JP2005027399A - 電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アクティブフィルタを有する電源装置において、負荷変動によりアクティブフィルタのスイッチングが停止しないようにして、スイッチング再開時の突入電流の発生をなくす。
【解決手段】交流電源1を整流回路2で直流電圧に変換してこれをアクティブフィルタ3で所定直流電圧とし、この所定直流電圧を平滑コンデンサ4によって平滑化して負荷5に印加する電源装置において、制御回路11は、予め外気温度検出回路10からの検出信号により負荷5の付近温度をで検出し、この検出外気温度が所定値以上であれば、負荷変動が大きいとしてアクティブフィルタ3の目標値を通常の値よりも高い値に設定する。これにより、出力直流電圧が目標値を超えず、アクティブフィルタ制御が停止することもない。
【選択図】 図1
【解決手段】交流電源1を整流回路2で直流電圧に変換してこれをアクティブフィルタ3で所定直流電圧とし、この所定直流電圧を平滑コンデンサ4によって平滑化して負荷5に印加する電源装置において、制御回路11は、予め外気温度検出回路10からの検出信号により負荷5の付近温度をで検出し、この検出外気温度が所定値以上であれば、負荷変動が大きいとしてアクティブフィルタ3の目標値を通常の値よりも高い値に設定する。これにより、出力直流電圧が目標値を超えず、アクティブフィルタ制御が停止することもない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブフィルタを備えた電源装置に関し、さらに詳しく言えば、負荷の状態に応じてアクティブフィルタの制御目標値を適切に制御する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アクティブフィルタを備えた電源装置の一般的な構成を図4に示す。この電源装置においては、交流電源1を整流回路2で直流電圧に変換してアクティブフィルタ3に入力し、アクティブフィルタ3で所定直流電圧を得て、これを平滑コンデンサ4で平滑化して負荷5に供給する。
【0003】
アクティブフィルタ3は、整流回路2の正出力ラインに昇圧チョークコイル3aおよびダイオード3bを直列に接続し、ダイオード3bのカソード側を平滑コンデンサ4の正端子に接続し、ダイオード3bのアノード側と整流回路2の負出力ラインとの間にスイッチング素子(IGBT)3cを接続してなる。
【0004】
この電源装置の制御回路6は、電力の有効利用、入力力率の改善効果を図るように、IGBT3cをオン、オフする制御信号(PWM信号のデューティ)を出力する一方、DC電圧検出回路7によってアクティブフィルタ3の出力直流電圧を検出してデューティを可変し、出力直流電圧を目標電圧(目標値)に制御する。
【0005】
なお、DC電圧検出回路7は、例えば分圧抵抗回路等を用いて負荷5の電圧を分圧して検出する。また、負荷5がインバータ回路によって駆動されるモータである場合、制御回路6はそのインバータ制御も実行する。
【0006】
例えば、負荷5としてのモータがシングルロータリー圧縮機で、インバータ制御方式を採用している場合について説明すると、制御回路6は、シングルロータリー圧縮機の弱点である低回転時の振動を抑えるために、モータ1回転中を複数区間に分割し、それぞれの位置におけるロータ加速度によって最適な電圧を与えるトルク制御を行う。特に、低回転時においては負荷変動が大きいことから、アクティブフィルタ制御とトルク制御とを同時に行うようにしている。
【0007】
このとき、図5(a)ないし(c)に示すように、負荷が重い状態から軽い状態になると、実際の出力電圧がアクティブフィルタ3の目標値(目標電圧)を超えることがある。制御回路6は、その出力電圧を検出するとともに、この出力電圧が目標電圧を超えたときに、IGBT3cをオフとし(同図(c)のk1,k2区間参照)、つまりアクティブフィルタ制御をオフにする。
【0008】
その後、出力電圧が目標値を下回ったときに、再びアクティブフィルタのスイッチングを開始し、アクティブフィルタ制御とトルク制御とを同時に行う。しかしながら、スイッチング開始前まではチョークコイル電流がほぼ一定値であったものが、IGBT3cのスイッチング再開により昇圧チョークコイル3aには突入電流が流れる(図5(d)参照)。
【0009】
この突入電流が流れる際に、耳障りな異音が発生するという欠点があり、この欠点によりアクティブフィルタ制御とトルク制御と同時に行うことを難しくしている。そこで、低回転時にトルク制御だけ行うようにすると、その突入電流が流れることもないが、力率改善等の目的が達成できなくなる。この点を解決するため、例えば特許文献1に記載の発明が提案されている。
【0010】
特許文献1の発明では、その第2の目的としてアクティブフィルタ動作の再起動時に、過大な電流を発生させることなく、直流出力電圧を一定範囲内に安定的に制御することを掲げている。その目的の達成手段が第2局面ないし第5局面に開示されている。
【0011】
これを簡単に説明すると、特許文献1に記載の発明は、負帰還制御回路および過電圧検出回路に特徴を有しており、過電圧検出回路は、出力電圧と過電圧レベルだけなく、その過電圧レベルよりも低いリセットレベルとも比較処理を行い、出力電圧がリセットレベルにまで降圧するまでは過電圧検出信号を出力し続け、出力電圧がリセットレベルに到達したときに、その過電圧検出信号の出力を停止する。
【0012】
負帰還制御回路は、過電圧検出信号が入力している間、制御電圧のデューティ比を0%としており、つまり負帰還制御回路が常にオン状態であり、出力電圧が過電圧レベルよりも低いリセットレベルにあるときに、スイッチング素子をオンすることから、このオン時に過大な突入電流が生じないようにしている。
【0013】
【特許文献1】
国際公開第WO99/17434号(第6−8頁、第2図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の発明にあっては、CPUの他に少なくとも負帰還制御回路を必要とし、しかもその回路が複雑なものであるため、コストアップは避けられない。特に、低コスト化の要求が強い空気調和機の分野では好ましくない。
【0015】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、負荷変動に応じて予め通常の目標値より高い最小目標値を設定可能とし、この最小目標値によりアクティブフィルタのスイッチングが停止しないようにして突入電流の発生をなくし、しかも低コストで実現することができるようにした電源装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、交流電源を整流手段で直流電圧に変換してアクティブフィルタに入力し、上記アクティブフィルタで所定の直流電圧を得、その直流電圧を平滑コンデンサで平滑化して負荷に与える電源装置において、上記負荷側で検出される情報によって上記アクティブフィルタを制御する目標値を変更する制御手段を備えていることを特徴としている。
【0017】
上記負荷側で検出される情報としては、負荷温度もしくはその周囲温度や負荷電流が挙げられる。上記制御手段は、負荷温度もしくはその周囲温度が所定値よりも高い場合、上記アクティブフィルタを制御する目標値を通常の目標値より高い値に設定する。また、負荷電流の変動幅が所定値よりも大きい場合にも、上記制御手段は、上記アクティブフィルタを制御する目標値を通常の目標値より高い値に設定する。
【0018】
上記負荷は限定されないが、特にエアコン室外機のコンプレッサモータである場合に本発明の特徴が活かされる。すなわち、エアコンのコンプレッサモータの場合、外気温度が高いほど負荷変動(トルク変動を含む)が大きいが、その負荷変動の大きさに応じて目標値を高めに設定することにより、アクティブフィルタのスイッチングが停止されず、アクティブフィルタ制御とトルク制御とを同時に行うことができる。
【0019】
また、負荷がエアコンのコンプレッサモータである場合、その回転数が所定値以下のとき負荷変動が大きいため、コンプレッサモータの回転数が所定値以下である場合に、上記アクティブフィルタを制御する目標値を通常の目標値より高い値に設定することが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1ないし図3を参照して詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、図1において、図4と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略し、図2は図5のタイムチャートに対応している。
【0021】
本発明の電源装置は、例えば負荷がエアコンのコンプレッサモータである場合、外気温度が高いと、負荷の変動が大きくなることから、予めその外気温度に応じてアクティブフィルタの目標値を通常の目標電圧よりも高く設定することにより、アクティブフィルタのスイッチングを停止させることなく、アクティブフィルタ制御とトルク制御を同時に行う。
【0022】
図1に示すように、この電源装置は、外気温度Tを検出するためのセンサを含む外気温度検出部10と、この外気温度検出部10からの検出信号により外気温度を検出し、この外気温度Tに応じて予め目標電圧を変更する制御回路(CPU等)11とを備えている。なお、制御回路11は、図4に示す制御回路6の機能も備えている。また、負荷5がエアコン室外機のコンプレッサである場合、その室外機に既に備えられている外気温度検出部を用いればよい。
【0023】
この電源装置の動作を図2のフローチャート図および図3のタイムチャート図を参照して説明すると、まず、制御回路11は負荷5の制御開始に先立ち、あるいはその制御中に図2のルーチンを実行する。
【0024】
外気温度検出部10からの検出信号により外気温度Tを検出し(ステップST1)、この外気温度Tが所定値A(負荷5が室外機コンプレッサ空気調和機であれば、例えば夏場の高温を想定した36℃)以上であるか否かを判断する(ステップST2)。
【0025】
続いて、外気温度Tが所定値A以上であれば、最小目標値を所定値B(例えば230V)に設定し(ステップST3)、外気温度Tが所定値Aより低ければ、最小目標値を所定値Bより低い所定値C(例えば210V)に設定する(ステップST4)。すなわち、外気温度Tが高いほど、負荷変動が大きくなるからである。
【0026】
なお、その最小目標値(230Vあるいは210V)は低回転時の制御における通常の目標電圧155Vより高い値に決める。また、その最小目標値は230Vあるいは210Vの2段階としているが、それ以上にしてもよい。この場合、負荷変動に見合った目標値を設定することにより、アクティブフィルタの制御がより適切に行われ、例えば回路への余分が負担がかからずに済む。
【0027】
外気温度Tが高いときには負荷変動が大きく、負荷5が急激に軽くなったときに、出力直流電圧が高くなっても(図3(a)参照)、予め設定された最小目標値が用いられるため(図3(b)参照)、その出力直流電圧が最小目標値を超えることもない。つまり、アクティブフィルタ3のスイッチングが停止することもない(同図(c)参照)。
【0028】
このように、アクティブフィルタ3のスイッチングが停止しなくなることから、昇圧チョークコイル3aには突入電流が流れることもなく、耳障りな異音をなくし、しかも複雑な回路や高コストの回路を追加する必要もない。
【0029】
また、アクティブフィルタ制御とトルク制御とを同時に行えるようになり、特にコンプレッサの低回転時における負荷変動が大きい場合に適用することにより、その低回転制御を容易とし効率向上を図ることができる。
【0030】
上記の例では、負荷5としてエアコン室外機のコンプレッサモータを想定していることから、外気温度に応じて最小目標値を設定するようにしているが、例えば他の負荷である場合、その負荷付近の温度(あるいは雰囲気温度)を温度検出手段で検出するようにしてもよい。
【0031】
また、負荷電流により負荷変動の大きさを判断し、この負荷変動が大きいときに上述した最小目標値を設定するようにしてもよい。この場合、負荷電流を検出する電流検出手段を設け、一定間隔で負荷電流を検出して最小値と最大値との差の大きさにより負荷変動の大きさを判断するとよい。
【0032】
さらに、低回転時において負荷変動が大きいことから、上述した最小目標値を設定する条件としては、所定回転数以下を付加するようにしてもよい。すなわち、回転数がある程度高ければ、回転慣性により回転が安定化し、つまり負荷変動が小さいからである。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、アクティブフィルタを有する電源装置において、アクティブフィルタを制御する目標値を負荷変動に応じて予め通常の目標値より高い最小目標値に設定可能としたことにより、アクティブフィルタのスイッチングが停止しないようにして突入電流の発生をなくすことができる。
【0034】
また、負荷としてエアコン室外機のコンプレッサモータを想定した場合、外気温度が高く負荷変動の大きい低回転時においても、アクティブフィルタ制御とトルク制御とを同時に行え、コンプレッサモータを最適に回転制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電源装置を示す概略的な回路図。
【図2】上記電源装置の動作を説明する概略的フローチャート。
【図3】上記電源装置の動作を説明する概略的タイムチャート。
【図4】従来のアクティブフィルタを有する電源装置を示す概略的な回路図。
【図5】上記従来の電源装置の動作を説明する概略的タイムチャート。
【符号の説明】
1 交流電源
2 整流回路
3 アクティブフィルタ
3a 昇圧チョークコイル
3b ダイオード
3c スイッチング素子(IGBT)
4 平滑コンデンサ
5 負荷
10 外気温度検出部
11 制御回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブフィルタを備えた電源装置に関し、さらに詳しく言えば、負荷の状態に応じてアクティブフィルタの制御目標値を適切に制御する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アクティブフィルタを備えた電源装置の一般的な構成を図4に示す。この電源装置においては、交流電源1を整流回路2で直流電圧に変換してアクティブフィルタ3に入力し、アクティブフィルタ3で所定直流電圧を得て、これを平滑コンデンサ4で平滑化して負荷5に供給する。
【0003】
アクティブフィルタ3は、整流回路2の正出力ラインに昇圧チョークコイル3aおよびダイオード3bを直列に接続し、ダイオード3bのカソード側を平滑コンデンサ4の正端子に接続し、ダイオード3bのアノード側と整流回路2の負出力ラインとの間にスイッチング素子(IGBT)3cを接続してなる。
【0004】
この電源装置の制御回路6は、電力の有効利用、入力力率の改善効果を図るように、IGBT3cをオン、オフする制御信号(PWM信号のデューティ)を出力する一方、DC電圧検出回路7によってアクティブフィルタ3の出力直流電圧を検出してデューティを可変し、出力直流電圧を目標電圧(目標値)に制御する。
【0005】
なお、DC電圧検出回路7は、例えば分圧抵抗回路等を用いて負荷5の電圧を分圧して検出する。また、負荷5がインバータ回路によって駆動されるモータである場合、制御回路6はそのインバータ制御も実行する。
【0006】
例えば、負荷5としてのモータがシングルロータリー圧縮機で、インバータ制御方式を採用している場合について説明すると、制御回路6は、シングルロータリー圧縮機の弱点である低回転時の振動を抑えるために、モータ1回転中を複数区間に分割し、それぞれの位置におけるロータ加速度によって最適な電圧を与えるトルク制御を行う。特に、低回転時においては負荷変動が大きいことから、アクティブフィルタ制御とトルク制御とを同時に行うようにしている。
【0007】
このとき、図5(a)ないし(c)に示すように、負荷が重い状態から軽い状態になると、実際の出力電圧がアクティブフィルタ3の目標値(目標電圧)を超えることがある。制御回路6は、その出力電圧を検出するとともに、この出力電圧が目標電圧を超えたときに、IGBT3cをオフとし(同図(c)のk1,k2区間参照)、つまりアクティブフィルタ制御をオフにする。
【0008】
その後、出力電圧が目標値を下回ったときに、再びアクティブフィルタのスイッチングを開始し、アクティブフィルタ制御とトルク制御とを同時に行う。しかしながら、スイッチング開始前まではチョークコイル電流がほぼ一定値であったものが、IGBT3cのスイッチング再開により昇圧チョークコイル3aには突入電流が流れる(図5(d)参照)。
【0009】
この突入電流が流れる際に、耳障りな異音が発生するという欠点があり、この欠点によりアクティブフィルタ制御とトルク制御と同時に行うことを難しくしている。そこで、低回転時にトルク制御だけ行うようにすると、その突入電流が流れることもないが、力率改善等の目的が達成できなくなる。この点を解決するため、例えば特許文献1に記載の発明が提案されている。
【0010】
特許文献1の発明では、その第2の目的としてアクティブフィルタ動作の再起動時に、過大な電流を発生させることなく、直流出力電圧を一定範囲内に安定的に制御することを掲げている。その目的の達成手段が第2局面ないし第5局面に開示されている。
【0011】
これを簡単に説明すると、特許文献1に記載の発明は、負帰還制御回路および過電圧検出回路に特徴を有しており、過電圧検出回路は、出力電圧と過電圧レベルだけなく、その過電圧レベルよりも低いリセットレベルとも比較処理を行い、出力電圧がリセットレベルにまで降圧するまでは過電圧検出信号を出力し続け、出力電圧がリセットレベルに到達したときに、その過電圧検出信号の出力を停止する。
【0012】
負帰還制御回路は、過電圧検出信号が入力している間、制御電圧のデューティ比を0%としており、つまり負帰還制御回路が常にオン状態であり、出力電圧が過電圧レベルよりも低いリセットレベルにあるときに、スイッチング素子をオンすることから、このオン時に過大な突入電流が生じないようにしている。
【0013】
【特許文献1】
国際公開第WO99/17434号(第6−8頁、第2図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の発明にあっては、CPUの他に少なくとも負帰還制御回路を必要とし、しかもその回路が複雑なものであるため、コストアップは避けられない。特に、低コスト化の要求が強い空気調和機の分野では好ましくない。
【0015】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、負荷変動に応じて予め通常の目標値より高い最小目標値を設定可能とし、この最小目標値によりアクティブフィルタのスイッチングが停止しないようにして突入電流の発生をなくし、しかも低コストで実現することができるようにした電源装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、交流電源を整流手段で直流電圧に変換してアクティブフィルタに入力し、上記アクティブフィルタで所定の直流電圧を得、その直流電圧を平滑コンデンサで平滑化して負荷に与える電源装置において、上記負荷側で検出される情報によって上記アクティブフィルタを制御する目標値を変更する制御手段を備えていることを特徴としている。
【0017】
上記負荷側で検出される情報としては、負荷温度もしくはその周囲温度や負荷電流が挙げられる。上記制御手段は、負荷温度もしくはその周囲温度が所定値よりも高い場合、上記アクティブフィルタを制御する目標値を通常の目標値より高い値に設定する。また、負荷電流の変動幅が所定値よりも大きい場合にも、上記制御手段は、上記アクティブフィルタを制御する目標値を通常の目標値より高い値に設定する。
【0018】
上記負荷は限定されないが、特にエアコン室外機のコンプレッサモータである場合に本発明の特徴が活かされる。すなわち、エアコンのコンプレッサモータの場合、外気温度が高いほど負荷変動(トルク変動を含む)が大きいが、その負荷変動の大きさに応じて目標値を高めに設定することにより、アクティブフィルタのスイッチングが停止されず、アクティブフィルタ制御とトルク制御とを同時に行うことができる。
【0019】
また、負荷がエアコンのコンプレッサモータである場合、その回転数が所定値以下のとき負荷変動が大きいため、コンプレッサモータの回転数が所定値以下である場合に、上記アクティブフィルタを制御する目標値を通常の目標値より高い値に設定することが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1ないし図3を参照して詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、図1において、図4と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略し、図2は図5のタイムチャートに対応している。
【0021】
本発明の電源装置は、例えば負荷がエアコンのコンプレッサモータである場合、外気温度が高いと、負荷の変動が大きくなることから、予めその外気温度に応じてアクティブフィルタの目標値を通常の目標電圧よりも高く設定することにより、アクティブフィルタのスイッチングを停止させることなく、アクティブフィルタ制御とトルク制御を同時に行う。
【0022】
図1に示すように、この電源装置は、外気温度Tを検出するためのセンサを含む外気温度検出部10と、この外気温度検出部10からの検出信号により外気温度を検出し、この外気温度Tに応じて予め目標電圧を変更する制御回路(CPU等)11とを備えている。なお、制御回路11は、図4に示す制御回路6の機能も備えている。また、負荷5がエアコン室外機のコンプレッサである場合、その室外機に既に備えられている外気温度検出部を用いればよい。
【0023】
この電源装置の動作を図2のフローチャート図および図3のタイムチャート図を参照して説明すると、まず、制御回路11は負荷5の制御開始に先立ち、あるいはその制御中に図2のルーチンを実行する。
【0024】
外気温度検出部10からの検出信号により外気温度Tを検出し(ステップST1)、この外気温度Tが所定値A(負荷5が室外機コンプレッサ空気調和機であれば、例えば夏場の高温を想定した36℃)以上であるか否かを判断する(ステップST2)。
【0025】
続いて、外気温度Tが所定値A以上であれば、最小目標値を所定値B(例えば230V)に設定し(ステップST3)、外気温度Tが所定値Aより低ければ、最小目標値を所定値Bより低い所定値C(例えば210V)に設定する(ステップST4)。すなわち、外気温度Tが高いほど、負荷変動が大きくなるからである。
【0026】
なお、その最小目標値(230Vあるいは210V)は低回転時の制御における通常の目標電圧155Vより高い値に決める。また、その最小目標値は230Vあるいは210Vの2段階としているが、それ以上にしてもよい。この場合、負荷変動に見合った目標値を設定することにより、アクティブフィルタの制御がより適切に行われ、例えば回路への余分が負担がかからずに済む。
【0027】
外気温度Tが高いときには負荷変動が大きく、負荷5が急激に軽くなったときに、出力直流電圧が高くなっても(図3(a)参照)、予め設定された最小目標値が用いられるため(図3(b)参照)、その出力直流電圧が最小目標値を超えることもない。つまり、アクティブフィルタ3のスイッチングが停止することもない(同図(c)参照)。
【0028】
このように、アクティブフィルタ3のスイッチングが停止しなくなることから、昇圧チョークコイル3aには突入電流が流れることもなく、耳障りな異音をなくし、しかも複雑な回路や高コストの回路を追加する必要もない。
【0029】
また、アクティブフィルタ制御とトルク制御とを同時に行えるようになり、特にコンプレッサの低回転時における負荷変動が大きい場合に適用することにより、その低回転制御を容易とし効率向上を図ることができる。
【0030】
上記の例では、負荷5としてエアコン室外機のコンプレッサモータを想定していることから、外気温度に応じて最小目標値を設定するようにしているが、例えば他の負荷である場合、その負荷付近の温度(あるいは雰囲気温度)を温度検出手段で検出するようにしてもよい。
【0031】
また、負荷電流により負荷変動の大きさを判断し、この負荷変動が大きいときに上述した最小目標値を設定するようにしてもよい。この場合、負荷電流を検出する電流検出手段を設け、一定間隔で負荷電流を検出して最小値と最大値との差の大きさにより負荷変動の大きさを判断するとよい。
【0032】
さらに、低回転時において負荷変動が大きいことから、上述した最小目標値を設定する条件としては、所定回転数以下を付加するようにしてもよい。すなわち、回転数がある程度高ければ、回転慣性により回転が安定化し、つまり負荷変動が小さいからである。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、アクティブフィルタを有する電源装置において、アクティブフィルタを制御する目標値を負荷変動に応じて予め通常の目標値より高い最小目標値に設定可能としたことにより、アクティブフィルタのスイッチングが停止しないようにして突入電流の発生をなくすことができる。
【0034】
また、負荷としてエアコン室外機のコンプレッサモータを想定した場合、外気温度が高く負荷変動の大きい低回転時においても、アクティブフィルタ制御とトルク制御とを同時に行え、コンプレッサモータを最適に回転制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電源装置を示す概略的な回路図。
【図2】上記電源装置の動作を説明する概略的フローチャート。
【図3】上記電源装置の動作を説明する概略的タイムチャート。
【図4】従来のアクティブフィルタを有する電源装置を示す概略的な回路図。
【図5】上記従来の電源装置の動作を説明する概略的タイムチャート。
【符号の説明】
1 交流電源
2 整流回路
3 アクティブフィルタ
3a 昇圧チョークコイル
3b ダイオード
3c スイッチング素子(IGBT)
4 平滑コンデンサ
5 負荷
10 外気温度検出部
11 制御回路
Claims (5)
- 交流電源を整流手段で直流電圧に変換してアクティブフィルタに入力し、上記アクティブフィルタで所定の直流電圧を得、その直流電圧を平滑コンデンサで平滑化して負荷に与える電源装置において、
上記負荷側で検出される情報によって上記アクティブフィルタを制御する目標値を変更する制御手段を備えていることを特徴とする電源装置。 - 上記負荷側で検出される情報が同負荷の温度もしくはその周囲温度であり、上記制御手段は、上記温度もしくは周囲温度が所定値よりも高い場合、上記アクティブフィルタを制御する目標値を通常の目標値より高い値に設定する請求項1に記載の電源装置。
- 上記負荷側で検出される情報が負荷電流であり、上記制御手段は、上記負荷電流の変動幅が所定値よりも大きい場合、上記アクティブフィルタを制御する目標値を通常の目標値より高い値に設定する請求項1に記載の電源装置。
- 上記負荷がトルク制御とアクティブフィルタ制御とにより制御されるエアコン室外機のコンプレッサモータであり、トルク変動が大きい場合に、上記アクティブフィルタを制御する目標値を通常の目標値より高い値に設定する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電源装置。
- 上記負荷がエアコン室外機のコンプレッサモータであり、上記制御手段は、上記コンプレッサモータの回転数が所定値以下である場合、上記アクティブフィルタを制御する目標値を通常の目標値より高い値に設定する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電源装置。
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---|---|---|---|
JP2003188473A JP2005027399A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 電源装置 |
Publications (1)
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JP2005027399A true JP2005027399A (ja) | 2005-01-27 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003188473A Withdrawn JP2005027399A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 電源装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018073970A1 (ja) * | 2016-10-21 | 2018-04-26 | 三菱電機株式会社 | コンバータ制御装置およびコンバータ制御方法 |
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2003
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WO2018073970A1 (ja) * | 2016-10-21 | 2018-04-26 | 三菱電機株式会社 | コンバータ制御装置およびコンバータ制御方法 |
JPWO2018073970A1 (ja) * | 2016-10-21 | 2019-01-24 | 三菱電機株式会社 | コンバータ制御装置およびコンバータ制御方法 |
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