェクト操作を行うと、図示しないモータの駆動によりディスクトレイ4が前方へ移動し、装置本体2から外側に突出した位置(ディスク排出位置)まで移動するとともに、機構ユニット22が下降する(図8参照)。
光ディスク3をディスクトレイ4上に載置し、ローディング操作を行うと、ディスクトレイ4が後方へ移動し、ディスク装填位置まで移動するとともに、機構ユニット22が上昇する。これにより、ディスククランパ38がターンテーブル26に磁気的に吸着され、ディスククランパ38とターンテーブル26との間に光ディスク3が挟持され、光学ヘッド27による再生が可能となる。
イジェクト操作を行うと、ディスク装置1Bの各機構が前記ローディング時とは逆の順序でかつ逆方向に作動し、光ディスク3は、クランプが解除され、ディスクトレイ4に載って排出される。
このようなディスク装置1Bにおいて、ディスククランパ38は、板金382と樹脂モールド部383とをインサート成形により一体的に形成してなるクランプ用円盤381と、板金382の中心にカシメにより固着されたカシメピン384とを有し、ケース14に設けられた絞り部141aの底部に穿設された孔141bにカシメピン384を挿通し、カシメピン384の絞り部141a側の端部に、孔141bより大径のフランジ部を有するカシメネジ385を螺入することにより、ケース14に対し回転可能に支持されている。
ところで、CD−ROM再生用のディスク装置においては、光ディスク3の回転速度が、従来の2倍速に代わり、4倍速が主流となりつつある。このような高速化に伴い、光ディスク3の挟持力の増大が必要となるが、前述した従来のディスククランパ38では、光ディスク3の挟持力が弱く、高速化に対応できない。すなわち、ディスククランパ38は、ターンテーブル26側に設置された永久磁石に吸着されて光ディスク3の挟持力を得るが、ターンテーブル26には、寸法上の制約等があることから、より強力な永久磁石を設置することができず、また、小型でより強力な永久磁石が設置できたとしても、永久磁石が高価なものとなってしまう。
また、ディスククランパ38では、ケース14の天板部14aにプレス成形等により絞り部141aを形成し、さらに孔141bを穿設する工程が必要であり、しかも、絞り部141aおよび孔141bの形成位置をスピンドルモータ25の回転軸に一致させるための位置合わせを行わねばならず、製造工程が複雑であるという欠点がある。
また、ディスククランパ38自体の構造も複雑であり、特に製造に手間がかかる切削部品であるカシメピンや、特殊なクランパネジを用いなければならず、さらに、その取り付け作業にも手間がかかるという欠点もある。
本発明の目的は、構造が簡単で組み立て作業も容易であり、しかも回転子の中心とターンテーブルの中心の位置合わせも確実に行うことができ、低廉な製造コストにより組み立て精度を管理することができるディスククランパを備えたディスク装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るディスク装置は、底板と、該底板の上部に設けられたメイン回路基板組立体と、該メイン回路基板組立体の上部に設けられ、シャーシを備えた機構組立体と、該機構組立体のシャーシに取り付けられたディスククランパと、該機構組立体に前後方向に摺動可能に設けられたディスクトレイと、該機構組立体の上側を覆うケースと、前記機構組立体の前面を覆うように前記底板およびケースに取り付けられたフロントベゼルと、を備えたディスク装置であって、前記シャーシは左右および後方縁部に沿ってコの字状に立設された壁部から構成されると共に、前記シャーシに対し上下動可能に搭載されたターンテーブルを備えたディスク回転駆動手段とを有し、前記ディスククランパは、前記シャーシの左右側壁部の上部に前記ターンテーブルの両側に位置するように設けられた取り付け部の間に架設され、開口が形成された板状の支持部材と、該支持部材に対し回転可能に設けられた回転子とを備え、前記支持部材は、その両端が前記取り付け部に固定されており、前記回転子は、前記開口内に位置し、その下部が該開口からディスク装置内部側へ突出している有底の扁平ドラム状の回転子本体と、該回転子本体の上部外周に設けられ、前記支持部材の開口の縁部において該支持部材上面と係合するリブとを有してなり、ディスクを再生する際は、前記ターンテーブルが上昇し、前記回転子本体の底部と前記ターンテーブルとが吸着してそれらの間で該ディスクを挟持するとともに、前記リブが前記支持部材の上面から離反するよう構成したことを特徴とする。
さらに、本発明に係るディスク装置は、前記開口が円形の開口であり、前記回転子本体の外径より大きく、前記リブの外径より小さい直径を有し、前記ディスク装置は、前記支持部材の前記開口の上縁と前記ケースの天板部の裏面との間に前記回転子を上下動可能に収容する空間を備え、該空間の高さ方向の寸法は前記回転子の高さよりも小さいことを特徴とする。
さらに、本発明に係るディスク装置は、前記支持部材が、その両側部において上方に向かって立ち上がるように形成された折り曲げ部を備え、ディスク装置組み立て時において、該折り曲げ部の上縁が前記ケースの天板の裏面と当接することを特徴とする。
さらに、本発明に係るディスク装置は、前記ディスククランパは、前記ターンテーブルの吸着時に前記回転子と前記ターンテーブルとの回転中心を一致させる中心合わせ手段を有する。
本発明の上述したまたはそれ以外の目的、構成および効果は、添付図面を参照して行う以下の好適実施形態の説明からより明らかとなるであろう。
本発明のディスク装置は、特に、ディスククランパの構造が簡単であり、その組み立てや取り付け作業も容易である。すなわち、本発明のディスククランパは、ターンテーブルが上下動可能に搭載されたシャーシの左右側壁部の上部に設けた取り付け部にクランパ支持部材を固定することにより、回転子(クランパ)とターンテーブルが同一部品(シャーシ)上に設けられるため、回転子をターンテーブルの回転軸に一致させるための位置合わせが容易に行え、ディスク装置の製造工程と構造が簡素化でき、組み立てや取り付けが容易に行える。また、従来のような、製造に手間がかかる切削部品であるカシメピンや特殊なクランパネジが不要となり、製造コストも安価となる。
特に、本発明のディスク装置は、ディスクトレイ、ディスククランパおよび回路基板組立体が一体に設けられた機構組立体を、ケースと底板とフロントベゼルからなる筐体に収容する構成としたため、ディスク装置全体の組立や各部品の取り付け作業が容易となり、ディスク装置の構造が簡素化される。
さらに、支持部材の開口の上縁とケースの天板部の裏面との間に回転子を上下動可能に収容する空間を備え、天板部の裏面に回転子の上方向への移動を規制する機能を持たせることにより、部品点数を減少させ、組み立て容易性を確保することにより、製造コストの低減を図ることができる。
さらに、支持部材が、その両側部において上方に向かって立ち上がるように形成された折り曲げ部を備え、ディスク装置組み立て時において、折り曲げ部の上縁がケースの天板の裏面と当接するようになっている。このため、組立工程においてケースを取付ける際に、天板の裏面が回転子に接触することが防止され、回転子が開口から外れた状態で組みつけられたり、回転子が支持部材と天板との間に挟まれて生じる損傷を防止することができる。
回転子とターンテーブルとの回転中心を一致させる中心合わせ手段を設けた場合には、ディスク回転時のズレや偏心を防止することができる。
以下、本発明のディスククランパおよびこれを備えたディスク装置を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のディスク装置の実施例を示す分解斜視図、図2は、図1に示すディスク装置の平面図、図3は、図1に示すディスク装置におけるカムホイールの構成を示す斜視図、図4は、図1に示すディスク装置におけるディスクトレイの裏面の構成を示す底面図、図5および図6は、それぞれ、図1に示すディスク装置の断面側面図、図7は、図1に示すディスク装置に搭載された本発明のディスククランパの断面側面図である。
図1に示すように、本発明のディスク装置1Aは、CD−ROM等の光ディスク3を再生する装置であって、主に、装置本体2と、該装置本体2に対し、前後方向(水平方向)に移動し、出し入れされる光ディスク搬送用のディスクトレイ4とから構成されている。
装置本体2は、底板11と、該底板11の上部に設けられたメイン回路基板組立体12と、該メイン回路基板組立体12の上部に設けられた機構組立体13と、該機構組立体13のシャーシ20に取り付けられた本発明のディスククランパ5と、機構組立体13の上側を覆うケース14とから構成されている。
ケース14は、天板部14aと、左右の側板部14b、14cと、背板部14dと、前板部14eとを有する。天板部14aの内側(装置内部側)には、ディスククランパ5が設置され、後述するようにディスククランパ5の回転子60の上方向への移動を規制する。
前板部14eには、前記ディスクトレイ4が通る細幅の開口141eが形成されている。この前板部14eには、スポンジ製等のクッション材よりなる枠15を介してフロントベゼル16が取り付けられている。フロントベゼル16にも、前記ディスクトレイ4が出し入れされる細幅の開口16aが形成されている。
機構組立体13は、略器形状のシャーシ20を有している。このシャーシ20は、長方形の略板状の底部20aと、該底部20aの左右および後方縁部に沿ってコ字状に立設された壁部20bとから構成されている。シャーシ20のフロントベゼル16側には、壁部は形成されておらず、開放された状態になっており、ケース14に組み込まれた際に、前記開口141eが位置するようになっている。
また、シャーシ20の左右側の壁部20bには、それぞれ、後述する支持部材50を取り付ける取り付け部20cが形成されている。
このシャーシ20には、機構ユニット22と上下動機構30とが設けられている。このうち、機構ユニット22は、シャーシ20の底部20aに形成された凹没空間21の中央部付近に収まるように配設されており、また上下動機構30は、凹没空間21の前方に収まるように配設されている。
機構ユニット22は、ベース23を有し、該ベース23には、ターンテーブル回転用のスピンドルモータ25と、該スピンドルモータ25の回転軸251に固定されたターンテーブル26と、光学ヘッド(アクチュエータを含む)24と、該光学ヘッド27を光ディスク3の半径方向に移動する光学ヘッド移動機構28とが搭載されている。
ターンテーブル26は、円盤状の部材であって、その全部または一部は、ディスククランパ5の永久磁石65により吸着し得る金属(強磁性体)で構成されている。ターンテーブル26の中心部には、後述する回転子本体61の底部に形成された嵌合溝63に嵌合するリング状突部よりなるセンタハブ部26aが形成されている。このようなターンテーブル26とそれを回転するスピンドルモータ25とで、光ディスク3を回転駆動するディスク回転駆動手段が構成される。
光学ヘッド27は、光ディスク3からの反射光をミラー等でほぼ直角に屈曲して受光素子へ導く構成の横型の光学ヘッドである。
図2に示すように、光学ヘッド移動機構28は、正転/逆転可能なモータ28aと、該モータ28aの駆動により回転するリードスクリュー28bと、モータ28aの回転を減速してリードスクリュー28bへ伝達する減速歯車列28cと、リードスクリュー28bの螺旋状溝に係合する係合部材28dを備えたスライダ28eと、該スライダ28eの移動方向を規制するガイド棒28gと、光学ヘッド27を搭載し、スライダ28eと一体的に形成された載置台28fとで構成されている。リードスクリュー28bおよびガイド棒28gは、それぞれ、その長手方向がディスク装置1Aの前後方向となるように配置されている。
このような光学ヘッド移動機構28においては、リードスクリュー28bの螺旋状溝に係合部材28dが係合していることから、モータ28aの駆動によりリードスクリュー28bが所定方向に回転すると、スライダ28eがガイド棒28gに沿ってディスク装置1Aの前後方向に移動し、これにより、載置台28fに固定された光学ヘッド27が、ディスクトレイ4上に載置された光ディスク3の半径方向に移動する。
なお、スピンドルモータ25、モータ28aおよび後述するモータ31の駆動は、メイン回路基板組立体12に設けられた図示しない制御手段(CPU)により制御される。
ベース23は、その後方(装置本体2の奥部側)端部が弾性体(ゴム等)からなるインシュレータ29aを介して、シャーシ20に支持されており、該インシュレータ29aの設置箇所を中心にゴムの弾性変形の範囲であらゆる方向に変位可能になっている。
上下動機構30は、シャーシ20上の前方側部に設けられた正転/逆転可能なモータ31と、該モータ31の回転を減速して伝える減速機構32と、該減速機構32を介して回転させられるカムホイール(昇降ギヤ部材)33と、該カムホイール33の回転に伴って変位(回動)するベース昇降部材35とから構成されている。
減速機構32は、モータ31の回転軸先端に固定されたほぼ円錐台状のローラ32aと、上部にローラ32aの外周円錐面と密着する笠状のゴムシートを有するホイール32bと、該ホイール32bの下部に設けられたピニオンギヤ(図示せず)に噛合する大ギヤ32cと、大ギヤ32cの上部に同軸で固定された小ギヤ32dとで構成されている。モータ31の回転は、この減速機構32により所定の減速比で減速されてカムホイール33に伝達される。
図3に示すように、カムホイール33は、前記減速機構32の小ギヤ32dと噛合する下側ギヤ33aと、ディスクトレイ4の裏面(下面)に前後方向に沿って形成されたラックギヤ4bと噛合する上側ギヤ33bとを有している。また、両ギヤ33a、33b間の軸部外周には、円周方向に沿ってカム溝34が形成されている。このカム溝34は、両ギヤ33a、33bの中間に形成されたフランジ331と下側ギヤ33aとの間に形成された下側カム溝34aと、フランジ331と上側ギヤ33bとの間に形成された上側カム溝34bと、両カム溝34a、34bを連結する傾斜カム溝34cとで構成されている。この場合、上側カム溝34bは、カムホイール33のほぼ全周に渡って形成されており、下側カム溝34aは、カムホイール33の中心角が10〜45°程度の角度範囲で形成されている。
一方、ベース昇降部材35は、図2に示されているように、カムホイール33とベース23との間に位置している。このベース昇降部材35は、ほぼ平行に配置された一対のアーム35a、35bとそれらの端部同士を連結する連結部35cとを一体的に形成してなるもので、全体として略C字状をなしている。連結部35cの両端部には、それぞれ、軸35d、35eが突出形成されており、これらの軸35d、35eは、シャーシ20に回動可能に支持されている。そのため、このベース昇降部材35は、軸35d、35eを中心に回動し、これに伴ってアーム35a、35bも軸35d、35eを中心に回動する。
また、このベース昇降部材35には、アーム35a、35bの延出側と反対側に、カムホイール33のカム溝34に係合する突起状のフォロアー(従動部材)36が突出形成されている。図3に示すように、フォロアー36の先端には、球体361が形成され、該球体361がカム溝34内に挿入され、カムホイール33の回転に伴って、カム溝34内を摺動する。
フォロアー36が上側カム溝34bと係合している状態では、アーム35a、35bは、軸35d、35eを中心として下側に回動した位置にあり、一方カムホイール33の回転に伴ってフォロアー36が傾斜カム溝34cを経て下側カム溝34aに係合すると、アーム35a、35bは、軸35d、35eを中心として上側に回動した位置へ移動する。
以上のように構成されたベース昇降部材35のアーム35a、35bには、ベース23の前方両側部に形成された連結部に取り付けられたインシュレータ29b、29cがそれぞれ連結されている。そのため、ベース23は、カムホイール33の回転に伴うベース昇降部材35のアーム35a、35bの上下動に伴い、装置本体2の奥部側にあるインシュレータ29aの位置を中心として、その前方部分が上側位置と下側位置との間で上下動する。
なお、ディスク装置1Aは、ベース23が3個のインシュレータ29a、29b、29cを介してシャーシ20に支持された構造となっているので、シャーシ20からベース23に伝わる振動の影響を極力少なくすることができる。
ディスクトレイ4は、図1に示すように、浅い凹状のディスク載置部4aを有しており、光ディスク3は、該ディスク載置部4a上に載置され、所望に位置規制された状態で搬送される。
図4に示すように、ディスクトレイ4の裏面には、カムホイール33の上側ギヤ33bと噛合するラックギヤ4bが形成されている。これにより、ディスクトレイ4は、カムホイール33の回転に伴い、シャーシ20に対し前後方向に、光ディスクの装填位置と光ディスクの排出位置との間を移動する。そして、光ディスク3のローディング操作では、カムホイール33が図2中時計回りに回転し、それによりディスクトレイ4が後方に移動し、光ディスク3が装置本体2内に運び込まれる。
さて、シャーシ20の上部には、ディスククランパ5が設置されている。このディスククランパ5は、上方に向かって開口したコの字型断面を備えた板状の支持部材50と、該支持部材50に回転可能に支持される回転子60とで構成されている。
支持部材50は、その両端をそれぞれシャーシ20の取り付け部20cにボス(またはリベット)で止めることにより、シャーシ20の上部に横方向に架設されている。この支持部材50のほぼ中央部には、円形の開口51が形成されている。また、支持部材50の両側部には、開口51とケース14の天板部14aの裏面との距離を一定に保つための折り曲げ部52が上方に向かって立ち上がるように形成されている。
一方、回転子60は、図7に示すように、有底の扁平なドラム状の回転子本体61と、該回転子本体61の内部に収納されたリング状の永久磁石65と、該永久磁石65の上面(ターンテーブル26と反対側の面)に設置されたバックヨーク66とで構成されている。
回転子本体61の上部外周には、開口51の縁部53に係合する鍔状のリブ62が形成されている。回転子本体61の底部下面には、回転子60とターンテーブル26との中心合わせを行う中心合わせ手段として、ターンテーブル26のセンタハブ26aが嵌合する嵌合溝63がリング状に形成されている。これにより、ターンテーブル26の吸着時に、回転子60とターンテーブル26との中心合わせを容易かつ確実に行うことができ、回転時の偏心を防止することができる。
なお、嵌合溝63の断面形状は、センタハブ26aとの嵌合を容易かつ確実になすために、V字状をなしている。
バックヨーク66は、永久磁石65の外径とほぼ同一の直径を有する金属製の円盤で構成され、その所定位置には、複数の孔67が形成されている。
また、回転子本体61の中央付近には、バックヨーク66の各孔67にそれぞれ挿通されるフック部材(係合手段)64が上方へ向けて突出形成されている。各フック部材64の先端に形成された爪部641は、バックヨーク66の上面に係合し、これにより、バックヨーク66および永久磁石65が回転子本体61に対し固定される。このようなフック部材(係合手段)64を設けることにより、バックヨーク66および永久磁石65を回転子本体61に対し接着、ネジ止め等により固定する必要がなく、回転子60の組み立てが容易となる。
このようなディスククランパ5において、回転子本体61の開口51内に位置する部分の外径をD1 、開口51の直径をD2 、リブ62の外径をD3 としたとき(図7参照)、それらは、D1 <D2 <D3 なる関係を満足するのが好ましい。これにより、回転子60が支持部材50から離脱することなく、かつ開口51内で所定の遊びをもって円滑に回転することができる。
なお、D1 は、ターンテーブル26の外径とほぼ等しいかまたはそれより若干大きい程度とするのが好ましい。
ディスククランパ5の組み立ては、支持部材50を取り付け部20cにおいてシャーシ20に固定し、一方、回転子本体61内に永久磁石65とバックヨーク66とを挿入し、これらをフック部材64により回転子本体61に対し固定して回転子60を組み立て、この回転子60を底部(下端部)側から支持部材50の開口51内に挿入し、開口51からディスク装置内部側へ突出させる。このように、ディスククランパ5の組み立ては、極めて容易かつ短時間で行うことができる。
さらに、ディスク装置の組み立て完成時において、図7に示すように、支持部材50の両折り曲げ部52の上縁は、ケース14の天板部14aの裏面と当接する。この折り曲げ部52の上縁と天板部14aの裏面との当接により、開口51の上縁(支持部材50の上面)とケース14の天板部14aの裏面との距離が一定に保たれ、その間にディスククランパ5の回転子60を上下動可能に収容する空間を確保することができる。
この空間の高さ方向の寸法は、図7に示すように、回転子60の高さよりも小さい。即ち、回転子60が上方向に移動した場合でも、回転子60が開口51から離脱しない距離に設定されている。このため、天板部14aの裏面は、回転子60の上方向への移動を規制する手段として機能する。換言すれば、ディスクの記録・再生時にターンテーブル26が上昇し、回転子60と吸着した際に、回転子60が天板の裏面に当接しない距離に設定されている。そのため、回転子60がディスクの回転の妨げにならず、また回転子60の開口51からの離脱も防止できる。
この構成により、回転子60が開口51から上方向へ離脱することを防止するためのフランジ等を回転子60に付設する必要がない。また、天板部14aの裏面に回転子60を下方へ付勢するための付勢手段や、回転子60の脱落を防止するための部材を独立して設ける必要がない。このため部品点数を減少し、組み立て容易性を確保することにより、製造コストの低減を図ることができる。
さらに、折り曲げ部は、組立工程における回転子の保護ガードとしての機能を備えている。即ち、折り曲げ部の上縁がケースの天板の裏面と当接するため、組立工程においてケースを取り付ける際に天板の裏面が回転子に接触することを阻止する。この接触により回転子が開口から外れ、その状態でケースの組み付け作業が行われることを防止することができる。
このような構成のディスククランパ5では、回転子60の永久磁石65の寸法、磁気特性等の設計の幅が広く、特に強力な永久磁石65を用いることもできるので、光ディスク3の挟持力を増大することができ、4倍速等のディスク回転速度の高速化に十分対応することができる。
また、永久磁石65がディスククランパ5の回転子60に内蔵されているため、ターンテーブル26に永久磁石を設置する必要がなく、ターンテーブル26の構成を簡素化することができる。
さらに、ケース14の天板部14aに、前述した従来技術のような絞り部141aおよび孔141bを設ける必要がなくなり、ディスク装置の製造が容易となる。
また、ディスク装置1Aは、光ディスク3を回転駆動し再生を行っている最中に停電が生じ、光ディスク3の回転が停止したときに、手動でディスクトレイ4を移動し、光ディスク3を排出し得る非常排出機構40を有している。
この非常排出機構40は、シャーシ20の前方部分に回転可能に支持された軸41と、該軸41の一端に固定されたほぼ円錐台状のローラ42と、軸41を装置前方側へ付勢する板バネ43とで構成されている。
通常は、板バネ43の付勢力により軸41が装置前方側へ移動し、軸41の他端が装置の前面に突出するとともに、ローラ42は、前記ホイール32bと非接触の状態にある。なお、軸41の前方側突出端には、ドライバー(図示せず)が挿入される一文字状の溝が形成されている。
ドライバーを用い、板バネ43の付勢力に抗して軸41を押し込むと、これに伴ってローラ42が後方へ移動し、その外周円錐面がホイール32bの上部のゴムシート(円錐面)に圧着される。この状態を維持しつつ、ドライバーにより軸41を所定方向に手動で回転すると、ホイール32bが図2中反時計回りに回転し、カムホイール33が同方向回転し、ディスクトレイ4が前方へ移動する。ディスクトレイ4の前方端部を手で把持して引き出すことにより、それに載置された光ディスク3を取り出すことができる。
以上述べたように、本発明にかかるディスク装置では、ディスクトレイ、ディスククランパおよび回路基板組立体が一体に設けられた機構組立体を、ケースと底板とフロントベゼルからなる筐体に収容する構成としたため、ディスク装置全体の組立や各部品の取り付け作業が容易となり、ディスク装置の構造が簡素化される。
次に、ディスク装置1Aの作用について説明する。
ディスク装置1Aの非使用時には、空のディスクトレイ4は、装置本体2内に収納された状態(ディスク装填位置)にある。
この状態でイジェクト操作を行うと、モータ31が所定方向に回転し、減速機構32を介してカムホイール33が図2中反時計回りに回転する。このカムホイール33の回転により、上側ギヤ33bとディスクトレイ4の裏面のラックギヤ4bとが噛合していることから、ディスクトレイ4は、前方へ移動し、開口141e、16aを通過して、装置本体2から外側に突出した位置(ディスク排出位置)まで移動する。
また同時に、下側カム溝34aに位置していた前記ベース昇降部材35のフォロアー36が傾斜カム溝34cを上り、上側カム溝34bへ移動する。これにより、フォロアー36が上方へ変位し、ベース昇降部材35が軸35d、35eを中心に回動し、アーム35a、35bが下方へ揺動する。このアーム35a、35bの揺動に伴い、各アームに連結されたインシュレータ29b、29cを介して、ベース23の前方部分がインシュレータ29aの位置を中心として回動し、機構ユニット22が下降位置へ移動する。そして、機構ユニット22に搭載されたターンテーブル26も、下降位置へ移動し、回転子60から所定距離離間する。
またこのとき、図5に示すように、ディスククランパ5の回転子60は、リブ62が支持部材50の縁部53に係合し、回転子60の底部(下端部)が開口51から機構ユニット22側へ突出した状態となっている。
引き出されているディスクトレイ4のディスク載置部4aに光ディスク3を載置し、ローディング操作を行うと、モータ31が前記と逆方向に回転し、減速機構32を介してカムホイール33が図2中時計回りに回転(逆回転)する。これに伴い、ディスクトレイ4が後方へ移動し、開口141e、16aを通過して、前記ディスク装填位置まで移動する。これにより、ディスクトレイ4上に位置決めされた状態で載置された光ディスク3も、装置本体2内のディスク装填位置へ搬送される。
また、前記カムホイール33の逆回転が開始されると、前記ベース昇降部材35のフォロアー36が上側カム溝34bに沿って移動し、光ディスク3の中心がターンテーブル26のセンタハブ部26aに接近したとき、該フォロアー36が傾斜カム溝34cを下り、下側カム溝34aへ移動する。これにより、フォロアー36が下方へ変位し、ベース昇降部材35が軸35d、35eを中心に回動し、アーム35a、35bが上方へ揺動する。このアーム35a、35bの揺動に伴い、各アームに連結されたインシュレータ29b、29cを介して、ベース23の前方部分がインシュレータ29aの位置を中心として回動し、下降位置から上昇位置へ持ち上げられ、機構ユニット22はほぼ水平状態となる。
これにより、ターンテーブル26のセンタハブ部26aが光ディスク3の中心孔3aに嵌合し、ターンテーブル26が光ディスク3の中心部分を支持して持ち上げる。
またこれに伴い、図6および図7に示すように、ディスククランパ5の回転子60が、内蔵された永久磁石65によりターンテーブル26を磁気的に吸着する。これにより、回転子60とターンテーブル26との間に光ディスク3の中心部が挟持される。このとき、嵌合溝63とセンタハブ部26aとが嵌合し、回転子60とターンテーブル26との中心が一致する。
以上のようにして光ディスク3がディスク装填位置に装着されると、続いてスピンドルモータ25が作動し、回転子60とターンテーブル26との間に挟持された光ディスク3が一定の速度で回転する。また、光学ヘッド27は、光学ヘッド移動機構28により所定の位置に移動され、トラッキグ制御およびフォーカス制御がなされつつ光ディスク3の記録面に対し投光・受光を行って、光ディスク3に記録された情報を再生する。
再生を中止し、イジェクト操作を行うと、ディスク装置1Aの各機構が上述したイジェクト操作と同様に作動し、光ディスク3は、回転子60およびターンテーブル26によるクランプが解除され、ディスクトレイ4に載って排出される。
以上、本発明のディスク装置を図示の実施例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、ディスククランパにおいて、回転子に設置される永久磁石は、円盤状、棒状のものであってもよく、また、複数の永久磁石を設置してもよい。そして、ヨークの形状も、図示のごとき円盤状に限定されない。さらには、永久磁石が回転子の底面に露出している構成であってもよい。
本発明のディスク装置の実施例を示す分解斜視図である。 図1に示すディスク装置の平面図である。 図1に示すディスク装置におけるカムホイールの構成を示す斜視図である。 図1に示すディスク装置におけるディスクトレイの裏面の構成を示す底面図である。 図1に示すディスク装置の光ディスク排出時における断面側面図である。 図1に示すディスク装置の光ディスク再生時における断面側面図である。 本発明のディスク装置におけるディスククランパの構成例を示す断面側面図である。 従来のディスク装置の断面側面図である。
符号の説明
1A、1B ディスク装置
2 装置本体
3 光ディスク
3a 中心孔
4 ディスクトレイ
4a ディスク載置部
4b ラックギヤ
5 ディスククランパ
11 底板
12 メイン回路基板組立体
13 機構組立体
14 ケース
14a 天板部
141a 絞り部
141b 孔
14b、14c 側板部
14d 背板部
14e 前板部
141e 開口
15 枠
16 フロントベゼル
16a 開口
20 シャーシ
20a 底部
20b 壁部
20c 取り付け部
21 凹没空間
22 機構ユニット
23 ベース
25 スピンドルモータ
251 回転軸
26 ターンテーブル
26a センタハブ
27 光学ヘッド
28 光学ヘッド移動機構
28a モータ
28b リードスクリュー
28c 減速歯車列
28d 係合部材
28e スライダ
28f 載置台
28g ガイド棒
29a、29b、29c インシュレータ
30 上下動機構
31 モータ
32 減速機構
32a ローラ
32b ホイール
32c 大ギヤ
32d 小ギヤ
33 カムホイール
331 フランジ
34a 下側カム溝
34b 上側カム溝
34c 傾斜カム溝
35 ベース昇降部材
35a、35b アーム
35c 連結部
35d、35e 軸
36 フォロアー
361 球体
38 ディスククランパ
381 クランプ用円盤
382 板金
383 樹脂モールド部
384 カシメピン
385 カシメネジ
40 非常排出機構
41 軸
42 ローラ
43 板バネ
50 支持部材
51 開口
52 折り曲げ部
53 縁部
60 回転子
61 回転子本体
62 リブ
63 嵌合溝
64 フック部材
641 爪部
65 永久磁石
66 バックヨーク
67 孔

Claims (4)

  1. 底板と、該底板の上部に設けられたメイン回路基板組立体と、該メイン回路基板組立体の上部に設けられ、シャーシを備えた機構組立体と、該機構組立体のシャーシに取り付けられたディスククランパと、該機構組立体に前後方向に摺動可能に設けられたディスクトレイと、前記機構組立体の上側を覆うケースと、前記機構組立体の前面を覆うように前記底板およびケースに取り付けられたフロントベゼルと、を備えたディスク装置であって、
    前記シャーシは左右および後方縁部に沿ってコの字状に立設された壁部から構成されると共に、前記シャーシに対し上下動可能に搭載されたターンテーブルを備えたディスク回転駆動手段とを有し、
    前記ディスククランパは、前記シャーシの左右側壁部の上部に前記ターンテーブルの両側に位置するように設けられた取り付け部の間に架設され、開口が形成された板状の支持部材と、該支持部材に対し回転可能に設けられた回転子とを備え、
    前記支持部材は、その両端が前記取り付け部に固定されており、前記回転子は、前記開口内に位置し、その下部が該開口からディスク装置内部側へ突出している有底の扁平ドラム状の回転子本体と、該回転子本体の上部外周に設けられ、前記支持部材の開口の縁部において該支持部材上面と係合するリブとを有してなり、
    ディスクを再生する際は、前記ターンテーブルが上昇し、前記回転子本体の底部と前記ターンテーブルとが吸着してそれらの間で該ディスクを挟持するとともに、前記リブが前記支持部材の上面から離反するよう構成したことを特徴とするディスク装置。
  2. 前記開口は円形の開口であり、前記回転子本体の外径より大きく、前記リブの外径より小さい直径を有し、
    前記ディスク装置は、前記支持部材の前記開口の上縁と前記ケースの天板部の裏面との間に前記回転子を上下動可能に収容する空間を備え、
    該空間の高さ方向の寸法は前記回転子の高さよりも小さく、かつターンテーブルと回転子が吸着した時、回転子の上面と天板の裏面が当接しない高さであることを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
  3. 前記支持部材は、その両側部において上方に向かって立ち上がるように形成された折り曲げ部を備え、ディスク装置組み立て時において、該折り曲げ部の上縁が前記ケースの天板の裏面と当接することを特徴とする請求項2に記載のディスク装置。
  4. 前記ディスククランパは、前記ターンテーブルの吸着時に前記回転子と前記ターンテーブルとの回転中心を一致させる中心合わせ手段を有する請求項1または請求項2に記載のディスク装置。
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