JP2005026757A - クロック切替回路およびそれを用いた画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロック信号が切り替えられる際のパルス状のノイズの発生を抑えつつ,簡易且つ小規模なクロック切替回路を構成すること。
【解決手段】複数のクロック信号A,Bのそれぞれについてのクロック切替信号S11,S12に基づいて上記複数のクロック信号A,Bから一つのクロック信号を選択させるクロック選択信号S21,S22を生成する選択信号生成手段(論理回路21,22)と,生成したクロック選択信号をこれに対応するクロック信号に同期して出力し,同期出力された信号S31,S32に基づいて上記複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択して出力するクロック切替回路に,上記同期出力された信号を他のクロック信号に対応する上記選択信号生成手段にフィードバックさせる手段を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】複数のクロック信号A,Bのそれぞれについてのクロック切替信号S11,S12に基づいて上記複数のクロック信号A,Bから一つのクロック信号を選択させるクロック選択信号S21,S22を生成する選択信号生成手段(論理回路21,22)と,生成したクロック選択信号をこれに対応するクロック信号に同期して出力し,同期出力された信号S31,S32に基づいて上記複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択して出力するクロック切替回路に,上記同期出力された信号を他のクロック信号に対応する上記選択信号生成手段にフィードバックさせる手段を設ける。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,入力された複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択して出力するクロック切替回路に関し,特に,クロック切替信号に応じて選択された一つクロック信号を出力するクロック切替回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的なデジタルシステムでは,通常,一つのある一定のクロック信号(クロック周波数)に同期してその動作が制御されている。しかし,システムの利用形態が多様化する中,クロック信号の異なる複数のシステム間でデータの交換等が行なわれるようになってきた。また,近年,スキャナ装置やデジタル複写機等の画像処理装置において,原稿画像を読み取るための撮像素子にCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)が用いられるようになった。このCMOSはクロック信号の周波数に比例して電力を消費するものである。当該画像処理装置には,一定の時間,画像処理がなされなかった場合に供給電圧をセーブして装置を待機状態或いは省電力状態に移行させることにより装置で消費される電力を低減する機能が備えられているが,このような機能が働いた場合であっても,上記CMOS等の電子部品における消費電力は低減され得なかった。
このような場合に,システム相互間のデータ交換を実現するため,或いは上記CMOS等の電子部品での電力消費量を抑制するために,複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択して出力するクロック切替回路が用いられる。
このような切替回路の一例として,特許文献1に記載されるクロック切替回路がある。かかるクロック切替回路は,クロックを切り替えるための切替信号に応じて,複数のクロック周波数それぞれについてクロックを切り替える状態にあるか否かを検出し,その検出状態を対応するクロック信号に同期させて記録する第1の記憶手段(第1のフリップフロップ)と,複数のクロック周波数のそれぞれについて上記第1の記憶手段に記憶された状態が,対応するクロック信号のみが選択されているかどうかを検出し,その検出状態を記憶する第2の記憶手段(第2のフリップフロップ)とを備え,上記第1の記憶手段と第2の記憶手段に記憶された状態が共通するクロックを選択して出力することによって複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択して出力するものである。これにより,クロック信号が切り換わる際のパルス状のノイズの発生を抑え,システムの誤動作の発生を防止している。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−117683号公報
【0004】
しかしながら,上記特許文献1に記載の従来のクロック切替回路では,例えば2つのクロック信号に対してそれぞれ2つの記憶手段(フリップフロップ)を必要とし,あわせて4つの記憶手段(フリップフロップ)を必要とするため回路が複雑化し,更に,比較的規模の大きい素子として知られるフリップフロップを多用するため,回路規模が拡大し,例えばIC化する際の集積度を低下させるという問題がある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,クロック信号が切り替えられる際のパルス状のノイズの発生を抑えつつも,簡易且つ小規模な回路で構成されるクロック切替回路を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は,複数のクロック信号のそれぞれについてのクロック切替信号に基づいて上記複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択させるクロック選択信号を生成する選択信号生成手段と,上記選択信号生成手段により生成されたクロック選択信号を,該クロック選択信号に対応するクロック信号に同期して出力する同期手段とを備え,上記同期手段により同期して出力された同期クロック選択信号に基づいて上記複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択して出力するクロック切替回路において,上記同期クロック選択信号を,該同期クロック選択信号に対応するクロック信号以外の他のクロック信号に対応する上記選択信号生成手段にフィードバックするフィードバック手段を具備してなることを特徴とするクロック切替回路として構成されている。これにより,クロック信号が切り替えられる際のパルス状のノイズの発生を抑えるとともに,回路を簡易化することが可能となる。また,回路規模が縮小されるので,該回路をIC化した場合の集積度が向上する。
この場合,上記選択信号生成手段が,上記クロック切替信号と上記フィードバック手段によりフィードバックされたフィードバック信号とに基づいて上記クロック選択信号を生成するものが望ましい。
【0006】
また,上記同期手段が,上記クロック選択信号に対応するクロック信号の立ち上がり或いは立ち下りに応答して同期させるものであれば,パルス状のノイズの発生を防止するだけでなく,上記クロック選択信号をクロック信号の周波数に容易に同期させることが可能となる。この場合,上記同期手段が,上記複数のクロック信号それぞれに対応するフリップフロップからなることが望ましい。
【0007】
また,上記クロック切替回路を備えてなる画像処理装置であれば,例えば,省電力状態におけるCMOS等の電子部品での消費電力を効果的に低減することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の第1の実施形態を示すクロック切替回路の構成図,図2は図1に示すクロック切替回路のタイミングチャート,図3は本発明の第2の実施形態を示すクロック切替回路の構成図である。
【0009】
[第1の実施形態] まず,図1に示される本発明の第1の実施形態に係るクロック切替回路について説明する。
図1に示されるクロック切替回路は,論理レベル「1又は0」,或いは電圧レベル「Hi又はLow」で表されたクロック切替信号に応じて,2つのクロック信号A(clockA)及びクロック信号B(clockB)から選択された一つのクロック信号(ClockOut)を出力するクロック切替回路である。該切替回路は,フリップフロップ(以下,「FF」と略す)11〜12と,AND回路21〜22,31〜32と,OR回路41と,NOT回路51,61,62,64とを備えて構成されている。このクロック切替回路に用いられる上記FF11〜12は,クロック信号を入力するクロック端子を有し,このクロック端子に入力されたクロック信号の立ち上がり,或いは立ち下がりに応答して入力された信号を出力する同期形フリップフロップである。尚,上記AND回路21〜22は選択信号生成手段の一例であり,FF11〜12は同期手段の一例である。また,以下の説明において,上記論理レベル及び電圧レベルを信号レベルと称し,論理レベル「1」が電圧レベル「Hi」に対応し,論理レベル「0」が電圧レベル「Low」に対応するものとして説明する。
【0010】
NOT回路51は,外部へ出力するクロック信号(ClockOut)をクロック信号A又はBのいずれかに切り替えるためのクロック切替信号の原信号(ClockSelect)を反転させる。この反転された信号はクロック信号Aについてのクロック切替信号S11としてAND回路21に入力される。また,この原信号は分岐されてクロック信号Bについてのクロック切替信号S12としてAND回路22に入力される。
【0011】
AND回路21は,上記クロック信号Aについてのクロック切替信号S11と,後述するクロック信号BについてのFF12の出力信号S32がNOT回路64bにより反転された反転信号S32′(フィードバック信号に相当)とに基づいて出力信号S21(クロック信号Aについてのクロック選択信号に相当)を生成して出力する。具体的には,上記クロック切替信号S11と上記反転信号S32′との論理積に応じた出力信号S21を出力する。
AND回路22は,上記クロック信号Bについてのクロック切替信号S12と,後述するクロック信号AについてのFF11の出力信号S31がNOT回路64aにより反転された反転信号S31′(フィードバック信号に相当)とに基づいて出力信号S22(クロック信号Bについてのクロック選択信号に相当)を生成して出力する。具体的には,上記クロック切替信号S12と上記反転信号S31′との論理積に応じた出力信号S22を出力する。
このように,クロック信号Bについての上記反転信号S32′を該クロック信号B以外の他のクロック信号Aに対応するAND回路21にフィードバックし,また,クロック信号Aについての上記反転信号S31′を該クロック信号A以外の他のクロック信号Bに対応するAND回路22にフィードバックさせることがフィードバック手段の一例である。
【0012】
上記出力信号S21がFF11に入力されると,該FF11は,上記出力信号S21を,この出力信号S21に対応するクロック信号Aに同期して出力する。例えば,NOT回路61により反転されたクロック信号A′(clockA′)の立ち上がり,即ち,クロック信号Aの立ち下りに応答して,上記出力信号S21と同じ信号レベルの信号S31(クロック信号Aについての同期クロック選択信号に相当)を出力する。即ち,FF11に入力された上記出力信号S21が,その入力後のクロック信号A′の次なる立ち上がりまで遅延させられた後に,出力信号S31としてFF11から出力される。
上記出力信号S22がFF12に入力されると,該FF12は,上記出力信号S22を,この出力信号S22に対応するクロック信号Bに同期して出力する。例えば,NOT回路62により反転されたクロック信号B′(clockB′)の立ち上がり,即ち,クロック信号Bの立ち下りに応答して,上記出力信号S22と同じ信号レベルの信号S32(クロック信号Bについての同期クロック選択信号に相当)を出力する。即ち,FF12に入力された上記出力信号S22が,その入力後のクロック信号B′の次なる立ち上がりまで遅延させられた後に,出力信号S32としてFF12から出力される。
【0013】
AND回路31は,FF11の出力信号S31とクロック信号Aとの論理積に応じた信号S41をOR回路41に出力する。また,AND回路32は,FF12の出力信号S32とクロック信号Bとの論理積に応じた信号S42をOR回路41に出力する。OR回路41は,AND回路31の出力信号S41とAND回路32の出力信号S42との論理和に応じたクロック信号(ClockOut)を出力する。
【0014】
次に,図2に示すタイミングチャートを参照して,本発明の第1の実施形態に係るクロック切替回路の動作について説明する。尚,本タイミングチャートは,外部に出力されているクロック信号Aをクロック信号Bに切り替え,再度クロック信号Aに切り替える場合を示している。
【0015】
時刻T0では,上記クロック切替回路には,異なる周波数を有するクロック信号A及びB,並びに信号レベルが“Low”のクロック切替信号の原信号(ClockSelect)が入力されており,このとき,クロック信号Aが外部に出力されている。
【0016】
ここで,まず,外部への出力信号(ClockOut)をクロック信号Aからクロック信号Bに切り替える動作について説明する。かかるクロック切替動作は,例えば上記クロック切替回路を備えた不図示の画像形成装置等において切替スイッチ等が操作されることにより,或いは,上記画像形成装置等を制御するCPU等からなる不図示の制御部等によるクロック切替命令等がなされることにより,上記クロック切替回路へクロック切替信号の原信号が出力されて開始される。
時刻T1に,クロック切替信号の原信号が“Low”から“Hi”になると,NOT回路51により反転された“Low”レベルのクロック切替信号S11がAND回路21に入力され,AND回路21の出力信号S21が“Low”となり,そして,この“Low” の出力信号S21がFF11に入力される。
このとき,NOT回路61によりクロック信号Aが反転されたクロック信号A′の信号レベルは“Hi”であるため,上記FF11に入力された出力信号S21の“Low”信号は,クロック信号A′の信号レベルが“Low”から“Hi”に立ち上がるまで,即ち,出力信号S21の“Low”信号が時刻T1に上記FF11に入力されてから時刻T2までのδt1の間,上記FF11により遅延させられる。その後,FF11は上記AND回路21の出力信号と同レベルの“Low”信号(S31)を出力する。出力信号S31が“Low”となると,AND回路31の出力信号も“Low”となり,クロック信号Aの外部への出力が停止する。
【0017】
また,時刻T1に,“Low”から“Hi”になったクロック切替信号S12がAND回路22に入力される。この場合,時刻T1の時点では,上記FF11の出力信号S31の信号レベルはまだ“Hi”である。この“Hi”レベルの出力信号S31は,NOT回路S64aにより“Low”の信号(S31′)に反転されるため,AND回路22の出力信号S22は未だ“Low”のままである。しかし,δt1後の時刻T2で,FF11の出力信号S31が“Hi”から“Low”となるため,時刻T2に,AND回路22の出力信号S22は “Low”から“Hi”となり,この“Hi”信号がFF12に入力される。
このとき,NOT回路62によりクロック信号Bが反転されたクロック信号B′の信号レベルは“Low”であるため,上記FF12に入力された出力信号S22の“Hi”信号は,クロック信号B′の信号レベルが“Low”から“Hi”に立ち上がるまで,即ち,出力信号S22の“Hi”信号が時刻T1に上記FF12に入力されてから時刻T3までのδt2の間,上記FF12により遅延させられる。その後,FF12は上記AND回路22の出力信号と同レベルの“Hi”信号(S32)を出力する。出力信号S32が“Hi”となると,AND回路32はクロック信号Bの周波数に合わせて“Hi”の信号(S42)を出力する。これにより,クロック信号Bが外部に出力される。
このように,FF11においてδt1だけ遅延され,その後に反転された信号S31′がAND回路22に入力されることにより,クロック信号Aからクロック信号Bへ切り替えられる際のパルス状のノイズの発生が抑制され得る。また,このような回路構成とすることにより,従来のクロック切替回路と較べて比較的規模の大きいフリップフロップを削減することが可能となり,その結果,回路規模の縮小化が実現される。
【0018】
次に,外部への出力信号(ClockOut)をクロック信号Bからクロック信号Aに切り替える動作について説明する。かかるクロック切替動作は,前記したクロック信号Aからクロック信号Bへのクロック切替動作と同様にして行なわれる。
時刻T4に,クロック切替信号S12が“Hi”から“Low”になると,AND回路22の出力信号S22が“Low”となり,そして,この“Low”の出力信号S22がFF12に入力される。
このとき,NOT回路62によりクロック信号Bが反転されたクロック信号B′の信号レベルは“Low”であるため,上記FF12に入力された出力信号S22の“Low”信号は,クロック信号B′の信号レベルが“Low”から“Hi”に立ち上がるまで,即ち,出力信号S22の“Low”信号が時刻T4に上記FF12に入力されてから時刻T3までのδt3の間,上記FF12により遅延させられる。その後,FF12は上記AND回路22の出力信号と同レベルの“Low”信号(S32)を出力する。出力信号S32が“Low”となると,AND回路32の出力信号も“Low”となり,クロック信号Bの外部への出力が停止する。
【0019】
また,時刻T4に,NOT回路51により反転された“Hi”レベルのクロック切替信号S11がAND回路21に入力される。この場合,時刻T4の時点では,上記FF12の出力信号S32の信号レベルはまだ“Hi”である。この“Hi”レベルの出力信号S32は,NOT回路S64bにより“Low”の信号(S32′)に反転されるため,AND回路21の出力信号S21は未だ“Low”のままである。しかし,そのδt3後の時刻T5で,FF12の出力信号S32が“Hi”から“Low”となるため,時刻T5に,AND回路21の出力信号S21は“Low”から“Hi”となり,この“Hi”信号がFF11に入力される。
このとき,NOT回路61によりクロック信号Aが反転されたクロック信号A′の信号レベルは“Hi”であるため,上記FF11に入力された出力信号S21の“Hi”信号は,クロック信号A′の信号レベルが“Low”から“Hi”に立ち上がるまで,即ち,出力信号S21の“Hi”信号が時刻T5に上記FF11に入力されてから時刻T6までのδt4の間,上記FF11により遅延させられる。その後,FF11は上記AND回路21の出力信号と同レベルの“Hi”信号(S31)を出力する。出力信号S31が“Hi”となると,AND回路31はクロック信号Aの周波数に合わせて“Hi”の信号(S41)を出力する。これにより,クロック信号Aが外部に出力される。
このように,FF12においてδt3だけ遅延され,その後に反転された信号S32′がAND回路21に入力されることにより,クロック信号Bからクロック信号Aへ切り替えられる際のパルス状のノイズの発生が抑制されるとともに,従来のクロック切替回路と較べて比較的規模の大きいフリップフロップを削減することが可能となり,その結果,回路規模の縮小化が実現される。
【0020】
[第2の実施形態] 次に,図3に示される本発明の第2の実施形態に係るクロック切替回路について説明する。
図2に示されるクロック切替回路は,3つのクロック信号A,B,Cのそれぞれのクロック切替信号に応じて,上記3つのクロック信号A(clockA),B(clockB),C(clockB)から選択された一つのクロック信号(ClockOut)を出力するクロック切替回路である。該切替回路は,フリップフロップ(以下,「FF」と略す)11〜13と,AND回路21〜23,31〜33と,OR回路41と,デコーダ52と,NOT回路61〜64とを備えて構成されている。このクロック切替回路に用いられる上記FF11〜13も,前記第1の実施の形態と同じく,クロック信号を入力するクロック端子を有し,このクロック端子に入力されたクロック信号の立ち上がり,或いは立ち下がりに応答して入力された信号を出力する同期形フリップフロップである。尚,上記AND回路21〜23は選択信号生成手段の一例であり,FF11〜13は同期手段の一例である。また,以下の説明においても,上記論理レベル及び電圧レベルを信号レベルと称し,論理レベル「1」が電圧レベル「Hi」に対応し,論理レベル「0」が電圧レベル「Low」に対応するものとして説明する。尚,FF11〜13,OR回路41,NOT回路61〜64の説明,及び第2の実施の形態におけるクロック切替動作の説明については,前記した第1の実施の形態と同様であるため,前記第1の実施の形態における説明を参照していただきたい。
【0021】
デコーダ52は,上記クロック信号A,B,Cそれぞれについての複数のクロック切替信号がコード化されて1つのビット信号として上記クロック切替回路に出力された場合に,コード化された信号(ClockSelect)を元のクロック切替信号に複合して,複合された複数のクロック切替信号を,それぞれのクロック信号A,B,Cに対応するAND回路21〜23に出力する。
【0022】
AND回路21は,上記クロック信号Aについてのクロック切替信号S11と,クロック信号BについてのFF12の出力信号S32がNOT回路64bにより反転された反転信号S32′(フィードバック信号に相当)と,クロック信号CについてのFF13の出力信号S33がNOT回路64cにより反転された反転信号S33′(フィードバック信号に相当)とに基づいて出力信号S21(クロック信号Aについてのクロック選択信号に相当)を生成して出力する。具体的には,上記クロック切替信号S11と上記反転信号S32′と上記反転信号S33′との論理積に応じた出力信号S21を出力する。
AND回路22は,上記クロック信号Bについてのクロック切替信号S12と,クロック信号AについてのFF11の出力信号S31がNOT回路64aにより反転された反転信号S31′(フィードバック信号に相当)と,クロック信号CについてのFF13の出力信号S33がNOT回路64cにより反転された反転信号S33′(フィードバック信号に相当)とに基づいて出力信号S22(クロック信号Bについてのクロック選択信号に相当)を生成して出力する。具体的には,上記クロック切替信号S12と上記反転信号S31′と上記反転信号S33′との論理積に応じた出力信号S22を出力する。
AND回路23は,上記クロック信号Cについてのクロック切替信号S13と,クロック信号AについてのFF11の出力信号S31がNOT回路64aにより反転された反転信号S31′(フィードバック信号に相当)と,クロック信号BについてのFF12の出力信号S32がNOT回路64bにより反転された反転信号S32′(フィードバック信号に相当)とに基づいて出力信号S23(クロック信号Cについてのクロック選択信号に相当)を生成して出力する。具体的には,上記クロック切替信号S13と上記反転信号S31′と上記反転信号S32′との論理積に応じた出力信号S23を出力する。
このように,クロック信号B及びCについての上記反転信号S32′,S33′を該クロック信号B,C以外の他のクロック信号Aに対応するAND回路21にフィードバックし,また,クロック信号A及びCについての上記反転信号S31′,S33′を該クロック信号A,C以外の他のクロック信号Bに対応するAND回路22にフィードバックし,そして,クロック信号A及びBについての上記反転信号S31′,S32′を該クロック信号A,B以外の他のクロック信号Cに対応するAND回路23にフィードバックさせることがフィードバック手段の一例である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明は,複数のクロック信号のそれぞれについてのクロック切替信号に基づいて上記複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択させるクロック選択信号を生成する選択信号生成手段と,生成したクロック選択信号をこれに対応するクロック信号に同期して出力し,同期出力された信号に基づいて上記複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択して出力するクロック切替回路に,上記同期出力された信号を他のクロック信号に対応する上記選択信号生成手段にフィードバックするよう構成されているので,クロック信号が切り替えられる際のパルス状のノイズの発生を抑えるとともに,回路を簡易化することが可能となる。
また,かかるクロック切替回路を画像処理装置に適用させることで,画像処理装置が省電力状態に移行した場合に,CMOS等の電子部品において消費される電力を効果的に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すクロック切替回路の構成図。
【図2】図1に示すクロック切替回路のタイミングチャート。
【図3】本発明の第2の実施形態を示すクロック切替回路の構成図。
【符号の説明】
11〜13…フリップフロップ
21〜23…AND回路
31〜33…AND回路
41…OR回路
51…NOT回路
52…デコーダ
61〜64…NOT回路
【発明の属する技術分野】
本発明は,入力された複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択して出力するクロック切替回路に関し,特に,クロック切替信号に応じて選択された一つクロック信号を出力するクロック切替回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的なデジタルシステムでは,通常,一つのある一定のクロック信号(クロック周波数)に同期してその動作が制御されている。しかし,システムの利用形態が多様化する中,クロック信号の異なる複数のシステム間でデータの交換等が行なわれるようになってきた。また,近年,スキャナ装置やデジタル複写機等の画像処理装置において,原稿画像を読み取るための撮像素子にCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)が用いられるようになった。このCMOSはクロック信号の周波数に比例して電力を消費するものである。当該画像処理装置には,一定の時間,画像処理がなされなかった場合に供給電圧をセーブして装置を待機状態或いは省電力状態に移行させることにより装置で消費される電力を低減する機能が備えられているが,このような機能が働いた場合であっても,上記CMOS等の電子部品における消費電力は低減され得なかった。
このような場合に,システム相互間のデータ交換を実現するため,或いは上記CMOS等の電子部品での電力消費量を抑制するために,複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択して出力するクロック切替回路が用いられる。
このような切替回路の一例として,特許文献1に記載されるクロック切替回路がある。かかるクロック切替回路は,クロックを切り替えるための切替信号に応じて,複数のクロック周波数それぞれについてクロックを切り替える状態にあるか否かを検出し,その検出状態を対応するクロック信号に同期させて記録する第1の記憶手段(第1のフリップフロップ)と,複数のクロック周波数のそれぞれについて上記第1の記憶手段に記憶された状態が,対応するクロック信号のみが選択されているかどうかを検出し,その検出状態を記憶する第2の記憶手段(第2のフリップフロップ)とを備え,上記第1の記憶手段と第2の記憶手段に記憶された状態が共通するクロックを選択して出力することによって複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択して出力するものである。これにより,クロック信号が切り換わる際のパルス状のノイズの発生を抑え,システムの誤動作の発生を防止している。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−117683号公報
【0004】
しかしながら,上記特許文献1に記載の従来のクロック切替回路では,例えば2つのクロック信号に対してそれぞれ2つの記憶手段(フリップフロップ)を必要とし,あわせて4つの記憶手段(フリップフロップ)を必要とするため回路が複雑化し,更に,比較的規模の大きい素子として知られるフリップフロップを多用するため,回路規模が拡大し,例えばIC化する際の集積度を低下させるという問題がある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,クロック信号が切り替えられる際のパルス状のノイズの発生を抑えつつも,簡易且つ小規模な回路で構成されるクロック切替回路を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は,複数のクロック信号のそれぞれについてのクロック切替信号に基づいて上記複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択させるクロック選択信号を生成する選択信号生成手段と,上記選択信号生成手段により生成されたクロック選択信号を,該クロック選択信号に対応するクロック信号に同期して出力する同期手段とを備え,上記同期手段により同期して出力された同期クロック選択信号に基づいて上記複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択して出力するクロック切替回路において,上記同期クロック選択信号を,該同期クロック選択信号に対応するクロック信号以外の他のクロック信号に対応する上記選択信号生成手段にフィードバックするフィードバック手段を具備してなることを特徴とするクロック切替回路として構成されている。これにより,クロック信号が切り替えられる際のパルス状のノイズの発生を抑えるとともに,回路を簡易化することが可能となる。また,回路規模が縮小されるので,該回路をIC化した場合の集積度が向上する。
この場合,上記選択信号生成手段が,上記クロック切替信号と上記フィードバック手段によりフィードバックされたフィードバック信号とに基づいて上記クロック選択信号を生成するものが望ましい。
【0006】
また,上記同期手段が,上記クロック選択信号に対応するクロック信号の立ち上がり或いは立ち下りに応答して同期させるものであれば,パルス状のノイズの発生を防止するだけでなく,上記クロック選択信号をクロック信号の周波数に容易に同期させることが可能となる。この場合,上記同期手段が,上記複数のクロック信号それぞれに対応するフリップフロップからなることが望ましい。
【0007】
また,上記クロック切替回路を備えてなる画像処理装置であれば,例えば,省電力状態におけるCMOS等の電子部品での消費電力を効果的に低減することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の第1の実施形態を示すクロック切替回路の構成図,図2は図1に示すクロック切替回路のタイミングチャート,図3は本発明の第2の実施形態を示すクロック切替回路の構成図である。
【0009】
[第1の実施形態] まず,図1に示される本発明の第1の実施形態に係るクロック切替回路について説明する。
図1に示されるクロック切替回路は,論理レベル「1又は0」,或いは電圧レベル「Hi又はLow」で表されたクロック切替信号に応じて,2つのクロック信号A(clockA)及びクロック信号B(clockB)から選択された一つのクロック信号(ClockOut)を出力するクロック切替回路である。該切替回路は,フリップフロップ(以下,「FF」と略す)11〜12と,AND回路21〜22,31〜32と,OR回路41と,NOT回路51,61,62,64とを備えて構成されている。このクロック切替回路に用いられる上記FF11〜12は,クロック信号を入力するクロック端子を有し,このクロック端子に入力されたクロック信号の立ち上がり,或いは立ち下がりに応答して入力された信号を出力する同期形フリップフロップである。尚,上記AND回路21〜22は選択信号生成手段の一例であり,FF11〜12は同期手段の一例である。また,以下の説明において,上記論理レベル及び電圧レベルを信号レベルと称し,論理レベル「1」が電圧レベル「Hi」に対応し,論理レベル「0」が電圧レベル「Low」に対応するものとして説明する。
【0010】
NOT回路51は,外部へ出力するクロック信号(ClockOut)をクロック信号A又はBのいずれかに切り替えるためのクロック切替信号の原信号(ClockSelect)を反転させる。この反転された信号はクロック信号Aについてのクロック切替信号S11としてAND回路21に入力される。また,この原信号は分岐されてクロック信号Bについてのクロック切替信号S12としてAND回路22に入力される。
【0011】
AND回路21は,上記クロック信号Aについてのクロック切替信号S11と,後述するクロック信号BについてのFF12の出力信号S32がNOT回路64bにより反転された反転信号S32′(フィードバック信号に相当)とに基づいて出力信号S21(クロック信号Aについてのクロック選択信号に相当)を生成して出力する。具体的には,上記クロック切替信号S11と上記反転信号S32′との論理積に応じた出力信号S21を出力する。
AND回路22は,上記クロック信号Bについてのクロック切替信号S12と,後述するクロック信号AについてのFF11の出力信号S31がNOT回路64aにより反転された反転信号S31′(フィードバック信号に相当)とに基づいて出力信号S22(クロック信号Bについてのクロック選択信号に相当)を生成して出力する。具体的には,上記クロック切替信号S12と上記反転信号S31′との論理積に応じた出力信号S22を出力する。
このように,クロック信号Bについての上記反転信号S32′を該クロック信号B以外の他のクロック信号Aに対応するAND回路21にフィードバックし,また,クロック信号Aについての上記反転信号S31′を該クロック信号A以外の他のクロック信号Bに対応するAND回路22にフィードバックさせることがフィードバック手段の一例である。
【0012】
上記出力信号S21がFF11に入力されると,該FF11は,上記出力信号S21を,この出力信号S21に対応するクロック信号Aに同期して出力する。例えば,NOT回路61により反転されたクロック信号A′(clockA′)の立ち上がり,即ち,クロック信号Aの立ち下りに応答して,上記出力信号S21と同じ信号レベルの信号S31(クロック信号Aについての同期クロック選択信号に相当)を出力する。即ち,FF11に入力された上記出力信号S21が,その入力後のクロック信号A′の次なる立ち上がりまで遅延させられた後に,出力信号S31としてFF11から出力される。
上記出力信号S22がFF12に入力されると,該FF12は,上記出力信号S22を,この出力信号S22に対応するクロック信号Bに同期して出力する。例えば,NOT回路62により反転されたクロック信号B′(clockB′)の立ち上がり,即ち,クロック信号Bの立ち下りに応答して,上記出力信号S22と同じ信号レベルの信号S32(クロック信号Bについての同期クロック選択信号に相当)を出力する。即ち,FF12に入力された上記出力信号S22が,その入力後のクロック信号B′の次なる立ち上がりまで遅延させられた後に,出力信号S32としてFF12から出力される。
【0013】
AND回路31は,FF11の出力信号S31とクロック信号Aとの論理積に応じた信号S41をOR回路41に出力する。また,AND回路32は,FF12の出力信号S32とクロック信号Bとの論理積に応じた信号S42をOR回路41に出力する。OR回路41は,AND回路31の出力信号S41とAND回路32の出力信号S42との論理和に応じたクロック信号(ClockOut)を出力する。
【0014】
次に,図2に示すタイミングチャートを参照して,本発明の第1の実施形態に係るクロック切替回路の動作について説明する。尚,本タイミングチャートは,外部に出力されているクロック信号Aをクロック信号Bに切り替え,再度クロック信号Aに切り替える場合を示している。
【0015】
時刻T0では,上記クロック切替回路には,異なる周波数を有するクロック信号A及びB,並びに信号レベルが“Low”のクロック切替信号の原信号(ClockSelect)が入力されており,このとき,クロック信号Aが外部に出力されている。
【0016】
ここで,まず,外部への出力信号(ClockOut)をクロック信号Aからクロック信号Bに切り替える動作について説明する。かかるクロック切替動作は,例えば上記クロック切替回路を備えた不図示の画像形成装置等において切替スイッチ等が操作されることにより,或いは,上記画像形成装置等を制御するCPU等からなる不図示の制御部等によるクロック切替命令等がなされることにより,上記クロック切替回路へクロック切替信号の原信号が出力されて開始される。
時刻T1に,クロック切替信号の原信号が“Low”から“Hi”になると,NOT回路51により反転された“Low”レベルのクロック切替信号S11がAND回路21に入力され,AND回路21の出力信号S21が“Low”となり,そして,この“Low” の出力信号S21がFF11に入力される。
このとき,NOT回路61によりクロック信号Aが反転されたクロック信号A′の信号レベルは“Hi”であるため,上記FF11に入力された出力信号S21の“Low”信号は,クロック信号A′の信号レベルが“Low”から“Hi”に立ち上がるまで,即ち,出力信号S21の“Low”信号が時刻T1に上記FF11に入力されてから時刻T2までのδt1の間,上記FF11により遅延させられる。その後,FF11は上記AND回路21の出力信号と同レベルの“Low”信号(S31)を出力する。出力信号S31が“Low”となると,AND回路31の出力信号も“Low”となり,クロック信号Aの外部への出力が停止する。
【0017】
また,時刻T1に,“Low”から“Hi”になったクロック切替信号S12がAND回路22に入力される。この場合,時刻T1の時点では,上記FF11の出力信号S31の信号レベルはまだ“Hi”である。この“Hi”レベルの出力信号S31は,NOT回路S64aにより“Low”の信号(S31′)に反転されるため,AND回路22の出力信号S22は未だ“Low”のままである。しかし,δt1後の時刻T2で,FF11の出力信号S31が“Hi”から“Low”となるため,時刻T2に,AND回路22の出力信号S22は “Low”から“Hi”となり,この“Hi”信号がFF12に入力される。
このとき,NOT回路62によりクロック信号Bが反転されたクロック信号B′の信号レベルは“Low”であるため,上記FF12に入力された出力信号S22の“Hi”信号は,クロック信号B′の信号レベルが“Low”から“Hi”に立ち上がるまで,即ち,出力信号S22の“Hi”信号が時刻T1に上記FF12に入力されてから時刻T3までのδt2の間,上記FF12により遅延させられる。その後,FF12は上記AND回路22の出力信号と同レベルの“Hi”信号(S32)を出力する。出力信号S32が“Hi”となると,AND回路32はクロック信号Bの周波数に合わせて“Hi”の信号(S42)を出力する。これにより,クロック信号Bが外部に出力される。
このように,FF11においてδt1だけ遅延され,その後に反転された信号S31′がAND回路22に入力されることにより,クロック信号Aからクロック信号Bへ切り替えられる際のパルス状のノイズの発生が抑制され得る。また,このような回路構成とすることにより,従来のクロック切替回路と較べて比較的規模の大きいフリップフロップを削減することが可能となり,その結果,回路規模の縮小化が実現される。
【0018】
次に,外部への出力信号(ClockOut)をクロック信号Bからクロック信号Aに切り替える動作について説明する。かかるクロック切替動作は,前記したクロック信号Aからクロック信号Bへのクロック切替動作と同様にして行なわれる。
時刻T4に,クロック切替信号S12が“Hi”から“Low”になると,AND回路22の出力信号S22が“Low”となり,そして,この“Low”の出力信号S22がFF12に入力される。
このとき,NOT回路62によりクロック信号Bが反転されたクロック信号B′の信号レベルは“Low”であるため,上記FF12に入力された出力信号S22の“Low”信号は,クロック信号B′の信号レベルが“Low”から“Hi”に立ち上がるまで,即ち,出力信号S22の“Low”信号が時刻T4に上記FF12に入力されてから時刻T3までのδt3の間,上記FF12により遅延させられる。その後,FF12は上記AND回路22の出力信号と同レベルの“Low”信号(S32)を出力する。出力信号S32が“Low”となると,AND回路32の出力信号も“Low”となり,クロック信号Bの外部への出力が停止する。
【0019】
また,時刻T4に,NOT回路51により反転された“Hi”レベルのクロック切替信号S11がAND回路21に入力される。この場合,時刻T4の時点では,上記FF12の出力信号S32の信号レベルはまだ“Hi”である。この“Hi”レベルの出力信号S32は,NOT回路S64bにより“Low”の信号(S32′)に反転されるため,AND回路21の出力信号S21は未だ“Low”のままである。しかし,そのδt3後の時刻T5で,FF12の出力信号S32が“Hi”から“Low”となるため,時刻T5に,AND回路21の出力信号S21は“Low”から“Hi”となり,この“Hi”信号がFF11に入力される。
このとき,NOT回路61によりクロック信号Aが反転されたクロック信号A′の信号レベルは“Hi”であるため,上記FF11に入力された出力信号S21の“Hi”信号は,クロック信号A′の信号レベルが“Low”から“Hi”に立ち上がるまで,即ち,出力信号S21の“Hi”信号が時刻T5に上記FF11に入力されてから時刻T6までのδt4の間,上記FF11により遅延させられる。その後,FF11は上記AND回路21の出力信号と同レベルの“Hi”信号(S31)を出力する。出力信号S31が“Hi”となると,AND回路31はクロック信号Aの周波数に合わせて“Hi”の信号(S41)を出力する。これにより,クロック信号Aが外部に出力される。
このように,FF12においてδt3だけ遅延され,その後に反転された信号S32′がAND回路21に入力されることにより,クロック信号Bからクロック信号Aへ切り替えられる際のパルス状のノイズの発生が抑制されるとともに,従来のクロック切替回路と較べて比較的規模の大きいフリップフロップを削減することが可能となり,その結果,回路規模の縮小化が実現される。
【0020】
[第2の実施形態] 次に,図3に示される本発明の第2の実施形態に係るクロック切替回路について説明する。
図2に示されるクロック切替回路は,3つのクロック信号A,B,Cのそれぞれのクロック切替信号に応じて,上記3つのクロック信号A(clockA),B(clockB),C(clockB)から選択された一つのクロック信号(ClockOut)を出力するクロック切替回路である。該切替回路は,フリップフロップ(以下,「FF」と略す)11〜13と,AND回路21〜23,31〜33と,OR回路41と,デコーダ52と,NOT回路61〜64とを備えて構成されている。このクロック切替回路に用いられる上記FF11〜13も,前記第1の実施の形態と同じく,クロック信号を入力するクロック端子を有し,このクロック端子に入力されたクロック信号の立ち上がり,或いは立ち下がりに応答して入力された信号を出力する同期形フリップフロップである。尚,上記AND回路21〜23は選択信号生成手段の一例であり,FF11〜13は同期手段の一例である。また,以下の説明においても,上記論理レベル及び電圧レベルを信号レベルと称し,論理レベル「1」が電圧レベル「Hi」に対応し,論理レベル「0」が電圧レベル「Low」に対応するものとして説明する。尚,FF11〜13,OR回路41,NOT回路61〜64の説明,及び第2の実施の形態におけるクロック切替動作の説明については,前記した第1の実施の形態と同様であるため,前記第1の実施の形態における説明を参照していただきたい。
【0021】
デコーダ52は,上記クロック信号A,B,Cそれぞれについての複数のクロック切替信号がコード化されて1つのビット信号として上記クロック切替回路に出力された場合に,コード化された信号(ClockSelect)を元のクロック切替信号に複合して,複合された複数のクロック切替信号を,それぞれのクロック信号A,B,Cに対応するAND回路21〜23に出力する。
【0022】
AND回路21は,上記クロック信号Aについてのクロック切替信号S11と,クロック信号BについてのFF12の出力信号S32がNOT回路64bにより反転された反転信号S32′(フィードバック信号に相当)と,クロック信号CについてのFF13の出力信号S33がNOT回路64cにより反転された反転信号S33′(フィードバック信号に相当)とに基づいて出力信号S21(クロック信号Aについてのクロック選択信号に相当)を生成して出力する。具体的には,上記クロック切替信号S11と上記反転信号S32′と上記反転信号S33′との論理積に応じた出力信号S21を出力する。
AND回路22は,上記クロック信号Bについてのクロック切替信号S12と,クロック信号AについてのFF11の出力信号S31がNOT回路64aにより反転された反転信号S31′(フィードバック信号に相当)と,クロック信号CについてのFF13の出力信号S33がNOT回路64cにより反転された反転信号S33′(フィードバック信号に相当)とに基づいて出力信号S22(クロック信号Bについてのクロック選択信号に相当)を生成して出力する。具体的には,上記クロック切替信号S12と上記反転信号S31′と上記反転信号S33′との論理積に応じた出力信号S22を出力する。
AND回路23は,上記クロック信号Cについてのクロック切替信号S13と,クロック信号AについてのFF11の出力信号S31がNOT回路64aにより反転された反転信号S31′(フィードバック信号に相当)と,クロック信号BについてのFF12の出力信号S32がNOT回路64bにより反転された反転信号S32′(フィードバック信号に相当)とに基づいて出力信号S23(クロック信号Cについてのクロック選択信号に相当)を生成して出力する。具体的には,上記クロック切替信号S13と上記反転信号S31′と上記反転信号S32′との論理積に応じた出力信号S23を出力する。
このように,クロック信号B及びCについての上記反転信号S32′,S33′を該クロック信号B,C以外の他のクロック信号Aに対応するAND回路21にフィードバックし,また,クロック信号A及びCについての上記反転信号S31′,S33′を該クロック信号A,C以外の他のクロック信号Bに対応するAND回路22にフィードバックし,そして,クロック信号A及びBについての上記反転信号S31′,S32′を該クロック信号A,B以外の他のクロック信号Cに対応するAND回路23にフィードバックさせることがフィードバック手段の一例である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明は,複数のクロック信号のそれぞれについてのクロック切替信号に基づいて上記複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択させるクロック選択信号を生成する選択信号生成手段と,生成したクロック選択信号をこれに対応するクロック信号に同期して出力し,同期出力された信号に基づいて上記複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択して出力するクロック切替回路に,上記同期出力された信号を他のクロック信号に対応する上記選択信号生成手段にフィードバックするよう構成されているので,クロック信号が切り替えられる際のパルス状のノイズの発生を抑えるとともに,回路を簡易化することが可能となる。
また,かかるクロック切替回路を画像処理装置に適用させることで,画像処理装置が省電力状態に移行した場合に,CMOS等の電子部品において消費される電力を効果的に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すクロック切替回路の構成図。
【図2】図1に示すクロック切替回路のタイミングチャート。
【図3】本発明の第2の実施形態を示すクロック切替回路の構成図。
【符号の説明】
11〜13…フリップフロップ
21〜23…AND回路
31〜33…AND回路
41…OR回路
51…NOT回路
52…デコーダ
61〜64…NOT回路
Claims (5)
- 複数のクロック信号のそれぞれについてのクロック切替信号に基づいて上記複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択させるクロック選択信号を生成する選択信号生成手段と,
上記選択信号生成手段により生成されたクロック選択信号を,該クロック選択信号に対応するクロック信号に同期して出力する同期手段とを備え,
上記同期手段により同期して出力された同期クロック選択信号に基づいて上記複数のクロック信号から一つのクロック信号を選択して出力するクロック切替回路において,
上記同期クロック選択信号を,該同期クロック選択信号に対応するクロック信号以外の他のクロック信号に対応する上記選択信号生成手段にフィードバックするフィードバック手段を具備してなることを特徴とするクロック切替回路。 - 上記選択信号生成手段が,上記クロック切替信号と上記フィードバック手段によりフィードバックされたフィードバック信号とに基づいて上記クロック選択信号を生成するものである請求項1に記載のクロック切替回路。
- 上記同期手段が,上記クロック選択信号に対応するクロック信号の立ち上がり或いは立ち下りに応答して同期させるものである1又は2に記載のクロック切替回路。
- 上記同期手段が,上記複数のクロック信号それぞれに対応するフリップフロップからなるものである請求項1〜3のいずれかに記載のクロック切替回路
- 請求項1〜4のクロック切替回路を備えてなる画像処理装置。
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2003
- 2003-06-30 JP JP2003187018A patent/JP2005026757A/ja active Pending
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