JP2005025796A - テープカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】標準とする第1のテープカートリッジ用の第1の記録再生装置に対して、当該第1のテープカートリッジとは非互換とされる第2のテープカートリッジが誤って装填されないようにすること。
【解決手段】第2のテープカートリッジC2の開閉ドア118をロックするドアロック部材28の切欠き端部33aの高さH3を、第1の記録再生装置D1の内部のドアロック解除部142のガイド面142a最下部の高さH4より低くする。これにより、第2のテープカートリッジC2のドアロック部材28はドアロック解除部142の前端面に衝突してそれ以上のカートリッジの進入が規制されるので、誤挿入を防止することができる。
【選択図】 図4
【解決手段】第2のテープカートリッジC2の開閉ドア118をロックするドアロック部材28の切欠き端部33aの高さH3を、第1の記録再生装置D1の内部のドアロック解除部142のガイド面142a最下部の高さH4より低くする。これにより、第2のテープカートリッジC2のドアロック部材28はドアロック解除部142の前端面に衝突してそれ以上のカートリッジの進入が規制されるので、誤挿入を防止することができる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばコンピュータ等のバックアップとして使用されるデータストレージ用のテープカートリッジに関し、更に詳しくは、異種のドライブ装置への誤挿入を防止する手段を講じたテープカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、コンピュータ等のバックアップとして使用されるデータストレージ用のテープカートリッジとして、図6に示す構成のものがある。まず、その全体構成について説明する。
【0003】
図6に示す構成のテープカートリッジ(以下「第1のテープカートリッジ」ともいう。)C1は、上ハーフ101と下ハーフ102とからなるカートリッジケース103内に、円盤状の上フランジ104及び下フランジ105を有する単一のテープリール107が、コイルバネからなるリールスプリング108により下ハーフ102側へ常時付勢されて収納されている。テープリール107には、リーダーテープ109が接続された磁気テープ106が巻装されている。
なお、図6においてはテープカートリッジC1の上下が反転して示されている。
【0004】
このテープカートリッジC1は、記録再生装置(以下「ドライブ装置」ともいう。)に装着されない非使用時では、リールロックスプリング110,111によって付勢された一対のリールロック部材112,113により、テープリール107が回転不可能とされている。すなわち、テープリール107は、上フランジ104の外周縁部に形成された歯車部114に、各リールロック部材112,113に形成された噛合部115,116が噛み合うことによって、回転不可能とされている。
【0005】
また、この非使用時においては、磁気テープ106はテープリール107に完全に巻き取られた状態にあり、リーダーテープ109がカートリッジケース103の前面100a寄りに設けられたフック117に係止されている。また、磁気テープ106をカートリッジケース103の外部へと引き出すための開口部134は、カートリッジケース103に対して回動自在に取り付けられた開閉ドア118によって閉塞された状態とされている。
【0006】
一方、ドライブ装置にテープカートリッジC1が装着された使用時においては、ドライブ装置側のリール台が上昇することによりテープリール107がリールスプリング108の付勢力に抗してカートリッジケース103の中央位置へ持ち上げられると共に、ドライブ装置側のリールロック解除プラグがリールロック解除孔135A,135Bへ挿入されてリールロック部材112,113によるロック状態が解除されてテープリール107が回転可能な状態とされる。
そして、開閉ドア118は、ドライブ装置側に設けられるドア開閉手段によって開いた状態とされる。
そして更に、ドライブ装置側に設けられたテープ引出手段によって、磁気テープ106がカートリッジケース103より外部へ引き出された状態とされる。
【0007】
なお、このテープカートリッジC1においては、磁気テープ106への誤記録、誤消去を防止するための誤消去防止部材119が設けられている。この誤消去防止部材119は、開閉ドア118とは反対側のカートリッジケース103の背面にスライド自在に設けられている。
【0008】
次に、開閉ドア118の構成の詳細について説明する。
【0009】
開閉ドア118は、図7〜図9に示すように、上ハーフ101の内面101aに形成された円柱形状をなす支持軸120に、トーションバネからなるドアスプリング121と共に取り付けられている。ドアスプリング121は、そのコイル部121aに支持軸120を嵌挿させ、一方の腕部121bを隔壁123に係止させると共に、他方の腕部121cを開閉ドア118のバネ係止部124に係止させることによって、開閉ドア118を図7中矢印Xで示すように開口部134を閉塞する方向に常時付勢している。
【0010】
開閉ドア118は一対の回転支持部125,126を有し、これら回転支持部125,126に設けられた軸の取付孔127に支持軸120を挿通させることにより、支持軸120に対して回転自在に取り付けられている。そして、この開閉ドア118には、ドライブ装置に装着されない非使用時において、不用意に開閉ドア118が開かないようにするためのドアロック部材128が設けられている。
【0011】
ドアロック部材128は、開閉ドア118の基端部118aに設けられたドアロック収容部129にコイルバネ130と共に収容され、このコイルバネ130によって、図9中矢印Y方向にガイド部150のガイド作用を受けて上下動するように構成されている。また、このドアロック部材128は、図9に示したように、一側面に設けた突起131をドアロック収容部129に設けられた位置決め面132に係合させることで、ドアロック収容部129から抜け出ないようにされている。この突起131が上記位置決め面132に係合した状態においては、上記ドアロック部材128の先端部128aはドアロック収容部129より突出した状態にある。ドアロック部材128の先端部128aは、非使用時において下ハーフ102の内面に形成された凹部122(図9)に嵌合して、開閉ドア118の回動を阻止するように構成されている。
【0012】
開閉ドア118の基端部118aには幅広の溝118bが形成されており、この溝118b内においてドアロック部材128の切欠き部133が位置している。ドアロック部材128は、この切欠き部133により形成される「摺接部」としての切欠き端部133aと、後述するドライブ装置内のドアロック解除部との摺接により図9において下方側へ引き下げられる。すると、ドアロック部材128の先端部128aと下ハーフ102側の凹部122との係合が解除され、開閉ドア118が回転可能となる。
【0013】
次に、この第1のテープカートリッジC1を記録及び/又は再生するドライブ装置(第1の記録再生装置)について説明する。
【0014】
図10に示すように、ドライブ装置としては、テープカートリッジC1を開閉ドア118が設けられる前面100a側から矢印a方向へ挿入する前面挿入タイプのドライブ装置D1が広く用いられている。この前面挿入タイプのドライブ装置D1は、フロントパネル137に形成されたカートリッジ挿入口138内にカートリッジ挿入部(空間)139を画成する挿入口本体136を備え、その一方の側壁140aには開閉ドア118を開放するドア開閉ブロック141が一体形成されている(図11)。
【0015】
ドア開閉ブロック141は、図11及び図12に示すように、ドアロック部材128の切欠き端部133aと摺接してドアロック部材128を上ハーフ101側へ移動させるテーパー状のガイド面142aを備えたドアロック解除部142と、開閉ドア118の基端部118aと当接する当接面143aを有しドアロックが解除された開閉ドア118を開動作させるドア開放部143とから構成されている。
【0016】
ここで図14A及び図16Aに示すように、ドアロック解除部142のガイド面142a最上部の高さ位置H2は、第1のテープカートリッジC1の底面からドアロック部材128の切欠き端部133aまでの高さ位置H1よりも高く形成される。なお、ガイド面142aの前端部148の高さ位置(ガイド面142a最下部の高さ位置)H4は、上記H1よりも低い位置に形成されているものとする。本例ではH1が12.8mm、H2が11.5mmとされる。
【0017】
この構成により、図13、図14A、図15A及び図16Aに示したように、第1のテープカートリッジC1の前面100aを前方に向けて、当該テープカートリッジC1をドライブ装置D1のカートリッジ挿入口138に挿入すると、まず、ドアロック解除部142のガイド面142aに対し、このテープカートリッジC1のドアロック部材128の切欠き端部133aが接する。
【0018】
そして、図14B及び図16Bに示すように、切欠き端部133aはガイド面142aの傾斜に沿って上方へ移動し、これによりドアロック部材128の先端部128aと下ハーフ102側の凹部122との係合が解除されてドアロックが外れる。その後、ドア開放部143の当接面143aに対しテープカートリッジC1の開放ドア118の基端部118aが当接する(図14B,図15B)。
【0019】
この状態でテープカートリッジC1が更に押動されると、当接面143aに当接する基端部118aを力点として当該開閉ドア118が支持軸120の周りに回動することにより、前方へ開放される(図14C,図15C)。なお、テープカートリッジC1は、その前面100aが挿入口本体136のストッパ壁140cに当接して、前進移動が規制されると共に位置決めされる(図17)。
【0020】
カートリッジ挿入部139へのテープカートリッジC1の装填が完了した後、ドライブ装置D1のレバー144を押し下げる(レバー144を支持する回動軸の周りに回動させる)ことによって、リール台(図示略)が挿入口本体136の底部に設けられた孔136a(図11)を介してせり上がり、テープリール107のギヤ部107a(図6)に嵌合させる。これと同時に、リールロック解除プラグ(図示略)がリールロック解除孔135A,135B(図6)へ挿入されて、リールロック部材112,113によるテープリール107の回転規制が解除される。
【0021】
そして、ドライブ装置D1のテイクアップリーダーテープ(図示略)により、テープカートリッジC1のリーダーテープ109がテイクアップリール145に巻き取られ、磁気テープ106が磁気ヘッド146に摺接される。磁気テープ106は、例えば約4m/secの速度で走行され、磁気ヘッド146によってデータが記録、再生される。
【0022】
以上のようにして、ドライブ装置D1における第1のテープカートリッジC1のドア開放機構が構成される。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献としては、以下のものがある。
【0023】
【特許文献1】
特開2002−334550号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のテープカートリッジC1として、例えば磁気テープ106のテープ長L1が557±5mに規格統一されているものがある。ちなみに、図10に示すように、当該テープカートリッジの左右方向の幅X、前後方向の奥行きY及び厚さZの各寸法は、X=105.6mm、Y=105.4mm、Z=25.4mmに規格統一されている。
【0025】
そこで、上記のように規格統一されたテープカートリッジC1を標準の第1のテープカートリッジC1としたとき、当該テープカートリッジC1の幅X、奥行きY及び厚さZの外形寸法を殆ど変更することなく、磁気テープのテープ長を例えば562m以上に長くして、カートリッジの記録容量を拡大することが考えられる。
【0026】
しかしながら、この場合、短いテープ長L1の磁気テープを使用している第1のテープカートリッジC1用の第1のドライブ装置D1に対し、当該第1のテープカートリッジとは互換性のない、長尺のテープ長L2の磁気テープを使用した第2のテープカートリッジを誤って装填した場合、ドライブ装置D1側で磁気テープ長を認識できず記録/再生モードに入れなかったり、ドライブ側の駆動ソフトウェアと適合せずに装填直後にエラーが表示されたままカートリッジが排出されなかったり、あるいは、たとえドライブ装置が駆動しても途中で停止する(テープ長の途中で停止する)などして、カートリッジとして使用できないという致命的な問題となってしまうことが、当然考えられる。
【0027】
また、磁気テープ長の相違からリール重量が変化するので、これがテープ走行張力に影響を与えて記録再生動作を適正に行えなくなることがある。さらに別の観点から、ドライブ装置のスペックを越えるカートリッジが間違って装填された場合に、当該カートリッジの特性を生かしきれない事態も生じ得る。
【0028】
従って、当該ドライブ装置に適合しないテープカートリッジは、当初から装填できないようにすることが好ましい。
【0029】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、標準とする第1のテープカートリッジ用のドライブ装置に対して、例えば標準のテープ長よりも長尺の磁気テープに用いられる第2のテープカートリッジが誤って装填されることがないように、誤挿入防止手段を講じたテープカートリッジを提供することを課題とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するに当たり、本発明のテープカートリッジは、標準とする第1のテープカートリッジ用の第1の記録再生装置に対して非互換とされる第2のテープカートリッジであって、第1のテープカートリッジにおけるドアロック部材は、第1の記録再生装置のカートリッジ挿入部に設けられたドアロック解除部に摺接して開閉ドアのロック状態を解除する摺接部を有すると共に、ドアロック解除部に連接されるドア開放部との当接により開閉ドアが開放されるのに対し、第2のテープカートリッジにおけるドアロック部材は、ドアロック解除部と衝突してカートリッジ挿入部への誤挿入が防止されるようにしている。
【0031】
本発明では、ドアロック部材が、開閉ドアの基端部に形成されるドアロック収容部内に移動可能に収容されると共に、その先端部がカートリッジケースに設けられた凹部に係合して開閉ドアを閉位置にロックする機構を有してなり、ドアロック部材には、ドアロック解除部上端のテーパー状のガイド面に乗り上げて、リールロック部材の先端部と上記凹部との係合を解除する方向へドアロック部材を移動させるための端部が設けられ、第1のテープカートリッジにおけるドアロック部材では、当該端部が上記摺接部としてドアロック解除部のガイド面と摺接する位置に設けられるのに対し、第2のテープカートリッジにあっては、カートリッジ挿入部の内部において当該端部がドアロック解除部と衝突する位置に設けられている。
【0032】
また、本発明において、第2のテープカートリッジ用の第2の記録再生装置は、第2のテープカートリッジが当該第2の記録再生装置のカートリッジ挿入部に挿入された際に、開閉ドアのドアロック状態を解除する方向へドアロック部材の先端部を押圧する操作部材を具備しており、第2のテープカートリッジには、操作部材をドアロック部材の先端部へ案内するガイド孔が設けられている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
図1は、本発明の実施の形態によるテープカートリッジの全体を示している。本実施の形態によるテープカートリッジC2は、標準とする第1のテープカートリッジC1とは非互換とされ、第1のテープカートリッジC1よりも長尺(562m以上)の磁気テープを使用しており、以下、第2のテープカートリッジC2と称して第1のテープカートリッジC1と区別する。
なお、第1のテープカートリッジC1と対応する構成部分については特に断らない限り同一の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。
【0035】
第2のテープカートリッジC2は、左右方向の幅X、奥行きY及び厚さZの各寸法は、X=105.6mm、Y=105.4mm、Z=25.4mmとなっており、第1のテープカートリッジC1の各寸法と同一に構成されている。
【0036】
第2のテープカートリッジC2では、図2に示すように、テープ引出し用の開口部134を開閉する開閉ドア118を閉位置へロックするドアロック部材28の構成が、第1のテープカートリッジC1のそれと異なっている。つまり、切欠き部33によって形成される「摺接部」としての切欠き端部33aが、第1のテープカートリッジC1用のドライブ装置(第1の記録再生装置)D1のカートリッジ挿入部139の一側壁140aに設けられたドア開閉ブロック141のドアロック解除部142と衝突する位置に形成されている。
【0037】
具体的には、ドアロック部材28の切欠き端部33aのカートリッジケース103の下面からの距離(高さ)H3が、ドライブ装置D1のドアロック解除部142のテーパー状のガイド面142aの最下部の高さ位置H4よりも小さく(低く)構成されている。
【0038】
この構成により、第2のテープカートリッジC2が第1のテープカートリッジC1用のドライブ装置D1のカートリッジ挿入部139に誤って挿入された場合、図4Aに示すようにドアロック部材28の切欠き端部33aの高さH3がドアロック解除部142のガイド面142aの高さH4より低いので、ドアロック部材28はドアロック解除部142のガイド面142aの前端部148と衝突し、開閉ドア118が開閉されることなく第2のテープカートリッジC2のそれ以上の前進が規制される(図4B)。
【0039】
したがって、ドライブ装置D1に対して第2のテープカートリッジC2が誤って挿入されたとしても、ドライブ装置D1内のドア開閉ブロック141の位置で当該第2のテープカートリッジC2の前進が阻止されるので、装填を行うことが不可能となる。これにより、当該ドライブ装置D1に対して異種のテープカートリッジを挿入したことをユーザーに認識させることができる。
【0040】
特に本実施の形態によれば、第2のテープカートリッジC2におけるドアロック部材28の切欠き端部33aの高さ位置H3を、第1のテープカートリッジC1におけるドアロック部材128の切欠き端部133aの高さ位置H1よりも小さく形成することにより、カートリッジ全体に大幅な設計変更を要することなく容易かつ低コストで実施することができる。
【0041】
第2のテープカートリッジC2は、ドライブ装置D2(第2のテープカートリッジ用の第2の記録再生装置)により使用される。ドライブ装置D2は、図5Bに示すように、第2のテープカートリッジC2のドアロック状態を解除する方向へドアロック部材28の先端部28aを押圧する操作部材10を具備している。その一方、第2のテープカートリッジC2には、その下ハーフ102のドアロック部材先端部28aが位置する部位に対し、図2及び図5Bに示すように、操作部材10をドアロック部材28の先端部28aへ案内するガイド孔15が設けられている。
【0042】
第2のドライブ装置D2においては、第2のテープカートリッジC2が挿入された際、図5Aに示すように、そのドアロック部材28がガイド面142aの前端部148に衝突する位置で、ガイド孔15と挿入口本体136の通孔155とが上下方向に整列する。この後、図5Bに示すように操作部材10が上昇し、ドアロック部材28の先端部28aを上方へ押圧し、ドアロック部材28の切欠き端部33aをH4以上の所定の高さ位置にまで押し上げる。そして、テープカートリッジC2を更に前進させ、切欠き端部33aをガイド面142aに摺接させて開閉ドア118のドアロックを解除する。
【0043】
その後は上述の第1のテープカートリッジC1と同様に、ドア開放部当接面143に開閉ドア118の基端部118aを当接させ、ここを力点として開閉ドア118を開放し、テープを引き出して記録/再生動作を実行可能とする。
【0044】
ここで、ガイド孔15は、操作部材10によってドアロック部材28の先端部28aをH4以上の高さ位置に押圧保持した状態を維持しながら、ドアロック部材28の切欠き端部33aがガイド面142aへ接触する位置までカートリッジを移動できる大きさに形成される必要がある。図2の例では、ガイド孔を長方形状に形成したが、これに限らず、円形あるいは長孔形状等としてもよい。
【0045】
また、操作部材10の先端部は、例えばカートリッジ進行方向に対して交差する方向に幅方向を有する略板状とすることにより、カートリッジが移動する間、ドアロック部材先端部28aの押圧状態を維持することができる。
【0046】
なお、操作部材10の動作タイミングは、要求されるスペック等に応じて適宜設定可能であり、例えばカートリッジの進入量に連動して操作部材を機械的に操作したり、カートリッジの進入量を電気的に検出して操作部材10の上下移動を制御する等の方法が採用可能である。
【0047】
また、本実施の形態においては、第2のドライブ装置D2におけるドアロック解除部142は第1のドライブ装置D1のドアロック解除部142と同一の構成で同一の高さ位置に設けられているので、第2のドライブ装置D2によって標準の第1のテープカートリッジC1の記録/再生が可能となっている。
【0048】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0049】
例えば以上の実施の形態では、標準の第1のテープカートリッジC1の磁気テープ長よりも長尺に形成された磁気テープが用いられる第2のテープカートリッジC2について説明したが、当該第2のテープカートリッジC2の磁気テープが、第1のテープカートリッジC1の磁気テープよりもテープ長が短い場合はもちろん、テープ幅が広い(又は狭い)、テープ厚が厚い(又は薄い)、磁気記録密度が高い(又は低い)などといったテープの種類が異なる場合にも本発明は適用可能である。
【0050】
更に、記録方式やフォーマットが第1のテープカートリッジC1のそれと異なる第2のテープカートリッジにも本発明は適用可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のテープカートリッジによれば、標準とする第1のテープカートリッジ用の第1の記録再生装置に対して、第1のテープカートリッジとは非互換の第2のテープカートリッジを誤って装着しようとしても、第1の記録再生装置のドアロック解除部と第2のテープカートリッジのドアロック部材との衝突により第2のテープカートリッジのそれ以上の進入が規制され、これにより第1の記録再生装置に対する第2のテープカートリッジの誤挿入を防止できる。
【0052】
また、本発明のテープカートリッジによれば、カートリッジ全体に大幅な設計変更を要することなく容易かつ低コストで実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による第2のテープカートリッジC2の全体を示す斜視図である。
【図2】第2のテープカートリッジC2のドアロック部材28と、第1の記録再生装置D1の内部に設けられるドアロック解除部142との高さ位置関係を示す正面図である。
【図3】第2のテープカートリッジC2の底面図である。
【図4】第1の記録再生装置D1に対して第2のテープカートリッジC2が挿入された時の作用を示す要部の側断面図であり、Aは挿入直後の状態を示し、Bは第2のテープカートリッジC2の開閉ドア118がドアロックを解除されずにドアロック解除部前端面148に当接した状態を示している。
【図5】第2の記録再生装置D2に対して第2のテープカートリッジC2が挿入された時の作用を示す要部の正断面図であり、Aは挿入直後の状態を示し、Bはドアロックが解除された状態を示している。
【図6】第1のテープカートリッジC1の構成を示す分解斜視図である。
【図7】第1のテープカートリッジC1の開閉ドア118の構成を示す要部の分解斜視図である。
【図8】第1のテープカートリッジC1の開閉ドア118の構成を下ハーフ側から見た要部平面図である。
【図9】第1のテープカートリッジC1の開閉ドア118の構成を示す要部側断面図である。
【図10】第1のテープカートリッジC1と第1の記録再生装置D1とを示す斜視図である。
【図11】第1の記録再生装置D1のカートリッジ挿入部139の構成を示す部分破断斜視図である。
【図12】カートリッジ挿入部139のドア開閉ブロック141の正面図である。
【図13】第1の記録再生装置D1に対する第1のテープカートリッジC1の挿入態様を示す斜視図である。
【図14】第1の記録再生装置D1に対する第1のテープカートリッジC1の装填作用を説明する要部の側断面図であり、Aは挿入開始状態、Bはドアロック解除状態、Cは開閉ドア118の開放状態をそれぞれ示す。
【図15】第1の記録再生装置D1に対する第1のテープカートリッジC1の装填作用を説明する要部の平面図であり、Aは挿入開始状態、Bはドアロック解除状態、Cは開閉ドア118の開放状態をそれぞれ示す。
【図16】第1の記録再生装置D1に対する第1のテープカートリッジC1の装填作用を説明する要部の正断面図であり、Aは挿入開始状態、Bはドアロック解除状態をそれぞれ示す。
【図17】第1の記録再生装置D1に対して第1のテープカートリッジC1の装填作用が完了した状態を示す要部の断面平面図である。
【符号の説明】
10…操作部材、15…ガイド孔、28,128…ドアロック部材、28a,128a…ドアロック部材の先端部、33a,133a…切欠き端部(摺接部)、103…カートリッジケース、106…磁気テープ、107…テープリール、118…開閉ドア、118a…基端部、120…支持軸、122…凹部、129…ドアロック収容部、134…開口部、141…ドア開閉ブロック、142…ドアロック解除部、142a…ガイド面、143…ドア開放部、143a…当接面、148…ドアロック解除部(又はガイド面)の前端面、C1…第1のテープカートリッジ、C2…第2のテープカートリッジ、D1…第1のドライブ装置(記録再生装置)、D2…第2のドライブ装置(記録再生装置)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばコンピュータ等のバックアップとして使用されるデータストレージ用のテープカートリッジに関し、更に詳しくは、異種のドライブ装置への誤挿入を防止する手段を講じたテープカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、コンピュータ等のバックアップとして使用されるデータストレージ用のテープカートリッジとして、図6に示す構成のものがある。まず、その全体構成について説明する。
【0003】
図6に示す構成のテープカートリッジ(以下「第1のテープカートリッジ」ともいう。)C1は、上ハーフ101と下ハーフ102とからなるカートリッジケース103内に、円盤状の上フランジ104及び下フランジ105を有する単一のテープリール107が、コイルバネからなるリールスプリング108により下ハーフ102側へ常時付勢されて収納されている。テープリール107には、リーダーテープ109が接続された磁気テープ106が巻装されている。
なお、図6においてはテープカートリッジC1の上下が反転して示されている。
【0004】
このテープカートリッジC1は、記録再生装置(以下「ドライブ装置」ともいう。)に装着されない非使用時では、リールロックスプリング110,111によって付勢された一対のリールロック部材112,113により、テープリール107が回転不可能とされている。すなわち、テープリール107は、上フランジ104の外周縁部に形成された歯車部114に、各リールロック部材112,113に形成された噛合部115,116が噛み合うことによって、回転不可能とされている。
【0005】
また、この非使用時においては、磁気テープ106はテープリール107に完全に巻き取られた状態にあり、リーダーテープ109がカートリッジケース103の前面100a寄りに設けられたフック117に係止されている。また、磁気テープ106をカートリッジケース103の外部へと引き出すための開口部134は、カートリッジケース103に対して回動自在に取り付けられた開閉ドア118によって閉塞された状態とされている。
【0006】
一方、ドライブ装置にテープカートリッジC1が装着された使用時においては、ドライブ装置側のリール台が上昇することによりテープリール107がリールスプリング108の付勢力に抗してカートリッジケース103の中央位置へ持ち上げられると共に、ドライブ装置側のリールロック解除プラグがリールロック解除孔135A,135Bへ挿入されてリールロック部材112,113によるロック状態が解除されてテープリール107が回転可能な状態とされる。
そして、開閉ドア118は、ドライブ装置側に設けられるドア開閉手段によって開いた状態とされる。
そして更に、ドライブ装置側に設けられたテープ引出手段によって、磁気テープ106がカートリッジケース103より外部へ引き出された状態とされる。
【0007】
なお、このテープカートリッジC1においては、磁気テープ106への誤記録、誤消去を防止するための誤消去防止部材119が設けられている。この誤消去防止部材119は、開閉ドア118とは反対側のカートリッジケース103の背面にスライド自在に設けられている。
【0008】
次に、開閉ドア118の構成の詳細について説明する。
【0009】
開閉ドア118は、図7〜図9に示すように、上ハーフ101の内面101aに形成された円柱形状をなす支持軸120に、トーションバネからなるドアスプリング121と共に取り付けられている。ドアスプリング121は、そのコイル部121aに支持軸120を嵌挿させ、一方の腕部121bを隔壁123に係止させると共に、他方の腕部121cを開閉ドア118のバネ係止部124に係止させることによって、開閉ドア118を図7中矢印Xで示すように開口部134を閉塞する方向に常時付勢している。
【0010】
開閉ドア118は一対の回転支持部125,126を有し、これら回転支持部125,126に設けられた軸の取付孔127に支持軸120を挿通させることにより、支持軸120に対して回転自在に取り付けられている。そして、この開閉ドア118には、ドライブ装置に装着されない非使用時において、不用意に開閉ドア118が開かないようにするためのドアロック部材128が設けられている。
【0011】
ドアロック部材128は、開閉ドア118の基端部118aに設けられたドアロック収容部129にコイルバネ130と共に収容され、このコイルバネ130によって、図9中矢印Y方向にガイド部150のガイド作用を受けて上下動するように構成されている。また、このドアロック部材128は、図9に示したように、一側面に設けた突起131をドアロック収容部129に設けられた位置決め面132に係合させることで、ドアロック収容部129から抜け出ないようにされている。この突起131が上記位置決め面132に係合した状態においては、上記ドアロック部材128の先端部128aはドアロック収容部129より突出した状態にある。ドアロック部材128の先端部128aは、非使用時において下ハーフ102の内面に形成された凹部122(図9)に嵌合して、開閉ドア118の回動を阻止するように構成されている。
【0012】
開閉ドア118の基端部118aには幅広の溝118bが形成されており、この溝118b内においてドアロック部材128の切欠き部133が位置している。ドアロック部材128は、この切欠き部133により形成される「摺接部」としての切欠き端部133aと、後述するドライブ装置内のドアロック解除部との摺接により図9において下方側へ引き下げられる。すると、ドアロック部材128の先端部128aと下ハーフ102側の凹部122との係合が解除され、開閉ドア118が回転可能となる。
【0013】
次に、この第1のテープカートリッジC1を記録及び/又は再生するドライブ装置(第1の記録再生装置)について説明する。
【0014】
図10に示すように、ドライブ装置としては、テープカートリッジC1を開閉ドア118が設けられる前面100a側から矢印a方向へ挿入する前面挿入タイプのドライブ装置D1が広く用いられている。この前面挿入タイプのドライブ装置D1は、フロントパネル137に形成されたカートリッジ挿入口138内にカートリッジ挿入部(空間)139を画成する挿入口本体136を備え、その一方の側壁140aには開閉ドア118を開放するドア開閉ブロック141が一体形成されている(図11)。
【0015】
ドア開閉ブロック141は、図11及び図12に示すように、ドアロック部材128の切欠き端部133aと摺接してドアロック部材128を上ハーフ101側へ移動させるテーパー状のガイド面142aを備えたドアロック解除部142と、開閉ドア118の基端部118aと当接する当接面143aを有しドアロックが解除された開閉ドア118を開動作させるドア開放部143とから構成されている。
【0016】
ここで図14A及び図16Aに示すように、ドアロック解除部142のガイド面142a最上部の高さ位置H2は、第1のテープカートリッジC1の底面からドアロック部材128の切欠き端部133aまでの高さ位置H1よりも高く形成される。なお、ガイド面142aの前端部148の高さ位置(ガイド面142a最下部の高さ位置)H4は、上記H1よりも低い位置に形成されているものとする。本例ではH1が12.8mm、H2が11.5mmとされる。
【0017】
この構成により、図13、図14A、図15A及び図16Aに示したように、第1のテープカートリッジC1の前面100aを前方に向けて、当該テープカートリッジC1をドライブ装置D1のカートリッジ挿入口138に挿入すると、まず、ドアロック解除部142のガイド面142aに対し、このテープカートリッジC1のドアロック部材128の切欠き端部133aが接する。
【0018】
そして、図14B及び図16Bに示すように、切欠き端部133aはガイド面142aの傾斜に沿って上方へ移動し、これによりドアロック部材128の先端部128aと下ハーフ102側の凹部122との係合が解除されてドアロックが外れる。その後、ドア開放部143の当接面143aに対しテープカートリッジC1の開放ドア118の基端部118aが当接する(図14B,図15B)。
【0019】
この状態でテープカートリッジC1が更に押動されると、当接面143aに当接する基端部118aを力点として当該開閉ドア118が支持軸120の周りに回動することにより、前方へ開放される(図14C,図15C)。なお、テープカートリッジC1は、その前面100aが挿入口本体136のストッパ壁140cに当接して、前進移動が規制されると共に位置決めされる(図17)。
【0020】
カートリッジ挿入部139へのテープカートリッジC1の装填が完了した後、ドライブ装置D1のレバー144を押し下げる(レバー144を支持する回動軸の周りに回動させる)ことによって、リール台(図示略)が挿入口本体136の底部に設けられた孔136a(図11)を介してせり上がり、テープリール107のギヤ部107a(図6)に嵌合させる。これと同時に、リールロック解除プラグ(図示略)がリールロック解除孔135A,135B(図6)へ挿入されて、リールロック部材112,113によるテープリール107の回転規制が解除される。
【0021】
そして、ドライブ装置D1のテイクアップリーダーテープ(図示略)により、テープカートリッジC1のリーダーテープ109がテイクアップリール145に巻き取られ、磁気テープ106が磁気ヘッド146に摺接される。磁気テープ106は、例えば約4m/secの速度で走行され、磁気ヘッド146によってデータが記録、再生される。
【0022】
以上のようにして、ドライブ装置D1における第1のテープカートリッジC1のドア開放機構が構成される。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献としては、以下のものがある。
【0023】
【特許文献1】
特開2002−334550号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のテープカートリッジC1として、例えば磁気テープ106のテープ長L1が557±5mに規格統一されているものがある。ちなみに、図10に示すように、当該テープカートリッジの左右方向の幅X、前後方向の奥行きY及び厚さZの各寸法は、X=105.6mm、Y=105.4mm、Z=25.4mmに規格統一されている。
【0025】
そこで、上記のように規格統一されたテープカートリッジC1を標準の第1のテープカートリッジC1としたとき、当該テープカートリッジC1の幅X、奥行きY及び厚さZの外形寸法を殆ど変更することなく、磁気テープのテープ長を例えば562m以上に長くして、カートリッジの記録容量を拡大することが考えられる。
【0026】
しかしながら、この場合、短いテープ長L1の磁気テープを使用している第1のテープカートリッジC1用の第1のドライブ装置D1に対し、当該第1のテープカートリッジとは互換性のない、長尺のテープ長L2の磁気テープを使用した第2のテープカートリッジを誤って装填した場合、ドライブ装置D1側で磁気テープ長を認識できず記録/再生モードに入れなかったり、ドライブ側の駆動ソフトウェアと適合せずに装填直後にエラーが表示されたままカートリッジが排出されなかったり、あるいは、たとえドライブ装置が駆動しても途中で停止する(テープ長の途中で停止する)などして、カートリッジとして使用できないという致命的な問題となってしまうことが、当然考えられる。
【0027】
また、磁気テープ長の相違からリール重量が変化するので、これがテープ走行張力に影響を与えて記録再生動作を適正に行えなくなることがある。さらに別の観点から、ドライブ装置のスペックを越えるカートリッジが間違って装填された場合に、当該カートリッジの特性を生かしきれない事態も生じ得る。
【0028】
従って、当該ドライブ装置に適合しないテープカートリッジは、当初から装填できないようにすることが好ましい。
【0029】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、標準とする第1のテープカートリッジ用のドライブ装置に対して、例えば標準のテープ長よりも長尺の磁気テープに用いられる第2のテープカートリッジが誤って装填されることがないように、誤挿入防止手段を講じたテープカートリッジを提供することを課題とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するに当たり、本発明のテープカートリッジは、標準とする第1のテープカートリッジ用の第1の記録再生装置に対して非互換とされる第2のテープカートリッジであって、第1のテープカートリッジにおけるドアロック部材は、第1の記録再生装置のカートリッジ挿入部に設けられたドアロック解除部に摺接して開閉ドアのロック状態を解除する摺接部を有すると共に、ドアロック解除部に連接されるドア開放部との当接により開閉ドアが開放されるのに対し、第2のテープカートリッジにおけるドアロック部材は、ドアロック解除部と衝突してカートリッジ挿入部への誤挿入が防止されるようにしている。
【0031】
本発明では、ドアロック部材が、開閉ドアの基端部に形成されるドアロック収容部内に移動可能に収容されると共に、その先端部がカートリッジケースに設けられた凹部に係合して開閉ドアを閉位置にロックする機構を有してなり、ドアロック部材には、ドアロック解除部上端のテーパー状のガイド面に乗り上げて、リールロック部材の先端部と上記凹部との係合を解除する方向へドアロック部材を移動させるための端部が設けられ、第1のテープカートリッジにおけるドアロック部材では、当該端部が上記摺接部としてドアロック解除部のガイド面と摺接する位置に設けられるのに対し、第2のテープカートリッジにあっては、カートリッジ挿入部の内部において当該端部がドアロック解除部と衝突する位置に設けられている。
【0032】
また、本発明において、第2のテープカートリッジ用の第2の記録再生装置は、第2のテープカートリッジが当該第2の記録再生装置のカートリッジ挿入部に挿入された際に、開閉ドアのドアロック状態を解除する方向へドアロック部材の先端部を押圧する操作部材を具備しており、第2のテープカートリッジには、操作部材をドアロック部材の先端部へ案内するガイド孔が設けられている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
図1は、本発明の実施の形態によるテープカートリッジの全体を示している。本実施の形態によるテープカートリッジC2は、標準とする第1のテープカートリッジC1とは非互換とされ、第1のテープカートリッジC1よりも長尺(562m以上)の磁気テープを使用しており、以下、第2のテープカートリッジC2と称して第1のテープカートリッジC1と区別する。
なお、第1のテープカートリッジC1と対応する構成部分については特に断らない限り同一の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。
【0035】
第2のテープカートリッジC2は、左右方向の幅X、奥行きY及び厚さZの各寸法は、X=105.6mm、Y=105.4mm、Z=25.4mmとなっており、第1のテープカートリッジC1の各寸法と同一に構成されている。
【0036】
第2のテープカートリッジC2では、図2に示すように、テープ引出し用の開口部134を開閉する開閉ドア118を閉位置へロックするドアロック部材28の構成が、第1のテープカートリッジC1のそれと異なっている。つまり、切欠き部33によって形成される「摺接部」としての切欠き端部33aが、第1のテープカートリッジC1用のドライブ装置(第1の記録再生装置)D1のカートリッジ挿入部139の一側壁140aに設けられたドア開閉ブロック141のドアロック解除部142と衝突する位置に形成されている。
【0037】
具体的には、ドアロック部材28の切欠き端部33aのカートリッジケース103の下面からの距離(高さ)H3が、ドライブ装置D1のドアロック解除部142のテーパー状のガイド面142aの最下部の高さ位置H4よりも小さく(低く)構成されている。
【0038】
この構成により、第2のテープカートリッジC2が第1のテープカートリッジC1用のドライブ装置D1のカートリッジ挿入部139に誤って挿入された場合、図4Aに示すようにドアロック部材28の切欠き端部33aの高さH3がドアロック解除部142のガイド面142aの高さH4より低いので、ドアロック部材28はドアロック解除部142のガイド面142aの前端部148と衝突し、開閉ドア118が開閉されることなく第2のテープカートリッジC2のそれ以上の前進が規制される(図4B)。
【0039】
したがって、ドライブ装置D1に対して第2のテープカートリッジC2が誤って挿入されたとしても、ドライブ装置D1内のドア開閉ブロック141の位置で当該第2のテープカートリッジC2の前進が阻止されるので、装填を行うことが不可能となる。これにより、当該ドライブ装置D1に対して異種のテープカートリッジを挿入したことをユーザーに認識させることができる。
【0040】
特に本実施の形態によれば、第2のテープカートリッジC2におけるドアロック部材28の切欠き端部33aの高さ位置H3を、第1のテープカートリッジC1におけるドアロック部材128の切欠き端部133aの高さ位置H1よりも小さく形成することにより、カートリッジ全体に大幅な設計変更を要することなく容易かつ低コストで実施することができる。
【0041】
第2のテープカートリッジC2は、ドライブ装置D2(第2のテープカートリッジ用の第2の記録再生装置)により使用される。ドライブ装置D2は、図5Bに示すように、第2のテープカートリッジC2のドアロック状態を解除する方向へドアロック部材28の先端部28aを押圧する操作部材10を具備している。その一方、第2のテープカートリッジC2には、その下ハーフ102のドアロック部材先端部28aが位置する部位に対し、図2及び図5Bに示すように、操作部材10をドアロック部材28の先端部28aへ案内するガイド孔15が設けられている。
【0042】
第2のドライブ装置D2においては、第2のテープカートリッジC2が挿入された際、図5Aに示すように、そのドアロック部材28がガイド面142aの前端部148に衝突する位置で、ガイド孔15と挿入口本体136の通孔155とが上下方向に整列する。この後、図5Bに示すように操作部材10が上昇し、ドアロック部材28の先端部28aを上方へ押圧し、ドアロック部材28の切欠き端部33aをH4以上の所定の高さ位置にまで押し上げる。そして、テープカートリッジC2を更に前進させ、切欠き端部33aをガイド面142aに摺接させて開閉ドア118のドアロックを解除する。
【0043】
その後は上述の第1のテープカートリッジC1と同様に、ドア開放部当接面143に開閉ドア118の基端部118aを当接させ、ここを力点として開閉ドア118を開放し、テープを引き出して記録/再生動作を実行可能とする。
【0044】
ここで、ガイド孔15は、操作部材10によってドアロック部材28の先端部28aをH4以上の高さ位置に押圧保持した状態を維持しながら、ドアロック部材28の切欠き端部33aがガイド面142aへ接触する位置までカートリッジを移動できる大きさに形成される必要がある。図2の例では、ガイド孔を長方形状に形成したが、これに限らず、円形あるいは長孔形状等としてもよい。
【0045】
また、操作部材10の先端部は、例えばカートリッジ進行方向に対して交差する方向に幅方向を有する略板状とすることにより、カートリッジが移動する間、ドアロック部材先端部28aの押圧状態を維持することができる。
【0046】
なお、操作部材10の動作タイミングは、要求されるスペック等に応じて適宜設定可能であり、例えばカートリッジの進入量に連動して操作部材を機械的に操作したり、カートリッジの進入量を電気的に検出して操作部材10の上下移動を制御する等の方法が採用可能である。
【0047】
また、本実施の形態においては、第2のドライブ装置D2におけるドアロック解除部142は第1のドライブ装置D1のドアロック解除部142と同一の構成で同一の高さ位置に設けられているので、第2のドライブ装置D2によって標準の第1のテープカートリッジC1の記録/再生が可能となっている。
【0048】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0049】
例えば以上の実施の形態では、標準の第1のテープカートリッジC1の磁気テープ長よりも長尺に形成された磁気テープが用いられる第2のテープカートリッジC2について説明したが、当該第2のテープカートリッジC2の磁気テープが、第1のテープカートリッジC1の磁気テープよりもテープ長が短い場合はもちろん、テープ幅が広い(又は狭い)、テープ厚が厚い(又は薄い)、磁気記録密度が高い(又は低い)などといったテープの種類が異なる場合にも本発明は適用可能である。
【0050】
更に、記録方式やフォーマットが第1のテープカートリッジC1のそれと異なる第2のテープカートリッジにも本発明は適用可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のテープカートリッジによれば、標準とする第1のテープカートリッジ用の第1の記録再生装置に対して、第1のテープカートリッジとは非互換の第2のテープカートリッジを誤って装着しようとしても、第1の記録再生装置のドアロック解除部と第2のテープカートリッジのドアロック部材との衝突により第2のテープカートリッジのそれ以上の進入が規制され、これにより第1の記録再生装置に対する第2のテープカートリッジの誤挿入を防止できる。
【0052】
また、本発明のテープカートリッジによれば、カートリッジ全体に大幅な設計変更を要することなく容易かつ低コストで実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による第2のテープカートリッジC2の全体を示す斜視図である。
【図2】第2のテープカートリッジC2のドアロック部材28と、第1の記録再生装置D1の内部に設けられるドアロック解除部142との高さ位置関係を示す正面図である。
【図3】第2のテープカートリッジC2の底面図である。
【図4】第1の記録再生装置D1に対して第2のテープカートリッジC2が挿入された時の作用を示す要部の側断面図であり、Aは挿入直後の状態を示し、Bは第2のテープカートリッジC2の開閉ドア118がドアロックを解除されずにドアロック解除部前端面148に当接した状態を示している。
【図5】第2の記録再生装置D2に対して第2のテープカートリッジC2が挿入された時の作用を示す要部の正断面図であり、Aは挿入直後の状態を示し、Bはドアロックが解除された状態を示している。
【図6】第1のテープカートリッジC1の構成を示す分解斜視図である。
【図7】第1のテープカートリッジC1の開閉ドア118の構成を示す要部の分解斜視図である。
【図8】第1のテープカートリッジC1の開閉ドア118の構成を下ハーフ側から見た要部平面図である。
【図9】第1のテープカートリッジC1の開閉ドア118の構成を示す要部側断面図である。
【図10】第1のテープカートリッジC1と第1の記録再生装置D1とを示す斜視図である。
【図11】第1の記録再生装置D1のカートリッジ挿入部139の構成を示す部分破断斜視図である。
【図12】カートリッジ挿入部139のドア開閉ブロック141の正面図である。
【図13】第1の記録再生装置D1に対する第1のテープカートリッジC1の挿入態様を示す斜視図である。
【図14】第1の記録再生装置D1に対する第1のテープカートリッジC1の装填作用を説明する要部の側断面図であり、Aは挿入開始状態、Bはドアロック解除状態、Cは開閉ドア118の開放状態をそれぞれ示す。
【図15】第1の記録再生装置D1に対する第1のテープカートリッジC1の装填作用を説明する要部の平面図であり、Aは挿入開始状態、Bはドアロック解除状態、Cは開閉ドア118の開放状態をそれぞれ示す。
【図16】第1の記録再生装置D1に対する第1のテープカートリッジC1の装填作用を説明する要部の正断面図であり、Aは挿入開始状態、Bはドアロック解除状態をそれぞれ示す。
【図17】第1の記録再生装置D1に対して第1のテープカートリッジC1の装填作用が完了した状態を示す要部の断面平面図である。
【符号の説明】
10…操作部材、15…ガイド孔、28,128…ドアロック部材、28a,128a…ドアロック部材の先端部、33a,133a…切欠き端部(摺接部)、103…カートリッジケース、106…磁気テープ、107…テープリール、118…開閉ドア、118a…基端部、120…支持軸、122…凹部、129…ドアロック収容部、134…開口部、141…ドア開閉ブロック、142…ドアロック解除部、142a…ガイド面、143…ドア開放部、143a…当接面、148…ドアロック解除部(又はガイド面)の前端面、C1…第1のテープカートリッジ、C2…第2のテープカートリッジ、D1…第1のドライブ装置(記録再生装置)、D2…第2のドライブ装置(記録再生装置)。
Claims (4)
- 磁気テープを巻装したテープリールと、前記テープリールを回転可能に収納するカートリッジケースと、前記カートリッジケースの側壁に設けられ前記磁気テープの一端を引き出すための開口部と、前記カートリッジケースに設けられる支軸に対して回動可能に取り付けられ前記開口部を開閉する開閉ドアと、前記開閉ドアを閉位置にロックするドアロック部材とを備えたテープカートリッジであり、標準とする第1のテープカートリッジ用の第1の記録再生装置に対して非互換とされる第2のテープカートリッジであって、
前記第1のテープカートリッジにおける前記ドアロック部材は、前記第1の記録再生装置のカートリッジ挿入部に設けられたドアロック解除部に摺接して前記開閉ドアのロック状態を解除する摺接部を有すると共に、前記ドアロック解除部に連接されるドア開放部との当接により前記開閉ドアが開放されるのに対し、
前記第2のテープカートリッジにおける前記ドアロック部材は、前記ドアロック解除部と衝突して前記カートリッジ挿入部への誤挿入が防止される
ことを特徴とするテープカートリッジ。 - 前記ドアロック部材が、前記開閉ドアの基端部に形成されるドアロック収容部内に移動可能に収容されると共に、その先端部が前記カートリッジケースに設けられた凹部に係合して前記開閉ドアを閉位置にロックする機構を有してなり、
前記ドアロック部材には、前記ドアロック解除部上端のテーパー状のガイド面を乗り上げて、前記先端部と前記凹部との係合を解除する方向へ前記ドアロック部材を移動させるための端部が設けられ、
前記第1のテープカートリッジにおける前記ドアロック部材では、前記端部が前記摺接部として前記ガイド面と摺接する位置に設けられるのに対し、
前記第2のテープカートリッジにあっては、前記カートリッジ挿入部の内部において前記端部が前記ドアロック解除部と衝突する位置に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のテープカートリッジ。 - 前記第2のテープカートリッジ用の第2の記録再生装置は、前記第2のテープカートリッジが当該第2の記録再生装置のカートリッジ挿入部に挿入された際に、前記開閉ドアのドアロック状態を解除する方向へ前記ドアロック部材の先端部を押圧する操作部材を具備しており、
前記第2のテープカートリッジには、前記操作部材を前記ドアロック部材の先端部へ案内するガイド孔が設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載のテープカートリッジ。 - 前記第2のテープカートリッジにおける前記磁気テープの長さが、前記第1のテープカートリッジにおける前記磁気テープの長さよりも長尺とされる
ことを特徴とする請求項1に記載のテープカートリッジ。
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