JP2005026112A - 電子銃の運用方法、電子銃を備えた電子ビーム装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子銃の電子ビーム発生部の一部又は全部を、交換もしくはメンテナンスした後に、真空排気した状態で電子銃に高電圧を印加して、耐電圧性能を高めるためのノッキング処理を行い、処理の終了後に、電子ビームを出力させる通常の使用を行う。また、電子ビーム発生部を交換することが可能な構成の電子銃と、排気手段と、電子銃に電子ビームを出力させる第1の電圧を印加する主電源手段と、電子銃にノッキング処理用の、第1の電圧と同等もしくは第1の電圧よりも高電圧の第2の電圧を印加する副電源手段と、主電源手段と副電源手段とを切り換える切換手段とを備えて電子ビーム装置を構成する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビーム発生部を交換することが可能な構成の電子銃の運用方法(取り扱い方法)、並びにこの電子銃を備えた電子ビーム装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
電子銃の一種として、カソード,フィラメント等から成る電子ビーム発生部を交換可能な構成としたものがある。この交換可能な電子ビーム発生部としては、カソード及びフィラメントを備えた構成や、カソードがなくフィラメントだけの構成等がある。
【0003】
そして、この交換可能な電子ビーム発生部を有する電子銃は、図9にフローを示すように運用(取り扱い)されている。
即ち、図9に示すように、まず、ステップS101において、フィラメントやカソード等の電子ビーム発生部の交換を行う。
次に、ステップS102において、電子銃内を真空引きする。
次に、ステップS103において、加熱してデガス(ガスの排出)を行う。
そして、ステップS104において、電子ビームを出力させる。即ち、目的とする使用を行う。
【0004】
その後、ステップS105において、電子ビーム発生部が寿命に達しているか調べる。
このとき、寿命に達していない場合(OK)は、引き続きステップS104のビーム出力(電子銃の使用)を行うことができる。なお、電子銃によっては、ビーム出力前に、ステップS103と同様の、加熱・デガスが必要なものもある。
【0005】
一方、寿命に達している場合(NG)は、電子ビーム発生部を交換するために、ステップS106に進んで、装置内を大気開放する。同様に、ステップS104において、既に電子ビーム発生部に起因する、電子ビーム出力不良が発生した場合も、ステップS106に進む。
そして、ステップS101に戻り、電子ビーム発生部の交換を行う。
【0006】
上述した構成の電子銃は、例えば、薄膜を成膜する成膜装置や、カッティングマシーン等の装置に用いられている。そして、カソードやフィラメント等の電子ビーム発生部が寿命に達している場合には、電子ビーム発生部の交換が行われている(例えば特許文献1や特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−259473号公報(段落番号[0032])
【特許文献2】
特開2000−104168号公報(段落番号[0008])
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した構成の電子銃を使用したとき、即ち電子ビームを出力させたときには、異常放電が発生することがある。
この異常放電の発生頻度は、図9のステップS101の電子ビーム発生部の交換(もしくはメンテナンス)後、使用を開始してから数時間〜数十時間後までの間の方が、それ以降(使用を開始してから数十時間以上経過したとき)よりも、高い頻度であることが知られている。
【0009】
これは、交換したカソードやフィラメント等の部品についた微小な傷や異物(例えば、ごみや電極の金属表面が酸化したもの)等の影響によるものであり、通常のビーム出力を行うために定格の高電圧を印加した初期段階において、これらの傷や異物に電界が集中することにより、その部分が絶縁破壊を起こして、異常放電が多数発生するためである。
【0010】
上述した電子銃を備えた成膜装置やカッティングマシーン等の装置において、成膜や処理等のプロセス中に異常放電が発生すると、電子が異常放電により消費されてしまうことから、その間は通常の電子ビーム照射が停止してしまう。
このため、プロセスが一時的に停止することとなり、そのプロセスで作製されていた製品に多少なりとも悪影響を与えていた。
【0011】
これは、例えば、磁性テープの蒸着工程であれば、電子銃でCo等の磁性材料をテープに蒸着している時に、一時的に電子ビームが異常放電して成膜装置(蒸着装置)が停止すると、一時的にCo蒸着のプロセスが停止する。このため、Co膜の薄くなった部分(蒸着されない部分)を発生してしまい、歩留まり低下の大きな要因となる。
【0012】
また、例えば、半導体装置の成膜製造プロセスでは、一時的に電子銃が異常放電して電子ビームが停止すると、プロセスが一次停止する。このため、均一な膜質が得られず、この場合も歩留まり低下を引き起こしていた。
また、例えば、半導体層のパターニングにおいて、電子ビームによるカッティングを行う場合には、一時的に電子銃が異常放電してプロセスが一次停止することにより、カットが必要な部分がカットされない等の問題が発生すると考えられる。
【0013】
上述した問題の解決のために、本発明においては、異常放電の発生を抑制して、電子銃を用いた装置における歩留まり・生産性を向上することができる電子銃の運用方法、並びに電子銃を備えた電子ビーム装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子銃の運用方法は、電子ビーム発生部を交換することが可能な構成の電子銃に対して、電子ビーム発生部の一部又は全部を、交換もしくはメンテナンスした後に、真空排気した状態で、電子銃に高電圧を印加して、耐電圧性能を高めるためのノッキング処理を行い、このノッキング処理が終了した後に、電子ビームを出力させる通常の使用を行うものである。
【0015】
本発明の電子ビーム装置は、電子ビーム発生部を交換することが可能な構成の電子銃と、装置内部の少なくとも電子ビームが通過する部分を真空排気する排気手段と、電子銃に電子ビームを出力させる第1の電圧を印加する主電源手段と、電子銃に対して、第1の電圧と同等もしくは第1の電圧よりも高電圧であり、耐電圧性能を高めるためのノッキング処理を行う第2の電圧を印加する副電源手段と、電子銃と接続される電源を、主電源手段と副電源手段との間で切り換える切換手段とを備えたものである。
【0016】
上述の本発明の電子銃の運用方法によれば、電子ビーム発生部の一部又は全部を、交換もしくはメンテナンスした後に、真空排気した状態で、電子銃に高電圧を印加して、耐電圧性能を高めるためのノッキング処理を行い、このノッキング処理が終了した後に、電子ビームを出力させる通常の使用を行うことにより、ノッキング処理により異常放電の原因となるゴミや傷を除去することができるため、通常の使用中の異常放電の発生を抑制することが可能になる。これにより、異常放電の発生回数を低減することが可能になる。
【0017】
上述の本発明の電子ビーム装置の構成によれば、電子銃に電子ビームを出力させる第1の電圧を印加する主電源手段と、電子銃に対して、第1の電圧よりも高電圧であり、耐電圧性能を高めるためのノッキング処理を行う第2の電圧を印加する副電源手段と、電子銃と接続される電源を、主電源手段と副電源手段との間で切り換える切換手段とを備えたことにより、電子銃と接続される電源を、第1の電圧を印加する主電源手段と、ノッキング処理を行うための高電圧の第2の電圧を印加する副電源手段との間で、切換手段によって切り換えることが可能になる。これにより、電子銃の通常の使用に先立ってノッキング処理を行う、即ち上述した本発明の電子銃の運用方法を、同一の電子ビーム装置で実行することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、電子ビーム発生部を交換することが可能な構成の電子銃に対して、電子ビーム発生部の一部又は全部を、交換もしくはメンテナンスした後に、真空排気した状態で、電子銃に高電圧を印加して、耐電圧性能を高めるためのノッキング処理を行い、このノッキング処理が終了した後に、電子ビームを出力させる通常の使用を行う電子銃の運用方法である。
【0019】
また本発明は、上記電子銃の運用方法において、電子ビーム発生部がカソード及びフィラメントを含んだ構成とする。
【0020】
また本発明は、上記電子銃の運用方法において、電子ビーム発生部がフィラメントから成る構成とする。
【0021】
また本発明は、上記電子銃の運用方法において、ノッキング処理を、真空排気した後に自動的に行う。
【0022】
本発明は、電子ビーム発生部を交換することが可能な構成の電子銃と、装置内部の少なくとも電子ビームが通過する部分を真空排気する排気手段と、電子銃に電子ビームを出力させる第1の電圧を印加する主電源手段と、電子銃に対して、第1の電圧と同等もしくは第1の電圧よりも高電圧であり、耐電圧性能を高めるためのノッキング処理を行う第2の電圧を印加する副電源手段と、電子銃と接続される電源を、主電源手段と副電源手段との間で切り換える切換手段とを備えた電子ビーム装置である。
【0023】
また本発明は、上記電子ビーム装置において、制御手段の制御によって、切換手段において、主電源手段と副電源手段との間の切り換えが自動的に行われる構成とする。
【0024】
まず、本発明を適用する電子銃の一形態の概略構成図を図1に示す。
図1Aは、電子銃の要部の拡大断面図を示し、図1Bは電子銃の回路構成の概略を示している。
この電子銃10は、カソード1、フィラメント2、並びにこれらの部品1,2を支持する支持部とからなる電子ビーム発生部3と、アノード4とを備えて構成されている。アノード4は、電子ビームが通過する空間5の周囲に設けられている。
【0025】
そして、電子ビーム発生部3のカソード1やフィラメント2等の部品が、使用していくに従って消耗していくため、電子ビーム発生部3を交換することが可能な構成とされている。
また、アノード4についても同様に交換することが可能な構成となっている。
【0026】
電子ビーム発生部3は、図1Bの回路図にも示すように、電源部6に対して着脱可能な構成となっている。
【0027】
そして、この構成の電子銃10においても、電子ビーム発生部3を交換した場合、もしくは修理等のメンテナンスを施した場合に、交換もしくはメンテナンスの直後の使用時に、異常放電が発生することがある。
この異常放電の発生箇所は、電子銃10の内部において、電子ビーム発生部3と、アノード4等の電位差が大きい部分との間であり、この箇所で絶縁破壊が発生することによりアーク放電等が発生するものと考えられる。
【0028】
前述したように、電子銃10の内部で異常放電が発生すると本来の電子ビームが停止してしまう。このことを図7A及び図7Bを用いて説明する。
本来は、図7Aに示すように、カソード1から発生した電子ビーム11が、アノード4の間の空間5を通過していく。
これに対して、図7Bに示すように、電子銃10の内部の、例えば電子ビーム発生部3と、アノード4等との間において、本来必要のない異常放電21が発生すると、必要な本来の電子ビーム11が消えてしまう。
【0029】
また、異常放電が発生する原因は、カソード1、フィラメント2、電子ビーム発生部3に付いた微小な傷や、電子ビーム発生部3の交換時に付着したゴミや電極表面の酸化物等であると考えられる。これらにより、定格の電圧を加えたときに、その部分で電界集中を発生することから、絶縁破壊を起こして異常放電が発生するものと考えられる。
【0030】
電子ビーム発生部3やアノード4付近の電界の状態を、図8を参照して説明する。
図8Aに示すように、電子銃10の電子ビームが通過する空間5の一方の側のカソード1、アノード4、そしてカソード1を支持する部品(例えば、ピアス、ウェーネルト等)7について、等電位分布と電界強度を考える。図中A,B,Cの各点は、それぞれ角部の電界が集中し易い部分である。
図8Bは、アノード4に0kV、カソード1及び部品7に−30kVを印加したときの等電位分布を示している。図8AのA点とB点の付近では、線が密集していることがわかる。
図8Cは、電界強度を模式的に示した図であり、ヒゲ状の線の向きと長さが、電界の向きと電界の大きさを示している。図8AのA点とB点の付近では、線が長く、電界が強くなっていることがわかる。実際に使用されている電子銃10の構成の一例において、電界強度を計算すると、例えば点Aでは7.13×106V/m、点Bでは9.03×106V/mとなった。
【0031】
続いて、本発明の一実施の形態として、上述した構成の電子銃10に対して、本発明の電子銃の運用方法を適用した場合を説明する。
本実施の形態の運用方法においては、上述の電子ビーム発生部3を着脱可能な構成とした電子銃10に対して、特に電子ビーム発生部3を交換した後、通常の使用を行う前に、ノッキング処理工程を行う。
【0032】
ノッキング処理工程は、テレビ用やディスプレイ用のCRT(陰極線管)の製造において、一般的に行われている。
通常、CRTにおいては、カソードやフィラメント等の電子ビーム発生部が固定された電子銃を用いている。
そして、CRTの製造におけるノッキング処理工程では、一般使用時即ち画像表示の際に電子銃に印加される定格電圧よりも高い電圧を、断続的に電子銃に印加している。
【0033】
ここで、参考までに、CRTの製造工程のうち、ノッキング処理工程の前後の製造フローを図10に示す。
まず、ステップS51において、排気を行う。
次に、ステップS52において、ベーキングを行う。
次に、ステップS53において、ゲッターフラッシュを行う。
次に、ステップS54において、補強及び外装用カーボンの塗装処理を行う。
次に、ステップS55において、ノッキング処理工程及びエージング工程を行う。ノッキング処理工程においては、通常使用時、即ち画像表示の際よりも高い電圧を電子銃に印加する。
続いて、ステップS56において、検査工程を行う。
【0034】
本実施の形態では、図1に示した電子銃10に対して、電子ビームの発生、即ち通常の使用よりも前に、ノッキング処理工程を行う。
ノッキング処理工程においては、通常の使用の際に電子銃10に印加される電圧(定格の電圧)と比較して、同等の電圧、もしくはより高い電圧を電子銃10に印加する。
これにより、放電を誘発させて、異常放電の原因となるゴミや傷等を消滅させる(一部は蒸発(気化)し、一部はもっと小さなゴミとなる)ことができるため、その後通常の使用の際には、異常放電の発生回数を低減することができる。
【0035】
そして、本実施の形態では、例えば図2又は図3に示すフローに従って、ノッキング処理工程を行う。
【0036】
図2に示すフローでは、以下のようにノッキング時のフローが実行される。
まず、ステップS1において、カソード1やフィラメント2等の電子ビーム発生部3の交換を行う。
次に、ステップS2において、電子銃10内を真空引きする。
続いて、ステップS3において、ノッキング処理工程を行う。具体的には、通常の電子ビーム出力用の電圧と同等の電圧、もしくはより高い電圧を電子銃10に印加することにより、放電を誘発させる。これにより、異常放電の原因となるゴミや傷等を除去することができる。
【0037】
次に、ステップS4において、加熱してデガス(ガスの排出)を行う。
そして、ステップS5において、電子ビームを出力させる。即ち、目的とする使用を行う。
【0038】
その後、ステップS6において、電子ビーム発生部3が寿命に達しているか調べる。
このとき、寿命に達していない場合(OK)は、引き続きステップS5のビーム出力(電子銃の使用)を行うことができる。なお、電子銃によっては、ビーム出力前に、ステップS4と同様の、加熱・デガスが必要なものもある。
【0039】
一方、寿命に達している場合(NG)は、電子ビーム発生部3を交換するために、ステップS7に進んで、装置内を大気開放する。同様に、ステップS5において、既に電子ビーム発生部に起因する、電子ビーム出力不良が発生した場合も、ステップS7に進む。
そして、ステップS1に戻り、電子ビーム発生部3の交換を行う。
即ち、図9に示した従来のフローと比較すると、真空引き工程と、加熱・デガス工程との間に、ノッキング処理工程を組み込んでいる。
【0040】
なお、電子ビーム発生部3のメンテナンスを行う場合には、電子ビーム発生部3の交換工程の代わりに電子ビーム発生部3のメンテナンス工程を行う以外(ステップS2以降)は図2と同様のフローに従う。
【0041】
図3に示すフローでは、以下のようにノッキング時のフローが実行される。
まず、ステップS11において、カソード1やフィラメント2等の電子ビーム発生部3の交換を行う。
次に、ステップS12において、電子銃10内を真空引きする。
次に、ステップS13において、加熱してデガス(ガスの排出)を行う。
続いて、ステップS14において、ノッキング処理工程を行う。具体的には、通常の電子ビーム出力用の電圧と同等の電圧、もしくはより高い電圧を電子銃10に印加することにより、放電を誘発させる、これにより、異常放電の原因となるゴミや傷等を除去することができる。
そして、ステップS15において、電子ビームを出力させる。即ち、目的とする使用を行う。
【0042】
その後、ステップS16において、電子ビーム発生部3が寿命に達しているか調べる。
このとき、寿命に達していない場合(OK)は、引き続きステップS15のビーム出力(電子銃の使用)を行うことができる。なお、電子銃によっては、ビーム出力前に、ステップS13と同様の、加熱・デガスが必要なものもある。
【0043】
一方、寿命に達している場合(NG)は、電子ビーム発生部3を交換するために、ステップS17に進んで、装置内を大気開放する。同様に、ステップS15において、既に電子ビーム発生部に起因する、電子ビーム出力不良が発生した場合も、ステップS17に進む。
そして、ステップS11に戻り、電子ビーム発生部3の交換を行う。
即ち、図9に示した従来のフローと比較すると、加熱・デガス工程と、ビーム出力(通常の使用)との間に、ノッキング処理工程を組み込んでいる。
【0044】
なお、電子ビーム発生部3のメンテナンスを行う場合には、電子ビーム発生部3の交換工程の代わりに電子ビーム発生部3のメンテナンス工程を行う以外(ステップS12以降)は図3と同様のフローに従う。
【0045】
従って、図2に示したフロー及び図3に示したフローのいずれのフローの場合も、電子ビーム発生部3を交換もしくはメンテナンスした後の真空引き工程よりも後であり、かつ電子ビームの出力(通常の使用)よりも前に、ノッキング処理工程を組み込んでいる。
【0046】
なお、ノッキング処理工程において、電子銃10に印加する電圧は、ノッキング処理工程における放電の影響により、カソード1及びフィラメント2等の電子ビーム発生部3等の高圧部分と、アノード4等の低圧部分とに代表されるアークの両極面の表面を荒らすことがないように設定しなければならない。
このため、適切な印加電圧、印加時間、電圧パルス幅に設定することが必要となる。
【0047】
このように、ノッキング処理工程において、適切な印加電圧、印加時間、電圧パルス幅に設定することが必要であることを、図6を用いて説明する。
図6A及び図6Bは、印加電圧が適正な電圧に設定された場合を示している。図6Aでは、電極表面にあった傷41が、ノッキング処理工程によって、一部は気化し、一部はずっと小さなごみに変わり、電界集中の原因となる突起が消失するため、異常放電を発生しにくい状態になる。また、図6Bでは、電極上にあったごみ42が、ノッキング処理工程によって、一部は気化し、一部はずっと小さなごみに変わり、異常放電を発生しにくい状態になる。
これに対して、図6C及び図6Dは、印加電圧が適正でない電圧に設定された場合を示している。設定された電圧が低すぎる場合には、図6Cに示すように、電極上のごみ42が残ったり、電極表面の傷41の突起が残ってしまったりする。このように残った傷41やごみ42は異常放電の原因となるため、異常放電の抑制効果が少なくなってしまう。一方、設定された電圧が高すぎる場合には、図6Dに示すように、電極の表面が削られて、新たな傷43,44を発生してしまう。この新たな傷43,44から、新たな突起等を生じて異常放電の原因となってしまうことにより、異常放電を低減できないことや、かえって異常放電が増えてしまうこともありうる。
従って、ノッキング処理工程において、印加電圧等の条件を適正に設定することが重要になる。
【0048】
上述したように、適切に設定された条件でノッキング処理工程を行うことにより、通常の使用に先立って、カソード1等の電極の表面(ゴミ汚れの付着、表面の傷バリ)をコンディショニングすることができる。
従って、その後電子銃10を使用したときに、即ち目的である高電圧を印加したときに、電極表面からの電界集中を抑えて、異常放電を抑制することが可能となる。
【0049】
上述の本実施の形態によれば、電子銃10に電子ビーム発生部3を交換もしくはメンテナンスした後に、通常の使用である電子ビームの出力を行うよりも前にノッキング工程を行うようにしたので、電子銃10を使用する際の異常放電の発生を極端に減少させることができる。
これにより、電子銃10を使用した製造装置において、プロセスの安定化を実現することができ、そのプロセスで製作される製品の歩留まりを向上させることができる。
【0050】
なお、上述の実施の形態では、図1に示したように、カソード1及びフィラメント2を含む電子ビーム発生部3が交換可能な電子銃10に本発明を適用したが、例えばフィラメントのみにより交換可能な電子ビーム発生部が構成された電子銃に対しても、同様に本発明を適用することができる。
【0051】
また、後述するように、ノッキング処理を、真空排気した後に自動的に行うようにすれば、ノッキング処理の後、すぐに電子ビームを発生させて、電子銃を使用することができる。これにより、効率良くノッキング処理を行うことができ、使用中の異常放電の発生を抑制することができる。
【0052】
ここで、ノッキング処理を行っていない電子銃と、ノッキング処理を行った電子銃とにおいて、異常放電の回数を測定して比較を行った。
同じ構成の電子銃を4本(ナンバー1〜4)用意して、電子ビーム発生部を交換した後、ノッキング処理を行わないで、電子ビームを発生させるための電圧を印加して、交換後30時間までの異常放電の発生回数を測定した。
また、同じ4本の電子銃(ナンバー1〜4)に対して、電子ビーム発生部を交換した後、ノッキング処理を行ってから、電子ビームを発生させるための電圧を印加して、交換後30時間までの異常放電の発生回数を測定した。
測定結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
表1では、同一ナンバーの電子銃に対して複数回の測定を行い、合計11回の測定の平均回数を計算している。
表1より、ノッキング処理を行うことにより、異常放電の発生回数を半分以下に低減することができることがわかる。
【0055】
続いて、本発明の電子ビーム装置の一実施の形態として、電子銃に対して上述したノッキング処理工程を自動的に行うことが可能な構成の電子ビーム装置の概略構成図を図4Aに示す。
【0056】
この電子ビーム装置30は、図1に示した電子ビーム発生部3が交換可能な電子銃10を備え、さらに、主電源手段となる、電子銃10に電子ビームを発生させるための第1の電圧を印加する電子銃電源31と、副電源手段となる、電子銃10にノッキング処理に使用される第2の電圧を印加するノッキング処理用電源32と、これら2つの電源31及び32と電子銃10との接続を切り換えるための切換手段として切換器33とを備えている。
【0057】
ノッキング処理用電源32により電子銃10に印加される第2の電圧は、電子銃電源31により電子銃10に印加される第1の電圧よりも高電圧、即ち第1の電圧と同じ向き(負電圧)で大きい電圧とされる。
なお、ノッキング処理用電源32により電子銃10に印加する電圧は、常に上述の第2の電圧である必要はなく、例えば図4Bに電圧波形を示すように、間欠的に第2の電圧(高電圧)が印加されるようにする。
【0058】
ノッキング処理用電源32のコモン(グランド)側端子42を、電子銃及び装置の筐体35に接続して接地している。
ノッキング処理用電源32のマイナス側端子41を、配線46,47,48に接続している。これらの配線46,47,48は、切換器33内を通じて、電子銃10のカソード1やフィラメント2に接続された端子T1,T2,T3に接続される。
また、ノッキング処理用電源32のマイナス側端子41に、高圧プローブ36を接続し、さらに高圧プローブ36にオシロスコープ37を接続している。
これにより、高圧プロープ36でノッキング処理用電源32のマイナス電圧を降圧して、オシロスコープ37で波形を監視することが可能になっている。
【0059】
また、制御手段として、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)34を用いて、電子銃電源31、ノッキング処理用電源32、切換器33の各部の制御を行う構成としている。
なお、制御手段としては、PLC34の代わりに、PC(パーソナルコンピュータ)、計算機、リレーシーケンス等を使用することも可能である。
そして、切換器33は、制御手段であるPLC34の制御により、電子銃に通常の電圧を印加するための配線43,44,45と、ノッキング処理用の電圧を印加するための配線46,47,48とを、自動的に切り換える構成とされている。
【0060】
この電子ビーム装置30では、例えば図5に示すフローに従って、ノッキング処理工程及び通常の使用とを自動的に切り換える。
【0061】
即ち、以下のように、ノッキング処理工程と通常の使用とが行われる。
まず、ステップS21において、切換器33をノッキング処理用電源32側に切り換える。
次に、ステップS22において、ノッキング処理用電源32をONにする。これにより、ノッキング処理工程が行われる。
そして、ステップS23において、設定時間(ノッキング処理工程が開始されてから設定された所定の時間)が経過したかどうか調べる。
設定時間が経過している場合には、ステップS24に進み、ノッキング処理用電源32をOFFにする。一方、設定時間が経過していない場合には、ステップS23の前に戻る。
次に、ステップS25において、切換器33を電子銃電源31側に切り換える。
次に、ステップS26において、ノッキング処理終了を表示する。この表示は、図示しないが、ランプやLED(発光ダイオード)ディスプレイや表示モニタ等の各種表示手段によって表示することが可能である。
その後は、図示しないが、電子銃10から電子ビームを発生させて、通常の使用が行われる。
【0062】
上述の本実施の形態の電子ビーム装置30の構成によれば、PLC34等の制御手段の制御により、切換器33が自動的にノッキング処理用電源32と電子銃電源31とを切り換える構成としたことにより、処理作業にかかる人件費や電子ビーム装置からノッキング処理用の装置に移し変える手間等を省くことができるため、ノッキング処理工程にかかるコストを削減することができる。
【0063】
また、通常の使用よりも高電圧が印加されるノッキング処理工程が、人手を経ることなく、自動的に電子ビーム装置30内で行われるため、安全性を高めることができる。
【0064】
なお、上述の実施の形態の電子ビーム装置30では、筐体35内全体を真空排気する構成としているが、真空排気する領域は筐体内全体に限定されるものではなく、局所的に真空排気が行われる構成も可能である。
本発明の電子ビーム装置においては、少なくとも電子ビーム発生部から発生した電子ビームが通過する空間を真空排気するように、装置を構成すればよい。
【0065】
また、上述の実施の形態の電子ビーム装置30では、PLC34の制御により自動的に切換器33が電子銃電源31とノッキング処理用電源32とを切り換える構成であったが、本発明では、手動により切り換える構成も可能である。
手動で切り換える構成とした場合でも、電子ビーム装置からノッキング処理用の装置に移し変える手間等を省くことができるため、ノッキング処理工程にかかるコストを削減することができる。
【0066】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0067】
【発明の効果】
上述の本発明の電子銃の運用方法によれば、電子ビーム発生部を交換することが可能な構成の電子銃において、通常の使用中の異常放電の発生を抑制し、発生回数を低減することができる。
これにより、使用中に異常放電が発生して電子ビームの出力が停止する頻度を低減することができるため、電子銃を使用して成膜やカッティング等を行う装置において、歩留まりを向上し、製造プロセスをより安定化させることができる。
【0068】
本発明の電子ビーム装置によれば、切換手段により、電子銃に接続される電源を、ノッキング処理用の副電源手段と、通常の電子ビーム発生用の主電源手段との間で切り換えることが可能となるため、同一の電子ビーム装置で、通常の使用に先立ってノッキング処理を行い、通常の使用中の異常放電の発生を抑制することが可能になる。
従って、異常放電の発生を低減し、歩留まりを向上し、製造プロセスをより安定化させることができると共に、電子ビーム装置からノッキング処理用の装置に移し変える手間を省くことができるため、ノッキング処理工程にかかるコストを削減することができる。
【0069】
また、本発明の電子ビーム装置において、さらに制御手段の制御によって、切換手段において主電源手段と副電源手段との間の切り換えが自動的に行われる構成としたときには、処理作業にかかる人件費等も省くことができるため、ノッキング処理工程にかかるコストをより一層削減することができる。また、通常の使用よりも高電圧である第2の電圧が印加されるノッキング処理工程が、人手を経ることなく、自動的に電子ビーム装置内で行われるため、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する電子銃の一形態の概略構成図である。
A 電子銃の要部の断面図である。
B 回路の概略図である。
【図2】本発明の電子銃の運用方法の一形態を示すフローである。
【図3】本発明の電子銃の運用方法の他の形態を示すフローである。
【図4】A、B 本発明の電子ビーム装置の一実施の形態を示す概略構成図である。
【図5】図4の電子ビーム装置における自動的に電源の切り換えを行うフローである。
【図6】A〜D 電圧等の制御が必要であることを説明する図である。
【図7】A、B 図1の電子銃における異常放電の発生を説明する図である。
【図8】A〜C カソードとアノードとの間の等電位分布と電界強度を示す図である。
【図9】従来の電子銃の運用方法のフローである。
【図10】CRTの製造工程におけるノッキング処理工程前後の工程のフローである。
【符号の説明】
1 カソード、2 フィラメント、3 電子ビーム発生部、4 アノード、10 電子銃、11 電子ビーム、21 異常放電、30 電子ビーム装置、31電子銃電源、32 ノッキング処理用電源、33 切換器
Claims (6)
- 電子ビーム発生部を交換することが可能な構成の電子銃に対して、
前記電子ビーム発生部の一部又は全部を、交換もしくはメンテナンスした後に、
真空排気した状態で、前記電子銃に高電圧を印加して、耐電圧性能を高めるためのノッキング処理を行い、
前記ノッキング処理が終了した後に、電子ビームを出力させる通常の使用を行う
ことを特徴とする電子銃の運用方法。 - 前記電子ビーム発生部がカソード及びフィラメントを含んで成ることを特徴とする請求項1に記載の電子銃の運用方法。
- 前記電子ビーム発生部がフィラメントから成ることを特徴とする請求項1に記載の電子銃の運用方法。
- 前記ノッキング処理を、真空排気した後に自動的に行うことを特徴とする請求項1に記載の電子銃の運用方法。
- 電子ビーム発生部を交換することが可能な構成の電子銃と、
装置内部の少なくとも電子ビームが通過する部分を真空排気する排気手段と、
前記電子銃に電子ビームを出力させる第1の電圧を印加する主電源手段と、
前記電子銃に対して、前記第1の電圧と同等もしくは前記第1の電圧よりも高電圧であり、耐電圧性能を高めるためのノッキング処理を行う第2の電圧を印加する副電源手段と、
前記電子銃と接続される電源を、前記主電源手段と前記副電源手段との間で切り換える切換手段とを備えた
ことを特徴とする電子ビーム装置。 - 制御手段の制御によって、前記切換手段において、前記主電源手段と前記副電源手段との間の切り換えが、自動的に行われることを特徴とする請求項5に記載の電子ビーム装置。
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Cited By (3)
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US7683551B2 (en) | 2006-09-25 | 2010-03-23 | Nuflare Technology, Inc. | Processing method and processing device of conditioning electron gun |
JP2012038858A (ja) * | 2010-08-05 | 2012-02-23 | Nuflare Technology Inc | 電子銃のコンディショニング方法および電子ビーム描画装置 |
WO2015092998A1 (ja) * | 2013-12-20 | 2015-06-25 | 株式会社アルバック | 電子銃装置及び真空蒸着装置 |
-
2003
- 2003-07-03 JP JP2003191280A patent/JP2005026112A/ja active Pending
Cited By (4)
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