JP2003343296A - 圧縮比可変エンジン - Google Patents

圧縮比可変エンジン

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JP2003343296A
JP2003343296A JP2003016533A JP2003016533A JP2003343296A JP 2003343296 A JP2003343296 A JP 2003343296A JP 2003016533 A JP2003016533 A JP 2003016533A JP 2003016533 A JP2003016533 A JP 2003016533A JP 2003343296 A JP2003343296 A JP 2003343296A
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arm
length
crankshaft
compression ratio
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靖弘 清水
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • F02B63/02Adaptations of engines for driving pumps, hand-held tools or electric generators; Portable combinations of engines with engine-driven devices for hand-held tools
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F02B2275/00Other engines, components or details, not provided for in other groups of this subclass
    • F02B2275/34Lateral camshaft position

Abstract

(57)【要約】 【課題】ピストンに連結されるコンロッドと、コンロッ
ドに回動可能に連結されるとともにクランクシャフトの
クランクピンに連結される第1アームと、第1アームに
一体に連結される第2アームと、第2アームに回動可能
に連結されるコントロールロッドと、該コントロールロ
ッドの他端を回動可能に支承するとともに変位可能な支
軸とを備える圧縮比可変エンジンにおいて、圧縮比だけ
でなく排気量をも変化させ得るようにする。 【解決手段】支軸61が任意の第1位置にあるときの排
気量Vhpiv0および圧縮比εpiv0と、支軸61が第1の位
置から変位した第2の位置にあるときの排気量Vhpiv1、
圧縮比εpiv1とをそれぞれ求め、εpiv1<εpiv0である
場合にはVhpiv1>Vhpiv0,εpiv1>εpiv0である場合に
はVhpiv1<Vhpiv0の関係を満足させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一端がピストンピ
ンを介してピストンに連結されるコンロッドと、一端が
コンロッドの他端に回動可能に連結されるとともに他端
がクランクシャフトにクランクピンを介して連結される
第1アームと、一端が前記第1アームの他端に一体に連
結される第2アームと、該第2アームの他端に一端が回
動可能に連結されるコントロールロッドと、該コントロ
ールロッドの他端を回動可能に支承する支軸とを備え、
シリンダ軸線に沿ってクランクシャフトの軸線を通るx
軸と、x軸に直交してクランクシャフトの軸線を通るy
軸とで構成されるxy平面内で前記支軸の位置を変位可
能とした圧縮比可変エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかるエンジンは、たとえば特開
平9−228853号公報等で既に知られており、運転
状態に応じて圧縮比を変化させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンの
高熱効率化を図る上からは、圧縮比を変化させるだけで
なく、排気量も可変とすることが望ましいが、上記従来
のものでは排気量は一定に保持されたままである。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、圧縮比だけでなく排気量をも変化させ得るよ
うにした圧縮比可変エンジンを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、一端がピストンピンを介してピストンに
連結されるコンロッドと、一端がコンロッドの他端に回
動可能に連結されるとともに他端がクランクシャフトに
クランクピンを介して連結される第1アームと、一端が
前記第1アームの他端に一体に連結される第2アーム
と、該第2アームの他端に一端が回動可能に連結される
コントロールロッドと、該コントロールロッドの他端を
回動可能に支承する支軸とを備え、シリンダ軸線に沿っ
てクランクシャフトの軸線を通るx軸と、x軸に直交し
てクランクシャフトの軸線を通るy軸とで構成されるx
y平面内で前記支軸の位置を変位可能とした圧縮比可変
エンジンにおいて、コンロッドの長さをL4、第1アーム
の長さをL2、第2アームの長さをL1、コントロールロッ
ドの長さをL3、コンロッドが前記x軸となす角度をφ4
、第1および第2アームのなす角度をα、第2アーム
が前記y軸となす角度をφ1 、コントロールロッドが前
記y軸となす角度をφ3 、クランクシャフトの軸線およ
びクランクピンを結ぶ直線が前記x軸となす角度をθ、
クランクシャフトの軸線およびクランクピン間の長さを
R 、前記支軸のxy座標をXpiv,Ypiv、クランクシャフ
トの回転角速度をω、クランクシャフトの軸線からのシ
リンダ軸線のy軸方向のオフセット量をδとしたとき
に、
【0006】
【数2】
【0007】にL1〜L4、δおよびRを任意に設定して導
入することにより、前記支軸が第1の位置にあるときの
ピストンピンの上死点および下死点におけるクランク角
度θをそれぞれ求め、両クランク角度θでのピストンピ
ンの高さXを表す次式 X =L4・cos φ4 +L2・sin(α+φ1)+R ・cos θ から前記支軸が任意の第1の位置にあるときの排気量Vh
piv0および圧縮比εpiv0と、前記支軸が第1の位置から
変位した第2の位置にあるときの排気量Vhpiv1、圧縮比
εpiv1とをそれぞれ求め、 εpiv1<εpiv0である場合にはVhpiv1>Vhpiv0 εpiv1>εpiv0である場合にはVhpiv1<Vhpiv0 の関係を満足するように、第2アームの長さL1、第1ア
ームの長さL2、コントロールロッドの長さL3、コンロッ
ドの長さL4、クランクシャフトの軸線からのシリンダ軸
線のy軸方向のオフセット量δ、ならびに第1および第
2アームのなす角度αをそれぞれ設定することを第1の
特徴とする。
【0008】このような第1の特徴の構成による作用に
ついて、ピストンピン、コンロッド、クランクシャフ
ト、クランクピン、第1アーム、第2アーム、コントロ
ールロッドおよび支軸の配置を簡単に示す図7を参照し
ながら説明すると、支軸の座標(Xpiv,Ypiv)を定める
と、{X =L4・cos φ4 +L2・sin(α+φ1)+R ・cos
θ}で得られるピストンピンのx軸方向位置を微分する
ことで、ピストンピンの移動速度(dX/dt)が得られ、dX
/d=0とした方程式は、θに関して0<θ<2πの範囲
で2つの解を持つものである。これらの解を4サイクル
エンジンの動作に照応させて、ピストンピンを上死点と
するクランク角をθpivtdcとし、ピストンピンを下死点
とするクランク角をθpivbdcとしたときに、各クランク
角θpivtdc,θpivbdcにおけるピストンピンの位置は、
{X =L4・cos φ4 +L2・sin(α+φ1)+R ・cos θ}
にθpivtdc,θpivbdcを与えることにより得られる。こ
こで上死点のピストンピンのx軸方向の位置をXpivtdc
とし、下死点のピストンピンのx軸方向の位置をXpivbd
c としたときには、ピストンピンのストロークSpivは
(Xpivtdc −Xpivbdc )で得られることになる。またエ
ンジンのシリンダボア内径をB としたときの排気量Vhpi
v は{Vhpiv =Spiv・(B2/4)・π}であり、上死点にお
ける燃焼室容積をVapiv とすると、圧縮比εpiv は{ε
piv =1 +(Vhpiv /Vapiv)}となる。このようにして
支軸が任意の第1の位置にあるときの排気量Vhpiv0およ
び圧縮比εpiv0と、支軸が第2の位置にあるときの排気
量Vhpiv1、圧縮比εpiv1とをそれぞれ求め、 εpiv1<εpiv0である場合にはVhpiv1>Vhpiv0 εpiv1>εpiv0である場合にはVhpiv1<Vhpiv0 の関係を満足するように第2アームの長さL1、第1アー
ムの長さL2、コントロールロッドの長さL3、コンロッド
の長さL4、クランクシャフトの軸線からのシリンダ軸線
のy軸方向のオフセット量δ、ならびに第1および第2
アームのなす角度αを設定することで、大排気量のとき
には低圧縮比の運転とし、小排気量のときには高圧縮比
の運転とすることができ、それにより、軽負荷時には小
排気量、高圧縮比の運転とすることで高熱効率化を図
り、高負荷時には大排気量、低圧縮比とすることで爆発
荷重および筒内圧力が過度に上昇しないようにして騒音
および強度の問題が生じるのを回避することができる。
【0009】また本発明は、上記第1の特徴の構成に加
えて、前記ピストンピンの移動軌跡が、前記ピストンが
上死点にあるときの前記コンロッドおよび第1アームの
連結点の位置のうち前記x軸からy軸方向で最も遠い位
置を通って前記x軸と平行に延びる直線と、前記x軸と
の間の範囲に入るように設定されることを第2の特徴と
し、かかる構成によれば、ピストン摺動時のフリクショ
ン低減が可能となる。すなわち膨張行程前半ではピスト
ンが燃焼室での燃焼によって大きな荷重を受けるのであ
るが、その膨張行程前半において、コンロッドの傾斜角
度を抑制することができるので、上記フリクション低減
が可能となるのである。
【0010】本発明は、上記第1または第2の特徴の構
成に加えて、排気量を最小としたときの上死点での前記
ピストンピンの前記x軸方向に沿う高さをXetdc 、排気
量を最大としたときの上死点での前記ピストンピンの前
記x軸方向に沿う高さをXptdc 、前記ピストンのトップ
ランド幅をH1としたときに、Xetdc −Xptdc ≦H1が成立
するように設定されることを第3の特徴とする。
【0011】ところで、排気量を最大としたときにはシ
リンダボアの内面の一部も燃焼室に臨むことになり、シ
リンダボアの内面の一部に燃焼に伴って発生するカーボ
ンが付着、堆積する可能性があり、そのままの状態で
は、排気量を最小としたときにはピストンに装着されて
いるピストンリングが堆積したカーボン上を摺動するこ
とになり、ピストンリングのスティックや異状磨耗、な
らびに燃焼ガスのシール不良等の不具合の原因となる。
しかるに上記第3の特徴に従ってXetdc −Xptdc≦H1と
なるように設定することで、排気量を最小としたときに
ピストンリングが堆積したカーボン上を摺動することを
回避することができ、上記不具合が発生することを防止
することができる。
【0012】さらに本発明は、上記第1〜第3の特徴の
いずれかの構成に加えて、前記支軸が、前記クランクシ
ャフトの軸線からy軸およびx軸方向にそれぞれ長さL
5,L6だけ前記xy平面内で離隔した位置を中心として
半径Rpの円形軌跡を描いて変位するものとし、前記クラ
ンクシャフトの軸線および前記クランクピン間の長さR
を1.0としたときに、第2アームの長さL1が1.5〜
6.0、第1アームの長さL2が1.0〜5.5、コント
ロールロッドの長さL3が3.0〜6.0、前記長さL5が
1.2〜6.0、前記長さL6が0.9〜3.8、前記半
径Rpが0.06〜0.76に設定されるとともに、前記
第1および第2アームのなす角度αが77〜150度に
設定されることを第4の特徴とする。
【0013】このような第4の特徴の構成によれば、上
記第2の特徴および上記第3の特徴の構成を得ることが
可能であり、それにより、ピストン摺動時のフリクショ
ン低減が可能となるとともに、ピストンリングが堆積し
たカーボン上を摺動することを回避してピストンリング
のスティックや異状磨耗、ならびに燃焼ガスのシール不
良等の不具合が発生することを防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0015】図1〜図10は本発明の第1実施例を示す
ものであり、図1はエンジンの正面図、図2はエンジン
の縦断面図であって図3の2−2線断面図、図3は図2
の3−3線断面図、図4は図3の4−4線断面図、図5
は軽負荷状態での図1の5−5線拡大断面図、図6は高
負荷状態での図5に対応した断面図、図7はリンク機構
の配置を簡単に示す図、図8はリンク機構の作動状態を
順次示す図、図9は支軸の位相、排気量および圧縮比の
関係を示す図、図10は図示平均有効圧力および図示燃
料消費率の関係を示す図である。
【0016】先ず図1〜図3において、このエンジン
は、たとえば作業機等に用いられる空冷の単気筒エンジ
ンであり、エンジン本体21は、クランクケース22
と、該クランクケース22の一側面からやや上向きに傾
斜して突出するシリンダブロック23と、該シリンダブ
ロック23の頭部に接合されるシリンダヘッド24とで
構成されるものであり、シリンダブロック23およびシ
リンダヘッド24の外側面には多数の空冷用フィン23
a…,24a…が設けられている。またクランクケース
22は、該クランクケース22の下面の据え付け面22
aで各種作業機のエンジンベッドに据え付けられる。
【0017】クランクケース22は、シリンダブロック
23と一体に鋳造成形されるケース本体25と、そのケ
ース本体25の開放端に結合されるサイドカバー26と
から成るものであり、ケース本体25およびサイドカバ
ー26に、クランクシャフト27の両端部がボールベア
リング28,29およびオイルシール30,31を介し
て回転自在に支承される。またクランクシャフト27の
一端部は出力軸部27aとしてサイドカバー26から突
出されており、クランクシャフト27の他端部は補機取
付け軸部27bとしてケース本体25から突出される。
しかも補機取付け軸部27bには、フライホイール32
が固定されており、このフライホイール32の外面に
は、エンジン本体21の各部や気化器34に冷却風を供
給するための冷却ファン35がねじ部材36で固着さ
れ、冷却ファン36の外側にリコイル式エンジンスター
タ37が配設される。
【0018】シリンダブロック23には、ピストン38
を摺動自在に嵌合せしめるシリンダボア39が形成され
ており、ピストン38の頂部を臨ませる燃焼室40がシ
リンダブロック23およびシリンダヘッド24間に形成
される。
【0019】シリンダヘッド24には、燃焼室40に通
じ得る吸気ポート41および排気ポート42が形成され
るとともに、吸気ポート41および燃焼室40間を開閉
する吸気弁43、ならびに排気ポート42および燃焼室
40間を開閉する排気弁44が開閉作動可能に配設され
る。また燃焼室40に電極を臨ませる点火プラグ45が
シリンダヘッド24に螺着される。
【0020】シリンダヘッド24の上部には気化器34
が接続されており、該気化器34が備える吸気路46の
下流端が吸気ポート41に連通される。また吸気路46
の上流端に連なる吸気管47が気化器34に接続され、
該吸気管47は図示しないエアクリーナに接続される。
シリンダヘッド24の上部には排気ポート42に通じる
排気管48が接続されており、この排気管48は排気マ
フラ49に接続される。さらにクランクケース22の上
方には、該クランクケース22から突出したブラケット
50で支持されるようにして燃料タンク51が配置され
る。
【0021】クランクケース22におけるサイドカバー
26寄りの部分でクランクシャフト27には駆動ギヤ5
2が一体に形成されており、この駆動ギヤ52に噛合す
る被動ギヤ53が、クランクシャフト27と平行な軸線
を有してクランクケース22に回転自在に支承されるカ
ムシャフト54に固着される。而してカムシャフト54
には、相互に噛合した駆動ギヤ52および被動ギヤ53
により1/2の減速比でクランクシャフト27からの回
転動力が伝達される。
【0022】カムシャフト54には、吸気弁43および
排気弁44にそれぞれ対応した吸気カム55および排気
カム56が設けられており、吸気カム55にはシリンダ
ブロック23で作動可能に支承された従動駒57が摺接
される。一方、シリンダブロック23およびシリンダヘ
ッド24には、従動駒57の上部を下部に突出させた作
動室58が形成されており、該作動室58内に配置され
るプッシュロッド59の下端が前記従動駒57に当接さ
れる。一方、シリンダヘッド24には、閉弁方向にばね
付勢された排気弁44の上端に一端を当接させたロッカ
アーム60が揺動可能に支承されており、このロッカア
ーム60の他端に前記プッシュロッド59の上端が当接
される。而して吸気カム55の回転に応じてプッシュロ
ッド59が軸方向に作動し、それに応じたロッカアーム
60の揺動によって吸気弁43が開閉作動することにな
る。
【0023】排気カム56および排気弁44間にも、上
記吸気カム55および吸気弁43間と同様の機構が介装
されており、排気カム56の回転に応じて排気弁44が
開閉作動する。
【0024】図4を併せて参照して、ピストン38と、
クランクシャフト27と、シリンダ軸線Cを通りクラン
クシャフト27の軸線に直交する平面内で変位すること
を可能としてエンジン本体21のクランクケース22に
支承される支軸61とが、リンク機構62を介して連結
される。
【0025】このリンク機構62は、一端がピストンピ
ン63を介してピストン38に連結されるコンロッド6
4と、一端がコンロッド64の他端に回動可能に連結さ
れるとともに他端がクランクシャフト27のクランクピ
ン65に連結される第1アーム66と、一端が前記第1
アーム66の他端に一体に連結される第2アーム67
と、該第2アーム67の他端に一端部が回動可能に連結
されるとともに他端部が前記支軸61に回動可能に連結
されるコントロールロッド69とから成り、第1および
第2アーム66,67は、サブロッド68として一体に
形成される。
【0026】サブロッド68は、クランクシャフト27
のクランクピン65半周に摺接する半円状の第1軸受部
70を中間部に有するものであり、このサブロッド68
の両端部には、コンロッド64の他端部およびコントロ
ールロッド69の一端部をそれぞれ相互間に挟む一対の
二股部71,72が一体に設けられる。またクランクシ
ャフト27のクランクピン65における残余の半周に
は、クランクキャップ73が備える半円状の第2軸受部
74が摺接するものであり、このクランクキャップ73
はサブロッド68に締結される。
【0027】コンロッド64の他端部は、コンロッドピ
ン75を介してサブロッド68の一端部すなわち第1ア
ーム66の一端部に回動可能に連結されるものであり、
コンロッド64の他端部に圧入されたコンロッドピン7
5の両端部がサブロッド68の一端側の二股部71に回
動可能に嵌合される。
【0028】またコントロールロッド69の一端部は円
筒状のサブロッドピン76を介してサブロッド68の他
端部すなわち第2アーム67の他端部に回動可能に連結
されるものであり、サブロッド68の他端側の二股部7
2に挿入されたコントロールロッド69の一端部を相対
回動可能に貫通するサブロッドピン76の両端部が、前
記他端側の二股部72に隙間ばめにて嵌合される。しか
も前記他端側の二股部72にはサブロッドピン76の両
端に当接して該サブロッドピン76の二股部72からの
離脱を阻止するための一対のクリップ77,77が装着
される。
【0029】さらに各二股部71,72には、クランク
シャフト27の両側に一対ずつ配置されるボルト78,
78…によってクランクキャップ73が締結されるもの
であり、コンロッドピン75およびサブロッドピン76
は、それらのボルト78,78…の軸線延長上に配置さ
れる。
【0030】図5をさらに併せて参照して、円筒状であ
る支軸61は、クランクシャフト27と平行な軸線を有
して同軸に配置される一対の回転軸81,82の偏心位
置間に設けられる。しかも回転軸81は、クランクケー
ス22におけるケース本体25の上部に一体に設けられ
た支持部83に一方向クラッチ85を介して支承され、
回転軸82は、前記ケース本体25に取付けられた支持
部材84に一方向クラッチ86を介して支承される。
【0031】ところで、支軸61に他端部が連結された
コントロールロッド69には、エンジンの運転サイクル
に応じてコントロールロッド69を圧縮する方向の荷重
ならびにコントロールロッド69を引っ張る方向の荷重
が交互に作用するものであり、回転軸81,82の偏心
位置間に支軸61が設けられているので、回転軸81,
82にも前記コントロールロッド69から一側に向けて
の回転力ならびに他側に向けての回転力が交互に作用す
る。しかるに回転軸81,82と、支持部83および支
持部材84との間に一方向クラッチ85,86が介装さ
れていることにより、回転軸81,82は矢印80で示
す一方向にのみ回転可能である。
【0032】クランクケース22のサイドカバー26を
回転自在に貫通して外部に突出した回転軸81の一端に
は係止部材87が固定され、該係止部材87は、半径方
向外方に突出した規制突部88を周方向1箇所に有して
円盤状に形成される。
【0033】一方、クランクケース22におけるサイド
カバー26の外面には、前記係止部材87の一部を挿入
せしめる開口部89を有する支持板90と、該支持板9
0から外方に突出する一対のブラケット91,91とが
締結されており、両ブラケット91,91に、回転軸8
1の軸線と直交する軸線を有して前記係止部材87の外
方位置に配置される軸部材92の両端部が固定的に支持
される。
【0034】前記軸部材92には、前記係止部材87の
規制突部88に係合可能な一対の係合部93a,93b
をその位相がたとえば167度ずれた位置に備えるロッ
カ部材93が揺動可能に支承されるものであり、軸部材
92の軸線に沿うロッカ部材93の位置を定めるため
に、両ブラケット91,91およびロッカ部材93間に
は軸部材92を囲繞する円筒状のスペーサ94,95が
介装される。またロッカ部材93および支持板90間に
は、ロッカ部材93が備える両係合部93a,93bの
うち93aを係止部材87の規制突部88に係合させる
方向にロッカ部材93を回動付勢する戻しばね107が
設けられる。
【0035】ロッカ部材93にはダイヤフラム式のアク
チュエータ97が連結される。このアクチュエータ97
は、前記支持板90に設けられたブラケット96に取付
けられるケーシング98と、該ケーシング98内を負圧
室102および大気圧室103に仕切るようにしてケー
シング98に支持されるダイヤフラム99と、負圧室1
02の容積を増大する方向でばね力を発揮してケーシン
グ98およびダイヤフラム99間に縮設されるばね10
0と、ダイヤフラム99の中央部に連結される作動ロッ
ド101とを備える。
【0036】ケーシング98は、ブラケット96に取付
けられる椀状の第1ケース半体104と、該ケース半体
104にかしめ結合される椀状の第2ケース半体105
とから成り、ダイヤフラム99の周縁部は両ケース半体
104,105の開口端部間に挟持される。また負圧室
102はダイヤフラム99および第2ケース半体105
間に形成され、この負圧室102にばね100が収容さ
れる。
【0037】大気圧室103は、ダイヤフラム99およ
び第1ケース半体104間に形成されるものであり、第
2ケース半体104の中央部に設けられた透孔106を
貫通して大気圧室103に突入される作動ロッド101
の一端部がダイヤフラム99の中央部に連結され、透孔
106の内周および作動ロッド101の外周間の間隙を
介して大気圧室103が外部に連通する。
【0038】ケーシング98における第2ケース半体1
05には負圧室102に通じる導管108が接続され
る。一方、アクチュエータ97に隣接した位置で前記ブ
ラケット96にはサージタンク109が支持されてお
り、このサージタンク109に前記導管108が接続さ
れる。またサージタンク109に連なる導管110は気
化器34の吸気路46の下流端に接続される。すなわち
アクチュエータ97の負圧室102には吸気路46の吸
気負圧が導入されることになり、サージタンク109は
前記吸気負圧の脈動を減衰する働きをする。
【0039】アクチュエータ97が備える作動ロッド1
01の他端は連結ロッド111を介してロッカ部材93
に連結されており、エンジンが軽負荷運転状態であって
負圧室102の負圧が高い状態では、図5で示すよう
に、ダイヤフラム99は戻しばね107およびばね10
0のばね力に抗して負圧室102の容積を減少させるよ
うに撓んでおり、作動ロッド101が収縮作動してい
る。この状態でロッカ部材93の回動位置は、両係合部
93a,93bのうち93bを係止部材87の規制突部
88に係合させる位置にある。
【0040】一方、エンジンが高負荷運転状態となって
負圧室102の負圧が低くなると、、図6で示すよう
に、ダイヤフラム99は戻しばね107およびばね10
0のばね力によって負圧室102の容積を増大させるよ
うに撓み、作動ロッド101は伸張作動する。これによ
りロッカ部材93は、両係合部93a,93bのうち9
3aを係止部材87の規制突部88に係合させる位置に
回動することになる。
【0041】このようにロッカ部材93を回動すること
で、エンジンの運転中には一方向への回転力が作用して
いる回転軸81,82は、一方の回転軸81とともに回
転する係止部材87の規制突部88に係合部93a,9
3bのいずれかを係合させた位置で回転を規制されるこ
とになり、その回転軸81,82がたとえば167度位
相が異なる2つの位置で回転停止することにより、回転
軸81,82の軸線から偏心した位置にある支軸61す
なわちコントロールロッド69の他端部が、クランクシ
ャフト27の軸線に直交する平面内で2つの位置間を変
位することになり、それによりエンジンの圧縮比が変化
することになる。
【0042】しかもリンク機構62は圧縮比だけでなく
ピストン38のストロークをも変化させ得るように構成
されるものであり、そのためのリンク機構62の寸法関
係について、図7を参照しながら次に説明する。
【0043】ここで、シリンダ軸線Cに沿ってクランク
シャフト27の軸線を通るx軸と、x軸に直交してクラ
ンクシャフト27の軸線を通るy軸とで構成されるxy
平面内において、コンロッド64の長さをL4、第1アー
ム66の長さをL2、第2アーム67の長さをL1、コント
ロールロッド69の長さをL3、コンロッド64が前記x
軸となす角度をφ4 、第1および第2アーム66,67
のなす角度をα、第2アーム67が前記y軸となす角度
をφ1 、コントロールロッド69が前記y軸となす角度
をφ3 、クランクシャフト27の軸線およびクランクピ
ン65を結ぶ直線が前記x軸となす角度をθ、クランク
シャフト27の軸線およびクランクピン65間の長さを
R 、支軸のxy座標をXpiv,Ypiv、クランクシャフトの
回転角速度をω、クランクシャフト27の軸線からのシ
リンダ軸線Cのy軸方向のオフセット量をδとしたとき
に、ピストンピン63の高さXは、 X =L4・cos φ4 +L2・sin(α+φ1)+R ・cos θ…(1) である。
【0044】
【数3】
【0045】ここで、ピストンピン63のx軸方向速度
は、上記式(1)を微分することにより、次の(2)式
で表される。
【0046】
【数4】
【0047】上記式(2)においてdX/d=0とした方程
式は、θに関して0<θ<2πの範囲で2つの解を持つ
ものである。これらの解を4サイクルエンジンの動作に
照応させて、ピストンピン63を上死点とするクランク
角をθpivtdcとし、ピストンピン63を下死点とするク
ランク角をθpivbdcとしたときに、各クランク角θpivt
dc,θpivbdcにおけるピストンピン63の位置は、上記
式(1)にθpivtdc,θpivbdcを与えることにより得ら
れる。この際、上死点のピストンピン63のx軸方向の
位置をXpivtdc とし、下死点のピストンピン63のx軸
方向の位置をXpivbdc としたときには、ピストンピン6
3のストロークSpivは(Xpivtdc −Xpivbdc )で得られ
る。
【0048】ここで、シリンダボア39の内径をB とし
たときの排気量Vhpiv は{Vhpiv =Spiv・(B2/4)・π}
であり、また上死点における燃焼室容積をVapiv とする
と、圧縮比εpiv は{εpiv =1 +(Vhpiv /Vapiv)}
となる。
【0049】このようにして支軸61が任意の第1の位
置にあるときの排気量Vhpiv0および圧縮比εpiv0と、支
軸61が第1の位置から第2の位置に変位したときの排
気量Vhpiv1、圧縮比εpiv1とをそれぞれ求め、 εpiv1<εpiv0である場合にはVhpiv1>Vhpiv0 εpiv1>εpiv0である場合にはVhpiv1<Vhpiv0 の関係を満足するように第2アーム67の長さL1、第1
アーム66の長さL2、コントロールロッド69の長さL
3、コンロッド64の長さL4、クランクシャフト27の
軸線からのシリンダ軸線Cのy軸方向のオフセット量
δ、ならびに第1および第2アーム66,67のなす角
度αを設定する。
【0050】このような設定によると、図8で示すよう
に、支軸61の位相変化に応じて排気量Vhpiv および圧
縮比εpiv の値が逆方向に変化するようになり、大排気
量のときには低圧縮比の運転とし、小排気量のときには
高圧縮比の運転とすることができる。
【0051】すなわちリンク機構62は、支軸61がエ
ンジンの軽負荷状態に対応する位置にあるときには図9
(a)で示すように作動し、支軸61がエンジンの高負
荷状態に対応する位置にあるときには図9(b)で示す
ように作動するものであり、エンジンの軽負荷状態での
ピストンピン63のストロークSpivよりもエンジンの高
負荷状態のピストンピン63のストロークSpivのほうが
大きくなる。しかもエンジンの軽負荷状態での圧縮比は
高負荷状態での圧縮比よりも大きくなるので、軽負荷時
には小排気量、高圧縮比の運転となり、また高負荷時に
は大排気量、低圧縮比の運転となる。
【0052】次にこの第1実施例の作用について説明す
ると、一端がピストンピン63を介してピストン38に
連結されるコンロッド64と、一端がコンロッド64の
他端に回動可能に連結されるとともに他端がクランクシ
ャフト27にクランクピン65を介して連結される第1
アーム66と、一端が第1アーム66の他端に一体に連
結されてサブロッド68を協働して構成する第2アーム
67と、第2アーム67の他端に一端が回動可能に連結
されるコントロールロッド69とでリンク機構62を構
成し、コントロールロッド69の他端部を支承する支軸
61をエンジンの運転状態に応じて変位させるようにし
て圧縮比を可変とした上で、第2アーム67の長さL1、
第1アーム66の長さL2、コントロールロッド69の長
さL3、コンロッド64の長さL4、クランクシャフト27
の軸線からのシリンダ軸線Cのy軸方向のオフセット量
δ、ならびに第1および第2アーム66,67のなす角
度αをそれぞれ適宜設定することで、ピストンピン63
のストロークをも可変とし、大排気量のときには低圧縮
比の運転とし、小排気量のときには高圧縮比の運転とす
るようにした。
【0053】したがってエンジンの軽負荷時には小排気
量、高圧縮比の運転とすることで高熱効率化を図り、図
10の実線で示すように破線で示す従来のものに比べて
図示燃料消費率を低下させ、燃費の低減を図ることが可
能となる。また高負荷時には大排気量、低圧縮比とする
ことで爆発荷重および筒内圧力が過度に上昇しないよう
にして騒音および強度の問題が生じるのを回避すること
ができる。
【0054】また第1および第2アーム66,67は、
クランクピン65の半周に摺接する半円状の第1軸受部
70を有するサブロッド68を協働して構成するもので
あり、該サブロッド68の一端部にコンロッド64が回
動可能に連結され、サブロッド68の他端部にコントロ
ールロッド69の一端部が回動可能に連結されるのであ
るが、コンロッド64の他端部およびコントロールロッ
ド69の一端部をそれぞれ相互間に挟むようにしてサブ
ロッド68に一体に設けられる一対の二股部71,72
に、クランクピン65の残余の半周に摺接する半円状の
第2軸受部74を有するクランクキャップ73が締結さ
れる。これによりサブロッド68のクランクピン65へ
の取付け剛性を高めることができる。
【0055】またコンロッド64の他端部に圧入された
コンロッドピン75の両端部が一方の二股部71に回動
可能に嵌合され、コントロールロッド69の一端部を相
対回動可能に貫通するサブロッドピン76の両端部が他
方の二股部72に隙間ばめにて嵌合されるので、ピスト
ン38からサブロッド68までと、コントロールロッド
69とを分離してエンジンに組み込んだ後で、サブロッ
ド68およびコントロールロッド69を連結するように
して、組付け精度を高めつつ組付け作業を容易とするこ
とができ、この結果、エンジンの肥大化を回避すること
ができる。
【0056】しかもコンロッドピン75およびサブロッ
ドピン76が、クランクキャップ73をサブロッド68
に締結するためのボルト78の軸線延長上に配置される
ので、サブロッド68およびクランクキャップ73をコ
ンパクトに構成することができ、それによりサブロッド
68およびクランクキャップ73の重量を軽減して、動
力損失をも抑制することができる。
【0057】またエンジン本体21におけるクランクケ
ース22のケース本体25に一体に設けられる支持部8
3ならびに前記ケース本体25に取付けられる支持部材
84に、一対の回転軸81,82が一方向クラッチ8
5,86を介して支承され、両回転軸81,82の偏心
位置間に支軸61が設けられている。しかも支軸61に
は、エンジンの運転サイクルに応じてコントロールロッ
ド69を圧縮する方向の荷重ならびにコントロールロッ
ド69を引っ張る方向の荷重が交互に作用するので、回
転軸81,82には、該回転軸81,82を一方向に回
転せしめる荷重ならびに他方向に回転せしめる荷重が交
互に作用することになる。しかるに前記一方向クラッチ
85,86の働きにより、回転軸81,82は一方向だ
けに回転可能である。
【0058】しかも周方向1箇所に規制突部88を有す
る係止部材87がエンジン本体21におけるサイドカバ
ー26から突出した回転軸81の一端に固定され、回転
軸81と直交する軸線を有してエンジン本体21に固定
される軸部材92に、係止部材87の前記規制突部88
に係合可能として位相をたとえば167度ずらせた一対
の係合部93a,93bを有するロッカ部材93が揺動
可能に支承され、該ロッカ部材93は両係合部93a,
93bの一方を規制突部88に係合させる方向に戻しば
ね107によりばね付勢されている。
【0059】一方、気化器34内の吸気路46に通じる
負圧室102ならびに大気に開放した大気圧室103に
両面を臨ませるダイヤフラム99の周縁部がケーシング
98に挟持されて成るダイヤフラム式のアクチュエータ
97がエンジン本体21に支持されており、このアクチ
ュエータ97が、負圧室102の負圧増大に応じてロッ
カ部材93を前記ばね付勢方向とは逆方向に回動駆動す
るようにしてロッカ部材93に連結されている。
【0060】すなわちエンジンの負荷によってアクチュ
エータ97を作動せしめることで、回転軸81,82す
なわち支軸61をたとえば167度位相の異なる2箇所
に変位保持することができ、支軸61すなわちコントロ
ールロッド69の他端部を高圧縮比に対応する位置と低
圧縮比に対応する位置との間で変位駆動することが可能
となる。しかもダイヤフラム式のアクチュエータ97を
用いることにより、エンジンの肥大化および構成の複雑
化を回避しつつエンジンの動力損失が生じることを極力
抑えて、コントロールロッド69を変位駆動することが
可能となる。
【0061】図11および図12は本発明の第2実施例
を示すものであり、ロッカ部材93の両係合部93a,
93bには、係止部材87(図5,図6参照)の周方向
に並ぶ複数の段部112a…,112b…が、係止部材
87の回動に応じて各段部112a…,112b…を係
止部材87の規制突部88(図5,図6参照)に順次係
合させるようにして形成されている。
【0062】この第2実施例によれば、各段部112a
…,112b…に規制突部88を係合させることによっ
て、係止部材87の周方向位置を段階的に変化させるこ
とができ、圧縮比をより細分化して変化させることがで
きる。
【0063】図13〜図18は本発明の第3実施例を示
すものであり、図13はエンジンの要部正面図、図14
はエンジン軽負荷状態での図13の14−14線断面
図、図15は図14の15ー15線断面図、図16は図
15の16−16線断面図、図17はエンジン高負荷状
態での図15に対応した断面図、図18は図17の18
−18線断面図である。
【0064】先ず図13および図14において、コント
ロールロッド69の他端部に回動可能に連結される支軸
61の両端部は、クランクシャフト27に直交する平面
に沿う軸線を有して同軸に配置される一対の回転軸11
3,114の偏心軸部113a,114a間に設けられ
るものであり、両回転軸113,114は一方向クラッ
チ85,86を介してクランクケース22に回動可能に
支承される。
【0065】しかも一方の回転軸113の偏心軸部11
3aにおける周方向1箇所には、半径方向外方に突出す
る規制突部115が一体に設けられる。
【0066】前記両回転軸113,114の軸線と直交
する軸部材116がクランクケース22におけるケース
本体25を回動可能に貫通してクランクケース22内に
突入されており、該軸部材116の一端はクランクケー
ス22に設けられた支持部117で回動可能に支承され
る。
【0067】またクランクケース22から突出した軸部
材116の他端にはレバー118が固定されており、こ
のレバー118に、ダイヤフラム式のアクチュエータ9
7が連結される。
【0068】前記クランクケース22の側壁内面および
支持部117間で軸部材116には、該軸部材116を
囲繞するロッカ部材119が固定されており、このロッ
カ部材119には、前記規制突部115に係合可能とし
て位相をたとえば167度ずらせた一対の係合部119
a,119bが設けられる。またロッカ部材119およ
びクランクケース22間には、ロッカ部材119が備え
る両係合部119a,119bのうち119aを規制突
部115に係合させる方向にロッカ部材119を回動付
勢する戻しばね120が設けられる。
【0069】エンジンが軽負荷運転状態であってアクチ
ュエータ97における負圧室102の負圧が高い状態で
は、作動ロッド101が縮小作動している。この状態で
ロッカ部材119の回動位置は、図15および図16で
示すように、両係合部119a,119bのうち119
bを規制突部115に係合させる位置にある。
【0070】一方、エンジンが高負荷運転状態となって
負圧室102の負圧が低くなると、、ダイヤフラム99
は負圧室102の容積を増大させるように撓み、作動ロ
ッド101は伸張作動する。これによりロッカ部材11
9は、図17および図18で示すように、両係合部11
9a,119bのうち119aを規制突部115に係合
させる位置に回動することになる。
【0071】このようにロッカ部材119を回動するこ
とで、支軸61すなわちコントロールロッド69の他端
部が、クランクシャフト27の軸線に直交する平面内で
2つの位置間を変位することになり、それによりエンジ
ンの圧縮比およびストロークが変化することになる。
【0072】この第3実施例によっても、上記第1実施
例と同様の効果を奏することができる。
【0073】図19〜図24は本発明の第4実施例を示
すものであり、図19はエンジンの要部正面図、図20
は図19の20−20線断面図、図21はエンジン軽負
荷状態での図20の21−21線断面図、図22はエン
ジン軽負荷状態での図20の22−22線断面図、図2
3はエンジン高負荷状態での図21に対応した断面図、
図24はエンジン高負荷状態での図22に対応した断面
図である。
【0074】先ず図19および図20において、コント
ロールロッド69の他端部に回動可能に連結される支軸
61の両端部は、クランクシャフト27に直交する平面
に沿う軸線を有して同軸に配置される一対の回転軸11
3,114の偏心軸部113a,114a間に設けられ
るものであり、両回転軸113,114は一方向クラッ
チ85,86を介してクランクケース22に回動可能に
支承される。
【0075】しかも回転軸113はクランクケース22
に設けられた支持部121を貫通しており、この回転軸
113の一端には、周方向1箇所で半径方向外方に突出
する規制突部88を有する円盤状の係止部材87が固定
される。
【0076】また前記両回転軸113,114の軸線と
直交する軸部材116がクランクケース22におけるサ
イドカバー26を回動可能に貫通してクランクケース2
2内に突入されており、該軸部材116の一端はクラン
クケース22に設けられた支持部117′で回動可能に
支承される。
【0077】またクランクケース22から突出した軸部
材116の他端にはレバー118が固定されており、こ
のレバー118に、ダイヤフラム式のアクチュエータ9
7が連結される。
【0078】前記クランクケース22の側壁内面および
支持部117間で軸部材116には、ロッカ部材121
が固定されており、このロッカ部材121には、前記規
制突部88に係合可能として位相をたとえば167度ず
らせた一対の係合部121a,121bが設けられる。
またロッカ部材121およびクランクケース22間に
は、ロッカ部材121が備える両係合部121a,12
1bのうち121aを規制突部88に係合させる方向に
ロッカ部材121を回動付勢する戻しばね122が設け
られる。
【0079】エンジンが軽負荷運転状態であってアクチ
ュエータ97における負圧室102の負圧が高い状態で
は、作動ロッド101が縮小作動している。この状態で
ロッカ部材121の回動位置は、図21および図22で
示すように、両係合部121a,121bのうち121
bを規制突部88に係合させる位置にある。
【0080】一方、エンジンが高負荷運転状態となって
負圧室102の負圧が低くなると、、ダイヤフラム99
は負圧室102の容積を増大させるように撓み、作動ロ
ッド101は伸張作動する。これによりロッカ部材12
1は、図23および図24で示すように、両係合部12
1a,121bのうち121aを規制突部88に係合さ
せる位置に回動することになる。
【0081】このようにロッカ部材121を回動するこ
とで、支軸61すなわちコントロールロッド69の他端
部が、クランクシャフト27の軸線に直交する平面内で
2つの位置間を変位することになり、それによりエンジ
ンの圧縮比およびストロークが変化することになる。
【0082】この第4実施例によっても、上記第1実施
例と同様の効果を奏することができる。
【0083】ところで、ピストン38が膨張行程の前半
に在るときには、燃焼室40での燃焼によってピストン
38に大きな荷重が作用するのであるが、その際、コン
ロッド64の傾斜角度が大きいと、シリンダボア39の
内面へのピストン38の接触圧が大きくなり、フリクシ
ョンが増大する。またエンジンの高負荷時に排気量を最
大としたときにはシリンダボア39の内面の一部も燃焼
室40に臨むことになり、シリンダボア39の内面の一
部に燃焼に伴って発生するカーボンが付着、堆積する可
能性があり、そのままの状態では、エンジンの軽負荷時
に排気量を最小としたときにはピストン38に装着され
ているピストンリングが堆積したカーボン上を摺動する
ことになり、ピストンリングのスティックや異状磨耗、
ならびに燃焼ガスのシール不良等の不具合の原因となる
ことがある。そこで次の第5実施例では、そのような不
具合の発生を防止し得るようにした構成について説明す
る。
【0084】フリクションの低減のためには、ピストン
38が上死点にあるときのコンロッド64および第1ア
ーム66の連結点すなわちコンロッドピン75の位置の
うちx軸からy軸方向で最も遠い位置を通ってx軸と平
行に延びる直線と、x軸との間の範囲に、ピストンピン
63の移動軌跡が入るように設定される。
【0085】すなわちエンジンの軽負荷状態では、図2
5(a)で示すように、リンク機構62は、ピストン3
8が上死点にある状態(実線で示す状態)と、ピストン
38が下死点にある状態(破線で示す状態)との間で作
動することになり、ピストン38が上死点にあるときの
コンロッドピン75の位置を通ってx軸と平行に延びる
直線Leと、x軸との間にはy軸方向に沿って距離δyeが
あるのに対し、エンジンの高負荷状態では、図25
(b)で示すように、リンク機構62は、ピストン38
が上死点にある状態(実線で示す状態)と、ピストン3
8が下死点にある状態(破線で示す状態)との間で作動
することになり、ピストン38が上死点にあるときのコ
ンロッドピン75の位置を通ってx軸と平行に延びる直
線Lpと、x軸との間にはy軸方向に沿って距離δypがあ
り、δye<δypである。したがってピストンピン63の
移動軌跡は、直線Lpおよびx軸間に入るように設定され
る。
【0086】このようなピストンピン63の移動軌跡の
設定によれば、膨張行程前半でピストンが燃焼室40で
の燃焼によって大きな荷重を受けるにもかかわらず、膨
張行程前半においてコンロッド64の傾斜角度を抑制す
ることができるので、シリンダボア39の内面へのピス
トン38の接触圧が大きくならないようにして、フリク
ションを低減することができる。
【0087】ところで、ピストン38には、図26で示
すように、ピストンリング125,126,127が装
着されており、ピストン38において前記各ピストンリ
ング125〜127のうち最も燃焼室40側のピストン
リング125よりも燃焼室40側の部分であるトップラ
ンド38aの幅をH1とし、図26(a)で示すエンジン
軽負荷時に排気量を最小としたときの上死点でのピスト
ンピン63の前記x軸方向に沿う高さをXetdc 、図26
(b)で示すエンジン高負荷時に排気量を最大としたと
きの上死点でのピストンピン63のx軸方向に沿う高さ
をXptdc としたときに、Xetdc −Xptdc ≦H1が成立する
ように設定される。
【0088】このようにすれば、エンジン高負荷時に排
気量を最大としたときにはシリンダボア39の内面の一
部も燃焼室40に臨むことになり、シリンダボア39の
内面の一部に燃焼に伴って発生するカーボンが付着、堆
積する可能性があるが、エンジンの軽負荷時に排気量を
最小としたときにはピストン38に装着されているピス
トンリング125〜127のうち最も燃焼室40に近い
ピストンリング125がシリンダボア39の内面への上
記堆積カーボン上を摺動することを回避することができ
る。したがってピストンリング125のスティックや異
状磨耗、ならびに燃焼ガスのシール不良等の不具合が生
じることを防止することができる。
【0089】図27において、支軸61が、クランクシ
ャフト27の軸線からy軸およびx軸方向にそれぞれ長
さL5,L6だけxy平面内で離隔した位置を中心として半
径Rpの円形軌跡を描いて変位するものとし、クランクシ
ャフト27の軸線およびクランクピン65間の長さR を
1.0としたときに、第2アーム67の長さL1が1.5
〜6.0、第1アーム66の長さL2が1.0〜5.
5、、コントロールロッド69の長さL3が3.0〜6.
0、前記長さL5が1.2〜6.0、前記長さL6が0.9
〜3.8、前記半径Rpが0.06〜0.76に設定され
るとともに、第1および第2アーム66,67のなす角
度αが77〜150度に設定される。
【0090】このようにリンク機構62の各部寸法を定
めると、膨張行程前半においてコンロッド64の傾斜角
度を抑制することができるとともに、排気量を最小とし
たときにピストンリング125がシリンダボア39の内
面への堆積カーボン上を摺動することを回避することが
できるようになる。したがってピストン摺動時のフリク
ション低減が可能となるとともにピストンリング125
のスティックや異状磨耗、ならびに燃焼ガスのシール不
良等の不具合が発生することを防止することができる。
【0091】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行うことが可能である。
【0092】たとえば上記各実施例では、支軸61を変
位させるためにダイヤフラム式のアクチュエータ97を
用いたが、電動モータ等を用いた電子制御式の切換機構
で支軸61を変位させるようにしてもよい。
【0093】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、大排気量のときには低圧縮比の運転とし、小排気量
のときには高圧縮比の運転とすることができ、それによ
り、軽負荷時には小排気量、高圧縮比の運転とすること
で高熱効率化を図り、高負荷時には大排気量、低圧縮比
とすることで爆発荷重および筒内圧力が過度に上昇しな
いようにして騒音および強度の問題が生じるのを回避す
ることができる。
【0094】また請求項2記載の発明によれば、膨張行
程前半においてコンロッドの傾斜角度を抑制することが
でき、ピストンのフリクション低減が可能となる。
【0095】請求項3記載の発明によれば、排気量を最
小としたときにピストンリングが堆積したカーボン上を
摺動することを回避することができ、ピストンリングの
スティックや異状磨耗、ならびに燃焼ガスのシール不良
等の不具合が発生することを防止することができる。
【0096】さらに請求項4記載の発明によれば、ピス
トン摺動時のフリクション低減が可能となるとともに、
ピストンリングが堆積したカーボン上を摺動することを
回避してピストンリングのスティックや異状磨耗、なら
びに燃焼ガスのシール不良等の不具合が発生することを
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のエンジンの正面図である。
【図2】エンジンの縦断面図であって図3の2−2線断
面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】軽負荷状態での図1の5−5線拡大断面図であ
る。
【図6】高負荷状態での図5に対応した断面図である。
【図7】リンク機構の配置を簡単に示す図である。
【図8】リンク機構の作動状態を順次示す図である。
【図9】支軸の位相、排気量および圧縮比の関係を示す
図である。
【図10】図示平均有効圧力および図示燃料消費率の関
係を示す図である。
【図11】第2実施例の係止部材の正面図である。
【図12】図11の12矢視図である。
【図13】第3実施例のエンジンの要部正面図である。
【図14】エンジン軽負荷状態での図13の14−14
線断面図である。
【図15】図14の15ー15線断面図である。
【図16】図15の16−16線断面図である。
【図17】エンジン高負荷状態での図15に対応した断
面図である。
【図18】図17の18−18線断面図である。
【図19】第4実施例のエンジンの要部正面図である。
【図20】図19の20−20線断面図である。
【図21】エンジン軽負荷状態での図20の21−21
線断面図である。
【図22】エンジン軽負荷状態での図20の22−22
線断面図である。
【図23】エンジン高負荷状態での図21に対応した断
面図である。
【図24】エンジン高負荷状態での図22に対応した断
面図である。
【図25】第5実施例を示すものであってエンジンの軽
負荷および高負荷でのリンク機構の作動状態を対比して
示す図である。
【図26】エンジンの燃焼室付近を軽負荷および高負荷
で対比させて示す断面図である。
【図27】各部寸法を説明するためにリンク機構の配置
を簡単に示す図である。
【符号の説明】
27・・・クランクシャフト 38・・・ピストン 61・・・支軸 63・・・ピストンピン 64・・・コンロッド 65・・・クランクピン 66・・・第1アーム 67・・・第2アーム 69・・・コントロールロッド C・・・シリンダ軸線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端がピストンピン(63)を介してピ
    ストン(38)に連結されるコンロッド(64)と、一
    端がコンロッド(64)の他端に回動可能に連結される
    とともに他端がクランクシャフト(27)にクランクピ
    ン(65)を介して連結される第1アーム(66)と、
    一端が前記第1アーム(66)の他端に一体に連結され
    る第2アーム(67)と、該第2アーム(67)の他端
    に一端が回動可能に連結されるコントロールロッド(6
    9)と、該コントロールロッド(69)の他端を回動可
    能に支承する支軸(61)とを備え、シリンダ軸線
    (C)に沿ってクランクシャフト(27)の軸線を通る
    x軸と、x軸に直交してクランクシャフト(27)の軸
    線を通るy軸とで構成されるxy平面内で前記支軸(6
    1)の位置を変位可能とした圧縮比可変エンジンにおい
    て、コンロッド(64)の長さをL4、第1アーム(6
    6)の長さをL2、第2アーム(67)の長さをL1、コン
    トロールロッド(69)の長さをL3、コンロッド(6
    4)が前記x軸となす角度をφ4 、第1および第2アー
    ム(66,67)のなす角度をα、第2アーム(67)
    が前記y軸となす角度をφ1 、コントロールロッド(6
    9)が前記y軸となす角度をφ3 、クランクシャフト
    (27)の軸線およびクランクピン(65)を結ぶ直線
    が前記x軸となす角度をθ、クランクシャフト(27)
    の軸線およびクランクピン(65)間の長さをR 、前記
    支軸(61)のxy座標をXpiv,Ypiv、クランクシャフ
    ト(27)の回転角速度をω、クランクシャフト(2
    7)の軸線からのシリンダ軸線(C)のy軸方向のオフ
    セット量をδとしたときに、 【数1】 にL1〜L4、δおよびRを任意に設定して導入することに
    より、前記支軸(61)が第1の位置にあるときのピス
    トンピン(63)の上死点および下死点におけるクラン
    ク角度θをそれぞれ求め、両クランク角度θでのピスト
    ンピン(63)の高さXを表す次式 X =L4・cos φ4 +L2・sin(α+φ1)+R ・cos θ から前記支軸(61)が任意の第1の位置にあるときの
    排気量Vhpiv0および圧縮比εpiv0と、前記支軸(61)
    が第1の位置から変位した第2の位置にあるときの排気
    量Vhpiv1、圧縮比εpiv1とをそれぞれ求め、 εpiv1<εpiv0である場合にはVhpiv1>Vhpiv0 εpiv1>εpiv0である場合にはVhpiv1<Vhpiv0 の関係を満足するように、第2アーム(67)の長さL
    1、第1アーム(66)の長さL2、コントロールロッド
    (69)の長さL3、コンロッド(64)の長さL4、クラ
    ンクシャフト(27)の軸線からのシリンダ軸線(C)
    のy軸方向のオフセット量δ、ならびに第1および第2
    アーム(66,67)のなす角度αをそれぞれ設定する
    ことを特徴とする圧縮比可変エンジン。
  2. 【請求項2】 前記ピストンピン(63)の移動軌跡
    が、前記ピストン(38)が上死点にあるときの前記コ
    ンロッド(64)および第1アーム(66)の連結点の
    位置のうち前記x軸からy軸方向で最も遠い位置を通っ
    て前記x軸と平行に延びる直線と、前記x軸との間の範
    囲に入るように設定されることを特徴とする請求項1記
    載の圧縮比可変エンジン。
  3. 【請求項3】 排気量を最小としたときの上死点での前
    記ピストンピン(63)の前記x軸方向に沿う高さをXe
    tdc 、排気量を最大としたときの上死点での前記ピスト
    ンピン(63)の前記x軸方向に沿う高さをXptdc 、前
    記ピストン(63)のトップランド幅をH1としたとき
    に、Xetdc −Xptdc ≦H1が成立するように設定されるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の圧縮比可変エン
    ジン。
  4. 【請求項4】 前記支軸(61)が、前記クランクシャ
    フト(27)の軸線からy軸およびx軸方向にそれぞれ
    長さL5,L6だけ前記xy平面内で離隔した位置を中心と
    して半径Rpの円形軌跡を描いて変位するものとし、前記
    クランクシャフト(27)の軸線および前記クランクピ
    ン(65)間の長さR を1.0としたときに、第2アー
    ム(67)の長さL1が1.5〜6.0、第1アーム(6
    6)の長さL2が1.0〜5.5、コントロールロッド
    (69)の長さL3が3.0〜6.0、前記長さL5が1.
    2〜6.0、前記長さL6が0.9〜3.8、前記半径Rp
    が0.06〜0.76に設定されるとともに、前記第1
    および第2アーム(66,67)のなす角度αが77〜
    150度に設定されることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の圧縮比可変エンジン。
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