JP2005030234A - 可変圧縮比エンジン - Google Patents

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浩司 白石
Junya Watanabe
純也 渡辺
Ranju Imao
蘭樹 今尾
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Abstract

【課題】音振性能に優れ構造が簡単で信頼性の高い可変圧縮比エンジンを提供する。
【解決手段】ピストン6のシリンダ5内での上下動をクランクシャフト14の回転運動に変換するコンロッド13を少なくとも2分割し、該コンロッド13の分割部にコントロールロッド21を接続して、該コントロールロッド21の支軸位置を変位させる可変圧縮比エンジンにおいて、前記コントロールロッド21の基部に逆入力を遮断するクラッチ30の出力側レバーアーム23を接続してコントロールロッド21側からの入力に対して回動を阻止した状態とし、該クラッチ30の入力側レバーアーム35にボールネジ60、減速機構68、モータ69を接続して、これらボールネジ60、減速機構68、モータ69により前記クラッチ30を介してコントロールロッド21の支軸位置を変位可能としたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、可変圧縮比エンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車等の車両の中には運転条件に応じた適正圧縮比をコンロッドの中間部分を屈曲自在とすることで実現する可変圧縮比エンジンが知られている。そして、前記コンロッドの屈曲部をエンジンの運転中に可動させるには、その屈曲部に作用する力を上回る出力を持つモータや、エンジンの駆動力を有効利用するものが知られているが、制御精度を向上させるためには複雑な機構が必要となる場合がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0003】
例えば、上記機構としてウォームギヤ等の機構を用いた場合にはコンロッドの中間部分を確実に変位させて、所定の圧縮比を得ることができるが、バックラッシが大きく圧縮比精度の向上は望めない。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−214770号公報
【特許文献2】
特開2001−289079号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ウォームギヤを用いた場合には、ギヤの持つバックラッシが無視できないものとなり、高速で上下動するコンロッドにウォームギヤを連係させている場合には、バックラッシにより音振性能が悪化するという問題がある。
そこで、この発明は、音振性能に優れ構造が簡単で信頼性の高い可変圧縮比エンジンを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、ピストン(例えば、実施形態におけるピストン6)のシリンダ(例えば、実施形態におけるシリンダ5)内での上下動をクランクシャフト(例えば、実施形態におけるクランクシャフト14)の回転運動に変換するコンロッド(例えば、実施形態におけるコンロッド13)を少なくとも2分割し、該コンロッド(例えば、実施形態におけるアッパーロッド部材16,ロアロッド部材17)の分割部もしくは分割部の近傍あるいは分割された何れかのコンロッドにコントロールロッド(例えば、実施形態におけるコントロールロッド21)を接続して、該コントロールロッドの支軸位置を変位させる可変圧縮比エンジンにおいて、前記コントロールロッドの基部に逆入力を遮断するクラッチ(例えば、実施形態におけるクラッチ30)の出力側(例えば、実施形態における出力側レバーアーム23)を接続してコントロールロッド側からの入力に対して回動を阻止した状態とし、該クラッチの入力側(例えば、実施形態における入力側レバーアーム35)に駆動装置(例えば、実施形態におけるボールネジ60、減速機構68、モータ69)を接続して、前記駆動装置により前記クラッチを介してコントロールロッドの支軸位置を変位可能としたことを特徴とする。
このように構成することで、駆動装置を介してクラッチの入力側を往復回動させるとクラッチの出力側がこれに応じて回動してコンロトールロッドを変位させてコンロッドの屈曲姿勢を変化させ圧縮比を変化させることが可能となり、一方、コンロッドによりコントロールロッドを介してクラッチの出力側を往復回動する荷重が作用しても、クラッチの入力側は回動しないためコンロッドの屈曲姿勢を保持することが可能となる。
つまり、逆入力を遮断するクラッチを採用することにより逆入力が過大な時には自動的に固定でき、逆入力が小さい時にだけ駆動装置からの入力により圧縮比を可変とすることが可能となり駆動装置の消費エネルギーを抑えることが可能となる。
【0007】
請求項2に記載した発明によれば、前記クラッチはその入力側の往復回動作動を出力側に伝達する一方、出力側からの往復回動作動が入力側に伝達されるのを阻止するものであることを特徴とする。
このように構成することで、駆動装置によりクラッチの入力側を往復回動作動させてコントロールロッドによりコンロッドの屈曲姿勢を最適状態に設定し、この状態で往復上下動するピストン、コンロッドからコントロールロッドに荷重が作用し、これがクラッチの出力側を往復回動する荷重となって作用してもクラッチの入力側には伝達されないため、コンロッドの屈曲姿勢はガタツキなく保持される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1に示すエンジン1は、例えば、自動二輪車等の車両に用いられ圧縮比を変化させることができる可変圧縮比エンジンである。
クランクケース2上にはシリンダブロック3が取り付けられ、シリンダブロック3の上部にシリンダヘッド4が装着されている。シリンダブロック3に形成されたシリンダ5内にピストン6が上下方向に往復動自在に保持され、シリンダヘッド4にはシリンダ5への吸排気を行う吸気通路7及び排気通路8が形成され、各通路開口には吸気通路7を開閉する吸気バルブ9及び排気通路8を開閉する排気バルブ10が設けられている。
【0009】
ピストン6の上方には上死点位置のピストン6とシリンダブロック3の凹部11との間に燃焼室12が形成され、燃焼室12内における燃料と空気との混合気の爆発力によりピストン6を押し下げる。混合気への点火は、シリンダヘッド4を貫通し燃焼室12内に突出して設けられた図示しない点火プラグにより行われる。ピストン6のシリンダ5内での上下往復動は、コンロッド13を介してクランクシャフト14の回転運動に変換され、図示しないトランスミッションへと伝達されると共に、上記吸気バルブ9、排気バルブ10の動弁機構15に伝達される。
【0010】
コンロッド13は、上部のアッパーロッド部材(コンロッド)16と下部のロアロッド部材(コンロッド)17とに2分割されたもので、アッパーロッド部材16の下端とロアロッド部材17の上端とが上記クランクシャフト14の軸方向と平行に設けられた連結ピン18を介して回動自在に接続され、コンロッド13が中間部を屈曲部Kとしてくの字状に屈曲自在となっている。アッパーロッド部材16の上端のスモールエンドSEはピストンピン19に回動自在に取り付けられ、ロアロッド部材17の下端のビッグエンドBEはクランクシャフト14のクランクピン20に回動自在に取り付られている。尚、22はクランクシャフト14の回転中心を示している。また、図5に示すようにクランクシャフト14はクランクケース2に対して複数のベアリング52,53により回転自在に支持されている。
【0011】
コンロッド13の屈曲部Kの連結ピン18には、該コンロッド13の屈曲度合いを調整すべくコントロールロッド21が回動自在に接続されている。コントロールロッド21は略水平方向に伸びる棒状部材であり、このコントロールロッド21の支軸位置である連結ピン18の位置を変位させることで、可変圧縮比エンジンとしている。
【0012】
図5に示すように、コントロールロッド21の基部は、後述する出力側レバーアーム(出力側)23のアーム部24の回動端にクランクシャフト14と平行に設けられたピン25により回動自在に支持されている。前記出力側レバーアーム23は軸部26とアーム部24とで構成されている。軸部26の一端はオイルシール27を介してクランクケース2に回動自在に支持され、軸部26の他端側は、コンロッド13を挟む位置に設けられたクランクケース2の両隔壁28に各々ベアリング29を介して回動自在に支持されている。また、軸部26の他端は後述するクラッチ30の出力側部材31の出力軸32に連結固定されている。そして、出力側レバーアーム23のアーム部24の回動端は二股状に形成され、ここに前記コントロールロッド21の基部が挟み込まれるようにして前記ピン25を介して前記アーム部
24とコントロールロッド21の基部とが回動自在に支持されている。
【0013】
前記クラッチ30は、クランクケース2の隔壁28にボルト36により固定される円盤状のブラケット37を備えている。ブラケット37には中央部に設けた凹部内周に抜け止めリング38が取り付けられている。入力側部材33には入力軸34が設けられ、入力軸34には二股状に形成された入力側レバーアーム(入力側)35が軸端に形成された雄ネジ部35aにナット40により固定されている。ここで、入力側部材33と出力側部材31とは、入力側部材33の中央部に形成された嵌合孔33aに、出力側部材31の対応する位置に形成されたピン部31cを回動可能に挿通することで、両者が互いに回動可能に連結されている。
そして、入力側レバーアーム35には後述する駆動装置としてのボールネジ(駆動装置)60が連係されている。
【0014】
図2〜図4に示すように、出力側部材31はこの実施形態では略六角形状の外周部を備えた部材で、中央部には図1に示すように前記出力側レバーアーム23が出力側部材31の出力軸32のネジ部39(図5参照)にねじ込まれて固定されている。また、出力側部材31と前記ブラケット37の内周面37aとの間には環状の隙間部41が設けられていて、この隙間部41に入力側部材33の周囲に軸方向と平行に突出形成された突起付き保持器42と保持器43とが交互に配置されている。そして、突起付き保持器42と保持器43との間にはスプリング44で2つのローラ45が連結されたローラユニット46が介装されている。
尚、37bはブラケットの取付孔を示す。
【0015】
前記突起付き保持器42及び保持器43は前記出力側部材31の角部31aに交互に3個づつ配置され、前記ローラユニット46は出力側部材31の辺部31bに6個配置されている。したがって、前記隙間部41は出力側部材31の角部31aに向かって徐々に幅が狭くなっていて、前記出力側レバーアーム23により出力側部材31の出力軸32を回動させると、回動方向に係わらず前記ブラケット37の内周面37aと出力側部材31の辺部31bとの間にローラユニット46のローラ45が挟まり出力側部材31の回動は阻止される。
【0016】
保持器43は隣接するローラユニット46のローラ45に当接可能に配置されている。突起付き保持器42は保持部47と突起部48とを備えた略T字形状の部材で、突起部48は内側に向かって先細り形状に形成され、この突起部48に対応して出力側部材31の角部31aには、両側部が傾斜した溝49が、前記突起部48の側面に対して隙間50を設けて形成されている。尚、突起付き保持器42の保持部47は保持器43とほぼ同形状に形成されている。
【0017】
したがって、入力側レバーアーム35により入力側部材33の入力軸34を回動させると、回動方向に係わらず前記突起付き保持器42の保持部47及び保持器43がローラユニット46の一方のローラ45をスプリング44を圧縮しながら押圧するため、この一方のローラ45は前記隙間部41間から解放される方向に移動する。そして、これとほぼ同時に突起付き保持器42の突起部48が回動方向側に移動すると、突起部48は出力側部材31の溝49の隙間50分だけ回動し次に溝49の側壁を押圧するため、一方のローラ45が前記隙間部41間から解放された状態にある出力側部材31は回動する。尚、ここで他方のローラ45は、前記出力側部材31が回動することで隙間部41が相対的に広くなるので隙間部41には挟持されない。よって、この他方のローラ45が出力側部材31の回動に支障を与えることはない。
また、逆に出力側部材31が回動すると、回動方向とは反対側のローラユニット46のローラ45が徐々に狭くなっている隙間部41に挟持されてロックされるため、出力側部材31側からの回動は阻止され、入力側部材33を回動させることはできない。
【0018】
そして、図1、図5〜図7に示すように、前記入力側レバーアーム35の中途部には、後述するボールネジ60のナット61の2つのピン62,62が回動自在に挿通される長孔63,63が設けられている。尚、上記長孔63を設けたことによりボールネジ60のナット61が移動している際にナット61のピン62が相対的に長孔63内を移動して入力側レバーアーム35の揺動を許容している。ここで、前記入力側レバーアーム35は、ボールネジ60のナット61が後述する雄ネジ64の上下方向中央部に位置している場合に、出力側レバーアーム23のアーム部24が上方に向くように初期設定してある。これにより、出力側レバーアーム23のアーム部24が左右に揺動した場合の左右の揺動角がほぼ同じになるようにしてある。
【0019】
前記ボールネジ60はナット61と雄ネジ64とを備え、雄ネジ64の両端がブラケット65,65’を介してクランクケース2にボルト66により固定され、ブラケット65,65’に保持されたベアリング67を介して雄ネジ64が回転自在に支持されている。そして、この雄ネジ64に図示しないボールを介して噛合するナット61が上下方向に移動自在に取り付けられている。雄ネジ64には減速機構(駆動装置)68(図5では図示を省略してある)を介してモータ(駆動装置)69が接続され、モータ69の取付ブラケット70はクランクケース2にモータケース71と共にボルト72により締め付け固定されている。
前記減速機構68はモータ69に取り付けられるピニオン73と、このピニオン73に噛合する第1ギヤ74と第1ギヤ74に同軸に取り付けられた第2ギヤ75と、第2ギヤ75に噛合すると共に雄ネジ64の下端部に取り付けられた第3ギヤ76とで構成されている。尚、図5において77はボールネジ60等のメインテナンス用の蓋を示し、ボルト78によってクランクケース2に固定されている。
【0020】
したがって、図6に示すようにボールネジ60のナット61が雄ネジ64の下端側に位置する場合には、入力側レバーアーム35によりクラッチ30の入力側部材33が最も左側まで回動するため、クラッチ30の出力側レバーアーム23は最も左側に位置する。これによりコントロールロッド21は最も左側に移動するため、アッパーロッド部材16とロアロッド部材17とのなす角度が大きくなり(屈曲部Kがより大きく曲がる)、これらアッパーロッド部材16とロアロッド部材17とで構成されるコンロッド13のピストンピン19からクランクピン20までの距離が最も短くなる。その結果、エンジン1の圧縮比が最も小さくなる。ここで、圧縮比とは、行程容積に燃焼室容積を加えたものを燃焼室容積で割った値である。
【0021】
一方、図7に示すようにボールネジ60のナット61が雄ネジ64の上端側に位置する場合には、入力側レバーアーム35によりクラッチ30の入力側部材33が最も右側まで回動するため、クラッチ30の出力側レバーアーム23は最も右側に位置する。これによりコントロールロッド21は最も右側に移動するため、アッパーロッド部材16とロアロッド部材17とのなす角度が小さくなり(屈曲部Kがより直線的になる)、これらアッパーロッド部材16とロアロッド部材17とで構成されるコンロッド13のピストンピン19からクランクピン20までの距離が最も長くなる。その結果、エンジン1の圧縮比が最も大きくなる。
【0022】
ここで、図1に示すようにモータ69はECU51からの信号に基づいて駆動し、そのためECU51にはクランク角、エンジン回転数(Ne)、吸気管負圧(Pb)、スロットル開度等のセンサ信号が入力される。
したがって、モータ69が後側から見て右側に回転すると減速機構68によりナット61は雄ネジ64の下端側に移動して、コンロッド13を低圧縮比側に姿勢変化させ、モータ69が後側から見て左側に回転すると減速機構68によりナット61は雄ネジ64の上端側に移動して、コンロッド13を高圧縮比側に姿勢変化させるのである。
【0023】
尚、モータ69を用いてコンロッド13を低圧縮比側と高圧縮比側に切り替える場合について説明したが、雄ネジ64に対するナット61の位置は任意に選択でき、この位置でモータ69を停止することで、所望の圧縮比でエンジン1を運転できることは言うまでもない。
【0024】
上記実施形態によれば、ECU51に入力されるクランク角、エンジン回転数、吸気管負圧及びスロットル開度等のセンサ信号からエンジン1を低圧縮比側に切り替える必要がある場合には、ECU51の出力信号によりモータ69を後側から見て右側に回転する。すると、減速機構68を介して右回転する雄ネジ64によりナット61が雄ネジ64の下端側に移動し、入力側レバーアーム35及び出力側レバーアーム23を左回りに回動させ、コントロールロッド21を左側に移動させる。これによりコンロッド13の屈曲部Kはより大きく屈曲する方向に姿勢変化してエンジン1は低圧縮比側に移行する。そして、所望の圧縮比が得られるまでコンロッド13が屈曲したらモータ69を停止する。
【0025】
したがって、この状態でコンロッド13は前記ピン25を中心にして揺動するコントロールロッド21により規制されながら、屈曲姿勢を保持しつつクランクシャフト14の回転に対応して上下運動を行うことができる。
そして、エンジン1を高圧縮比側に切り替える場合には、前記モータ69を後側から見て左側に回動させれば、前述とは逆に減速機構68、及び入力側レバーアーム35を介してコントロールロッド21が右側に移動し、所望の圧縮比が得られるまでコンロッド13が直線的になるように姿勢変化させればエンジン1は高圧縮比側に移行する。そして、所望の圧縮比が得られるまでコンロッド13が屈曲したらモータ69を停止する。
【0026】
ここで、前記コントロールロッド21の支持位置をモータ69、減速機構68及びボールネジ60によって変位させることにより、コンロッド13の屈曲姿勢を変化させることが可能となるため、エンジン1の圧縮比を自在に調整して最適な圧縮比でエンジン1を運転することができる。
また、クラッチ30を用いているため、往復上下動するピストン6、コンロッド13からコントロールロッド21に荷重が作用し出力側レバーアーム23を往復回動させる荷重が作用しても、この荷重が出力側レバーアーム23をロックさせる力となり、この力はこれが入力側レバーアーム35に伝達されないためガタツキを起こすことがなくなる。よって、コントロールロッド21、つまりコンロッド13の屈曲部Kの連結ピン18の部位にはガタツキが生じず、その結果、音振性能を格段に高めると共に圧縮比固定精度を高めることができる。
【0027】
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、自動二輪車のエンジンに限られず、広く車両一般のエンジンに適用できる。また、コントロールロッド21をアッパーロッド部材16とロアロッド部材17との接続部である連結ピン18に接続した場合を例にして説明したが、コントロールロッド21を連結ピン18の近傍に位置するアッパーロッド部材16やロアロッド部材17に連結しても良い。また、減速機構68は一例であって、ボールネジ60の雄ネジ64を駆動できれば、減速機構68の構成は上述したピニオン73、第1ギヤ74,第2ギヤ75及び第3ギヤ76の組み合わせに限られるものではない。また、ボールネジ60以外の機構を採用することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、駆動装置を介してクラッチの入力側を往復回動させるとクラッチの出力側がこれに応じて回動してコンロトールロッドを変位させてコンロッドの屈曲姿勢を変化させ圧縮比を変化させることが可能となり、一方、コンロッドによりコントロールロッドを介してクラッチの出力側を往復回動する荷重が作用しても、クラッチの入力側は回動しないためコンロッドの屈曲姿勢を保持することが可能となるため、コントロールロッド、つまりコンロッドの屈曲部の支持位置のガタツキをなくすことができ、音振性能を格段に高めることができる効果がある。また、逆入力が過大な時にはクラッチにより自動的に固定し、逆入力が小さい時には圧縮比を駆動装置により可変とすることにより、可変エネルギーを最小限に抑えることが可能となる効果がある。
【0029】
請求項2に記載した発明によれば、請求項1の効果に加え、駆動装置によりクラッチの入力側を往復回動作動させてコントロールロッドによりコンロッドの屈曲姿勢を最適状態に設定し、この状態で往復上下動するピストン、コンロッドからコントロールロッドに荷重が作用し、これがクラッチの出力側を往復回動する荷重となって作用してもクラッチの入力側には伝達されないため、コンロッドの屈曲姿勢はガタツキなく保持される。よって、コンロッドの屈曲姿勢を確実に保持することができ、信頼性を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態のエンジンの断面図である。
【図2】図5のB−B線に沿う断面図である。
【図3】この発明の実施形態のクラッチの作動説明図である。
【図4】この発明の実施形態のクラッチの作動説明図である。
【図5】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図6】この発明の実施形態の低圧縮比位置を示す図である。
【図7】この発明の実施形態の高圧縮比位置を示す図である。
【符号の説明】
5 シリンダ
6 ピストン
13 コンロッド
14 クランクシャフト
16 アッパーロッド部材(コンロッド)
17 ロアロッド部材(コンロッド)
21 コントロールロッド
23 出力側レバーアーム(出力側)
30 クラッチ
35 入力側レバーアーム(入力側)
60 ボールネジ(駆動装置)
68 減速機構(駆動装置)
69 モータ(駆動装置)

Claims (2)

  1. ピストンのシリンダ内での上下動をクランクシャフトの回転運動に変換するコンロッドを少なくとも2分割し、該コンロッドの分割部もしくは分割部の近傍あるいは分割された何れかのコンロッドにコントロールロッドを接続して、該コントロールロッドの支軸位置を変位させる可変圧縮比エンジンにおいて、前記コントロールロッドの基部に逆入力を遮断するクラッチの出力側を接続してコントロールロッド側からの入力に対して回動を阻止した状態とし、該クラッチの入力側に駆動装置を接続して、前記駆動装置により前記クラッチを介してコントロールロッドの支軸位置を変位可能としたことを特徴とする可変圧縮比エンジン。
  2. 前記クラッチはその入力側の往復回動作動を出力側に伝達する一方、出力側からの往復回動作動が入力側に伝達されるのを阻止するものであることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比エンジン。
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