JP4204915B2 - 可変圧縮比エンジン - Google Patents

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    • F02B75/048Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads by means of a variable crank stroke length

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、可変圧縮比エンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車等の車両の中には運転条件に応じた適正圧縮比をコンロッドの中間部分を屈曲自在とすることで実現する可変圧縮比エンジンが知られている。そして、前記コンロッドの屈曲部をエンジンの運転中に可動させるには、その屈曲部に作用するエンジンの慣性力や混合気の爆発力を上回る出力を持つモータ等の駆動力が必要であるが、制御精度を向上させるためには大きな外部エネルギーが必要となったり、複雑な機構が必要となる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
これに対して特許文献2に記載されているように、稼働中のピストンに作用するエンジンの慣性力や混合気の爆発力を上記コンロッドの屈曲部に交互に作用する向きの異なる力として作用させ、この力によりコンロッドの屈曲部にコントロールロッドを介して接続された制御機構を作動させるものがある。該制御機構は可動ベーンで仕切られた2つの円弧状の空間部分に作動油が充填されたもので、上記向きの異なる力に対して逆止弁を介して一方の空間部分から他方の空間部分に選択的に作動油を流すことで、コンロッドの屈曲姿勢を変更、保持できるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−214770号公報
【特許文献2】
特開2001−289079号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に記載した技術においては、ピストンに作用するエンジンの慣性力や混合気の爆発力を有効利用しているため、別途動力を必要としない点で有利であるが、制御機構が可動ベーンで仕切られた2つの円弧状の空間部分を形成する構造であったため、構造が複雑となると共にシール性能を確保するのが困難であるという問題がある。
そこで、この発明は、構造が簡単でシール性能を確保し易く信頼性の高い可変圧縮比エンジンを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、ピストン(例えば、実施形態におけるピストン6)のシリンダ(例えば、実施形態におけるシリンダ5)内での上下動をクランクシャフト(例えば、実施形態におけるクランクシャフト14)の回転運動に変換するコンロッド(例えば、実施形態におけるコンロッド13)を少なくとも2分割し、該コンロッドの分割部または分割部の近傍あるいは分割された何れかのコンロッド(例えば、実施形態におけるアッパーロッド部材16、ロアロッド部材17)にコントロールロッド(例えば、実施形態におけるコントロールロッド21)を接続して、該コントロールロッドの支軸位置を変位させる可変圧縮比エンジンにおいて、前記コントロールロッドにピストン形で両ロッド形の復動形油圧シリンダ(例えば、実施形態における油圧シリンダ27)のシリンダロッド(例えば、実施形態における右シリンダロッド28)をレバーアームを介して連係し、前記レバーアームは、その略中央部がクランクケース(例えば、実施形態におけるクランクケース2)に回動自在に支持されると共に、一端には前記コントロールロッドの基部が、他端には前記シリンダロッドの端部がそれぞれ連結され、前記シリンダロッドは、前記クランクケース内に収容されると共に、前記シリンダロッド(例えば、実施形態における右シリンダロッド28、左シリンダロッド29)の復動方向が前記ピストンの上下往復動する向きと略垂直になるように前記クランクケースに支持され、かつ該シリンダロッドの復動により前記レバーアームを介して移動するコントロールロッドの移動方向が、前記ピストンの上下往復動する向きと略垂直になるように設けられ、これらコントロールロッドとシリンダロッドとが、前記レバーアームを介して互いに逆向きに移動すると共に、それぞれの移動方向で互いにラップするように設けられ、前記コントロールロッドの支軸位置が変位するのに応じて前記油圧シリンダのピストン部(例えば、実施形態におけるピストン部35)を移動自在に構成し、前記ピストン部で区画された2つの油圧室(例えば、実施形態における右油圧室43、左油圧室44)内を流路(例えば、実施形態における流路45)で接続し、この流路を介して、一方の油圧室から他方の油圧室、他方の油圧室から一方の油圧室への作動油の供給を選択的に許容可能で、かつ停止可能に構成し、前記流路の一部に下流で合流する2つの分岐流路(例えば、実施形態における分岐流路46,47)を設け、各分岐流路に向きの異なる逆止弁(例えば、実施形態における逆止弁48,49)を設け、各分岐流路を切換弁(例えば、実施形態における切換弁50)で選択可能とし、前記ピストン部と共に前記油圧シリンダ内を摺動するシール材(例えば、実施形態におけるシール材36)を設けたことを特徴とする。
このように構成することで、コンロッドの屈曲許容時においては、油圧シリンダのピストン部に取り付けられた両シリンダロッドのうちの一方にコントロールロッドの支持位置から力が作用すると一方の油圧室から他方の油圧室、あるいは他方の油圧室から一方の油圧室へと流路を通じて作動油が流がれて直線的にピストン部、つまりシリンダロッドがスライドしコンロッドの屈曲姿勢を変化させることができ、コンロッドの姿勢保持時においては、前記流路を閉鎖して各油圧室間で作動油の流過を阻止し、ピストン部、つまりシリンダロッドのスライドを阻止してコンロッドの屈曲姿勢を保持することができる。
ここで、ピストン形で往復形の油圧シリンダを用いているため、構造がシンプルで圧縮比固定精度が高く、ピストン部と共に前記油圧シリンダ内を摺動するシール材を設けたためシール性能を確保し易い。
また、切換弁により一方の分岐流路を選択した場合には、一方の逆止弁により油圧シリンダの一方の油圧室から他方の油圧室への作動油の移動が許容され、切換弁により他方の分岐流路を選択した場合には、他方の逆止弁により油圧シリンダの他方の油圧室から一方の油圧室への作動油の移動が許容される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1に示すエンジン1は、例えば、自動二輪車等の車両に用いられ圧縮比を変化させることができる可変圧縮比エンジンである。
クランクケース2上にはシリンダブロック3が取り付けられ、シリンダブロック3の上部にシリンダヘッド4が装着されている。シリンダブロック3に形成されたシリンダ5内にピストン6が上下方向に往復動自在に保持され、シリンダヘッド4にはシリンダ5への吸排気を行う吸気通路7及び排気通路8が形成され、各通路開口には吸気通路7を開閉する吸気バルブ9及び排気通路8を開閉する排気バルブ10が設けられている。
【0009】
ピストン6の上方には上死点位置のピストン6とシリンダブロック3の凹部11との間に燃焼室12が形成され、燃焼室12内における燃料と空気との混合気の爆発力によりピストン6を押し下げる。混合気への点火は、シリンダヘッド4を貫通し燃焼室12内に突出して設けられた図示しない点火プラグにより行われる。ピストン6のシリンダ5内での上下往復動は、コンロッド13を介してクランクシャフト14の回転運動に変換され、図示しないトランスミッションへと伝達されると共に、上記吸気バルブ9、排気バルブ10の動弁機構15に伝達される。
【0010】
コンロッド13は、上部のアッパーロッド部材(コンロッド)16と下部のロアロッド部材(コンロッド)17とに2分割されたもので、アッパーロッド部材16の下端とロアロッド部材17の上端とが上記クランクシャフト14の軸方向と平行に設けられた連結ピン18を介して回動自在に接続され、コンロッド13が中間部を屈曲部Kとしてくの字状に屈曲自在となっている。アッパーロッド部材16の上端のスモールエンドSEはピストンピン19に回動自在に取り付けられ、ロアロッド部材17の下端のビッグエンドBEはクランクシャフト14のクランクピン20に回動自在に取り付られている。尚、22はクランクシャフト14の回転中心を示している。
【0011】
コンロッド13の屈曲部Kの連結ピン18には、該コンロッド13の屈曲度合いを調整すべくコントロールロッド21が接続されている。コントロールロッド21は略水平方向に伸びる棒状部材であり、このコントロールロッド21の支軸位置である連結ピン18の位置を変位させることで、可変圧縮比エンジンとしている。コントロールロッド21の基部は後述するレバーアーム25の一端にクランクシャフト14と平行に設けられたピン23により軸支され、コントロールロッド21の先端はアッパーロッド部材16の下端とロアロッド部材17の上端とを連結する前記連結ピン18を介して、これらアッパーロッド部材16の下端とロアロッド部材17の上端とに回動自在に軸支されている。したがって、コントロールロッド21がコンロッド13の屈曲部Kの軌跡を規定することとなる。
【0012】
コントロールロッド21の揺動中心を規定する前記ピン23は、クランクケース2に支持されたレバーアーム25の一端に設けられている。このレバーアーム25はくの字状に屈曲形成された部材で、その略中央部がクランクシャフト14と平行に設けられた支軸26を介してクランクケース2に回動自在に支持されたもので、一端には前記コントロールロッド21の基部が軸支される前記ピン23を備え、他端には後述する油圧シリンダ27の右シリンダロッド(シリンダロッド)28の端部に連結されている。ここで、このレバーアーム25は、後述する油圧シリンダ27のピストン部35が中立位置に位置している場合に、支軸26よりも下側の部分がほぼ下方に向くようにクランクケース2に支持されている。これにより、レバーアーム25の支軸26よりも下側の部分が左右に揺動した場合の左右の揺動角がほぼ同じになるようにしている。
【0013】
前記油圧シリンダ27はブラケット30を介してクランクケース2にボルト31により固定されている。この油圧シリンダ27は、ピストン形で両ロッド形の復動形油圧シリンダであって、筒状のケーシング32の両端にエンドキャプ33,33が各々ボルト34によって固定されている。ケーシング32内にはピストン部35がケーシング32内面をスライドして移動自在に設けられ、このピストン部35の両側には各エンドキャプ33から突出する右シリンダロッド28と左シリンダロッド29とが取り付けられている。尚、ピストン部35と左シリンダロッド29とは一体成形されている。
【0014】
したがって、ピストン部35の外周にはケーシング32内周面との間をシールするシール材36が取り付けられ、前記エンドキャップ33,33の各シリンダロッド28,29の挿通孔37,37の内周には右シリンダロッド28と左シリンダロッド29との間をシールするシール材38,38が取り付けられている。尚、各エンドキャップ33はケーシング32内に突出するボス部39を有し、このボス部39の外周面にはケーシング32内周面に密接するシール材40が取り付けられている。
【0015】
右シリンダロッド28の先端には上下に長い長孔41が形成され、この長孔41に前記レバーアーム25の他端に設けたピン42が挿通され、レバーアーム25と右シリンダロッド28の先端とが、互いに回動自在で前記長孔形成範囲内で上下動自在に支持されている。よって、この長孔41を設けたことによりレバーアーム25の下端が支軸26を中心にして回動した際に、ピン42が油圧シリンダ27の右シリンダロッド28の軸心位置よりも下側に変位した分を許容することができる。
【0016】
したがって、図2に示すように油圧シリンダ27のピストン部35がケーシング32の左端に位置する場合には右シリンダロッド28を介してレバーアーム25が支軸26を中心に最も右側まで回動するため、これに応じて最も右側に移動するコントロールロッド21により、アッパーロッド部材16とロアロッド部材17とのなす角度が小さくなり(屈曲部Kがより直線的になる)、これらアッパーロッド部材16とロアロッド部材17とで構成されるコンロッド13のピストンピン19からクランクピン20までの距離が最も長くなる。その結果、エンジン1の圧縮比が最も大きくなる。ここで、圧縮比とは、行程容積に燃焼室容積を加えたものを燃焼室容積で割った値である。
一方、図3に示すように油圧シリンダ27のピストン部35がケーシング32の右端に位置する場合には右シリンダロッド28を介してレバーアーム25が支軸26を中心に最も左側まで回動するため、これに応じて最も左側に移動するコントロールロッド21により、アッパーロッド部材16とロアロッド部材17とのなす角度が大きくなり(屈曲部Kがより大きく曲がる)、これらアッパーロッド部材16とロアロッド部材17とで構成されるコンロッド13のピストンピン19からクランクピン20までの距離が最も短くなる。その結果、エンジン1の圧縮比が最も小さくなる。
【0017】
ここで、図4に示すように前記ピストン部35により区画される油圧シリンダ27のケーシング32内には右シリンダロッド28側に右油圧室43が左シリンダロッド29側に左油圧室44が各々形成され、右油圧室43と左油圧室44とが流路45を介して接続されている。
流路45の一部には下流で合流する2つの分岐流路46,47が設けられ、各分岐流路46,47に向きの異なる逆止弁48,49が各々設けられている。逆止弁48は右油圧室43側から左油圧室44側への作動油の移動を許容し、逆止弁49は左油圧室44側から右油圧室43側への作動油の移動を許容している。また、各分岐流路46,47はECU51を介して作動する切換弁50を切り替えることで何れか一方が選択され他方が閉塞される場合(図5,図6)と、分岐流路46,47の双方が閉塞される場合(図4)がある。尚、図5,図6ではECU51は図示を省略してある。
【0018】
具体的には、図5に示すように切換弁50により分岐流路46が閉塞され分岐流路47が選択された場合には(高圧縮比位置)、分岐流路47を経て左油圧室44から右油圧室43への作動油の流路45内での移動が許容され、図6に示すように切換弁50により分岐流路47が閉塞され分岐流路46が選択された場合には(低圧縮比位置)、分岐流路46を経て右油圧室43から左油圧室44への作動油の流路45内での移動が許容される。また、図4に示すように切換弁50により分岐流路46,47の双方が閉塞された場合には(保持位置)、左油圧室44と右油圧室43との間で作動油の移動が停止され、油圧シリンダ27がロックされる。尚、図4ではピストン部35をケーシング32の中央部で保持した場合について説明したが、ピストン部35は任意の位置で保持できることは言うまでもない。
【0019】
ここで、前記切換弁50の切換はECU51からの信号に基づいて行われ、そのためECU51にはクランク角、エンジン回転数(Ne)、吸気管負圧(Pb)、スロットル開度等のセンサ信号が入力される。
【0020】
上記実施形態によれば、ECU51に入力されるクランク角、エンジン回転数、吸気管負圧及びスロットル開度等のセンサ信号からエンジン1を高圧縮比側に切り替える必要がある場合には、ECU51の出力信号により切換弁50を図5に示す高圧縮比位置に切り替えて分岐流路47を選択する。すると、ピストン6の上下動に伴いレバーアーム25にはコンロッド13の屈曲部Kからコントロールロッド21を介して荷重が作用するが、レバーアーム25を左回りに回動させる荷重が作用しても、右油圧室43から左油圧室44への作動油の移動は逆止弁49により阻止されているため、レバーアーム25は左回りには回動しない。
【0021】
一方、レバーアーム25を右回りに回動させる荷重が作用すると、左油圧室44から右油圧室43への作動油の移動は逆止弁49により許容されているため、油圧シリンダ27のピストン部35は作動油を左油圧室44から押し出し右油圧室43に送りながら左側へ移動し、レバーアーム25の右回りの回動を許容して、コンロッド13は図5に示すように高圧縮比側に姿勢変化する。その後、切換弁50を保持位置に切り替えれば、コンロッド13は高圧縮比姿勢を維持する。
【0022】
また、エンジンを低圧縮比側に切り替える必要がある場合には、ECU51の出力信号により切換弁50を図6に示す低圧縮比位置に切り替えて分岐流路46を選択する。すると、ピストン6の上下動に伴いレバーアーム25にはコンロッド13の屈曲部Kからコントロールロッド21を介して荷重が作用するが、レバーアーム25を右回りに回動させる荷重が作用しても、左油圧室44から右油圧室43への作動油の移動は逆止弁48により阻止されているため、レバーアーム25は右回りには回動しない。
【0023】
一方、レバーアーム25を左回りに回動させる荷重が作用すると、右油圧室43から左油圧室44への作動油の移動は逆止弁48により許容されているため、油圧シリンダ27のピストン部35は作動油を右油圧室43から押し出し左油圧室44に送りながら右側へ移動し、レバーアーム25の左回りの回動を許容して、コンロッド13は図6に示すように低圧縮比側に姿勢変化する。その後、切換弁50を保持位置に切り替えれば、コンロッド13は低圧縮比姿勢を維持する。
したがって、所望の圧縮比が得られた時点で切換弁50を保持位置に切り替えれば、ピストン部35をその位置で保持させることができるため、最適な圧縮比でエンジン1を運転することができる。
【0024】
その結果、レバーアーム25に作用するエンジン1の駆動力を有効利用し、切換弁50により選択された分岐流路46,47を逆止弁48又は逆止弁49により方向を規制された作動油が移動することにより、油圧シリンダ27を所定の方向に移動させることができるため、特別に動力を付与することなくコンロッド13を高圧縮比側と低圧縮比側との間で保持することができる。
ここで、前記油圧シリンダ27はピストン形で往復形を用いているため、構造がシンプルで圧縮比固定精度が高く、シール材36,38におけるシール性能を確保し易いため、経時的使用によっても耐久性が高く信頼性を高められる。
つまり、シール材36はピストン部35の単純な往復摺動時のシール性能を確保すればよく、シール材38は右シリンダロッド28と左シリンダロッド29の単純な往復摺動時のシール性能を確保するだけでよいためシール性能を確保する上で有利なのである。
【0025】
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、自動二輪車のエンジンに限られず、広く車両一般のエンジンに適用できる。また、コントロールロッド21をアッパーロッド部材16とロアロッド部材17との接続部である連結ピン18に接続した場合を例にして説明したが、コントロールロッド21を連結ピン18の近傍に位置するアッパーロッド部材16やロアロッド部材17に連結しても良い。
【0026】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、コンロッドの屈曲許容時においては、油圧シリンダのピストンに取り付けられた両シリンダロッドのうちの一方にコントロールロッドの支持位置から力が作用すると一方の油圧室から他方の油圧室、あるいは他方の油圧室から一方の油圧室へと流路を通じて作動油が流がれて直線的にピストン、つまりシリンダロッドがスライドしコンロッドの屈曲姿勢を変化させることができ、コンロッドの姿勢保持時においては、前記流路を閉鎖して各油圧室間で作動油の流過を阻止し、ピストン、つまりシリンダロッドのスライドを阻止してコンロッドの屈曲姿勢を保持することができるため、エンジンの慣性力や混合気の爆発力を有効利用してエンジンを最適な圧縮比で運転することができる効果がある。
とりわけ、ピストン形で往復形の油圧シリンダを用いているため、構造がシンプルで圧縮比固定精度が高く、シール性能を確保し易いため、経時的使用によっても耐久性が高く信頼性を高められる効果がある。その上、ピストン部と共に前記油圧シリンダ内を摺動するシール材を設けたため、シール材はピストン部の単純な往復摺動時のシール性能を確保するだけでよくなり、シール性能を確保する上で有利となる。
【0027】
また、切換弁により一方の分岐流路を選択した場合には、一方の逆止弁により油圧シリンダの一方の油圧室から他方の油圧室への作動油の移動が許容され、切換弁により他方の分岐流路を選択した場合には、他方の逆止弁により油圧シリンダの他方の油圧室から一方の油圧室への作動油の移動が許容されるため、ピストン形で往復形の油圧シリンダを用いることとも相俟って簡単な構成であってもシール性能を確保し易く、圧縮比の固定精度が高いため高い信頼性を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態のエンジンの断面図である。
【図2】 この発明の実施形態の高圧縮比位置を示す図である。
【図3】 この発明の実施形態の低圧縮比位置を示す図である。
【図4】 この発明の実施形態のシステム図である。
【図5】 この発明の実施形態の高圧縮比位置におけるシステム図である。
【図6】 この発明の実施形態の低圧縮比位置におけるシステム図である。
【符号の説明】
5 シリンダ
6 ピストン
13 コンロッド
14 クランクシャフト
16 アッパーロッド部材(コンロッド)
17 ロアロッド部材(コンロッド)
21 コントロールロッド
27 油圧シリンダ
28 右シリンダロッド(シリンダロッド)
35 ピストン部
43 右油圧室(油圧室)
44 左油圧室(油圧室)
45 流路
46,47 分岐流路
48,49 逆止弁
50 切換弁

Claims (1)

  1. ピストンのシリンダ内での上下動をクランクシャフトの回転運動に変換するコンロッドを少なくとも2分割し、該コンロッドの分割部または分割部の近傍あるいは分割された何れかのコンロッドにコントロールロッドを接続して、該コントロールロッドの支軸位置を変位させる可変圧縮比エンジンにおいて、
    前記コントロールロッドにピストン形で両ロッド形の復動形油圧シリンダのシリンダロッドをレバーアームを介して連係し、前記レバーアームは、その略中央部がクランクケースに回動自在に支持されると共に、一端には前記コントロールロッドの基部が、他端には前記シリンダロッドの端部がそれぞれ連結され、
    前記シリンダロッドは、前記クランクケース内に収容されると共に、前記シリンダロッドの復動方向が前記ピストンの上下往復動する向きと略垂直になるように前記クランクケースに支持され、かつ該シリンダロッドの復動により前記レバーアームを介して移動するコントロールロッドの移動方向が、前記ピストンの上下往復動する向きと略垂直になるように設けられ、
    これらコントロールロッドとシリンダロッドとが、前記レバーアームを介して互いに逆向きに移動すると共に、それぞれの移動方向で互いにラップするように設けられ、
    前記コントロールロッドの支軸位置が変位するのに応じて前記油圧シリンダのピストン部を移動自在に構成し、前記ピストン部で区画された2つの油圧室内を流路で接続し、この流路を介して、一方の油圧室から他方の油圧室、他方の油圧室から一方の油圧室への作動油の供給を選択的に許容可能で、かつ停止可能に構成し、前記流路の一部に下流で合流する2つの分岐流路を設け、各分岐流路に向きの異なる逆止弁を設け、各分岐流路を切換弁で選択可能とし、前記ピストン部と共に前記油圧シリンダ内を摺動するシール材を設けたことを特徴とする可変圧縮比エンジン。
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