JP2005029995A - 目地閉塞部材及び目地構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】目地を長期間に渡って良好に遮蔽することができる目地閉塞部材及び目地構造を提供する点にある。
【解決手段】隣り合う外壁材1,1間に渡る左右幅を有する縦長状の板材2と、この板材2よりも幅広で縦長状に構成され、かつ、板材2にそれの長手方向に沿って3mm以下の左右幅にて縦長状に接着された又は長手方向に所定間隔を置いて複数箇所で点接着されたメッシュ状の弾性シート3とからなる目地閉塞部材を、弾性パテ材を用いて外壁1,1間に取り付けて、無目地構造にした。
【選択図】 図2
【解決手段】隣り合う外壁材1,1間に渡る左右幅を有する縦長状の板材2と、この板材2よりも幅広で縦長状に構成され、かつ、板材2にそれの長手方向に沿って3mm以下の左右幅にて縦長状に接着された又は長手方向に所定間隔を置いて複数箇所で点接着されたメッシュ状の弾性シート3とからなる目地閉塞部材を、弾性パテ材を用いて外壁1,1間に取り付けて、無目地構造にした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、隣り合う外壁材間に発生する継ぎ目や隙間などの目地を塞ぐための目地閉塞部材及び目地構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のように目地閉塞部材にて目地を塞ぐことにより、外観上付加価値の高いものに仕上げることができるだけでなく、防水機能を高めることができるようにしている。そして、目地閉塞部材として、例えば網状で長さ方向にも幅方向にも伸縮しない材料でテープ本体を形成し、テープ本体の下面のうちの幅方向ほぼ中央にそれの全面に塗布された粘着剤を介して目地の幅よりも広い掩蔽フィルムを貼り付けて掩蔽テープを構成し、この掩蔽テープを隣り合う外壁材の表面に貼り付け、その上からパテを塗布することにより目地を塞ぐことができるようにしている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−205096号公報(図4参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1によれば、テープ本体が長さ方向にも幅方向にも伸縮しない材料からなっているため、外壁材の収縮や拡張あるいは地震などにより目地が広がったり狭くなったりしたときに、これに追従してパテがある程度伸縮することができるものの、テープ本体が全く収縮しない。このため、早期にパテに亀裂が発生して防水機能が低下することがあった。
また、掩蔽テープが容易に変形可能なものであるため、外壁材の収縮や拡張あるいは地震などにより、掩蔽テープが変形してしまい、目地に凹みが発生してしまい、外観上見苦しいものになることがあり、改善の余地があった。
【0005】
本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、目地を長期間に渡って良好に遮蔽することができる目地閉塞部材及び目地構造を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題解決のために、隣り合う外壁材間に渡る左右幅を有する縦長状の板材と、この板材よりも幅広で縦長状に構成され、かつ、該板材にそれの長手方向に沿って3mm以下の左右幅にて縦長状に接着された又は長手方向に所定間隔を置いて複数箇所で点接着されたメッシュ状の弾性シートとからなり、前記板材を外壁材の表面に当て付けた状態で前記弾性シート上に塗布される弾性パテ材にて該外壁材の表面に固定するために該弾性シートを該弾性パテ材に接着可能な材料から構成し、前記板材を前記弾性シートを通過して接触する前記弾性パテ材と非接着性を有する材料から構成する又は前記板材の表面を前記弾性シートを通過して接触する前記弾性パテ材と非接着性を有するように離形処理したことを特徴としている。
上記構成の目地閉塞部材をそれの板材が外壁材の表面に当て付けられた状態で配置してから、弾性パテ材を弾性シート上に塗布することにより、弾性パテ材が弾性シートに形成の多数の孔を通して外壁の表面へ移動し、弾性シートを弾性パテ材にて固定することができる。このとき、板材が非接着性を有する材料から構成する又は板材の表面が非接着性を有するように離形処理されていることから、板材が外壁や弾性シートに弾性パテ材にて固定されることがなく、弾性シートや弾性パテ材の弾性変形力を受けて板材が大きく移動することがない。又、弾性シートが板材にそれの長手方向に沿って3mm以下の左右幅にて縦長状に接着された又は長手方向に所定間隔を置いて複数箇所で点接着されているから、外壁の伸縮により目地間隔が変動した場合には、弾性シートの変形が板材によって阻止されることがなく、目地間隔の変動に応じて弾性シートが変形することができる。しかも、目地間隔の変動に伴って弾性パテ材と弾性シートとが一体的に弾性変形することができる。尚、前記板材と弾性シートとの接着力は、外壁材への板材と弾性シートの固定作業を行う際の取扱中において両者が容易に剥がれることがなく、しかも固定作業終了後において外壁材の伸縮により両者が剥がれる程度に設定しておくことが好ましい。
【0007】
前記弾性シートを、上下方向に長いほぼ楕円形状の長孔を多数備えたものから構成することによって、左右方向に伸びやすい弾性シートを構成することができるから、目地間隔の変動、つまり左右方向の変動を良好に吸収することができる。
【0008】
前記板材を、透明なプラスチック材で構成することによって、金属で構成した場合に、板材の表面を非接着性を有するように離形処理することを不要にすることができるだけでなく、軽量化を図ることができる。更に、板材を通して外壁の端部位置を確認しながら目地閉塞部材を配置することができる。
【0009】
請求項1〜3のいずれかに記載の目地閉塞部材を、隣り合う外壁材間に跨って該外壁材の表面に該目地閉塞部材の板材が接当する状態で配置し、この状態で前記目地閉塞部材の弾性シートの上から前記弾性パテ材を塗布することにより該目地閉塞部材を外壁材間に固定して、目地構造を構成することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1に、目地を覆うための目地閉塞部材が示されている。尚、図では紙面の大きさの関係で非常に短いものを示しているが、実際には長いものであり、目地の下端から上端まで一枚の目地閉塞部材で覆うことができるように長さを設定することもできるし、複数枚の目地閉塞部材で覆うことができるように長さを設定することもできる。
前記目地閉塞部材は、図1及び図2に示すように、隣り合う外壁材(サイディング材)1,1間に渡る左右幅、つまり外壁材1,1間の距離よりも少し大きな左右幅(外壁材間の距離によって異なるが、1cm〜3cm位の間に設定される)を有すると共に厚みが0.3mm〜0.5mmの範囲の任意の厚みに設定された縦長状の板材2と、この板材2よりも幅広(板材2の約2.5〜3.5倍の大きさ)で縦長状に構成され、かつ、板材2にそれの長手方向に沿って3mm以下の左右幅(幅が狭ければ狭いほど板材に対して動きやすくなり好ましいが、あまり狭くすると板材から外れやすくなるため、0.5mm以上に設定することが好ましい)にて縦長状に接着されたメッシュ状の弾性シート3とから構成している。又、図4に示すように、前記弾性シート3を板材2にそれの長手方向に沿って所定間隔を置いて複数箇所で点接着することによって、板材2に対して弾性シート3が長手方向と直交する方向、つまり左右方向に更に動き易くなる利点がある。尚、図に示す部分4が、点接着部分を示しており、個々の点接着部分の面積としては、例えば半径が2mm〜5mmのほぼ円形のものから構成する他、縦長状のほぼ長方形状のものなど、どのような形状の点接着部分であってもよい。又、隣り合う点接着部分4,4同士の間隔を、2cm〜5cmに設定することによって、作業中(板材と弾性シートの取扱中)に点接着部分が容易に剥がれにくくすることができる。
【0011】
前記板材2は、外力が加わらない限り、形状が変化することがないように、無色透明(場合によっては半透明でもよい)なポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂で構成してあり、図4に示すように、外壁材1,1の角部1A,1Aに対する板材2の位置を容易に把握することができ、外壁材1,1に対する位置合わせを容易迅速に行うことができるようにしているが、非透明なものであってもよい。又、合成樹脂で板材2を構成することによって、軽量化を図る上において有利になるが、ステンレスなどの金属などで構成することもできる。尚、板材2を金属で構成する場合には、表面を後述の弾性パテ材7と非接着性を有するように離形剤を表面に塗布するなどして離形処理を行う必要がある。
【0012】
前記弾性シート3を構成する材料としては、弾性パテ材と一体化し易いナイロンやポリエステルなどの合成樹脂が好ましいが、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂を用いることもできる。そして、それらの材料の一種又は複数種の繊維を編み込む又は織り込むことにより、弾性シート3を構成したり、溶融樹脂を金型に流し込んで成形することにより弾性シート3を構成することができるが、他の方法により弾性シート3を構成することもできる。
又、図1に示すように、弾性シート3に、それの長手方向、つまり上下方向に長いほぼ楕円形の長孔3Aを上下方向及び左右方向に多数備えさせて、左右方向に弾性変形し易いようにしている。詳述すれば、上下方向に所定間隔(一定間隔)を置いて形成された多数の孔3Aに対して左右方向で隣り合う孔3Aが左右方向で重複する位置に位置しないように孔3Aを千鳥配置することによって、単位面積当たりの孔3Aの個数を多くすることができる利点があり、弾性変形を一層発揮させやすい利点があるが、他の配置であってもよい。
【0013】
前記弾性シート3と板材2との接着は、オレフィン系、アクリル系、ポリウレタン系、合成ゴム系などの合成樹脂系接着剤及び感圧形接着剤であるホットメルト形、無溶剤形、溶剤形、水性形にて接着したり、超音波加熱や高周波加熱による溶着にて接着してもよいし、又、表裏両面にそれぞれ粘着剤を備えた両面テープを用いて弾性シート3と板材2とを迅速に接着することもできる。これら両者の接着力は、外壁材1,1に固定した後は、外壁材1,1の伸縮により接着が剥がれる程度の弱いものに設定しておけば、弾性シートと弾性パテ材の弾性変形を更に発揮しやすい状態になり、好ましい。
【0014】
次に、前記構成の目地閉塞部材にて目地を閉塞して無目地構造にするための無目地工法について説明する。尚、図2及び図3(a)において外壁材1,1間にバックアップ材5及びシーリング材6を備えた目地構造が初期の状態を示している。
まず、シーリング材6の上及び外壁材1,1の表面に弾性パテ材7(シーリング材6と同一のものでもよい)を塗布することによって、目地部に隙間を無くすことで温度変化による水滴の発生などの防止を図ると共に弾性シート3を外壁材1,1に固定するための接着剤として利用することができるようにしている(図3(b)参照)が、目地部には弾性パテ材7を塗布しないで実施することもできる。そして、前記弾性パテ材7の粘着力がなくなる前に、目地閉塞部材をそれの板材2が外壁材1,1の表面に当て付けられた状態で配置して仮止めする(図2(c)参照)。続いて、弾性シート3の上から弾性パテ材(前記弾性パテ材7と同一のもの)8を再度塗布すると共にヘラを用いて塗布した表面に段差が発生しないように表面をならしていく(図2(d)参照)。前記弾性パテ材8が硬化した(約1日〜2日かかる)ことを確認した後、図2に示すように、弾性塗料9を吹き付けて(塗布して)、無目地処理を完了する。場合によっては、弾性塗料を吹き付ける前に塗料専用シーラーを塗布することもある。又、前記シーリング材6が施工されていない目地においては、通常のシーリング施工作業を行い、約2日〜3日後に前記無目地工法を行うことになる。但し、目地形状が小さい(狭い)場合には、シーリング施工作業を行わず、弾性パテ材7を目地充填も兼ねて行ってもよい。
【0015】
前記弾性パテ材7,8としては、伸び率が150%〜500%の範囲のものが好ましく、変性シリコーン系、ポリサルファイド系、アクリルウレタン系、アクリルエマルジョン系などが適用範囲として挙げられる。
【0016】
上記のように無目地構造に処理された外壁材1,1が伸び縮みすることにより、弾性パテ材7,8及び弾性シート3が追従して一体的に伸び縮みすることができ、弾性パテ材7,8に亀裂が発生することを回避することができながらも、板材2は、外壁材1,1に対して接着(固定)されていないことから、凹んだり外側に膨れるように湾曲することがなく、目地部に凹凸が発生することがない。
【0017】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、外壁材の伸縮により目地間隔が変動した場合には、弾性シートと弾性パテ材とが一体的に伸縮変形することができるから、弾性パテ材に亀裂が発生することがなく、長期間に渡って良好に目地を塞いだ状態を維持することができる。しかも、板材は外壁材に対してフリーになっているため、外壁材の伸縮により変形して目地部に凹みや凸部が発生することがなく、目地部の形状変化を回避することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、弾性シートを、上下方向に長いほぼ楕円形状の長孔を多数備えたものから構成することによって、左右方向に伸びやすい弾性シートを構成することができるから、目地間隔の変動、つまり左右方向の変動を良好に吸収することができ、左右方向に変動する目地部に特に有効なものになる。
【0019】
請求項3の発明によれば、板材を、透明なプラスチック材で構成することによって、金属で構成した場合に、板材の表面を非接着性を有するように離形処理することを不要にすることができるだけでなく、軽量化を図ることができ、製造面、運搬面、施工面において有利になる。更に、板材を通して外壁の端部位置を確認しながら目地閉塞部材を配置することができ、施工面においてより一層有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】目地閉塞部材の斜視図である。
【図2】目地閉塞部材を取り付けて目地を無くした無目地構造を示す要部の断面図である。
【図3】無目地処理を行うための施工手順を示す説明図であり、(a)は施工前の状態を示し、(b)は弾性パテ材を塗布した状態を示し、(c)は弾性パテ材を塗布した上から目地閉塞部材を配置した状態を示し、(d)は目地閉塞部材の上から弾性パテ材を塗布した状態を示している。
【図4】別の目地閉塞部材の斜視図である。
【符号の説明】
1 外壁材 2 板材
3A 孔 3 弾性シート
4 部分 5 バックアップ材
6 シーリング材 7,8 弾性パテ材
9 弾性塗料
【発明の属する技術分野】
本発明は、隣り合う外壁材間に発生する継ぎ目や隙間などの目地を塞ぐための目地閉塞部材及び目地構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のように目地閉塞部材にて目地を塞ぐことにより、外観上付加価値の高いものに仕上げることができるだけでなく、防水機能を高めることができるようにしている。そして、目地閉塞部材として、例えば網状で長さ方向にも幅方向にも伸縮しない材料でテープ本体を形成し、テープ本体の下面のうちの幅方向ほぼ中央にそれの全面に塗布された粘着剤を介して目地の幅よりも広い掩蔽フィルムを貼り付けて掩蔽テープを構成し、この掩蔽テープを隣り合う外壁材の表面に貼り付け、その上からパテを塗布することにより目地を塞ぐことができるようにしている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−205096号公報(図4参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1によれば、テープ本体が長さ方向にも幅方向にも伸縮しない材料からなっているため、外壁材の収縮や拡張あるいは地震などにより目地が広がったり狭くなったりしたときに、これに追従してパテがある程度伸縮することができるものの、テープ本体が全く収縮しない。このため、早期にパテに亀裂が発生して防水機能が低下することがあった。
また、掩蔽テープが容易に変形可能なものであるため、外壁材の収縮や拡張あるいは地震などにより、掩蔽テープが変形してしまい、目地に凹みが発生してしまい、外観上見苦しいものになることがあり、改善の余地があった。
【0005】
本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、目地を長期間に渡って良好に遮蔽することができる目地閉塞部材及び目地構造を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題解決のために、隣り合う外壁材間に渡る左右幅を有する縦長状の板材と、この板材よりも幅広で縦長状に構成され、かつ、該板材にそれの長手方向に沿って3mm以下の左右幅にて縦長状に接着された又は長手方向に所定間隔を置いて複数箇所で点接着されたメッシュ状の弾性シートとからなり、前記板材を外壁材の表面に当て付けた状態で前記弾性シート上に塗布される弾性パテ材にて該外壁材の表面に固定するために該弾性シートを該弾性パテ材に接着可能な材料から構成し、前記板材を前記弾性シートを通過して接触する前記弾性パテ材と非接着性を有する材料から構成する又は前記板材の表面を前記弾性シートを通過して接触する前記弾性パテ材と非接着性を有するように離形処理したことを特徴としている。
上記構成の目地閉塞部材をそれの板材が外壁材の表面に当て付けられた状態で配置してから、弾性パテ材を弾性シート上に塗布することにより、弾性パテ材が弾性シートに形成の多数の孔を通して外壁の表面へ移動し、弾性シートを弾性パテ材にて固定することができる。このとき、板材が非接着性を有する材料から構成する又は板材の表面が非接着性を有するように離形処理されていることから、板材が外壁や弾性シートに弾性パテ材にて固定されることがなく、弾性シートや弾性パテ材の弾性変形力を受けて板材が大きく移動することがない。又、弾性シートが板材にそれの長手方向に沿って3mm以下の左右幅にて縦長状に接着された又は長手方向に所定間隔を置いて複数箇所で点接着されているから、外壁の伸縮により目地間隔が変動した場合には、弾性シートの変形が板材によって阻止されることがなく、目地間隔の変動に応じて弾性シートが変形することができる。しかも、目地間隔の変動に伴って弾性パテ材と弾性シートとが一体的に弾性変形することができる。尚、前記板材と弾性シートとの接着力は、外壁材への板材と弾性シートの固定作業を行う際の取扱中において両者が容易に剥がれることがなく、しかも固定作業終了後において外壁材の伸縮により両者が剥がれる程度に設定しておくことが好ましい。
【0007】
前記弾性シートを、上下方向に長いほぼ楕円形状の長孔を多数備えたものから構成することによって、左右方向に伸びやすい弾性シートを構成することができるから、目地間隔の変動、つまり左右方向の変動を良好に吸収することができる。
【0008】
前記板材を、透明なプラスチック材で構成することによって、金属で構成した場合に、板材の表面を非接着性を有するように離形処理することを不要にすることができるだけでなく、軽量化を図ることができる。更に、板材を通して外壁の端部位置を確認しながら目地閉塞部材を配置することができる。
【0009】
請求項1〜3のいずれかに記載の目地閉塞部材を、隣り合う外壁材間に跨って該外壁材の表面に該目地閉塞部材の板材が接当する状態で配置し、この状態で前記目地閉塞部材の弾性シートの上から前記弾性パテ材を塗布することにより該目地閉塞部材を外壁材間に固定して、目地構造を構成することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1に、目地を覆うための目地閉塞部材が示されている。尚、図では紙面の大きさの関係で非常に短いものを示しているが、実際には長いものであり、目地の下端から上端まで一枚の目地閉塞部材で覆うことができるように長さを設定することもできるし、複数枚の目地閉塞部材で覆うことができるように長さを設定することもできる。
前記目地閉塞部材は、図1及び図2に示すように、隣り合う外壁材(サイディング材)1,1間に渡る左右幅、つまり外壁材1,1間の距離よりも少し大きな左右幅(外壁材間の距離によって異なるが、1cm〜3cm位の間に設定される)を有すると共に厚みが0.3mm〜0.5mmの範囲の任意の厚みに設定された縦長状の板材2と、この板材2よりも幅広(板材2の約2.5〜3.5倍の大きさ)で縦長状に構成され、かつ、板材2にそれの長手方向に沿って3mm以下の左右幅(幅が狭ければ狭いほど板材に対して動きやすくなり好ましいが、あまり狭くすると板材から外れやすくなるため、0.5mm以上に設定することが好ましい)にて縦長状に接着されたメッシュ状の弾性シート3とから構成している。又、図4に示すように、前記弾性シート3を板材2にそれの長手方向に沿って所定間隔を置いて複数箇所で点接着することによって、板材2に対して弾性シート3が長手方向と直交する方向、つまり左右方向に更に動き易くなる利点がある。尚、図に示す部分4が、点接着部分を示しており、個々の点接着部分の面積としては、例えば半径が2mm〜5mmのほぼ円形のものから構成する他、縦長状のほぼ長方形状のものなど、どのような形状の点接着部分であってもよい。又、隣り合う点接着部分4,4同士の間隔を、2cm〜5cmに設定することによって、作業中(板材と弾性シートの取扱中)に点接着部分が容易に剥がれにくくすることができる。
【0011】
前記板材2は、外力が加わらない限り、形状が変化することがないように、無色透明(場合によっては半透明でもよい)なポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂で構成してあり、図4に示すように、外壁材1,1の角部1A,1Aに対する板材2の位置を容易に把握することができ、外壁材1,1に対する位置合わせを容易迅速に行うことができるようにしているが、非透明なものであってもよい。又、合成樹脂で板材2を構成することによって、軽量化を図る上において有利になるが、ステンレスなどの金属などで構成することもできる。尚、板材2を金属で構成する場合には、表面を後述の弾性パテ材7と非接着性を有するように離形剤を表面に塗布するなどして離形処理を行う必要がある。
【0012】
前記弾性シート3を構成する材料としては、弾性パテ材と一体化し易いナイロンやポリエステルなどの合成樹脂が好ましいが、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂を用いることもできる。そして、それらの材料の一種又は複数種の繊維を編み込む又は織り込むことにより、弾性シート3を構成したり、溶融樹脂を金型に流し込んで成形することにより弾性シート3を構成することができるが、他の方法により弾性シート3を構成することもできる。
又、図1に示すように、弾性シート3に、それの長手方向、つまり上下方向に長いほぼ楕円形の長孔3Aを上下方向及び左右方向に多数備えさせて、左右方向に弾性変形し易いようにしている。詳述すれば、上下方向に所定間隔(一定間隔)を置いて形成された多数の孔3Aに対して左右方向で隣り合う孔3Aが左右方向で重複する位置に位置しないように孔3Aを千鳥配置することによって、単位面積当たりの孔3Aの個数を多くすることができる利点があり、弾性変形を一層発揮させやすい利点があるが、他の配置であってもよい。
【0013】
前記弾性シート3と板材2との接着は、オレフィン系、アクリル系、ポリウレタン系、合成ゴム系などの合成樹脂系接着剤及び感圧形接着剤であるホットメルト形、無溶剤形、溶剤形、水性形にて接着したり、超音波加熱や高周波加熱による溶着にて接着してもよいし、又、表裏両面にそれぞれ粘着剤を備えた両面テープを用いて弾性シート3と板材2とを迅速に接着することもできる。これら両者の接着力は、外壁材1,1に固定した後は、外壁材1,1の伸縮により接着が剥がれる程度の弱いものに設定しておけば、弾性シートと弾性パテ材の弾性変形を更に発揮しやすい状態になり、好ましい。
【0014】
次に、前記構成の目地閉塞部材にて目地を閉塞して無目地構造にするための無目地工法について説明する。尚、図2及び図3(a)において外壁材1,1間にバックアップ材5及びシーリング材6を備えた目地構造が初期の状態を示している。
まず、シーリング材6の上及び外壁材1,1の表面に弾性パテ材7(シーリング材6と同一のものでもよい)を塗布することによって、目地部に隙間を無くすことで温度変化による水滴の発生などの防止を図ると共に弾性シート3を外壁材1,1に固定するための接着剤として利用することができるようにしている(図3(b)参照)が、目地部には弾性パテ材7を塗布しないで実施することもできる。そして、前記弾性パテ材7の粘着力がなくなる前に、目地閉塞部材をそれの板材2が外壁材1,1の表面に当て付けられた状態で配置して仮止めする(図2(c)参照)。続いて、弾性シート3の上から弾性パテ材(前記弾性パテ材7と同一のもの)8を再度塗布すると共にヘラを用いて塗布した表面に段差が発生しないように表面をならしていく(図2(d)参照)。前記弾性パテ材8が硬化した(約1日〜2日かかる)ことを確認した後、図2に示すように、弾性塗料9を吹き付けて(塗布して)、無目地処理を完了する。場合によっては、弾性塗料を吹き付ける前に塗料専用シーラーを塗布することもある。又、前記シーリング材6が施工されていない目地においては、通常のシーリング施工作業を行い、約2日〜3日後に前記無目地工法を行うことになる。但し、目地形状が小さい(狭い)場合には、シーリング施工作業を行わず、弾性パテ材7を目地充填も兼ねて行ってもよい。
【0015】
前記弾性パテ材7,8としては、伸び率が150%〜500%の範囲のものが好ましく、変性シリコーン系、ポリサルファイド系、アクリルウレタン系、アクリルエマルジョン系などが適用範囲として挙げられる。
【0016】
上記のように無目地構造に処理された外壁材1,1が伸び縮みすることにより、弾性パテ材7,8及び弾性シート3が追従して一体的に伸び縮みすることができ、弾性パテ材7,8に亀裂が発生することを回避することができながらも、板材2は、外壁材1,1に対して接着(固定)されていないことから、凹んだり外側に膨れるように湾曲することがなく、目地部に凹凸が発生することがない。
【0017】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、外壁材の伸縮により目地間隔が変動した場合には、弾性シートと弾性パテ材とが一体的に伸縮変形することができるから、弾性パテ材に亀裂が発生することがなく、長期間に渡って良好に目地を塞いだ状態を維持することができる。しかも、板材は外壁材に対してフリーになっているため、外壁材の伸縮により変形して目地部に凹みや凸部が発生することがなく、目地部の形状変化を回避することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、弾性シートを、上下方向に長いほぼ楕円形状の長孔を多数備えたものから構成することによって、左右方向に伸びやすい弾性シートを構成することができるから、目地間隔の変動、つまり左右方向の変動を良好に吸収することができ、左右方向に変動する目地部に特に有効なものになる。
【0019】
請求項3の発明によれば、板材を、透明なプラスチック材で構成することによって、金属で構成した場合に、板材の表面を非接着性を有するように離形処理することを不要にすることができるだけでなく、軽量化を図ることができ、製造面、運搬面、施工面において有利になる。更に、板材を通して外壁の端部位置を確認しながら目地閉塞部材を配置することができ、施工面においてより一層有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】目地閉塞部材の斜視図である。
【図2】目地閉塞部材を取り付けて目地を無くした無目地構造を示す要部の断面図である。
【図3】無目地処理を行うための施工手順を示す説明図であり、(a)は施工前の状態を示し、(b)は弾性パテ材を塗布した状態を示し、(c)は弾性パテ材を塗布した上から目地閉塞部材を配置した状態を示し、(d)は目地閉塞部材の上から弾性パテ材を塗布した状態を示している。
【図4】別の目地閉塞部材の斜視図である。
【符号の説明】
1 外壁材 2 板材
3A 孔 3 弾性シート
4 部分 5 バックアップ材
6 シーリング材 7,8 弾性パテ材
9 弾性塗料
Claims (4)
- 隣り合う外壁材間に渡る左右幅を有する縦長状の板材と、この板材よりも幅広で縦長状に構成され、かつ、該板材にそれの長手方向に沿って3mm以下の左右幅にて縦長状に接着された又は長手方向に所定間隔を置いて複数箇所で点接着されたメッシュ状の弾性シートとからなり、前記板材を外壁材の表面に当て付けた状態で前記弾性シート上に塗布される弾性パテ材にて該外壁材の表面に固定するために該弾性シートを該弾性パテ材に接着可能な材料から構成し、前記板材を前記弾性シートを通過して接触する前記弾性パテ材と非接着性を有する材料から構成する又は前記板材の表面を前記弾性シートを通過して接触する前記弾性パテ材と非接着性を有するように離形処理したことを特徴とする目地閉塞部材。
- 前記弾性シートが、上下方向に長いほぼ楕円形状の長孔を多数備えたものでなる請求項1記載の目地閉塞部材。
- 前記板材が、透明なプラスチック材でなる請求項1又は2記載の目地閉塞部材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の目地閉塞部材を、隣り合う外壁材間に跨って該外壁材の表面に該目地閉塞部材の板材が接当する状態で配置し、この状態で前記目地閉塞部材の弾性シートの上から前記弾性パテ材を塗布することにより該目地閉塞部材を外壁材間に固定したことを特徴とする目地構造。
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2003
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