JP2005027050A - スピーカ - Google Patents
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Abstract
【課題】薄型化が容易で部品点数の増加も回避できる動電型のスピーカを提供すること。
【解決手段】スピーカ41は、ボイスコイル44が巻装されたボビン43の前端部に振動板45とダンパ46の各内周部が連結されており、この振動板45の内周部が外周エッジ部49よりも前方に位置していると共に、ダンパ46が振動板45の前方に配置されている。また、フレーム47には底板部47aの周囲に側壁部47bが立設されており、この側壁部47bから前方へ筒状壁部47cが一体に延設されている。そして、側壁部47b上のエッジ支持部47dに振動板45の外周エッジ部49を固定し、筒状壁部47c上のダンパ支持部47eにダンパ46の外周部を固定している。ただし、エッジ支持部47dに比してダンパ支持部47eは径方向外側に配置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】スピーカ41は、ボイスコイル44が巻装されたボビン43の前端部に振動板45とダンパ46の各内周部が連結されており、この振動板45の内周部が外周エッジ部49よりも前方に位置していると共に、ダンパ46が振動板45の前方に配置されている。また、フレーム47には底板部47aの周囲に側壁部47bが立設されており、この側壁部47bから前方へ筒状壁部47cが一体に延設されている。そして、側壁部47b上のエッジ支持部47dに振動板45の外周エッジ部49を固定し、筒状壁部47c上のダンパ支持部47eにダンパ46の外周部を固定している。ただし、エッジ支持部47dに比してダンパ支持部47eは径方向外側に配置されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用等に好適な動電型のスピーカに係り、特に、薄型化が容易なスピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来広く採用されている動電型のスピーカの構成を示す断面図である(例えば、特許文献1参照)。同図に示すスピーカ1は、磁気ギャップGを有する磁気回路2と、ボビン3に巻装されて磁気ギャップG内に配置されたボイスコイル4と、内周部がボビン3の前端部に接着固定された振動板5およびダンパ6と、磁気回路2に固定されて振動板5やダンパ6の外周部を支持しているフレーム7と、磁気ギャップGの前方を覆っている防塵キャップ8とによって主に構成されている。
【0003】
磁気回路2はマグネットやヨークを組み合わせて構成されており、この従来例の場合、軸線方向に沿って着磁された円環状のマグネット9と、ポールピース部10aを有するヨーク10と、マグネット9上に載置されてポールピース部10aの外周面との間に磁気ギャップGを形成しているトッププレート11とによって構成されている。ただし、他の構成の磁気回路、例えば径方向に沿って着磁されたマグネットをヨークのポールピース部の外周面に固設して該マグネットの外周面を磁気ギャップに対向せしめる等の構成も一般的である。円錐状のコーン紙等からなる振動板5は、先端側が漸次大径となるように、つまり外周部が最も前方に位置するように配置されており、この振動板5の外周部が外周エッジ部12を介してフレーム7の先端部に支持されている。また、ダンパ6の外周部がフレーム7の後端部に支持されているため、振動板5の内周部やボビン3はダンパ6の内周部に支持された状態になっている。
【0004】
このように構成されたスピーカ1は、図示せぬリード線を介してボイスコイル4に音声電流が通電されると、電磁力によりボイスコイル4が振動するので、ボビン3を介して振動板5が駆動されて振動し、ラジオ音声や各種記録媒体の再生音声などの拡声が行えるようになっている。
【0005】
しかしながら、上述した従来のスピーカ1は、振動板5がボビン3の前方に配置されている関係上、全体の高さ寸法が磁気回路2の高さ寸法と振動板5の高さ寸法を合算した寸法よりも大きくなってしまい、それゆえ薄型化が促進しにくいという難点があった。
【0006】
そこで従来、薄型化を容易にするため、図4に示すような動電型のスピーカが提案されている(例えば、特許文献2参照)。同図に示すスピーカ21は、磁気ギャップGを有する磁気回路22と、ボビン23に巻装されて磁気ギャップG内に配置されたボイスコイル24と、円錐状のコーン紙等からなり先端側が漸次小径となるように配置された振動板25と、この振動板25の前方に配置されたダンパ26と、磁気回路22に固定されたフレーム27と、このフレーム27の側壁部27a上に固定されたカバー28と、磁気ギャップGの前方を覆っている防塵キャップ29とによって主に構成されており、振動板25の最も前方に位置する内周部とダンパ26の内周部がボビン23の前端部に接着固定されている。また、フレーム27の側壁部27aが外周エッジ部30を介して振動板25の外周部を支持していると共に、カバー28の前端部28aがダンパ26の外周部を支持している。
【0007】
このスピーカ21の磁気回路22は、軸線方向に沿って着磁された円環状のマグネット31と、ポールピース部32aを有するヨーク32と、マグネット31上に載置されてポールピース部32aの外周面との間に磁気ギャップGを形成しているトッププレート33とによって構成されているが、他の構成、例えば径方向に沿って着磁されたマグネットをヨークのポールピース部の外周面に固設して該マグネットの外周面を磁気ギャップに対向せしめた磁気回路であってもよい。
【0008】
このように構成されたスピーカ21は、振動板25がボビン23を包囲するように配置されているため、全体の高さ寸法が著しく薄型化されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−351098号公報(第2頁、図2)
【0010】
【特許文献2】
特開平4−111597号公報(第1頁、第3図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、図4に示す従来のスピーカ21は、薄型化を図る上で極めて有利であるが、ダンパ26の外周部を支持するためのカバー28をフレーム27に付設しなければならないため、部品点数が増加してコストアップを招来するという問題があった。
【0012】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、薄型化が容易で部品点数の増加も回避できる動電型のスピーカを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、振動板の外周エッジ部とダンパの外周部とを共通のフレームに支持させ、その際に、ダンパの外周部を支持するダンパ支持部が外周エッジ部を支持するエッジ支持部よりも径方向外側に位置するようにした。スピーカの構成部品である外周エッジ部とダンパをフレームに対してこのような位置関係で配置すると、ボビンを包囲するように振動板を配置させることができて薄型化が容易であり、かつ、振動板の外周エッジ部とダンパの外周部が共にフレームによって支持されており、ダンパを支持するための専用の部材が不要であることから、部品点数の増加も回避できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のスピーカでは、ボビンに巻装されたボイスコイルと、該ボイスコイルが配置される磁気ギャップを有する磁気回路と、内周部が前記ボビンに連結されて前記ボイスコイルへの通電時に駆動される振動板と、該振動板の前方に配置されて前記ボビンに直接または振動板を介して連結されるダンパと、前記磁気回路に固定されて前記振動板の外周部を外周エッジ部を介して支持し、かつ前記ダンパの外周部を支持するフレームとを備え、前記振動板の内周部が前記外周エッジ部よりも前方に位置すると共に、前記フレームのうち前記外周エッジ部を支持するエッジ支持部に比して、前記ダンパの外周部を支持するダンパ支持部が径方向外側に配置されるように構成した。
【0015】
このように構成されたスピーカは、振動板の内周部を外周エッジ部よりも前方に位置させているため、ボビンを包囲するように該振動板を配置させることができて薄型化が容易であり、かつ、外周エッジ部とダンパの外周部が共に同一のフレームによって支持されており、ダンパを支持するための専用の部材が不要であることから、部品点数の増加も回避できる。また、フレームのうち外周エッジ部を支持するエッジ支持部に比して、ダンパの外周部を支持するダンパ支持部が径方向外側に配置されているため、組立時には外周エッジ部とダンパをフレームに対して順次組み込んでいくことができ、組立性も良好となる。
【0016】
なお、フレームのダンパ支持部をエッジ支持部よりも径方向外側に配置させるための具体的な構成としては、例えば、フレームのうちエッジ支持部よりも前方に延出している部分を、該エッジ支持部に比して内径が大なる筒状壁部となし、該筒状壁部にダンパ支持部を設ければよい。あるいは、フレームのうちエッジ支持部よりも前方に延出している部分を、先端側が漸次大径となるテーパ状壁部となし、該テーパ状壁部にダンパ支持部を設ければよい。
【0017】
また、ダンパ支持部をエッジ支持部よりも径方向外側に配置させた状態でダンパに所望の剛性を確保するためには、例えば、単位長さ当たりの剛性がやや大きいダンパを使用して該ダンパの径方向の寸法を長くしてもよいし、口径の大きなボビンを使用してダンパの内周部の位置を径方向外側へずらしてもよい。
【0018】
【実施例】
実施例について図面を参照して説明すると、図1は本発明の第1実施例に係るスピーカの断面図である。
【0019】
図1に示すスピーカ41は、磁気ギャップGを有する磁気回路42と、円筒状のボビン43に巻装されて磁気ギャップG内に配置されたボイスコイル44と、円錐状のコーン紙等からなり先端側が漸次小径となるように形成された振動板45と、この振動板45の前方(図示上方)に配置されたダンパ46と、略円板状の底板部47aが磁気回路42に固定されたフレーム47と、磁気ギャップGの前方を覆っている防塵キャップ48とによって主に構成されており、振動板45の最も前方に位置する内周部とダンパ46の内周部とはいずれもボビン43の前端部に接着固定されている。
【0020】
フレーム47の底板部47aの周囲には肉厚な側壁部47bが立設されており、この側壁部47bの前方側端部からさらに前方へ向かって該側壁部47bよりも薄肉の筒状壁部47cが一体に延設されている。側壁部47bの内面と筒状壁部47cの内面との間の段部(エッジ支持部)47dには、振動板45の外周縁に固着された外周エッジ部49の外周縁が載置されて接着固定されており、筒状壁部47cの前方側端部である段部(ダンパ支持部)47eにはダンパ46の外周部が接着固定されている。つまり、このスピーカ41は、振動板45の外周部が外周エッジ部49を介して側壁部47b上に支持されていると共に、ダンパ46の外周部が筒状壁部47c上に支持されており、かつ、エッジ支持部47dに比してダンパ支持部47eが径方向外側に配置されている。
【0021】
なお、フレーム47の材料は特に限定されず、ダイキャスト等からなる金属フレームであってもよいし、ABS樹脂等からなる樹脂フレームであってもよい。また、側壁部47bはその外径を筒状壁部47cの外径よりも小径とすることで、筒状壁部47cと同一の肉厚に形成することもできる。また、本実施例では、磁気回路42が径方向に沿って着磁された円筒状のマグネット50とポールピース部51aを有するヨーク51とからなり、ポールピース部51aの外周面に固設したマグネット50の外周面を磁気ギャップGに対向させているが、他の構成、例えば軸線方向に沿って着磁されたマグネットをヨークとトッププレートとの間に介設して該トッププレートの内周面を磁気ギャップに対向せしめた磁気回路であってもよい。
【0022】
なお、上記実施例では、便宜上図示上方を前方とし、図示下方を後方として説明しているが、この方向はスピーカ41の放音面側とは無関係である。つまり、上記スピーカ41では、底板部47aに多数の貫通孔が形成され、この底板部47a側が放音面側となっているが、ダンパ46や筒状壁部47cに開口を形成して図示上方側を放音面とすることも可能である。
【0023】
このように構成されたスピーカ41は、図示せぬリード線を介してボイスコイル44に音声電流が通電されると、電磁力によりボイスコイル44が振動するので、ボビン43を介して振動板45が駆動されて振動し、ラジオ音声や各種記録媒体の再生音声などの拡声が行えるようになっている。
【0024】
上述の如く本実施例に係るスピーカ41は、振動板45の内周部が外周エッジ部49よりも前方に位置し、この振動板45がボビン43および磁気回路42の一部を包囲するように配置されているため、全体の高さ寸法が著しく薄型化されている。また、振動板45の外周エッジ部49とダンパ46の外周部とが共通のフレーム47によって支持されており、ダンパ46を支持するための専用の部材が不要であることから、部品点数の増加も回避されている。しかも、フレーム47のうち外周エッジ部49を支持するエッジ支持部47dに比して、ダンパ46の外周部を支持するダンパ支持部47eが径方向外側に配置されているため、組立時には外周エッジ部49とダンパ46をフレーム47に対して順次組み込んでいくことができ、組立性も良好である。したがって、この薄型のスピーカ41は安価に製造することができる。
【0025】
なお、本実施例のようにフレーム47のダンパ支持部47eをエッジ支持部47dよりも径方向外側に配置させた構成において、振動系(ボイスコイル44や振動板45)を適正に振動させつつ支持可能な所望の剛性をダンパ46に確保するためには、例えば、単位長さ当たりの剛性がやや大きいダンパを使用して該ダンパの径方向の寸法を長くしてもよいし、口径の大きなボビンを使用してダンパの内周部の位置を径方向外側へずらしてもよい。
【0026】
図2は本発明の第2実施例に係るスピーカの要部断面図であり、図1に対応する部分には同一符号を付してある。
【0027】
本実施例に係るスピーカ61が前述した第1実施例と相違する点は、フレーム47のうちダンパ46の外周部を支持する部分の形状を異ならせたことにあり、それ以外の構成は基本的に同じである。すなわち、このスピーカ61のフレーム47では、底板部47aの周囲に立設された肉厚な側壁部47bの前方側端部からさらに前方へ向かって、先端側が漸次大径となるテーパ状壁部47fが一体に延設されており、このテーパ状壁部47f上がダンパ46の外周部を接着固定するダンパ支持部47eとなっている。そのため、側壁部47b上のエッジ支持部47dに対して、テーパ状壁部47f上のダンパ支持部47eは、第1実施例よりも径方向外側へ大きくずれた位置に配置されている。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0029】
振動板の内周部を外周エッジ部よりも前方に位置させると共に、該外周エッジ部だけでなく振動板の前方に配置したダンパの外周部も同一のフレームによって支持する構成にしたスピーカなので、ボビンを包囲するように振動板を配置させることができてスピーカ全体の薄型化が容易であり、かつ、ダンパを支持するための専用の部材が不要なため部品点数の増加も回避できる。また、フレームのうち外周エッジ部を支持するエッジ支持部に比して、ダンパの外周部を支持するダンパ支持部が径方向外側に配置されているため、組立時には外周エッジ部とダンパをフレームに対して順次組み込んでいくことができ、組立性も良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るスピーカの断面図である。
【図2】本発明の第2実施例に係るスピーカの要部断面図である。
【図3】従来の一般的なスピーカを示す断面図である。
【図4】薄型スピーカの従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
41,61 スピーカ
42 磁気回路
43 ボビン
44 ボイスコイル
45 振動板
46 ダンパ
47 フレーム
47b 側壁部
47c 筒状壁部
47d エッジ支持部
47e ダンパ支持部
47f テーパ状壁部
49 外周エッジ部
50 マグネット
51 ヨーク
G 磁気ギャップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用等に好適な動電型のスピーカに係り、特に、薄型化が容易なスピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来広く採用されている動電型のスピーカの構成を示す断面図である(例えば、特許文献1参照)。同図に示すスピーカ1は、磁気ギャップGを有する磁気回路2と、ボビン3に巻装されて磁気ギャップG内に配置されたボイスコイル4と、内周部がボビン3の前端部に接着固定された振動板5およびダンパ6と、磁気回路2に固定されて振動板5やダンパ6の外周部を支持しているフレーム7と、磁気ギャップGの前方を覆っている防塵キャップ8とによって主に構成されている。
【0003】
磁気回路2はマグネットやヨークを組み合わせて構成されており、この従来例の場合、軸線方向に沿って着磁された円環状のマグネット9と、ポールピース部10aを有するヨーク10と、マグネット9上に載置されてポールピース部10aの外周面との間に磁気ギャップGを形成しているトッププレート11とによって構成されている。ただし、他の構成の磁気回路、例えば径方向に沿って着磁されたマグネットをヨークのポールピース部の外周面に固設して該マグネットの外周面を磁気ギャップに対向せしめる等の構成も一般的である。円錐状のコーン紙等からなる振動板5は、先端側が漸次大径となるように、つまり外周部が最も前方に位置するように配置されており、この振動板5の外周部が外周エッジ部12を介してフレーム7の先端部に支持されている。また、ダンパ6の外周部がフレーム7の後端部に支持されているため、振動板5の内周部やボビン3はダンパ6の内周部に支持された状態になっている。
【0004】
このように構成されたスピーカ1は、図示せぬリード線を介してボイスコイル4に音声電流が通電されると、電磁力によりボイスコイル4が振動するので、ボビン3を介して振動板5が駆動されて振動し、ラジオ音声や各種記録媒体の再生音声などの拡声が行えるようになっている。
【0005】
しかしながら、上述した従来のスピーカ1は、振動板5がボビン3の前方に配置されている関係上、全体の高さ寸法が磁気回路2の高さ寸法と振動板5の高さ寸法を合算した寸法よりも大きくなってしまい、それゆえ薄型化が促進しにくいという難点があった。
【0006】
そこで従来、薄型化を容易にするため、図4に示すような動電型のスピーカが提案されている(例えば、特許文献2参照)。同図に示すスピーカ21は、磁気ギャップGを有する磁気回路22と、ボビン23に巻装されて磁気ギャップG内に配置されたボイスコイル24と、円錐状のコーン紙等からなり先端側が漸次小径となるように配置された振動板25と、この振動板25の前方に配置されたダンパ26と、磁気回路22に固定されたフレーム27と、このフレーム27の側壁部27a上に固定されたカバー28と、磁気ギャップGの前方を覆っている防塵キャップ29とによって主に構成されており、振動板25の最も前方に位置する内周部とダンパ26の内周部がボビン23の前端部に接着固定されている。また、フレーム27の側壁部27aが外周エッジ部30を介して振動板25の外周部を支持していると共に、カバー28の前端部28aがダンパ26の外周部を支持している。
【0007】
このスピーカ21の磁気回路22は、軸線方向に沿って着磁された円環状のマグネット31と、ポールピース部32aを有するヨーク32と、マグネット31上に載置されてポールピース部32aの外周面との間に磁気ギャップGを形成しているトッププレート33とによって構成されているが、他の構成、例えば径方向に沿って着磁されたマグネットをヨークのポールピース部の外周面に固設して該マグネットの外周面を磁気ギャップに対向せしめた磁気回路であってもよい。
【0008】
このように構成されたスピーカ21は、振動板25がボビン23を包囲するように配置されているため、全体の高さ寸法が著しく薄型化されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−351098号公報(第2頁、図2)
【0010】
【特許文献2】
特開平4−111597号公報(第1頁、第3図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、図4に示す従来のスピーカ21は、薄型化を図る上で極めて有利であるが、ダンパ26の外周部を支持するためのカバー28をフレーム27に付設しなければならないため、部品点数が増加してコストアップを招来するという問題があった。
【0012】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、薄型化が容易で部品点数の増加も回避できる動電型のスピーカを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、振動板の外周エッジ部とダンパの外周部とを共通のフレームに支持させ、その際に、ダンパの外周部を支持するダンパ支持部が外周エッジ部を支持するエッジ支持部よりも径方向外側に位置するようにした。スピーカの構成部品である外周エッジ部とダンパをフレームに対してこのような位置関係で配置すると、ボビンを包囲するように振動板を配置させることができて薄型化が容易であり、かつ、振動板の外周エッジ部とダンパの外周部が共にフレームによって支持されており、ダンパを支持するための専用の部材が不要であることから、部品点数の増加も回避できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のスピーカでは、ボビンに巻装されたボイスコイルと、該ボイスコイルが配置される磁気ギャップを有する磁気回路と、内周部が前記ボビンに連結されて前記ボイスコイルへの通電時に駆動される振動板と、該振動板の前方に配置されて前記ボビンに直接または振動板を介して連結されるダンパと、前記磁気回路に固定されて前記振動板の外周部を外周エッジ部を介して支持し、かつ前記ダンパの外周部を支持するフレームとを備え、前記振動板の内周部が前記外周エッジ部よりも前方に位置すると共に、前記フレームのうち前記外周エッジ部を支持するエッジ支持部に比して、前記ダンパの外周部を支持するダンパ支持部が径方向外側に配置されるように構成した。
【0015】
このように構成されたスピーカは、振動板の内周部を外周エッジ部よりも前方に位置させているため、ボビンを包囲するように該振動板を配置させることができて薄型化が容易であり、かつ、外周エッジ部とダンパの外周部が共に同一のフレームによって支持されており、ダンパを支持するための専用の部材が不要であることから、部品点数の増加も回避できる。また、フレームのうち外周エッジ部を支持するエッジ支持部に比して、ダンパの外周部を支持するダンパ支持部が径方向外側に配置されているため、組立時には外周エッジ部とダンパをフレームに対して順次組み込んでいくことができ、組立性も良好となる。
【0016】
なお、フレームのダンパ支持部をエッジ支持部よりも径方向外側に配置させるための具体的な構成としては、例えば、フレームのうちエッジ支持部よりも前方に延出している部分を、該エッジ支持部に比して内径が大なる筒状壁部となし、該筒状壁部にダンパ支持部を設ければよい。あるいは、フレームのうちエッジ支持部よりも前方に延出している部分を、先端側が漸次大径となるテーパ状壁部となし、該テーパ状壁部にダンパ支持部を設ければよい。
【0017】
また、ダンパ支持部をエッジ支持部よりも径方向外側に配置させた状態でダンパに所望の剛性を確保するためには、例えば、単位長さ当たりの剛性がやや大きいダンパを使用して該ダンパの径方向の寸法を長くしてもよいし、口径の大きなボビンを使用してダンパの内周部の位置を径方向外側へずらしてもよい。
【0018】
【実施例】
実施例について図面を参照して説明すると、図1は本発明の第1実施例に係るスピーカの断面図である。
【0019】
図1に示すスピーカ41は、磁気ギャップGを有する磁気回路42と、円筒状のボビン43に巻装されて磁気ギャップG内に配置されたボイスコイル44と、円錐状のコーン紙等からなり先端側が漸次小径となるように形成された振動板45と、この振動板45の前方(図示上方)に配置されたダンパ46と、略円板状の底板部47aが磁気回路42に固定されたフレーム47と、磁気ギャップGの前方を覆っている防塵キャップ48とによって主に構成されており、振動板45の最も前方に位置する内周部とダンパ46の内周部とはいずれもボビン43の前端部に接着固定されている。
【0020】
フレーム47の底板部47aの周囲には肉厚な側壁部47bが立設されており、この側壁部47bの前方側端部からさらに前方へ向かって該側壁部47bよりも薄肉の筒状壁部47cが一体に延設されている。側壁部47bの内面と筒状壁部47cの内面との間の段部(エッジ支持部)47dには、振動板45の外周縁に固着された外周エッジ部49の外周縁が載置されて接着固定されており、筒状壁部47cの前方側端部である段部(ダンパ支持部)47eにはダンパ46の外周部が接着固定されている。つまり、このスピーカ41は、振動板45の外周部が外周エッジ部49を介して側壁部47b上に支持されていると共に、ダンパ46の外周部が筒状壁部47c上に支持されており、かつ、エッジ支持部47dに比してダンパ支持部47eが径方向外側に配置されている。
【0021】
なお、フレーム47の材料は特に限定されず、ダイキャスト等からなる金属フレームであってもよいし、ABS樹脂等からなる樹脂フレームであってもよい。また、側壁部47bはその外径を筒状壁部47cの外径よりも小径とすることで、筒状壁部47cと同一の肉厚に形成することもできる。また、本実施例では、磁気回路42が径方向に沿って着磁された円筒状のマグネット50とポールピース部51aを有するヨーク51とからなり、ポールピース部51aの外周面に固設したマグネット50の外周面を磁気ギャップGに対向させているが、他の構成、例えば軸線方向に沿って着磁されたマグネットをヨークとトッププレートとの間に介設して該トッププレートの内周面を磁気ギャップに対向せしめた磁気回路であってもよい。
【0022】
なお、上記実施例では、便宜上図示上方を前方とし、図示下方を後方として説明しているが、この方向はスピーカ41の放音面側とは無関係である。つまり、上記スピーカ41では、底板部47aに多数の貫通孔が形成され、この底板部47a側が放音面側となっているが、ダンパ46や筒状壁部47cに開口を形成して図示上方側を放音面とすることも可能である。
【0023】
このように構成されたスピーカ41は、図示せぬリード線を介してボイスコイル44に音声電流が通電されると、電磁力によりボイスコイル44が振動するので、ボビン43を介して振動板45が駆動されて振動し、ラジオ音声や各種記録媒体の再生音声などの拡声が行えるようになっている。
【0024】
上述の如く本実施例に係るスピーカ41は、振動板45の内周部が外周エッジ部49よりも前方に位置し、この振動板45がボビン43および磁気回路42の一部を包囲するように配置されているため、全体の高さ寸法が著しく薄型化されている。また、振動板45の外周エッジ部49とダンパ46の外周部とが共通のフレーム47によって支持されており、ダンパ46を支持するための専用の部材が不要であることから、部品点数の増加も回避されている。しかも、フレーム47のうち外周エッジ部49を支持するエッジ支持部47dに比して、ダンパ46の外周部を支持するダンパ支持部47eが径方向外側に配置されているため、組立時には外周エッジ部49とダンパ46をフレーム47に対して順次組み込んでいくことができ、組立性も良好である。したがって、この薄型のスピーカ41は安価に製造することができる。
【0025】
なお、本実施例のようにフレーム47のダンパ支持部47eをエッジ支持部47dよりも径方向外側に配置させた構成において、振動系(ボイスコイル44や振動板45)を適正に振動させつつ支持可能な所望の剛性をダンパ46に確保するためには、例えば、単位長さ当たりの剛性がやや大きいダンパを使用して該ダンパの径方向の寸法を長くしてもよいし、口径の大きなボビンを使用してダンパの内周部の位置を径方向外側へずらしてもよい。
【0026】
図2は本発明の第2実施例に係るスピーカの要部断面図であり、図1に対応する部分には同一符号を付してある。
【0027】
本実施例に係るスピーカ61が前述した第1実施例と相違する点は、フレーム47のうちダンパ46の外周部を支持する部分の形状を異ならせたことにあり、それ以外の構成は基本的に同じである。すなわち、このスピーカ61のフレーム47では、底板部47aの周囲に立設された肉厚な側壁部47bの前方側端部からさらに前方へ向かって、先端側が漸次大径となるテーパ状壁部47fが一体に延設されており、このテーパ状壁部47f上がダンパ46の外周部を接着固定するダンパ支持部47eとなっている。そのため、側壁部47b上のエッジ支持部47dに対して、テーパ状壁部47f上のダンパ支持部47eは、第1実施例よりも径方向外側へ大きくずれた位置に配置されている。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0029】
振動板の内周部を外周エッジ部よりも前方に位置させると共に、該外周エッジ部だけでなく振動板の前方に配置したダンパの外周部も同一のフレームによって支持する構成にしたスピーカなので、ボビンを包囲するように振動板を配置させることができてスピーカ全体の薄型化が容易であり、かつ、ダンパを支持するための専用の部材が不要なため部品点数の増加も回避できる。また、フレームのうち外周エッジ部を支持するエッジ支持部に比して、ダンパの外周部を支持するダンパ支持部が径方向外側に配置されているため、組立時には外周エッジ部とダンパをフレームに対して順次組み込んでいくことができ、組立性も良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るスピーカの断面図である。
【図2】本発明の第2実施例に係るスピーカの要部断面図である。
【図3】従来の一般的なスピーカを示す断面図である。
【図4】薄型スピーカの従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
41,61 スピーカ
42 磁気回路
43 ボビン
44 ボイスコイル
45 振動板
46 ダンパ
47 フレーム
47b 側壁部
47c 筒状壁部
47d エッジ支持部
47e ダンパ支持部
47f テーパ状壁部
49 外周エッジ部
50 マグネット
51 ヨーク
G 磁気ギャップ
Claims (3)
- ボビンに巻装されたボイスコイルと、該ボイスコイルが配置される磁気ギャップを有する磁気回路と、内周部が前記ボビンに連結されて前記ボイスコイルへの通電時に駆動される振動板と、該振動板の前方に配置されて前記ボビンに連結されるダンパと、前記磁気回路に固定されて前記振動板の外周部を外周エッジ部を介して支持し、かつ前記ダンパの外周部を支持するフレームとを備え、
前記振動板の内周部が前記外周エッジ部よりも前方に位置すると共に、前記フレームのうち前記外周エッジ部を支持するエッジ支持部に比して、前記ダンパの外周部を支持するダンパ支持部が径方向外側に配置されていることを特徴とするスピーカ。 - 請求項1の記載において、前記フレームのうち前記エッジ支持部よりも前方に延出している部分が、該エッジ支持部に比して内径が大なる筒状壁部であり、該筒状壁部に前記ダンパ支持部を設けたことを特徴とするスピーカ。
- 請求項1の記載において、前記フレームのうち前記エッジ支持部よりも前方に延出している部分が、先端側が漸次大径となるテーパ状壁部であり、該テーパ状壁部に前記ダンパ支持部を設けたことを特徴とするスピーカ。
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-
2003
- 2003-07-02 JP JP2003190555A patent/JP2005027050A/ja not_active Withdrawn
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