JP2004246681A - 癖券検出装置及び現金処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動現金支払機(キャッシュディスペンサー),両替機,チケット販売装置,自動販売機,その他の現金処理装置等に用いることの出来,皺,折癖,破損,汚れなどの生じたいわゆる癖券を検出するための癖券検出装置及びかかる癖券検出装置を具備する現金処理装置を提供することが目的。
【構成】折れ目,汚れ,破れなどの多い癖券を検出する癖券検出装置において,図柄の無い紙幣端部からの光を検出する光検出手段と,該光検出手段からの出力の変化に基づいて癖券か否かを判断する判断手段とを具備してなる癖券検出装置であり,上記光検出手段が紙幣端部からの反射光を検出するものが採用可能であり,また上記判断手段が,上記光検出手段からの出力変化の数及び/若しくは程度に基づいて癖券か否かを判断するものであってもよい。
【選択図】図4
【構成】折れ目,汚れ,破れなどの多い癖券を検出する癖券検出装置において,図柄の無い紙幣端部からの光を検出する光検出手段と,該光検出手段からの出力の変化に基づいて癖券か否かを判断する判断手段とを具備してなる癖券検出装置であり,上記光検出手段が紙幣端部からの反射光を検出するものが採用可能であり,また上記判断手段が,上記光検出手段からの出力変化の数及び/若しくは程度に基づいて癖券か否かを判断するものであってもよい。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,自動現金支払機(キャッシュディスペンサー),両替機,チケット販売装置,自動販売機,その他の現金処理装置等に用いることの出来,皺,折癖,破損,汚れなどの生じたいわゆる癖券を検出するための癖券検出装置及びかかる癖券検出装置を具備する現金処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来,上記のような現金処理機では,挿入された紙幣の真贋を判断することは行なわれているが,これは紙幣の図柄や透かしから判断するものであり,この真贋判断によって本物と判断されれば,その紙幣がたとえ皺が多かったり折癖がきつかったり,或は汚れ,破損が多くて紙幣としての使用に耐えないものであっても問題なしとしていた。そのため,皺や折り目が多かったりきつかったりすると,その後の紙幣搬送工程で紙詰まりを生じるという問題があった。またあまりにも汚れたり,破損のひどい紙幣は取引の安全の面からそのまま流通させるに適さないものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,従来の現金処理装置では,上記のように紙幣の図柄や透かしのみによる紙幣の真贋だけを判断し,紙幣の皺などについては判断しなかったので,上記のような搬送工程での紙詰まりや,或は流通過程でのトラブルの原因となっていた。
【0004】
従って,本発明が目的とするところは,現金処理などに先立って,事前に紙幣の皺,汚れなどを検出することの出来る癖券検出装置及びその装置を具備する現金処理装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る癖券検出装置は,
折れ目,汚れ,破れなどの多い癖券を検出する癖券検出装置において,
それ自体から紙幣までの距離を検出する変位検出手段と,
該変位検出手段からの出力の変化の数及び/若しくは程度に基づいて癖券か否かを判断する第1の判断手段とを具備してなる癖券検出装置である。
また,折れ目,汚れ,破れなどの多い癖券を検出する癖券検出装置において,
図柄の無い紙幣端部からの光を検出する光検出手段と,
該光検出手段からの出力の変化に基づいて癖券か否かを判断する第2の判断手段とを具備してなる癖券検出装置として基本的に構成することも可能である。
上記光検出手段は,紙幣端部からの反射光を検出する反射型が採用可能である。
上記第2の判断手段としては,上記光検出手段からの出力変化の数及び/若しくは程度に基づいて癖券か否かを判断するものが採用され得る。
別の例として,上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,このカウント値があらかじめ設定してあるカウント閾値を超える場合に癖紙幣と判別するものが採用可能である。
更に,上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,この積分値があらかじめ設定してある積分閾値を超える場合に癖紙幣と判別するものであってもよい。
上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するカウント値出力手段と,上記出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力する積分値出力手段とを具備するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,上記積分値出力手段から出力される積分値を,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値で除すると共に,この除算値があらかじめ決めてある閾値を越えた場合に癖紙幣と判断するものが採用可能である。
上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するカウント値出力手段と,上記出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力する積分値出力手段とを具備するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値が予め設定されたカウント閾値を超え,且つ上記積分値出力手段から出力される積分値を,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値で除した除算値があらかじめ決めてある除算閾値を越えた場合に癖紙幣と判断するものも採用できる。
光源として,発光ダイオードを用い,受光手段としてフォトダイオードを用いて検出手段としたものであってもよい。
受光手段としてPSDを用いることが可能である。
上記検出手段は1或は複数でもよく複数の場合には,第1または第2の判断手段が各回路の論理和により癖券を判別するものが採用可能である。
上記の癖券検出手段は,キャッシュディスペンサ,両替機,自動販売機その他の現金処理装置に適用可能である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下,添付図面を参照して,本発明の実施の形態につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明の具体例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに図1は第1の実施形態にかかる癖券検出装置のセンサの配置を示す概念図,図2は,紙幣からセンサまでの距離とセンサであるフォトダイオードの受光量との関係を示すグラフ,図3は,第1の実施形態にかかる癖券検出装置全体を示す図,図4は第1の実施形態にかかる癖券検出装置における判断手段の内容を示す回路図,図5は,図4に示した回路中の電流電圧変換回路からの出力値(a)と,微分回路からの出力値(b)を示すグラフ,図6は,カットオフ周波数の存在を示すグラフ,図7は,第2の実施形態にかかる癖券検出装置の回路図,図8は図7に示した回路中の積分回路からの出力値を示すグラフ,図9は,第3の実施形態にかかる癖券検出装置の回路図の一部,図10は第4の実施形態にかかる癖券検出装置の回路図の一部,図11は,図1とは異なるセンサの作用を示す図である。
【0007】
本実施形態にかかる癖券検出装置は,当然ながら紙幣の搬送部に設けられる。ここでは,紙幣から反射された光により紙幣の癖度合いを判断するべく,紙幣からの反射光を測定する反射センサを用いる場合について説明する。もちろん透過型のセンサを用いることも出来ることは言うまでも無い。
第1の実施形態にかかる癖券検出装置に用いられる反射センサS1は,図1のように発光ダイオードLED1とフォトダイオードPS1で構成され,反射体である紙幣1との距離LHによって,およそ図2に示すような受光特性となっている。
従って,搬送される紙幣に折れ,皺などがあると,上記折れ等によって生じる紙幣の凹凸でセンサと紙幣との距離が変化するので,フォトダイオードPS1の出力が変化する。更に,距離の変化と同時に紙幣の傾斜,汚れ等によって反射体の反射率が変化した場合にも,フォトダイオードPS1の出力は変化するので,フォトダイオードPS1の出力を測定することで,反射体である紙幣の折れや皺,或は汚れ,破損などが検出される。
【0008】
しかしこの方法では,センサS1は,紙幣1の図柄によっても出力が変化するので,紙幣1の図柄のある部分からの反射光量を測定したのでは,正確な折れなどを検出することが出来ない。そこでこの実施形態にかかる癖券検出装置では,印刷の無い紙幣の端部を測定することで,図柄の影響を排除する。
図3は,このような紙幣の端部における反射光量を測定するための装置を示す。この例では,紙幣を二つの平ベルトBにより搬送する場合のセンサ配置例を示している。センサS1は,図3(a)のようにベルトBの横に配置されて,紙幣印刷部以外の部分を測定する。
平ベルトBの張り具合が,強すぎるとしわ,折れが矯正されすぎて出力の変化が小さくなってしまう。ベルトBを強く張らなくてもベルトBを駆動或はガイドする回転ローラRからベルトが外れないように,回転ローラRの外周面に図3(b)のようなクラウンを設けておくことが望ましい。
上記フォトダイオードPS1の出力は図4に示す測定回路に入力され,搬送される紙幣1が癖券かどうかが判断される。
【0009】
図4の回路ブロック図で,動作を説明する。フォトダイオードの受光量に対応して流れる電流を,電流電圧変換回路により電圧に変換する。この電圧波形を微分・増幅することによって,凹凸を強調させる。強調された信号は,コンパレータによって,あらかじめ設定してある電圧閾値以上のときにHi,以下のときにLoとなるデジタル信号に変換する。このデジタル信号をカウンタ回路により立ち上がり(あるいは立ち下がり)の数をカウントする。カウント値は,あらかじめ設定してあるカウント閾値とカウント値コンパレータ回路により比較され,閾値より多い場合に癖券と判別される。
測定開始信号および測定終了信号は,図示しない紙幣遮断センサ等で検知し,測定開始信号によりカウンタをリセットし,測定終了信号により判定結果を有効とする。
【0010】
図5(a)および(b)は,実際にクシャクシャの紙幣を測定したフォトダイオードPS1からの出力(図4のA部の波形)と微分・増幅後(図4のB部の波形)の電圧値の例を示している。このように紙幣に折れ,汚れの有るものは凹凸が多い波形となり,無いものは平坦となる。
実際の回路では図6のように微分回路にカットオフ周波数が存在し,カットオフ周波数より低い周波数で微分をとることが可能である。しかし,カットオフ周波数を高くしすぎると,ゲインが小さくなりノイズの影響を受けやすくなる。
このカットオフ周波数Fcは,折れ等がほとんど無い流通に適した紙幣と,折れ等の有る流通に適さない紙幣を複数使用しあらかじめ実験を行い求めることができる。たとえば,図4の回路ブロックのA点の波形を周波数分析し,両者の周波数特性の違いが顕著に現れる周波数より倍程度高い周波数の値をカットオフ周波数とできる。
この周波数f〔/s〕は,走行速度v〔m/s〕によって変わるが,走行速度との比によって表わすと一定値として表わすことができ,例えばこの値(v/f)を0.003m〜0.006mとすれば,両者を良好に判定することができる。
電圧閾値およびカウント閾値も,折れがほとんど無い流通に適した紙幣と,折れの有る流通に適さない紙幣を複数使用しあらかじめ実験を行い,両者が良好に判定できる値を求めることができる。
【0011】
続いて第2の実施形態について図7を参照して説明する。上記第1の実施形態では,微分波形をカウントして判定を行ったが,第2の実施形態ではこれが図7のように積分回路に置き換えられる。
図8は,実際にクシャクシャの紙幣を測定したフォトダイオード出力(図7のC部の波形)の電圧値の例を示している。このように紙幣に折れ,汚れの有るものは,紙幣の搬送に伴って積分電圧が大きくなり,無いものは小さい。
従ってこの積分値が,あらかじめ設定してある積分電圧閾値より大きい場合に,癖券であると判別することができるので,この第2の実施形態では,積分回路からの出力を積分電圧コンパレータ回路に入力し,予め定められた所定の積分電圧閾値と比較して癖券であるかどうかを判断することが出来る。
上記積分電圧閾値は,折れがほとんど無い流通に適した紙幣と,折れの有る流通に適さない紙幣を複数使用しあらかじめ実験を行い,両者が良好に判定できる値を求めることができる。
【0012】
第1の実施形態では,カウント値により判定を行うものであり,しわ,折れ,汚れの多さ(数)を判定に使っていると考えることができる。これに対して,上記第2の実施形態は,積分値により判定を行うものであり,この多さの情報と,しわ,折れ,汚れの度合いの情報を掛け合わせたものを判定に使っていると考えることができる。
次に説明する第3の実施形態では,これらを組み合わせて使用するものであり,図9に回路ブロックを示す。ただし回路ブロックの前半は図4,図7に示した回路と同じであるので,電圧値コンパレータ回路より左の部分は省略している。
ここでは,カウンタ回路からのカウント値bは,第1の実施形態の場合と同様にカウンタ回路から出力される。除算回路は,積分回路の出力aを上記カウント値bで除算する。この除算は,各しわ,折れ,汚れの平均的度合いに対応すると考えられる。この癖度合いに対しても第1の実施形態および第2の実施形態と同様に,あらかじめ閾値を実験により求めておくことができる。
平均癖度合コンパレータ回路は,除算値(平均癖度合)が,度合電圧閾値より大きい場合に,癖券と判定することで,折れ等がほとんど無い流通に適した紙幣と,折れ等の有る流通に適さない紙幣を判別することができる。
次に示す第4の実施形態は,第1の実施形態と第3の実施形態の組み合わせである。
回路ブロック図を図10に示す。図10は,図9と同様に電圧値コンパレータ回路より左側は省略されている。
【0013】
第4の実施形態では,第1の実施形態と同様のカウント値による判定cと,第3の実施形態と同様の度合による判定dとをANDするものである。頻度と度合の両者がともに閾値を越える場合に癖券と判定して,折れ等がほとんど無い流通に適した紙幣と,折れ等の有る流通に適さない紙幣を判別することができる。
このように頻度と度合の両者を判別に利用することで,より正確な判別が可能となる。
【0014】
【実施例】
反射センサの形態として,図11のように,受光素子をPSD(光位置検出素子),画像用素子(CCD,CMOS)とすることで,紙幣1等の反射体とセンサS2との距離が変化したときに,受光素子PSDなどへの反射光入射位置が変化して,これを変位量に対応させることができる。これは画像の撮像位置の変位を検出するもので,印刷のある場所であると否とを問わない。(ここにあった文章を削除)
この受光素子の出力を変位センサ出力として図4,図7,図9或は図10の回路に入力し癖券を判断することができる。
この場合,上記のように反射体の反射率に影響されずに変位量を検出できるので,印刷のあるところでも測定および判別が可能となる。
以上の実施形態及び実施例では,LEDを光源とする反射センサを用いた場合を説明したが,光源がレーザからなるものや,超音波センサからなる変位センサを用いて実施しても,同様に癖券を判別することができる。
【0015】
また上の実施形態では,回路による場合が説明されているが,これは各回路ブロックの部分の機能をプログラムに置き換えて,コンピュータ・プログラムによって実施することも当然可能である。
さらに上の例では,反射センサ或は変位センサを1個配置する場合について示したが,もう一方のベルト横にもう一つ配置して,同様の回路をもう一つ設け,どちらかのカウント数がカウント閾値より大きい場合に癖券と判別することができる。
このようにすることで,1個の変位センサよりも判別精度を上げることが可能となる。
【0016】
【発明の効果】
本発明は以上述べたように,
折れ目,汚れ,破れなどの多い癖券を検出する癖券検出装置において,
それ自体から紙幣までの距離を検出する変位検出手段と,
該変位検出手段からの出力の変化の数及び/若しくは程度に基づいて癖券か否かを判断する第1の判断手段とを具備してなる癖券検出装置として構成されている。
また別の観点からすると,折れ目,汚れ,破れなどの多い癖券を検出する癖券検出装置において,
図柄の無い紙幣端部からの光を検出する光検出手段と,
該光検出手段からの出力の変化に基づいて癖券か否かを判断する第2の判断手段とを具備してなる癖券検出装置として構成されている。
従って,折れ目などによって生じる反射光の変動から癖券を検出するので,癖券の検出精度が著しく向上する。また簡単な装置で精度よく癖券を検出できる。
上記光検出手段は,紙幣端部からの反射光を検出する反射型が採用可能である。
紙幣の透過性はよくないので,反射型とすることで,精度のよい検出装置が得られる。
上記第2の判断手段としては,上記光検出手段からの出力変化の数及び/若しくは程度に基づいて癖券か否かを判断するものが採用され得る。この場合,出力変化の数は折れなどの数を表すので,紙幣の古さを検出でき,出力変化の程度は,折れ曲がりのきつさなどをあらわすと考えられるので,これらの要素から判断することで紙幣の傷み具合を精度よく判断できる。
【0017】
別の例として,上記光検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,このカウント値があらかじめ設定してあるカウント閾値を超える場合に癖紙幣と判別するものが採用可能である。
この場合,出力値の微分という簡単に得られるデータを採用するので,構成が簡素となりコストダウンに寄与できる。
更に,上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,この積分値があらかじめ設定してある積分閾値を超える場合に癖紙幣と判別するものであってもよい。
このように積分値により判定を行う場合には,皺や折れ,汚れの多さの情報と,しわ,折れ,汚れの度合いの情報を掛け合わせたものを判定に使っていると考えることができるので,紙幣の古さの判断としての精度が向上する。
上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するカウント値出力手段と,上記出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力する積分値出力手段とを具備するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,上記積分値出力手段から出力される積分値を,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値で除すると共に,この除算値があらかじめ決めてある閾値を越えた場合に癖紙幣と判断するものが採用可能である。
このような除算値(平均癖度合)が,度合電圧閾値より大きい場合に,癖券と判定することで,折れ等がほとんど無い流通に適した紙幣と,折れ等の有る流通に適さない紙幣を,精度よく判別することができる。
上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するカウント値出力手段と,上記出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力する積分値出力手段とを具備するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値が予め設定されたカウント閾値を超え,且つ上記積分値出力手段から出力される積分値を,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値で除した除算値があらかじめ決めてある除算閾値を越えた場合に癖紙幣と判断するものも採用できる。
このように頻度と度合の両者を判別に利用することで,より正確な判別が可能となる。
【0018】
光源として,発光ダイオードを用い,受光手段としてフォトダイオードを用いた検出手段であってもよい。廉価な構成によりコストダウンが可能である。
受光手段としてPSDを用いることが可能である。
この場合,反射体の反射率に影響されずに変位量を検出できるので,印刷のあるところでも測定および判別が可能となる。
上記検出手段は1或は複数でもよく複数の場合には,第1または第2の判断手段が各回路の論理和により癖券を判別するものが採用可能である。複数のデータを検出することで検出精度が向上する。
上記の癖券検出手段は,キャッシュディスペンサ,両替機,自動販売機その他の現金処理装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかる癖券検出装置のセンサの配置を示す概念図。
【図2】紙幣からセンサまでの距離とセンサであるフォトダイオードの受光量との関係を示すグラフ。
【図3】第1の実施形態にかかる癖券検出装置全体を示す図。
【図4】第1の実施形態にかかる癖券検出装置における判断手段の内容を示す回路図。
【図5】図4に示した回路中の電流電圧変換回路からの出力値(a)と,微分回路からの出力値(b)を示すグラフ。
【図6】カットオフ周波数の存在を示すグラフ。
【図7】第2の実施形態にかかる癖券検出装置の回路図。
【図8】図7に示した回路中の積分回路からの出力値を示すグラフ。
【図9】第3の実施形態にかかる癖券検出装置の回路図の一部。
【図10】第4の実施形態にかかる癖券検出装置の回路図の一部。
【図11】図1とは異なるセンサの作用を示す図。
【符号の説明】
1…紙幣
B…ベルト
R…回転ローラ
S1…反射センサ
LED…発光ダイオード
PS1…フォトダイオード
PS2…変位センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は,自動現金支払機(キャッシュディスペンサー),両替機,チケット販売装置,自動販売機,その他の現金処理装置等に用いることの出来,皺,折癖,破損,汚れなどの生じたいわゆる癖券を検出するための癖券検出装置及びかかる癖券検出装置を具備する現金処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来,上記のような現金処理機では,挿入された紙幣の真贋を判断することは行なわれているが,これは紙幣の図柄や透かしから判断するものであり,この真贋判断によって本物と判断されれば,その紙幣がたとえ皺が多かったり折癖がきつかったり,或は汚れ,破損が多くて紙幣としての使用に耐えないものであっても問題なしとしていた。そのため,皺や折り目が多かったりきつかったりすると,その後の紙幣搬送工程で紙詰まりを生じるという問題があった。またあまりにも汚れたり,破損のひどい紙幣は取引の安全の面からそのまま流通させるに適さないものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,従来の現金処理装置では,上記のように紙幣の図柄や透かしのみによる紙幣の真贋だけを判断し,紙幣の皺などについては判断しなかったので,上記のような搬送工程での紙詰まりや,或は流通過程でのトラブルの原因となっていた。
【0004】
従って,本発明が目的とするところは,現金処理などに先立って,事前に紙幣の皺,汚れなどを検出することの出来る癖券検出装置及びその装置を具備する現金処理装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る癖券検出装置は,
折れ目,汚れ,破れなどの多い癖券を検出する癖券検出装置において,
それ自体から紙幣までの距離を検出する変位検出手段と,
該変位検出手段からの出力の変化の数及び/若しくは程度に基づいて癖券か否かを判断する第1の判断手段とを具備してなる癖券検出装置である。
また,折れ目,汚れ,破れなどの多い癖券を検出する癖券検出装置において,
図柄の無い紙幣端部からの光を検出する光検出手段と,
該光検出手段からの出力の変化に基づいて癖券か否かを判断する第2の判断手段とを具備してなる癖券検出装置として基本的に構成することも可能である。
上記光検出手段は,紙幣端部からの反射光を検出する反射型が採用可能である。
上記第2の判断手段としては,上記光検出手段からの出力変化の数及び/若しくは程度に基づいて癖券か否かを判断するものが採用され得る。
別の例として,上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,このカウント値があらかじめ設定してあるカウント閾値を超える場合に癖紙幣と判別するものが採用可能である。
更に,上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,この積分値があらかじめ設定してある積分閾値を超える場合に癖紙幣と判別するものであってもよい。
上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するカウント値出力手段と,上記出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力する積分値出力手段とを具備するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,上記積分値出力手段から出力される積分値を,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値で除すると共に,この除算値があらかじめ決めてある閾値を越えた場合に癖紙幣と判断するものが採用可能である。
上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するカウント値出力手段と,上記出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力する積分値出力手段とを具備するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値が予め設定されたカウント閾値を超え,且つ上記積分値出力手段から出力される積分値を,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値で除した除算値があらかじめ決めてある除算閾値を越えた場合に癖紙幣と判断するものも採用できる。
光源として,発光ダイオードを用い,受光手段としてフォトダイオードを用いて検出手段としたものであってもよい。
受光手段としてPSDを用いることが可能である。
上記検出手段は1或は複数でもよく複数の場合には,第1または第2の判断手段が各回路の論理和により癖券を判別するものが採用可能である。
上記の癖券検出手段は,キャッシュディスペンサ,両替機,自動販売機その他の現金処理装置に適用可能である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下,添付図面を参照して,本発明の実施の形態につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明の具体例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに図1は第1の実施形態にかかる癖券検出装置のセンサの配置を示す概念図,図2は,紙幣からセンサまでの距離とセンサであるフォトダイオードの受光量との関係を示すグラフ,図3は,第1の実施形態にかかる癖券検出装置全体を示す図,図4は第1の実施形態にかかる癖券検出装置における判断手段の内容を示す回路図,図5は,図4に示した回路中の電流電圧変換回路からの出力値(a)と,微分回路からの出力値(b)を示すグラフ,図6は,カットオフ周波数の存在を示すグラフ,図7は,第2の実施形態にかかる癖券検出装置の回路図,図8は図7に示した回路中の積分回路からの出力値を示すグラフ,図9は,第3の実施形態にかかる癖券検出装置の回路図の一部,図10は第4の実施形態にかかる癖券検出装置の回路図の一部,図11は,図1とは異なるセンサの作用を示す図である。
【0007】
本実施形態にかかる癖券検出装置は,当然ながら紙幣の搬送部に設けられる。ここでは,紙幣から反射された光により紙幣の癖度合いを判断するべく,紙幣からの反射光を測定する反射センサを用いる場合について説明する。もちろん透過型のセンサを用いることも出来ることは言うまでも無い。
第1の実施形態にかかる癖券検出装置に用いられる反射センサS1は,図1のように発光ダイオードLED1とフォトダイオードPS1で構成され,反射体である紙幣1との距離LHによって,およそ図2に示すような受光特性となっている。
従って,搬送される紙幣に折れ,皺などがあると,上記折れ等によって生じる紙幣の凹凸でセンサと紙幣との距離が変化するので,フォトダイオードPS1の出力が変化する。更に,距離の変化と同時に紙幣の傾斜,汚れ等によって反射体の反射率が変化した場合にも,フォトダイオードPS1の出力は変化するので,フォトダイオードPS1の出力を測定することで,反射体である紙幣の折れや皺,或は汚れ,破損などが検出される。
【0008】
しかしこの方法では,センサS1は,紙幣1の図柄によっても出力が変化するので,紙幣1の図柄のある部分からの反射光量を測定したのでは,正確な折れなどを検出することが出来ない。そこでこの実施形態にかかる癖券検出装置では,印刷の無い紙幣の端部を測定することで,図柄の影響を排除する。
図3は,このような紙幣の端部における反射光量を測定するための装置を示す。この例では,紙幣を二つの平ベルトBにより搬送する場合のセンサ配置例を示している。センサS1は,図3(a)のようにベルトBの横に配置されて,紙幣印刷部以外の部分を測定する。
平ベルトBの張り具合が,強すぎるとしわ,折れが矯正されすぎて出力の変化が小さくなってしまう。ベルトBを強く張らなくてもベルトBを駆動或はガイドする回転ローラRからベルトが外れないように,回転ローラRの外周面に図3(b)のようなクラウンを設けておくことが望ましい。
上記フォトダイオードPS1の出力は図4に示す測定回路に入力され,搬送される紙幣1が癖券かどうかが判断される。
【0009】
図4の回路ブロック図で,動作を説明する。フォトダイオードの受光量に対応して流れる電流を,電流電圧変換回路により電圧に変換する。この電圧波形を微分・増幅することによって,凹凸を強調させる。強調された信号は,コンパレータによって,あらかじめ設定してある電圧閾値以上のときにHi,以下のときにLoとなるデジタル信号に変換する。このデジタル信号をカウンタ回路により立ち上がり(あるいは立ち下がり)の数をカウントする。カウント値は,あらかじめ設定してあるカウント閾値とカウント値コンパレータ回路により比較され,閾値より多い場合に癖券と判別される。
測定開始信号および測定終了信号は,図示しない紙幣遮断センサ等で検知し,測定開始信号によりカウンタをリセットし,測定終了信号により判定結果を有効とする。
【0010】
図5(a)および(b)は,実際にクシャクシャの紙幣を測定したフォトダイオードPS1からの出力(図4のA部の波形)と微分・増幅後(図4のB部の波形)の電圧値の例を示している。このように紙幣に折れ,汚れの有るものは凹凸が多い波形となり,無いものは平坦となる。
実際の回路では図6のように微分回路にカットオフ周波数が存在し,カットオフ周波数より低い周波数で微分をとることが可能である。しかし,カットオフ周波数を高くしすぎると,ゲインが小さくなりノイズの影響を受けやすくなる。
このカットオフ周波数Fcは,折れ等がほとんど無い流通に適した紙幣と,折れ等の有る流通に適さない紙幣を複数使用しあらかじめ実験を行い求めることができる。たとえば,図4の回路ブロックのA点の波形を周波数分析し,両者の周波数特性の違いが顕著に現れる周波数より倍程度高い周波数の値をカットオフ周波数とできる。
この周波数f〔/s〕は,走行速度v〔m/s〕によって変わるが,走行速度との比によって表わすと一定値として表わすことができ,例えばこの値(v/f)を0.003m〜0.006mとすれば,両者を良好に判定することができる。
電圧閾値およびカウント閾値も,折れがほとんど無い流通に適した紙幣と,折れの有る流通に適さない紙幣を複数使用しあらかじめ実験を行い,両者が良好に判定できる値を求めることができる。
【0011】
続いて第2の実施形態について図7を参照して説明する。上記第1の実施形態では,微分波形をカウントして判定を行ったが,第2の実施形態ではこれが図7のように積分回路に置き換えられる。
図8は,実際にクシャクシャの紙幣を測定したフォトダイオード出力(図7のC部の波形)の電圧値の例を示している。このように紙幣に折れ,汚れの有るものは,紙幣の搬送に伴って積分電圧が大きくなり,無いものは小さい。
従ってこの積分値が,あらかじめ設定してある積分電圧閾値より大きい場合に,癖券であると判別することができるので,この第2の実施形態では,積分回路からの出力を積分電圧コンパレータ回路に入力し,予め定められた所定の積分電圧閾値と比較して癖券であるかどうかを判断することが出来る。
上記積分電圧閾値は,折れがほとんど無い流通に適した紙幣と,折れの有る流通に適さない紙幣を複数使用しあらかじめ実験を行い,両者が良好に判定できる値を求めることができる。
【0012】
第1の実施形態では,カウント値により判定を行うものであり,しわ,折れ,汚れの多さ(数)を判定に使っていると考えることができる。これに対して,上記第2の実施形態は,積分値により判定を行うものであり,この多さの情報と,しわ,折れ,汚れの度合いの情報を掛け合わせたものを判定に使っていると考えることができる。
次に説明する第3の実施形態では,これらを組み合わせて使用するものであり,図9に回路ブロックを示す。ただし回路ブロックの前半は図4,図7に示した回路と同じであるので,電圧値コンパレータ回路より左の部分は省略している。
ここでは,カウンタ回路からのカウント値bは,第1の実施形態の場合と同様にカウンタ回路から出力される。除算回路は,積分回路の出力aを上記カウント値bで除算する。この除算は,各しわ,折れ,汚れの平均的度合いに対応すると考えられる。この癖度合いに対しても第1の実施形態および第2の実施形態と同様に,あらかじめ閾値を実験により求めておくことができる。
平均癖度合コンパレータ回路は,除算値(平均癖度合)が,度合電圧閾値より大きい場合に,癖券と判定することで,折れ等がほとんど無い流通に適した紙幣と,折れ等の有る流通に適さない紙幣を判別することができる。
次に示す第4の実施形態は,第1の実施形態と第3の実施形態の組み合わせである。
回路ブロック図を図10に示す。図10は,図9と同様に電圧値コンパレータ回路より左側は省略されている。
【0013】
第4の実施形態では,第1の実施形態と同様のカウント値による判定cと,第3の実施形態と同様の度合による判定dとをANDするものである。頻度と度合の両者がともに閾値を越える場合に癖券と判定して,折れ等がほとんど無い流通に適した紙幣と,折れ等の有る流通に適さない紙幣を判別することができる。
このように頻度と度合の両者を判別に利用することで,より正確な判別が可能となる。
【0014】
【実施例】
反射センサの形態として,図11のように,受光素子をPSD(光位置検出素子),画像用素子(CCD,CMOS)とすることで,紙幣1等の反射体とセンサS2との距離が変化したときに,受光素子PSDなどへの反射光入射位置が変化して,これを変位量に対応させることができる。これは画像の撮像位置の変位を検出するもので,印刷のある場所であると否とを問わない。(ここにあった文章を削除)
この受光素子の出力を変位センサ出力として図4,図7,図9或は図10の回路に入力し癖券を判断することができる。
この場合,上記のように反射体の反射率に影響されずに変位量を検出できるので,印刷のあるところでも測定および判別が可能となる。
以上の実施形態及び実施例では,LEDを光源とする反射センサを用いた場合を説明したが,光源がレーザからなるものや,超音波センサからなる変位センサを用いて実施しても,同様に癖券を判別することができる。
【0015】
また上の実施形態では,回路による場合が説明されているが,これは各回路ブロックの部分の機能をプログラムに置き換えて,コンピュータ・プログラムによって実施することも当然可能である。
さらに上の例では,反射センサ或は変位センサを1個配置する場合について示したが,もう一方のベルト横にもう一つ配置して,同様の回路をもう一つ設け,どちらかのカウント数がカウント閾値より大きい場合に癖券と判別することができる。
このようにすることで,1個の変位センサよりも判別精度を上げることが可能となる。
【0016】
【発明の効果】
本発明は以上述べたように,
折れ目,汚れ,破れなどの多い癖券を検出する癖券検出装置において,
それ自体から紙幣までの距離を検出する変位検出手段と,
該変位検出手段からの出力の変化の数及び/若しくは程度に基づいて癖券か否かを判断する第1の判断手段とを具備してなる癖券検出装置として構成されている。
また別の観点からすると,折れ目,汚れ,破れなどの多い癖券を検出する癖券検出装置において,
図柄の無い紙幣端部からの光を検出する光検出手段と,
該光検出手段からの出力の変化に基づいて癖券か否かを判断する第2の判断手段とを具備してなる癖券検出装置として構成されている。
従って,折れ目などによって生じる反射光の変動から癖券を検出するので,癖券の検出精度が著しく向上する。また簡単な装置で精度よく癖券を検出できる。
上記光検出手段は,紙幣端部からの反射光を検出する反射型が採用可能である。
紙幣の透過性はよくないので,反射型とすることで,精度のよい検出装置が得られる。
上記第2の判断手段としては,上記光検出手段からの出力変化の数及び/若しくは程度に基づいて癖券か否かを判断するものが採用され得る。この場合,出力変化の数は折れなどの数を表すので,紙幣の古さを検出でき,出力変化の程度は,折れ曲がりのきつさなどをあらわすと考えられるので,これらの要素から判断することで紙幣の傷み具合を精度よく判断できる。
【0017】
別の例として,上記光検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,このカウント値があらかじめ設定してあるカウント閾値を超える場合に癖紙幣と判別するものが採用可能である。
この場合,出力値の微分という簡単に得られるデータを採用するので,構成が簡素となりコストダウンに寄与できる。
更に,上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,この積分値があらかじめ設定してある積分閾値を超える場合に癖紙幣と判別するものであってもよい。
このように積分値により判定を行う場合には,皺や折れ,汚れの多さの情報と,しわ,折れ,汚れの度合いの情報を掛け合わせたものを判定に使っていると考えることができるので,紙幣の古さの判断としての精度が向上する。
上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するカウント値出力手段と,上記出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力する積分値出力手段とを具備するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,上記積分値出力手段から出力される積分値を,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値で除すると共に,この除算値があらかじめ決めてある閾値を越えた場合に癖紙幣と判断するものが採用可能である。
このような除算値(平均癖度合)が,度合電圧閾値より大きい場合に,癖券と判定することで,折れ等がほとんど無い流通に適した紙幣と,折れ等の有る流通に適さない紙幣を,精度よく判別することができる。
上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するカウント値出力手段と,上記出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力する積分値出力手段とを具備するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値が予め設定されたカウント閾値を超え,且つ上記積分値出力手段から出力される積分値を,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値で除した除算値があらかじめ決めてある除算閾値を越えた場合に癖紙幣と判断するものも採用できる。
このように頻度と度合の両者を判別に利用することで,より正確な判別が可能となる。
【0018】
光源として,発光ダイオードを用い,受光手段としてフォトダイオードを用いた検出手段であってもよい。廉価な構成によりコストダウンが可能である。
受光手段としてPSDを用いることが可能である。
この場合,反射体の反射率に影響されずに変位量を検出できるので,印刷のあるところでも測定および判別が可能となる。
上記検出手段は1或は複数でもよく複数の場合には,第1または第2の判断手段が各回路の論理和により癖券を判別するものが採用可能である。複数のデータを検出することで検出精度が向上する。
上記の癖券検出手段は,キャッシュディスペンサ,両替機,自動販売機その他の現金処理装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかる癖券検出装置のセンサの配置を示す概念図。
【図2】紙幣からセンサまでの距離とセンサであるフォトダイオードの受光量との関係を示すグラフ。
【図3】第1の実施形態にかかる癖券検出装置全体を示す図。
【図4】第1の実施形態にかかる癖券検出装置における判断手段の内容を示す回路図。
【図5】図4に示した回路中の電流電圧変換回路からの出力値(a)と,微分回路からの出力値(b)を示すグラフ。
【図6】カットオフ周波数の存在を示すグラフ。
【図7】第2の実施形態にかかる癖券検出装置の回路図。
【図8】図7に示した回路中の積分回路からの出力値を示すグラフ。
【図9】第3の実施形態にかかる癖券検出装置の回路図の一部。
【図10】第4の実施形態にかかる癖券検出装置の回路図の一部。
【図11】図1とは異なるセンサの作用を示す図。
【符号の説明】
1…紙幣
B…ベルト
R…回転ローラ
S1…反射センサ
LED…発光ダイオード
PS1…フォトダイオード
PS2…変位センサ
Claims (12)
- 折れ目,汚れ,破れなどの多い癖券を検出する癖券検出装置において,
それ自体から紙幣までの距離を検出する変位検出手段と,
該変位検出手段からの出力の変化の数及び/若しくは程度に基づいて癖券か否かを判断する第1の判断手段とを具備してなる癖券検出装置。 - 折れ目,汚れ,破れなどの多い癖券を検出する癖券検出装置において,
図柄の無い紙幣端部からの光を検出する光検出手段と,
該光検出手段からの出力の変化に基づいて癖券か否かを判断する第2の判断手段とを具備してなる癖券検出装置。 - 上記検出手段が反射光を検出するものである請求項1或は2に記載の癖券検出装置。
- 上記第2の判断手段が,上記光検出手段からの出力変化の数及び/若しくは程度に基づいて癖券か否かを判断する請求項2或は3に記載の癖券検出装置。
- 上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,このカウント値があらかじめ設定してあるカウント閾値を超える場合に癖紙幣と判別するものである請求項1〜4のいずれかに記載の癖券検出装置。 - 上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,この積分値があらかじめ設定してある積分閾値を超える場合に癖紙幣と判別するものである請求項1〜4のいずれかに記載の癖券検出装置。 - 上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するカウント値出力手段と,上記出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力する積分値出力手段とを具備するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,上記積分値出力手段から出力される積分値を,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値で除すると共に,この除算値があらかじめ決めてある閾値を越えた場合に癖紙幣と判断するものである請求項1〜4のいずれかに記載の癖券検出装置。 - 上記検出手段が,その出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える回数をカウントして出力するカウント値出力手段と,上記出力波形の微分波形があらかじめ設定してある閾値を超える波形部分を積分して出力する積分値出力手段とを具備するものであり,
上記第1または第2の判断手段が,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値が予め設定されたカウント閾値を超え,且つ上記積分値出力手段から出力される積分値を,上記カウント値出力手段から出力されるカウント値で除した除算値があらかじめ決めてある除算閾値を越えた場合に癖紙幣と判断するものである請求項1〜4のいずれかに記載の癖券検出装置。 - 光源として発光ダイオードを用い,受光手段としてフォトダイオードを用いた検出手段である請求項2〜8のいずれかに記載の癖券検出装置。
- 光検出手段がPSDを用いたものである請求項1〜8のいずれかに記載の癖券検出装置。
- 上記検出手段を複数備え,第1または第2の判断手段が各回路の論理和により癖券を判別するものである請求項1〜10のいずれかに記載の癖券検出装置。
- 請求項1〜11のいずれかの癖券検出装置を備えてなる現金処理装置。
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