JP2005026304A - インダクタ内蔵基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ねじ穴を利用した基板内蔵インダクタの電気的特性を向上させると共に歩留り良く量産する。
【解決手段】絶縁基板11にねじ穴15を穿設し、ねじ穴の内面に例えばめっきによって導体膜16を形成し、ねじ穴の谷部15aを残しつつねじ穴の山部15bを除去し(例えばドリルで切断する)、山部を除去したねじ穴に、樹脂に機能性材料(無機フィラー)を混入した複合材料18を充填する。山部を除去した後、ねじ穴にソフトエッチングを施して隣り合う谷部間に残存する導体膜を除去することが望ましい。山部を除去するときに多少の位置ずれがあっても螺旋状の導体をねじ穴内に確実に形成できるようにするためである。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁基板11にねじ穴15を穿設し、ねじ穴の内面に例えばめっきによって導体膜16を形成し、ねじ穴の谷部15aを残しつつねじ穴の山部15bを除去し(例えばドリルで切断する)、山部を除去したねじ穴に、樹脂に機能性材料(無機フィラー)を混入した複合材料18を充填する。山部を除去した後、ねじ穴にソフトエッチングを施して隣り合う谷部間に残存する導体膜を除去することが望ましい。山部を除去するときに多少の位置ずれがあっても螺旋状の導体をねじ穴内に確実に形成できるようにするためである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インダクタ内蔵基板およびその製造方法に係り、特に基板にねじ穴を開け、これを利用してインダクタンス素子を形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機やノートブックパソコンのような電子機器の小型・薄型化、多機能・高性能化の進展に伴い、これらに使用するプリント配線板を多層化し、基板内部にコンデンサやインダクタ、抵抗等の機能素子を内蔵させた各種の基板構造が提案されている。このうち、インダクタを基板内に配する技術を開示するものとして次の特許文献がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−103229号公報(図1〜図4)
【0004】
【特許文献2】
特開平9−82550号公報
【0005】
【特許文献3】
特開2001−85228号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特許文献1(特開平11−103229)に記載された方法は、多層基板の各層ごとにインダクタの一部となる所定形状の導体パターンを形成し、これらをスルーホールで接続して基板積層方向に巻き回された螺旋配線を形成するものであるから、インダクタの形成に多くの工程数を要するとともに、巻数を多くして大きなインダクタンス値を得ることが難しいという側面がある。このような積層法では、配線層1層に形成できる導体パターンは1ターンであって、形成できる巻数は自ずと数回から十数回程度と、基板の積層数に対応する巻数に制限されてしまうからである。
【0007】
一方、同一層内に平面的にスパイラル状の導体パターンを形成することも考えられる。しかしながら、このような平面的なインダクタでは、ヘリカル状のインダクタに匹敵する電気的特性を得ることは難しい。しかも大きな面積が必要となるから、実装密度を向上させる上で不利であるとともに、コンデンサや表面実装部品等の他の基板実装素子と電磁結合を生じることによってこれらの素子あるいはインダクタ自身の特性を劣化させてしまうおそれもある。
【0008】
他方、前記特許文献2(特開平9−82550)および特許文献3(特開2001−85228)に記載の方法は、前記積層法とは異なり、基板に開けたねじ穴を利用してインダクタを形成するものである。具体的には、特許文献2では、基板に開けたねじ穴に導電ペーストを充填しあるいはめっき処理した後、ねじ穴の谷部分を残すようにねじ山部分をドリルで切断することによって螺旋状の導体をねじ穴内に形成する。また、特許文献3では、基板に開けたねじ穴内部をめっきした後、特許文献2と同様にねじ山部分をドリルで切断するか、あるいは最初に基板に貫通スルーホールを形成して該ホール内にめっきを施した後、ねじ切りで螺旋状にめっき導体を除去する。
【0009】
ところが、これら文献記載の構造は、いずれも最後にねじ穴(インダクタのコア部分)に樹脂を充填しこれを封止する構造であるから、電気的特性に優れたインダクタを得ることが難しい。樹脂は一般にtanδが高く、インダクタのQ特性を劣化させるからである。
【0010】
また、素子の電気的特性の問題だけでなく、前記文献記載の方法では、谷部分を残してねじ山部分をちょうど切断することは相当の機械精度が要求され、文献に開示の工程のみによってはインダクタ内蔵基板を製造することは現実には困難であると考えられる。
【0011】
具体的に述べれば、文献記載のように谷部分を残してねじ山部分を切断することは理論的には可能である。ところが、これらの方法で、▲1▼ねじ穴を開け、▲2▼めっきを行い、▲3▼ねじ穴に対してドリル加工を施す、一連の工程を加工機械に基板を固定したまま行うことが出来ればまだ良いが、めっき(▲2▼)を行うには、ねじ穴加工を行うマシンから基板を一旦取り外し、めっき処理の後、再びドリル加工を行うマシンに基板を位置決めし固定し直す必要がある。このため、基板の位置決め誤差やさらには基板自身の伸縮等の影響から、谷部分を残してねじ山部分を正確に切断することはNCドリルマシンを使用しても現実には非常に難しい。したがって、ドリル加工(ねじ山切断)のずれから、インダクタ内の隣接する導体間の短絡や断線が生じるおそれがある。
【0012】
このように、特許文献2および3に記載の方法では、安定的にインダクタを量産することは難しく、これらの方法は実際に生産ラインに載せ産業上利用する実用技術とするには未だ改良の余地を残している。
【0013】
そこで本発明の目的は、ねじ穴を利用した基板内蔵インダクタの電気的特性を向上させるとともに歩留り良く量産することを可能とする点にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成して課題を解決するため、本発明に係る第一のインダクタ内蔵基板の製造方法(請求項1)は、絶縁基板にねじ穴を穿設する工程と、該ねじ穴の内面に導体膜を形成する工程と、該ねじ穴の谷部を残しつつ該ねじ穴の山部を除去する工程と、該山部を除去したねじ穴に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填する工程とを含む。
【0015】
本発明に係るこの第一の方法では、インダクタを形成すべき基板の位置にねじを切ったねじ穴を開け、このねじ穴内に導体膜を形成する。そして谷部を残しつつねじ山部を除去することによって螺旋状の導体パターンを当該ねじ穴内に形成する。その後、本発明の方法では、樹脂に機能性材料を混入した複合材料をねじ穴(即ちインダクタのコア)内に充填し、これによりインダクタの電気特性を向上させる。混入する機能性材料は、形成したいインダクタの電気的特性に対応したものを使用すれば良い。例えば様々な無機フィラー(高誘電率の材料や低誘電率の材料、磁性材料等)の中から適宜選択することが出来る。具体的な材料の例については、次項、発明の実施の形態の欄で述べる。
【0016】
ねじ穴の山部を除去するには、後に実施の形態で説明するように、好ましくはドリルで切削することにより行うが、本発明は必ずしもこのような方法に限定されない。例えば他の機械工具によって山部を削り、切断し、研削しあるいは研磨して取り除いても良く、本発明はこれらねじ山部を除去するすべての方法を含む。
【0017】
また、山部を除去するとは、ねじ山全体を完全に取り除くことのみを意味するものではなく、ねじ山の一部を除去することをも含むものである。例えばねじ山の麓部を残してねじ山の頂上側の一部を除去しても螺旋状の導体パターンをねじ穴内に形成することは可能だからである。特に、次に説明する本発明の第二の方法ではねじ山部の除去後、ソフトエッチングを行うから、従来の方法と異なり、ねじ山部のごく一部を除去しただけであっても確実に螺旋状の導体をねじ穴内に形成することが出来る。
【0018】
本発明に係る第二のインダクタ内蔵基板の製造方法(請求項2)は、絶縁基板にねじ穴を穿設する工程と、該ねじ穴の内面に導体膜を形成する工程と、該ねじ穴の谷部を残しつつ該ねじ穴の山部を除去する工程と、該山部を除去したねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う谷部間に残存する導体膜を除去する工程とを含む。
【0019】
ねじ穴を利用してインダクタを形成する場合、すべてのねじ山部に対して正確に位置ずれなく切断加工を行うことは現実には困難であることは前に述べたとおりである。そこで、本発明の第二の方法では、ねじ穴の山部を除去した後、このねじ穴に対してソフトエッチングを施す。このような方法によれば、山部を加工するときに多少の位置ずれが生じ、インダクタを構成すべき導体が配置された谷部と谷部との間に導体が残っていても、これをエッチングにより除去してねじ穴内に螺旋状の導体をより確実に形成することが可能となる。
【0020】
エッチングの時間は、導体の種類、膜厚、ねじ穴(ねじ山と谷)のサイズ、ねじ穴に対するドリルの位置決め精度等によって異なるから一概には規定することは出来ないが、予想される残存導体を除去することができかつ谷部の導体が除去されない程度とする。尚、切断したねじ山部周囲に残る導体に較べれば谷部の導体厚は格段に厚いから、ソフトエッチングのときに谷部の導体が多少除去されることがあっても問題はない。また、このソフトエッチングとしては、導体表面の酸化物の除去等に使用されている通常のソフトエッチング(短時間のエッチング/クイックエッチング)を適用することが出来る。
【0021】
本発明に係る第三のインダクタ内蔵基板の製造方法(請求項3)は、絶縁基板にねじ穴を穿設する工程と、該ねじ穴の内面に導体膜を形成する工程と、該ねじ穴の谷部を残しつつ該ねじ穴の山部を除去する工程と、該山部を除去したねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う谷部間に残存する導体膜を除去する工程と、該ソフトエッチングを施したねじ穴に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填する工程とを含む。
【0022】
この第三の方法は、前記第一の方法と第二の方法とを組み合わせてソフトエッチング処理と複合材料の充填との双方を行うもので、この方法によれば電気的特性に優れたインダクタ内蔵基板を量産性よく製造することが可能となる。
【0023】
本発明に係る第四のインダクタ内蔵基板の製造方法(請求項4)は、絶縁基板に断面略円形の穴を穿設する工程と、該穴の内面に導体膜を形成する工程と、該穴内にねじ切り具をねじ込み、該ねじ切り具のねじ山により前記導体膜を切断するようにねじ穴を形成することによって該穴内に螺旋状の導体を形成する工程と、該ねじ穴に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填する工程とを含む。
【0024】
また、本発明に係る第五のインダクタ内蔵基板の製造方法(請求項5)は、絶縁基板に断面略円形の穴を穿設する工程と、該穴の内面に導体膜を形成する工程と、該穴内にねじ切り具をねじ込み、該ねじ切り具のねじ山により前記導体膜を切断するようにねじ穴を形成することによって該穴内に螺旋状の導体を形成する工程と、該ねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う山部間に残存する導体膜を除去する工程とを含む。
【0025】
これら第四および第五の方法では、前記第一から第三の方法とは逆に、ねじ山部分にインダクタを構成する螺旋状の導体が形成されることとなる。具体的には、まず、絶縁基板に断面略円形の穴を開け(例えばドリルにより)、この穴内に導体膜を形成する。そして、ねじ切り具をねじ込むことにより当該穴内にねじ溝を切る(雌ねじを形成する)。このねじ切り工程で、導体膜がねじ切り具のねじ山によって切断除去され、ねじ切り具のねじ谷部分に当たる雌ねじの山部分には導体が残ることとなって、螺旋状の導体が当該穴内に形成される。
【0026】
その後、前記第四の方法では、前記第一から第三の方法と同様に穴内(螺旋状導体の内部)に複合材料を充填する。また、第五の方法では、複合材料を充填する前に当該穴に対してソフトエッチングを施す。これにより、ねじ切り加工するときに多少の位置ずれが生じて、ねじ切り具による加工時に導体が残ることがあっても、これをエッチングにより除去して螺旋状の導体をより確実に形成することが出来る。
【0027】
さらに、本発明に係る第六のインダクタ内蔵基板の製造方法(請求項6)は、絶縁基板に断面略円形の穴を穿設する工程と、該穴の内面に導体膜を形成する工程と、該穴内にねじ切り具をねじ込み、該ねじ切り具のねじ山により前記導体膜を切断するようにねじ穴を形成することによって該穴内に螺旋状の導体を形成する工程と、該ねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う山部間に残存する導体膜を除去する工程と、該ソフトエッチングを施したねじ穴に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填する工程とを含む。この第六の方法は、前記第四の方法と第五の方法とを組み合わせたものである。
【0028】
さらに、前記第一から第六の方法において、前記絶縁基板を3層以上の配線層を有する積層基板とし、該積層基板の3層以上の配線層を貫通するようにインダクタを形成する前記ねじ穴を形成することがある(請求項7)。
【0029】
このように複数層に亘るねじ穴を開け螺旋状導体を形成すれば、コイル長の長い大きなインダクタンス値を有するインダクタを多層基板内に形成することが出来る。
【0030】
さらに、前記穴を複数個形成するとともに、該複数個のねじ穴のうちの少なくとも2個の隣り合うねじ穴の巻き方向を互いに逆方向とする場合がある(請求項8)。
【0031】
このようにねじ穴の巻き方向を逆にすれば(例えば一方のねじ穴が右ねじであればこれに隣接する他方のねじ穴を左ねじとする)、導体の巻き方向が隣接するインダクタ同士で逆となるから、例えば帯域フィルタを構成するような場合に、インダクタ間の結合の調整を行うことが可能となる。
【0032】
また、本発明に係るインダクタの製造方法(請求項9)は、絶縁基板に複数のねじ穴を穿設する工程と、該ねじ穴の内面に導体膜を形成する工程と、該ねじ穴の谷部を残しつつ該ねじ穴の山部を除去する工程と、該山部を除去したねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う谷部間に残存する導体膜を除去する工程と、少なくとも一つの前記ねじ穴を含むように前記絶縁基板を切断し、これにより個別のインダクタを形成する工程とを含む。
【0033】
この製造方法は、基板内に内蔵させるのではなく、インダクタ単体の素子を形成するものである。すなわち、前記第一から第三の方法と同様にねじ穴を利用して螺旋状の導体を作成した後、基板を個々のねじ穴ごとに切断して分離し、これにより個別のインダクタ素子を形成する。
【0034】
さらに、本発明に係るインダクタ内蔵基板(請求項10)は、一つ以上のインダクタを内蔵する基板であって、基板の厚さ方向に穿設したねじ穴内に螺旋状の導体を配するとともに、該穴内に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填し、これにより前記インダクタを形成したものである。
【0035】
複合材料を穴(インダクタのコア)内に充填することで当該インダクタの電気的特性を向上させることが出来ることは前記第一の発明において述べたとおりである。
【0036】
また、かかるインダクタ内蔵基板では、前記穴はねじ穴の谷部を残しつつ山部を除去して形成した穴であり、前記導体は該ねじ穴の谷部に配されていることがある(請求項11)。
【0037】
さらに、該インダクタ内蔵基板では、前記穴は内面に導体膜を備えた断面略円形の穴にねじ切り具をねじ込んで該ねじ切り具のねじ山によって前記導体膜を切断するよう加工したねじ穴であり、前記螺旋状の導体は、該ねじ穴の山部に配されている場合がある(請求項12)。
【0038】
また、該インダクタ内蔵基板は、3層以上の配線層を有する積層基板であり、該積層基板の3層以上の配線層を貫通するように前記ねじ穴が形成され、該ねじ穴内に前記螺旋状の導体が設けられていることがある(請求項13)。
【0039】
さらに、該インダクタ内蔵基板は、前記ねじ穴を複数個備え、該複数個のねじ穴内に形成された螺旋状の導体のうちの少なくとも2個の隣り合うねじ穴内の導体の巻き方向が互いに逆方向であることがある(請求項14)。
【0040】
また、本発明に係るインダクタ(請求項15)は、絶縁材と、該絶縁材の両面に設けた導体箔とを有する単体の(基板内に内蔵されていない)インダクタであって、前記絶縁材と導体箔とを貫通するようにねじ穴が形成されており、該ねじ穴内に螺旋状の導体が配置されている。
【0041】
さらに、本発明に係る電子部品(請求項16)は、かかるインダクタ内蔵基板に一つ以上の表面実装部品を実装したものである。
【0042】
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面の図1から図10を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。尚、図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
【0044】
〔第一の実施形態〕 図1は、本発明の第一の実施形態に係るインダクタ内蔵基板の製造方法を示す工程図である。同図に示すようにこの製造方法では、まず、絶縁材料12(例えば樹脂材料)の両面に銅箔13,13aを備えた銅張り絶縁基板11をコア基板として用意し(同図(a))、インダクタを形成すべき位置にねじ切り穴15(ねじ穴)を開けるとともに、スルーホール用の穴1を開ける(同図(b))。ねじ穴15は、図6に示すように、例えばねじ切りドリル90を矢印A方向に回転させて基板11にねじ込んだ後、これとは逆の矢印B方向に回転させてねじ切りドリル90を基板11から抜くことにより形成することが出来る。尚、ねじ切りドリル90としては、例えばねじ込みながら雌ねじを形成することが可能なタッピンねじを使用することが出来る。一方、スルーホール用の穴1は、例えばドリルで開ければ良い。
【0045】
次に、ねじ穴15およびスルーホール1の内部に導体膜16を形成するため、基板11をめっきする(図1(c))。このめっき処理は、例えば無電解銅めっきを施した後、所定の導体厚を確保するため電解銅めっきを行えば良い。尚、導体膜16を形成する材料は、低コストで良好な導電性が得られる点、並びに既存の多数存在する銅めっき処理設備を利用できる点から、銅とすることが好ましい。ただし、銅以外にも、例えば金、銀およびアルミニウムその他の導電性の良好な金属を使用することも可能である。
【0046】
導体膜16の形成後、ねじ穴15の中心部を例えばNCドリルによってくり貫き、ねじ穴15のねじ山部15bを切断する(同図(d),符号10は切断線を示す)。ねじ山部15bを切断することにより、当該ねじ山部15bとともにこれを覆っていた導体膜16が除去され、ねじ谷部15aだけに導体16が残ることとなってヘリカル(螺旋)状の導体パターン17がねじ穴15の内部に形成される。
【0047】
その後、ねじ穴15に対してソフトエッチングを施すことにより、かかるヘリカル状の導体17の間をエッチングする。このソフトエッチング処理を行うことにより、安定的にヘリカル状のコイルを作成することが可能となる。ねじ山部15bの切断加工のときドリルの位置ずれが多少あってねじ谷部15aとねじ谷部15aとの間に導体16が残っていたとしても、これを除去することが出来るからである。図7は、このようにねじ穴の谷部に形成したヘリカル状の導体17を部分的に示す斜視図である。同図において符号95は、ねじ山部をドリルで切断することにより形成された穴を示す。
【0048】
ソフトエッチング処理の後、ねじ穴15およびスルーホール1に対して穴埋め材18を充填し、エッチングにより基板表面の導体をパターニングする(同図(e))。穴埋め材としては、スルーホール1には樹脂材料を使用して構わないが、インダクタを形成したねじ穴15には、樹脂にセラミックやフェライト等の無機材料を混入した複合材料を充填する。インダクタの電気的特性(例えばQ値等)を向上させるためである。
【0049】
複合材料を構成する樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル(オキサイド)樹脂、ビスマレイミドトリアジン(シアネートエステル)樹脂、フマレート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリビニルベンジルエーテル化合物樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいは芳香族ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンサルファイド樹脂、ポリエーテルテーテルケトン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、グラフト樹脂などの熱可塑性樹脂を使用するが可能である。ただし、これらの材料うち特に、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、低誘電率エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、BTレジン、ビニルベンジル樹脂がベースレジンとして好ましい。これらの樹脂は単独で使用しても良いし、2種類以上の材料を適宜の比率で混合して用いても構わない。
【0050】
一方、複合材料を構成するため樹脂に添加する無機材料としては、得ようとする電気的特性に応じて様々な無機材料から適宜選択すれば良いが、例えば次のものが挙げられる。
【0051】
比較的高い誘電率を得るためには、例えば、チタン−バリウム−ネオジウム系セラミックス、チタン−バリウム−スズ系セラミックス、鉛−カルシウム系セラミックス、二酸化チタン系セラミックス、チタン酸バリウム系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラミックス、チタン酸カルシウム系セラミックス、チタン酸ビスマス系セラミックス、チタン酸マグネシウム系セラミックス、CaWO4系セラミックス、Ba(Mg,Nb)O3系セラミックス、Ba(Mg,Ta)O3系セラミックス、Ba(Co,Mg,Nb)O3系セラミックス、Ba(Co,Mg,Ta)O3系セラミックスを使用することが望ましい。尚、二酸化チタン系セラミックスとは、二酸化チタンのみを含有するもののほか、他の少量の添加物を含有するものも含み、二酸化チタンの結晶構造が保持されているものを言う。他のセラミックスも同様である。二酸化チタン系セラミックスは、特にルチル構造を有するものが好ましい。
【0052】
誘電率をあまり高くせずに、高いQを得るためには、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタン酸カリウムウィスカ、チタン酸カルシウムウィスカ、チタン酸バリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、ガラスチョップ、ガラスビーズ、カーボン繊維、酸化マグネシウム(タルク)を使用することが好ましい。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上の材料を適宜の比率で混合して用いても構わない。
【0053】
磁性体材料としては、例えば、Mn−Mg−Zn系、Ni−Zn系、Mn−Zn系などのフェライトを使用することができ、特にMn−Mg−Zn系およびNi−Zn系が好ましい。強磁性金属としては、カーボニル鉄、鉄−シリコン系合金、鉄−アルミ−珪素系合金(商標名:センダスト)、鉄−ニッケル系合金(商標名:パーマロイ)、アモルファス系(鉄系、コバルト系)などを使用することが出来る。
【0054】
穴埋め材18の充填および基板表面の導体のパターニングを行った後(図1(e))は、公知のビルドアップ法によって、例えば樹脂付き銅箔を使用してコア基板の上下に絶縁層と導体配線層とを積層していき、ビアホールによって層間接続を行いつつ多層基板を形成すれば良い。
【0055】
このとき本実施形態では、コア基板に適当数積層を行った後に、ねじ穴を利用する前記方法で多層間に跨って基板の積層方向に延びる長寸のインダクタを形成することが可能である。図2はこのようなインダクタの形成例を示すもので、コア基板11の両面にそれぞれ樹脂付き銅箔21をプレスした後、これらを貫通するねじ穴25を開け、上記インダクタと同様に導体膜を形成し、ねじ山部の切断、ソフトエッチングおよび複合材料の充填を行うことにより、コイル長の長いインダクタンス値の大きなインダクタ31aを形成することが可能である。尚、さらに多くの絶縁層を積層した後に、同様の工程(ねじ穴穿設、導体膜形成、ねじ山部切断、ソフトエッチングおよび複合材料充填)を行うことによって、より一層長い(5層以上に亘って延びる)インダクタンス値のより大きなインダクタを形成することも可能である。
【0056】
図3および図4は、本実施形態の製造方法により形成した多層基板(電子部品モジュール)の一例を示すものである。図3は4層、図4は8層の多層基板で、本実施形態に係る方法によって形成したインダクタ31を基板内に備えている。また図5は、本実施形態により形成した多層基板のコア基板部分を取り出して示したものである。
【0057】
これらの図に示すように各インダクタ31,31aは、ねじ穴谷部に形成されたヘリカル状の導体17を備え、ねじ穴内には樹脂と無機フィラーとからなる複合材料18が充填されている。また、図4の多層基板は、コア基板11とその両面に積層した絶縁層21aとを貫通するコイル長の長いインダクタ31aを備えている。さらに、基板内にはコンデンサ5などの機能性素子を内蔵させることができ、基板表面には表面実装部品4を実装することが出来る。また各図中、符号2は貫通スルーホール、3は層間接続を行うビアホール、6はグランド、5aはコンデンサ電極(図5)、8は配線パターン(図5)をそれぞれ示す。
【0058】
また、本実施形態によりインダクタを複数個形成する場合、隣り合うインダクタの導体の巻き方向を互いに逆向きにすることも可能である。具体的には、前記ねじ穴を形成する場合に、例えば一方のインダクタ用のねじ穴は右ねじによってねじ切りを行い、他方のインダクタ用のねじ穴は左ねじ(逆ねじ)によってねじ切りしてねじ穴を形成すれば、螺旋導体の巻き方向が逆のインダクタを形成することが出来る。このような構成によれば、例えば帯域フィルタを構成するような場合にインダクタ間の結合の調整を行うことが可能となる。
【0059】
〔第二の実施形態〕 図8は、本発明の第二の実施形態に係るインダクタ内蔵基板の製造方法を示す工程図である。この製造方法は、前記第一の実施形態とは逆に、ねじ穴の山部に導体を残してヘリカル状の導体パターンを形成するものであり、重複説明を避けるため同一又は相当部分には同一の符号を図に付し、前記第一の実施形態との差異を中心に説明する。
【0060】
この実施形態では、図8に示すように両面銅張りの絶縁基板11のインダクタを形成すべき位置にドリルでスルーホール150を開け(同図(a),(b))、その穴内にめっきを施して導体膜16を形成する(同図(c))。そして、スルーホール150に対してねじ切りドリル(タッピンねじ)をねじ込み、ホール150内にねじ溝(雌ねじ)を形成する。このとき、ねじ切りドリルのねじ山によって導体膜16を切断してヘリカル状に除去する。
【0061】
これにより、ねじ穴150のねじ山部15bに導体16が残りヘリカル状の導体パターン170が穴内に形成される(同図(d))。そして、該ねじ穴にソフトエッチングを施して該ねじ穴の山部15bと山部15bの間(谷部分15a)に残存する導体を除去する。その後、前記第一の実施形態と同様に、複合材料18を充填してインダクタを完成する。このようにねじ山部15bにヘリカル状の導体を形成してインダクタを作成することも可能である。
【0062】
上記実施形態の利点を述べれば次のとおりである。
(1)複合モジュールを構成する場合に、層数を増やさずに大きなインダクタンス値を有するインダクタを小さな面積で形成することが出来る。また、基板内に内層されているコンデンサや配線パターン、並びに表面実装部品との電磁結合を最小限に抑えることが可能となる。
(2)多層基板でモジュールを構成する場合に、複数層を貫通するように2層以上に亘ってインダクタを形成することが出来るから、インダクタンス値の大小や配線での融通が利き、設計の自由度が増大する。
(3)高周波特性に優れ、高Q、狭公差のインダクタを内蔵した小型の電子部品を作製することができ、特に円形コアを持ったインダクタを形成することが出来るから、最も効率的にインダクタンス値を得ることが出来る。
(4)工程がシンプルなので、製造コストを低減することが出来る。
(5)充填材(複合材料)の組成を変えることにより、特性を容易に変更することが出来る。
(6)ねじ切りドリルの種類(ねじピッチや穴径)を変えるだけで、インダクタンス値の調整をすることが可能である。
(7)同一の基板内に磁路長の違うインダクタを容易に形成することが出来る。
【0063】
また、本発明並びに本実施形態によれば、例えば、アンテナ、アンテナスイッチモジュール、フロントエンドモジュール、パワーアンプモジュール、VCO、PLLモジュール、バンドパスフィルタ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、トラップ、バルントランス、カプラ(方向性結合器)、TCXOモジュール、IFモジュール、RFモジュール、パワーアンプアイソレータモジュール、アンテナフロントエンドモジュール、光ピックアップ用重畳モジュール、EMCフィルタ、コモンモードフィルタ、DC−DCコンバータ、ディレイライン、ダイプレクサ、デュプレクサ、チューナーユニット、ダブルバランスドミキサー、電力合成器、および電力分配器等の電子部品を製造することが出来る。
【0064】
〔第三の実施形態〕 図9および図10は、本発明の第三の実施形態に係るインダクタの製造方法を示す工程図である。同図に示すようにこの方法は、前記第一の実施形態と同様に絶縁基板に穿設したねじ穴を利用してインダクタを形成するが、この実施形態では、部品として独立した単体のインダクタを作製する。
【0065】
まず、図9(a)に示すように、絶縁材52の両面に銅箔53,53aを貼った絶縁基板51を用意し、該基板51を貫通するようにねじ穴55を複数開ける(同図(b))。基板の材質(絶縁材52の種類)は、形成されるインダクタの浮遊容量を減らすために誘電率の低いものを使用することが望ましい。また、銅箔53,53aは、後に述べるように形成されるインダクタ素子の端子となるものであるから、その厚さは製品サイズに対応したものとする。尚、この場合、薄い銅箔を備えた基板に電解めっきを施して所定の銅箔厚とすることも可能である。ねじ穴55の配置パターンは特に問わないが、後に述べる切断(ダイシング)工程で個別の素子に分離し易いように一定の間隔を隔てて碁盤の目状に配列することが好ましい。
【0066】
次に、各ねじ穴55に対してめっきにより導体膜を形成し、各ねじ穴55のねじ山部分を切断する。その後、ソフトエッチングを施し、ねじ谷部間に残存する導体を除去して各ねじ穴内にヘリカル状の導体を形成する。これらねじ穴の形成、導体膜の形成、ねじ山部の切断およびソフトエッチング処理の各工程は、前記第一の実施形態と同様にして行えば良い。
【0067】
さらに、本実施形態では、前記第一の実施形態と同様に、ねじ穴55(インダクタのコア)に各種の複合材料、例えばフェライト等の磁性材料や強磁性金属を樹脂に配合した複合材料を充填しても良いが、基板内部に配置しない単体部品のインダクタを構成するため、コア(ねじ穴)内に何も充填することなく、空芯コイルとしても構わない。ただし、空芯コイルを望む場合であっても、同時により大きな機械強度や加工性が要求される場合には充填材で穴埋めしても良く、この場合には、コア部分を空気とした場合の特性に出来るだけ近づけるため、誘電率が出来るだけ小さくかつtanδも出来るだけ小さい材料を充填材として使用することが望ましい。
【0068】
そして、各ねじ穴55ごとに基板51を切断し(同図(c),切断位置を破線で示した)、個別のインダクタ素子に分離する。完成した各インダクタ素子58は、図10に示すように絶縁材52に覆われたヘリカル状の導体57を備え、両端に絶縁基板表面の銅箔53,53aによって形成された端子を備えている。尚、かかるダイシング(切断)工程の後、端子周囲のバリを除去するために、さらにソフトエッチングを施しても良い。
【0069】
本実施形態によれば、非常にシンプルな工程で、小型でかつQ特性に優れたインダクタ素子を作製することが出来る。また、かかる構造を有する本実施形態のインダクタ素子は、マウンタによる面実装も可能で、さらにコアを空気にした空芯コイルを形成することも出来る。
【0070】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことができることは当業者にとって明らかである。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ねじ穴を利用した基板内蔵インダクタの電気的特性を向上させるとともに歩留り良く量産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)から(e)は、本発明の第一の実施形態に係るインダクタ内蔵基板の製造方法の工程を順に示す断面図である。
【図2】前記第一の実施形態に係るインダクタ内蔵基板の製造方法の工程を示す断面図である。
【図3】前記第一の実施形態に係る製造方法により形成した多層基板(電子部品モジュール)の一例を示す断面図である。
【図4】前記第一の実施形態に係る製造方法により形成した多層基板(電子部品モジュール)の別の例を示す断面図である。
【図5】前記第一の実施形態に係る製造方法により形成した多層基板(電子部品モジュール)のコア基板部分の構成例を示す斜視図である。
【図6】前記第一の実施形態において基板にねじ穴を穿設する工程を示す斜視図である。
【図7】前記第一の実施形態の製造方法により形成したヘリカル状の導体を部分的に示す斜視図である。
【図8】(a)から(e)は、本発明の第二の実施形態に係るインダクタ内蔵基板の製造方法の工程を順に示す断面図である。
【図9】(a)から(c)は、本発明の第三の実施形態に係るインダクタ素子の製造方法の工程を順に示す斜視図である。
【図10】前記第三の実施形態に係る製造方法により作製したインダクタ素子を示す斜視図である。
【符号の説明】
11,51 絶縁基板
12,52 絶縁材料(絶縁層)
13,13a,53,53a 銅箔
15,25,55 ねじ穴
15a ねじ谷部
15b ねじ山部
16 導体膜
17,57,170 ヘリカル状導体
18 充填材(穴埋め材)
21 樹脂付き銅箔
31,31a 基板内蔵インダクタ
58 インダクタ素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、インダクタ内蔵基板およびその製造方法に係り、特に基板にねじ穴を開け、これを利用してインダクタンス素子を形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機やノートブックパソコンのような電子機器の小型・薄型化、多機能・高性能化の進展に伴い、これらに使用するプリント配線板を多層化し、基板内部にコンデンサやインダクタ、抵抗等の機能素子を内蔵させた各種の基板構造が提案されている。このうち、インダクタを基板内に配する技術を開示するものとして次の特許文献がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−103229号公報(図1〜図4)
【0004】
【特許文献2】
特開平9−82550号公報
【0005】
【特許文献3】
特開2001−85228号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特許文献1(特開平11−103229)に記載された方法は、多層基板の各層ごとにインダクタの一部となる所定形状の導体パターンを形成し、これらをスルーホールで接続して基板積層方向に巻き回された螺旋配線を形成するものであるから、インダクタの形成に多くの工程数を要するとともに、巻数を多くして大きなインダクタンス値を得ることが難しいという側面がある。このような積層法では、配線層1層に形成できる導体パターンは1ターンであって、形成できる巻数は自ずと数回から十数回程度と、基板の積層数に対応する巻数に制限されてしまうからである。
【0007】
一方、同一層内に平面的にスパイラル状の導体パターンを形成することも考えられる。しかしながら、このような平面的なインダクタでは、ヘリカル状のインダクタに匹敵する電気的特性を得ることは難しい。しかも大きな面積が必要となるから、実装密度を向上させる上で不利であるとともに、コンデンサや表面実装部品等の他の基板実装素子と電磁結合を生じることによってこれらの素子あるいはインダクタ自身の特性を劣化させてしまうおそれもある。
【0008】
他方、前記特許文献2(特開平9−82550)および特許文献3(特開2001−85228)に記載の方法は、前記積層法とは異なり、基板に開けたねじ穴を利用してインダクタを形成するものである。具体的には、特許文献2では、基板に開けたねじ穴に導電ペーストを充填しあるいはめっき処理した後、ねじ穴の谷部分を残すようにねじ山部分をドリルで切断することによって螺旋状の導体をねじ穴内に形成する。また、特許文献3では、基板に開けたねじ穴内部をめっきした後、特許文献2と同様にねじ山部分をドリルで切断するか、あるいは最初に基板に貫通スルーホールを形成して該ホール内にめっきを施した後、ねじ切りで螺旋状にめっき導体を除去する。
【0009】
ところが、これら文献記載の構造は、いずれも最後にねじ穴(インダクタのコア部分)に樹脂を充填しこれを封止する構造であるから、電気的特性に優れたインダクタを得ることが難しい。樹脂は一般にtanδが高く、インダクタのQ特性を劣化させるからである。
【0010】
また、素子の電気的特性の問題だけでなく、前記文献記載の方法では、谷部分を残してねじ山部分をちょうど切断することは相当の機械精度が要求され、文献に開示の工程のみによってはインダクタ内蔵基板を製造することは現実には困難であると考えられる。
【0011】
具体的に述べれば、文献記載のように谷部分を残してねじ山部分を切断することは理論的には可能である。ところが、これらの方法で、▲1▼ねじ穴を開け、▲2▼めっきを行い、▲3▼ねじ穴に対してドリル加工を施す、一連の工程を加工機械に基板を固定したまま行うことが出来ればまだ良いが、めっき(▲2▼)を行うには、ねじ穴加工を行うマシンから基板を一旦取り外し、めっき処理の後、再びドリル加工を行うマシンに基板を位置決めし固定し直す必要がある。このため、基板の位置決め誤差やさらには基板自身の伸縮等の影響から、谷部分を残してねじ山部分を正確に切断することはNCドリルマシンを使用しても現実には非常に難しい。したがって、ドリル加工(ねじ山切断)のずれから、インダクタ内の隣接する導体間の短絡や断線が生じるおそれがある。
【0012】
このように、特許文献2および3に記載の方法では、安定的にインダクタを量産することは難しく、これらの方法は実際に生産ラインに載せ産業上利用する実用技術とするには未だ改良の余地を残している。
【0013】
そこで本発明の目的は、ねじ穴を利用した基板内蔵インダクタの電気的特性を向上させるとともに歩留り良く量産することを可能とする点にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成して課題を解決するため、本発明に係る第一のインダクタ内蔵基板の製造方法(請求項1)は、絶縁基板にねじ穴を穿設する工程と、該ねじ穴の内面に導体膜を形成する工程と、該ねじ穴の谷部を残しつつ該ねじ穴の山部を除去する工程と、該山部を除去したねじ穴に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填する工程とを含む。
【0015】
本発明に係るこの第一の方法では、インダクタを形成すべき基板の位置にねじを切ったねじ穴を開け、このねじ穴内に導体膜を形成する。そして谷部を残しつつねじ山部を除去することによって螺旋状の導体パターンを当該ねじ穴内に形成する。その後、本発明の方法では、樹脂に機能性材料を混入した複合材料をねじ穴(即ちインダクタのコア)内に充填し、これによりインダクタの電気特性を向上させる。混入する機能性材料は、形成したいインダクタの電気的特性に対応したものを使用すれば良い。例えば様々な無機フィラー(高誘電率の材料や低誘電率の材料、磁性材料等)の中から適宜選択することが出来る。具体的な材料の例については、次項、発明の実施の形態の欄で述べる。
【0016】
ねじ穴の山部を除去するには、後に実施の形態で説明するように、好ましくはドリルで切削することにより行うが、本発明は必ずしもこのような方法に限定されない。例えば他の機械工具によって山部を削り、切断し、研削しあるいは研磨して取り除いても良く、本発明はこれらねじ山部を除去するすべての方法を含む。
【0017】
また、山部を除去するとは、ねじ山全体を完全に取り除くことのみを意味するものではなく、ねじ山の一部を除去することをも含むものである。例えばねじ山の麓部を残してねじ山の頂上側の一部を除去しても螺旋状の導体パターンをねじ穴内に形成することは可能だからである。特に、次に説明する本発明の第二の方法ではねじ山部の除去後、ソフトエッチングを行うから、従来の方法と異なり、ねじ山部のごく一部を除去しただけであっても確実に螺旋状の導体をねじ穴内に形成することが出来る。
【0018】
本発明に係る第二のインダクタ内蔵基板の製造方法(請求項2)は、絶縁基板にねじ穴を穿設する工程と、該ねじ穴の内面に導体膜を形成する工程と、該ねじ穴の谷部を残しつつ該ねじ穴の山部を除去する工程と、該山部を除去したねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う谷部間に残存する導体膜を除去する工程とを含む。
【0019】
ねじ穴を利用してインダクタを形成する場合、すべてのねじ山部に対して正確に位置ずれなく切断加工を行うことは現実には困難であることは前に述べたとおりである。そこで、本発明の第二の方法では、ねじ穴の山部を除去した後、このねじ穴に対してソフトエッチングを施す。このような方法によれば、山部を加工するときに多少の位置ずれが生じ、インダクタを構成すべき導体が配置された谷部と谷部との間に導体が残っていても、これをエッチングにより除去してねじ穴内に螺旋状の導体をより確実に形成することが可能となる。
【0020】
エッチングの時間は、導体の種類、膜厚、ねじ穴(ねじ山と谷)のサイズ、ねじ穴に対するドリルの位置決め精度等によって異なるから一概には規定することは出来ないが、予想される残存導体を除去することができかつ谷部の導体が除去されない程度とする。尚、切断したねじ山部周囲に残る導体に較べれば谷部の導体厚は格段に厚いから、ソフトエッチングのときに谷部の導体が多少除去されることがあっても問題はない。また、このソフトエッチングとしては、導体表面の酸化物の除去等に使用されている通常のソフトエッチング(短時間のエッチング/クイックエッチング)を適用することが出来る。
【0021】
本発明に係る第三のインダクタ内蔵基板の製造方法(請求項3)は、絶縁基板にねじ穴を穿設する工程と、該ねじ穴の内面に導体膜を形成する工程と、該ねじ穴の谷部を残しつつ該ねじ穴の山部を除去する工程と、該山部を除去したねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う谷部間に残存する導体膜を除去する工程と、該ソフトエッチングを施したねじ穴に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填する工程とを含む。
【0022】
この第三の方法は、前記第一の方法と第二の方法とを組み合わせてソフトエッチング処理と複合材料の充填との双方を行うもので、この方法によれば電気的特性に優れたインダクタ内蔵基板を量産性よく製造することが可能となる。
【0023】
本発明に係る第四のインダクタ内蔵基板の製造方法(請求項4)は、絶縁基板に断面略円形の穴を穿設する工程と、該穴の内面に導体膜を形成する工程と、該穴内にねじ切り具をねじ込み、該ねじ切り具のねじ山により前記導体膜を切断するようにねじ穴を形成することによって該穴内に螺旋状の導体を形成する工程と、該ねじ穴に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填する工程とを含む。
【0024】
また、本発明に係る第五のインダクタ内蔵基板の製造方法(請求項5)は、絶縁基板に断面略円形の穴を穿設する工程と、該穴の内面に導体膜を形成する工程と、該穴内にねじ切り具をねじ込み、該ねじ切り具のねじ山により前記導体膜を切断するようにねじ穴を形成することによって該穴内に螺旋状の導体を形成する工程と、該ねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う山部間に残存する導体膜を除去する工程とを含む。
【0025】
これら第四および第五の方法では、前記第一から第三の方法とは逆に、ねじ山部分にインダクタを構成する螺旋状の導体が形成されることとなる。具体的には、まず、絶縁基板に断面略円形の穴を開け(例えばドリルにより)、この穴内に導体膜を形成する。そして、ねじ切り具をねじ込むことにより当該穴内にねじ溝を切る(雌ねじを形成する)。このねじ切り工程で、導体膜がねじ切り具のねじ山によって切断除去され、ねじ切り具のねじ谷部分に当たる雌ねじの山部分には導体が残ることとなって、螺旋状の導体が当該穴内に形成される。
【0026】
その後、前記第四の方法では、前記第一から第三の方法と同様に穴内(螺旋状導体の内部)に複合材料を充填する。また、第五の方法では、複合材料を充填する前に当該穴に対してソフトエッチングを施す。これにより、ねじ切り加工するときに多少の位置ずれが生じて、ねじ切り具による加工時に導体が残ることがあっても、これをエッチングにより除去して螺旋状の導体をより確実に形成することが出来る。
【0027】
さらに、本発明に係る第六のインダクタ内蔵基板の製造方法(請求項6)は、絶縁基板に断面略円形の穴を穿設する工程と、該穴の内面に導体膜を形成する工程と、該穴内にねじ切り具をねじ込み、該ねじ切り具のねじ山により前記導体膜を切断するようにねじ穴を形成することによって該穴内に螺旋状の導体を形成する工程と、該ねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う山部間に残存する導体膜を除去する工程と、該ソフトエッチングを施したねじ穴に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填する工程とを含む。この第六の方法は、前記第四の方法と第五の方法とを組み合わせたものである。
【0028】
さらに、前記第一から第六の方法において、前記絶縁基板を3層以上の配線層を有する積層基板とし、該積層基板の3層以上の配線層を貫通するようにインダクタを形成する前記ねじ穴を形成することがある(請求項7)。
【0029】
このように複数層に亘るねじ穴を開け螺旋状導体を形成すれば、コイル長の長い大きなインダクタンス値を有するインダクタを多層基板内に形成することが出来る。
【0030】
さらに、前記穴を複数個形成するとともに、該複数個のねじ穴のうちの少なくとも2個の隣り合うねじ穴の巻き方向を互いに逆方向とする場合がある(請求項8)。
【0031】
このようにねじ穴の巻き方向を逆にすれば(例えば一方のねじ穴が右ねじであればこれに隣接する他方のねじ穴を左ねじとする)、導体の巻き方向が隣接するインダクタ同士で逆となるから、例えば帯域フィルタを構成するような場合に、インダクタ間の結合の調整を行うことが可能となる。
【0032】
また、本発明に係るインダクタの製造方法(請求項9)は、絶縁基板に複数のねじ穴を穿設する工程と、該ねじ穴の内面に導体膜を形成する工程と、該ねじ穴の谷部を残しつつ該ねじ穴の山部を除去する工程と、該山部を除去したねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う谷部間に残存する導体膜を除去する工程と、少なくとも一つの前記ねじ穴を含むように前記絶縁基板を切断し、これにより個別のインダクタを形成する工程とを含む。
【0033】
この製造方法は、基板内に内蔵させるのではなく、インダクタ単体の素子を形成するものである。すなわち、前記第一から第三の方法と同様にねじ穴を利用して螺旋状の導体を作成した後、基板を個々のねじ穴ごとに切断して分離し、これにより個別のインダクタ素子を形成する。
【0034】
さらに、本発明に係るインダクタ内蔵基板(請求項10)は、一つ以上のインダクタを内蔵する基板であって、基板の厚さ方向に穿設したねじ穴内に螺旋状の導体を配するとともに、該穴内に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填し、これにより前記インダクタを形成したものである。
【0035】
複合材料を穴(インダクタのコア)内に充填することで当該インダクタの電気的特性を向上させることが出来ることは前記第一の発明において述べたとおりである。
【0036】
また、かかるインダクタ内蔵基板では、前記穴はねじ穴の谷部を残しつつ山部を除去して形成した穴であり、前記導体は該ねじ穴の谷部に配されていることがある(請求項11)。
【0037】
さらに、該インダクタ内蔵基板では、前記穴は内面に導体膜を備えた断面略円形の穴にねじ切り具をねじ込んで該ねじ切り具のねじ山によって前記導体膜を切断するよう加工したねじ穴であり、前記螺旋状の導体は、該ねじ穴の山部に配されている場合がある(請求項12)。
【0038】
また、該インダクタ内蔵基板は、3層以上の配線層を有する積層基板であり、該積層基板の3層以上の配線層を貫通するように前記ねじ穴が形成され、該ねじ穴内に前記螺旋状の導体が設けられていることがある(請求項13)。
【0039】
さらに、該インダクタ内蔵基板は、前記ねじ穴を複数個備え、該複数個のねじ穴内に形成された螺旋状の導体のうちの少なくとも2個の隣り合うねじ穴内の導体の巻き方向が互いに逆方向であることがある(請求項14)。
【0040】
また、本発明に係るインダクタ(請求項15)は、絶縁材と、該絶縁材の両面に設けた導体箔とを有する単体の(基板内に内蔵されていない)インダクタであって、前記絶縁材と導体箔とを貫通するようにねじ穴が形成されており、該ねじ穴内に螺旋状の導体が配置されている。
【0041】
さらに、本発明に係る電子部品(請求項16)は、かかるインダクタ内蔵基板に一つ以上の表面実装部品を実装したものである。
【0042】
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面の図1から図10を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。尚、図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
【0044】
〔第一の実施形態〕 図1は、本発明の第一の実施形態に係るインダクタ内蔵基板の製造方法を示す工程図である。同図に示すようにこの製造方法では、まず、絶縁材料12(例えば樹脂材料)の両面に銅箔13,13aを備えた銅張り絶縁基板11をコア基板として用意し(同図(a))、インダクタを形成すべき位置にねじ切り穴15(ねじ穴)を開けるとともに、スルーホール用の穴1を開ける(同図(b))。ねじ穴15は、図6に示すように、例えばねじ切りドリル90を矢印A方向に回転させて基板11にねじ込んだ後、これとは逆の矢印B方向に回転させてねじ切りドリル90を基板11から抜くことにより形成することが出来る。尚、ねじ切りドリル90としては、例えばねじ込みながら雌ねじを形成することが可能なタッピンねじを使用することが出来る。一方、スルーホール用の穴1は、例えばドリルで開ければ良い。
【0045】
次に、ねじ穴15およびスルーホール1の内部に導体膜16を形成するため、基板11をめっきする(図1(c))。このめっき処理は、例えば無電解銅めっきを施した後、所定の導体厚を確保するため電解銅めっきを行えば良い。尚、導体膜16を形成する材料は、低コストで良好な導電性が得られる点、並びに既存の多数存在する銅めっき処理設備を利用できる点から、銅とすることが好ましい。ただし、銅以外にも、例えば金、銀およびアルミニウムその他の導電性の良好な金属を使用することも可能である。
【0046】
導体膜16の形成後、ねじ穴15の中心部を例えばNCドリルによってくり貫き、ねじ穴15のねじ山部15bを切断する(同図(d),符号10は切断線を示す)。ねじ山部15bを切断することにより、当該ねじ山部15bとともにこれを覆っていた導体膜16が除去され、ねじ谷部15aだけに導体16が残ることとなってヘリカル(螺旋)状の導体パターン17がねじ穴15の内部に形成される。
【0047】
その後、ねじ穴15に対してソフトエッチングを施すことにより、かかるヘリカル状の導体17の間をエッチングする。このソフトエッチング処理を行うことにより、安定的にヘリカル状のコイルを作成することが可能となる。ねじ山部15bの切断加工のときドリルの位置ずれが多少あってねじ谷部15aとねじ谷部15aとの間に導体16が残っていたとしても、これを除去することが出来るからである。図7は、このようにねじ穴の谷部に形成したヘリカル状の導体17を部分的に示す斜視図である。同図において符号95は、ねじ山部をドリルで切断することにより形成された穴を示す。
【0048】
ソフトエッチング処理の後、ねじ穴15およびスルーホール1に対して穴埋め材18を充填し、エッチングにより基板表面の導体をパターニングする(同図(e))。穴埋め材としては、スルーホール1には樹脂材料を使用して構わないが、インダクタを形成したねじ穴15には、樹脂にセラミックやフェライト等の無機材料を混入した複合材料を充填する。インダクタの電気的特性(例えばQ値等)を向上させるためである。
【0049】
複合材料を構成する樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル(オキサイド)樹脂、ビスマレイミドトリアジン(シアネートエステル)樹脂、フマレート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリビニルベンジルエーテル化合物樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいは芳香族ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンサルファイド樹脂、ポリエーテルテーテルケトン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、グラフト樹脂などの熱可塑性樹脂を使用するが可能である。ただし、これらの材料うち特に、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、低誘電率エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、BTレジン、ビニルベンジル樹脂がベースレジンとして好ましい。これらの樹脂は単独で使用しても良いし、2種類以上の材料を適宜の比率で混合して用いても構わない。
【0050】
一方、複合材料を構成するため樹脂に添加する無機材料としては、得ようとする電気的特性に応じて様々な無機材料から適宜選択すれば良いが、例えば次のものが挙げられる。
【0051】
比較的高い誘電率を得るためには、例えば、チタン−バリウム−ネオジウム系セラミックス、チタン−バリウム−スズ系セラミックス、鉛−カルシウム系セラミックス、二酸化チタン系セラミックス、チタン酸バリウム系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラミックス、チタン酸カルシウム系セラミックス、チタン酸ビスマス系セラミックス、チタン酸マグネシウム系セラミックス、CaWO4系セラミックス、Ba(Mg,Nb)O3系セラミックス、Ba(Mg,Ta)O3系セラミックス、Ba(Co,Mg,Nb)O3系セラミックス、Ba(Co,Mg,Ta)O3系セラミックスを使用することが望ましい。尚、二酸化チタン系セラミックスとは、二酸化チタンのみを含有するもののほか、他の少量の添加物を含有するものも含み、二酸化チタンの結晶構造が保持されているものを言う。他のセラミックスも同様である。二酸化チタン系セラミックスは、特にルチル構造を有するものが好ましい。
【0052】
誘電率をあまり高くせずに、高いQを得るためには、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタン酸カリウムウィスカ、チタン酸カルシウムウィスカ、チタン酸バリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、ガラスチョップ、ガラスビーズ、カーボン繊維、酸化マグネシウム(タルク)を使用することが好ましい。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上の材料を適宜の比率で混合して用いても構わない。
【0053】
磁性体材料としては、例えば、Mn−Mg−Zn系、Ni−Zn系、Mn−Zn系などのフェライトを使用することができ、特にMn−Mg−Zn系およびNi−Zn系が好ましい。強磁性金属としては、カーボニル鉄、鉄−シリコン系合金、鉄−アルミ−珪素系合金(商標名:センダスト)、鉄−ニッケル系合金(商標名:パーマロイ)、アモルファス系(鉄系、コバルト系)などを使用することが出来る。
【0054】
穴埋め材18の充填および基板表面の導体のパターニングを行った後(図1(e))は、公知のビルドアップ法によって、例えば樹脂付き銅箔を使用してコア基板の上下に絶縁層と導体配線層とを積層していき、ビアホールによって層間接続を行いつつ多層基板を形成すれば良い。
【0055】
このとき本実施形態では、コア基板に適当数積層を行った後に、ねじ穴を利用する前記方法で多層間に跨って基板の積層方向に延びる長寸のインダクタを形成することが可能である。図2はこのようなインダクタの形成例を示すもので、コア基板11の両面にそれぞれ樹脂付き銅箔21をプレスした後、これらを貫通するねじ穴25を開け、上記インダクタと同様に導体膜を形成し、ねじ山部の切断、ソフトエッチングおよび複合材料の充填を行うことにより、コイル長の長いインダクタンス値の大きなインダクタ31aを形成することが可能である。尚、さらに多くの絶縁層を積層した後に、同様の工程(ねじ穴穿設、導体膜形成、ねじ山部切断、ソフトエッチングおよび複合材料充填)を行うことによって、より一層長い(5層以上に亘って延びる)インダクタンス値のより大きなインダクタを形成することも可能である。
【0056】
図3および図4は、本実施形態の製造方法により形成した多層基板(電子部品モジュール)の一例を示すものである。図3は4層、図4は8層の多層基板で、本実施形態に係る方法によって形成したインダクタ31を基板内に備えている。また図5は、本実施形態により形成した多層基板のコア基板部分を取り出して示したものである。
【0057】
これらの図に示すように各インダクタ31,31aは、ねじ穴谷部に形成されたヘリカル状の導体17を備え、ねじ穴内には樹脂と無機フィラーとからなる複合材料18が充填されている。また、図4の多層基板は、コア基板11とその両面に積層した絶縁層21aとを貫通するコイル長の長いインダクタ31aを備えている。さらに、基板内にはコンデンサ5などの機能性素子を内蔵させることができ、基板表面には表面実装部品4を実装することが出来る。また各図中、符号2は貫通スルーホール、3は層間接続を行うビアホール、6はグランド、5aはコンデンサ電極(図5)、8は配線パターン(図5)をそれぞれ示す。
【0058】
また、本実施形態によりインダクタを複数個形成する場合、隣り合うインダクタの導体の巻き方向を互いに逆向きにすることも可能である。具体的には、前記ねじ穴を形成する場合に、例えば一方のインダクタ用のねじ穴は右ねじによってねじ切りを行い、他方のインダクタ用のねじ穴は左ねじ(逆ねじ)によってねじ切りしてねじ穴を形成すれば、螺旋導体の巻き方向が逆のインダクタを形成することが出来る。このような構成によれば、例えば帯域フィルタを構成するような場合にインダクタ間の結合の調整を行うことが可能となる。
【0059】
〔第二の実施形態〕 図8は、本発明の第二の実施形態に係るインダクタ内蔵基板の製造方法を示す工程図である。この製造方法は、前記第一の実施形態とは逆に、ねじ穴の山部に導体を残してヘリカル状の導体パターンを形成するものであり、重複説明を避けるため同一又は相当部分には同一の符号を図に付し、前記第一の実施形態との差異を中心に説明する。
【0060】
この実施形態では、図8に示すように両面銅張りの絶縁基板11のインダクタを形成すべき位置にドリルでスルーホール150を開け(同図(a),(b))、その穴内にめっきを施して導体膜16を形成する(同図(c))。そして、スルーホール150に対してねじ切りドリル(タッピンねじ)をねじ込み、ホール150内にねじ溝(雌ねじ)を形成する。このとき、ねじ切りドリルのねじ山によって導体膜16を切断してヘリカル状に除去する。
【0061】
これにより、ねじ穴150のねじ山部15bに導体16が残りヘリカル状の導体パターン170が穴内に形成される(同図(d))。そして、該ねじ穴にソフトエッチングを施して該ねじ穴の山部15bと山部15bの間(谷部分15a)に残存する導体を除去する。その後、前記第一の実施形態と同様に、複合材料18を充填してインダクタを完成する。このようにねじ山部15bにヘリカル状の導体を形成してインダクタを作成することも可能である。
【0062】
上記実施形態の利点を述べれば次のとおりである。
(1)複合モジュールを構成する場合に、層数を増やさずに大きなインダクタンス値を有するインダクタを小さな面積で形成することが出来る。また、基板内に内層されているコンデンサや配線パターン、並びに表面実装部品との電磁結合を最小限に抑えることが可能となる。
(2)多層基板でモジュールを構成する場合に、複数層を貫通するように2層以上に亘ってインダクタを形成することが出来るから、インダクタンス値の大小や配線での融通が利き、設計の自由度が増大する。
(3)高周波特性に優れ、高Q、狭公差のインダクタを内蔵した小型の電子部品を作製することができ、特に円形コアを持ったインダクタを形成することが出来るから、最も効率的にインダクタンス値を得ることが出来る。
(4)工程がシンプルなので、製造コストを低減することが出来る。
(5)充填材(複合材料)の組成を変えることにより、特性を容易に変更することが出来る。
(6)ねじ切りドリルの種類(ねじピッチや穴径)を変えるだけで、インダクタンス値の調整をすることが可能である。
(7)同一の基板内に磁路長の違うインダクタを容易に形成することが出来る。
【0063】
また、本発明並びに本実施形態によれば、例えば、アンテナ、アンテナスイッチモジュール、フロントエンドモジュール、パワーアンプモジュール、VCO、PLLモジュール、バンドパスフィルタ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、トラップ、バルントランス、カプラ(方向性結合器)、TCXOモジュール、IFモジュール、RFモジュール、パワーアンプアイソレータモジュール、アンテナフロントエンドモジュール、光ピックアップ用重畳モジュール、EMCフィルタ、コモンモードフィルタ、DC−DCコンバータ、ディレイライン、ダイプレクサ、デュプレクサ、チューナーユニット、ダブルバランスドミキサー、電力合成器、および電力分配器等の電子部品を製造することが出来る。
【0064】
〔第三の実施形態〕 図9および図10は、本発明の第三の実施形態に係るインダクタの製造方法を示す工程図である。同図に示すようにこの方法は、前記第一の実施形態と同様に絶縁基板に穿設したねじ穴を利用してインダクタを形成するが、この実施形態では、部品として独立した単体のインダクタを作製する。
【0065】
まず、図9(a)に示すように、絶縁材52の両面に銅箔53,53aを貼った絶縁基板51を用意し、該基板51を貫通するようにねじ穴55を複数開ける(同図(b))。基板の材質(絶縁材52の種類)は、形成されるインダクタの浮遊容量を減らすために誘電率の低いものを使用することが望ましい。また、銅箔53,53aは、後に述べるように形成されるインダクタ素子の端子となるものであるから、その厚さは製品サイズに対応したものとする。尚、この場合、薄い銅箔を備えた基板に電解めっきを施して所定の銅箔厚とすることも可能である。ねじ穴55の配置パターンは特に問わないが、後に述べる切断(ダイシング)工程で個別の素子に分離し易いように一定の間隔を隔てて碁盤の目状に配列することが好ましい。
【0066】
次に、各ねじ穴55に対してめっきにより導体膜を形成し、各ねじ穴55のねじ山部分を切断する。その後、ソフトエッチングを施し、ねじ谷部間に残存する導体を除去して各ねじ穴内にヘリカル状の導体を形成する。これらねじ穴の形成、導体膜の形成、ねじ山部の切断およびソフトエッチング処理の各工程は、前記第一の実施形態と同様にして行えば良い。
【0067】
さらに、本実施形態では、前記第一の実施形態と同様に、ねじ穴55(インダクタのコア)に各種の複合材料、例えばフェライト等の磁性材料や強磁性金属を樹脂に配合した複合材料を充填しても良いが、基板内部に配置しない単体部品のインダクタを構成するため、コア(ねじ穴)内に何も充填することなく、空芯コイルとしても構わない。ただし、空芯コイルを望む場合であっても、同時により大きな機械強度や加工性が要求される場合には充填材で穴埋めしても良く、この場合には、コア部分を空気とした場合の特性に出来るだけ近づけるため、誘電率が出来るだけ小さくかつtanδも出来るだけ小さい材料を充填材として使用することが望ましい。
【0068】
そして、各ねじ穴55ごとに基板51を切断し(同図(c),切断位置を破線で示した)、個別のインダクタ素子に分離する。完成した各インダクタ素子58は、図10に示すように絶縁材52に覆われたヘリカル状の導体57を備え、両端に絶縁基板表面の銅箔53,53aによって形成された端子を備えている。尚、かかるダイシング(切断)工程の後、端子周囲のバリを除去するために、さらにソフトエッチングを施しても良い。
【0069】
本実施形態によれば、非常にシンプルな工程で、小型でかつQ特性に優れたインダクタ素子を作製することが出来る。また、かかる構造を有する本実施形態のインダクタ素子は、マウンタによる面実装も可能で、さらにコアを空気にした空芯コイルを形成することも出来る。
【0070】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことができることは当業者にとって明らかである。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ねじ穴を利用した基板内蔵インダクタの電気的特性を向上させるとともに歩留り良く量産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)から(e)は、本発明の第一の実施形態に係るインダクタ内蔵基板の製造方法の工程を順に示す断面図である。
【図2】前記第一の実施形態に係るインダクタ内蔵基板の製造方法の工程を示す断面図である。
【図3】前記第一の実施形態に係る製造方法により形成した多層基板(電子部品モジュール)の一例を示す断面図である。
【図4】前記第一の実施形態に係る製造方法により形成した多層基板(電子部品モジュール)の別の例を示す断面図である。
【図5】前記第一の実施形態に係る製造方法により形成した多層基板(電子部品モジュール)のコア基板部分の構成例を示す斜視図である。
【図6】前記第一の実施形態において基板にねじ穴を穿設する工程を示す斜視図である。
【図7】前記第一の実施形態の製造方法により形成したヘリカル状の導体を部分的に示す斜視図である。
【図8】(a)から(e)は、本発明の第二の実施形態に係るインダクタ内蔵基板の製造方法の工程を順に示す断面図である。
【図9】(a)から(c)は、本発明の第三の実施形態に係るインダクタ素子の製造方法の工程を順に示す斜視図である。
【図10】前記第三の実施形態に係る製造方法により作製したインダクタ素子を示す斜視図である。
【符号の説明】
11,51 絶縁基板
12,52 絶縁材料(絶縁層)
13,13a,53,53a 銅箔
15,25,55 ねじ穴
15a ねじ谷部
15b ねじ山部
16 導体膜
17,57,170 ヘリカル状導体
18 充填材(穴埋め材)
21 樹脂付き銅箔
31,31a 基板内蔵インダクタ
58 インダクタ素子
Claims (16)
- 絶縁基板にねじ穴を穿設する工程と、
該ねじ穴の内面に導体膜を形成する工程と、
該ねじ穴の谷部を残しつつ該ねじ穴の山部を除去する工程と、
該山部を除去したねじ穴に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填する工程とを含むことを特徴とするインダクタ内蔵基板の製造方法。 - 絶縁基板にねじ穴を穿設する工程と、
該ねじ穴の内面に導体膜を形成する工程と、
該ねじ穴の谷部を残しつつ該ねじ穴の山部を除去する工程と、
該山部を除去したねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う谷部間に残存する導体膜を除去する工程とを含むことを特徴とするインダクタ内蔵基板の製造方法。 - 絶縁基板にねじ穴を穿設する工程と、
該ねじ穴の内面に導体膜を形成する工程と、
該ねじ穴の谷部を残しつつ該ねじ穴の山部を除去する工程と、
該山部を除去したねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う谷部間に残存する導体膜を除去する工程と、
該ソフトエッチングを施したねじ穴に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填する工程とを含むことを特徴とするインダクタ内蔵基板の製造方法。 - 絶縁基板に断面略円形の穴を穿設する工程と、
該穴の内面に導体膜を形成する工程と、
該穴内にねじ切り具をねじ込み、該ねじ切り具のねじ山により前記導体膜を切断するようにねじ穴を形成することによって該穴内に螺旋状の導体を形成する工程と、
該ねじ穴に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填する工程とを含むことを特徴とするインダクタ内蔵基板の製造方法。 - 絶縁基板に断面略円形の穴を穿設する工程と、
該穴の内面に導体膜を形成する工程と、
該穴内にねじ切り具をねじ込み、該ねじ切り具のねじ山により前記導体膜を切断するようにねじ穴を形成することによって該穴内に螺旋状の導体を形成する工程と、
該ねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う山部間に残存する導体膜を除去する工程とを含むことを特徴とするインダクタ内蔵基板の製造方法。 - 絶縁基板に断面略円形の穴を穿設する工程と、
該穴の内面に導体膜を形成する工程と、
該穴内にねじ切り具をねじ込み、該ねじ切り具のねじ山により前記導体膜を切断するようにねじ穴を形成することによって該穴内に螺旋状の導体を形成する工程と、
該ねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う山部間に残存する導体膜を除去する工程と、
該ソフトエッチングを施したねじ穴に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填する工程とを含むことを特徴とするインダクタ内蔵基板の製造方法。 - 前記絶縁基板は3層以上の配線層を有する積層基板であり、該積層基板の3層以上の配線層を貫通するように前記ねじ穴を形成する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のインダクタ内蔵基板の製造方法。 - 前記ねじ穴を複数個形成するとともに、
該複数個のねじ穴のうちの少なくとも2個の隣り合うねじ穴の巻き方向を互いに逆方向とすることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のインダクタ内蔵基板の製造方法。 - 絶縁基板に複数のねじ穴を穿設する工程と、
該ねじ穴の内面に導体膜を形成する工程と、
該ねじ穴の谷部を残しつつ該ねじ穴の山部を除去する工程と、
該山部を除去したねじ穴にソフトエッチングを施し、隣り合う谷部間に残存する導体膜を除去する工程と、
少なくとも一つの前記ねじ穴を含むように前記絶縁基板を切断し、これにより個別のインダクタを形成する工程とを含むことを特徴とするインダクタの製造方法。 - 一つ以上のインダクタを内蔵する基板であって、
基板の厚さ方向に穿設したねじ穴内に螺旋状の導体を配するとともに、
該ねじ穴内に、樹脂に機能性材料を混入した複合材料を充填し、
これにより前記インダクタを形成したことを特徴とするインダクタ内蔵基板。 - 前記穴は、ねじ穴の谷部を残しつつ山部を除去して形成した穴であり、
前記導体は、該ねじ穴の谷部に配されている
請求項10に記載のインダクタ内蔵基板。 - 前記穴は、内面に導体膜を備えた断面略円形の穴に、ねじ切り具をねじ込んで該ねじ切り具のねじ山によって前記導体膜を切断するよう加工したねじ穴であり、
前記螺旋状の導体は、該ねじ穴の山部に配されている
請求項10に記載のインダクタ内蔵基板。 - 3層以上の配線層を有する積層基板であって、
該積層基板の3層以上の配線層を貫通するように前記ねじ穴が形成され、該ねじ穴内に前記螺旋状の導体が設けられている
ことを特徴とする請求項10から12のいずれか一項に記載のインダクタ内蔵基板。 - 前記ねじ穴を複数個備え、
該複数個のねじ穴内に形成された螺旋状の導体のうちの少なくとも2個の隣り合うねじ穴内の導体の巻き方向が互いに逆方向である
ことを特徴とする請求項10から13のいずれか一項に記載のインダクタ内蔵基板。 - 絶縁材と、該絶縁材の両面に設けた導体箔とを有するインダクタであって、
前記絶縁材と導体箔とを貫通するようにねじ穴が形成されており、
該ねじ穴内に螺旋状の導体が配置されていることを特徴とするインダクタ。 - 請求項10から14のいずれか一項に記載の前記基板に、一つ以上の表面実装部品を実装した電子部品。
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JP2015076436A (ja) * | 2013-10-07 | 2015-04-20 | 日本特殊陶業株式会社 | 配線基板およびその製造方法 |
CN114980498A (zh) * | 2022-05-09 | 2022-08-30 | 江西福昌发电路科技有限公司 | 一种高密度互连印制板及其加工方法 |
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