JP2005029821A - 成膜方法 - Google Patents

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英亮 山▲崎▼
Okiaki Matsuzawa
興明 松沢
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Abstract

【課題】金属膜の不純物量を低減する成膜方法を提供する。
【解決手段】被処理基板に第1の金属を含む膜を成膜する成膜方法であって、前記被処理基板に、当該第1の金属を含む第1の金属カルボニル化合物を含む第1の処理ガスを供給する第1の工程と、前記被処理基板に前記第1の金属カルボニル化合物と異なる金属化合物を含む第2の処理ガスを供給する第2の工程と、前記第1の金属カルボニル化合物を構成する炭素と酸素が前記金属化合物を形成する第2の金属と結合して第2の金属カルボニル化合物が形成される第3の工程を含むことを特徴とする成膜方法を用いて、不純物量の少ない金属膜を形成する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に半導体装置の製造に係り、特に金属カルボニル原料を使ったCVD法による金属膜の成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の高度化・高集積化された半導体装置を製造する工程において、微細パターンに良好なカバレッジで成膜できるCVD法(化学気相体積法)は重要な技術の一つとなっている。
【0003】
特に金属カルボニル原料を使った金属膜の熱CVD技術は、例えばWなどの高融点金属膜を低い比抵抗で、しかもSiO膜などの絶縁膜上にも直接に形成できるため、多層配線構造の技術において重要である。例えばWを成膜する場合、原料ガスとしてW(CO)を用いて、熱によりW(CO)を分解して以下の反応を生じさせてW膜を形成する。
【0004】
【化1】
Figure 2005029821
【特許文献1】
特開2002−60944号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えばW(CO)などの金属カルボニル化合物を用いた成膜を行うと、形成された金属膜に、C、O、またはCOなどの不純物が残留して形成された金属膜の比抵抗を高くしてしまうという問題が生じる場合があった。
【0006】
そのため、例えば金属カルボニル化合物を用いて形成された膜を半導体装置の配線層、例えばCuなどのバリア膜として用いる場合、比抵抗が高く半導体装置の性能を低下させてしまう問題が生じる。
【0007】
そこで、本発明では、上記の問題を解決した新規な成膜方法を提供することを課題としている。
【0008】
本発明の具体的な課題は、金属カルボニル化合物を用いた金属膜の成膜において、形成される金属膜中の不純物を低減し、金属膜の比抵抗値を下げる金属膜の成膜方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記の課題を解決するために、
請求項1に記載したように、
被処理基板に第1の金属を含む膜を成膜する成膜方法であって、
前記被処理基板に、当該第1の金属を含む第1の金属カルボニル化合物を含む第1の処理ガスを供給する第1の工程と、
前記被処理基板に前記第1の金属カルボニル化合物と異なる金属化合物を含む第2の処理ガスを供給する第2の工程と、
前記第1の金属カルボニル化合物を構成する炭素と酸素が前記金属化合物を形成する第2の金属と結合して第2の金属カルボニル化合物が形成される第3の工程を含むことを特徴とする成膜方法により、また、
請求項2に記載したように、
前記第2の金属カルボニル化合物が前記第1の金属カルボニル化合物より蒸気圧が高いことを特徴とする請求項1記載の成膜方法により、また、
請求項3に記載したように、
前記第1の金属カルボニル化合物はW(CO)であることを特徴とする請求項1または2記載の成膜方法により、また、
請求項4に記載したように、
前記金属化合物は有機金属化合物であり、前記第3の工程において前記有機金属化合物が分解することで生成される有機物の熱分解温度が、前記第1の金属カルボニル化合物の熱分解温度より高いことを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項記載の成膜方法により、また、
請求項5に記載したように、
前記金属化合物は、炭素と水素を含む有機金属化合物であることを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれか1項記載の成膜方法により、また、
請求項6に記載したように、
前記金属化合物は、炭素を含む環状構造を有する有機化合物であることを特徴とする請求項1〜5のうち、いずれか1項記載の成膜方法により、また、
請求項7に記載したように、
前記金属化合物は、ベンゼン環または5個の炭素原子からなる環状構造のいずれかを有する有機金属化合物であることを特徴とする請求項1〜6のうち、いずれか1項記載の成膜方法により、また、
請求項8に記載したように、
前記金属化合物は、Ni(CまたはCr(Cのいずれかであることを特徴とする請求項1〜7のうち、いずれか1項記載の成膜方法により、また、
請求項9に記載したように、
前記第1の金属カルボニル化合物はRu(CO)12であることを特徴とする請求項1または2記載の成膜方法により、また、
請求項10に記載したように、
前記第1の金属カルボニル化合物を構成する第1の金属と、前記金属化合物を構成する第2の金属が同一であることを特徴とする請求項1記載の成膜方法により、また、
請求項11に記載したように、
前記第1の金属カルボニル化合物はW(CO)であることを特徴とする請求項10記載の成膜方法により、また、
請求項12に記載したように、
前記金属化合物は有機金属化合物であり、前記第3の工程において前記有機金属化合物が分解することで生成される有機物の熱分解温度が、前記第1の金属カルボニル化合物の熱分解温度より高いことを特徴とする請求項10または11のうち、いずれか1項記載の成膜方法により、また、
請求項13に記載したように、
前記金属化合物は、炭素と水素を含む有機金属化合物であることを特徴とする請求項10〜12のうち、いずれか1項記載の成膜方法により、また、
請求項14に記載したように、
前記金属化合物はWH(C、W(CHおよびWH(CH)のいずれかであることを特徴とする請求項10〜13のうち、いずれか1項記載の成膜方法により、また、
請求項15に記載したように、
前記第1の処理ガスは不活性ガスからなるキャリアガスを含むことを特徴とする請求項1〜14のうち、いずれか1項記載の成膜方法により、解決する。
[作用]
本発明によれば、金属カルボニル化合物を用いて被処理基板に金属膜を成膜する場合に、原料となる金属カルボニル化合物に加えて、さらに当該金属カルボニル化合物と異なる金属化合物を供給する。そのため、前記金属カルボニル化合物を構成する炭素および水素と、前記金属化合物を構成する金属が結合して別の金属カルボニル化合物を形成し、気相状態の当該別の金属カルボニル化合物が前記被処理基板から除去されることで、前記被処理基板上に形成される金属膜中に取り込まれる不純物である炭素と酸素の量が低減される。そのため、形成される金属膜の純度を上げて、当該金属膜の比抵抗値を低くすることが可能となる。
【0010】
また、金属カルボニル化合物と金属化合物を供給することにより、被処理基板表面における金属カルボニル化合物の反応性が高くなり、被処理基板表面において一様に反応が進行するので、例えばパターン形状に成膜する場合には、パターン形状へのステップカバレッジが向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
[原理]
まず、金属カルボニル化合物を熱分解することで金属膜を形成する方法、例えばW(CO)の熱分解によってW膜を形成する方法を、模擬的に図1(A)に示す。
【0012】
図1(A)を参照するに、図1(A)では、図示しない、加熱された被処理基板上に、金属膜、例えばW膜を形成するための第1の金属カルボニル化合物、例えばW(CO)を供給し、W(CO)の熱分解によって被処理基板上にW膜を形成する様子を模擬的に示している。しかし、この場合、形成されるW膜中にはC、OもしくはCOなどの不純物が残留してしまう場合がある。図1(A)には、W膜中にC、Oなどの不純物が取り込まれる状態を示しており、例えば、カルボニル基を含むW膜が形成されてしまう場合がある。
【0013】
そこで、図1(B)に示す、本発明による第1の成膜方法によって、前記第1の金属カルボニル化合物に加えて、金属化合物、例えばNi(Cを被処理基板に供給する方法で、形成される金属膜中の不純物を低減することができる。この場合、供給される前記金属化合物、例えばNi(CはW(CO)と共に熱により分解され、以下の反応がおこる。
【0014】
【化2】
Figure 2005029821
このように、前記金属化合物を形成する金属が、前記第1の金属カルボニル化合物を構成するC、O、もしくはCOと結合して前記第1の金属カルボニル化合物とは別の第2の金属カルボニル化合物、例えばNi(CO)が形成される。そこで、気相状態の前記第2の金属カルボニル化合物、例えばNi(CO)が被処理基板上から除去されることにより、形成される金属膜、例えばW膜中のC、O、もしくはCOなどの不純物の量を低減することが可能となる。
【0015】
また、この場合、形成される前記第2の金属カルボニル化合物、例えばNi(CO)の蒸気圧が、前記第1の金属カルボニル化合物、例えばW(CO)の蒸気圧より高いために、前記第2の金属カルボニル化合物を気相状態で被処理基板上から除去することが容易となり、気相状態である前記第2の金属カルボニル化合物を前記被処理基板上から除去することによって、形成される金属膜、例えばW膜中のC、O、もしくはCOなどの不純物の量を低減することが可能となる。その結果形成される前記金属膜の比抵抗値を低く抑えることが可能となる。
【0016】
また、前記金属化合物が熱分解されて、前記第2の金属カルボニル化合物を形成する場合に同時に形成される副生成物である有機物、例えばCは熱分解されにくく、前記第1の金属カルボニル化合物の熱分解が開始される温度である150℃程度では分解されることが無い。そのため、前記有機物は熱分解されること無く気相状態で被処理基板上から除去される。その結果、前記有機物を構成するCが、金属膜中の不純物として残留することを抑制できる。
【0017】
このように、副生成物となる有機物の熱分解温度が前記第1の金属カルボニル化合物の熱分解温度より高いために、形成される金属膜中に副生成物である前記有機物を構成するCが取り込まれることがない。そのために、前記金属膜中の不純物の量を増加させることが無く、比抵抗を増大させることがない。
【0018】
このような有機物は、例えばCの他にも、例えば炭素を含む環状構造を有する有機化合物や、ベンゼン環または5個の炭素原子からなる環状構造のいずれかを有する有機金属化合物であると好適であり、例えば、CやCを含む有機金属化合物が好ましい。
【0019】
また、図1(A)に示した成膜方法において形成される金属膜中の不純物を低減する方法としては、図1(C)に示す第2の成膜方法によって行うことも可能であり、前記第1の成膜方法に示した場合と同様に、形成される金属膜中の不純物を低減して当該金属膜の比抵抗を低くする効果を奏する。
【0020】
図1(C)を参照するに、図1(C)に示す場合には前記第1の金属カルボニル化合物に加えて、図1(B)の場合と同様に、金属化合物を供給する。但し、図1(C)に示す第2の成膜方法で供給する金属化合物は、前記第1の金属カルボニル化合物を構成する金属を含み、かつ前記第1の金属カルボニル化合物と異なる金属化合物を、被処理基板に供給する。
【0021】
例えば、前記第1の金属カルボニル化合物であるW(CO)に加えて、WH(Cを被処理基板に供給することで、形成される金属膜中の不純物を低減することができる。
【0022】
この場合、前記有機金属化合物、例えばWH(Cが熱分解されることで形成される金属、例えばWが、形成される金属膜中の不純物となる、C、OまたはCOと結合して第2の金属カルボニル化合物を形成する。
【0023】
そこで、気相状態の前記第2の金属カルボニル化合物を、被処理基板上から除去することで、形成される金属膜、例えばW膜中にC、O、COなどが残留する量を低減して、当該金属膜中の不純物の量を低減し、当該金属膜の比抵抗を小さくすることが可能となる。
【0024】
図1(C)に示した前記第2の成膜方法においては、被処理基板に供給される金属化合物を構成する金属は、前記第1の金属カルボニル化合物を構成する金属、すなわち被処理基板上に形成される金属と同一の金属としている。そのため、当該金属化合物が被処理基板上に形成される金属膜中に残留した場合でも、形成される金属膜の金属不純物となることがない。
【0025】
また、前記第1の成膜方法の場合と同様に、前記金属化合物が熱分解されて、前記第2の金属カルボニル化合物を形成する場合に同時に形成される副生成物である有機物、例えばCは熱分解されにくく、前記第1の金属カルボニル化合物の熱分解が開始される温度である150℃程度では分解されることが無い。そのため、前記有機物は熱分解されること無く気相状態で被処理基板上から除去される。その結果、前記有機物を構成するCが、金属膜中の不純物として残留することがない。
【0026】
このように、副生成物となる有機物の熱分解温度が前記第1の金属カルボニル化合物の熱分解温度より高いために、形成される金属膜中に副生成物である前記有機物を構成するCが取り込まれることがない。そのために、前記金属膜中の不純物の量を増加させることが無く、比抵抗を増大させることがない。
【0027】
このような有機物は、例えばCの他にも、例えば炭素を含む環状構造を有する有機化合物や、ベンゼン環または5個の炭素原子からなる環状構造のいずれかを有する有機金属化合物であると好適であり、例えば、CやCを含む有機金属化合物が好ましい。
【0028】
次に、前記第1の成膜方法および第2の成膜方法を実施するCVD装置に関して図面に基づき、説明する。
[第1実施例]
図2は、前記第1の成膜方法および第2の成膜方法を実施するCVD装置10の構成を概略的に示したものである。
【0029】
図2を参照するに、CVD装置10はターボ分子ポンプ(TMP)12およびドライポンプ(DP)13により排気される処理容器11を備え、前記処理容器11中には被処理基板Wfを保持する、ヒータ11aを内蔵した基板保持台11Aが設けられている。
【0030】
さらに前記処理容器11上には処理ガスを導入するシャワーヘッド11Bが設けられており、前記シャワーヘッド11Bには、前記第1の金属カルボニル化合物、例えばW(CO)よりなる第1の原料を保持する第1のバブラ14から、前記第1の金属カルボニル化合物が、Arなどのキャリアガスと共に、第1の処理ガスとして、バルブ14Aおよびライン14B、さらに前記ライン14Bに設けられたバルブ14Cを介して供給される。
【0031】
同様に、前記シャワーヘッド11Bには、前記金属化合物、例えばNi(C、またはWH(Cよりなる第2の原料を保持する第2のバブラ17から、前記金属化合物が、Arなどのキャリアガスと共に、第2の処理ガスとして、バルブ17Aおよびライン17B、さらに前記ライン17Bに設けられたバルブ17Cを介して供給される。
【0032】
このようにして供給された第1の処理ガスおよび第2の処理ガスは、前記シャワーヘッド11Bから処理容器11に、図中に矢印で示すように供給され、前記したように、前記被処理基板Wfの表面に熱分解によって形成される金属膜、例えばW膜が堆積する。
【0033】
また、前記シャワーヘッド11Bには、バルブ14dを介してライン14Dが接続され、前記処理容器11内に、例えばArなどのガスを導入して、前記処理容器11内の圧力を調整する、もしくは前記処理容器11内をパージすることが可能になっている。
【0034】
また図2のCVD装置10には前記ライン14Bを、バルブ13Aを介してドライポンプに接続するバイパスライン13Bが設けられている。前記バルブ13Aは通常の成膜ステップでは閉じられているが、例えば成膜前に原料を含むキャリアガスを処理容器11の外に流して流量を安定させるような場合に、あるいは成膜時に前記処理容器11をパージするような場合に開放され、同時に前記バルブ14Cが閉じられる。その結果、このような流量安定作業中には、前記第1のバブラ14で形成された気相原料が直接にドライポンプ13に排出される。これにより、前記第1のバブラ14の状態を、堆積工程中においても、また流量安定作業中においても、またパージ工程中においても一定に維持することが可能になる。
【0035】
同様に、前記ライン17Bを、バルブ13Cを介してドライポンプに接続するバイパスライン13Dが設けられており、前記第2のバブラ17の状態を、堆積工程中においても、また流量安定作業中においても、またパージ工程中においても一定に維持することが可能になる。
【0036】
本実施例では前記第1のバブラ14にはArなどよりなるキャリアガスが、質量流量コントローラ15およびバルブ15Aを介して供給され、バブリングを生じる。その際、質量流量コントローラ15をシステムコントローラ16により制御することにより、前記処理容器11中に供給される第1の処理ガス中における第1の金属カルボニル化合物の濃度を制御することができる。
【0037】
同様にして、前記第2のバブラ17にはArなどよりなるキャリアガスが、質量流量コントローラ18およびバルブ18Aを介して供給され、バブリングを生じる。その際、質量流量コントローラ18を前記システムコントローラ16により制御することにより、前記処理容器11中に供給される第2の処理ガス中における前記金属化合物の濃度を制御することができる。
【0038】
本実施例においては、前記第1の金属カルボニル化合物を前記第1のバブラ14に保持し、前記金属化合物を前記第2のバブラ17に保持し、それぞれ前記ライン14Bおよび前記ライン17Bより、前記第1の金属カルボニル化合物ガスおよび前記金属化合物ガスを前記処理容器11に供給する構造となっている。
【0039】
これは、前記第1の金属カルボニル化合物と前記金属化合物の性質、例えば蒸気圧、気化温度などが異なるため、例えば同一のガス供給系から前記金属カルボニル化合物ガスおよび前記金属化合物ガスを供給することが困難であるため、このように2系統が独立した構造としている。
【0040】
本実施例の場合、前記バブラ14と前記バブラ17を設けることで、例えば前記バブラ14の温度と前記バブラ17の温度を、使用する前記第1の金属カルボニル化合物と前記金属化合物に合わせたて制御することで、前記第1の金属カルボニル化合物ガスと前記金属化合物ガスの双方を安定に前記処理容器11に供給することが可能になっている。
【0041】
次に、前記CVD装置10を用いた金属膜の成膜方法を、図3を参照しながら説明する。
[第2実施例]
図3は、図2に示したCVD装置10を用いて前記被処理基板Wf上に金属膜を堆積する前記第1の成膜方法を示したフローチャートである。ただし、説明文中、先に説明した場合には同一の参照符号を用いて、説明を省略する。
【0042】
図3を参照するに、まず、ステップ1(図中S1と表記、以下同様)において、成膜処理が開始されると、ステップ2において、前記被処理基板Wfが、図2に示したCVD装置10中に図示しないゲートバルブを介して導入され、510℃の温度に保持されている前記基板保持台11A上に載置され、被処理基板Wfは略400℃に加熱される。また前記第1のバブラ14中には前記第1の金属カルボニル化合物としてW(CO)が40℃の温度で保持され、前記第2のバブラ17中には前記金属化合物としてNi(Cが50℃の温度で保持されている。
【0043】
次に、ステップ3において、前記質量流量コントローラ15をシステムコントローラ16により制御し、前記バルブ15Aを開放して前記第1のバブラ14にArキャリアガスを50sccm供給すると共に、前記バルブ13Aを開放し、前記ライン13Bより前記ドライポンプ13にガスを排出し、流量を安定させておく。次に前記バルブ13Aを閉じて、前記バルブ14A、前記バルブ14Cを開放する。そこで、前記ライン14Bより前記シャワーヘッド11Bを介して、第1の処理ガスとして、気化したW(CO)とキャリアガス50sccmを前記処理容器11内に供給する。
【0044】
また、ステップ4においては、以下のように第2の処理ガスを供給する。前記質量流量コントローラ18をシステムコントローラ16により制御し、前記バルブ18Aを開放して前記第2のバブラ17にArキャリアガスを30sccm供給すると共に、前記バルブ13Cを開放し、前記ライン13Dより前記ドライポンプ13にガスを排出し、流量を安定させておく。次に前記バルブ13Cを閉じて、前記バルブ17A、前記バルブ17Cを開放する。そこで、前記ライン17Bより前記シャワーヘッド11Bを介して、第2の処理ガスとして、気化したNi(Cとキャリアガスを30sccm、前記処理容器11内に供給する。また、このときの処理容器11内の圧力を50mTorr(6.7Pa)とする。
【0045】
このように、前記第1の処理ガスおよび第2の処理ガスが供給されてステップ5では成膜が行われ、前記第1の処理ガス中のW(CO)の熱分解により、前記被処理基板W上にW膜が形成される。
【0046】
この場合、図1(B)の説明で前記したように、前記第1の金属カルボニル化合物であるW(CO)に加えて前記金属化合物であるNi(Cが供給されているため、W(CO)の熱分解によって生じるC、O、COなどが当該金属化合物が熱分解されて形成される金属であるNiと結合し、前記第2の金属カルボニル化合物であるNi(CO)が形成される。
【0047】
このようにして形成される前記第2の金属カルボニル化合物、例えばNi(CO)の蒸気圧は、前記第1の金属カルボニル化合物、例えばW(CO)の蒸気圧より高い。そのために、前記第2の金属カルボニル化合物は、気相状態で前記処理容器11から前記ターボ分子ポンプ12および前記ドライポンプ13を介して排気される。
【0048】
その結果、形成される金属膜、例えばW膜中のC、O、もしくはCOなどの不純物の量を低減することが可能となり、当該金属膜の比抵抗値を低く抑えることが可能となる。
【0049】
また、前記金属化合物が熱分解されて、前記第2の金属カルボニル化合物を形成する場合に同時に形成される副生成物である有機物、例えばCは熱分解されにくく、前記第1の金属カルボニル化合物の熱分解が開始される温度である150℃程度では分解されることが無い。そのため、前記有機物は熱分解され難く、気相状態で前記処理容器11から前記ターボ分子ポンプ12および前記ドライポンプ13を介して排気される。
【0050】
そのため、形成される金属膜中に副生成物である有機物を構成するCが取り込まれないため、前記金属膜中の不純物の量を増加させることが無く、当該金属膜の比抵抗を増大させることがない。
【0051】
また、ステップ3とステップ4の開始を同時に行って、前記第1の処理ガスと前記第2の処理ガスの供給の開始を同時にしてもよく、またステップ4を開始した後、ステップ3を開始して、前記第2の処理ガスの供給の開始を先に行ってもよい。
【0052】
次にステップ6で、前記第1の処理ガス、第2の処理ガスの供給を停止し、ステップ7で成膜を完了する。
【0053】
本実施例に示した方法で、例えばステップ3とステップ4の開始を同時に、すなわち前記第1の処理ガスと第2の処理ガスの供給の開始を同時にして、ステップ5の成膜時間を3000秒行うことで、前記被処理基板Wf上に厚さ126nm、比抵抗22Ω−cmのW膜を形成した。また、形成されたW膜は不純物が少ないため、平滑性は良好であった。
【0054】
また、比較のために、前記の方法で前記金属化合物を用いない場合、すなわち第1の処理ガスであるW(CO)とキャリアガスのみでW膜の成膜を行った。この場合、成膜時間3000秒で厚さ86nmのW膜が形成され、比抵抗は31Ω−cmであった。
【0055】
このように、本実施例では、前記第1の金属カルボニル化合物に加えて、前記金属化合物を用いることで、前記第1の金属カルボニル化合物が熱分解されて形成される金属膜の比抵抗値を下げることが可能となる。
【0056】
また、例えば図3に示したステップ3を実施して所定期間前記第1の処理ガスを供給した後で、前記第1の処理ガスの供給を停止して前記処理容器11内に残留する前記第1の金属カルボニル化合物を排気するステップ3‘を行い、次にステップ4を実施して所定期間前記第2の処理ガスを供給した後に、前記第2の処理ガスの供給を停止して前記処理容器11内に残留する前記金属化合物を排気するステップ4’を行い、さららに当該ステップ4’の後に処理をステップ3に戻し、ステップ3からステップ4‘までの工程を任意の回数繰り返して、被処理基板上に金属膜を形成するようにしてもよい。
【0057】
この場合、ステップ3において金属膜を形成した後、処理容器11内に残留する前記第1の金属カルボニル化合物を排気した後、前記金属化合物を供給するため、形成される金属膜中から、C、O、COなどの不純物を除去する効果が大きくなり、形成される金属膜の純度がより高くなり、形成される金属膜の比抵抗をさらに低くすることが可能となる。
【0058】
また、上記のステップ3、ステップ3’、ステップ4、ステップ4’を数秒から数十秒ごとに繰り返すことにより、数原子層の金属膜を形成でき、被処理基板表面で一様に反応が進むようになるため、例えばパターン形状に成膜する場合のステップカバレッジを向上させることができる。
【0059】
また、本実施例においては、前記第1の金属カルボニル金属化合物として、W(CO)を用いて、金属膜としてW膜を形成する例を示したが、他の金属カルボニル化合物を用いて、他の金属膜を形成することも可能であり、その場合も本実施例に記載した場合と同様の方法により、本実施例に記載したようにW(CO)を用いた場合と同様の効果、すなわち金属膜中の不純物を低減した、電気的な比抵抗の小さい金属膜を形成することが可能である。
【0060】
本実施例に記載したW(CO)と同様にして、用いることが可能な金属カルボニル化合物と、形成することが可能な金属膜の組み合わせの例を、図4に示す。
【0061】
図4を参照するに、例えば、第1の金属カルボニル化合物として、Ni(CO)、Mo(CO)、Ru(CO)12、Cr(CO)、V(CO)、Re(CO)10、Os(CO)12、Co(CO)、Rh(CO)12、Mn(CO)10、Ir(CO)12およびTc(CO)10を用いることにより、金属膜としてそれぞれ、Ni、Mo、Ru、Cr、V、Re、Os、Co、Rh、Mn、IrおよびTcを形成することが可能である。
【0062】
また、前記被処理基板に供給する前記金属化合物は、本実施例に記載したNi(Cに限らない。例えば、Cr(C、Mo(C、およびMg(Cなどを用ることが可能であり、Ni(Cを用いた場合と同様に、前記第1の金属カルボニル化合物より蒸気圧の高い、前記第2の金属カルボニル化合物を形成して当該第2の金属カルボニル化合物が気相状態で前記処理容器11から排気されることにより、前記金属カルボニル化合物が熱分解して形成される金属膜中のC、O、COなどの不純物が形成される金属膜中に取り込まれる量を低減して、形成される当該金属膜の比抵抗を下げる効果を奏する。
【0063】
また、図5には、金属カルボニル化合物の、40℃における蒸気圧を示す。
【0064】
図5を参照するに、40℃におけるNi(CO)、V(CO)、Cr(CO)、Mo(CO)、W(CO)およびRe(CO)10の蒸気圧はそれぞれ、700Torr(0.093MPa)、15Torr(2KPa)、0.85Torr(113.3Pa)、0.59Torr(78.7Pa)、0.14Torr(18.7Pa)および0.001〜0.01Torr(0.13〜1.3Pa)である。また、Ru(CO)12およびOs(CO)12に関しては、具体的な蒸気圧は示さないが、Ru(CO)12の蒸気圧は、Re(CO)10より低く、さらにOs(CO)12の蒸気圧は、Ru(CO)12より低いことがわかっている。
【0065】
例えば、図3に示した前記第1の成膜方法において、前記第1の金属カルボニル化合物にW(CO)、前記金属化合物に、Ni(Cを用いた場合、形成される前記第2の金属カルボニル化合物であるNi(CO)の蒸気圧は700Torr(0.93MPa)であり、前記第1の金属カルボニル化合物であるW(CO)の蒸気圧より高い。そのために前記第2の金属カルボニル化合物は気相状態で前記処理容器11内から排気されやすい。
【0066】
その結果、前記第1の金属カルボニル化合物を熱分解して形成される金属膜に、C、O、COなどの不順部が取り込まれる量を低減して、形成される金属膜、例えばW膜の電気的な比抵抗の値を低く抑えることが可能になる。
【0067】
このように、前記第1の成膜方法では、前記第1の金属カルボニル化合物より蒸気圧の高い前記第2の金属カルボニル化合物を形成するように、前記金属化合物を選択すればよい。
【0068】
例えば、前記第1の金属カルボニル化合物に、W(CO)を用いた場合に選択される前記金属化合物の例を以下に示す。
【0069】
まず、前記金属前記金属化合物として、V(C、V(CH)(CおよびV(Cのいずれかを用いることで、前記第2のカルボニル化合物として、前第1の金属カルボニル化合物であるW(CO)より蒸気圧の高いV(CO)を形成することができる。
【0070】
同様に、前記金属化合物としてCr(C、Cr(C、またはCr(CHのいずれかを用いることで、前記第2のカルボニル化合物として、前第1の金属カルボニル化合物であるW(CO)より蒸気圧の高いCr(CO)を形成することができる。
【0071】
同様に、前記金属化合物としてMo(C、MoH(Cのいずれかを用いることで、前記第2のカルボニル化合物として、前第1の金属カルボニル化合物であるW(CO)より蒸気圧の高いMo(CO)を形成することができる。
【0072】
このように、第2の金属カルボニル化合物として、例えば、V(CO)、Cr(CO)、またはMo(CO)のいずれかが形成される場合は、いずれも前記第2の金属カルボニル化合物が前記第1の金属カルボニル化合物であるW(CO)より蒸気圧が高く、当該第2の金属カルボニル化合物が気相状態で排気されることで、前記第1の金属カルボニル化合物を熱分解して形成される金属膜に、C、O、COなどの不純物が取り込まれる量を低減して、形成される金属膜、例えばW膜の電気的な比抵抗の値を低く抑えることが可能になる。
[第3実施例]
次に、図1(C)に示した、前記第2の成膜方法によって金属膜を形成する場合に関して説明する。
【0073】
前記第2の成膜方法の場合、第2実施例で図3に示した前記第1の成膜方法において、前記金属化合物を変更する。本実施例では、前記第1の金属カルボニル化合物を構成する金属を含む金属化合物であって、かつ前記第1の金属カルボニル化合物と異なる金属化合物を用いる。
【0074】
前記第1の金属カルボニル化合物にW(CO)を用いる場合、前記金属化合物には、例えば、WH(C、W(CH、およびWH(CH)のいずれかを用いることが可能である。
【0075】
具体的な前記第2の成膜方法に関しては、第2実施例で図3に示した場合において、前記ステップ4で供給する金属化合物を変更して、以下のように第2の処理ガスを供給すればよい。
【0076】
図3のステップ4において、前記質量流量コントローラ18をシステムコントローラ16により制御し、前記バルブ18Aを開放して前記第2のバブラ17にArキャリアガスを30sccm供給すると共に、前記バルブ17A、前記バルブ17Cを開放する。そこで、前記ライン17Bより前記シャワーヘッド11Bを介して、第2の処理ガスとして、例えば、気化したWH(Cとキャリアガスを30sccm、前記処理容器11内に供給する。また、このときの処理容器11内の圧力を50mTorr(6.7Pa)とする。あとのステップは、第1実施例の場合と同一である。
【0077】
この場合、前記有機金属化合物、例えばWH(Cが熱分解されることで形成される金属、例えばWが、形成される金属膜中の不純物となる、C、OまたはCOと結合して第2の金属カルボニル化合物を形成する。
【0078】
そこで、気相状態の前記第2の金属カルボニル化合物を、前記処理容器11から、被処理基板上から除去することで、形成される金属膜、例えばW膜中にC、O、COなどが残留する量を低減して、当該金属膜中の不純物の量を低減し、当該金属膜の比抵抗を小さくすることが可能となる。気相状態で前記処理容器11から前記ターボ分子ポンプ12および前記ドライポンプ13を介して排気される。
【0079】
その結果、形成される金属膜、例えばW膜中のC、O、もしくはCOなどの不純物の量を低減することが可能となり、当該金属膜の比抵抗値を低く抑えることが可能となる。
【0080】
前記第2の成膜方法においては、被処理基板に供給される金属化合物は、当該有機金属化合物を形成する金属が前記第1の金属カルボニル化合物を形成する金属、すなわち被処理基板上に形成される金属と同一の金属である。そのため、当該有機金属化合物が被処理基板上に形成される金属膜中に残留した場合でも、形成される金属膜の金属不純物となることがない。
【0081】
また、本実施例に記載した前記第2の成膜方法に用いることが可能な前記第1の金属カルボニル化合物および金属化合物と、その場合に形成される金属膜の組み合わせをの例を、図6に示す。
【0082】
図6を参照するに、例えば前記第1の金属カルボニル化合物にW(CO)を用いて、金属膜としてW膜を形成する場合、前記金属化合物に、例えばWH(Cのほかにも、W(CH、WH(CH)を用いることが可能であり、WH(Cを用いた場合と同様の効果を奏する。
【0083】
また、前記第1の成膜方法の場合と同様に、前記金属化合物が熱分解されて、前記第2の金属カルボニル化合物を形成する場合に同時に形成される副生成物である有機物、例えばCH、C、Cなどは熱分解されにくく、前記第1の金属カルボニル化合物の熱分解が開始される温度である150℃程度では分解されることが無い。そのため、前記有機物は熱分解され難く、気相状態で前記処理容器11から前記ターボ分子ポンプ12および前記ドライポンプ13を介して排気される。
【0084】
そのため、形成される金属膜中に副生成物である有機物を構成するCが取り込まれないため、前記金属膜中の不純物の量を増加させることが無く、当該金属膜の比抵抗を増大させることがない。
【0085】
また、本実施例による前記第2の成膜方法では、W膜以外の金属膜を形成することが可能であり、例えばV膜を形成性する場合を例にとると、前記第1の金属カルボニル化合物にV(CO)、前記金属化合物に、V(C、V(CH)(C、またはV(Cのいずれかを用いることにより、不純物量を低減した比抵抗値の小さい、V膜を形成することが可能となる。同様にして、不純物量を低減した比抵抗値の小さいNi膜、Cr膜、Mo膜、Re膜およびRu膜を形成することが可能となる。
[第4実施例]
次に、第2実施例に記載した前記第1の成膜方法を半導体装置の製造に適用した例を具体的に示す。図7は、前記第1の成膜方法を用いて形成した半導体装置200の一部である。
【0086】
図7を参照するに、シリコンからなる半導体基板上に形成されたMOSトランジスタなどの素子(図示せず)と電気的に接続されている、例えばWからなる配線層(図示せず)と、これに接続された、例えばCuからなる配線層201とが形成されている。
【0087】
前記配線層202上に形成された第1の絶縁層203には、例えばドライエッチングなどによって、ホール部203Aおよび配線溝部203Bが形成されている。
【0088】
前記ホール部203Aおよび配線溝部203Bの内壁面には、前記第1の成膜方法、具体的には図3に示した成膜方法によって形成されたWからなる、Cuのバリア膜204が形成され、さらに当該バリア膜204上にCu配線205が埋め込まれている。また、前記第1の絶縁層203の下にはCuキャップ層202、前記第1の絶縁層の上にはCuキャップ層206が形成されている。
【0089】
このようにして形成される、Cu配線は、次に示すようにいわゆる多層化が可能である。前記第1の絶縁層203の上には、前記Cuキャップ層206を介して第2の絶縁層207が形成される。
【0090】
そこで、第2の絶縁層207には、第1の絶縁層203の場合と同様に、ホール部207Aおよび配線溝部207Bが形成され、当該ホール部207Aおよび配線溝部207Bの内壁面には、前記第1の成膜方法によって形成されたWからなる、バリア膜208が形成され、さらに当該バリア膜208上にCu配線209が埋め込まれている。また、前記第2の絶縁層207の上にはCuキャップ層210が形成される。
【0091】
また、図7の半導体装置200では、第2実施例に記載した前記第1の成膜方法と同様にして、第3実施例に記載した前記第2の成膜方法においても同様に前記バリア膜204および208を形成することが可能である。
【0092】
このように、第2実施例または第3実施例に記載した金属膜の成膜方法を用いることにより、半導体装置における、アスペクト比の大きい、例えば前記ホール部203A、配線溝部203Bに、不純物の少ない、比抵抗値の小さいCuのバリア膜204を形成することが可能となる。また、不純物が少ないために、形成されるバリア膜の表面の平坦性を良好とすることができる。
【0093】
さらに、本発明を多層配線に適用すること可能であり、前記ホール部203A、配線溝部203Bの上層に形成された、前記ホール部207A、配線溝部207Bにも、同様に、Cuのバリア膜208を形成することが可能となる。また、さらに前記第2の絶縁層207の上層に絶縁層やCu配線を形成して多層化する場合も本発明を適用して、バリア膜を形成することが可能である。
【0094】
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明は上記の特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
【0095】
【発明の効果】
本発明では、金属カルボニル化合物を用いて被処理基板に金属膜を成膜する場合に、原料となる金属カルボニル化合物に加えて、さらに当該金属カルボニル化合物と異なる金属化合物を供給した。そのため、前記金属カルボニル化合物を構成する炭素および水素と、前記金属化合物を構成する金属が結合して別の金属カルボニル化合物を形成し、気相状態の当該別の金属カルボニル化合物が前記被処理基板から除去されることで、前記被処理基板上に形成される金属膜中に取り込まれる不純物である炭素と酸素の量が低減された。そのため、形成される金属膜の純度を上げて、当該金属膜の比抵抗値を低くすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は従来の金属膜の成膜方法、(B)〜(C)は本発明による成膜方法を模擬的に示した図である。
【図2】本発明による成膜方法を実施可能なCVD装置の例を概略的に示した図である。
【図3】成膜方法を示したフローチャートである。
【図4】金属カルボニル化合物と、形成される金属膜の組み合わせの例を示した図である。
【図5】金属カルボニル化合物の蒸気圧を示した図である。
【図6】金属カルボニル化合物、金属化合物および形成される金属膜の組み合わせを示した図である。
【図7】本発明による成膜方法を用いて形成された半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
10 CVD装置
11 処理容器
11A 基板保持台
11a ヒータ
11B シャワーヘッド
12 ターボ分子ポンプ
13 ドライポンプ
13A,13C,14A,14C,14d,15A,17A,17C,18A バルブ
13B,13D バイパスライン
14,17 バブラ
14B,14D,17B ライン
15,18 質量流量コントローラ
16 システムコントローラ
200 半導体装置
201,205,209 Cu配線
202,206,210 Cuキャップ層
203,207 絶縁層
203A,207A ホール部
203B,207B 配線溝部
204,208 バリア膜

Claims (15)

  1. 被処理基板に第1の金属を含む膜を成膜する成膜方法であって、
    前記被処理基板に、当該第1の金属を含む第1の金属カルボニル化合物を含む第1の処理ガスを供給する第1の工程と、
    前記被処理基板に前記第1の金属カルボニル化合物と異なる金属化合物を含む第2の処理ガスを供給する第2の工程と、
    前記第1の金属カルボニル化合物を構成する炭素と酸素が前記金属化合物を形成する第2の金属と結合して第2の金属カルボニル化合物が形成される第3の工程を含むことを特徴とする成膜方法。
  2. 前記第2の金属カルボニル化合物が前記第1の金属カルボニル化合物より蒸気圧が高いことを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
  3. 前記第1の金属カルボニル化合物はW(CO)であることを特徴とする請求項1または2記載の成膜方法。
  4. 前記金属化合物は有機金属化合物であり、前記第3の工程において前記有機金属化合物が分解することで生成される有機物の熱分解温度が、前記第1の金属カルボニル化合物の熱分解温度より高いことを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項記載の成膜方法。
  5. 前記金属化合物は、炭素と水素を含む有機金属化合物であることを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれか1項記載の成膜方法。
  6. 前記金属化合物は、炭素を含む環状構造を有する有機化合物であることを特徴とする請求項1〜5のうち、いずれか1項記載の成膜方法。
  7. 前記金属化合物は、ベンゼン環または5個の炭素原子からなる環状構造のいずれかを有する有機金属化合物であることを特徴とする請求項1〜6のうち、いずれか1項記載の成膜方法。
  8. 前記金属化合物は、Ni(CまたはCr(Cのいずれかであることを特徴とする請求項1〜7のうち、いずれか1項記載の成膜方法。
  9. 前記第1の金属カルボニル化合物はRu(CO)12であることを特徴とする請求項1または2記載の成膜方法。
  10. 前記第1の金属と前記第2の金属が同一であることを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
  11. 前記第1の金属カルボニル化合物はW(CO)であることを特徴とする請求項10記載の成膜方法。
  12. 前記金属化合物は有機金属化合物であり、前記第3の工程において前記有機金属化合物が分解することで生成される有機物の熱分解温度が、前記第1の金属カルボニル化合物の熱分解温度より高いことを特徴とする請求項10または11のうち、いずれか1項記載の成膜方法。
  13. 前記金属化合物は、炭素と水素を含む有機金属化合物であることを特徴とする請求項10〜12のうち、いずれか1項記載の成膜方法。
  14. 前記金属化合物はWH(C、W(CHおよびWH(CH)のいずれかであることを特徴とする請求項10〜13のうち、いずれか1項記載の成膜方法。
  15. 前記第1の処理ガスは不活性ガスからなるキャリアガスを含むことを特徴とする請求項1〜14のうち、いずれか1項記載の成膜方法。
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