JP2005030574A - 機械部品の防振取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】
モータ等の振動体の被取付部に対する位置決め精度を損なうことなく、かかる振動体から被取付部への振動の伝播及び騒音の発生を防止することが可能であると共に、振動周波数の異なる複数の振動体に関して共通の固定ベース部及び被取付部を使用可能とすることにより、生産コストの低減化を図ることが可能な振動体の取付構造を提供する。
【解決手段】
任意の周波数で振動する振動体を各種機械装置の被取付部に対して取り付けるための構造であって、前記振動体の固定ベース及び/又は前記被取付部にはこれら部材を相互に接触固定するための位置決め部を形成し、この位置決め部の周囲には前記固定ベース部と被取付部との間に挟み込まれて押し潰される弾性部材を配置した。
【選択図】 図2
モータ等の振動体の被取付部に対する位置決め精度を損なうことなく、かかる振動体から被取付部への振動の伝播及び騒音の発生を防止することが可能であると共に、振動周波数の異なる複数の振動体に関して共通の固定ベース部及び被取付部を使用可能とすることにより、生産コストの低減化を図ることが可能な振動体の取付構造を提供する。
【解決手段】
任意の周波数で振動する振動体を各種機械装置の被取付部に対して取り付けるための構造であって、前記振動体の固定ベース及び/又は前記被取付部にはこれら部材を相互に接触固定するための位置決め部を形成し、この位置決め部の周囲には前記固定ベース部と被取付部との間に挟み込まれて押し潰される弾性部材を配置した。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えばモータやギヤボックス等の如く任意の周波数で振動する機械部品を各種機械装置の装置フレームに固定し、あるいは光学部品などの如く振動を嫌う機械部品を各種機械装置の装置フレームに対して固定するための取付構造に係り、詳細には、相互に固定される装置フレームと機械部品との間で振動が伝播するのを抑制し、かかる機械装置における振動及び騒音の発生を低減化するための改良に関する。
例えば、電子写真複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置では、画情報に応じたトナー像を形成してこれを記録シートに転写、定着するプロセス中に、感光体ドラム、現像剤搬送ロール、転写ロール、ドラムクリーナ、記録シート搬送ロール、定着ロール等の種々の回転体が存在し、これらを複数のモータによって所定の速度で回転させている。これらモータはそれ自身の固定ベース部を画像形成装置の装置フレーム(被取付部)等にねじ止めすることにより固定されており、モータ出力軸は減速ギヤ列等の減速機構を介して感光体ドラム等の前記回転体に接続されている。
モータはその構造上からコギングというトルクむらを発生し、このトルクむらはモータ回転数に応じた周波数の振動となって前記固定ベース部に伝播し、更には固定ベース部から装置フレームに伝播する。固定ベース部及び装置フレームから構成される支持系がモータの振動に対して共振してしまうと、装置フレームに大きな振動が作用することになる。そのような振動が装置フレームに伝播すると、装置フレームによって回転を支承された感光体ドラムや転写ロール、ひいては感光体ドラムに対して画情報を書き込む光学系に対して振動が伝播することから、記録シート上に形成した記録画像にはバンディングと称される縞状の模様が生じてしまい、かかる記録画像の画質は著しく劣化してしまう。特に、近年のカラー複写機やカラープリンタは、記録画像の出力速度の高速化を目的として、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各色毎に感光体ドラムを備える所謂タンデム型が主流となりつつあり、画像形成装置を構成する上で必要とされるモータの数も増加する傾向にある。従って、各モータを装置フレームに取り付けるに当たっては、その防振対策が極めて重要である。また、これらモータから装置フレームに伝播してしまった振動をラスタ走査装置等の光学系に伝播させないための防振対策も重要である。
従来、モータ等の振動体を装置フレームに取り付ける際の防振構造としては、前記固定ベース部と装置フレームとの間に防振ゴム等の弾性部材を介在させるものが知られている(特開平5−127441号公報、特開平5−149383号公報、特開平−126207号公報等)。具体的には、モータを固定した固定ベース部と装置フレームとの間に弾性部材を挟み込み、固定ベース部を装置フレームに接触させることなく、間接的に該装置フレームに固定するようにしている。
この従来の防振構造は、固定ベース部と装置フレームとの間に弾性部材を介在させる結果として、固定ベース部から装置フレームに至るモータの支持系の静的ばね定数が低下し、かかる支持系の固有振動数が低下するので、この固有振動数よりもある程度高い周波数領域の振動に対して防振効果を発揮する。その反面、支持系の固有振動数よりも低い周波数領域については防振効果が殆どなく、低周波数領域についても充分な防振効果を獲得したいのであれば、支持系の固有振動数を低くする必要が生じる。
しかし、支持系の固有振動数そのものを低下させるためには、前記弾性部材としてバネ定数の小さな材質、すなわち柔らかい材質を使用する必要があり、そのような材質を使用すると、モータの装置フレームに対する位置決めが悪化してしまうといった別の問題が生じる。つまり、減速ギヤ列等の装置フレーム側に設けられた被駆動部材に対してモータの出力軸が傾いてしまい、ギヤの噛み合い不良等を原因として振動や騒音が発生してしまうのである。また、このようなモータの位置決め不良は、弾性部材の経時的な劣化によって更に悪化する傾向にある。
一方、モータが発生する振動の周波数はその回転数に依存していることから、モータの支持系は周波数全域において防振効果を発揮する必要はなく、特定の周波数における振動の伝達率が小さければ、実用上は充分な防振効果を発揮していると言える。入力振動の周波数をパラメータとし、入力振動に対する出力振動の応答を示したものを伝達関数と言うが、この伝達関数は前記固定ベース部や装置フレームの形状、材質、質量等に応じて異なったものとなる。従って、固定ベース部や装置フレームの設計を最適化すれば、入力振動、すなわちモータが発生する特定周波数の振動に対する伝達率を小さく設定することができ、かかるモータの回転によって装置フレームに振動が伝播するのを防止することが可能である。
しかし、固定ベース部や装置フレームの設計をモータの使用回転数に合致させて最適化するのは手間がかかり、例えば、記録画像のプリント速度が異なる数種類の画像形成装置が存在する場合には、各装置毎にモータの固定ベース部や装置フレーム側の被取付部を設計することが必要され、仕様の共通化による生産コストの低減化を期待することができなくなってしまう。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、例えばモータやギヤボックス等の如く任意の周波数で振動する機械部品を各種機械装置の装置フレームに固定し、あるいは光学部品などの如く振動を嫌う機械部品を各種機械装置の装置フレームに対して固定するに当たり、前記機械部品の被取付部に対する位置決め精度を損なうことがなく、かかる機械部品と被取付部との間での振動の伝播、及びそれに伴う騒音の発生を防止することが可能であると共に、振動周波数の異なる複数の機械部品に関して共通の固定ベース部及び被取付部を使用可能とすることにより、生産コストの低減化を図ることが可能な機械部品の防振取付構造を提供することにある。
すなわち、本発明は、各種機械装置を構成する機械部品を当該機械装置の被取付部に対して固定するに当たり、両者の間の振動の伝播を軽減又は防止するための防振取付構造であって、前記機械部品の固定ベース及び/又は前記被取付部にはこれら部材を相互に接触固定するための位置決め部を形成し、この位置決め部の周囲には前記固定ベース部と被取付部との間に挟み込まれて押し潰される弾性部材を配置したことを特徴とするものである。
このような技術的手段によれば、前記固定ベース部と被取付部との間に挟み込む弾性部材の材質、形状、厚み等を適宜変更することにより、固定ベース部及び被取付部の形状や材質等を設計変更することなく、モータ等の振動体の支持系が有する振動の伝達関数を該振動体の入力振動に対して最適化することが可能となるので、支持系の共振を防止し、被取付部に伝播する振動を低減すると共に、騒音が発生するのを可及的に防止することが可能となる。また、ローパスフィルターの如く、特定の周波数以上の振動の伝播が低減され、この点においても騒音が発生するのを可及的に防止することが可能となる。更に、支持系が具備する伝達関数を最適化するに当たり、固定ベース部及び被取付部の設計変更が必要とされないので、振動体の発する入力振動の周波数が異なる場合であっても、固定ベース部及び被取付部は共通化することができ、その分だけ生産コストの低減化を図ることができる。
更に、本発明の防振取付構造では、固定ベース部及び/又は被取付部が相手側部材に対して接触固定される位置決め部を具備しており、これら両部材は直接接した状態で固定されていることから、固定ベース部を介して被取付部に取り付けられる機械部品の該被取付部に対する位置決めを確実に行うことができる。このことは、例えば前記振動体がモータである場合に、減速ギヤ列等の被取付部側に設けられた被駆動部材に対してモータの出力軸が正確に噛み合うことを意味し、ギヤの噛み合い不良等を原因として振動や騒音が発生してしまうのを防止することができるものである。
ここで、前記機械部品としては、モータやギヤボックス等、それ自体が部材の回転数等に応じて振動を発生するものは勿論のこと、モータ等の振動源から伝播したエネルギによって振動を生じるような各種機械構造を含む意である。従って、例えば画像形成装置においては、モータや減速ギヤ等の駆動系の部材のみならず、これらモータ等によって回転を与えられる感光体、高速回転する多面鏡を含んだラスタ走査装置等も本発明の取付構造の対象となる機械部品である。
一方、前記弾性部材としては、固定ベース部に対する入力振動の周波数に応じ、その材質、形状、厚み等を適宜選択することが可能であるが、固定ベース部を被取付部に取り付けた際に、これら両部材の間で押しつぶされて弾性変形し、両部材の間に強固に固定されることが必要である。この弾性部材の一例としては、JIS/K6386に規定される防振ゴムや、一般的に制振ゴムととして市販されているものを使用することが可能である。
また、前記位置決め部としては、固定ベース部と被取付部とが直接接するものであれば、その形状や大きさは適宜設計変更して差し支えなく、固定ベース部側に形成しても良いし、被取付部側に形成しても良い。勿論、両者に位置決め部を形成して、それらを互いに接触させるように構成しても良い。もっとも、固定ベース部と被取付部との間に挟み込む弾性部材に関してその形状の選択の幅を拡げるといった観点からすれば、前記位置決め部は必要最低限の大きさであれば良く、例えば、前記固定ベース部又は被取付部から突出する脚部として形成し、その中心に前記固定ベース部を被取付部に結合する固定ねじの挿通孔又はタップ孔を形成するのが好ましい。
更に、前記弾性部材は位置決め部の周囲に配置されて固定ベース部と被取付部との間に挟み込まれるものであれば良いが、位置決め部の周囲を環状に取り囲むように弾性部材を配置すると、前記機械部品と被取付部との間で伝播する振動が一層低減されたものとなる。
以上説明してきたように、本発明の機械部品の防振取付構造によれば、固定ベース部と被取付部が位置決め部を介して直接接した状態で固定されていることから、モータ等の機械部品の被取付部に対する位置決め精度が損なわれることなく、かかる機械部品と被取付部との間における振動の伝播、及び該伝播に起因した騒音の発生を防止することが可能となる。また、前記固定ベース部と被取付部との間に挟み込む弾性部材の材質、形状、厚み等を適宜変更することにより、モータ等の機械部品の支持系が有する振動の伝達関数を該振動体の入力振動に対して最適化されるので、振動周波数の異なる複数の機械部品に関して共通の固定ベース部及び被取付部を使用しても、これら支持系の共振を防止して、被取付部に振動が伝播するのを抑えることができると共に、かかる振動に起因して騒音が発生するのを可及的に防止することができ、生産コストの低減化を図ることが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の機械部品の防振取付構造を詳細に説明する。
図1及び図2は、画像形成装置の装置フレームに対するモータの取り付け構造に本発明を適用した例を示すものである。モータMのステータ及びロータ(図示せず)は円筒状のモータハウジング1内に収容されると共に、このモータハウジング1の一端には前記機械装置の被取付部10に対して固定される固定ベース部2が設けられている。この固定ベース部2は略四角形状に形成されて、その四隅がモータハウジング1の外周から周囲へフランジ状に張り出すと共に、かかる固定ベース部2の四隅には取付ねじ20の挿通孔3が夫々開設されている。また、固定ベース部2の中央にはモータハウジング1内に連通する開口4が形成され、この開口4からはロータシャフト5が突き出している。被取付部10にも前記ロータシャフト5が挿通されるシャフト挿通孔11が設けられており、モータMを被取付部10に固定すると、ロータシャフト5の先端はこのシャフト挿通孔11から被取付部10を貫通して機械装置の内部へ突出し、減速ギヤ等の遊星減速ローラ等の減速機構(図示せず)と連結されるようになっている。
図1及び図2は、画像形成装置の装置フレームに対するモータの取り付け構造に本発明を適用した例を示すものである。モータMのステータ及びロータ(図示せず)は円筒状のモータハウジング1内に収容されると共に、このモータハウジング1の一端には前記機械装置の被取付部10に対して固定される固定ベース部2が設けられている。この固定ベース部2は略四角形状に形成されて、その四隅がモータハウジング1の外周から周囲へフランジ状に張り出すと共に、かかる固定ベース部2の四隅には取付ねじ20の挿通孔3が夫々開設されている。また、固定ベース部2の中央にはモータハウジング1内に連通する開口4が形成され、この開口4からはロータシャフト5が突き出している。被取付部10にも前記ロータシャフト5が挿通されるシャフト挿通孔11が設けられており、モータMを被取付部10に固定すると、ロータシャフト5の先端はこのシャフト挿通孔11から被取付部10を貫通して機械装置の内部へ突出し、減速ギヤ等の遊星減速ローラ等の減速機構(図示せず)と連結されるようになっている。
図1及び図3に示すように、前記固定ベース部2のモータハウジング1と反対側の面の四隅には正方形状の位置決め脚部6が突設されており、固定ベース部2はこの位置決め脚部6においてのみ被取付部10と接触するように構成されている。また、前述した取付ねじ20の挿通孔3はこの位置決め脚部の中心に設けられている。従って、固定ベース部2の挿通孔3を貫通した取付ねじ20を被固定部10に締結すると、かかる固定ベース部2は四隅の位置決め脚部6においてのみ被取付部10と接触し、該被取付部10に対して固定されることになる。
一方、モータMの固定ベース部2を被取付部に固定するに当たっては、両者の間に防振ゴムからなるマット状の弾性部材7が挟み込まれている。この弾性部材7は固定ベース部2の四隅に突出する位置決め脚部6、並びに中央部の開口4を避けるようにして配設されており、換言すれば、四隅の位置決め脚部6の間を埋めるように、且つ、位置決め脚部6の周囲を囲むようにして設けられている。また、この弾性部材7はその厚みが固定ベース部2に対する位置決め脚部6の突出量よりも大きく設定されており、位置決め脚部6の間の凹所に弾性部材7を収容した状態では、図2に示すように、位置決め脚部6の先端面より弾性部材7が僅かに突出している。
この状態から取付ねじ20を締結してモータMの固定ベース部2を被取付部10に固定すると、図4に示すように、弾性部材7が押し潰されて固定ベース部2と被取付部10との間に挟み込まれ、位置決め脚部6の先端面が被取付部10に直接接触する。これにより、前記弾性部材7は固定ベース部2と被取付部10との間で強固に固定されることになる。
このようなモータの取付構造では、モータMを所定の速度で回転させると、その回転数に応じた振動(その殆どはモータのコギングによる振動)が発生し、かかる振動は固定ベース部2を介して被取付部10へと伝播する。その際、固定ベース部2及び被取付部10から構成されるモータMの支持系は、固定ベース部2の形状等によって異なる振動の伝達関数を有しており、モータMがその回転によって前記支持系に入力する振動の周波数が共振周波数と重なってしまうと、入力振動が増幅されてしまい、被取付部10に対して大きな振動が伝播してしまうと共に、かかる振動によって騒音が発生してしまう。
しかし、この実施例の取付構造では、固定ベース部2と被取付部10との間に挟み込んでいる弾性部材7の材質や硬度、かかる弾性部材7と固定ベース部2との接触面積、固定ベース部2と被取付部10との間に挟み込んだ弾性部材の潰し量を変化させると、固定ベース部2及び被取付部10から構成されるモータ支持系の振動伝達関数が異なったものとなるので、共振周波数も変化することになる。従って、前述した弾性部材7に関するパラメータを適宜変更することにより、支持系の共振を容易に回避し、被取付部10が大きく振動するのを防止することが可能になると共に、かかる被取付部10において大きな騒音が発生するのを防止することができるものである。
図5は、弾性部材7としての防振ゴムを固定ベース部2と被取付部10との間に挟み込んだ場合と抜き取った場合の双方に関し、入力振動に対する被取付部10側の振動の振幅変化を周波数毎に示したグラフであり、横軸は周波数を縦軸は出力振動の振幅を示している。防振ゴムを挟み込んだ場合は、抜き取った場合と比べて、同じ周波数に対して明らかに振幅が異なり、伝達関数が変化していることが伺われる。また、防振ゴムを挟み込んだ場合の方が、グラフに示された周波数の略全域にわたり、振幅が小さくなり、振動の伝播が抑えられていることが伺われる。
それ故、本実施例のモータの取付構造によれば、モータMの固定ベース部2や比取付部10の形状や材質等が全く同じであっても、挟み込む弾性部材7のサイズ、材質、硬度、押し潰し量を変化させることにより、かかるモータMの支持系の振動伝達関数は変化するので、弾性部材7のパラメータを変更するのみで、数種類のモータMの回転速度の夫々に対して振動伝達関数を最適化することができ、振動の発生が少なく、しかも静かな機械装置を構築することが可能となるものである。
また、本実施例のモータの取付構造によれば、モータMを被取付部10に固定した状態において、固定ベース部2に形成した位置決め脚部6が常に被取付部と接触しおり、固定ベース部は4ヶ所の位置決め脚部6によって安定的に固定されている。従って、被取付部10に対するモータMの位置決め精度が悪化することはなく、減速機構に対してモータMのロータシャフト5が傾いた状態で連結されてしまうのを防止することができ、かかる連結部において振動が発生するのを防止することが可能となる。
図6は固定ベース部に形成した位置決め脚部の形状の他の例を示すものである。図1〜3に示した実施例では位置決め脚部が固定ベース部の四隅と接する四角形状に形成されていたが、この図6の例では位置決め脚部8を円形状に形成すると共に、固定ベース部の端辺と僅かに距離をおいて形成した。一方、弾性部材9は位置決め脚部8の周囲を環状に取り囲むように形成した。
本願発明者が実験した結果によれば、弾性部材9で位置決め脚部8の周囲を環状に取り囲んだ場合、図3の如く位置決め脚部6の周囲の一部を囲んだ場合と比べて、振動の伝播が抑えられていた。従って、モータMから被取付部10へ伝播する振動の低減という目的からすれば、固定ベース部2と被取付部10との間に挟み込まれる弾性部材7,9は、可能な限り位置決め脚部6,8の周壁と接し、且つ、その周囲を環状に取り囲んでいる方が好ましいことになる。もっとも、振動の伝播を低減するという本発明の目的からすれば、弾性部材が必ずしも位置決め脚部と接していなくとも、すなわち位置決め脚部の周壁と弾性部材との間に隙間が形成されていても良い。
次に、図7及び図8は画像形成装置の装置フレームに対するラスタ走査装置(ROS)30の取り付け構造に本発明を適用した例を示すものである。かかるラスタ走査装置30は箱型のROSハウジング31を有しており、このROSハウジング31の四隅には画像形成装置の装置フレーム40に対してラスタ走査装置30を固定するための固定ベース部32がフランジ状に設けられている。一方、画像形成装置の装置フレーム40にはラスタ走査装置30を取り付けるためのブラケット41が固定されている。このブラケット41は装置フレーム40から垂直に突出する被取付部42を有して断面略L字状に形成されており、かかる被取付部42がROSハウジング31の固定ベース部32を下方から支えるようになっている。
図8に示すように、前記固定ベース部32の下面側、すなわち前記ブラケット41の被取付部42と接する側には、円柱状の位置決め脚部33が突設されており、固定ベース部32はこの位置決め脚部33において被取付部42と接触するように構成されている。また、固定ベース部32にはこの位置決め脚部33を貫通するようにして取付ねじ50の挿通孔34が設けられている。従って、固定ベース部32の挿通孔34にを貫通した取付ねじ50を被固定部42に締結すると、かかるROSハウジング31は固定ベース部32の位置決め脚部33においてのみ被取付部42と接触し、該被取付部42に対して固定されることになる。
一方、ROSハウジング30の固定ベース部32をブラケット41の被取付部42に固定するに当たっては、両者の間に防振ゴムからなるマット状の弾性部材60が挟み込まれている。この弾性部材60は固定ベース32部の下面側に突出する位置決め脚部33が嵌合する開口を有し、かかる位置決め脚部33の周囲を覆い、固定ベース部32と被取付部42との隙間を埋めるように設けられている。また、この弾性部材60はその厚みが固定ベース部32に対する位置決め脚部33の突出量よりも大きく設定されており、取付ねじ50を締結してROSハウジング31の固定ベース部32をブラケット41の被取付部42に固定すると、かかる弾性部材60が押し潰された状態で固定ベース部32と被取付部42との間に挟み込まれるようになっている。この状態で、前記位置決め脚部33の先端面は被取付部42に直接接触しており、固定ベース部32と被取付部42との間に弾性部材60を介在させても、ROSハウジング31の装置フレーム40に対する固定は強固に行われることになる。
前述の如く画像形成装置は多数のモータを使用しており、各モータを直接又は間接的に装置フレーム40に固定して支持していることから、モータが回転すると、その回転数に応じた振動が装置フレーム40に伝播し、かかる振動はブラケット41の被取付部42を介してラスタ走査装置30へと伝播してしまうことになる。その際、ROSハウジング31の固定ベース部32及びブラケット41の被取付部42から構成されるラスタ走査装置30の支持系は、固定ベース部32の形状等によって異なる振動の伝達関数を有しており、装置フレーム40から前記支持系に入力する振動の周波数が共振周波数と重なってしまうと、入力振動が増幅されてしまい、ROSハウジング31の固定ベース部32に対して大きな振動が伝播してしまう。このような振動は感光体ドラムに対する画情報の書き込みに影響を及ぼし、記録シート上に形成した記録画像にはバンディングと称される縞状の画質不良が発生してしまう。
しかし、この図7及び図8に示す例においても、固定ベース部32と被取付部42との間に挟み込んでいる弾性部材60の材質や硬度、かかる弾性部材60と固定ベース部32との接触面積、固定ベース部32と被取付部42との間に挟み込んだ弾性部材60の潰し量を変化させると、固定ベース部32及び被取付部42から構成されるラスタ走査装置30の支持系の振動伝達関数が異なったものとなるので、共振周波数も変化することになる。従って、前述した弾性部材60に関するパラメータを適宜変更することにより、支持系の共振を容易に回避し、ROSハウジング31が大きく振動するのを防止することができ、記録画像にバンディングが発生するのを可及的に防止して、高画質の記録画像を得ることが可能となる。
2…固定ベース部、6…位置決め脚部(位置決め部)、7…弾性部材、10…被取付部、M…モータ(機械部品)
Claims (4)
- 各種機械装置を構成する機械部品を当該機械装置の被取付部に対して固定するに当たり、両者の間の振動の伝播を軽減又は防止するための防振取付構造であって、
前記機械部品の固定ベース及び/又は前記被取付部にはこれら部材を相互に接触固定するための位置決め部を形成し、この位置決め部の周囲には前記固定ベース部と被取付部との間に挟み込まれて押し潰される弾性部材を配置したことを特徴とする機械部品の防振取付構造。 - 前記位置決め部は前記固定ベース部又は被取付部から突出する脚部として形成され、その中心には前記固定ベース部を被取付部に結合する固定ねじの挿通孔又はタップ孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載の機械部品の防振取付構造。
- 前記弾性部材は位置決め部の周囲を環状に取り囲んでいることを特徴とする請求項2記載の機械部品の防振取付構造。
- 前記弾性部材は防振ゴムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の機械部品の防振取付構造。
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