JP2005031909A - 紙葉類検出装置、紙葉類判別装置及び紙葉類判別方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】紙葉類の高速搬送を可能とする紙葉類検査装置を提供する。
【解決手段】券22を搬送路に沿って挟持搬送する一対の搬送ベルト対42,42と、この一対の搬送ベルト対42,42間に券22の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して配設され、搬送されくる券22を支持する一対の基準ローラ21,21と、この一対の基準ローラ21,21に搬送路を介して当接され、券22を基準ローラ21,21に押し付ける一対のピンチローラ24,24と、一対の基準ローラ21,21間に設けられ、一対の搬送ベルト対42,42によって挟持搬送される券22が通過することにより、その通過方向と直交する方向に移動するセンサローラ26と、券22がセンサローラ26を通過することに基づくセンサローラ26の移動位置、若しくは券22の表面位置を検出する位置検出センサ29とを具備する。
【選択図】 図5
【解決手段】券22を搬送路に沿って挟持搬送する一対の搬送ベルト対42,42と、この一対の搬送ベルト対42,42間に券22の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して配設され、搬送されくる券22を支持する一対の基準ローラ21,21と、この一対の基準ローラ21,21に搬送路を介して当接され、券22を基準ローラ21,21に押し付ける一対のピンチローラ24,24と、一対の基準ローラ21,21間に設けられ、一対の搬送ベルト対42,42によって挟持搬送される券22が通過することにより、その通過方向と直交する方向に移動するセンサローラ26と、券22がセンサローラ26を通過することに基づくセンサローラ26の移動位置、若しくは券22の表面位置を検出する位置検出センサ29とを具備する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば入金整理機に適用される紙葉類検出装置、判別装置及び判別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
入金整理機は、取込装置、判別装置、排除(リジェクト)券集積装置、集積装置、及びこれらに属さない機能を持った装置(スイッチバック装置、表裏反転装置、施封装置、裁断装置など)さらに、各装置間を結ぶ搬送路、各装置に紙葉類を振り分けるゲート等を有して構成される。
【0003】
取込装置にセットされた紙葉類としての紙幣(以下、券という)は、取込装置にて1枚ずつ分離して取込まれ、判別装置に送られてその行き先(排除券集積装置、集積装置、施封装置、裁断装置)や、搬送ルート(スイッチバック装置、表裏反転装置を通過させて券の表裏・天地反転を行うかどうかなど)が決定される。この決定後、各装置に券が搬送路、ゲート機構を通じて搬送され、各種処理が行われる。
【0004】
この入金整理機の判別装置においては、券の金種を判定した上で、真偽を判別したり、2枚以上の券が重なって搬送されるといった重送を検知したり、券の穴などの破損や、いたずら書きなどの券面の汚れなどを光学検知したりすることで正損を判別するなどして、真偽、正損を判別する。
【0005】
しかしながら、券の正損判別において、光学検知だけでは限界があり、券の疲労度といった、券のコシの強さ、シワの度合いなどから表現される券の状態を表す物性値については、十分に検出することができず、機械的な物性値から正損を判別する技術が必要となっている。
【0006】
機械的な物性値から券の正損を判別する方法として、券自体が有する反力に着目し、この反力を検出することから、券のコシの強さ(剛性)を検出するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特願2000−541639号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、券を搬送ローラ対により挟持搬送してセンサローラに送込んでいたため、搬送されてくる券が搬送面に対して突出している各ローラ(駆動ローラ、ピンチローラ)に衝突しながら搬送される恐れがあり、特に券を高速で搬送する場合は、券をベルト対により挟持搬送することにより安定する。
【0009】
また、従来においては、歪ゲージを用いて券がセンサローラの通過していないときの歪量を基準とした、券がセンサローラを通過しているときの歪量より券の反力を検出してその撓みを判別しているが、各紙葉類判別装置間におけるセンサの感度のばらつきに対してセンサのキャリブレーションが必要であった。
【0010】
本発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、紙葉類の安定した高速搬送を可能とする紙葉類検出装置及び判別装置を提供し、また、各紙葉類検出装置及び判別装置間におけるセンサの感度のばらつきに対してセンサのキャリブレーションを必要としない紙葉類判別方法を提供し、さらに人間の手触り感覚に近い感度で紙葉類の正損を判別できる紙葉類判別方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1記載のものは、紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して搬送方向に対して平行に配設される一対の搬送ベルト対を有し、この一対の搬送ベルト対により前記紙葉類を搬送路に沿って挟持搬送する搬送手段と、前記一対の搬送ベルト対間に紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して配設され、搬送されてくる紙葉類を支持する一対の基準ローラと、
この一対の基準ローラに前記搬送路を介して当接され、前記紙葉類を前記基準ローラに押し付ける一対の押圧ローラと、前記一対の基準ローラ間に設けられ、前記一対の搬送ベルト対によって挟持搬送される紙葉類が通過することにより、その通過方向と直交する方向に移動するセンサローラと、前記紙葉類が前記センサローラを通過することに基づく前記センサローラの移動位置、若しくは前記紙葉類の表面位置を検出する位置検出手段とを具備する。
【0012】
請求項3記載のものは、紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して搬送方向に対して平行に配設される一対の搬送ベルト対を有し、この一対の搬送ベルト対はそれぞれプーリに掛け渡されて湾曲され、この一対の搬送ベルト対により前記紙葉類を搬送路に沿って挟持搬送する搬送手段と、前記一対の搬送ベルト対の湾曲部間に前記紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して配設され、搬送されくる紙葉類を支持する一対の基準ローラと、この一対の基準ローラに前記搬送路を介して当接され前記紙葉類を前記基準ローラに押し付ける一対の押圧ローラと、前記一対の基準ローラ間に設けられ、前記一対の搬送ベルト対の湾曲部に沿って挟持搬送される紙葉類が通過することにより、その通過方向と直交する方向に移動するセンサローラと、前記紙葉類が前記センサローラを通過することに基づく前記センサローラの移動位置、若しくは前記紙葉類の表面位置を検出する位置検出手段とを具備する。
【0013】
請求項5記載のものは、紙葉類を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、前記紙葉類の搬送方向と直交する方向に所定間隔を存して配設され、前記搬送手段によって搬送される紙葉類を支持する一対の基準ローラと、この一対の基準ローラに前記搬送路を介して当接され紙葉類を前記一対の基準ローラに押し付ける一対の押圧ローラと、前記一対の基準ローラ間に設けられ、前記紙葉類が通過することにより、その通過方向と直交する方向に移動するセンサローラと、前記センサローラの移動位置、若しくは前記紙葉類の表面位置を検出する位置検出手段と、この位置検出手段の検出情報に基づいて前記紙葉類の状態について、絶対的な数値ではなく、その相対差異を表す指標を算出する算出手段と、この算出手段によって算出された指標のマッピングを形成し、このマッピングに予め付与した閾値若しくは判定基準に基づいて前記紙葉類の正損を判別する判別手段とを具備する。
【0014】
請求項11記載のものは、紙葉類を搬送路に沿って搬送する搬送工程と、この搬送工程によって搬送される紙葉類の状態を検出する検出工程と、この検出工程によって検出された検出情報に基づいて、前記紙葉類の状態について、絶対的な数値ではなく、相対差異を表す指標を算出する算出工程と、この算出工程によって算出された前記紙葉類の状態の相対差異を表す指標のマップを形成するマッピング工程と、このマッピング工程により形成したマップに、予め付与した平面的な正損の閾値に基づいて前記紙葉類の正損を判別する判別工程とを具備する。
【0015】
請求項12記載のものは、少なくとも2枚の基準紙葉類を搬送路に沿って搬送する第1の搬送工程と、この第1の搬送工程によって搬送される基準紙葉類の状態を検出する第1の検出工程と、この第1の検出工程によって検出された検出情報に基づいて、少なくとも2枚の基準紙葉類の相対差異データを算出する第1の算出工程と、この第1の算出工程で算出された少なくとも2枚の基準紙葉類の相対差異データからその差を算出し、この算出結果に基づいて前記データ集合群に対する絶対的な原点、絶対的なレンジを決定する決定工程と、この決定後、紙葉類を前記搬送路に沿って搬送する第2の搬送工程と、この第2の搬送工程によって搬送される紙葉類の状態を検出する第2の検出工程と、この第2の検出工程によって検出された検出情報に基づいて、前記紙葉類の状態の相対差異を表す任意の指標のデータ集合群を求める第2の算出工程と、この第2の算出工程によって算出された前記紙葉類の状態の相対差異を表す指標のマップを形成するマッピング工程と、この決定工程により決定された絶対座標を予め前記マップに付与し、このマップに付与した絶対座標上で予め付与した正損の閾値に基づき前記紙葉類の正損を判別する判別工程とを具備する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である現金処理装置を示す概念図である。
現金処理装置1は、取出部2、判別部(判別手段)3、RJ(リジェクト)集積部4、集積部5を備えるとともに、これらを繋ぐ搬送路6、さらに、券の進路を振り分けるゲート7などを有して構成される。
【0017】
取出部2は、紙葉類としての券を分離して取り出し判別部(判別手段)3へ送込むものである。
判別部3は、券の金種を判定した上で、その真偽を判別したり、2枚以上の券が重なって搬送されるといった重送を検知する。さらに、判別部3は、券の穴などの破損や、いたずら書きなどの券面の汚れなどを光学的に検知して正損を判別したり、機械的な物性値から正損を判別して正損を判別する。
【0018】
ゲート7は、判別部3の判別結果によって、券を振り分けるもので、券が偽券や、損券などリジェクト(排除)対象であれば、RJ(リジェクト)集積部4に送り、偽券や損券などでない券は、集積部5に送って各種類、分類ごとに分けて集積させる。
【0019】
図2は、上記した取出部2から判別部3までを示す概略図である。
取出部2で分離して取り込まれた券は、搬送路6の一部としての判別部前搬送部11を通って判別部3に搬送される。
判別部3には、各種検知センサ(装置)と共に、検出装置としての紙質検知センサ(算出手段)12が設けられ、各種検知センサ(装置)を通った券は、搬送路6によって、後行程へと送られていく。この判別部3における、紙質検知センサ12を含む各種検知センサ(装置)に券が到達したことを検知するのには、判別部前搬送部11にトリガーセンサ(光学式センサ)13を設け、ここを券が通過したことによる信号を判別部3に送ることにより、各種検知センサの検知タイミングを図るものとする。
【0020】
この実施例においては、判別部前搬送部11はベルト挟持搬送路、判別部3はローラ挟持搬送路、判別部3以降はベルト挟持搬送路になっている。
図3(a)〜(c)は、紙質検知センサ12の第1の例を示すものである。
【0021】
紙質検知センサ12は、券22の搬送方向と直交する方向に所定間隔を存して1個以上配設され、駆動ローラとして駆動される一対の基準ローラ21を有している。基準ローラ21,21の下部側には押圧ローラとしてのピンチローラ24,24が当接されている。ピンチローラ24,24はバネ23,23によって基準ローラ21,21に向かって付勢されている。
【0022】
基準ローラ21,21間にはセンサローラ26が設けられ、このセンサローラ26は支持部材26aに支持されている。支持部材26aはバネ25により下方に付勢され、センサローラ26は搬送面に対してオーバラップされている。
【0023】
また、支持部材26aの側面部にはマグネット27が設けられている。マグネット27の近傍には磁気抵抗素子28が設けられている。これらマグネット27と磁気抵抗素子28とにより、センサローラ26が移動したときの位置情報を検出する位置検出センサ29が構成されている。
【0024】
搬送されてくる券22がピンチローラ24とセンサローラ26との間に導入されると、ピンチローラ24とセンサローラ26とがそれぞれ移動され、センサローラ26の位置が位置検出手段としての位置検出センサ29によって検出されるようになっている。
【0025】
図4は、紙質検知センサ12の第2の例を示すものである。
第1の例で示した部分と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の例では、一対の基準ローラ21,21間にオーバラップローラ31を有し、このオーバラップローラ31の位置を検出するための位置検出センサは有していない。その代りに、搬送面の反対面側に券22の表面の位置情報を検出するための位置検出手段としてのレーザー変位計32を有した構成となっている。
【0026】
図5(a)〜(c)は、紙質検知センサ12の第3の例を示すものである。
この第3の例では、券22の搬送方向と直交する方向に所定間隔を存して平行に配設される一対の搬送ベルト対42を有している。これら一対の搬送ベルト対42は、重合される上下の搬送ベルト42a,42bを有し、これら上下の搬送ベルト42a,42bにより券22を挟持搬送する。
【0027】
一対の搬送ベルト対42,42はそれぞれプーリ41,41に掛け渡されて湾曲され、この湾曲部間に、一対の基準ローラ21、21、及びピンチローラ24,24、さらにセンサローラ26が設けられている。
この第3の例では、一対の搬送ベルト対42,42によって券22を挟持搬送して一対の基準ローラ21、21とピンチローラ24,24との間に送り込むため、ローラ挟持搬送路におけるローラ間の受け渡しの場合におけるような、搬送されてくる券が搬送面に対して突出している各ローラ(駆動ローラ、ピンチローラ)に衝突しながら搬送されるおそれが減り、券22の搬送速度を高速化しても安定した紙質検知が可能となる。
【0028】
また、一対の搬送ベルト対42,42の湾曲部の近傍に一対の基準ローラ21、21、及びピンチローラ24,24、さらにセンサローラ26を設けるため、券22は搬送ベルト対42,42の湾曲部に沿った状態でセンサローラ26のオーバーラップ部分に突入するため、その突入角度(例え11°)を小さくでき、突入の衝撃による振動を抑えることができる効果がある。
【0029】
なお、第1の例では、ローラ対によって券22を挟持搬送するため、センサローラ26のオーバーラップ部分に突入するときの券22の突入角度(例え21°)が大きくなり、突入の衝撃による振動を抑えることができない。
【0030】
図6(a),(b)は、紙質検知センサ12の第4の例である。
なお、第1の例と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第4の例では、券22の搬送方向と直交する方向に所定間隔を存して配設される一対の基準ローラとしての一対の搬送プーリ51,51を有し、これら一対の搬送プーリ51,51に一対の搬送ベルト対52,52が掛け渡されて湾曲されている。一対の搬送ベルト対52,52は重合される上下部の搬送ベルト52a,52bを有してなり、券22の搬送方向に沿って平行に配置されている。センサローラ26は一対の搬送プーリ51,51間に設けられて一対の搬送ベルト対52,52の湾曲部の近傍に位置されている。
【0031】
一対の搬送ベルト対52,52によって挟持搬送される券22はセンサローラ26に送込まれるが、このとき、一対の搬送ベルト対52,52の下側の搬送ベルト52b,52bが券22の厚み分だけ図で下方に逃げる構造になっている。
【0032】
また、センサローラ26のオーバーラップ量(1.5mm)は第1の例(0.5mm)に比べて大きくなっているが、搬送ベルト対52,52の湾曲部の近傍にあることから、券22は湾曲部に沿った状態でセンサローラ26のオーバーラップ部分に突入する。これにより、センサローラ26に対する券22の突入角度(19°)を第1の例(21°)と同程度にでき、突入の衝撃による振動を増加させないで、センサローラ26のオーバーラップ量を増やすことが可能である。
【0033】
図7(a),(b)は、紙質検知センサ12の第5の例を示すものである。
なお、第4の例と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0034】
第5の例では、センサローラ26の位置を検出するための位置検出センサは有しておらず、その代りに、搬送面の反対面側に券22の表面の位置情報を検出するためのレーザー変位計32を有した構成になっている。
つまりは、第5の例は、第2の例のように位置検出センサ29からレーザー変位計32に置き換えた構成になっている。
【0035】
この第5の例によっても、第4の例と同様に、券22の突入の衝撃による振動を増加させないで、センサローラ26のオーバーラップ量を増やすことが可能である。
【0036】
上記した各例1〜5において、位置検出センサ29は、「紙葉類の厚さ検知装置」(特開2000−90103)で説明されているものと同様の構造をもっているが、本発明では変位量を検出するのではなく、券22が紙質検知センサ12を通過中のセンサローラ26の位置情報のみを検出するものとする。
【0037】
また、位置検出センサ29は、磁気抵抗素子を用いた非接触式でなく、「紙葉類の厚さ検知装置」(特開2000−357254)のような、センサローラ26の位置情報を歪ゲージでレバーの歪量を測定することにより検出してもよい。
【0038】
さらに、各例1〜5におけるセンサローラ26、オーバラップローラ31は、一般的なミニチュアボールベアリングであっても良いし、或いは、券22の搬送を妨げない接触面の形状を持った回転しない構造物であっても良い。
【0039】
次に、図8〜図10を参照して、紙質検知センサ12の機能、アルゴリズムについて説明する。
図8は、位置検出センサの出力を示すものである。
ただし、本発明においては、波形の全区間の出力を検出するのではなく、後に述べるように、限定した区間の出力のみを検出する。これと同様な形状を持った出力例は、上記した各例1〜5の各構成における位置検出センサ29あるいはレーザー変位計32によっても観測されると考えられる。
【0040】
図8の出力の例は位置検出センサ29によるものであり、マグネット27が動いた位置に対応して検出される磁気抵抗素子の電気信号(電圧)を位置情報の代わりに出力として与えている。
ここで、実際の券の動作と図8の関係について説明する。
トリガーセンサ13を通過した券22は、一定時間後に紙質検知センサ12の搬送面にオーバーラップしているセンサローラ26に突入し、センサローラ26を持ち上げながら前進し、紙質検知センサ12を抜け出して通過する。
【0041】
ここで、図8において、券22がトリガーセンサ13を通過するタイミングがトリガータイミング71、その後一定時間後に券22がセンサローラ26に突入する時刻が券突入時刻72、券22がセンサローラ26から抜出す時刻が券抜出時刻73になっている。位置検出センサ29の出力は券が突入する瞬間である券突入時刻72に大きな衝撃を受けることで、大きく揺れ、次第にこれが収まることで安定領域74を持つことが予想される。
【0042】
本発明においては、位置検出センサ29によって、センサ出力収集開始時刻75からセンサ出力収集終了時刻76までの出力についてのみ検出するものとし、トリガータイミング71、券突入時刻72、券抜出時刻73などにおける出力は検出しないものとする。つまりは、トリガータイミング71からセンサ出力収集開始時刻75までとセンサ出力収集終了時刻76以降の出力は全く検出しない。このことより、位置検出センサ29は、トリガータイミング71、券突入時刻72、券抜出時刻73のいずれかにおける出力も検出していない。つまりは基準出力(基準位置)を検出していないことから、基準位置からの変位量、言い換えればセンサローラ26が受ける反力については検出することができない。
【0043】
以降の紙質判別にいたる過程においては、センサ出力収集開始時刻75からセンサ出力収集終了時刻76までに収集した出力の検出結果(電圧値)を、基準出力からの差分をとって変位量に変換するなどの手は一切加えず、そのままのの数値(電圧値)として使うものとする。(上記より、基準出力は検出できないため、差分も取れない。)
次に、券22の動作と、紙質検知センサ12の動作、機能との関係を説明する。
券22が搬送される過程で、券22の先端がトリガーセンサ13を通過するトリガータイミング71を基準にして、予め与えた一定時間(T1)後をセンサ出力収集開始時刻75とする。券22はトリガーセンサ13を通過してから一定時間(T0:トリガーセンサの位置で決定される)後にセンサローラ26あるいはオーバラップローラ31に突入し、センサ出力収集開始時刻75になったところで、位置検出センサ29あるいはレーザー変位計32によって、センサローラ26あるいはオーバラップローラ31の位置情報を電圧値として検出し、出力を収集する。
【0044】
その後、センサ出力収集開始時刻75から予め与えた一定時間後(T2)後をセンサ出力収集終了時刻76とし、センサ出力収集終了時刻76になったところで、出力の収集を終了する。
【0045】
なお、上記のセンサ出力収集過程は、券22が紙質検知センサ12の通過中に、センサローラ26あるいはオーバラップローラ31に券22が接触するまたは接触しないに関わらず、トリガータイミング71を基準にした上記のT1、T2に従って、センサ出力収集を行なうものとする。
【0046】
ここで、センサローラ26あるいはオーバラップローラ31に券22が接触しないとは、例えば、図9(a)に示すように、券22が極度のV字癖を持った状態で紙質検知センサ12に取り込まれた場合や、図9(b)に示すように、券22が2片に分裂した状態で紙質検知センサ12に取り込まれた場合などである。
【0047】
この場合、紙質検知センサ12のみでは“極度のV字癖”、“2片に分裂”といった状態を厳密に検知することはできず、厳密に検知するには他の検知手段が必要である。しかし、紙質検知センサ12における出力結果の電圧値が他の券に対して非常に低くなるため、後に記述する手段において、極端にコシの弱いと判定されて、極めて高い確率でリジェクト対象券として判定されることが予想される。
【0048】
紙質検知センサ12は、この電圧値出力の収集過程において、出力を単位微小時間に離散化したデジタルデータとして取出し、センサ出力収集開始時刻75からセンサ出力収集終了時刻76までの出力のデジタルデータ群を収集する。このデジタルデータ群は、図10の出力(位置情報)分布図に示すような分布になる。
【0049】
収集されたデジタルデータ群は、図10に示すように、券22の状態によって異なった平均値を中心にし、券22の状態によって異なったバラツキを持っているが、ピークあるいは平均値は券22のコシの強弱に強く関連し、バラツキは券22のシワの度合いに強く関連すると考えられる。
【0050】
そこで、得られたデジタルデータ群より、券22のコシの強弱を表す指標としてピークあるいは平均値を算出し、券22のシワの度合いを表す指標として標準偏差を算出する。
【0051】
ただし、収集したデジタルデータ群は、基準出力を含まないものであるから、各券22間の出力結果の差に対して、絶対的な基準(原点)、絶対的なレンジを与えることはできず、相対的な状態の順位付けしかできない。
【0052】
そこで、上記で算出したピークあるいは平均値をコシ相対差異度と呼び、標準偏差をシワ相対差異度と呼ぶ。
このようにして、紙質検知センサ12は、券22がセンサを通過中のセンサローラ26の位置情報あるいは券表面位置情報をデジタルデータ群として収集し、ピークあるいは平均値、標準偏差を求めることにより、券の状態について状態の相対差異を表すコシ相対差異度、シワ相対差異度を算出する。
【0053】
次に、図11〜図16を参照して、券22の正損判別のアルゴリズムについて説明する。
図11は、券22の状態を表す指標の2次元マッピングを示すものである。
【0054】
券22の正損判別を行なうにあたり、まず、上記で得られた、券22の状態について状態の相対差異を表すコシ相対差異度、シワ相対差異度を2次元的にマッピングする。
【0055】
図12は、2次元マッピングに対する正損判別基準を示す第1の例である。
図11の2次元マッピングにおいて、マップの左へ行くほどコシが弱く、マップの上へ行くほどシワが多いので、図12のように、コシ相対差異度、シワ相対差異度に予め閾値を与え、コシの弱い券、シワの多い券を損券として判定するような判定基準によって正損判別を行なう。
【0056】
コシ相対差異度、シワ相対差異度に対する閾値は、どの程度の状態の券までを良券あるいは損券にするかによって、その都度、状況に応じて変更すればよい。
【0057】
また、図13は、正損判別基準を示す第2の例である。
コシ相対差異度、シワ相対差異度に独立した閾値を与えるのではない判定基準を用いても良い。
【0058】
図14は、券の正損判別結果を示すものである。
図11の2次元マッピングに対して、図12のようにある閾値を予め与えることにより正損判別し、良券と損券を分類している。
【0059】
図15は、2次元マッピングと官能評価結果の関係を示すものである。
【0060】
ここでは、120枚の評価媒体(券)を用意し、紙質判別装置に流して2次元マッピングしたものに対し、同じ評価媒体を10人の評価者によって、120枚中損券に該当するものから30枚を抽出するといった官能評価を行なった結果との関係を示したものである。
【0061】
図15では、120枚の券のうち、損券と判定された人数の多い券から30枚までを損券(黒丸)とし、それ以外を良券(白丸)としている。この結果と、図14とを比べることにより、上記の手段によって、より人間の手触り感覚に近い感覚で、券の正損判別を行なうことが可能なことが分かる。
【0062】
ここで、シワの状態を表す量の算出方法において、収集データに対してその振幅も見るといった算出方法も考えられるが、本発明での、収集データのバラツキ(標準偏差)を用いた算出方法の効果について、図16、図17を参照にして説明する。
【0063】
図16、図17は、V字券、多重V字券に対するセンサの出力を示す出力例である。
【0064】
図16、図17において、一般的に、V字券よりも、多重V字券の方が、より損券に近いと考えられる。ここで、振幅に注目すると、V字券と多重V字券を正しく差別化することは難しいと考えられるが、バラツキを見ることで、より高い確率で多重V字券を損券に近い券と判断できると考えられる。これより、図15における“コシがあるがシワシワな券”といったものも、より人間の手触り感覚に近い感覚で正損判別できることが期待される。
【0065】
上記の手段より、券の正損を判定することができるが、上記においては、正損判別結果が望んでいた結果になるように、コシ相対差異度、シワ相対差異度の閾値は適当な値を与えている。このため、どのような閾値を予め与えれば望んでいるような正損判別結果が得られるといった目安が無く、適切な閾値を与えるまでにやり直しが発生する必要が考えられるので、例えば現金処理機の中に用いる紙質判別装置に上記の正損判別手段を適用するには不十分と考えられる。
【0066】
これは、紙質検知センサで基準となる出力を検出していないことから、コシ、シワの状態を表す量に対して絶対的な基準(原点)、絶対的なレンジを定められないためである。
この問題点に対する解決手段について、図18に示すように2枚の基準券を用いた正損判別基準決定手段の例を参照して説明する。
【0067】
上記問題点を解決するために、実際に紙質判別装置を含む現金処理装置を使用する前に、以下で説明するような紙質判別基準を決定する事前作業を行なう。
【0068】
ただし、シワに関しては、収集データのバラツキ(標準偏差)を見ていることから、基準の違いによる差異はあまり見られないものと考える。そのため、ここでは、シワに関して紙質判別基準を決定する事前作業の必要性は無いものと考え、コシに関してのみの紙質判別基準を決定する事前作業を行なう。
【0069】
まず、予め2枚(コシ状態の異なる2種類)の基準券を準備する。ここで、基準券については、予め、そのコシの状態を表す量について、絶対的な値が既知である必要がある。言い換えると、一般的な流通券に対して、基準券のコシ状態の位置付けが、絶対的なレンジでどこにあるか既知である必要がある。
【0070】
事前作業としては、この2枚の基準券を、紙質判別装置を含む現金処理装置に流して、上記に述べてきた方法によって得られるコシ相対差異度、シワ相対差異度を、図18(a)のように2次元マッピングする。
【0071】
この2枚の基準券は、予め絶対的な値が既知であることから、マップ上における2枚の位置関係から図18(b)のように、基準を推測することができ、また、コシ相対差異度の座標軸に対する絶対的なレンジを設けることができる。
【0072】
ここで、基準とは、コシが全く0である、すなわち、券が紙質検知センサ12にいないときの基準となるコシ相対差異度の値を意味する。
【0073】
次に、この基準、レンジを基に、図19(a)に示すように、例えばマップを数段階に分割する。分割するにあたっては、実際の流通券の、コシ状態に対する存在確率分布情報などに基づいて決定される。実際に券の正損判別を行なうにあたり、例えば、絶対的な基準、レンジに対してLv1あたりのところで、分類したいならば、図19(b)のように、正損判別が行なわれる。
【0074】
ここで、図19(a)においては、数段階に分割したが、数段階に分割せずに連続的な軸上の適当な値を閾値として与えても良い。また、シワに関して事前作業を行なわなかったが、必要に応じて、上記と同様の事前作業を行なっても良いし、シワに関しては、基準券を1枚のみとして、その1枚の結果と標準偏差0との差を基準にして紙質判別基準を決定するといった事前作業を行なっても良い。
【0075】
以上より、事前に、絶対的な基準、レンジに基づいた2次元マッピングを準備し適切な正損判別のための閾値を与えることが可能になる。
【0076】
以上に説明した構成、機能、アルゴリズムから、紙質判別を行なうが、上記の紙質判別装置を含む現金処理装置について、一連の業務の流れについて説明する。
【0077】
図20は、現金処理業務の流れを示す例である。
業務開始後に、実際の処理業務に入る前に、事前作業が必要であるか否かを判別し(ステップST1)、必要でなければ、実際の処理業務に入り、券の真偽、正損判別、整理などを行なう(ステップST2)。事前作業が必要ならば上記の事前作業を行い紙質判別基準を決定する(ステップST3)。紙質判定基準が決定したら、実際の処理業務に入り、券の真偽・正損判別、整理などを行なう(ステップST2)。
【0078】
ここで、事前作業については、業務開始後、毎回行なう必要が無く、部品の経年変化など基準が狂ってきたりした場合や、定期点検などのときに行なえば問題ない。
【0079】
本発明においては、センサ出力の基準を用いないで、上記のような紙質判別基準を決定する事前作業のアルゴリズムを設けることにより紙質判別を行なうが、これによる効果について説明する。
【0080】
本発明と異なり、センサの出力の基準からの変位を算出することから反力を測定した場合は、算出された変位が、各紙葉類判別装置間におけるセンサの感度ばらつきに対して影響を受けるため、センサのキャリブレーションが必要であるが、本発明においては、センサのキャリブレーションを必要としない。
【0081】
また、仮に、基準位置の値がある特定の値になっていることを前提にして、変位後の情報を測定するだけで、変位を算出したのと同じ意味を持つとみなすこともできるが、各紙葉類判別装置間におけるセンサの組み込みばらつきに対して基準位置の値をある特定の値に揃えるために、センサ組み込み時に厳密なメカニカルな調整を行なうか、センサ組込後のセンサのキャリブレーションを行う必要が発生する。
【0082】
本発明においては、基準位置を合わせるための厳密なメカニカルな調整や、センサのキャリブレーションを行なわなくても、紙質判別基準を決定する事前作業のアルゴリズムを設けることで、紙質判別の判別能力には影響しない。
ただし、本発明のデメリットとしては、紙質判別基準を決定する事前作業を行なう必要があることである。しかし、この事前作業は、毎回の業務ごとに行なう必要性は無く、最初に行なえば、長い間行なわなくても問題にならないと考えられる。
【0083】
以上より、人間の手触りによる正損判別感覚にマッチした、券の正損判別を行なうことが可能である。
【0084】
以下、本発明における拡張性について、2点挙げる。
(1)上記の紙質検知センサを紙葉類の搬送方向に直交する方向に、搬送中心に対して対象になるように2個配置し、流れてくる券の、表裏、天地の向きによって、2個のセンサを使い分けて紙質判別を行なう。
【0085】
例えば、1枚の券の中で、著しく厚さ分布が不均等で、コシの強弱分布も不均等であることが予想される紙幣が向きが混ざって搬送されてくる装置においては、事前に券の向きをチェックし、2個のセンサを使い分けて出力を検出することで、極力、券の同じ部分の状態をチェックすることができ、より正しい正損判別を行なう。
【0086】
(2)券のコシなどの状態は、環境温度、環境湿度などの影響により、微妙に変化すると考えられるが、現金処理機内に温度、湿度センサを設けることにより、温度、湿度によって、紙質判別基準を補正することで、環境温度、環境湿度に影響しない正損判別を行なう。
【0087】
なお、本発明は上記した実施の形態に限られることなく、その要旨の範囲内で種々変形実施可能なことは勿論である。
【0088】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、搬送ベルト対により紙葉類を挟持搬送してセンサローラに送込むため、高速搬送しても安定した搬送が期待でき、搬送速度の高速化が可能になる。
【0089】
また、搬送ベルト対の湾曲部の近傍にセンサローラを設け、このセンサローラに対し搬送ベルト対の湾曲部に沿って紙葉類を湾曲させながら突入させるため、センサローラに対する紙葉類の突入角度を抑えることができ、突入時の衝撃による振動を減らすことができる。
【0090】
さらに、紙葉類の相対差異を表わす指標を算出し、この算出された指標のマッピングを形成し、このマッピングに予め閾値若しくは判定基準を付与してその正損をコシの強さ、シワの度合に基づいて2次元的に判別するため、人間の手触りによる正損感覚にマッチした正損判別を行なうことが可能になる。
【0091】
また、センサローラの変位を求めるのではないため、センサの感度ばらつきに対するセンサのキャリブレーションを行う必要が無いという効果を奏する。
【0092】
また、センサローラの変化後の位置情報をそのまま判別情報として使用するため、センサの基準位置を合わせるための厳密なメカニカルな調整や、センサのキャリブレーションを行う必要が無いという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である現金処理装置を示すブロック図。
【図2】同実施形態の取出部から判別部までの構成を示す図。
【図3】同実施形態の紙質検知センサの第1の例を示すもので、(a)はその側面図、(b)はその正面図、(c)はそのセンサローラに対する券の突入角度を示す図。
【図4】同実施形態の紙質検知センサの第2の例を示す側面図。
【図5】同実施形態の紙質検知センサの第3の例を示すもので、(a)はその側面図、(b)はその正面図、(c)はそのセンサローラに対する券の突入角度を示す図。
【図6】同実施形態の紙質検知センサの第4の例を示すもので、(a)はその側面図、(b)はそのセンサローラに対する券の突入角度を示す図。
【図7】同実施形態の紙質検知センサの第5の例を示すもので、(a)はその側面図、(b)はそのセンサローラに対する券の突入角度を示す図。
【図8】同実施形態の位置検出センサの出力の出力例を示す図。
【図9】同実施形態のセンサローラと券とが接触しない状態を示すもので、(a)はその第1の例を示す図、(b)はその第2の例を示す図。
【図10】同実施形態の紙質検知センサが収集するデジタルデータ群の出力(位置情報)分布を示す図。
【図11】同実施形態の券の状態を表わす指標の2次元マッピングを示す図。
【図12】同実施形態の2次元マッピングに対する正損判別基準の第1のを示す図。
【図13】同実施形態の2次元マッピングに対する正損判別基準の第2の例を示す図。
【図14】同実施形態の券の正損判別結果を示す図。
【図15】同実施形態の2次元マッピングと官能評価結果との関係を示す図。
【図16】同実施形態の券に対するセンサの出力を示すもので、(a)はV字折れ券を示す図、(b)はその検出出力の振幅を示す図、(c)はその平均値を示す図。
【図17】同実施形態の券に対するセンサの出力を示すもので、(a)は多重V字折れ券を示す図、(b)はその検出出力の振幅を示す図、(c)はその平均値を示す図。
【図18】同実施形態の紙質判別基準を決定する事前作業を示すもので、(a)はコシ相対異差度とシワ相対異差度の2次元マップを示す図、(b)は2次元マップに絶対的な基準が設けられた状態を示す図。
【図19】同実施形態の2次元マップを示すもので、(a)は2次元マップを基準レンジを基に数段階に分割した状態を示す図、(b)は正損判別された券の分布状態を示す図。
【図20】同実施形態の現金処理業務の流れを示すフローチャート図。
【符号の説明】
3…判別手段(判別部)、12…紙質検知センサ(算出手段)、21…一対の基準ローラ、22…券(紙葉類)、24…一対のピンチローラ(押圧ローラ)、26…センサローラ、29…位置検出センサ(位置検出手段)、42…一対の搬送ベルト対(搬送手段)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば入金整理機に適用される紙葉類検出装置、判別装置及び判別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
入金整理機は、取込装置、判別装置、排除(リジェクト)券集積装置、集積装置、及びこれらに属さない機能を持った装置(スイッチバック装置、表裏反転装置、施封装置、裁断装置など)さらに、各装置間を結ぶ搬送路、各装置に紙葉類を振り分けるゲート等を有して構成される。
【0003】
取込装置にセットされた紙葉類としての紙幣(以下、券という)は、取込装置にて1枚ずつ分離して取込まれ、判別装置に送られてその行き先(排除券集積装置、集積装置、施封装置、裁断装置)や、搬送ルート(スイッチバック装置、表裏反転装置を通過させて券の表裏・天地反転を行うかどうかなど)が決定される。この決定後、各装置に券が搬送路、ゲート機構を通じて搬送され、各種処理が行われる。
【0004】
この入金整理機の判別装置においては、券の金種を判定した上で、真偽を判別したり、2枚以上の券が重なって搬送されるといった重送を検知したり、券の穴などの破損や、いたずら書きなどの券面の汚れなどを光学検知したりすることで正損を判別するなどして、真偽、正損を判別する。
【0005】
しかしながら、券の正損判別において、光学検知だけでは限界があり、券の疲労度といった、券のコシの強さ、シワの度合いなどから表現される券の状態を表す物性値については、十分に検出することができず、機械的な物性値から正損を判別する技術が必要となっている。
【0006】
機械的な物性値から券の正損を判別する方法として、券自体が有する反力に着目し、この反力を検出することから、券のコシの強さ(剛性)を検出するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特願2000−541639号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、券を搬送ローラ対により挟持搬送してセンサローラに送込んでいたため、搬送されてくる券が搬送面に対して突出している各ローラ(駆動ローラ、ピンチローラ)に衝突しながら搬送される恐れがあり、特に券を高速で搬送する場合は、券をベルト対により挟持搬送することにより安定する。
【0009】
また、従来においては、歪ゲージを用いて券がセンサローラの通過していないときの歪量を基準とした、券がセンサローラを通過しているときの歪量より券の反力を検出してその撓みを判別しているが、各紙葉類判別装置間におけるセンサの感度のばらつきに対してセンサのキャリブレーションが必要であった。
【0010】
本発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、紙葉類の安定した高速搬送を可能とする紙葉類検出装置及び判別装置を提供し、また、各紙葉類検出装置及び判別装置間におけるセンサの感度のばらつきに対してセンサのキャリブレーションを必要としない紙葉類判別方法を提供し、さらに人間の手触り感覚に近い感度で紙葉類の正損を判別できる紙葉類判別方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1記載のものは、紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して搬送方向に対して平行に配設される一対の搬送ベルト対を有し、この一対の搬送ベルト対により前記紙葉類を搬送路に沿って挟持搬送する搬送手段と、前記一対の搬送ベルト対間に紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して配設され、搬送されてくる紙葉類を支持する一対の基準ローラと、
この一対の基準ローラに前記搬送路を介して当接され、前記紙葉類を前記基準ローラに押し付ける一対の押圧ローラと、前記一対の基準ローラ間に設けられ、前記一対の搬送ベルト対によって挟持搬送される紙葉類が通過することにより、その通過方向と直交する方向に移動するセンサローラと、前記紙葉類が前記センサローラを通過することに基づく前記センサローラの移動位置、若しくは前記紙葉類の表面位置を検出する位置検出手段とを具備する。
【0012】
請求項3記載のものは、紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して搬送方向に対して平行に配設される一対の搬送ベルト対を有し、この一対の搬送ベルト対はそれぞれプーリに掛け渡されて湾曲され、この一対の搬送ベルト対により前記紙葉類を搬送路に沿って挟持搬送する搬送手段と、前記一対の搬送ベルト対の湾曲部間に前記紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して配設され、搬送されくる紙葉類を支持する一対の基準ローラと、この一対の基準ローラに前記搬送路を介して当接され前記紙葉類を前記基準ローラに押し付ける一対の押圧ローラと、前記一対の基準ローラ間に設けられ、前記一対の搬送ベルト対の湾曲部に沿って挟持搬送される紙葉類が通過することにより、その通過方向と直交する方向に移動するセンサローラと、前記紙葉類が前記センサローラを通過することに基づく前記センサローラの移動位置、若しくは前記紙葉類の表面位置を検出する位置検出手段とを具備する。
【0013】
請求項5記載のものは、紙葉類を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、前記紙葉類の搬送方向と直交する方向に所定間隔を存して配設され、前記搬送手段によって搬送される紙葉類を支持する一対の基準ローラと、この一対の基準ローラに前記搬送路を介して当接され紙葉類を前記一対の基準ローラに押し付ける一対の押圧ローラと、前記一対の基準ローラ間に設けられ、前記紙葉類が通過することにより、その通過方向と直交する方向に移動するセンサローラと、前記センサローラの移動位置、若しくは前記紙葉類の表面位置を検出する位置検出手段と、この位置検出手段の検出情報に基づいて前記紙葉類の状態について、絶対的な数値ではなく、その相対差異を表す指標を算出する算出手段と、この算出手段によって算出された指標のマッピングを形成し、このマッピングに予め付与した閾値若しくは判定基準に基づいて前記紙葉類の正損を判別する判別手段とを具備する。
【0014】
請求項11記載のものは、紙葉類を搬送路に沿って搬送する搬送工程と、この搬送工程によって搬送される紙葉類の状態を検出する検出工程と、この検出工程によって検出された検出情報に基づいて、前記紙葉類の状態について、絶対的な数値ではなく、相対差異を表す指標を算出する算出工程と、この算出工程によって算出された前記紙葉類の状態の相対差異を表す指標のマップを形成するマッピング工程と、このマッピング工程により形成したマップに、予め付与した平面的な正損の閾値に基づいて前記紙葉類の正損を判別する判別工程とを具備する。
【0015】
請求項12記載のものは、少なくとも2枚の基準紙葉類を搬送路に沿って搬送する第1の搬送工程と、この第1の搬送工程によって搬送される基準紙葉類の状態を検出する第1の検出工程と、この第1の検出工程によって検出された検出情報に基づいて、少なくとも2枚の基準紙葉類の相対差異データを算出する第1の算出工程と、この第1の算出工程で算出された少なくとも2枚の基準紙葉類の相対差異データからその差を算出し、この算出結果に基づいて前記データ集合群に対する絶対的な原点、絶対的なレンジを決定する決定工程と、この決定後、紙葉類を前記搬送路に沿って搬送する第2の搬送工程と、この第2の搬送工程によって搬送される紙葉類の状態を検出する第2の検出工程と、この第2の検出工程によって検出された検出情報に基づいて、前記紙葉類の状態の相対差異を表す任意の指標のデータ集合群を求める第2の算出工程と、この第2の算出工程によって算出された前記紙葉類の状態の相対差異を表す指標のマップを形成するマッピング工程と、この決定工程により決定された絶対座標を予め前記マップに付与し、このマップに付与した絶対座標上で予め付与した正損の閾値に基づき前記紙葉類の正損を判別する判別工程とを具備する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である現金処理装置を示す概念図である。
現金処理装置1は、取出部2、判別部(判別手段)3、RJ(リジェクト)集積部4、集積部5を備えるとともに、これらを繋ぐ搬送路6、さらに、券の進路を振り分けるゲート7などを有して構成される。
【0017】
取出部2は、紙葉類としての券を分離して取り出し判別部(判別手段)3へ送込むものである。
判別部3は、券の金種を判定した上で、その真偽を判別したり、2枚以上の券が重なって搬送されるといった重送を検知する。さらに、判別部3は、券の穴などの破損や、いたずら書きなどの券面の汚れなどを光学的に検知して正損を判別したり、機械的な物性値から正損を判別して正損を判別する。
【0018】
ゲート7は、判別部3の判別結果によって、券を振り分けるもので、券が偽券や、損券などリジェクト(排除)対象であれば、RJ(リジェクト)集積部4に送り、偽券や損券などでない券は、集積部5に送って各種類、分類ごとに分けて集積させる。
【0019】
図2は、上記した取出部2から判別部3までを示す概略図である。
取出部2で分離して取り込まれた券は、搬送路6の一部としての判別部前搬送部11を通って判別部3に搬送される。
判別部3には、各種検知センサ(装置)と共に、検出装置としての紙質検知センサ(算出手段)12が設けられ、各種検知センサ(装置)を通った券は、搬送路6によって、後行程へと送られていく。この判別部3における、紙質検知センサ12を含む各種検知センサ(装置)に券が到達したことを検知するのには、判別部前搬送部11にトリガーセンサ(光学式センサ)13を設け、ここを券が通過したことによる信号を判別部3に送ることにより、各種検知センサの検知タイミングを図るものとする。
【0020】
この実施例においては、判別部前搬送部11はベルト挟持搬送路、判別部3はローラ挟持搬送路、判別部3以降はベルト挟持搬送路になっている。
図3(a)〜(c)は、紙質検知センサ12の第1の例を示すものである。
【0021】
紙質検知センサ12は、券22の搬送方向と直交する方向に所定間隔を存して1個以上配設され、駆動ローラとして駆動される一対の基準ローラ21を有している。基準ローラ21,21の下部側には押圧ローラとしてのピンチローラ24,24が当接されている。ピンチローラ24,24はバネ23,23によって基準ローラ21,21に向かって付勢されている。
【0022】
基準ローラ21,21間にはセンサローラ26が設けられ、このセンサローラ26は支持部材26aに支持されている。支持部材26aはバネ25により下方に付勢され、センサローラ26は搬送面に対してオーバラップされている。
【0023】
また、支持部材26aの側面部にはマグネット27が設けられている。マグネット27の近傍には磁気抵抗素子28が設けられている。これらマグネット27と磁気抵抗素子28とにより、センサローラ26が移動したときの位置情報を検出する位置検出センサ29が構成されている。
【0024】
搬送されてくる券22がピンチローラ24とセンサローラ26との間に導入されると、ピンチローラ24とセンサローラ26とがそれぞれ移動され、センサローラ26の位置が位置検出手段としての位置検出センサ29によって検出されるようになっている。
【0025】
図4は、紙質検知センサ12の第2の例を示すものである。
第1の例で示した部分と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の例では、一対の基準ローラ21,21間にオーバラップローラ31を有し、このオーバラップローラ31の位置を検出するための位置検出センサは有していない。その代りに、搬送面の反対面側に券22の表面の位置情報を検出するための位置検出手段としてのレーザー変位計32を有した構成となっている。
【0026】
図5(a)〜(c)は、紙質検知センサ12の第3の例を示すものである。
この第3の例では、券22の搬送方向と直交する方向に所定間隔を存して平行に配設される一対の搬送ベルト対42を有している。これら一対の搬送ベルト対42は、重合される上下の搬送ベルト42a,42bを有し、これら上下の搬送ベルト42a,42bにより券22を挟持搬送する。
【0027】
一対の搬送ベルト対42,42はそれぞれプーリ41,41に掛け渡されて湾曲され、この湾曲部間に、一対の基準ローラ21、21、及びピンチローラ24,24、さらにセンサローラ26が設けられている。
この第3の例では、一対の搬送ベルト対42,42によって券22を挟持搬送して一対の基準ローラ21、21とピンチローラ24,24との間に送り込むため、ローラ挟持搬送路におけるローラ間の受け渡しの場合におけるような、搬送されてくる券が搬送面に対して突出している各ローラ(駆動ローラ、ピンチローラ)に衝突しながら搬送されるおそれが減り、券22の搬送速度を高速化しても安定した紙質検知が可能となる。
【0028】
また、一対の搬送ベルト対42,42の湾曲部の近傍に一対の基準ローラ21、21、及びピンチローラ24,24、さらにセンサローラ26を設けるため、券22は搬送ベルト対42,42の湾曲部に沿った状態でセンサローラ26のオーバーラップ部分に突入するため、その突入角度(例え11°)を小さくでき、突入の衝撃による振動を抑えることができる効果がある。
【0029】
なお、第1の例では、ローラ対によって券22を挟持搬送するため、センサローラ26のオーバーラップ部分に突入するときの券22の突入角度(例え21°)が大きくなり、突入の衝撃による振動を抑えることができない。
【0030】
図6(a),(b)は、紙質検知センサ12の第4の例である。
なお、第1の例と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第4の例では、券22の搬送方向と直交する方向に所定間隔を存して配設される一対の基準ローラとしての一対の搬送プーリ51,51を有し、これら一対の搬送プーリ51,51に一対の搬送ベルト対52,52が掛け渡されて湾曲されている。一対の搬送ベルト対52,52は重合される上下部の搬送ベルト52a,52bを有してなり、券22の搬送方向に沿って平行に配置されている。センサローラ26は一対の搬送プーリ51,51間に設けられて一対の搬送ベルト対52,52の湾曲部の近傍に位置されている。
【0031】
一対の搬送ベルト対52,52によって挟持搬送される券22はセンサローラ26に送込まれるが、このとき、一対の搬送ベルト対52,52の下側の搬送ベルト52b,52bが券22の厚み分だけ図で下方に逃げる構造になっている。
【0032】
また、センサローラ26のオーバーラップ量(1.5mm)は第1の例(0.5mm)に比べて大きくなっているが、搬送ベルト対52,52の湾曲部の近傍にあることから、券22は湾曲部に沿った状態でセンサローラ26のオーバーラップ部分に突入する。これにより、センサローラ26に対する券22の突入角度(19°)を第1の例(21°)と同程度にでき、突入の衝撃による振動を増加させないで、センサローラ26のオーバーラップ量を増やすことが可能である。
【0033】
図7(a),(b)は、紙質検知センサ12の第5の例を示すものである。
なお、第4の例と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0034】
第5の例では、センサローラ26の位置を検出するための位置検出センサは有しておらず、その代りに、搬送面の反対面側に券22の表面の位置情報を検出するためのレーザー変位計32を有した構成になっている。
つまりは、第5の例は、第2の例のように位置検出センサ29からレーザー変位計32に置き換えた構成になっている。
【0035】
この第5の例によっても、第4の例と同様に、券22の突入の衝撃による振動を増加させないで、センサローラ26のオーバーラップ量を増やすことが可能である。
【0036】
上記した各例1〜5において、位置検出センサ29は、「紙葉類の厚さ検知装置」(特開2000−90103)で説明されているものと同様の構造をもっているが、本発明では変位量を検出するのではなく、券22が紙質検知センサ12を通過中のセンサローラ26の位置情報のみを検出するものとする。
【0037】
また、位置検出センサ29は、磁気抵抗素子を用いた非接触式でなく、「紙葉類の厚さ検知装置」(特開2000−357254)のような、センサローラ26の位置情報を歪ゲージでレバーの歪量を測定することにより検出してもよい。
【0038】
さらに、各例1〜5におけるセンサローラ26、オーバラップローラ31は、一般的なミニチュアボールベアリングであっても良いし、或いは、券22の搬送を妨げない接触面の形状を持った回転しない構造物であっても良い。
【0039】
次に、図8〜図10を参照して、紙質検知センサ12の機能、アルゴリズムについて説明する。
図8は、位置検出センサの出力を示すものである。
ただし、本発明においては、波形の全区間の出力を検出するのではなく、後に述べるように、限定した区間の出力のみを検出する。これと同様な形状を持った出力例は、上記した各例1〜5の各構成における位置検出センサ29あるいはレーザー変位計32によっても観測されると考えられる。
【0040】
図8の出力の例は位置検出センサ29によるものであり、マグネット27が動いた位置に対応して検出される磁気抵抗素子の電気信号(電圧)を位置情報の代わりに出力として与えている。
ここで、実際の券の動作と図8の関係について説明する。
トリガーセンサ13を通過した券22は、一定時間後に紙質検知センサ12の搬送面にオーバーラップしているセンサローラ26に突入し、センサローラ26を持ち上げながら前進し、紙質検知センサ12を抜け出して通過する。
【0041】
ここで、図8において、券22がトリガーセンサ13を通過するタイミングがトリガータイミング71、その後一定時間後に券22がセンサローラ26に突入する時刻が券突入時刻72、券22がセンサローラ26から抜出す時刻が券抜出時刻73になっている。位置検出センサ29の出力は券が突入する瞬間である券突入時刻72に大きな衝撃を受けることで、大きく揺れ、次第にこれが収まることで安定領域74を持つことが予想される。
【0042】
本発明においては、位置検出センサ29によって、センサ出力収集開始時刻75からセンサ出力収集終了時刻76までの出力についてのみ検出するものとし、トリガータイミング71、券突入時刻72、券抜出時刻73などにおける出力は検出しないものとする。つまりは、トリガータイミング71からセンサ出力収集開始時刻75までとセンサ出力収集終了時刻76以降の出力は全く検出しない。このことより、位置検出センサ29は、トリガータイミング71、券突入時刻72、券抜出時刻73のいずれかにおける出力も検出していない。つまりは基準出力(基準位置)を検出していないことから、基準位置からの変位量、言い換えればセンサローラ26が受ける反力については検出することができない。
【0043】
以降の紙質判別にいたる過程においては、センサ出力収集開始時刻75からセンサ出力収集終了時刻76までに収集した出力の検出結果(電圧値)を、基準出力からの差分をとって変位量に変換するなどの手は一切加えず、そのままのの数値(電圧値)として使うものとする。(上記より、基準出力は検出できないため、差分も取れない。)
次に、券22の動作と、紙質検知センサ12の動作、機能との関係を説明する。
券22が搬送される過程で、券22の先端がトリガーセンサ13を通過するトリガータイミング71を基準にして、予め与えた一定時間(T1)後をセンサ出力収集開始時刻75とする。券22はトリガーセンサ13を通過してから一定時間(T0:トリガーセンサの位置で決定される)後にセンサローラ26あるいはオーバラップローラ31に突入し、センサ出力収集開始時刻75になったところで、位置検出センサ29あるいはレーザー変位計32によって、センサローラ26あるいはオーバラップローラ31の位置情報を電圧値として検出し、出力を収集する。
【0044】
その後、センサ出力収集開始時刻75から予め与えた一定時間後(T2)後をセンサ出力収集終了時刻76とし、センサ出力収集終了時刻76になったところで、出力の収集を終了する。
【0045】
なお、上記のセンサ出力収集過程は、券22が紙質検知センサ12の通過中に、センサローラ26あるいはオーバラップローラ31に券22が接触するまたは接触しないに関わらず、トリガータイミング71を基準にした上記のT1、T2に従って、センサ出力収集を行なうものとする。
【0046】
ここで、センサローラ26あるいはオーバラップローラ31に券22が接触しないとは、例えば、図9(a)に示すように、券22が極度のV字癖を持った状態で紙質検知センサ12に取り込まれた場合や、図9(b)に示すように、券22が2片に分裂した状態で紙質検知センサ12に取り込まれた場合などである。
【0047】
この場合、紙質検知センサ12のみでは“極度のV字癖”、“2片に分裂”といった状態を厳密に検知することはできず、厳密に検知するには他の検知手段が必要である。しかし、紙質検知センサ12における出力結果の電圧値が他の券に対して非常に低くなるため、後に記述する手段において、極端にコシの弱いと判定されて、極めて高い確率でリジェクト対象券として判定されることが予想される。
【0048】
紙質検知センサ12は、この電圧値出力の収集過程において、出力を単位微小時間に離散化したデジタルデータとして取出し、センサ出力収集開始時刻75からセンサ出力収集終了時刻76までの出力のデジタルデータ群を収集する。このデジタルデータ群は、図10の出力(位置情報)分布図に示すような分布になる。
【0049】
収集されたデジタルデータ群は、図10に示すように、券22の状態によって異なった平均値を中心にし、券22の状態によって異なったバラツキを持っているが、ピークあるいは平均値は券22のコシの強弱に強く関連し、バラツキは券22のシワの度合いに強く関連すると考えられる。
【0050】
そこで、得られたデジタルデータ群より、券22のコシの強弱を表す指標としてピークあるいは平均値を算出し、券22のシワの度合いを表す指標として標準偏差を算出する。
【0051】
ただし、収集したデジタルデータ群は、基準出力を含まないものであるから、各券22間の出力結果の差に対して、絶対的な基準(原点)、絶対的なレンジを与えることはできず、相対的な状態の順位付けしかできない。
【0052】
そこで、上記で算出したピークあるいは平均値をコシ相対差異度と呼び、標準偏差をシワ相対差異度と呼ぶ。
このようにして、紙質検知センサ12は、券22がセンサを通過中のセンサローラ26の位置情報あるいは券表面位置情報をデジタルデータ群として収集し、ピークあるいは平均値、標準偏差を求めることにより、券の状態について状態の相対差異を表すコシ相対差異度、シワ相対差異度を算出する。
【0053】
次に、図11〜図16を参照して、券22の正損判別のアルゴリズムについて説明する。
図11は、券22の状態を表す指標の2次元マッピングを示すものである。
【0054】
券22の正損判別を行なうにあたり、まず、上記で得られた、券22の状態について状態の相対差異を表すコシ相対差異度、シワ相対差異度を2次元的にマッピングする。
【0055】
図12は、2次元マッピングに対する正損判別基準を示す第1の例である。
図11の2次元マッピングにおいて、マップの左へ行くほどコシが弱く、マップの上へ行くほどシワが多いので、図12のように、コシ相対差異度、シワ相対差異度に予め閾値を与え、コシの弱い券、シワの多い券を損券として判定するような判定基準によって正損判別を行なう。
【0056】
コシ相対差異度、シワ相対差異度に対する閾値は、どの程度の状態の券までを良券あるいは損券にするかによって、その都度、状況に応じて変更すればよい。
【0057】
また、図13は、正損判別基準を示す第2の例である。
コシ相対差異度、シワ相対差異度に独立した閾値を与えるのではない判定基準を用いても良い。
【0058】
図14は、券の正損判別結果を示すものである。
図11の2次元マッピングに対して、図12のようにある閾値を予め与えることにより正損判別し、良券と損券を分類している。
【0059】
図15は、2次元マッピングと官能評価結果の関係を示すものである。
【0060】
ここでは、120枚の評価媒体(券)を用意し、紙質判別装置に流して2次元マッピングしたものに対し、同じ評価媒体を10人の評価者によって、120枚中損券に該当するものから30枚を抽出するといった官能評価を行なった結果との関係を示したものである。
【0061】
図15では、120枚の券のうち、損券と判定された人数の多い券から30枚までを損券(黒丸)とし、それ以外を良券(白丸)としている。この結果と、図14とを比べることにより、上記の手段によって、より人間の手触り感覚に近い感覚で、券の正損判別を行なうことが可能なことが分かる。
【0062】
ここで、シワの状態を表す量の算出方法において、収集データに対してその振幅も見るといった算出方法も考えられるが、本発明での、収集データのバラツキ(標準偏差)を用いた算出方法の効果について、図16、図17を参照にして説明する。
【0063】
図16、図17は、V字券、多重V字券に対するセンサの出力を示す出力例である。
【0064】
図16、図17において、一般的に、V字券よりも、多重V字券の方が、より損券に近いと考えられる。ここで、振幅に注目すると、V字券と多重V字券を正しく差別化することは難しいと考えられるが、バラツキを見ることで、より高い確率で多重V字券を損券に近い券と判断できると考えられる。これより、図15における“コシがあるがシワシワな券”といったものも、より人間の手触り感覚に近い感覚で正損判別できることが期待される。
【0065】
上記の手段より、券の正損を判定することができるが、上記においては、正損判別結果が望んでいた結果になるように、コシ相対差異度、シワ相対差異度の閾値は適当な値を与えている。このため、どのような閾値を予め与えれば望んでいるような正損判別結果が得られるといった目安が無く、適切な閾値を与えるまでにやり直しが発生する必要が考えられるので、例えば現金処理機の中に用いる紙質判別装置に上記の正損判別手段を適用するには不十分と考えられる。
【0066】
これは、紙質検知センサで基準となる出力を検出していないことから、コシ、シワの状態を表す量に対して絶対的な基準(原点)、絶対的なレンジを定められないためである。
この問題点に対する解決手段について、図18に示すように2枚の基準券を用いた正損判別基準決定手段の例を参照して説明する。
【0067】
上記問題点を解決するために、実際に紙質判別装置を含む現金処理装置を使用する前に、以下で説明するような紙質判別基準を決定する事前作業を行なう。
【0068】
ただし、シワに関しては、収集データのバラツキ(標準偏差)を見ていることから、基準の違いによる差異はあまり見られないものと考える。そのため、ここでは、シワに関して紙質判別基準を決定する事前作業の必要性は無いものと考え、コシに関してのみの紙質判別基準を決定する事前作業を行なう。
【0069】
まず、予め2枚(コシ状態の異なる2種類)の基準券を準備する。ここで、基準券については、予め、そのコシの状態を表す量について、絶対的な値が既知である必要がある。言い換えると、一般的な流通券に対して、基準券のコシ状態の位置付けが、絶対的なレンジでどこにあるか既知である必要がある。
【0070】
事前作業としては、この2枚の基準券を、紙質判別装置を含む現金処理装置に流して、上記に述べてきた方法によって得られるコシ相対差異度、シワ相対差異度を、図18(a)のように2次元マッピングする。
【0071】
この2枚の基準券は、予め絶対的な値が既知であることから、マップ上における2枚の位置関係から図18(b)のように、基準を推測することができ、また、コシ相対差異度の座標軸に対する絶対的なレンジを設けることができる。
【0072】
ここで、基準とは、コシが全く0である、すなわち、券が紙質検知センサ12にいないときの基準となるコシ相対差異度の値を意味する。
【0073】
次に、この基準、レンジを基に、図19(a)に示すように、例えばマップを数段階に分割する。分割するにあたっては、実際の流通券の、コシ状態に対する存在確率分布情報などに基づいて決定される。実際に券の正損判別を行なうにあたり、例えば、絶対的な基準、レンジに対してLv1あたりのところで、分類したいならば、図19(b)のように、正損判別が行なわれる。
【0074】
ここで、図19(a)においては、数段階に分割したが、数段階に分割せずに連続的な軸上の適当な値を閾値として与えても良い。また、シワに関して事前作業を行なわなかったが、必要に応じて、上記と同様の事前作業を行なっても良いし、シワに関しては、基準券を1枚のみとして、その1枚の結果と標準偏差0との差を基準にして紙質判別基準を決定するといった事前作業を行なっても良い。
【0075】
以上より、事前に、絶対的な基準、レンジに基づいた2次元マッピングを準備し適切な正損判別のための閾値を与えることが可能になる。
【0076】
以上に説明した構成、機能、アルゴリズムから、紙質判別を行なうが、上記の紙質判別装置を含む現金処理装置について、一連の業務の流れについて説明する。
【0077】
図20は、現金処理業務の流れを示す例である。
業務開始後に、実際の処理業務に入る前に、事前作業が必要であるか否かを判別し(ステップST1)、必要でなければ、実際の処理業務に入り、券の真偽、正損判別、整理などを行なう(ステップST2)。事前作業が必要ならば上記の事前作業を行い紙質判別基準を決定する(ステップST3)。紙質判定基準が決定したら、実際の処理業務に入り、券の真偽・正損判別、整理などを行なう(ステップST2)。
【0078】
ここで、事前作業については、業務開始後、毎回行なう必要が無く、部品の経年変化など基準が狂ってきたりした場合や、定期点検などのときに行なえば問題ない。
【0079】
本発明においては、センサ出力の基準を用いないで、上記のような紙質判別基準を決定する事前作業のアルゴリズムを設けることにより紙質判別を行なうが、これによる効果について説明する。
【0080】
本発明と異なり、センサの出力の基準からの変位を算出することから反力を測定した場合は、算出された変位が、各紙葉類判別装置間におけるセンサの感度ばらつきに対して影響を受けるため、センサのキャリブレーションが必要であるが、本発明においては、センサのキャリブレーションを必要としない。
【0081】
また、仮に、基準位置の値がある特定の値になっていることを前提にして、変位後の情報を測定するだけで、変位を算出したのと同じ意味を持つとみなすこともできるが、各紙葉類判別装置間におけるセンサの組み込みばらつきに対して基準位置の値をある特定の値に揃えるために、センサ組み込み時に厳密なメカニカルな調整を行なうか、センサ組込後のセンサのキャリブレーションを行う必要が発生する。
【0082】
本発明においては、基準位置を合わせるための厳密なメカニカルな調整や、センサのキャリブレーションを行なわなくても、紙質判別基準を決定する事前作業のアルゴリズムを設けることで、紙質判別の判別能力には影響しない。
ただし、本発明のデメリットとしては、紙質判別基準を決定する事前作業を行なう必要があることである。しかし、この事前作業は、毎回の業務ごとに行なう必要性は無く、最初に行なえば、長い間行なわなくても問題にならないと考えられる。
【0083】
以上より、人間の手触りによる正損判別感覚にマッチした、券の正損判別を行なうことが可能である。
【0084】
以下、本発明における拡張性について、2点挙げる。
(1)上記の紙質検知センサを紙葉類の搬送方向に直交する方向に、搬送中心に対して対象になるように2個配置し、流れてくる券の、表裏、天地の向きによって、2個のセンサを使い分けて紙質判別を行なう。
【0085】
例えば、1枚の券の中で、著しく厚さ分布が不均等で、コシの強弱分布も不均等であることが予想される紙幣が向きが混ざって搬送されてくる装置においては、事前に券の向きをチェックし、2個のセンサを使い分けて出力を検出することで、極力、券の同じ部分の状態をチェックすることができ、より正しい正損判別を行なう。
【0086】
(2)券のコシなどの状態は、環境温度、環境湿度などの影響により、微妙に変化すると考えられるが、現金処理機内に温度、湿度センサを設けることにより、温度、湿度によって、紙質判別基準を補正することで、環境温度、環境湿度に影響しない正損判別を行なう。
【0087】
なお、本発明は上記した実施の形態に限られることなく、その要旨の範囲内で種々変形実施可能なことは勿論である。
【0088】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、搬送ベルト対により紙葉類を挟持搬送してセンサローラに送込むため、高速搬送しても安定した搬送が期待でき、搬送速度の高速化が可能になる。
【0089】
また、搬送ベルト対の湾曲部の近傍にセンサローラを設け、このセンサローラに対し搬送ベルト対の湾曲部に沿って紙葉類を湾曲させながら突入させるため、センサローラに対する紙葉類の突入角度を抑えることができ、突入時の衝撃による振動を減らすことができる。
【0090】
さらに、紙葉類の相対差異を表わす指標を算出し、この算出された指標のマッピングを形成し、このマッピングに予め閾値若しくは判定基準を付与してその正損をコシの強さ、シワの度合に基づいて2次元的に判別するため、人間の手触りによる正損感覚にマッチした正損判別を行なうことが可能になる。
【0091】
また、センサローラの変位を求めるのではないため、センサの感度ばらつきに対するセンサのキャリブレーションを行う必要が無いという効果を奏する。
【0092】
また、センサローラの変化後の位置情報をそのまま判別情報として使用するため、センサの基準位置を合わせるための厳密なメカニカルな調整や、センサのキャリブレーションを行う必要が無いという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である現金処理装置を示すブロック図。
【図2】同実施形態の取出部から判別部までの構成を示す図。
【図3】同実施形態の紙質検知センサの第1の例を示すもので、(a)はその側面図、(b)はその正面図、(c)はそのセンサローラに対する券の突入角度を示す図。
【図4】同実施形態の紙質検知センサの第2の例を示す側面図。
【図5】同実施形態の紙質検知センサの第3の例を示すもので、(a)はその側面図、(b)はその正面図、(c)はそのセンサローラに対する券の突入角度を示す図。
【図6】同実施形態の紙質検知センサの第4の例を示すもので、(a)はその側面図、(b)はそのセンサローラに対する券の突入角度を示す図。
【図7】同実施形態の紙質検知センサの第5の例を示すもので、(a)はその側面図、(b)はそのセンサローラに対する券の突入角度を示す図。
【図8】同実施形態の位置検出センサの出力の出力例を示す図。
【図9】同実施形態のセンサローラと券とが接触しない状態を示すもので、(a)はその第1の例を示す図、(b)はその第2の例を示す図。
【図10】同実施形態の紙質検知センサが収集するデジタルデータ群の出力(位置情報)分布を示す図。
【図11】同実施形態の券の状態を表わす指標の2次元マッピングを示す図。
【図12】同実施形態の2次元マッピングに対する正損判別基準の第1のを示す図。
【図13】同実施形態の2次元マッピングに対する正損判別基準の第2の例を示す図。
【図14】同実施形態の券の正損判別結果を示す図。
【図15】同実施形態の2次元マッピングと官能評価結果との関係を示す図。
【図16】同実施形態の券に対するセンサの出力を示すもので、(a)はV字折れ券を示す図、(b)はその検出出力の振幅を示す図、(c)はその平均値を示す図。
【図17】同実施形態の券に対するセンサの出力を示すもので、(a)は多重V字折れ券を示す図、(b)はその検出出力の振幅を示す図、(c)はその平均値を示す図。
【図18】同実施形態の紙質判別基準を決定する事前作業を示すもので、(a)はコシ相対異差度とシワ相対異差度の2次元マップを示す図、(b)は2次元マップに絶対的な基準が設けられた状態を示す図。
【図19】同実施形態の2次元マップを示すもので、(a)は2次元マップを基準レンジを基に数段階に分割した状態を示す図、(b)は正損判別された券の分布状態を示す図。
【図20】同実施形態の現金処理業務の流れを示すフローチャート図。
【符号の説明】
3…判別手段(判別部)、12…紙質検知センサ(算出手段)、21…一対の基準ローラ、22…券(紙葉類)、24…一対のピンチローラ(押圧ローラ)、26…センサローラ、29…位置検出センサ(位置検出手段)、42…一対の搬送ベルト対(搬送手段)。
Claims (12)
- 紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して搬送方向に対して平行に配設される一対の搬送ベルト対を有し、この一対の搬送ベルト対により前記紙葉類を搬送路に沿って挟持搬送する搬送手段と、
前記一対の搬送ベルト対間に紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して配設され、搬送されてくる紙葉類を支持する一対の基準ローラと、
この一対の基準ローラに前記搬送路を介して当接され、前記紙葉類を前記基準ローラに押し付ける一対の押圧ローラと、
前記一対の基準ローラ間に設けられ、前記一対の搬送ベルト対によって挟持搬送される紙葉類が通過することにより、その通過方向と直交する方向に移動するセンサローラと、
前記紙葉類が前記センサローラを通過することに基づく前記センサローラの移動位置、若しくは前記紙葉類の表面位置を検出する位置検出手段と、
を具備することを特徴とする紙葉類検出装置。 - 紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して配設される一対の基準ローラと、
この一対の基準ローラにそれぞれ掛け渡される一対の搬送ベルト対を有し、この一対の搬送ベルト対により前記紙葉類を搬送路に沿って挟持搬送する搬送手段と、
前記一対の基準ローラ間に設けられ、前記一対の搬送ベルト対によって挟持搬送される紙葉類が通過することにより、その通過方向と直交する方向に移動するセンサローラと、
前記紙葉類が前記センサローラを通過することに基づく前記センサローラの移動位置、若しくは前記紙葉類の表面位置を検出する位置検出手段と、
を具備することを特徴とする紙葉類検出装置。 - 紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して、搬送方向に対して平行に配設される一対の搬送ベルト対を有し、この一対の搬送ベルト対はそれぞれプーリに掛け渡されて湾曲され、この一対の搬送ベルト対により前記紙葉類を搬送路に沿って挟持搬送する搬送手段と、
前記一対の搬送ベルト対の湾曲部間に前記紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して配設され、搬送されてくる紙葉類を支持する一対の基準ローラと、
この一対の基準ローラに前記搬送路を介して当接され前記紙葉類を前記基準ローラに押し付ける一対の押圧ローラと、
前記一対の基準ローラ間に設けられ、前記一対の搬送ベルト対の湾曲部に沿って挟持搬送される紙葉類が通過することにより、その通過方向と直交する方向に移動するセンサローラと、
前記紙葉類が前記センサローラを通過することに基づく前記センサローラの移動位置、若しくは前記紙葉類の表面位置を検出する位置検出手段と、
を具備することを特徴とする紙葉類検出装置。 - 紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して配設される一対の基準ローラと、
この一対の基準ローラにそれぞれ掛け渡されて湾曲する一対の搬送ベルト対を有し、この一対の搬送ベルト対により前記紙葉類を搬送路に沿って挟持搬送する搬送手段と、
前記一対の基準ローラ間に設けられ、前記一対の搬送ベルト対の湾曲部に沿って搬送される紙葉類が通過することにより、その通過方向と直交する方向に移動するセンサローラと、
前記紙葉類が前記センサローラを通過することに基づく前記センサローラの移動位置、若しくは前記紙葉類の表面位置を検出する位置検出手段と、
を具備することを特徴とする紙葉類検出装置。 - 紙葉類を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
前記紙葉類の搬送方向と直交する方向に所定間隔を存して配設され、前記搬送手段によって搬送される紙葉類を支持する一対の基準ローラと、
この一対の基準ローラに前記搬送路を介して当接され紙葉類を前記一対の基準ローラに押し付ける一対の押圧ローラと、
前記一対の基準ローラ間に設けられ、前記紙葉類が通過することにより、その通過方向と直交する方向に移動するセンサローラと、
前記センサローラの移動位置、若しくは前記紙葉類の表面位置を検出する位置検出手段と、
この位置検出手段の検出情報に基づいて前記紙葉類の状態について、絶対的な数値ではなく、その相対差異を表す指標を算出する算出手段と、
この算出手段によって算出された指標のマッピングを形成し、このマッピングに予め付与した閾値若しくは判定基準に基づいて前記紙葉類の正損を判別する判別手段と
を具備することを特徴とする紙葉類判別装置。 - 紙葉類の搬送方向に直交する方向に所定間隔を存して配設される一対の基準ローラと、
この一対の基準ローラにそれぞれ掛け渡される一対の搬送ベルト対を有し、この一対の搬送ベルト対により前記紙葉類を搬送路に沿って挟持搬送する搬送手段と、
前記一対の基準ローラ間に設けられ、前記一対の搬送ベルト対によって挟持搬送される紙葉類が通過することにより、その通過方向と直交する方向に移動するセンサローラと、
前記センサローラの移動位置、若しくは前記紙葉類の表面位置を検出する位置検出手段と、
この位置検出手段の検出情報に基づいて前記紙葉類の状態について、絶対的な数値ではなく、その相対差異を表す指標を算出する算出手段と、
この算出手段によって算出された指標のマッピングを形成し、このマッピングに予め付与した閾値若しくは判定基準に基づいて前記紙葉類の正損を判別する判別手段と
を具備することを特徴とする紙葉類判別装置。 - 前記算出手段は、前記紙葉類のセンサローラへの突入時とセンサローラからの脱出時の検出情報を含まない検出情報のみに基づいて前記紙葉類の状態の相対差異を表す指標を算出することを特徴とする請求項5または6に記載の紙葉類判別装置。
- 前記紙葉類の状態の相対差異を表す指標は紙葉類のコシの強弱に関連する量(コシ相対差異度)で、
前記算出手段は、前記紙葉類のコシの強弱に応じて相関性のある特徴量である位置情報の度数分布を求め、この度数分布におけるピークおよび/または位置情報の平均値を求めることによって、コシ相対差異度を算出することを特徴とする請求項5または6に記載の紙葉類判別装置。 - 前記紙葉類の状態を表す指標が紙葉類のシワの度合いに関連する量(シワ度)で、
前記算出手段は、前記紙葉類がセンサローラを通過中のセンサローラの位置情報の度数分布における標準偏差を求め、この標準偏差に基づいて、シワ度を算出することを特徴とする請求項5または6に記載の紙葉類判別装置。 - 前記紙葉類の状態の相対差異を表す指標が紙葉類のシワの度合いに関連する量(シワ相対差異度)で、
前記算出手段は、前記紙葉類のシワの度合いに応じて相関性のある特徴量である位置情報の度数分布を求め、この度数分布における標準偏差を求めることによって、シワ相対差異度を算出することを特徴とする請求項5または6に記載の紙葉類判別装置。 - 紙葉類を搬送路に沿って搬送する搬送工程と、
この搬送工程によって搬送される紙葉類の状態を検出する検出工程と、
この検出工程によって検出された検出情報に基づいて、前記紙葉類の状態について、絶対的な数値ではなく、相対差異を表す指標を算出する算出工程と、
この算出工程によって算出された前記紙葉類の状態の相対差異を表す指標のマップを形成するマッピング工程と、
このマッピング工程により形成するマップに対して予め付与した平面的な正損の閾値に基づいて前記紙葉類の正損を判別する判別工程と、
を具備することを特徴とする紙葉類判別方法。 - 少なくとも2枚の基準紙葉類を搬送路に沿って搬送する第1の搬送工程と、
この第1の搬送工程によって搬送される基準紙葉類の状態を検出する第1の検出工程と、
この第1の検出工程によって検出された検出情報に基づいて、少なくとも2枚の基準紙葉類の相対差異データを算出する第1の算出工程と、
この第1の算出工程で算出された少なくとも2枚の基準紙葉類の相対差異データからその差を算出し、この算出結果に基づいて前記データ集合群に対する絶対的な原点、絶対的なレンジを決定する決定工程と、
この決定後、紙葉類を前記搬送路に沿って搬送する第2の搬送工程と、
この第2の搬送工程によって搬送される紙葉類の状態を検出する第2の検出工程と、
この第2の検出工程によって検出された検出情報に基づいて、前記紙葉類の状態の相対差異を表す任意の指標のデータ集合群を求める第2の算出工程と、
この第2の算出工程によって算出された前記紙葉類の状態の相対差異を表す指標のマップを形成するマッピング工程と、
この決定工程により決定された絶対座標を予め前記マップに付与し、このマップに付与した絶対座標上で予め付与した正損の閾値に基づき前記紙葉類の正損を判別する判別工程と、
を具備することを特徴とする紙葉類判別方法。
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