JP2005025822A - 記録媒体基板、記録媒体と、これらの製造方法および記録媒体基板の成型装置 - Google Patents

記録媒体基板、記録媒体と、これらの製造方法および記録媒体基板の成型装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のプラスチック基板による場合に比し、平坦性、安定性にすぐれ、従来のガラス基板による場合の製造工程、製造装置の簡略化、量産性の向上を図る。
【解決手段】本発明による記録媒体基板1は、ガラス基板から成る録媒体基板であって、そのガラス基板が、343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する特定された低融点ガラスより構成するものであり、ガラス基板自体の少なくとも1主面に、情報凹凸パターン2が、加熱・加圧成型面によって形成された構成とすることによって、バリや、ふくらみの発生を回避し、平坦性にすぐれた、また、信頼性に優れ、量産性に優れた記録媒体基板、したがって、これによって記録媒体を構成することができるようにしたものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等ディスク型、あるいはカード型等の記録媒体基板、記録媒体と、これらの製造方法および成型装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】
記録媒体、例えばCD、DVD等の光ディスクにおける光記録媒体基板は、例えばポリカーボネート等よりなる樹脂基板に、あるいは基板上に形成したフォトレジスト層に、データ情報や、トラッキングサーボ用のグルーブ等の情報凹凸パターンが形成される。この媒体基板上には、反射膜や、磁気記録膜、光磁気記録膜等の記録膜や、保護膜等の成膜層が形成される。また、例えばDVD等においては、記録層が多層構造とされる提案もなされている(例えば特許文献1および2参照)。
【0003】
これに対して、ハードディスクにおいては、通常、平滑なディスク基板の表面に、記録膜としての磁性層や、滑剤等が塗布形成される。そして、このディスク表面上に、スライダーを有する浮上型の磁気ヘッドが配置され、ディスクの回転によってスライダーとの間に生じる空気流によって磁気ヘッドが、ディスク表面から数10nmのエアギャップを介して浮上し、この状態で、磁気ヘッドによって記録再生がなされる。
このようなディスクにおいては、基板に、平坦性が要求されるものであり、このために、ディスク基板としては、温度湿度の環境変化や、記録膜の応力で変形しにくい、鏡面研磨されたガラス基板、アルミニウム基板等が用いられる。
【0004】
このハードディスクにおいては、トラッキングサーボ信号や、アドレス信号等を、各ディスクの記録層に、サーボライタによって1枚毎に書き込む、いわゆるイニシャルライズがなされる。
【0005】
また、記録媒体において、媒体基板をガラス基板によって構成する場合、ガラス基板は、内径および外径加工がなされ、光学研磨され、基板上に、例えば2P (Photopolymerization) 法によって上述したトラッキングサーボ、データ情報等が記録された、情報凹凸パターンが形成される。
すなわち、この2P法においては、ガラス基板上に、例えば紫外線硬化型のフォトレジスト層を塗布し、これに上述した情報凹凸パターンを転写形成するスタンパを押圧し、紫外線照射により硬化して、目的とする情報凹凸パターンが形成された記録媒体を構成する。
【0006】
ところが、上述した2P法による場合、ガラス基板の外周からフォトレジスト層の樹脂がはみ出して、硬化処理後にバリとして残ることから、これを除去する端面処理作業が必要となり、更に、この処理によって微細粉が静電気などによって信号面、すなわち情報凹凸パターンの形成面あるいはこの形成面上に形成される情報記録層に付着し、これが記録再生時のエラーの原因となる。
また、情報凹凸パターンの形成層が、2P法による樹脂層であることから、光記録媒体において、これに対するレーザ光の記録再生におけるレーザ光の繰り返し照射によって、熱変形、熱変質をきたしやすいという問題がある。
また、ハードディスクにおいては、記録媒体基板への磁性層の成膜において、基板温度200℃以上とすることが、優れた磁気特性を得る上で望まれることから、2P法を適用することに問題がある。
【0007】
これに対して、ガラス基板の表面自体に、RIE(Reactive IonEtching)によって情報凹凸パターンを形成した記録媒体基板は、上述した熱や、レーザ照射に対して高い安定性を有することから、優れた特性を有する記録膜の形成や、安定性にすぐれた記録媒体を構成することができるものである。
しかしながら、この場合は、情報凹凸パターンの形成において、ガラス基板上に、フォトレジスト層を塗布乾燥させ、目的とする情報凹凸パターンに対応するパターン露光および現像を行ってフォトレジスト層をパターン化し、これをエッチングマスクとして、このレジスト層上からRIEを行ってガラス基板表面に、情報凹凸パターンを形成するという方法が採られることから、その製造工程が、煩雑であり、プロセスコストが高く、生産性に劣る。
【0008】
上述したように、2P法による場合も、RIEによる場合も、生産性の低さと、コスト高に問題がある。
したがって、このような、2P法、RIEによるガラス基板は、量産が要求されない、特殊の用途の光記録媒体としてのみ適用されている。
【0009】
また、DVD(Digital Versatile Disc)の次世代の大記録容量光ディスクとして、規格化がすすめられている青紫色のレーザを用いる、いわゆるBlu−rayディスク(以下BDと呼称する)は、対物レンズの開口数N.A.が0.85とされる。この場合、対物レンズの焦点深度が極めて浅いことから、ディスクの基板とは反対側の光透過層、いわゆるカバー層側から上述したレーザ光の照射がなされるものであり、更に、その光透過層、および多層記録層においては、これら間に介在される接着剤層等の中間層とカバー層の全厚さが、80mμ〜100mμ±2mμ以下という制約がある。
また、N.A.が大となるほど、光ディスクの傾きの許容度が小さくなる。
このように、ディスク基板上の層厚の制約、傾きの許容度等から、必然的に媒体基板の、形状等の機械的、物理的精度、安定性、信頼性、耐久性が問題となり、上述した樹脂基板、あるいは2P法における樹脂層によって記録層を構成することに問題がある。
【0010】
更に、対物レンズを光ディスクに接近させる、いわゆるニアフィールド構成とする場合、光ディスク基板の平面性に、より高い精度が要求される。
【0011】
また、光記録媒体、例えば光ディスクにおいては、その製造過程や、動作環境や、保存環境下にあっても、媒体基板に、変形が無いものが理想とされるが、上述したように、生産性やコスト等の問題から、光記録媒体基板として用いられ易い、上述したポリカーボネート等の樹脂基板では、その吸湿性によって膨張し、特に、片面のみに情報信号がある光ディスクでは、応力変形に加え、温湿度の急激な環境変化で、反りが発生しやすいという問題がある。更に、ディスク基板を射出成型によって形成する場合、縁部にバリが発生したり、図16にその半径方向の位置を横軸にとってその表面位置を測定した結果を示すように、外周にふくらみが発生する。
【0012】
このような、反りや、外周のふくらみ、バリ等は、前述したように、特に、浮上型磁気ヘッドによる記録再生がなされるハードディスク、ニアフィールド型の対物レンズが用いられる光記録媒体等においては、致命的欠陥となる。
【0013】
【特許文献1】
特許第2702905号。
【特許文献2】
特許第2742524号。
【0014】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した樹脂基板における諸問題を解決し、しかも量産性にすぐれた記録媒体基板、これによる優れた特性の記録媒体と、これらの製造方法および記録媒体基板の成型装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明による記録媒体基板は、ガラス基板から成る録媒体基板であって、そのガラス基板が、343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する特定された低融点ガラスより構成するものであり、ガラス基板自体の少なくとも1主面に、情報凹凸パターンの加熱・加圧成型面が形成された構成とするものである。
【0016】
本発明による記録媒体は、その記録媒体基板が、上述した本発明による記録媒体基板によって構成される。すなわち、記録媒体基板は、ガラス基板より成り、このガラス基板が、343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する低融点ガラスより成るものであり、このガラス基板自体の少なくとも1主面に、情報凹凸パターンの加熱・加圧成型面が形成されて成る。そして、このガラス基板の情報凹凸パターンの形成面に成膜が施され構成を有するものである。
【0017】
また、本発明による記録媒体基板の製造方法は、少なくとも1主面に、情報凹凸パターンを有する記録媒体基板の製造方法であって、343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する低融点ガラスを用いて、目的とする記録媒体基板を加熱・加圧成型する成型工程と、この成型工程の後、もしくはこの成型工程と同時に情報凹凸パターンを加熱・加圧成型する。
【0018】
また、本発明による記録媒体の製造方法は、少なくとも1主面に、情報凹凸パターンが形成された記録媒体基板を有する記録媒体の製造方法であって、343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する低融点ガラスを用いて、目的とする光記録媒体基板を加熱・加圧成型する成型工程と、この成型工程の後、もしくはこの成型工程と同時に情報凹凸パターンを加熱・加圧成型する工程と、この情報凹凸パターンの形成面に、反射膜や、記録層等の成膜を施す工程とをとって目的とする記録媒体を得る。
【0019】
また、本発明による記録媒体基板の成型装置は、それぞれ加熱手段によって加熱される固定金型と、可動金型とを有して成り、両金型の少なくとも一方の内面に、目的とする光記録媒体基板の情報凹凸パターンを転写形成する転写凹凸パターンを有するスタンパを配置するか、ミラー面に上記転写凹凸パターンが彫りこまれたプレートが配置される。
そして、両金型間に、目的とする光記録媒体基板の寸法、形状に相当する寸法、形状を有する343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する低融点ガラスより成るガラス成型体を配置した状態で、両金型間に、このガラス成型体を平行に挟みこんで加熱・加圧することによって、ガラス成型体の少なくとも一方の主面の表層に、情報凹凸パターンが転写形成された光記録媒体基板を得る構成とする。
【0020】
また、本発明による記録媒体基板の成型装置は、固定プレス盤と、可動プレス盤と、これら間に配置される対となる中金型と、両プレス盤と対の中金型間に対して進退し、対の中金型をそれぞれ加熱する対の可動加熱手段とを有して成る。そして、固定金型と、可動金型との少なくとも一方の対向面に、目的とする光記録媒体基板の情報凹凸パターンを転写形成する転写凹凸パターンを有するスタンパを配置するか、ミラー面に上記転写凹凸パターンが彫りこまれたプレートが配置され、固定金型と可動金型との間に、目的とする記録媒体基板の体積に相当する343℃以下285℃以上のガラス転移点Tgを有する低融点ガラスより成る球状、玉子型状等のガラス塊状体を挿入して、可動加熱手段を、両プレス盤と中金型との間に進出させて、ガラス塊状体をその屈服点より20℃以上の温度に加熱溶融し、この加熱状態で、可動加熱手段を両プレス盤と中金型との間から退出させて可動プレス盤を固定プレス盤に向かって移動して、両プレス盤間で、対の中金型を互いに加圧圧着させて、ガラス塊状体を目的とする記録媒体基板に相当する形状に成型する。
そして、この状態で、ガラス成型体を、ガラス転移点以下に冷却して、この成型体表層にスタンパ凹凸信号を転写するものである。
【0021】
更に、本発明による記録媒体基板の成型装置は、目的とする記録媒体基板を成型する少なくとも1個のキャビティが、上面に設けられた回転盤を有しこの回転盤の少なくとも第1〜第4の回転角度位置において、それぞれ第1〜第4の作業部が設けられて成る。
第1の作業部は、キャビティに、343℃以下285℃以上のガラス転移点Tgを有する低融点ガラスの溶融ガラスを注入する溶融ガラス注入部とされ、第2の作業部は、溶融ガラスが注入されたキャビティを上金型で閉蓋した状態で、この上金型と回転版とを押圧し、キャビティ内のガラスを予備加熱する予備加熱・加圧部とされる。また、第3の作業部は、加熱・加圧部とされ、第4の作業部は、冷却部とされる。
キャビティの底部と上金型の下面のいずれか少なくとも一方には、目的とする光記録媒体基板の情報凹凸パターンを転写形成する転写凹凸パターンを有するスタンパを配置するか、ミラー面に上記転写凹凸パターンが彫りこまれたプレートが配置される。
そして、第1〜第4の作業部に、順次上記回転盤が、間歇的に回転し、各回転位置で上記作業部における作業がなされ、冷却部における冷却の後、キャビティ内のガラス成型体の表層に、転写凹凸パターンが転写された情報凹凸パターンを有する記録媒体基板を得るものである。
【0022】
上述したように、本発明においては、上述した特定された低融点ガラスによって記録媒体基板を構成し、この特定された低融点ガラスによる基板により、この基板自体の表面に情報凹凸パターンを、加熱・加圧によって、すなわちスタンパによる情報凹凸パターンの形成を可能とするものである。したがって、この構成によれば毎葉的に基板作製を行うことを余儀なくされることがない。
【0023】
そして、本発明による光記録媒体は、上述した本発明による記録媒体基板上に成膜が形成された構成としたことにより、上述したように、基板作製および光記録媒体作製を毎葉的に行うことが余儀なくされることがない。
【0024】
また、本発明による記録媒体基板の製造方法によれば、上述した特定された低融点ガラスを用いることによって、記録媒体基板およびこれに対する情報凹凸の作製を、加熱・加圧成型することができるようにして、製造工程数の減少を図ることができる。
【0025】
また、本発明による記録媒体の製造方法によれば、その記録媒体基板の作製において、上述した本発明による記録媒体基板の作製方法によったことから、上述したように、製造工程数の減少を図ることができるものである。
【0026】
そして、本発明による成型装置によれば、いずれも情報凹凸パターンの形成を、押圧によって平面的に形成することができるものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明による記録媒体基板、記録媒体と、これらの製造方法および記録媒体基板の成型装置の実施の形態を説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
図1〜図4は、それぞれ、本発明による記録媒体基板1によって構成した記録媒体4を例示した概略断面図である。
【0028】
[記録媒体基板の実施の形態]
本発明による、例えば光記録媒体基板、磁気記録媒体基板等の記録媒体基板1は、343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する低融点ガラスより成り、図1〜図3の例では、一方の主面に、また、図4の例では、両主面にそれぞれ、例えばトラッキングサーボ信号、データ情報等の情報凹凸パターン2が、基板1自体の表面に、加熱・加圧成型されて成る。
すなわち、本発明は、上述した特定された低融点ガラスによって記録媒体基板1を構成するものであって、記録媒体基板1自体に後述するように、スタンパによる加熱・加圧によって、情報凹凸パターンが形成される。
【0029】
上述した本発明による低融点ガラスとしては、K−PG325、K−PG375(はいずれも住田光学ガラス(株)社製)を用いることができる。
【0030】
[記録媒体の実施の形態]
図1〜図4は、上述したように、本発明による記録媒体基板1が用いられた光記録媒体4、例えば光記録媒体、磁気記録媒体の実施の形態例の概略断面図を示す。
これら記録媒体4は、例えばROM(Read Only Memory)型、WO(Write Once)型、書き換え可能型等種々の構成による記録媒体とすることができる。
【0031】
<記録媒体の第1の形態例>
この形態例においては、図1に示すように、1主面に、情報凹凸パターン2が形成された、上述した本発明による記録媒体基板1の、情報凹凸パターン2の形成面に、金属膜、誘電体膜等による反射膜、単層もしくは多層記録層等が成膜された成膜層3が施されて、信号面11が形成された記録媒体4、例えば光ディスクである。
すなわち、この例においては、ROM(Read Only Memory)型、WO(Write Once)型、書き換え可能型等種々の構成による単層、多層記録層を有する光記録媒体とすることができる。
【0032】
<記録媒体の第2の形態例>
この形態例においては、図2に示すように、例えばDVDの次世代の大記録容量による、青紫色レーザ光による記録ないしは再生がなされるBD(Blu−ray)構成とした場合である。
この場合、第1の形態例と同様に、一主面に情報凹凸パターン2が形成された、本発明による基板1の、その情報凹凸パターン2の形成面に、例えば下層(基板1側)に金属膜、あるいは誘電体膜等による反射膜が形成され、この上に記録膜が形成された成膜層3によって信号面11が形成されて成る。
【0033】
そして、この信号面11上に、厚さ80μm〜100μm程度の光透過性層5いわゆるカバー層が形成され、この光透過層5側から、上述した青紫色レーザ光によるレーザ光Lが、対物レンズ6を通じて信号面11に集光されて、情報凹凸パターン2からの情報の再生と、信号面11の記録膜に対する記録ないしは再生、がなされる。
【0034】
<記録媒体の第3の形態例>
この形態例においては、例えばBD構成において、複数の状情報記録層が積層された構成とした場合であり、例えば図3に示すように、2層情報記録層、すなわち第1および第2の信号面が積層された構造とした場合である。
この例では、図2で示した基板1に形成した信号面11を、第1の信号面とし、その光透過層5に、第2の信号面12を形成して、この第2の信号面12を、第1の信号面11上に、積層した構成とした場合である。
この信号面12を有する光透過層5は、例えばプラスティックフィルムに、例えばレジスト層を塗布し、これをパターン化して形成した情報凹凸パターン22を形成し、この上に、半透明反射膜による成膜層23を形成して第2の信号面12とした。
光透過層5のフィルムは、例えば紫外線硬化樹脂による透明中間層(接着層)7を介して、基板1に接合して、第1および第2の信号面11および12が積層される。このようにして、記録媒体4例えばBDが構成される。
【0035】
そして、この光記録媒体4の第1および第2の信号面11および12に対する記録ないしは再生は、青紫色レーザ光によるレーザ光Lを、第1および第2の信号面11および12に選択的にフォーカシングさせることによって行う。
【0036】
このような、複数の情報記録層、すなわち信号面が積層された多層構造の光記録媒体においては、レーザ光Lの入射側の信号面に向かって反射率を小さくすることによって、下層の信号面に対してもレーザ光Lによる記録再生を可能にする。例えば最下層の信号層における反射率は80%程度とし、最上層側の信号面においては、例えば30%程度とする。
このように、反射率を変化させるには、例えば各信号層間に介在させる透明中間層の厚さを変更させることによって行うことができる。
【0037】
<記録媒体の第4の形態例>
この形態例においては、図4に示すように、両面型のハードディスクの場合であり、本発明による低融点媒体基板1の両主面に、トラッキングサーボ信号や、アドレス信号が記録された、情報凹凸パターン2および22が形成され、これら情報凹凸パターン2の形成面上に、それぞれ磁性層による第1および第2の信号層11および12が形成された、いわゆるディスクリート型のハードディスク構造とした場合である。この磁性層3の成膜においては、例えば基板1を、250℃前後に加熱して行うことができる。
そして、両信号面11および12上には、シリコーンオイル等の潤滑剤層8が塗布形成される。
【0038】
この図4の構成による磁気録媒体4は、浮上型磁気ヘッド31による記録・再生がなされる。すなわち、第1または/および第2の信号面11または/12対向する磁気ヘッド31を有するスライダが、記録媒体の回転によって媒体面との間に発生する気流によって浮上し、この磁気ヘッド31が、媒体面との間に狭隘なエアギャップを介して対向した状態で、すなわち非接触的に対向した状態で、各信号面に対する記録・再生がなされる。
【0039】
上述した本発明による各記録媒体基板1、および記録媒体4を構成する光記録媒体基板1は、ガラス移転点Tgが、343℃以下という低融点ガラス基板によることから、情報凹凸パターン2は、基板1自体の表面層に対する加熱・加圧成型によって形成するものである。したがって、本発明による記録媒体基板1と、これを用いた本発明による光記録媒体、磁気記録媒体4は、再現性良く、量産的に製造することができる。
【0040】
また、本発明による光記録媒体、磁気記録媒体4は、その記録媒体基板1が、ガラス基板によって構成されることから、従来通常のプラスチック基板に比して、機械的剛性に富み、例えば一方の主面にのみ信号層を形成する場合においても、両面の非対称性から生じる反り等の発生を回避できる。
また、ガラス基板による本発明による光記録媒体基板1は、下記表1で示した特性比較によって明らかなように、プラスチック基板による場合に比し、化学的、機械的に安定した基板となる。したがって、例えば記録・再生レーザ光の繰り返し照射、外囲条件等によって、変質や、熱的影響による変形を来たすことがなく、光学的、磁気的に安定した特性を持続させることができる。すなわち、経年変化の低減化を図ることができる。
【0041】
また、従来一般の。ポリカーボネートによるプラスチック基板では、例えばこの上に形成する各種成膜を、真空下で行う場合、樹脂内部からのガス発生や吸湿による水分に伴う真空度低下や、これらのガスが記録膜に取り込まれる結果、記録特性が悪くなる。そこで、この種のプラスチック基板においては、その対策として、また、複屈折安定化のために、成膜前に130℃以下の温度で長時間のアニール処理を必要としている。これに対し、本発明では、ガラス基板による構成によることから、このような処理を回避できる。
【0042】
また、ハードディスクでは、保磁力、磁気異方性等の磁気特性向上のために、上述した成膜時の真空下において、基板を250℃前後に加熱しながら磁性層の成膜を必要とするが、プラスチック基板においては、このような耐熱性を持たないことから、この種の基板としては、プラスチック基板は不適当となる。
そこで、プラスチック基板を用いる場合には、磁性層としては、磁気特性に劣る白金―コバルト(Pt−Co)系等の磁性層によることが余儀なくされる。
【0043】
上述した本発明による光記録媒体基板1、また本発明による光記録媒体4における光記録媒体体基板1を構成する低融点ガラスとしては、例えば、それぞれ住田光学ガラス(株)製の、K−PG325(以下、試料1とする。)、K−PG375(以下、試料2とする。)を用いることができるものであり、これらと、プラスティック基板として、広く用いられているポリカ−ボネート樹脂のAD−5503(帝人化成(株)製:以下、試料3とする。)、ゼオネックス樹脂280R(日本ゼオン(株)製:以下、試料4とする。)のそれぞれの特性を表1に列記する。
【0044】
【表1】
Figure 2005025822
【0045】
表1から明らかなように、本発明による光記録媒体基板を構成する試料1および2の低融点ガラスは、試料3および4に比してヤング率、剛性率にすぐれ、膨張係数が小さく、吸水性においても試料3のポリカーボネートに比し小さい。したがって、本発明による光記録媒体基板によれば、上述した本発明特有の効果を奏するものである。
【0046】
次に、本発明による記録媒体基板の製造方法の実施の形態を概略説明する。
[記録媒体基板の製造方法の実施の形態]
<基板製造方法の第1の形態例>
ガラス転移点Tgが、343℃以下285℃以上の低融点ガラスより成り、目的とする光記録媒体基板の寸法、形状を有するガラス成型体、例えば中心孔を有するガラス成型体を形成する。
このガラス成型体を、100℃〜250℃間で、例えば2段階以上の昇温過程を経た予備加熱を行う。そして、この予備加熱のなされたガラス成型体に対して、その両面から、表面層がガラスの屈服点以上の温度とした状態で、所要の圧力をもって平行に平面的に押圧、すなわち加圧する。このとき、少なくとも情報凹凸パターンを形成する面に対しては、目的とする情報凹凸パターンを転写形成する凹凸パターンを有する面をもって押圧する。
このようにして、少なくとも一方の主面に情報凹凸パターンが表面に形成された、目的とする記録媒体基板、例えば光ディスク基板、あるいは、例えばハードディスクにおける磁気記録媒体基板を作製する。
【0047】
そして、この場合、ガラス成型体の上述した情報凹凸パターンの形成面には、あらかじめ表面粗Rmax(最大高低差)が、10μm以下の梨地ないしはマット状の面とすることにより、上述した加熱・加圧に際して巻き込まれる空気を外部に放出して記録媒体基板に気泡が残ることがないようにする。
【0048】
<基板製造方法の第2の形態例>
この実施の形態例においては、目的とする記録媒体基板の体積に相当する例えば球状、楕円形状等の、通常ゴブと呼称されるガラス塊状体を用意する。
そして、このガラス塊状体を、目的とする記録媒体基板に対応する内形状を有するキャビティ内に配置し、このガラス塊状体の全体が流動しスタンパ凹凸信号が転写する温度、すなわち屈服点より、20℃以上例えば40℃以上に加熱してキャビティの内形状に相当する外形状とし、これに対しその両面側から、表面層がガラス屈服点以上とした状態で、所要の圧力をもって平行に平面的に押圧、すなわち加圧する。このとき、少なくとも情報凹凸パターンを形成する面に対しては、目的とする情報凹凸パターンを転写形成する凹凸パターンを有する面をもって押圧する。
このようにして、少なくとも一方の主面に情報凹凸パターンが表面に形成された、目的とする記録媒体基板、例えば光ディスク基板、あるいは、例えばハードディスクにおける磁気記録媒体基板を作製する。
【0049】
<基板製造方法の第3の形態例>
この実施の形態例においては、目的とする記録媒体基板の体積に相当する体積のガラス転移点Tgが、343℃以下285℃以上の低融点ガラス溶融材を用意する。
このガラス溶融材を溶融状態で、目的とする記録媒体基板に対応する内形状を有するキャビティ内に流入させ、キャビティの内形状に相当する外形状とする。
その後、この成型体を、これに対しその両面側から、表面層がガラス屈服点以上とした状態で、所要の圧力をもって平行に平面的に押圧、すなわち加圧する。このとき、少なくとも情報凹凸パターンを形成する面に対しては、目的とする情報凹凸パターンを転写形成する凹凸パターンを有する面をもって押圧する。
このようにして、少なくとも一方の主面に情報凹凸パターンが表面に形成された、目的とする記録媒体基板、例えば光ディスク基板、あるいは、例えばハードディスクにおける磁気記録媒体基板を作製する。
【0050】
次に、上述した本発明による記録媒体基板の製造方法の、第1〜第3の実施の形態例に適用する成型装置と成型プロセスを、順次それぞれ第1〜第3の実施の形態例として例示する。
【0051】
[成型装置と成型プロセスの実施の形態]
<成型装置と成型プロセスの第1の形態例>
(成型装置)
この形態例における成型装置は、両主面にそれぞれ情報凹凸パターンを有する記録媒体ディスク基板を得る成型装置で、低融点ガラスの成型の出発材料構造が、ディスク成型体100の場合の成型装置である。
図5にその成型装置の一例の概略断面図を示すように、固定金型51と、可動金型52とを有して成る。これら金型51および52の各互いの外側面に、それぞれこれらを所要の温度に加熱する加熱手段、例えば熱媒が循環される加熱盤による加熱手段53および54が熱的に結合して配置される。
可動金型52は、例えばいわゆる油圧ラムによって固定金型51に向かって、図5において、矢印で示すように、加熱手段54と共に、上下に移動するように構成されている。
【0052】
両金型51および52の互いの対向面、すなわち、図5において、上金型51の上面および下金型の下面には、それぞれ目的とする情報凹凸パターンを転写形成する転写凹凸パターンを有する例えば第1および第2のスタンパプレート55および56が配置される。
これらスタンパプレート55および56の互いの対向面は、固定金型51および可動金型52に形成した凹部に配置されて各金型の互いの対向面と同一平面となるように配置される。これらスタンパプレート55および56は、金型51および52の凹部内に、それぞれ例えば真空吸着によって保持される。
【0053】
金型51および52には、後述するガラス成型体100の中心孔100hに嵌挿され、かつ、両スタンパプレート55および56の中心孔に貫通し、これらの軸合わせがなされるセンターピン57および58が同軸上に配置される。
【0054】
また、可動金型52の上面の、スタンパプレート56の周縁部上に差し渡ってその周囲に、必要に応じて目的とする記録媒体基板の厚さに相当する厚さを有し、内径が、目的とする記録媒体基板の外径に相当するか、これより大径のリング状円板によるキャビティリング59を配置することができ、径を異にする目的とする記録媒体基板に応じて異なる内径ある同一内径のキャビティリング59が配置され、このキャビティリング59で取り囲まれた領域にキャビティを形成する。
しかしながら、可動金型52の移動量の制御、すなわち、油圧が正確にエンコーダ等によって制御される構成とされるときは、このキャビティリング59の配置を省略することができる。
【0055】
次に、この成型装置によって、前述した、あらかじめ目的とする記録媒体基板の寸法、形状に応じて成型した例えば光ディスク基板に相当する中心孔100hを有するガラス成型体100を用いて記録媒体基板例えば光ディスク基板を得る成型プロセスを説明する。
(成型プロセス)
ガラス成型体100を予備加熱する。この予備加熱は、例えば250℃とするが、この場合、例えば80℃から250℃の間で、2段階以上にわたって徐々昇温させ、ガラス成型体100に急な昇温によるひずみによる割れの発生を回避する。
【0056】
一方、金型51および52は、それぞれ加熱手段53および54によって所定の温度に加熱される。
上述した予備加熱された成型体100は、図5に示すように、金型52を降下させて金型51から金型52を離間させた状態で、中心孔100h内に、センターピン57および58を挿通させて、スタンパプレート56上に配置する。
この状態で、可動金型を例えば油圧ラムによって、図においては加熱手段54とともに上昇させ、ガラス成型体100の上面が第1のスタンパプレート55と衝合する1mm程度手前で停止させる。
この状態で、成型体100の両主面の表層を、成型体100の200μm程度の厚さにおいて、成型体100の低融点ガラスの屈服点より例えば20℃以上好ましくは40℃高い温度に加熱し、その後、下金型52を上昇させ、両スタンパプレート55および56間において、平面的に、すなわち平行押圧して、成型体100の両面の表層に、両スタンパプレート55および56の各転写凹凸パターンが転写された目的とする情報凹凸パターンを形成する。
【0057】
その後、図6に示すように、成型体100を挟み込んでスタンパプレート55および56とキャビティリング59とが一体化された状態で、金型51および52から、真空をリークすることによってとりはずして成型装置外へ取り出して例えば自然冷却する。
【0058】
その後、図7に示すように、冷却進行と共にスタンパプレート55および56、キャビティ59は自然開放され、この例では、成型体の両面に情報凹凸パターンが形成された目的とする記録媒体基板1、すなわち光ディスクを取り出す。
そして、キャビティリング59を排除する。
このように、スタンパプレート55および56と成型体100とが一体の状態で成型装置から外部に取り出し冷却後離型して、成型された基板1すなわちガラスディスクの取出しがなされるが、このガラスディスクの取り出しは、全体の温度が、成型装置に対してなされた、ガラス成型体100の挿入時の、予熱温度の範囲と同じ程度とすることが望ましい。すなわち、この冷却を、例えば一気に室温近くにまで冷却すると、スタンパを構成する金属(一般には、ニッケル)と、低融点ガラスの成型体との線膨張係数の違いによる異なる急激な収縮によって、ガラス成型体に割れや、情報凹凸パターンの微細凹凸信号の欠損が起こる恐れがあることから、このような現象を回避するものである。
【0059】
<成型装置と成型プロセスの第2の形態例>
(成型装置)
この形態例における成型装置においても、両主面にそれぞれ情報凹凸パターンを有する記録媒体ディスク基板を得る成型装置であるが、この例においては、上述した低融点ガラスの成型の出発材料形状が、球状あるいは玉子型形状等のガラス塊状、いわゆるゴブからの成型を行う成型装置である。
この場合、目的とする記録媒体基板の体積に相当する343℃以下285℃以上のガラス転移点Tgを有する低融点ガラスのガラス塊状体101が用意される。
図8にその成型装置の一例の概略断面図を示すように、固定プレス盤71と、可動プレス盤72と、これら間に配置される対となる中金型73および74とを有して成る。
プレス盤71および72との各対向面には、これらプレス盤をそれぞれの所要の温度、例えば室温に設定することができる熱盤75および76が設けられる。
更に、金型73および74と、中金型73および74との間に、これら間に対して進退する加熱手段として昇温速度の速い、例えば近赤外線ランプによる可動加熱手段77および78が設けられる。
【0060】
そして、この例では、両金型73および74の互いの対向面に、目的とする光記録媒体基板の情報凹凸パターンを転写形成する転写凹凸パターンを有する第1および第2スタンパ79および80が配置される。これらスタンパ79および80の外周には、これらをそれぞれ固定すると共に外径を構成する第1および第2の外周リング81および82が設けられる。
固定プレス盤71と可動プレス盤72との間に、固定プレス盤71に対して対の中金型73および74を、平行移動させるガイド機構83例えばガイド棒が設けられ、これによって中金型73および74が案内される。
【0061】
この構成において、図9に示すように、スタンパ79および80、その外周の外周リング81および82を衝合合致させたとき、これらによって囲まれた空間が、目的とする記録媒体基板の、寸法、形状となるように構成される。
【0062】
(成型プロセス)
図8に示すように、スタンパ79および80と外周リング81および82とに囲まれた空間に、予めガラス転移点〜屈服点の範囲で予備加熱した塊状体101を配置する。
可動加熱手段77および78によって、中金型73および74を加熱し、塊状体101を、急速にその屈服点より20℃以上の例えば40℃以上に加熱し、これを溶融し、可動加熱手段77および78を、中金型73および74とプレス盤71および72との間から外部に退出させる。
そして、可動プレス盤72を例えば油圧ラムによって上昇させ、図9に示すように、例えば外周リング82に穿設した排気口84から排気しながら、塊状体101をスタンパ79お80間の空間85によって、規定された形状に上述したガラス塊状体を成型し、同時にスタンパ79および80の転写凹凸パターンが反転転写された情報凹凸パターンが形成される。
【0063】
ここで、熱盤75および76の温度は、中金型73および74が屈服点以上の温度に加熱されていることから、これら金型73および74の金型温度よりも低くてよいものであり、例えば常温でも良く、低融点ガラスのTg点を越えない例えば80〜250℃の温度範囲で常時加熱する。
【0064】
なお、下プレス盤すなわち可動プレス盤72の最下降位置で、ストッパ86により上下のプレス盤から中金型73および74が離間するようになされている。
【0065】
尚、加熱手段77および78として、近赤外線照射装置を使用し、それぞれ1KWのランプを、ピッチ20mmで11本配置した近赤外線ヒーターユニットを用いた場合、これら、加熱手段77および78と、ランプ表面までの距離を、20mmとするとき、直径12cmディスクを成型する場合において、スタンパ79および80の表面温度は、上下プレス盤すなわち固定および可動プレス盤71および72の温度を例えばガラス転移点以下の260℃で中金型73および74が呼び予備加熱された場合20秒間、近赤外線を照射することによって屈服点を超えた260℃から380℃まで上昇させることができる。
【0066】
また、加圧過程にあって、上下プレス盤71お72の温度は、金型73および74より、低い温度とされていることから、可動加熱手段77および78が排除されて後は、金型73および74は冷却が開始されるが、加圧開始時点までの時間が数秒と短く、加えて金型73および74の熱容量が大きいことから、スタンパおよびゴブが屈服点以下になることはなく加圧成型初期段階で情報凹凸パターンの転写は完了する。したがって、その後の加圧中に成型温度が下がっても転写性が劣ることはない。
【0067】
更に、数秒後の加圧保持を経て、中金型73および74は、ガラス転移点以下に降温する。
そして、可動プレス盤72が降下され、これと共に、中金型73および74も降下される。この降下に際して、図示しないが、ガイド機構83に、上側の中金型73が停止される機構が設けられていて、或る位置以下においては、下側の中金型74のみが降下することによって、両中金型73および74間が開放される。
【0068】
この開放に当たっては、空間85内に例えば排気口84から、あるいは図示しないが、排気口84とは別に設けられた吸引口から、離型エアーを吹きこみ、両中金型73および74間を開放する。
このようにして成型された両面に情報凹凸パターンが形成された記録媒体基板を、例えば図示しない外部ハンドリング冶具により取り出す。
なお、この成型において、上述したガラス塊状体からの加熱加圧成型と同時に図示しないが、対の中金型73,74のいずれかにセンターピンを植立させて、成型と同時に成型基板の中心に中心孔の穿設を行うことができる。
【0069】
この成型装置によれば、簡潔な構造で、ゴブの成型および上方凹凸パターンの各作業を連続的に行い、各部での加熱は、先の工程の加熱を利用して行うことができることから、製造時間の短縮および省エネルギー化を図ることができる。
【0070】
<成型装置と成型プロセスの第3の形態例>
(成型装置)
この形態例における成型装置は、両主面にそれぞれ情報凹凸パターンを有する記録媒体ディスク基板を、低融点ガラスの溶融ガラスからの成型を行う成型装置である。
この実施形態例においては、例えば図10に概略平面図を示し、図11および図12で、図10のA−A線およびB−B線の断面図を示すように、ディスク基板を成型するキャビティ91を構成する下金型112が上面に配置された金型と同程度の耐熱性および強度を有する例えばSUS、鋼材等より成る回転盤90を有して成る。一方、下金型112との対向によってキャビティ91を構成する上金型113が保持される上金型保持体111が設けられる。
【0071】
回転盤90は、例えば90°ごとの間歇的回転がなされ、回転盤90上には、90°の角間隔を保持して例えば4個のキャビティ91が、同一円周上に配置形成される。また、この回転盤90は、その回転軸に沿って上下に例えば油圧ラム(図示せず)によって移行駆動するようになされている。
【0072】
回転盤90の、90°ごとの第1〜第4の回転角度位置において、それぞれ第1〜第4の作業部が設けられる。
第1の作業部は、例えば1つのキャビティ91に、343℃以下285℃以上のガラス転移点Tgを有する低融点ガラスの溶融ガラス92を注入する溶融ガラス注入部93とされる。
第2の作業部は、第1の作業部で溶融ガラスが注入されたキャビティ91を、上金型113で閉蓋した状態で、キャビティ91内の注入時に冷えたガラスを予備加熱する予備加熱・加圧部94とされる。しかしながら、この予備加熱・加圧部94において流動性不足のまま加圧を行うとスタンパーを損傷したりするので、型締めはほとんどなされず、ガラスの流動性を増すために屈服点を20℃以上超える、好ましくは40℃以上で保持し、キャビティ91内はガラスを閉じ込める程度の型締めとされる。
【0073】
第3の作業部は、第2の作業部で、予備加熱・加圧されたキャビティ91内のガラスを、更に加熱・加圧する加熱・加圧部95とされる。
更に、第4の作業部は、冷却部96とされる。
【0074】
下金型112および下金型113には、それぞれ予め目的とする光記録媒体基板の情報凹凸パターンを転写形成する転写凹凸パターンを有するスタンパを配置するか、ミラー面に上記転写凹凸パターンが彫りこまれたプレートが配置されるものである。
その後、各キャビティ91から、例えば第1の作業部位置に戻った回転位置で、このキャビティ内で成型された例えば両面に情報凹凸パターンが形成された記録媒体基板を取り出す。
【0075】
第1〜第4の作業部の相互間の移動は、回転盤90の上下動と、例えば間歇的90°の回転とによってなされ、各作業部に、順次各キャビティが到来し、順次的に各作業がなされ、表層に、転写凹凸パターンが転写された情報凹凸パターンを有する記録媒体基板1例えばディスク基板が順次連続的に作製される。
【0076】
上述の、第1の作業部のガラス注入部93は、ホッパー97によってガラス材が供給される溶融ユニット98を有する。溶融ユニット98に供給されたガラスは、ユニット内のスクリュウによる回転によって加熱されながら、先端のノズル側に向かって加熱温度が高められて移動し、ノズルから、第1の作業部位置に持ちきたされている所定のキャビティ91内に所定量の溶融ガラスを供給する構成とされる。
そして、このガラス注入の作業がなされて後は、例えば一旦ガラス溶融ユニット98等が退去され、キャビティ91上に、上金型保持体111が、この第1の作業部もしくは第2の作業部でキャビティ91が上金型113によって閉蓋される。
【0077】
回転盤90の上方には、固定盤110が、回転盤90と平行に対向配置される。この固定盤110の、上述したガラス注入部93上においては、開口110Wが形成され、ガラス注入の作業ができるようになされている。
また、回転盤90の、第2および第3の各作業部、すなわち予熱・加圧部94、および加熱・加圧部95において、固定盤110のキャビティ91との対向部上に、それぞれ上熱盤114が配置される。この上熱盤114の下面には耐熱かつ熱伝導性に優れた緩衝盤等の緩衝部材115が配置される。
そして、加熱盤90を挟んで各上熱盤114との対向位置に、それぞれ例えば油圧ラム(図示せず)によって上下に移行する下熱盤116が配置される。この下熱盤116にもその上面に下緩衝盤等の緩衝部材117とが配置される。
【0078】
一方、回転盤90の、第4の作業部すなわち冷却部96において、固定盤110の、キャビティ91との対向部上に、上冷却盤124が配置され、この上冷却盤124の下面にも緩衝盤等の緩衝部材115が配置される。
また、回転盤90を挟んで上冷却盤124との対向位置に、それぞれ例えば油圧ラム(図示せず)によって上下に移行する下冷却盤126が配置され、その上面に下緩衝盤等の緩衝部材117とが配置される。
上述した、各熱盤114,116および冷却盤124,126は、それぞれ後述する所定の温度に加熱ないしは冷却温度に保持される。
【0079】
このように、各熱盤114,116および冷却盤124,126は、それぞれ所定の温度に加熱ないしは冷却温度に保持される。これに比し、回転盤90のキャビティ91を構成する金型112および113は、各回転位置で、加熱されたり、冷却されたりすることから、その熱膨張収縮の繰り返しに基いて各熱盤114,116および冷却盤124,126の、金型の配置部側、この例においては、回転盤90と金型保持体111との間に摺動が発生し、これによる摺動傷が発生するおそれがある。
そこで、上述したように、各熱盤114,116および冷却盤124,126に上述した耐熱性かつ熱伝導性に優れた緩衝盤等による緩衝部材115および117を配置することによって金型と、各熱盤もしくは冷却盤熱膨張、収縮による摺動を緩衝して摺動傷の発生を回避する。
【0080】
尚、緩衝板115および117は、熱伝導性および耐熱性に優れ、かつ金型と熱盤および冷却盤の膨張、収縮の緩衝効果を有する例えばグラファイトやモリブデン等によって構成することができる。
また、緩衝盤115および117に代えて同様の材料を混入したフィルムやシート部材を緩衝材として、各熱盤114,116および冷却盤124,126に貼着等を行った構成とすることもできる。
【0081】
(成型プロセス)
図11に示すように、第1の作業部、すなわちキャビティ91への溶融ガラスの注入部93において、ホッパー97から、ガラス溶融ユニット98に、343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する低融点ガラスが供給される。ユニット98においては、ホッパー側における温度が例えば360℃とされ、これより上述したスクリューの回転移行過程で、加熱され、例えば380℃以上とされたノズル99から、上述の低融点ガラスの屈服点より20℃以上例えば40℃高くされた溶融ガラスが取り出されるようになされる。そして、このノズルから、一定量、すなわち目的とする記録媒体基板の体積に相当する体積の溶融ガラスが、この作業位置に持ちきたされているキャビティ91内に押し出されてキャビティ91内に充填される。
【0082】
このようにして、キャビティ91内に、溶融ガラスの充填がなされて後、ガラス溶融ユニット98が回転盤90上から外部に移動し、一方、回転盤90は、その軸心に沿って降下する。
回転盤90は、例えば90°所定方向に回転され、溶融ガラスが充填されたキャビティを、第2の作業位置下に持ちきたし、回転盤90が、上昇され、予備加熱・加圧作業がなされる。このとき、固定盤110に対して、回転盤90の押圧がなされ、上金型113の保持体111に緩衝部材115を介して上熱盤114が熱的に密着し、一方、下金型112が保持された回転盤90下に緩衝部材117を介して下熱盤116が熱的に密着されて、例えば屈服点より20℃以上高い温度に予備加熱される。このとき、型締めはほとんどなされない。
【0083】
再び、回転盤90は、その軸心に沿って降下し、上述と同一の所定方向に、例えば90°回転され、溶融ガラス92が充填されたキャビティ91を、第3の作業位置下に持ちきたし、回転盤90が、上昇され、加熱・加圧作業がなされる。このとき、この第3の作業位置に配置された固定盤110に対して、回転盤90の押圧がなされ、上金型113の保持体111に緩衝部材115を介して上熱盤114が熱的に密着し、一方、下金型112が保持された回転盤90下に緩衝部材117を介して下熱盤116が熱的に密着されて加熱がなされる。しかしながら、この加圧は短時間でなされるものであり、第2の作業においてなされた予備加熱温度加熱によって、ガラスは、高温加熱状態にあることから、上下熱盤は、第2の上下熱盤の加熱温度よりむしろ低くて良い。しかしながら、このとき、第2の作業に比し、強い型締めがなされるものであり、この作業および次の冷却作業の過程によって、金型112および113に配置された転写凹凸パターンが転写された情報凹凸パターンが両面に形成された記録媒体基板の成型がなされる。
【0084】
次に、第4の作業位置に、第3の作業がなされたキャビティ91が持ちきたされる。すなわち、この場合においても、回転盤90は、その軸心に沿って一旦、降下し、上述と同一の所定方向に、例えば90°回転され、第3の作業がなされたキャビティ91が、第4の作業位置下に持ちきたされ、回転盤90が、上昇され、第4の作業の冷却がなされる。
【0085】
その後、キャビティから、ガラス成型体、すなわち情報凹凸パターンの転写がなされた記録媒体基板の取り出しがなされる。この取り出しは、例えば同様に、回転盤90の下降、回転、上昇動作によって、第1の作業部において、行うことができる。
このようにして、回転盤90の上下移動および回転によって、第1〜第4の作業を連続して、しかも例えば4個のキャビティ91で、循環的に行うことによって量産的に、記録媒体基板1の成型を行うことができる。
【0086】
そして、この成型装置によれば、各作業を連続的に行うことから、各部での加熱は、先の工程の加熱を利用して行うことができ、また、各部の温度を一定に保持して行うことができることから、1基板の製造時間の短縮化を図ることができる。
【0087】
上述したいずれの成型においても、ガラス屈服点より20℃以上高い温度でスタンパ等の凹凸パターンの転写が良好に行われた。
次に、上述した各成型装置によって記録媒体基板1を成型して得た成型方法を具体的に説明する。
まず、図5〜図7で説明した成型の出発ガラス材料形状が、ディスク状の成型体100である場合の具体的例を実施例1として説明する。
[実施例1]
成型装置としては、型締め速度が、3段変速30トン自動油圧プレス機構成とされ、多段変速位置ないしは圧力制御機構を有する。固定金型51および可動金型52をそれぞれ加熱する加熱手段53および54は、それぞれ温度調整回路により制御されるヒータによる加熱盤より成る。これら上下加熱手段53および54としての加熱盤が、350℃に加熱される。これら加熱盤が、スタンパプレート55および56を有する固定金型51および可動金型52に熱的に結合配置される。
これらスタンパ53および54に設けたセンターピン57および58に、予め用意された成型体100を装着する。
そして、目的とするディスクの外径と同等かそれより大きな内径を持つキャビティリング59を外周部に固定する。
成型体100は、厚さ0.5mm、内径6.5mm、外径50.0mmの、前記K−PG325(表1中、試料1)による低融点ガラス円板とした。
【0088】
この成型体100の表面を、その円板加工前、あるいは加工後に、エアーブラストにより表面を、Rmaxが10μm以下(好ましくはRmaxが3μm以下)の粗さに加工した。
このような、加工によって表面を梨地ないしはマット加工する。この表面加工は、成型体100の表面が鏡面であると、転写凹凸パターンを有する例えばスタンパによって情報凹凸パターンを加圧成型によって転写するに際して、スタンパとの接触に際し、いわゆるブロッキング現象により空気を取り込んで、再生時のエラーレートを高めるとか、不良品を発生させる原因となる。
これに対し、表面をある程度粗面とすることによって、空気を逃がす効果が生じ、気泡の発生を効果的に回避できることが見出された。
【0089】
この表面粗さは、気泡防止の意味では、Rmaxが10μm以上でも効果があるが、表層のみに、情報凹凸パターンを、加圧して形成する本発明方法においては、Rmaxが、10μmを越えると、この粗面が成型後でも残ることから、Rmaxは、10μm以下、更に好ましくは5μm以下とする。
【0090】
ちなみに、粗面の形成例としては、例えばHC−4XBAR−NH(不二製作所)のブラスト装置を用い、研磨剤として、炭化珪素(SiC)の600番の粒子を用い、100g/minの噴射量、噴射圧力0.005MPaをもって、噴射口からワーク面までの距離50mmとし、ワーク移動速度300mm/minとした。このとき、Rmaxは、1.22μmであった。
【0091】
成型体100は、その厚さを、キャビティリング59の厚さより5μm〜30μm厚く加工する。
本来、ガラス成型体100の厚さは、スタンパによる転写凹凸パターンの転写高さだけキャビティリング59の厚さより大であれば良いものであるが、実際には、金型や、スタンパの厚み精度やキャビティリング59の加工精度の関係から、キャビティリング59の厚さより、5μm〜30μm厚く加工することが必要となる。
【0092】
また、上下スタンパプレート55および56の表面温度は、ガラス成型体100の表層の厚さ200μm以下が屈服点を超える溶融状態より、20℃以上、好ましくは、40〜80℃以内の温度であればよい。
加熱手段53の熱盤は、365℃に常時加熱され、固定金型51に、スタンパプレート55が真空吸着によって固定されることによって、スタンパプレート55の表面温度は350℃となった。
【0093】
一方、下方の加熱手段54の熱盤温度を、370℃に常時加熱し、可動金型52に、真空吸着されたスタンパプレート56の表面温度は、355℃となり、屈服点を40℃超えた温度となった。
このように、上下スタンパの表面温度に5℃の差を生じさせるものであり、これは、成型サイクルを繰り返すことによって、上下動する可動金型54は、室温で冷却されることから、上述した5℃前後の温度差が生じるようにして、上下金型にあるスタンパ55、56の温度を同一温度に補正をするためである。
【0094】
成型体100は、予め加熱ステージ(図示せず)で80℃〜200℃前後に予備加熱しておく。この予備加熱は、ガラス成型体100を、室温から成型温度に、直接挿入加熱する場合、表層と内部の熱膨張の違いによる熱歪みにより割れを生じることを防止するためのものである。したがって、この加熱温度範囲は、成型温度において、割れを生じることがない温度範囲であれば良い。この例においては、この予備加熱温度を130℃とした。
【0095】
次に、その成型プロセスの具体例を説明する。
1)この例では、上下スタンパプレート55および56の温度を、356℃とした。
下スタンパプレート56の温度を、356℃に加熱した状態で、これらスタンパプレート間に、室温から150℃に予備加熱したガラス成型体100を挿入した。
2)型締め速度を、初速100mm/分、型閉1mmの位置より25mm/分で低速上昇させ、型閉0.3mmの位置で20秒間一時停止し、成型体100のガラスが屈服点を超える340℃〜350℃に昇温する。
3)一旦停止後の、型再上昇は、10mm/分で型閉し、型締め圧力22〜25KgN、加圧時間2秒、加圧終了直前に上スタンパプレート55の吸着用真空を解除する。
4)加圧終了後、100mm/分の速度で下金型が下降限で停止後、下スタンパプレート56の吸着用真空を解除してキャビティリング59、上下スタンパプレート55および56を室温中に取り出す。
5)上下スタンパプレート55および56の温度が、150℃〜200℃になった時点で、スタンパプレート55および56とキャビティリング59を剥がして成型された基板、すなわちディスクを取り出す。
6)スタンパプレート55および56と、センターピン57および58と、キャビティリング59は、再度加熱手段すなわち上下熱盤53および54に真空で吸着させ、次の成型サイクルに入る。
【0096】
次に、図8および図9で説明した成型の出発ガラス材料形状が、例えば玉子型ガラス塊状体いわゆるゴブ101とする場合の具体的例を実施例2として説明する。
〔実施例2〕
この実施例で用いる成型装置は、図8および図9で説明したことにより重複説明を省略するが、可動加熱手段77および78は、例えば中金型73および74との対向側とは反対側の外面に熱反射面77Rおよび78Rを配置し、その熱源としては、中金型73および74との対向側に、目的とする成型基板が直径12cmである場合は、例えば1KWの近赤外線ランプを11本ランプピッチ20mmで平行配列し、中金型73および74との間隔を20mmとして中金型に対する熱照射の均一化を図る。また、この近赤外線ランプは、これ自体に中金型との対向面とは反対側に反射膜が形成されたランプを用いる。
【0097】
次に、この成型装置による成型プロセスの具体例を説明する。
この場合においても、上記ガラスK−PG325(試料1)を用いた場合である。
1)図8の成型装置において、スタンパ79および80を装着した中金型73および74が、油圧ラムにより予め閉じた状態でプレス盤71および72の熱盤75および76により、用いる低融点ガラスのガラス転移点Tgより10℃以下の温度である275℃に予め加熱しておく。
2)油圧ラムにより中金型73および74が開いた段階で、予め転移点Tgの285℃前後で予熱したゴブ101を挿入して油圧ラムを上昇させる。この場合の型締め速度は初速200mm/分とする。
3)ゴブ101と中金型73および74とを接触させた位置で一旦停止させ、近赤外線ランプによる可動加熱手段77および78を、中金型73および74を挟む位置に挿入し、ランプ点灯で30秒間照射し、スタンパ79および80の表面温度を360℃に加熱した。
4)近赤外線照射終了と共に、加熱手段77および78を中金型73および74の対向部から外部へ退避させ、同時に再上昇させて中金型73および74を、上下熱盤75および76と10秒間〜20秒間密着させ、加圧する。
5)一旦停止後、10mm/分で、圧力30〜40KgNで型締めし、10〜30秒間加圧保持し、溶融したゴブ101をキャビティすなわち空間85に充填すると同時に、Tg点以下に冷却する。
6)上下熱盤75および76は、中金型73および74より温度が50℃〜60℃低いが、中金型73、73およびスタンパ79、80の熱容量が大きいので加圧中に冷却されることなく空間85に充填される。この加圧時間中クリープ現象で加圧力が低下する為、補助加圧によって圧力を規定値に保持すると更に良い。
7)加圧終了直前に、空間内の真空を解放する。すなわち、加圧終了後200mm/分の速度で可動金型72の下降開始と共に、中金型73および74間のエアーを電磁弁等の手段で吹き出し、成型されたガラス基板すなわち記録媒体基板1をスタンパ79および80から離型する。
8)可動金型が下降限で停止後、中金型73および74が分割されて、成型されたディスクすなわち磁気記録媒体基板1として取り出す。
【0098】
なお、図8および図9の成型装置において、外周リング81および82は、最終的に得る記録媒体基板1に対応してその内径が選定されるものであり、このことから、成型の出発材料として、上述したゴブ以外に、実施例1で説明したガラス成型体100を用いて記録媒体基板の成型を行う場合に用いることができる。
【0099】
図13および図14は、それぞれ実施例1および2によって得た成型基板の情報凹凸パターンの測定結果を示したもので、いずれにおいても、良好な凹凸パターンが形成されていることがわかる。なお、図13および14において、縦軸は任意の位置を0レベルとして相対的に表示したものである。
【0100】
次に、出発ガラス材料形状が、上述した溶融形態であって、これから目的とする記録媒体基板1を成型する場合の具体的例を実施例3として説明する。
〔実施例3〕
この実施例で用いる成型装置は、図10〜図12で説明した成型装置を用いるものであり、ことにより重複説明を省略するが、予備加熱・加圧部94および冷却部96が、共に20トン出力の2段変速の型締め機構を有している。
その成型プロセスの具体例を説明する。この場合、
1)前述したように、ガラス溶融ユニット98のノズル温度380℃とし、低融点ガラスを溶融する。
2)成型装置の予備加熱部94は、常時360℃に加熱し、加熱加圧部95は、320℃に加熱し、冷却部96は、ガラスの転移点Tgの260℃に加熱する。
3)注入部93において、回転盤90のキャビティ91に、下金型112上のスタンパ上に定量のガラスを、加熱ユニット98から供給する。その後、上金型113によって、キャビティ91をその保持体111によって閉じ、真空にする。
4)油圧ラムによって回転盤90を回転移動できる位置に降下させ、90°回転させて、注入部93で、溶融ガラスの注入を行ったキャビティ91を、予備加熱部94下に持ち来たし、再び油圧ラムによって、回転盤90を、固定盤110に向かって上昇させて、上熱盤ン114によって上金型113を加熱する。同時に、下熱盤116を上昇させて、キャビティ91の下金型112を加熱する。
このようにして、両金型を350℃にし、20〜30秒間の加熱を行って、キャビティ内のガラスを微細信号が転写可能な溶融状態にする。このとき、加圧は必ずしも必要とせず、上下熱盤と軽く接触した程度とする。
5)このように予備加熱のなされた回転盤を、再び降下させ、90°回転させて、キャビティ91を、加熱加圧部95下に持ち来たす。回転盤90を上昇させ、320℃に加熱された状態で上下金型をそれぞれ熱盤114および116によって25kgN/cm2で20〜30秒間320℃で加熱・加圧する。この場合、金型内は、先の予備加熱加圧部94で350℃以上の温度になっており、かつ加圧は瞬時的に行われるので、冷却が進むことはない。
6)次に、同様の回転盤の降下、90°回転、上昇によってキャビティ91を冷却部96において、20kgN/cm2で加圧して金型をガラス転移点Tg以下に加圧しつつ冷却する。
7)このように冷却された上下金型112および113間を、回転盤90の降下によって開放し、真空吸着機構を持ったロボットによってキャビティ内で成型された記録媒体基板1を取り出す。
上述した1〜7の作業を繰り返すことによって、連続的に基板1の成型を行った。
【0101】
上述した成型装置においては、緩衝材115および117が配置された構成を有するものであるが、これは上下熱盤あるいは冷却盤と金型との温度差による熱膨張の違いのひずみによる摺動傷の発生を防止するものであり、この摺動材の材料としては、前述したように、グラファイトやモリブデン等、もしくはそのコート、あるいはフィルムとすることができる。
その例としては、グラファイト(黒鉛)の厚さ8mm、切削加工した板、あるいは厚さ100μmのPGCグラファイト(耐熱400℃、松下電子部品(株)製)シート、グラファイト系:DAG(日本アチソン(株)製)もしくはモリブデン系:MolyDag(日本アチソン(株)製)のコート材を用いることができる。
【0102】
次に、上述して得た記録媒体基板1上に記録層を成膜して、記録媒体を得る場合における記録膜を例示する。下記の記録層の成膜は、例えばイオンビームスパッタ、直流スパッタ法、交流スパッタ法などによって行うことができる。
例えば、RAM(Random Access Memory)型光ディスクの場合、その記録層の代表例としては、金属組成物を挙げることができる。
この金属組成物の例:
(1)相変化記録材料(単体のカルコゲンやカルコゲン化合物);
Te,Seの各単体,Ge−Sb−Te,Ge−Te,In−Sb−Te,In−Se−Te−Ag,In−Se,In−Se−Te−Co,In−Se−Sb,BiTe,Bi−Se,SbSe,SbTe等のカルコゲナイト系材料
(2)光磁気記録材料;
Tb−Fe−Co等の非晶質合金薄膜等の、カー効果やファラデー効果等の磁気光学特性を有する垂直磁化膜等。
(3)ハードディスクの磁気記録材料;
Pt−Co等磁気光学特性を有する垂直磁化膜等を250℃で基板加熱しつつ成膜する。
【0103】
これら成膜がなされたディスクに、例えば光透過性の保護膜として紫外線硬化樹脂などを例えばスピンコート法で塗布硬化し、ハードディスクでは記録膜上にテクスチャーやシリコンオイルなどの滑剤を塗布して情報記録媒体を得ることができる。
【0104】
このようにして得られたディスク基板は、冒頭に述べた射出成型で見られる特有の、外周部のバリ、膨らみがなく、また、内周部には射出成型ディスクで避けられない離型やスタンパガイド等の複数の微妙な段差や組金型特有のパーティング面や段差などのない表面がフラットなディスクが得られる。
更にはハードディスクや光ディスクにあっても、浮上型ヘッドを利用する信号を記録再生する方式では、そのヘッドが外周部の膨らみや内周部の段差やバリに衝突することのないディスクが得られた。
【0105】
上述したように、本発明においては、表1の特性表で示される試料1および2におけるガラス転移点が285℃、343℃における、すなわち、少なくとも343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する低融点ガラスによる記録媒体基板1を構成することによって、このガラス基板に直接的に微細な情報凹凸パターンを形成できることから、量産的に製造ができ、また、これが通常のガラスに比し、格段に低融点であることから、成型機における損耗、具体的には成型金型の熱酸化を、繰り返し使用においても回避でき、コストの低廉化を図ることができる。
図15は、成型された基板による磁気記録媒体に関するノイズの周波数特性の測定結果を示し、図15中、曲線aおよびbは、それぞれ熱酸化が生じていない成型金型による場合および熱酸化が生じた成型金型による場合で、これらを比較して明らかなように、酸化が生じる場合は、ノイズの発生が大となる。
このことからも、本発明におけるように、低融点ガラスによる成型がなされることによって成型金型に酸化が生じにくい構成とすることによって記録媒体の
【0106】
これによって明らかなように、高熱処理によって成型金型に熱酸化が生じた場合、得られた成型基板によって成型した光ディスクは、ノイズが大きくなるのに比し、低温で成型のできる本発明においては、ノイズの低減化が図られる。
しかしながら、更に、成型金型の安定化を図るように、金型表面に、酸化防止のTiNのコーティングを施すことが望ましい。
【0107】
なお、本発明による記録媒体基板、記録媒体、その製造方法および成型装置は、上述した例に限られるものでなく、各種の記録媒体基板、記録媒体、その製造方法および成型装置とすることができる。
例えば上述した例では、緩衝部材を図10から図12で示した構成に適用した場合であるが、図5〜図7の構成、図8、図9の構成等において各熱盤の各金型側に配置して上述したと同様の効果を得ることができる。
【0108】
【発明の効果】
上述したように、本発明においては、特定された低融点ガラス、すなわち、343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する低融点ガラスより成るガラスによって光記録媒体基板を構成し、この特定された低融点ガラスによる基板により、この基板自体の表面に情報凹凸パターンを、加熱・加圧によって、すなわちスタンパによる情報凹凸パターンの形成が可能とするものである。したがって、この構成によれば、毎葉的に基板作製を行うことがなく、量産化が図られる。
【0109】
また、本発明による光記録媒体基板の製造方法によれば、上述した特定された低融点ガラスを用いることによって、光記録媒体基板およびこれに対する情報凹凸の作製を、加熱・加圧成型することができるようにして、製造工程数の減少を図ることができる。
また、その製造方法においては、射出成型によらず、平行押圧による情報凹凸パターンの形成によるものであることから、射出成型等で見られるディスク特有の内周部にはバリや段差、外周部のバリや外周部の膨らみいわゆるヒゲ等の発生が回避され、有効面積が大で記録容量の増大化が図られる。
また、高い精度をもって信頼性の高い、目的とする微細な情報凹凸パターンが形成されることから、不良品の発生率が低い、したがって、コストの低減化が図られる。
また、高精度の情報凹凸パターン、ディスクの形成ができることから小径例えば直径1インチの記録媒体を、大容量化することができる。
【0110】
また、パターン2が形成された光記録媒体基板1が得られる。情報信号入りのガラス基板を作成する事により記録密度を向上させ且つ温湿度に対する信頼性の高い基板表面に凹凸情報信号を有するガラスディスク基板を製造する方法である。
【0111】
プラスチック基板による構成とする場合に比して、耐熱性、機械的特性、安定性に優れた、したがって、例えば経年変化のないもしくは殆どないガラス基板によることから、いわゆるアーカイブ記録に好適な、記録媒体を構成することができる。
そして、このように、機械的特性,すなわち強度にすぐれた記録媒体を構成できることから、ハードディスク型の媒体を構成でき、この場合において、平面性や温度、湿度変形に優れていることから、ヘッドとの突き当たり等の回避が図られる。
また、ハードディスクにあっては、ディスク成型時に、冒頭に述べたサーボパターンやクロック信号等の情報凹凸パターンの形成において、高価なサーボライターを用意することがなく、このためのクリーンルームの設置が回避され、サーボ信号の書き込みの時間も必要としないので、例えばドライブ組み立て時間を短縮できる。
【0112】
また、本発明による光記録媒体の製造方法によれば、その光記録媒体基板の作製、例えば相変化光ディスク成膜を、基板を加熱しながら成膜することができることから、成膜と同時に結晶化の初期化を行うことができる。
すなわち、従来のプラスチック基板への成膜では、その耐熱性が低いことから、アモルファス状態のディスクを作製して後、レーザー等の手段で成膜後初期化、すなわち結晶化する必要性があったものであるが、この作業を回避できることから、工程数の縮減が図られ、生産性の向上し、生産コストの低減化が図られる。
【0113】
更に、プラスチック基板を2桁越える剛性のあるディスク基板が得られころから、片面のみに、記録層を有するディスク構成においても、成膜や保護膜の応力や温湿度変化を伴う動作・保存環境下でも基板の反りが無い高信頼性ディスクが得られる。したがって、BD等において、対物レンズの高N.Aの、媒体にレンズを近接させる、いわゆるニアーフィールド基板を簡単に、量産的に得ることができる。
【0114】
また、媒体強度に優れていることから、プスチック基板に比べ、基板の厚さを1/3以下の薄さにしても剛性が保たれ高温、多湿に対する基板変形を来たすことなく、信頼性が高い、例えばカートリッジやドライブ装置の小型、薄型化および高信頼性のシステムが構築できる。
【0115】
上述したように、本発明によれば、すぐれた多くの特徴、および工業的利益をもたらすことができるものてある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光記録媒体の一例の概略断面図である。
【図2】本発明による光記録媒体の他の一例の概略断面図である。
【図3】本発明による光記録媒体の他の一例の概略断面図である。
【図4】本発明による光記録媒体の他の一例の概略断面図である。
【図5】本発明による光記録媒体基板の成型装置の一例の概略断面図である。
【図6】図5で示した本発明による光記録媒体基板の成型装置を用いた場合の、成型部材の断面図である。
【図7】図6で示した部材の分解図である。
【図8】本発明による光記録媒体基板の成型装置の他の一例の概略断面図である。
【図9】図8で示した成型装置の一動作状態の概略断面図である。
【図10】本発明による光記録媒体基板の成型装置の他の一例の概略平面図である。
【図11】図10のA−A線の概略断面図である。
【図12】図10のB−B線の概略断面図である。
【図13】本発明による記録媒体基板の情報凹凸パターンの実測断面図である。
【図14】本発明による記録媒体基板の情報凹凸パターンの実測断面図である。
【図15】熱所処理前と後の各スタンパによって構成した光記録記録媒体のノイズ測定結果を示す図である。
【図16】従来の射出成型による基板のふくらみの測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1・・・光記録媒体基板、2・・・情報凹凸パターン(第1の情報凹凸パターン)、3・・・成膜層(第1の成膜層)、4・・・光記録媒体、5・・・光透過性層、6・・・対物レンズ、7・・・透明中間層、8・・・潤滑層、11・・・第1の信号面、12・・・第2の信号面、22・・・第2の情報凹凸パターン、23・・・第2の成膜層、51・・・固定金型、52・・・可動金型、53,54・・・加熱手段、55,56・・・スタンパプレート、57,58・・・センタピン、59・・・キャビティリング、71・・・固定プレス盤、72・・・可動プレス盤、73,74・・・中金型、75,76・・・熱盤、77,78・・・可動加熱手段、77R,78R・・・反射面、79,80・・・スタンパ、81,82・・・外周リング、83・・・ガイド機構、84・・・排気口、85・・・空間、90・・・回転盤、91・・・キャビティ、92・・・溶融ガラス、93・・・注入部、94・・・予備加熱・加圧部、95・・・加熱・加圧部、96・・・冷却部、97・・・ホッパ、98・・・ガラス溶融ユニット、99・・・ノズル、110・・・固定盤、111・・・上金型保持体、112・・・下金型、113・・・上金型、114・・・上熱盤、115・・・緩衝部材、116・・・下熱盤、117・・・緩衝部材、124・・・上冷却盤、126・・・下冷却盤、100・・・ガラス成型体、100h・・・中心孔、L・・・レーザ光

Claims (21)

  1. ガラス基板から成る記録媒体基板であって、
    上記ガラス基板が、343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する低融点ガラスより成り、
    上記ガラス基板自体の少なくとも1主面に、情報凹凸パターンの加熱・加圧成面が形成されて成ることを特徴とする記録媒体基板。
  2. 記録媒体の媒体基板が、ガラス基板より成り、
    該ガラス基板が、343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する低融点ガラスより成り、
    該ガラス基板自体の少なくとも1主面に、情報凹凸パターンの加熱・加圧成型面が形成され、
    該情報凹凸パターンの形成面に成膜層を有することを特徴とする記録媒体。
  3. 上記記録媒体の媒体基板を構成する上記ガラス基板の、上記情報凹凸パターンの成型面上に、基板加熱を伴う成膜層を有することを特徴とする請求項2に記載の記録媒体。
  4. 上記記録媒体の媒体基板を構成する上記ガラス基板の、上記情報凹凸パターンの成型面上の成膜層が、相変化記録膜を有することを特徴とする請求項3に記載の記録媒体。
  5. 上記記録媒体の媒体基板を構成する上記ガラス基板の、上記情報凹凸パターンの成型面上の成膜層が、磁性記録膜を有することを特徴とする請求項3に記載の記録媒体。
  6. 少なくとも1主面に、情報凹凸パターンを有する記録媒体基板の製造方法であって、
    343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する低融点ガラスを用いて、
    目的とする上記記録媒体基板を得る、加熱・加圧成型工程と、
    該成型工程の後、もしくは該成型工程と同時に上記情報凹凸パターンを加熱・加圧成型することを特徴とする記録媒体基板の製造方法。
  7. 上記低融点ガラスを予備加熱する工程を経て後、上記加熱・加圧成型を行うことを特徴とする請求項6に記載の記録媒体基板の製造方法。
  8. 請求項6に記載の記録媒体基板の製造方法において、
    目的とする記録媒体基板の寸法、形状に相当する寸法、形状を有する上記低融点ガラスによる成型体を作製する工程と、
    該ガラス成型体の少なくとも1主面の表層を屈服点以上に加熱して、該表層に、上記情報凹凸パターンを加圧成型することを特徴とする記録媒体基板の製造方法。
  9. 上記ガラス成型体の、上記情報凹凸パターンの形成前の上記主面の表面粗度Rmax(最大高低差)を、10μm以下の粗面としたことを特徴とする請求項8に記載の記録媒体基板の製造方法。
  10. 請求項6に記載の記録媒体基板の製造方法において、
    目的とする記録媒体基板の体積に相当する体積に選定された上記低融点ガラスによるガラス塊状体を用意し、
    該ガラス塊状体を、加熱・加圧して、上記目的とする記録媒体基板の成型および上記情報凹凸パターンの成型を行うことを特徴とする請求項6に記載の記録媒体基板の製造方法。
  11. 上記ガラス塊状体を、該ガラス塊状体のガラス転移点以上で屈服点に近い温度で予備加熱し、
    その後、上記屈服点より20℃以上高い温度で、加熱・加圧成型して上記情報凹凸パターンを有する記録媒体基板を得ることを特徴とする請求項10に記載の記録媒体基板の製造方法。
  12. 請求項6に記載の記録媒体基板の製造方法において、
    目的とする記録媒体基板の体積に相当する体積の上記低融点ガラスによるガラス溶融材によって、目的とする記録媒体基板を成型する工程と、
    該成型体を予備加熱および加圧するする予備加熱・加圧工程と、
    上記ガラス成型体の少なくとも1主面の表層を屈服点以上に加熱して、該表層に、上記情報凹凸パターンを加熱、加圧成型する加熱・加圧工程とを有することを特徴とする記録媒体基板の製造方法。
  13. 343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する低融点ガラスを用いて、加熱・加圧成型工程と、
    該成型工程の後、もしくは該成型工程と同時に情報凹凸パターンを加熱・加圧する工程とによって、少なくとも1主面に情報凹凸パターンが形成された記録媒体基板を作製し、
    該記録媒体基板の上記情報凹凸パターンが形成された上記主面に、成膜層を形成して情報記録層を形成することを特徴とする記録媒体の製造方法。
  14. ガラス転移点343℃以下285℃以上の低融点ガラスより成るガラス基板上に、相変化記録膜を成膜する工程を有し、
    該相変化記録膜の成膜工程における基板温度を、上記相変化記録膜の初期化温度に加熱して、上記相変化記録膜の成膜と同時に上記相変化記録膜の初期化処理がなされるようにしたことを特徴とする記録媒体の製造方法。
  15. それぞれ加熱手段によって加熱される固定金型と、可動金型とを有し、
    上記両金型の少なくとも一方の内面に、目的とする光記録媒体基板の情報凹凸パターンを転写形成する転写凹凸パターンを有するスタンパを配置するか、ミラー面に上記転写凹凸パターンが彫りこまれたプレートを配置し、
    上記両金型間に、上記目的とする光記録媒体基板の寸法、形状に相当する寸法、形状を有する343℃以下285℃以上のガラス転移点を有する低融点ガラスより成るガラス成型体を配置した状態で、上記両金型間に、上記ガラス成型体を平行に挟みこんで加熱・加圧して、上記ガラス成型体の表層に上記転写凹凸パターンを転写して上記成型体の少なくとも一方の主面に上記情報凹凸パターンが形成された光記録媒体基板を得ることを特徴とする光記録媒体基板の成型装置。
  16. それぞれ加熱手段によって加熱される固定プレス盤と、可動プレス盤と、これら間に配置される対となる中金型と、上記両プレス盤と上記対の中金型間に対して進退し、上記対の中金型をそれぞれ加熱する対の可動加熱手段と、
    上記固定金型と、可動金型との少なくとも一方の対向面に、目的とする光記録媒体基板の情報凹凸パターンを転写形成する転写凹凸パターンを有するスタンパを配置するか、ミラー面に上記転写凹凸パターンが彫りこまれたプレートが配置され、
    上記固定金型と可動金型との間に、目的とする記録媒体基板の体積に相当する343℃以下285℃以上のガラス転移点Tgを有する低融点ガラスより成るガラス塊状体を挿入し、上記可動加熱手段を、上記両プレス盤と上記中金型との間に進出させて、上記ガラス塊状体を該ガラスの屈服点より20℃以上の温度に加熱し、
    該加熱状態で、上記可動加熱手段を上記両プレス盤と上記中金型との間から退出させて上記可動プレス盤を上記固定プレス盤に向かって移動して、両プレス盤間で、上記対の中金型を互いに加圧圧着させて、上記ガラス塊状体を目的とする記録媒体基板に相当する形状に成型し、
    この状態で、ガラス成型体を、上記ガラス転移点以下に冷却して、該成型体表層に上記転写凹凸パターンが転写された情報凹凸パターンを有する記録媒体基板を得ることを特徴とする記録媒体基板の成型装置。
  17. 上記金型とこれを加熱する加熱手段との間に、熱膨張・収縮の緩衝部材が配置されて成ることを特徴とする請求項15または16に記載の成型装置。
  18. 目的とする記録媒体基板を成型する少なくとも1個のキャビティが、上面に設けられた回転盤を有し、
    該回転盤の少なくとも第1〜第4の回転角度位置において、それぞれ第1〜第4の作業部が設けられて成り、
    上記第1の作業部は、上記キャビティに、343℃以下285℃以上のガラス転移点Tgを有する低融点ガラスの溶融ガラスを注入する溶融ガラス注入部とされ、
    上記第2の作業部は、上記キャビティを上金型で閉蓋した状態で、上記回転盤と上記上金型とを押圧し、上記キャビティ内の上記ガラスを予備加熱する予備加熱・加圧部とされ、
    上記第3の作業部は、加熱・加圧部とされ、
    上記第4の作業部は、冷却部とされ、
    上記キャビティの底部と上金型の下面のいずれか少なくとも一方に、目的とする光記録媒体基板の情報凹凸パターンを転写形成する転写凹凸パターンを有するスタンパを配置するか、ミラー面に上記転写凹凸パターンが彫りこまれたプレートが配置され、
    上記第1〜第4の作業部に、順次上記回転盤が、間歇的に回転し、各回転位置で上記作業部における作業がなされ、上記冷却部における冷却の後、上記キャビティ内のガラス成型体の表層に、上記転写凹凸パターンが転写された上記情報凹凸パターンを有する記録媒体基板を得ることを特徴とする記録媒体基板の成型装置。
  19. 上記請求項18の記録媒体基板の成型装置において、上記第1〜第4の作業部が等角間隔位置に配置され、上記第1〜第4の作業部に、それぞれ上記キャビティの少なくとも一部のキャビティが、同時に位置して、それぞれの作業が同時的になされることを特徴とする記録媒体基板の成型装置。
  20. 上記請求項18の記録媒体基板の製造装置において、
    上記キャビティ内からの上記ガラス成型体による記録媒体基板の取り出しを、上記第1の回転位置と同位置としたことを特徴とする記録媒体基板の成型装置。
  21. 上記請求項18の記録媒体基板の成型装置において、
    上記第2および第3の作業部に熱盤が配置され、上記第4の作業部に冷却盤が配置され、
    少なくとも一部の熱盤および冷却盤に熱膨張・収縮の緩衝部材が配置されて成ることを特徴とする記録媒体基板の成型装置。
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