JP2005027126A - 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、そのプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、そのプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】色変換処理部11は、各色成分毎に、描画する画像の面積と、用紙の明度L*との差(明度差)とを求め、その面積及び明度差に基づいて、色成分毎の目立ち易さ、すなわちスクリーン視認値を算出する。スクリーン処理部13は、算出されたスクリーン視認値に基づいて色成分毎にスクリーン角度を設定し、これに基づいてスクリーン処理を行う。例えば、スクリーン視認値の最大値の色に対しては、最も視覚特性を低くする45°又は45°に最も近いスクリーン角度を割り当て、以降、スクリーン視認値の大きさ順に45°に近いスクリーン角度を割り当てる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、そのプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体に関し、特に万線スクリーンを用いてスクリーニング(網掛け又はスクリーン処理ともいう)を実行する際に色毎にスクリーン角度が異なるスクリーンを用いる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、そのプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式のプリンタは、出力モードや実際に画像を出力するIOT(Image Output Terminal:画像出力装置)の特性等を考慮して、画像を表現する色材(例えばCMYK)毎にスクリーン処理に用いるパラメータ(これをスクリーンパラメータという)が割り当てられている。また、スクリーンパラメータにはスクリーン角度等のスクリーンの情報が含まれている。
【0003】
スクリーン角度は、それぞれの角度によってユーザに与える視覚特性が異なる。このため、画像を表現する色材(例えばCMYK)それぞれが持つ視感濃度と視覚特性との関係を考慮してスクリーン角度を決める必要がある。
【0004】
ここで「視覚特性」とは、角度を変えることでスクリーンパターンが強く見えたり、弱く見えたりと変化する人間の目の特性を表す尺度である。例えば、スクリーン角度が0°及び90°のスクリーンパターンの視覚特性が最も強く、スクリーン角度が45°のスクリーンパターンの視覚特性が最も弱い。また「視感濃度」とは、色材毎の濃度の感じ方を表す尺度であり、同じ濃度であってもその色によって濃く感じたり、また薄く感じたりと変化する特性を表す尺度である。例えば、CMYK色空間では、黒(Black)の視感濃度が最も高く、黄(Yellow)の視感濃度が最も低い。
【0005】
上記のように、色材毎のスクリーン角度を制御してスクリーン処理を行うことにより良好な画質再現を実現する従来技術としては、特許文献1が開示するところの技術が存在する。
【0006】
特許文献1は、線分により構成される画像を再現する際、その線分の色を再現するために使用する複数の色材のうち、消失を避けるべき色(最大色)のスクリーン処理を、線分の描画方向と異なるスクリーン角度を持つスクリーンを用いて行うように構成されている。これにより、本従来技術では、画像を構成する線分と最大色のスクリーンパターンとにより生じる干渉を抑制して、上記の線分の消失を抑えることが可能としていた。
【0007】
また一般的に、網点等のスクリーンパターンにより画像を描画する場合、スクリーン角度を45°にしてスクリーン処理を行うと、スクリーンパターンの視覚特性が弱くなり(網点等の周期的パターンが目立たなくなり)、なめらかで良好な画質の画像を再現できることが知られている。
【0008】
複数の色材で画像を再現する場合、例えばCMYKの各色成分で画像を用紙などの画像形成媒体上に描画する場合、各色のスクリーン角度は、一般的にC(シアン)が15°(75°)、M(マゼンダ)が75°(15°)、Y(イエロー)が0°、K(黒)が45°で設定されることが多い。これは、視感濃度の比較的高い色(K)に視覚特性の弱いスクリーン角度(45°)を設定し、視感濃度の比較的低い色(Y)に視覚特性の強いスクリーン角度(0°)を設定することで、スクリーンパターンの視覚特性を低下させるためである。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−262113号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、画像データによっては視感濃度の低い色が大半を占めるものも存在する。このような場合、前述した視感濃度の高低と視覚特性の強弱による組み合せを用いたスクリーン角度のパラメータでは、最も目立つ色が視覚特性の最も弱いスクリーン角度に設定されていないことがあり、その画像を最良な画質で再現できない可能性があった。
【0011】
また、特許文献1では、画像上に描画される線分方向と異なるように、最も目立つ色材色のスクリーン角度を制御する技術が開示されているが、スクリーンの視覚特性を弱くするように(網点等の周期的パターンが目立たなくなるように)、最も目立つ色材色のスクリーン角度を制御することは不可能であった。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、画像を複数の色で再現する場合でも、全ての色材で良好な画質を得られることが可能な画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、そのプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明は、請求項1記載のように、画像データを色成分毎にスクリーン処理するスクリーン処理手段を有する画像処理装置であって、前記色成分毎の視認性の高さを検出する視認性検出手段を有し、前記スクリーン処理手段が前記視認性検出手段で検出された視認性の高さに基づいて前記スクリーン処理で使用するパラメータを設定するように構成される。色成分毎の視認性の高さを検出し、これに基づいてスクリーン処理で使用するパラメータを設定することで、例えば視認性の高い色成分に対するスクリーン処理に網点の目立たないスクリーンパラメータを用いることが可能となる。すなわち、網点等の周期性を持つパターンが全ての色成分において目立っていない、良好な画質を得ることが可能となる。
【0014】
また、請求項1記載の前記画像処理装置は、請求項2記載のように、前記パラメータが前記スクリーン処理で使用するスクリーンの角度を設定するためのスクリーン角度を含み、前記スクリーン処理手段が前記視認性が最も高い色成分に対するスクリーン処理で使用するスクリーン角度に、他の色成分に対するスクリーン処理で使用するスクリーン角度よりも45°に近いスクリーン角度を設定するように構成されることが好ましい。網点等の周期的なパターンが最も目立たなくなるスクリーン角度は、45°である。そこで、より視認性の高い色成分に対するスクリーン処理で、より45°に近いスクリーン角度のスクリーンを使用することで、効率的に周期的なパターンの目立ちを抑制することが可能となる。
【0015】
また、請求項1記載の前記画像処理装置は、請求項3記載のように、前記色成分がイエロー(Y)を含み、前記スクリーン処理手段が前記色成分毎のスクリーン処理で使用するスクリーン角度のうち最も45°に近いスクリーン角度をイエロー(Y)以外の色成分に対するスクリーン処理に設定するように構成されることが好ましい。一般的にイエロー(Y)は網点等の周期的なパターンが目立たない色成分である。そこで、イエロー(Y)に対するスクリーン処理に、周期的なパターンの視覚特性を最も低下させる45°に最も近いスクリーン角度を使用しないように構成することで、他の色成分で効果的に周期的なパターンが目立つことを抑制することが可能となる。
【0016】
また、本発明は、請求項4記載のように、画像データを予め設定されたパラメータに基づいて色成分毎にスクリーン処理するスクリーン処理手段を有する画像処理装置であって、前記色成分毎の視認性の高さを検出する視認性検出手段を有し、前記パラメータが前記スクリーン処理で使用するスクリーンの角度を設定するためのスクリーン角度を含み、前記スクリーン処理手段が前記検出手段で検出された視認性の高さに基づいて前記スクリーン処理で使用するスクリーン角度を変更するように構成される。色成分毎の視認性の高さを検出し、これに基づいてスクリーン処理で使用するパラメータを変更することで、例えば視認性の高い色成分に対するスクリーン処理に網点の目立たないスクリーンパラメータを用いることが可能となる。すなわち、網点等の周期性を持つパターンが全ての色成分において目立っていない、良好な画質を得ることが可能となる。
【0017】
また、請求項4記載の前記画像処理装置は、請求項5記載のように、前記スクリーン処理手段が前記色成分毎に設定されたスクリーン角度のうち45°に最も近いスクリーン角度が設定された色成分の視認性が予め設定された所定の閾値よりも低い場合、前記45°に最も近いスクリーン角度を他の色成分に対するスクリーン処理に使用することが好ましい。初期状態やデフォルトの状態等で45°のスクリーン角度が設定された色成分の視認性がある程度低い場合、すなわち、元来周期的なパターンが目立たない場合、45°のスクリーン角度を他の色成分に対するスクリーン処理で使用するように構成することで、他の色成分で効果的に周期的なパターンが目立つことを抑制することが可能となる。
【0018】
また、請求項5記載の前記画像処理装置は、請求項6記載のように、前記色成分がイエロー(Y)を含み、前記他の色成分がイエロー(Y)以外であることが好ましい。一般的にイエロー(Y)は網点等の周期的なパターンが目立たない色成分である。そこで、イエロー(Y)に対するスクリーン処理に、周期的なパターンの視覚特性を最も低下させる45°に最も近いスクリーン角度を使用しないように構成することで、他の色成分で効果的に周期的なパターンが目立つことを抑制することが可能となる。
【0019】
また、請求項4記載の前記画像処理装置は、請求項7記載のように、前記スクリーン処理手段が画素の濃度が所定の値よりも大きい又は小さい色成分に対するスクリーン処理で使用するスクリーン角度を変更しないことが好ましい。例えば濃度が0%や100%の場合、若しくはこれに近い値の場合、その色成分を描画した画像はべた塗り又は網点が無い状態若しくはこれに近い状態となる。このような画像では元来周期的なパターンが発生しない。そこで、周期的なパターンの視覚特性を最も低下させる45°に最も近いスクリーン角度を、上記のような色成分に対するスクリーン処理で使用しないように構成することで、他の色成分で効果的に周期的なパターンが目立つことを抑制することが可能となる。
【0020】
また、請求項1又は請求項4記載の前記画像処理装置は、例えば請求項8記載のように、前記視認性検出手段が前記画像データを出力する用紙の明度に対する前記色成分毎の明度差と、前記画像データにおける該色成分毎の面積とに基づいて前記視認値を算出するように構成することができる。色成分毎の用紙の色との明度差を求め、これに基づいて色成分毎の面積に重み付けをした値を視認性とすることで、人間の本来持つ視覚特性を的確に考慮してスクリーン角度を設定することが可能となる。
【0021】
また、本発明は、請求項9記載のように、請求項1から請求項8の何れか1項に記載の前記画像処理装置と、前記画像処理装置で処理された画像データを印刷出力する画像出力装置とを有する画像形成装置である。以上のように作用する画像処理装置を用いて画像形成装置を構成することで、網点等の周期性を持つパターンが全ての色成分において目立っていない、良好な画質を得ることが可能となる。
【0022】
また、本発明は、請求項10記載のように、画像データを色成分毎にスクリーン処理する第1のステップを有する画像処理方法であって、前記色成分毎の視認性の高さを検出する第2のステップと、前記第1のステップで検出された視認性の高さに基づいて前記スクリーン処理で使用するパラメータを設定する第3のステップとを有して構成される。色成分毎の視認性の高さを検出し、これに基づいてスクリーン処理で使用するパラメータを設定することで、例えば視認性の高い色成分に対するスクリーン処理に網点の目立たないスクリーンパラメータを用いてスクリーン処理を行うことが可能となる。すなわち、網点等の周期性を持つパターンが全ての色成分において目立っていない、良好な画質を得ることが可能となる。
【0023】
また、請求項10記載の前記画像処理方法は、請求項11記載のように、前記パラメータが前記スクリーン処理で使用するスクリーンの角度を設定するためのスクリーン角度を含み、前記第3のステップが前記視認性が最も高い色成分に対するスクリーン処理で使用するスクリーン角度に、他の色成分に対するスクリーン処理で使用するスクリーン角度よりも45°に近いスクリーン角度を設定するように構成されることが好ましい。網点等の周期的なパターンが最も目立たなくなるスクリーン角度は、45°である。そこで、より視認性の高い色成分に対するスクリーン処理で、より45°に近いスクリーン角度のスクリーンを使用することで、効率的に周期的なパターンの目立ちを抑制することが可能となる。
【0024】
また、本発明は、請求項12記載のように、画像データを予め設定されたパラメータに基づいて色成分毎にスクリーン処理する第1のステップを有する画像処理方法であって、前記パラメータが前記スクリーン処理で使用するスクリーンの角度を設定するためのスクリーン角度を含み、前記色成分毎の視認性の高さを検出する第2のステップと、前記第2のステップで検出された視認性の高さに基づいて前記色成分毎に設定されたスクリーン角度を変更する第3のステップとを有して構成される。色成分毎の視認性の高さを検出し、これに基づいてスクリーン処理で使用するパラメータを変更することで、例えば視認性の高い色成分に対するスクリーン処理に網点の目立たないスクリーンパラメータを用いてスクリーン処理を実行することが可能となる。すなわち、網点等の周期性を持つパターンが全ての色成分において目立っていない、良好な画質を得ることが可能となる。
【0025】
また、請求項12記載の前記画像処理方法は、請求項13記載のように、前記第3のステップが前記色成分毎に設定されたスクリーン角度のうち45°に最も近いスクリーン角度が設定された色成分の視認性が予め設定された所定の閾値よりも低い場合、前記45°に最も近いスクリーン角度を他の色成分に対するスクリーン処理に設定するように構成されることが好ましい。初期状態やデフォルトの状態等で45°のスクリーン角度が設定された色成分の視認性がある程度低い場合、すなわち、元来周期的なパターンが目立たない場合、45°のスクリーン角度を他の色成分に対するスクリーン処理で使用するように構成することで、他の色成分で効果的に周期的なパターンが目立つことを抑制することが可能となる。
【0026】
また、本発明は、請求項14記載のように、画像データを色成分毎にスクリーン処理するコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記色成分毎の視認性の高さを検出する視認性検出処理と、前記視認性検出処理で検出された視認性の高さに基づいて前記スクリーン処理で使用するパラメータを設定するパラメータ設定処理とを前記コンピュータに実行させる。色成分毎の視認性の高さを検出し、これに基づいてスクリーン処理で使用するパラメータを設定することで、例えば視認性の高い色成分に対するスクリーン処理に網点の目立たないスクリーンパラメータを用いてスクリーン処理を行うことが可能となる。すなわち、網点等の周期性を持つパターンが全ての色成分において目立っていない、良好な画質を得ることが可能となる。
【0027】
また、請求項14記載の前記プログラムは、請求項15記載のように、前記パラメータが前記スクリーン処理で使用するスクリーンの角度を設定するためのスクリーン角度を含み、前記パラメータ設定処理が前記視認性が最も高い色成分に対するスクリーン処理で使用するスクリーン角度に、他の色成分に対するスクリーン処理で使用するスクリーン角度よりも45°に近いスクリーン角度を設定するように構成されることが好ましい。網点等の周期的なパターンが最も目立たなくなるスクリーン角度は、45°である。そこで、より視認性の高い色成分に対するスクリーン処理で、より45°に近いスクリーン角度のスクリーンを使用することで、効率的に周期的なパターンの目立ちを抑制することが可能となる。
【0028】
また、本発明は、請求項16記載のように、画像データを予め設定されたパラメータに基づいて色成分毎にスクリーン処理するコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記パラメータが前記スクリーン処理で使用するスクリーンの角度を設定するためのスクリーン角度を含み、前記色成分毎の視認性の高さを検出する視認性検出処理と、前記視認性検出処理で検出された視認性の高さに基づいて前記色成分毎に設定されたスクリーン角度を変更するスクリーン角度変更処理とを前記コンピュータに実行させる。色成分毎の視認性の高さを検出し、これに基づいてスクリーン処理で使用するパラメータを変更することで、例えば視認性の高い色成分に対するスクリーン処理に網点の目立たないスクリーンパラメータを用いてスクリーン処理を実行することが可能となる。すなわち、網点等の周期性を持つパターンが全ての色成分において目立っていない、良好な画質を得ることが可能となる。
【0029】
また、請求項16記載の前記プログラムは、請求項17記載のように、前記スクリーン角度変更処理が前記色成分毎に設定されたスクリーン角度のうち45°に最も近いスクリーン角度が設定された色成分の視認性が予め設定された所定の閾値よりも低い場合、前記45°に最も近いスクリーン角度を他の色成分に対するスクリーン処理に設定するように構成されることが好ましい。初期状態やデフォルトの状態等で45°のスクリーン角度が設定された色成分の視認性がある程度低い場合、すなわち、元来周期的なパターンが目立たない場合、45°のスクリーン角度を他の色成分に対するスクリーン処理で使用するように構成することで、他の色成分で効果的に周期的なパターンが目立つことを抑制することが可能となる。
【0030】
また、本発明は、請求項18記載のように、請求項14から請求項17の何れか1項に記載の前記プログラムを記録した記録媒体である。以上のようにコンピュータを機能させるプログラムを記録媒体に記録することで、これを広く頒布することが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を好適に実施した形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0032】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置(プリンタ10)とホストコンピュータ(以下、ホストPCという)20との概略構成を示す図である。図1に示すように、プリンタ10とホストPC20とは、LAN(Local Area Network)やパラレル回線やシリアル回線等のネットワークを介して接続されている。
【0033】
プリンタ10は、ホストPC20から入力される印刷命令(画像データ)に基づいて画像処理を実行し、これを用紙等の印刷媒体に出力する。これを実現するために、プリンタ10は、ホストPC20から入力される印刷命令に基づいて画像処理を実行する画像処理部10aと、画像処理部10aから出力されたパルスデータに基づいて印刷出力を実行する画像出力部10bとを有する。
【0034】
画像処理部10aは、色変換処理部11と階調補正処理部12とスクリーン処理部13とを有する。画像出力部10bは、IOT(Image OutputTerminal)14とを有する。尚、画像処理部10aは、ROM(Read Only Memory)やハードディスクドライブ等の記憶装置に記憶された色変換処理部11,階調補正処理部12及びスクリーン処理部13を実現するためのプログラムを、例えばCPU(Central Processing Unit)等の情報処理装置が読み出し、これをRAM(Random Access Memory)等に作業領域を確保しつつ実行することで実現される。また、IOT14は、例えばレーザ電子写真方式の場合、入力信号に応じてレーザを照射するレーザ駆動部や、レーザ駆動部から出力された変調光に基づいて帯電,現像,転写,定着などを実行する各部位を含んで構成される。
【0035】
より詳細には、ホストPC20は、プリンタ10で印刷するための画像又は文書を作成する。また、ホストPC20は、その作成した画像または文書をプリンタ10Aで解釈可能な記述言語(例えば、PDL:Page Description Language)に変換してプリンタ10に出力するための画像データを生成する。
【0036】
色変換処理部11は、ホストPC20から入力された画像データに基づいてラスタ画像を生成した後、これをRGB色空間からCMYK色空間に変換する。階調補正処理部12は、色変換処理(RGB→CMYK)された画像データに対して、TRC(Tone Reproduction Curve:色調再現曲線)に従った階調補正処理を行う。スクリーン処理部13は、階調補正処理された画像データをスクリーン処理することでスクリーンパターン(網点)を生成する。
【0037】
次に、画像処理部10aにおける画像処理の大まかな流れについて図面を用いて詳細に説明する。図2は、画像処理部10aにおける画像処理の流れを示すフローチャートである。
【0038】
まず、画像処理部10aでは、色変換処理部11がホストPC20から入力された画像データに基づいてラスタ画像を生成した後、これに対して色変換処理(RGB→CMYK)を実行する(ステップS101)。
【0039】
色変換処理部11は、次にCMYKに色変換された画像データを解析し、その画像上におけるC,M,Y,Kの色成分毎の面積をそれぞれ計測する(ステップS102)。例えば、色変換処理部11が画像上におけるC,M,Y,K毎の画素数を計数し、この値を各色の面積とする。
【0040】
このように色成分毎の面積を計測すると、色変換処理部11は計測した面積に基づいて色成分毎のスクリーン視認値を算出する(ステップS103)。ここで本実施形態では、「スクリーン視認性」を出力したページ中で各色成分を含む画像におけるスクリーンパターンの濃度的目立ち易さ(ユーザに視認される強さ)及び面積的目立ち易さと定義する。また、「スクリーン視認値」を色成分を含む画像の面積に対して色毎に濃度的目立ち易さの重み係数(これの算出方法については後述において説明する)に乗じた値と定義する。尚、CMYK色空間において、Y(イエロー)よりもK(黒)のスクリーンパターンの方が目立ちやすい(濃度的スクリーン視認性が高い)ため、KにはYよりも大きな重み係数を予め設定しておき、これを図示しないROM等に記憶しておくものとする。これらのことから、スクリーン視認値は、スクリーン処理部13が色成分毎のスクリーン処理で使用するスクリーン角度(スクリーンパラメータの1つ)を指定するための値として使用することができる。尚、ステップS103におけるスクリーン視認値の算出処理については、後述において図面を用いて詳細に説明する。また、このように色変換処理部11で算出されたスクリーン視認値は、ステップS101で色変換した画像データと共に階調補正処理部12へ入力される。更に、階調補正処理部12に入力されたスクリーン視認値は、次ステップで階調補正された画像データと共にスクリーン処理部13に入力される。
【0041】
次に、画像処理部10aでは、階調補正処理部12がTRCに従って色変換処理部11で色変換された画像データに対する階調補正処理を実行する(ステップS104)。階調補正された画像データは、上述のスクリーン視認値と共にスクリーン処理部13に入力される。
【0042】
スクリーン処理部13では、入力されたスクリーン視認値に基づいて色成分毎にスクリーン角度を設定し、これを含むスクリーンパラメータを用いて階調補正された画像データに対するスクリーン処理を実行する(ステップS105)。尚、ステップS105におけるスクリーン処理についても後述において図面を用いて詳細に説明する。
【0043】
このようにスクリーン処理された画像データは、パルスデータに変換された後、IOT14に送信される(ステップS106)。尚、IOT14では、スクリーン処理部13から受信したパルスデータに基づいて画像の出力処理(印刷など)を実行する。
【0044】
次に、以上のフローチャートにおけるスクリーン視認値の算出処理(ステップS103)の流れについて以下に図3及び図4を用いて詳細に説明する。
【0045】
スクリーン視認値の算出処理において、色変換処理部11は先ず、色成分(C,M,Y,K)毎のスクリーンパターン(網点など)の濃度(0%〜100%)を検出する(ステップS201)。ここで、本実施形態における色成分毎のスクリーン濃度について図4を用いて以下に説明する。
【0046】
本実施形態において、スクリーン濃度は所定の画像領域の面積に対する、網点等のスクリーンパターン(周期パターンともいう)の面積の割合を示す。すなわち、スクリーン濃度が高い状態とは画像の所定領域上において網点等の周期パターンが占める割合が高い(周期パターンが密に形成されている)ことを示し、反対にスクリーン濃度が低い状態とは画像の所定領域上において網点等の周期パターンが占める割合が低い(周期パターンが疎に形成されている)ことを示す。例えば色成分毎でスクリーン濃度が100%である場合、図4に示すように、その色成分で所定画像領域を塗りつぶした状態となり、スクリーンが発生しない。また、各色成分でスクリーン濃度が0%である場合でも、その各色成分が所定画像領域において全く存在しない状態となり、やはりスクリーンが発生しない。
【0047】
そこで本実施形態では、ステップS202において、色変換処理部11が、何れか1つ(未選択)の色成分を選択し、選択した色成分に関してステップS201で検出したスクリーン濃度Dが0(%)<D<100(%)であるか否かを判定する(ステップS203)。
【0048】
選択した色成分に関するスクリーン濃度D(%)が0(%)<D<100(%)ではない、すなわちスクリーン濃度Dが0%または100%であると判定された場合(ステップS203のNo)、その色成分のスクリーンは形成されないため、色変換処理部11は、その色成分を以降における処理の対象外として設定し(ステップS204)、ステップS205へ移行する。また、選択した色成分に関するスクリーン濃度D(%)が0(%)<D<100(%)であると判定された場合(ステップS203のYes)、色変換処理部11は、そのままステップS205へ移行する。尚、ステップS204の判定では、画像を出力する装置(IOT14)の特性に応じて、処理の対象と判断するためのスクリーン濃度Dの上限値及び下限値を他の値(例えば5(%)<D<95(%))に設定しても良い。
【0049】
ステップS205では、ステップS202において全ての色成分を選択したか否かを判定する。すなわち、ステップS202からステップS203又はS204までの処理は、全ての色成分に対して完了するまで繰り返し実行される。
【0050】
全ての色成分に対する判定が完了すると、次に色変換処理部11は、印刷媒体である用紙表面の明度L*と、各色成分(但し、対象外である色成分は除く)の明度L*との差(以下、明度差という)を計算する(ステップS206)。ここで、以下の表1に、一般的な用紙に関する表面の明度L*と、各CMYK成分に関する濃度100%のときの明度L*との一例を示す。
【0051】
【表1】
【0052】
従って、ステップS206で算出する色成分毎の明度差は、その色成分の明度L*(Cであれば49.52,Mであれば47.65,Yであれば87.10,Kであれば19.46)と、用紙の明度L*(92.57)との差分の値となる。
【0053】
このように色成分毎の明度差を算出すると、次に色変換処理部11は、算出した明度差の小数点以下第1位を四捨五入して、色成分毎の明度差を整数値に変換する(ステップS207)。但し、このステップでは、小数点以下を切り捨てることで、色成分毎の明度差を整数値としてもよい。
【0054】
次に色変換処理部11は、整数化した明度差のうちの最小値(例えばY)で、他の色成分毎の明度差を除算することで、最小値の色成分(Y)に対する各色成分の比を重み係数として算出する(ステップS208)。一般的に、用紙が白である場合、L*(明度)が低い色成分ほど視感濃度が高くなる。そこで本実施形態では、視覚濃度を考慮した処理を実現するための重み係数を、印刷される用紙のL*値と各色成分のL*値との差の比とした。
【0055】
ここで、用紙の明度L*を92.57とした場合(白い用紙を使用した場合)の明度差,四捨五入後の明度差及び重み係数(比)との関係を、以下の表2にまとめる。
【0056】
【表2】
【0057】
次に色変換処理部11は、ステップS102において算出したページ毎に使用されている色成分毎の面積に対して、それぞれ対応する色成分の重み係数(表2参照)を乗算することで、各色成分(C,M,Y,K)のスクリーン視認値を算出する(ステップS209)。
【0058】
以上のように動作することで、視覚濃度に適合したスクリーン視認値を算出することが可能となる。
【0059】
ここで、上記した表1及び表2を用いて、スクリーン視認値の算出処理(ステップS206からステップS209)を具体的に説明する。色変換処理部11は、表1に示されている用紙の明度L*(=92.57)と、各色の明度L*(C=49.52、M=47.65、Y=87.10、K=19.46)との差を求める(ステップS206参照)。これにより、色成分毎に算出された明度差は、表2に示すように、C=43.05、M=44.92、Y=5.47、K=73.11となる。
【0060】
次に色変換処理部11は、算出した明度差の小数第1位を四捨五入する(ステップS207参照)。これにより、色成分毎の明度差は、表2に示すように、C=43、M=45、Y=5、K=73となる。ここで、四捨五入した明度差の整数値のうち最小値は、Y(黄)の「5」である。そこで色変換処理部11は、他の色成分(C,M,Y,K)の明度差の整数値を、Yの明度差の整数値(=5)で除算し、Yの明度差を基準とした各色成分の明度差の比(重み係数)を算出する(ステップS208参照)。これにより、各色成分の重み係数は、表2に示すように、それぞれC=8.6、M=9、Y=1、K=14.6となる。色変換処理部11は、このように得られた重み係数を各色成分の面積にそれぞれ乗算することで、スクリーン視認値を算出する(ステップS209)。
【0061】
但し、以上の処理において、重み係数を予め設定しておき、これを所定のROM等に記憶させておいた場合、上述におけるステップS207及びS208の演算処理を省略することができる。
【0062】
次に、図2のフローチャートにおけるスクリーン処理(ステップS105)の流れについて以下に図5から図7を用いて詳細に説明する。
【0063】
図5は、4画素で構成したスクリーンパターン(網点パターン:周期パターンともいう)の所定面積(これを単位面積とする)あたりの構成を示す図であり、(a)はスクリーン角度を0°として生成したスクリーンパターンを示し、(b)はスクリーン角度を45°として生成したスクリーンパターンを示す。また、図6は、8画素で構成したスクリーンパターンの単位面積あたりの構成を示す図であり、(a)はスクリーン角度を0°とした生成したスクリーンパターンを示し、(b)はスクリーン角度を45°として生成したスクリーンパターンを示す。
【0064】
図5及び図6に示すように、スクリーン角度を45°として生成したスクリーンパラメータの方が0°として生成したスクリーンパラメータよりも、人間の目の特性上スクリーンパターンは弱くなる(視覚特性が弱くなる)。すなわち、スクリーン角度0°の方が、スクリーン角度45°よりもスクリーンパターンが目立ち易くなってしまい、画像が劣化する。このことから本実施形態では、視感濃度の高い色成分に最も45°に近いスクリーン角度を設定し、視感濃度が低い色成分ほど、45°から離れたスクリーン角度を設定してスクリーン処理を施す。
これにより、網点の目立ちが低下された良好な画質を実現することができる。
【0065】
このように、視感濃度に応じて異なるスクリーン角度を使用するスクリーン処理(本実施形態によるスクリーン処理:図2におけるステップS105参照)を図7を用いて以下に説明する。
【0066】
図7は、本実施形態におけるスクリーン処理部13によるスクリーン処理の流れを示すフローチャートである。図7において、スクリーン処理部13は、先ず、階調補正処理部12を介して色変換処理部11からCMYK各色成分のスクリーン視認値を入力する(ステップS301)。このとき、各色成分を示す情報と各スクリーン視認値とが対応付けられている。
【0067】
次にスクリーン処理部13は、スクリーン視認値の大きさに基づいて、色成分に順位を設定する(ステップS302)。すなわち、スクリーン視認値が最も大きな色成分を1位とし、以降、大きい順に2位,3位,4位と設定する。
【0068】
このように色成分に順位を設定すると、スクリーン処理部13は、次に第1位の色成分に対して45°又は45°に最も近いスクリーン角度を割り当てる(ステップS303)。以降、スクリーン処理部13は、設定した順位に基づいて45°(但し、ステップS303で設定したスクリーン角度よりも45°から離れている)に近い方のスクリーン角度を順に、色成分に割り当てる(ステップS304)。これを上記した表2に基づいて具体的に説明すると、例えば15°,45°,75°,90°のスクリーンパラメータをそれぞれ設定する場合、スクリーン処理部13は、Kに45°のスクリーン角度を割り当て、Mに15°(又は75°)のスクリーン角度を割り当て、Cに75°(又は15°)のスクリーン角度を割り当て、Yに90°のスクリーン角度を割り当てる。
【0069】
このように、各色成分に対してスクリーン角度を設定すると、スクリーン処理部13は、残りのスクリーンパラメータ(スクリーン線数やスクリーン形状等)を色成分毎(又は統一としてもよい)に設定し(ステップS305)、これに基づいてスクリーン処理を実行する(ステップS306)。
【0070】
以上のように動作することで、本実施形態では、スクリーン視認値に基づいて、網点が目立たなくなるようにスクリーン角度を設定することで、良好な画質を実現することが可能となる。
【0071】
尚、初期設定(例えばデフォルトの状態)において、45°又は45°に最も近いスクリーン角度を割り当てる色成分が設定されている場合や、各色成分に割り当てるスクリーン角度が設定されている場合でも、上記したフローチャートに基づいて、割り当てるスクリーン角度を変更できるように構成することが望ましい。特に、初期状態(例えばデフォルトの状態)で45°に最も近いスクリーン角度が割り当てられている色成分のスクリーン視認値が第1位ではない場合や、このスクリーン視認値が予め設定しておいた所定値以下の場合等では、他の色成分(好ましくはスクリーン視認値が第1位の色成分)に45°又は45°に最も近いスクリーン角度を割り当てられるように構成することが望ましい。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、スクリーンパターンの濃度的な目立ち易さを示すスクリーン視認値に基づいて、スクリーン処理で使用するスクリーン角度を設定することが可能となるため、目立ち易い色成分の視認性を低下させるようにスクリーン処理を行うことが可能となり、網点の目立ちによる画質の劣化を抑制することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態によれば、例えば0%および100%のようにスクリーンパターンが形成されないスクリーン濃度の色成分に対するスクリーン視認値の算出処理を行わないことにより、無駄な処理工程を省き、画像を描画する色成分のスクリーン視認値の算出処理の処理時間を短縮することが可能となる。
【0074】
〔第2の実施形態〕
以下、本発明の第2の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。尚、以下の説明において、第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。また、特記しない限り、本実施形態の構成および動作は、本発明の第1の実施形態と同様であるとする。
【0075】
本発明の第1の実施形態では、スクリーン視認値が最大の色成分に対して、最も視覚特性の弱いスクリーン角度(45°又は45°に最も近いスクリーン角度)でスクリーンパターンを形成していた。これに対し、本実施形態では、CMYKの各色成分を用いて画像を再現する場合、Y(イエロー)がスクリーン視認値の最大値となった場合でも、Yをスクリーン視認性の高さの第1位とせず、45°又は45°に最も近いスクリーン角度を割り当てないように構成する。これは、Yの視認性は一般的に他の色成分と比較して非常に低いためである(但し、背景色(用紙の色)を白等の明るい色とした場合)。
【0076】
本実施形態に係る構成及び動作は、第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。但し、本実施形態では、スクリーン処理部13の動作が、上記した第1の実施形態と異なる。図8に、本実施形態によるスクリーン処理部13が実行するスクリーン処理の流れを示す。
【0077】
図8に示すように、本実施形態によるスクリーン処理部13は、先ず、階調補正処理部12を介して色変換処理部11からCMYK各色のスクリーン視認値を入力する(ステップS401)。このとき、各色成分を示す情報と各スクリーン視認値とが対応付けられている。
【0078】
次にスクリーン処理部13は、スクリーン視認値の大きさに基づいて、色成分に順位を設定する(ステップS402)。スクリーン視認値が最も大きな色成分を1位とし、以降、大きい順に2位,3位,4位と設定する。ここまでの流れは、図7に示す第1の実施形態と同様である。
【0079】
このように色成分に順位を設定すると、スクリーン処理部13は、設定した順位における第1位がY(イエロー)であるか否かを判定する(ステップS403)。
【0080】
第1位、すなわちスクリーン視認値の最大値をとる色成分がYであると判定された場合(ステップS403のYes)、スクリーン処理部13は、Yの順位を1つ(又は2つ若しくは3つ)繰り下げる(ステップS404)。これにより、色成分Yが第1位とならないように設定する。また、第1位の色成分がYでない場合(ステップS403のNo)、スクリーン処理部13はそのままステップS405へ移行する。
【0081】
その後、スクリーン処理部13は、図7に示すステップS303以降と同様に、第1位の色成分に対して45°又は45°に最も近いスクリーン角度を割り当て(ステップS405)、以降、設定した順位に基づいて45°(但し、ステップS405で設定したスクリーン角度よりも45°から離れている)に近い方のスクリーン角度を順に、色成分に割り当てる(ステップS406)。更に、スクリーン処理部13は、残りのスクリーンパラメータ(スクリーン線数やスクリーン形状等)を色成分毎(又は統一としてもよい)に設定し(ステップS407)、これに基づいてスクリーン処理を実行する(ステップS408)。
【0082】
以上のように動作することで、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、スクリーン視認値に基づいて、網点が目立たなくなるようにスクリーン角度を設定することで、良好な画質を実現することが可能となる。また、視認性の低いイエローに対して45°又は45°に最も近いスクリーン角度を割り当てないように構成することで、より効果的にスクリーン角度の設定を行うことが可能となる。
【0083】
尚、他の構成及び動作は、第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0084】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図面を用いて説明する。尚、以下の説明において、第1又は第2の実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。また、特記しない限り、本実施形態の構成および動作は、本発明の第1又は第2の実施形態と同様であるとする。
【0085】
図9は、本実施形態に係る画像形成装置(プリンタ10A)とホストPC20Aとの概略構成を示す図である。図9に示すように、本実施形態では、第1の実施形態における画像処理部10aの機能が、ホストPC20Aにおけるプリンタドライバ22に組み込まれた構成となっている。
【0086】
ホストPC20Aにおけるアプリケーション21は、印刷用の文書/画像ファイル作成または画像処理を行うソフトウェアである。また、プリンタドライバ22は、アプリケーション21を介した要求に基づいて、上記の画像または文書をプリンタ10Aで解釈可能な記述言語(例えば、PDL:Page Description Language)に変換してプリンタ10Aに出力するための画像データを生成する。これらアプリケーション21及びプリンタドライバ22は、ROMやハードディスクドライブ等の記憶装置から所定のプログラムを例えばCPU(Central Processing Unit)等の情報処理装置が読み出し、これをRAM(Random Access Memory)等に作業領域を確保しつつ実行することで実現される。
【0087】
また以上では、第1又は第2の実施形態における画像処理部10aの機能を、プリンタドライバ22に組み込んだ場合を例に挙げたが、この他にも、例えば画像処理部10aの機能をアプリケーション21に組み込んで構成しても良い。
【0088】
このように、上記した第1又は第2の実施形態における画像処理部10aの機能は、ホストPC10A側に設けてもよい。これにより、上記した各実施形態と同様に、スクリーン視認値に基づいて、網点が目立たなくなるようにスクリーン角度を設定することが可能となり、良好な画質を実現することが可能となる。尚、詳細な構成及び動作は、上記した第1又は第2の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0089】
〔他の実施形態〕
以上、説明した実施形態は本発明の好適な一実施形態にすぎず、本発明はその趣旨を逸脱しない限り種々変形して実施可能である。また、上記した各実施形態における各ブロック(フローチャート)を実現するためのプログラムは、プリンタ(10,10A)又はホストPC(20,20A)における光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録され、上記の記録媒体からロードされるように構成してもよいし、所定のネットワークを介してロードされるように構成してもよい。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画像を複数の色で再現する場合でも、全ての色材で良好な画質を得られることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置(プリンタ10)とホストPC20との概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における画像処理部10aによる画像形成処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態における色変換処理部11によるスクリーン視認値の算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態における色成分毎のスクリーン濃度を示す図である。
【図5】4画素で構成したスクリーンパターンの単位面積あたりの構成を示す図であり、(a)はスクリーン角度を0°として生成したスクリーンパターンを示し、(b)はスクリーン角度を45°として生成したスクリーンパターンを示す。
【図6】8画素で構成したスクリーンパターンの単位面積あたりの構成を示す図であり、(a)はスクリーン角度を0°とした生成したスクリーンパターンを示し、(b)はスクリーン角度を45°として生成したスクリーンパターンを示す。
【図7】本発明の第1の実施形態におけるスクリーン処理部13によるスクリーン処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態におけるスクリーン処理部13によるスクリーン処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置(プリンタ10A)とホストPC20Aとの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
10、10A プリンタ 20、20A ホストPC
10a 画像処理部 10b 画像出力部
11 色変換処理部 12 階調補正処理部
13 スクリーン処理部 14 IOT
21 アプリケーション 22 プリンタドライバ
Claims (18)
- 画像データを色成分毎にスクリーン処理するスクリーン処理手段を有する画像処理装置であって、
前記色成分毎の視認性の高さを検出する視認性検出手段を有し、
前記スクリーン処理手段は、前記視認性検出手段で検出された視認性の高さに基づいて前記スクリーン処理で使用するパラメータを設定することを特徴とする画像処理装置。 - 前記パラメータは前記スクリーン処理で使用するスクリーンの角度を設定するためのスクリーン角度を含み、
前記スクリーン処理手段は、前記視認性が最も高い色成分に対するスクリーン処理で使用するスクリーン角度に、他の色成分に対するスクリーン処理で使用するスクリーン角度よりも45°に近いスクリーン角度を設定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記色成分はイエロー(Y)を含み、
前記スクリーン処理手段は、前記色成分毎のスクリーン処理で使用するスクリーン角度のうち最も45°に近いスクリーン角度をイエロー(Y)以外の色成分に対するスクリーン処理に設定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 画像データを予め設定されたパラメータに基づいて色成分毎にスクリーン処理するスクリーン処理手段を有する画像処理装置であって、
前記色成分毎の視認性の高さを検出する視認性検出手段を有し、
前記パラメータは前記スクリーン処理で使用するスクリーンの角度を設定するためのスクリーン角度を含み、
前記スクリーン処理手段は、前記検出手段で検出された視認性の高さに基づいて前記スクリーン処理で使用するスクリーン角度を変更することを特徴とする画像処理装置。 - 前記スクリーン処理手段は、前記色成分毎に設定されたスクリーン角度のうち45°に最も近いスクリーン角度が設定された色成分の視認性が予め設定された所定の閾値よりも低い場合、前記45°に最も近いスクリーン角度を他の色成分に対するスクリーン処理に使用することを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
- 前記色成分はイエロー(Y)を含み、
前記他の色成分はイエロー(Y)以外であることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。 - 前記スクリーン処理手段は、画素の濃度が所定の値よりも大きい又は小さい色成分に対するスクリーン処理で使用するスクリーン角度を変更しないことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
- 前記視認性検出手段は、前記画像データを出力する用紙の明度に対する前記色成分毎の明度差と、前記画像データにおける該色成分毎の面積とに基づいて視認値を算出することを特徴とする請求項1又は請求項4記載の画像処理装置。
- 請求項1から請求項8の何れか1項に記載の前記画像処理装置と、
前記画像処理装置で処理された画像データを印刷出力する画像出力装置とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 画像データを色成分毎にスクリーン処理する第1のステップを有する画像処理方法であって、
前記色成分毎の視認性の高さを検出する第2のステップと、
前記第1のステップで検出された視認性の高さに基づいて前記スクリーン処理で使用するパラメータを設定する第3のステップとを有することを特徴とする画像処理方法。 - 前記パラメータは前記スクリーン処理で使用するスクリーンの角度を設定するためのスクリーン角度を含み、
前記第3のステップは、前記視認性が最も高い色成分に対するスクリーン処理で使用するスクリーン角度に、他の色成分に対するスクリーン処理で使用するスクリーン角度よりも45°に近いスクリーン角度を設定することを特徴とする請求項10記載の画像処理方法。 - 画像データを予め設定されたパラメータに基づいて色成分毎にスクリーン処理する第1のステップを有する画像処理方法であって、
前記パラメータは前記スクリーン処理で使用するスクリーンの角度を設定するためのスクリーン角度を含み、
前記色成分毎の視認性の高さを検出する第2のステップと、
前記第2のステップで検出された視認性の高さに基づいて前記色成分毎に設定されたスクリーン角度を変更する第3のステップとを有することを特徴とする画像処理方法。 - 前記第3のステップは、前記色成分毎に設定されたスクリーン角度のうち45°に最も近いスクリーン角度が設定された色成分の視認性が予め設定された所定の閾値よりも低い場合、前記45°に最も近いスクリーン角度を他の色成分に対するスクリーン処理に設定することを特徴とする請求項12記載の画像処理方法。
- 画像データを色成分毎にスクリーン処理するコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記色成分毎の視認性の高さを検出する視認性検出処理と、
前記視認性検出処理で検出された視認性の高さに基づいて前記スクリーン処理で使用するパラメータを設定するパラメータ設定処理とを前記コンピュータに実行させるためのプログラム。 - 前記パラメータは前記スクリーン処理で使用するスクリーンの角度を設定するためのスクリーン角度を含み、
前記パラメータ設定処理は、前記視認性が最も高い色成分に対するスクリーン処理で使用するスクリーン角度に、他の色成分に対するスクリーン処理で使用するスクリーン角度よりも45°に近いスクリーン角度を設定することを特徴とする請求項14記載のプログラム。 - 画像データを予め設定されたパラメータに基づいて色成分毎にスクリーン処理するコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記パラメータは前記スクリーン処理で使用するスクリーンの角度を設定するためのスクリーン角度を含み、
前記色成分毎の視認性の高さを検出する視認性検出処理と、
前記視認性検出処理で検出された視認性の高さに基づいて前記色成分毎に設定されたスクリーン角度を変更するスクリーン角度変更処理とを前記コンピュータに実行させるためのプログラム。 - 前記スクリーン角度変更処理は、前記色成分毎に設定されたスクリーン角度のうち45°に最も近いスクリーン角度が設定された色成分の視認性が予め設定された所定の閾値よりも低い場合、前記45°に最も近いスクリーン角度を他の色成分に対するスクリーン処理に設定することを特徴とする請求項16記載のプログラム。
- 請求項14から請求項17の何れか1項に記載の前記プログラムを記録した記録媒体。
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