JP2003278567A - 圧縮比可変エンジン - Google Patents

圧縮比可変エンジン

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JP2003278567A JP2002079738A JP2002079738A JP2003278567A JP 2003278567 A JP2003278567 A JP 2003278567A JP 2002079738 A JP2002079738 A JP 2002079738A JP 2002079738 A JP2002079738 A JP 2002079738A JP 2003278567 A JP2003278567 A JP 2003278567A
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/16Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧縮比可変エンジンにおいて、サブロッドのク
ランクシャフトへの取付剛性を高するとともに、クラン
クケースの肥大化を回避しつつ、ピストン、コンロッ
ド、サブロッドおよびコントロールロッドをエンジンに
精度よく組付け可能とする。 【解決手段】コンロッド64の他端部およびコントロー
ルロッド69の一端部をそれぞれ相互間に挟むようにし
てサブロッド68に一体に設けられる一対の二股部7
1,72にクランクキャップが締結され、コンロッド6
4の他端部に圧入されるコンロッドピン75の両端部が
一方の二股部71に回動可能に嵌合され、コントロール
ロッド69の一端部を相対回動可能に貫通するサブロッ
ドピン76の両端部が他方の二股部72に隙間ばめにて
嵌合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一端部がピストン
ピンを介してピストンに連結されるコンロッドの他端部
が、クランクシャフトのクランクピン半周に摺接する半
円状の第1軸受部を中間部に有するサブロッドの一端部
に回動可能に連結され、該サブロッドの他端部にコント
ロールロッドの一端部が回動可能に連結され、前記クラ
ンクピンの残余の半周に摺接する半円状の第2軸受部を
有するクランクキャップが、前記サブロッドに締結され
る圧縮比可変エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる圧縮比可変エンジンは、た
とえば特開2000−73804号公報等で既に知られ
ており、一端部がサブロッドに連結されるコントロール
ロッドの他端部を変位せしめることにより、エンジンの
運転状態に応じて圧縮比を変化させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
圧縮比可変エンジンでは、エンジンの燃焼による圧縮
力、クランクシャフトの回転による曲げ、ならびにコン
トロールロッドの動作に伴う引張力等がサブロッドに作
用しており、サブロッドのクランクシャフトへの取付剛
性を高くしておくことが望まれる。
【0004】しかるに上記従来のものでは、クランクキ
ャップの締結部から離隔した位置でサブロッドに一対の
二股部が設けられており、それらの二股部にコンロッド
の他端部およびコントロールロッドの一端部が連結され
ている。このため、サブロッドと、コンロッドおよびコ
ントロールロッドとの連結部の剛性が高いとは言えず、
クランクピンの軸方向に振れ(フレッティング)が生じ
る可能性がある。しかも相互に連結されてリンク機構を
構成するコンロッド、サブロッドおよびコントロールロ
ッドは高い精度で組み立てられねばならず、エンジンへ
の組付時には、ピストンから駆動手段まで組立てた状態
で組付けるのが望ましいのであるが、そのような組付け
を行なうようにすると、クランクケースまわりが肥大化
してしまう。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、サブロッドのクランクシャフトへの取付剛性
を高するとともに、クランクケースの肥大化を回避しつ
つ、ピストン、コンロッド、サブロッドおよびコントロ
ールロッドをエンジンに精度よく組付け得るようにした
圧縮比可変エンジンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、一端部がピストンピンを介
してピストンに連結されるコンロッドの他端部が、クラ
ンクシャフトのクランクピン半周に摺接する半円状の第
1軸受部を中間部に有するサブロッドの一端部に回動可
能に連結され、該サブロッドの他端部にコントロールロ
ッドの一端部が回動可能に連結され、前記クランクピン
の残余の半周に摺接する半円状の第2軸受部を有するク
ランクキャップが、前記サブロッドに締結される圧縮比
可変エンジンにおいて、前記コンロッドの他端部および
コントロールロッドの一端部をそれぞれ相互間に挟むよ
うにして前記サブロッドに一体に設けられる一対の二股
部に前記クランクキャップが締結され、前記コンロッド
の他端部に圧入されるコンロッドピンの両端部が一方の
二股部に回動可能に嵌合され、前記コントロールロッド
の一端部を相対回動可能に貫通するサブロッドピンの両
端部が他方の二股部に隙間ばめにて嵌合されることを特
徴とする。
【0007】このような請求項1記載の発明の構成によ
れば、サブロッドの両端部に一体に設けられる二股部
に、クランクキャップが締結されるとともに、コンロッ
ドの他端部およびコントロールロッドの一端部がそれぞ
れ回動可能に連結されるので、サブロッドのクランクピ
ンへの取付け剛性を高めることができる。しかもコンロ
ッド側に比べて荷重負担の少ないコントロールロッド側
では、コントロールロッドの一端部を相対回動可能に貫
通するサブロッドピンの両端部が二股部に隙間ばめにて
嵌合されるので、ピストンからサブロッドまでと、コン
トロールロッドとを分離してエンジンに組み込んだ後
で、サブロッドおよびコントロールロッドを連結するよ
うにして、組付け精度を高めつつ組付け作業を容易とす
ることができ、この結果、エンジンの肥大化を回避する
ことができる。
【0008】また請求項2記載の発明は、上記請求項1
記載の発明の構成に加えて、前記コンロッドピンおよび
前記サブロッドピンが、前記クランクキャップを前記サ
ブロッドに締結するためのボルトの軸線延長上に配置さ
れることを特徴とし、かかる構成によれば、サブロッド
およびクランクキャップをコンパクトに構成することが
でき、それによりサブロッドおよびクランクキャップの
重量を軽減して、動力損失をも抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】図1〜図10は本発明の第1実施例を示す
ものであり、図1はエンジンの正面図、図2はエンジン
の縦断面図であって図3の2−2線断面図、図3は図2
の3−3線断面図、図4は図3の4−4線断面図、図5
は軽負荷状態での図1の5−5線拡大断面図、図6は高
負荷状態での図5に対応した断面図、図7はリンク機構
の配置を簡単に示す図、図8はリンク機構の作動状態を
順次示す図、図9は支軸の位相、排気量および圧縮比の
関係を示す図、図10は図示平均有効圧力および図示燃
料消費率の関係を示す図である。
【0011】先ず図1〜図3において、このエンジン
は、たとえば作業機等に用いられる空冷の単気筒エンジ
ンであり、エンジン本体21は、クランクケース22
と、該クランクケース22の一側面からやや上向きに傾
斜して突出するシリンダブロック23と、該シリンダブ
ロック23の頭部に接合されるシリンダヘッド24とで
構成されるものであり、シリンダブロック23およびシ
リンダヘッド24の外側面には多数の空冷用フィン23
a…,24a…が設けられている。またクランクケース
22は、該クランクケース22の下面の据え付け面22
aで各種作業機のエンジンベッドに据え付けられる。
【0012】クランクケース22は、シリンダブロック
23と一体に鋳造成形されるケース本体25と、そのケ
ース本体25の開放端に結合されるサイドカバー26と
から成るものであり、ケース本体25およびサイドカバ
ー26に、クランクシャフト27の両端部がボールベア
リング28,29およびオイルシール30,31を介し
て回転自在に支承される。またクランクシャフト27の
一端部は出力軸部27aとしてサイドカバー26から突
出されており、クランクシャフト27の他端部は補機取
付け軸部27bとしてケース本体25から突出される。
しかも補機取付け軸部27bには、フライホイール32
が固定されており、このフライホイール32の外面に
は、エンジン本体21の各部や気化器34に冷却風を供
給するための冷却ファン35がねじ部材36で固着さ
れ、冷却ファン36の外側にリコイル式エンジンスター
タ37が配設される。
【0013】シリンダブロック23には、ピストン38
を摺動自在に嵌合せしめるシリンダボア39が形成され
ており、ピストン38の頂部を臨ませる燃焼室40がシ
リンダブロック23およびシリンダヘッド24間に形成
される。
【0014】シリンダヘッド24には、燃焼室40に通
じ得る吸気ポート41および排気ポート42が形成され
るとともに、吸気ポート41および燃焼室40間を開閉
する吸気弁43、ならびに排気ポート42および燃焼室
40間を開閉する排気弁44が開閉作動可能に配設され
る。また燃焼室40に電極を臨ませる点火プラグ45が
シリンダヘッド24に螺着される。
【0015】シリンダヘッド24の上部には気化器34
が接続されており、該気化器34が備える吸気路46の
下流端が吸気ポート41に連通される。また吸気路46
の上流端に連なる吸気管47が気化器34に接続され、
該吸気管47は図示しないエアクリーナに接続される。
シリンダヘッド24の上部には排気ポート42に通じる
排気管48が接続されており、この排気管48は排気マ
フラ49に接続される。さらにクランクケース22の上
方には、該クランクケース22から突出したブラケット
50で支持されるようにして燃料タンク51が配置され
る。
【0016】クランクケース22におけるサイドカバー
26寄りの部分でクランクシャフト27には駆動ギヤ5
2が一体に形成されており、この駆動ギヤ52に噛合す
る被動ギヤ53が、クランクシャフト27と平行な軸線
を有してクランクケース22に回転自在に支承されるカ
ムシャフト54に固着される。而してカムシャフト54
には、相互に噛合した駆動ギヤ52および被動ギヤ53
により1/2の減速比でクランクシャフト27からの回
転動力が伝達される。
【0017】カムシャフト54には、吸気弁43および
排気弁44にそれぞれ対応した吸気カム55および排気
カム56が設けられており、吸気カム55にはシリンダ
ブロック23で作動可能に支承された従動駒57が摺接
される。一方、シリンダブロック23およびシリンダヘ
ッド24には、従動駒57の上部を下部に突出させた作
動室58が形成されており、該作動室58内に配置され
るプッシュロッド59の下端が前記従動駒57に当接さ
れる。一方、シリンダヘッド24には、閉弁方向にばね
付勢された排気弁44の上端に一端を当接させたロッカ
アーム60が揺動可能に支承されており、このロッカア
ーム60の他端に前記プッシュロッド59の上端が当接
される。而して吸気カム55の回転に応じてプッシュロ
ッド59が軸方向に作動し、それに応じたロッカアーム
60の揺動によって吸気弁43が開閉作動することにな
る。
【0018】排気カム56および排気弁44間にも、上
記吸気カム55および吸気弁43間と同様の機構が介装
されており、排気カム56の回転に応じて排気弁44が
開閉作動する。
【0019】図4を併せて参照して、ピストン38と、
クランクシャフト27と、シリンダ軸線Cを通りクラン
クシャフト27の軸線に直交する平面内で変位すること
を可能としてエンジン本体21のクランクケース22に
支承される支軸61とが、リンク機構62を介して連結
される。
【0020】このリンク機構62は、一端がピストンピ
ン63を介してピストン38に連結されるコンロッド6
4と、一端がコンロッド64の他端に回動可能に連結さ
れるとともに他端がクランクシャフト27のクランクピ
ン65に連結される第1アーム66と、一端が前記第1
アーム66の他端に一体に連結される第2アーム67
と、該第2アーム67の他端に一端部が回動可能に連結
されるとともに他端部が前記支軸61に回動可能に連結
されるコントロールロッド69とから成り、第1および
第2アーム66,67は、サブロッド68として一体に
形成される。
【0021】サブロッド68は、クランクシャフト27
のクランクピン65半周に摺接する半円状の第1軸受部
70を中間部に有するものであり、このサブロッド68
の両端部には、コンロッド64の他端部およびコントロ
ールロッド69の一端部をそれぞれ相互間に挟む一対の
二股部71,72が一体に設けられる。またクランクシ
ャフト27のクランクピン65における残余の半周に
は、クランクキャップ73が備える半円状の第2軸受部
74が摺接するものであり、このクランクキャップ73
はサブロッド68に締結される。
【0022】コンロッド64の他端部は、コンロッドピ
ン75を介してサブロッド68の一端部すなわち第1ア
ーム66の一端部に回動可能に連結されるものであり、
コンロッド64の他端部に圧入されたコンロッドピン7
5の両端部がサブロッド68の一端側の二股部71に回
動可能に嵌合される。
【0023】またコントロールロッド69の一端部は円
筒状のサブロッドピン76を介してサブロッド68の他
端部すなわち第2アーム67の他端部に回動可能に連結
されるものであり、サブロッド68の他端側の二股部7
2に挿入されたコントロールロッド69の一端部を相対
回動可能に貫通するサブロッドピン76の両端部が、前
記他端側の二股部72に隙間ばめにて嵌合される。しか
も前記他端側の二股部72にはサブロッドピン76の両
端に当接して該サブロッドピン76の二股部72からの
離脱を阻止するための一対のクリップ77,77が装着
される。
【0024】さらに各二股部71,72には、クランク
シャフト27の両側に一対ずつ配置されるボルト78,
78…によってクランクキャップ73が締結されるもの
であり、コンロッドピン75およびサブロッドピン76
は、それらのボルト78,78…の軸線延長上に配置さ
れる。
【0025】図5をさらに併せて参照して、円筒状であ
る支軸61は、クランクシャフト27と平行な軸線を有
して同軸に配置される一対の回転軸81,82の偏心位
置間に設けられる。しかも回転軸81は、クランクケー
ス22におけるケース本体25の上部に一体に設けられ
た支持部83に一方向クラッチ85を介して支承され、
回転軸82は、前記ケース本体25に取付けられた支持
部材84に一方向クラッチ86を介して支承される。
【0026】ところで、支軸61に他端部が連結された
コントロールロッド69には、エンジンの運転サイクル
に応じてコントロールロッド69を圧縮する方向の荷重
ならびにコントロールロッド69を引っ張る方向の荷重
が交互に作用するものであり、回転軸81,82の偏心
位置間に支軸61が設けられているので、回転軸81,
82にも前記コントロールロッド69から一側に向けて
の回転力ならびに他側に向けての回転力が交互に作用す
る。しかるに回転軸81,82と、支持部83および支
持部材84との間に一方向クラッチ85,86が介装さ
れていることにより、回転軸81,82は矢印80で示
す一方向にのみ回転可能である。
【0027】クランクケース22のサイドカバー26を
回転自在に貫通して外部に突出した回転軸81の一端に
は係止部材87が固定され、該係止部材87は、半径方
向外方に突出した規制突部88を周方向1箇所に有して
円盤状に形成される。
【0028】一方、クランクケース22におけるサイド
カバー26の外面には、前記係止部材87の一部を挿入
せしめる開口部89を有する支持板90と、該支持板9
0から外方に突出する一対のブラケット91,91とが
締結されており、両ブラケット91,91に、回転軸8
1の軸線と直交する軸線を有して前記係止部材87の外
方位置に配置される軸部材92の両端部が固定的に支持
される。
【0029】前記軸部材92には、前記係止部材87の
規制突部88に係合可能な一対の係合部93a,93b
をその位相がたとえば167度ずれた位置に備えるロッ
カ部材93が揺動可能に支承されるものであり、軸部材
92の軸線に沿うロッカ部材93の位置を定めるため
に、両ブラケット91,91およびロッカ部材93間に
は軸部材92を囲繞する円筒状のスペーサ94,95が
介装される。またロッカ部材93および支持板90間に
は、ロッカ部材93が備える両係合部93a,93bの
うち93aを係止部材87の規制突部88に係合させる
方向にロッカ部材93を回動付勢する戻しばね107が
設けられる。
【0030】ロッカ部材93にはダイヤフラム式のアク
チュエータ97が連結される。このアクチュエータ97
は、前記支持板90に設けられたブラケット96に取付
けられるケーシング98と、該ケーシング98内を負圧
室102および大気圧室103に仕切るようにしてケー
シング98に支持されるダイヤフラム99と、負圧室1
02の容積を増大する方向でばね力を発揮してケーシン
グ98およびダイヤフラム99間に縮設されるばね10
0と、ダイヤフラム99の中央部に連結される作動ロッ
ド101とを備える。
【0031】ケーシング98は、ブラケット96に取付
けられる椀状の第1ケース半体104と、該ケース半体
104にかしめ結合される椀状の第2ケース半体105
とから成り、ダイヤフラム99の周縁ブラケットは両ケ
ース半体104,105の開口端部間に挟持される。ま
た負圧室102はダイヤフラム99および第2ケース半
体105間に形成され、この負圧室102にばね100
が収容される。
【0032】大気圧室103は、ダイヤフラム99およ
び第1ケース半体104間に形成されるものであり、第
2ケース半体104の中央部に設けられた透孔106を
貫通して大気圧室103に突入される作動ロッド101
の一端部がダイヤフラム99の中央部に連結され、透孔
106の内周および作動ロッド101の外周間の間隙を
介して大気圧室103が外部に連通する。
【0033】ケーシング98における第2ケース半体1
05には負圧室102に通じる導管108が接続され
る。一方、アクチュエータ97に隣接した位置で前記ブ
ラケット96にはサージタンク109が支持されてお
り、このサージタンク109に前記導管108が接続さ
れる。またサージタンク109に連なる導管110は気
化器34の吸気路46の下流端に接続される。すなわち
アクチュエータ97の負圧室102には吸気路46の吸
気負圧が導入されることになり、サージタンク109は
前記吸気負圧の脈動を減衰する働きをする。
【0034】アクチュエータ97が備える作動ロッド1
01の他端は連結ロッド111を介してロッカ部材93
に連結されており、エンジンが軽負荷運転状態であって
負圧室102の負圧が高い状態では、図5で示すよう
に、ダイヤフラム99は戻しばね107およびばね10
0のばね力に抗して負圧室102の容積を減少させるよ
うに撓んでおり、作動ロッド101が収縮作動してい
る。この状態でロッカ部材93の回動位置は、両係合部
93a,93bのうち93bを係止部材87の規制突部
88に係合させる位置にある。
【0035】一方、エンジンが高負荷運転状態となって
負圧室102の負圧が低くなると、、図6で示すよう
に、ダイヤフラム99は戻しばね107およびばね10
0のばね力によって負圧室102の容積を増大させるよ
うに撓み、作動ロッド101は伸張作動する。これによ
りロッカ部材93は、両係合部93a,93bのうち9
3aを係止部材87の規制突部88に係合させる位置に
回動することになる。
【0036】このようにロッカ部材93を回動すること
で、エンジンの運転中には一方向への回転力が作用して
いる回転軸81,82は、一方の回転軸81とともに回
転する係止部材87の規制突部88に係合部93a,9
3bのいずれかを係合させた位置で回転を規制されるこ
とになり、その回転軸81,82がたとえば167度位
相が異なる2つの位置で回転停止することにより、回転
軸81,82の軸線から偏心した位置にある支軸61す
なわちコントロールロッド69の他端部が、クランクシ
ャフト27の軸線に直交する平面内で2つの位置間を変
位することになり、それによりエンジンの圧縮比が変化
することになる。
【0037】しかもリンク機構62は圧縮比だけでなく
ピストン38のストロークをも変化させ得るように構成
されるものであり、そのためのリンク機構62の寸法関
係について、図7を参照しながら次に説明する。
【0038】ここで、シリンダ軸線Cに沿ってクランク
シャフト27の軸線を通るx軸と、x軸に直交してクラ
ンクシャフト27の軸線を通るy軸とで構成されるxy
平面内において、コンロッド64の長さをL4、第1アー
ム66の長さをL2、第2アーム67の長さをL1、コント
ロールロッド69の長さをL3、コンロッド64が前記x
軸となす角度をφ4 、第1および第2アーム66,67
のなす角度をα、第2アーム67が前記y軸となす角度
をφ1 、コントロールロッド69が前記y軸となす角度
をφ3 、クランクシャフト27の軸線およびクランクピ
ン65を結ぶ直線が前記x軸となす角度をθ、クランク
シャフト27の軸線およびクランクピン65間の長さを
R 、支軸のxy座標をXpiv,Ypiv、クランクシャフトの
回転角速度をω、クランクシャフト27の軸線からのシ
リンダ軸線Cのy軸方向のオフセット量をδとしたとき
に、ピストンピン63の高さXは、 X =L4・cos φ4 +L2・sin(α+φ1)+R ・cos θ…(1) である。
【0039】
【数1】
【0040】ここで、ピストンピン63のx軸方向速度
は、上記式(1)を微分することにより、次の(2)式
で表される。
【0041】
【数2】
【0042】上記式(2)においてdX/d=0とした方程
式は、θに関して0<θ<2πの範囲で2つの解を持つ
ものである。これらの解を4サイクルエンジンの動作に
照応させて、ピストンピン63を上死点とするクランク
角をθpivtdcとし、ピストンピン63を下死点とするク
ランク角をθpivbdcとしたときに、各クランク角θpivt
dc,θpivbdcにおけるピストンピン63の位置は、上記
式(1)にθpivtdc,θpivbdcを与えることにより得ら
れる。この際、上死点のピストンピン63のx軸方向の
位置をXpivtdc とし、下死点のピストンピン63のx軸
方向の位置をXpivbdc としたときには、ピストンピン6
3のストロークSpivは(Xpivtdc −Xpivbdc )で得られ
る。
【0043】ここで、シリンダボア39の内径をB とし
たときの排気量Vhpiv は{Vhpiv =Spiv・(B2/4)・π}
であり、また上死点における燃焼室容積をVapiv とする
と、圧縮比εpiv は{εpiv =1 +(Vhpiv /Vapiv)}
となる。
【0044】このようにして支軸61が任意の第1の位
置にあるときの排気量Vhpiv0および圧縮比εpiv0と、支
軸61が第1の位置から第2の位置に変位したときの排
気量Vhpiv1、圧縮比εpiv1とをそれぞれ求め、 εpiv1<εpiv0である場合にはVhpiv1>Vhpiv0 εpiv1>εpiv0である場合にはVhpiv1<Vhpiv0 の関係を満足するように第2アーム67の長さL1、第1
アーム66の長さL2、コントロールロッド69の長さL
3、コンロッド64の長さL4、クランクシャフト27の
軸線からのシリンダ軸線Cのy軸方向のオフセット量
δ、ならびに第1および第2アーム66,67のなす角
度αを設定する。
【0045】このような設定によると、図8で示すよう
に、支軸の61の位相変化に応じて排気量Vhpiv および
圧縮比εpiv の値が逆方向に変化するようになり、大排
気量のときには低圧縮比の運転とし、小排気量のときに
は高圧縮比の運転とすることができる。
【0046】すなわちリンク機構62は、支軸61がエ
ンジンの軽負荷状態に対応する位置にあるときには図9
(a)で示すように作動し、支軸61がエンジンの高負
荷状態に対応する位置にあるときには図9(b)で示す
ように作動するものであり、エンジンの軽負荷状態での
ピストンピン63のストロークSpivよりもエンジンの高
負荷状態のピストンピン63のストロークSpivのほうが
大きくなる。しかもエンジンの軽負荷状態での圧縮比は
高負荷状態での圧縮比よりも大きくなるので、軽負荷時
には低排気量、高圧縮比の運転となり、また高負荷時に
は大排気量、低圧縮比の運転となる。
【0047】次にこの第1実施例の作用について説明す
ると、一端がピストンピン63を介してピストン38に
連結されるコンロッド64と、一端がコンロッド64の
他端に回動可能に連結されるとともに他端がクランクシ
ャフト27にクランクピン65を介して連結される第1
アーム66と、一端が第1アーム66の他端に一体に連
結されてサブロッド68を協働して構成する第2アーム
67と、第2アーム67の他端に一端が回動可能に連結
されるコントロールロッド69とでリンク機構62を構
成し、コントロールロッド69の他端部を支承する支軸
61をエンジンの運転状態に応じて変位させるようにし
て圧縮比を可変とした上で、第2アーム67の長さL1、
第1アーム66の長さL2、コントロールロッド69の長
さL3、コンロッド64の長さL4、クランクシャフト27
の軸線からのシリンダ軸線Cのy軸方向のオフセット量
δ、ならびに第1および第2アーム66,67のなす角
度αをそれぞれ適宜設定することで、ピストンピン63
のストロークをも可変とし、大排気量のときには低圧縮
比の運転とし、小排気量のときには高圧縮比の運転とす
るようにした。
【0048】したがってエンジンの軽負荷時には低排気
量、高圧縮比の運転とすることで高熱効率化を図り、図
10の実線で示すように破線で示す従来のものに比べて
図示燃料消費率を低下させ、燃費の低減を図ることが可
能となる。また高負荷時には大排気量、低圧縮比とする
ことで爆発荷重および筒内圧力が過度に上昇しないよう
にして騒音および強度の問題が生じるのを回避すること
ができる。
【0049】また第1および第2アーム66,67は、
クランクピン65の半周に摺接する半円状の第1軸受部
70を有するサブロッド68を協働して構成するもので
あり、該サブロッド68の一端部にコンロッド64が回
動可能に連結され、サブロッド68の他端部にコントロ
ールロッド69の一端部が回動可能に連結されるのであ
るが、コンロッド64の他端部およびコントロールロッ
ド69の一端部をそれぞれ相互間に挟むようにしてサブ
ロッド68に一体に設けられる一対の二股部71,72
に、クランクピン65の残余の半周に摺接する半円状の
第2軸受部74を有するクランクキャップ73が締結さ
れる。これによりサブロッド68のクランクピン65へ
の取付け剛性を高めることができる。
【0050】またコンロッド64の他端部に圧入された
コンロッドピン75の両端部が一方の二股部71に回動
可能に嵌合され、コントロールロッド69の一端部を相
対回動可能に貫通するサブロッドピン76の両端部が他
方の二股部72に隙間ばめにて嵌合されるので、ピスト
ン38からサブロッド68までと、コントロールロッド
69とを分離してエンジンに組み込んだ後で、サブロッ
ド68およびコントロールロッド69を連結するように
して、組付け精度を高めつつ組付け作業を容易とするこ
とができ、この結果、エンジンの肥大化を回避すること
ができる。
【0051】しかもコンロッドピン75およびサブロッ
ドピン76が、クランクキャップ73をサブロッド68
に締結するためのボルト78の軸線延長上に配置される
ので、サブロッド68およびクランクキャップ73をコ
ンパクトに構成することができ、それによりサブロッド
68およびクランクキャップ73の重量を軽減して、動
力損失をも抑制することができる。
【0052】またエンジン本体21におけるクランクケ
ース22のケース本体25に一体に設けられる支持部8
3ならびに前記ケース本体25に取付けられる支持部材
84に、一対の回転軸81,82が一方向クラッチ8
5,86を介して支承され、両回転軸81,82の偏心
位置間に支軸61が設けられている。しかも支軸61に
は、エンジンの運転サイクルに応じてコントロールロッ
ド69を圧縮する方向の荷重ならびにコントロールロッ
ド69を引っ張る方向の荷重が交互に作用するので、回
転軸81,82には、該回転軸81,82を一方向に回
転せしめる荷重ならびに他方向に回転せしめる荷重が交
互に作用することになる。しかるに前記一方向クラッチ
85,86の働きにより、回転軸81,82は一方向だ
けに回転可能である。
【0053】しかも周方向1箇所に規制突部88を有す
る係止部材87がエンジン本体21におけるサイドカバ
ー26から突出した回転軸81の一端に固定され、回転
軸81と直交する軸線を有してエンジン本体21に固定
される軸部材92に、係止部材87の前記規制突部88
に係合可能として位相をたとえば167度ずらせた一対
の係合部93a,93bを有するロッカ部材93が揺動
可能に支承され、該ロッカ部材93は両係合部93a,
93bの一方を規制突部88に係合させる方向に戻しば
ね107によりばね付勢されている。
【0054】一方、気化器34内の吸気路46に通じる
負圧室102ならびに大気に開放した大気圧室103に
両面を臨ませるダイヤフラム99の周縁部がケーシング
98に挟持されて成るダイヤフラム式のアクチュエータ
97がエンジン本体21に支持されており、このアクチ
ュエータ97が、負圧室102の負圧増大に応じてロッ
カ部材93を前記ばね付勢方向とは逆方向に回動駆動す
るようにしてロッカ部材93に連結されている。
【0055】すなわちエンジンの負荷によってアクチュ
エータ97を作動せしめることで、回転軸81,82す
なわち支軸61をたとえば167度位相の異なる2箇所
に変位保持することができ、支軸61すなわちコントロ
ールロッド69の他端部を高圧縮比に対応する位置と低
圧縮比に対応する位置との間で変位駆動することが可能
となる。しかもダイヤフラム式のアクチュエータ97を
用いることにより、エンジンの肥大化および構成の複雑
化を回避しつつエンジンの動力損失が生じることを極力
抑えて、コントロールロッド69を変位駆動することが
可能となる。
【0056】図11および図12は本発明の第2実施例
を示すものであり、ロッカ部材93の両係合部93a,
93bには、係止部材87(図5,図6参照)の周方向
に並ぶ複数の段部112a…,112b…が、係止部材
87の回動に応じて各段部112a…,112b…を係
止部材87の規制突部88(図5,図6参照)に順次係
合させるようにして形成されている。
【0057】この第2実施例によれば、各段部112a
…,112b…に規制突部88を係合させることによっ
て、係止部材87の周方向位置を段階的に変化させるこ
とができ、圧縮比をより細分化して変化させることがで
きる。
【0058】図13〜図18は本発明の第3実施例を示
すものであり、図13はエンジンの要部正面図、図14
はエンジン軽負荷状態での図13の14−14線断面
図、図15は図14の15ー15線断面図、図16は図
15の16−16線断面図、図17はエンジン高負荷状
態での図15に対応した断面図、図18は図17の18
−18線断面図である。
【0059】先ず図13および図14において、コント
ロールロッド69の他端部に回動可能に連結される支軸
61の両端部は、クランクシャフト27に直交する平面
に沿う軸線を有して同軸に配置される一対の回転軸11
3,114の偏心軸部113a,114a間に設けられ
るものであり、両回転軸113,114は一方向クラッ
チ85,86を介してクランクケース22に回動可能に
支承される。
【0060】しかも一方の回転軸113の偏心軸部11
3aにおける周方向1箇所には、半径方向外方に突出す
る規制突部115が一体に設けられる。
【0061】前記両回転軸113,114の軸線と直交
する軸部材116がクランクケース22におけるケース
本体25を回動可能に貫通してクランクケース22内に
突入されており、該軸部材116の一端はクランクケー
ス22に設けられた支持部117で回動可能に支承され
る。
【0062】またクランクケース22から突出した軸部
材116の他端にはレバー118が固定されており、こ
のレバー118に、ダイヤフラム式のアクチュエータ9
7が連結される。
【0063】前記クランクケース22の側壁内面および
支持部117間で軸部材116には、該軸部材116を
囲繞するロッカ部材119が固定されており、このロッ
カ部材119には、前記規制突部115に係合可能とし
て位相をたとえば167度ずらせた一対の係合部119
a,119bが設けられる。またロッカ部材119およ
びクランクケース22間には、ロッカ部材119が備え
る両係合部119a,119bのうち119aを規制突
部115に係合させる方向にロッカ部材119を回動付
勢する戻しばね120が設けられる。
【0064】エンジンが軽負荷運転状態であってアクチ
ュエータ97における負圧室102の負圧が高い状態で
は、作動ロッド101が縮小作動している。この状態で
ロッカ部材119の回動位置は、図15および図16で
示すように、両係合部119a,119bのうち119
bを規制突部115に係合させる位置にある。
【0065】一方、エンジンが高負荷運転状態となって
負圧室102の負圧が低くなると、、ダイヤフラム99
は負圧室102の容積を増大させるように撓み、作動ロ
ッド101は伸張作動する。これによりロッカ部材11
9は、図17および図18で示すように、両係合部11
9a,119bのうち119aを規制突部115に係合
させる位置に回動することになる。
【0066】このようにロッカ部材119を回動するこ
とで、支軸61すなわちコントロールロッド69の他端
部が、クランクシャフト27の軸線に直交する平面内で
2つの位置間を変位することになり、それによりエンジ
ンの圧縮比およびストロークが変化することになる。
【0067】この第3実施例によっても、上記第1実施
例と同様の効果を奏することができる。
【0068】図19〜図24は本発明の第4実施例を示
すものであり、図19はエンジンの要部正面図、図20
は図19の20−20線断面図、図21はエンジン軽負
荷状態での図20の21−21線断面図、図22はエン
ジン軽負荷状態での図20の22−22線断面図、図2
3はエンジン高負荷状態での図21に対応した断面図、
図24はエンジン高負荷状態での図22に対応した断面
図である。
【0069】先ず図19および図20において、コント
ロールロッド69の他端部に回動可能に連結される支軸
61の両端部は、クランクシャフト27に直交する平面
に沿う軸線を有して同軸に配置される一対の回転軸11
3,114の偏心軸部113a,114a間に設けられ
るものであり、両回転軸113,114は一方向クラッ
チ85,86を介してクランクケース22に回動可能に
支承される。
【0070】しかも回転軸113はクランクケース22
に設けられた支持部121を貫通しており、この回転軸
113の一端には、周方向1箇所で半径方向外方に突出
する規制突部88を有する円盤状の係止部材87が固定
される。
【0071】また前記両回転軸113,114の軸線と
直交する軸部材116がクランクケース22におけるサ
イドカバー26を回動可能に貫通してクランクケース2
2内に突入されており、該軸部材116の一端はクラン
クケース22に設けられた支持部117′で回動可能に
支承される。
【0072】またクランクケース22から突出した軸部
材116の他端にはレバー118が固定されており、こ
のレバー118に、ダイヤフラム式のアクチュエータ9
7が連結される。
【0073】前記クランクケース22の側壁内面および
支持部117間で軸部材116には、ロッカ部材121
が固定されており、このロッカ部材121には、前記規
制突部88に係合可能として位相をたとえば167度ず
らせた一対の係合部121a,121bが設けられる。
またロッカ部材121およびクランクケース22間に
は、ロッカ部材121が備える両係合部121a,12
1bのうち121aを規制突部88に係合させる方向に
ロッカ部材121を回動付勢する戻しばね122が設け
られる。
【0074】エンジンが軽負荷運転状態であってアクチ
ュエータ97における負圧室102の負圧が高い状態で
は、作動ロッド101が縮小作動している。この状態で
ロッカ部材121の回動位置は、図21および図22で
示すように、両係合部121a,121bのうち121
bを規制突部88に係合させる位置にある。
【0075】一方、エンジンが高負荷運転状態となって
負圧室102の負圧が低くなると、、ダイヤフラム99
は負圧室102の容積を増大させるように撓み、作動ロ
ッド101は伸張作動する。これによりロッカ部材12
1は、図23および図24で示すように、両係合部12
1a,121bのうち121aを規制突部88に係合さ
せる位置に回動することになる。
【0076】このようにロッカ部材121を回動するこ
とで、支軸61すなわちコントロールロッド69の他端
部が、クランクシャフト27の軸線に直交する平面内で
2つの位置間を変位することになり、それによりエンジ
ンの圧縮比およびストロークが変化することになる。
【0077】この第4実施例によっても、上記第1実施
例と同様の効果を奏することができる。
【0078】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行うことが可能である。
【0079】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、サブロッドのクランクピンへの取付け剛性を高める
ことができ、ピストンからサブロッドまでと、コントロ
ールロッドとを分離してエンジンに組み込んだ後で、サ
ブロッドおよびコントロールロッドを連結するようにし
て、組付け精度を高めつつ組付け作業を容易とすること
ができ、エンジンの肥大化を回避することができる。
【0080】また請求項2記載の発明によれば、サブロ
ッドおよびクランクキャップをコンパクトに構成するこ
とができ、それによりサブロッドおよびクランクキャッ
プの重量を軽減して、動力損失をも抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のエンジンの正面図である。
【図2】エンジンの縦断面図であって図3の2−2線断
面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】軽負荷状態での図1の5−5線拡大断面図であ
る。
【図6】高負荷状態での図5に対応した断面図である。
【図7】リンク機構の配置を簡単に示す図である。
【図8】リンク機構の作動状態を順次示す図である。
【図9】支軸の位相、排気量および圧縮比の関係を示す
図である。
【図10】図示平均有効圧力および図示燃料消費率の関
係を示す図である。
【図11】第2実施例の係止部材の正面図である。
【図12】図11の12矢視図である。
【図13】第3実施例のエンジンの要部正面図である。
【図14】エンジン軽負荷状態での図13の14−14
線断面図である。
【図15】図14の15ー15線断面図である。
【図16】図15の16−16線断面図である。
【図17】エンジン高負荷状態での図15に対応した断
面図である。
【図18】図17の18−18線断面図である。
【図19】第4実施例のエンジンの要部正面図である。
【図20】図19の20−20線断面図である。
【図21】エンジン軽負荷状態での図20の21−21
線断面図である。
【図22】エンジン軽負荷状態での図20の22−22
線断面図である。
【図23】エンジン高負荷状態での図21に対応した断
面図である。
【図24】エンジン高負荷状態での図22に対応した断
面図である。
【符号の説明】
27・・・クランクシャフト 38・・・ピストン 63・・・ピストンピン 64・・・コンロッド 65・・・クランクピン 68・・・サブロッド 69・・・コントロールロッド 70・・・第1軸受部 71,72・・・二股部 73・・・クランクキャップ 74・・・第2軸受部 75・・・コンロッドピン 76・・・サブロッドピン 78・・・ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G092 AA12 DD06 DG03 FA36 FA49 FA50 3J033 AA04 AC02 EA03 EB01 FA02 FA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部がピストンピン(63)を介して
    ピストン(38)に連結されるコンロッド(64)の他
    端部が、クランクシャフト(27)のクランクピン(6
    5)半周に摺接する半円状の第1軸受部(70)を中間
    部に有するサブロッド(68)の一端部に回動可能に連
    結され、該サブロッド(68)の他端部にコントロール
    ロッド(69)の一端部が回動可能に連結され、前記ク
    ランクピン(65)の残余の半周に摺接する半円状の第
    2軸受部(74)を有するクランクキャップ(73)
    が、前記サブロッド(68)に締結される圧縮比可変エ
    ンジンにおいて、前記コンロッド(64)の他端部およ
    びコントロールロッド(69)の一端部をそれぞれ相互
    間に挟むようにして前記サブロッド(68)に一体に設
    けられる一対の二股部(71,72)に前記クランクキ
    ャップ(73)が締結され、前記コンロッド(64)の
    他端部に圧入されるコンロッドピン(75)の両端部が
    一方の二股部(71)に回動可能に嵌合され、前記コン
    トロールロッド(69)の一端部を相対回動可能に貫通
    するサブロッドピン(76)の両端部が他方の二股部
    (72)に隙間ばめにて嵌合されることを特徴とする圧
    縮比可変エンジン。
  2. 【請求項2】 前記コンロッドピン(75)および前記
    サブロッドピン(76)が、前記クランクキャップ(7
    3)を前記サブロッド(68)に締結するためのボルト
    (78)の軸線延長上に配置されることを特徴とする請
    求項1記載の圧縮比可変エンジン。
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