JP2005025086A - 光スイッチ及びその製造方法 - Google Patents

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万知夫 土橋
Shinji Iio
晋司 飯尾
Masayuki Suehiro
雅幸 末広
Yoshiyuki Asano
義之 浅野
Shinichi Nakajima
眞一 中島
Sadaji Oka
貞治 岡
Takeshi Yagihara
剛 八木原
Chie Sato
千恵 佐藤
Kyoichi Akasaka
恭一 赤坂
Akira Miura
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Abstract

【課題】 構造が簡単で製作が容易な電流狭窄構造を有する光導波路型の光スイッチをを実現することにある。
【解決手段】 キャリア注入による屈折率変化により光信号の伝送経路を切り換える光スイッチにおいて、半導体基板と、この半導体基板上に形成された下部のクラッド層と、この下部のクラッド層上であって光信号が一方から入射され途中で2つに分岐して出射される光導波路が形成された光導波路層と、この光導波路層上形成され光導波路の周囲がエッチング加工された上部のクラッド層と、この上部のクラッド層上でエッチング加工がされていない部分に形成されたコンタクト層と、上部のクラッド層及びコンタクト層上の一部以外に形成された酸化膜と、コンタクト層上の一部に形成された第1の電極と、基板の裏面に形成された第2の電極とを備え、下部のクラッド層であって第1の電極の直下以外の部分に電流狭窄のための不純物拡散領域を設ける。
【選択図】 図1


Description

本発明は、屈折率変化により光信号の伝送経路を切り換える光スイッチに関し、特に屈折率が変化する電流注入領域を狭窄して効率を改善した構造が容易な光スイッチに関する。
現在の通信ネットワークであるLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等では、通常電気信号をもって情報を伝送する通信方式となっている。
光信号をもって情報を伝送する通信方法は大量のデータを伝送する基幹ネットワークやその他一部のネットワークで用いられているだけである。また、これらのネットワークは”point to point”の通信であり、”フォトニックネットワーク”と言える通信網までは発達していないのが現状である。
このような”フォトニックネットワーク”を実現するためには、電気信号の送信先を切り換えるルータやスイッチングハブ等といった装置と同様の機能を有する”光ルータ”や”光スイッチングハブ”等が必要になる。
また、このような装置では高速に伝送経路を切り換える光スイッチが必要になり、ニオブ酸リチウムやPLZT(Lead Lanthanum Zirconate Titanate)等の強誘電体を用いたものや、半導体に光路導波路を形成し半導体中にキャリアを注入して屈折率を変化させ光信号の伝送経路を切り換えるものが存在する。
さらに、最近では平面ガラス光導波路上に集積したヒーターで発熱させ、当該ヒーターが形成され部分の屈折率を変化させることにより、スイッチング動作を行わせるものもある。
そして、従来の半導体に光路導波路を形成し半導体中にキャリアを注入して屈折率を変化させ光信号の伝送経路を切り換える光スイッチに関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
特開平05−249508号公報 特開平06−059294号公報 特開平06−062450号公報 特開平06−130236号公報 特開平06−289339号公報 特開平08−082810号公報 Baujun Li, Guozheng Li, Enke Liu, Zuimin Jiang, Chengwen Pei and Xun Wang, Appl. Phys. Lett., pp.1-3, 75(1999) Baujun Li, and Soo-Jin Chua, IEEE Photon. Tech. Lett. pp.206-208, 13(2001) Hiroaki Inoue, Hitoshi Nakamura, Kenichi Morosawa, Yoshimitsu Sasaki, Toshio Katsuyama, and Naoki Chinone, IEEE Journal on Selected Area in Communications, pp.1262-1266, 6(1988) K. Ishida, H. Nakamura, H. Matsumura, T. Kadi, and H. Inoue, Appl. Phys. Lett., pp.141-142, 19(1987)
図5及び図6はこのような”非特許文献1”に記載された従来の光スイッチの一例を示す平面図及び断面図である。図5において1は基板、2は”X字状”の光導波路を有する光導波路層、3及び4はキャリアを注入するための1対の電極である。
図5において光導波路層2上には”X字状”の光導波路が形成され、”X字状”の光導波路の交差部分には長方形状の電極3が形成される。また、”X字状”の光導波路の交差部分の近傍であって電極3に並行して長方形状の電極4が形成される。
一方、図6は図5中”A−A’”における断面図であり、図6において5はp型のSi等の基板、6はp型のSiGe等の光導波路層、7及び8はコンタクト層、9及び10は電極、11はSIO 等の絶縁膜である。
基板5上には光導波路層6が形成され、光導波路層6には”X字状”の光導波路が形成され、”X字状”の光導波路の交差部分及び”X字状”の光導波路の交差部分の近傍にはコンタクト層7及び8が形成される。
そして、当該コンタクト層7及び8の上以外には絶縁膜11が形成され、コンタクト層7及び8の上には電極9及び10が形成される。
ここで、図5及び図6に示す従来例の動作を説明する。光スイッチが”OFF”の場合、電極3(電極9)及び電極4(電極10)には電流が供給されない。
このため、図5に示す”X字状”の光導波路の交差部分の屈折率の変化は生じないため、例えば、図5中”PI01”に示す入射端から入射した光信号は交差部分を直進して図5中”PO01”に示す出射端から出射される。
一方、光スイッチが”ON”の場合、電極3(電極9)から電子が注入され、電極4(電極10)からは正孔が注入され、このため、前記交差部分にはキャリア(電子、正孔)が注入される。
このため、プラズマ効果によって図5に示す”X字状”の光導波路の交差部分の屈折率が低くなるように変化するため、例えば、図5中”PI01”に示す入射端から入射した光信号は交差部分に生じた低屈折率部分で全反射されて図5中”PO02”に示す出射端から出射される。
この結果、電極に電流を供給して”X字状”の光導波路の交差部分にキャリア(電子、正孔)を注入して交差部分の屈折率を制御することにより、光信号の出射される位置を制御、言い換えれば、光信号の伝播経路を切り換えることが可能になる。
但し、キャリア濃度による屈折率変化はプラズマ分散効果に基づいて生じることから、同じキャリア濃度の時には、キャリア(自由電子と自由正孔)の有効質量が小さい方が屈折率変化が大きくなる。
図7はこのような”非特許文献2”に記載されたキャリア(自由電子と自由正孔)の有効質量が小さい材料系を用いた従来の光スイッチの一例を示す断面図である。
図7において12はInP等の基板、13はn型のInGaAsP等の光導波路層、14はn型のInP層、15はn型のInGaAsP層、16はSiO 等の絶縁膜、17及び18は電極である。
基板12上には光導波路層13、InP層14及びInGaAsP層15が順次形成され、光導波路層13までエッチングすることによって”X字状”の光導波路が形成される。
図7中”DR11”に示す部分にはp型不純物が拡散され、当該不純物拡散領域以外の部分は絶縁膜11が形成される。そして、図7中”DR11”に示す部分に接触するように電極17が形成され、基板12の裏面には電極18が形成される。
図7に示す従来例においては、キャリア(自由電子と自由正孔)の有効質量が小さい材料系を用いることにより、より低い電流注入量(電流密度)で大きな屈折率変化が得られ、低電流駆動の光スイッチを実現することができる。
また、図8及び図9はこのような”非特許文献3”に記載された従来の光スイッチの一例を示す平面図及び断面図である。
図8において19は半導体の基板、20は”X字状”の光導波路、21は電極である。基板19上には”X字状”の光導波路20が形成され、”X字状”の光導波路20の交差部分には電極21が形成される。
一方、図9は図8中”B−B’”における断面図であり、22及び28は電極、23はInP基板、24は光導波路層、25はクラッド層であるInP層、26はキャップ層であるInGaAsP層、27はSiO 等の酸化膜である。
InP基板23上であって図9中”DR31”及び”DR32”に示す部分にはp型不純物であるZnが拡散され、その後、InP基板23上には光導波路層24,InP層25及びInGaAsP層26が順次形成される。
また、図9中”DR33”に示す部分にはp型不純物であるZnが拡散され、図9中”DR33”に示す拡散領域以外の部分には酸化膜27が形成され、酸化膜27及び図9中”DR33”に示す拡散領域上には電極28が形成され、InP基板23の裏面には電極22が形成される。
ここで、図8及び図9に示す従来例の動作を説明する。光スイッチが”OFF”の場合、電極21及び図示しない基板19裏面の電極(図9中の電極22に相当する。)には電流が供給されない。
このため、”X字状”の光導波路20の交差部分の屈折率の変化は生じないため、例えば、図8中”PI21”から入射した光信号は交差部分を直進して図8中”PO21”に示す部分から出射される。
一方、光スイッチが”ON”の場合、電極21及び図示しない基板19裏面の電極(図9中の電極22に相当する。)に電流が供給され前記交差部分にキャリア(電子、正孔)が注入される。
このため、プラズマ効果によって”X字状”の光導波路20の交差部分の電極21直下の屈折率が低くなるように変化するため、例えば、図8中”PI21”から入射した光信号は交差部分に生じた低屈折率部分で全反射されて図8中”PO22”に示す部分から出射される。
この結果、電極に電流を供給して”X字状”の光導波路20の交差部分にキャリア(電子、正孔)を注入して交差部分の屈折率を制御することにより、光信号の出射される位置を制御、言い換えれば、光信号の伝播経路を切り換えることが可能になる。
しかし、図7に示す従来例では光導波路の形成の過程においてInGaAsP等の光導波路層13の4元層までエッチング加工するために、組成の異なるInP層14とInGaAsP等の光導波路層13をほぼ同じ加工精度でエッチング加工し、InGaAsP等の光導波路層13の途中でエッチング深さを制御する必要性がある。
このような加工はエッチングレートの組成依存性が大きい化学エッチングでは一般に困難であるため、RIE(Reactive Ion Etching)やイオンビームエッチング等の加工方法と装置を使用しなければならないと言った問題点があった。
さらに、InGaAsP等の光導波路層13の途中までエッチングすることからエッチング深さも”1.5〜2μm”と深くなり、実際には、電極17への配線層の断線等を防止するための平坦化等の構造も取り入れる必要性があると言った問題点があった。
一方、図8及び図9に示す従来例ではInP基板23及びInP層26に選択拡散により電流狭窄のための拡散領域を形成し、その後、深さ約1μm程度の選択エッチングを行ってから、光導波路層24、InP層25及びInGaAsP層26を順次結晶成長させている。
この場合、選択エッチング加工した面への結晶成長には、加工測面と底面での面方位の差異による成長速度の違いや組成変動、加工表面や溝幅のラフネスの影響による結晶欠陥の発生や不均一性等の課題を克服しなければならないと言った問題点があった。
すなわち、従来例ではキャリア有効質量の小さい半導体材料を用い、電流狭窄構造を光導波路スイッチ部分に設けて特性の改善を図っているが、その製造プロセスには当該構造に起因する困難性があった。
従って本発明が解決しようとする課題は、構造が簡単で製作が容易な電流狭窄構造を有する光導波路型の光スイッチをを実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
キャリア注入による屈折率変化により光信号の伝送経路を切り換える光スイッチにおいて、
半導体基板と、この半導体基板上に形成された下部のクラッド層と、この下部のクラッド層上であって前記光信号が一方から入射され途中で2つに分岐して出射される光導波路が形成された光導波路層と、この光導波路層上形成され前記光導波路の周囲がエッチング加工された上部のクラッド層と、この上部のクラッド層上でエッチング加工がされていない部分に形成されたコンタクト層と、前記上部のクラッド層及び前記コンタクト層上の一部以外に形成された酸化膜と、前記コンタクト層上の前記一部に形成された第1の電極と、前記基板の裏面に形成された第2の電極とを備え、前記下部のクラッド層であって前記第1の電極の直下以外の部分に電流狭窄のための不純物拡散領域が形成されたことにより、構造が簡単で製作が容易な電流狭窄構造を有することができる。
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の発明である光スイッチにおいて、
前記下部のクラッド層であって、
分岐部分の前記光導波路の幅方向の一部の領域を残して電流狭窄のための前記不純物拡散領域が形成されたことにより、構造が簡単で製作が容易な電流狭窄構造を有することができる。
請求項3記載の発明は、
請求項1若しくは請求項2記載の発明である光スイッチにおいて、
前記上部のクラッド層であって、
前記第1の電極の直下の部分に第2の不純物拡散領域が形成されたことにより、構造が簡単で製作が容易な電流狭窄構造を有することができる。
請求項4記載の発明は、
請求項1若しくは請求項2記載の発明である光スイッチにおいて、
前記光導波路が、
スラブ型の光導波路であることにより、構造が簡単で製作が容易な電流狭窄構造を有することができる。
請求項5記載の発明は、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明である光スイッチにおいて、
前記光導波路層が、
2本の直線の光導波路が交差した光導波路を有することにより、構造が簡単で製作が容易な電流狭窄構造を有することができる。
請求項6記載の発明は、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明である光スイッチにおいて、
前記光導波路層が、
1本の直線の光導波路の途中から異なる角度で分岐する光導波路を有することにより、構造が簡単で製作が容易な電流狭窄構造を有することができる。
請求項7記載の発明は、
キャリア注入による屈折率変化により光信号の伝送経路を切り換える光スイッチの製造方法であって、
半導体基板上に下部のクラッド層を結晶成長させる工程と、この下部のクラッド層に不純物を選択拡散して不純物拡散領域を形成する工程と、前記下部のクラッド層上に光導波路層、上部のクラッド層を順次結晶成長させる工程と、この上部のクラッド層に不純物を選択拡散して不純物拡散領域を形成する工程と、前記上部のクラッド層上にコンタクト層を形成する工程と、前記コンタクト層から前記上部のクラッド層の途中までエッチング加工を行いスラブ型光導波路を構成する工程と、前記コンタクト層上及び前記上部のクラッド層上であって前記コンタクト層の一部を残して酸化膜を形成する工程と、前記コンタクト層の一部に第1の電極を形成する工程と、前記半導体基板の裏面に第2の電極を形成する工程とから成ることにより、構造が簡単で製作が容易な電流狭窄構造を有することができる。
請求項8記載の発明は、
請求項7記載の発明である光スイッチの製造方法であって、
前記光導波路層に、
2本の直線の光導波路が交差した光導波路を形成することにより、構造が簡単で製作が容易な電流狭窄構造を有することができる。
請求項9記載の発明は、
請求項7記載の発明である光スイッチの製造方法であって、
前記光導波路層に、
1本の直線の光導波路の途中から異なる角度で分岐する光導波路を形成することにより、構造が簡単で製作が容易な電流狭窄構造を有することができる。
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果がある。
請求項1,2,3,4,5,6,7,8及び請求項9の発明によれば、下部のクラッド層である平坦なInP層34にp型不純物であるZnを選択拡散させて電流狭窄構造を形成した後に、光層波路層35等を結晶成長により順次形成させエッチング加工を行いスラブ型光導波路を構成することにより、構造が簡単で製作が容易な電流狭窄構造を有することができる。
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1及び図2は本発明に係る光スイッチの一実施例を示す平面図及び断面図である。
図1において29は半導体の基板、30は”X字状”の光導波路、31は電極である。基板29上には”X字状”の光導波路30が形成され、”X字状”の光導波路30の交差部分には電極31が形成される。
一方、図2は図1中”C−C’”における断面図であり、32はInP等の基板、33はn 型のInP層、34は下部のクラッド層であるn型のInP層、35はn型のInGaAsP等の光導波路層、36は上部のクラッド層であるn型のInP層、37はn型のInGaAsP等のコンタクト層、38はSiO 等の酸化膜、39及び40は電極である。
基板32上にはInP層33及びInP層34が順次形成され、電極39(厳密には、コンタクト層37と電極39が接触している部分)の直下以外の部分、すなわち、図2中”DR41”及び”DR42”に示す部分にはp型不純物であるZnが選択拡散されて電流狭窄構造を形成する。
その後、不純物拡散領域が形成された下部のクラッド層であるInP層34上には光導波路層35及び上部のクラッド層であるInP層36が結晶成長により順次形成され、図2中”DR43”に示す部分にはp型不純物であるZnが選択拡散される。
上部クラッド層であるInP層36上にコンタクト層37が結晶成長により順次形成された後、コンタクト層37から上部のクラッド層であるInP層36の途中までエッチング加工を行いスラブ型光導波路を構成する。
図2中”DR43”の上部以外の部分に酸化膜38を形成し、酸化膜38が形成されていないコンタクト層37に接続するように電極39が形成される。また、基板32の裏面には電極40が形成される。
具体的な製造工程としては、第1に、基板32上にInP層33及び下部のクラッド層であるInP層34を結晶成長させる工程と、第2に、下部のクラッド層であるInP層34の内で電極39(厳密には、コンタクト層37と電極39が接触している部分)の直下以外の部分、すなわち、図2中”DR41”及び”DR42”に示す部分にp型不純物であるZnを選択拡散して不純物拡散領域を形成する工程とがある。
また、第3に、下部のクラッド層であるInP層34上に光導波路層35、上部のクラッド層であるInP層36を順次結晶成長させる工程と、第4に、上部のクラッド層であるInP層36であって図2中”DR43”に示す部分に不純物を選択拡散して不純物拡散領域を形成する工程とがある。
また、第5に、上部のクラッド層であるInP層36上にコンタクト層37を形成する工程と、第6に、コンタクト層37から上部のクラッド層であるInP層36の途中までエッチング加工を行いスラブ型光導波路を構成する工程とがある。
さらに、第7に、コンタクト層37上及び上部のクラッド層であるInP層36上であってコンタクト層37の一部を残して酸化膜38を形成する工程と、第8に、コンタクト層37の一部に電極39を形成する工程と、第9に、基板32の裏面に電極40を形成する工程とから成る。
ここで、図1及び図2に示す実施例の動作を説明する。光スイッチが”OFF”の場合、電極31及び図示しない基板29裏面の電極(図2中の電極40に相当する。)には電流が供給されない。
このため、”X字状”の光導波路30の交差部分の屈折率の変化は生じないため、例えば、図1中”PI41”から入射した光信号は交差部分を直進して図1中”PO41”に示す部分から出射される。
一方、光スイッチが”ON”の場合、電極31及び図示しない基板29裏面の電極(図2中の電極40に相当する。)に電流が供給され前記交差部分にキャリア(電子、正孔)が注入される。
具体的には、電極39から注入された電流は図2中”CR41”に示すように、図2中”DR43”に示す不純物拡散領域及び光導波路層35を流れ、下部のクラッド層であるInP層34の内、図2中”DR41”及び”DR42”に示す不純物拡散領域の間の部分を流れて基板32側に流れ込む
すなわち、図2中”WD41”に示す交差部分の光導波路の幅方向の約半分(一部)の領域の電流密度が高くなり、プラズマ効果によって当該高電流密度部分の屈折率が低くなるように変化する。
例えば、電子電荷を”q”、真空誘電率を”ε”、InP若しくはInGaAsPの屈折率を”n”、光導波路を伝播する光の波長を”λ”、光速を”c”、InP若しくはInGaAsPの電子濃度及び正孔濃度を”ΔNe”及び”ΔNh”、電子及び正孔の有効質量を”m ce”及び”m ch”とした場合、屈折率変化”Δn”は、
Δn=−(qλ/8πnε)
×[(ΔNe/m ce)+(ΔNh/m ch)] (1)
で表される。
従って、例えば、図1中”PI41”から入射した光信号は”X字状”の光導波路30の交差部分に生じた低屈折率部分で全反射されて図1中”PO42”に示す部分から出射される。
図1及び図2に示す実施例では、下部のクラッド層である平坦なInP層34にp型不純物であるZnを選択拡散させて電流狭窄構造を形成した後に、光層波路層35等を結晶成長により順次形成させているため、従来例のように加工測面と底面での面方位の差異による成長速度の違いや組成変動、加工表面や溝幅のラフネスの影響による結晶欠陥の発生や不均一性等の課題が生じない。
また、図1及び図2に示す実施例では、コンタクト層37から上部のクラッド層であるInP層36の途中までエッチング加工を行いスラブ型光導波路を構成しているため、エッチング加工深さは”約0.5μm”(従来例では”1.5〜2μm”)となり、従来例と比較して段差は小さいので平坦化のための構造を取り入れる必要性がなくなる。
図3及び図4は実施例の屈折率部分及び光強度分布のシミュレーション結果の一例を示す説明図であり、図4に示す光強度分布から伝播モードは単一(0次)モードとなっていることがわかる。
このため、光通信等に用いられる単一モードファイバーと本願発明に係る光スイッチの光導波路端、例えば、図1中”PI41”、図1中”PO41”若しくは図1中”PO42”との光結合の効率が高くなる。
この結果、下部のクラッド層である平坦なInP層34にp型不純物であるZnを選択拡散させて電流狭窄構造を形成した後に、光層波路層35等を結晶成長により順次形成させエッチング加工を行いスラブ型光導波路を構成することにより、構造が簡単で製作が容易な電流狭窄構造を有することができる。
なお、図1に示す実施例の平面図においては基板29上に形成された”X字状”の光導波路を有する光導波路層30を例示しているが、勿論、出射用の光導波路を2つ有する光導波路でれば”y字状”であっても、その他の形状であっても構わない。
ここで、”y字状”の光導波路とは、1本の直線の光導波路の途中から異なる角度で分岐する形状である。
また、図2に示す実施例の断面図においては図2中”WD41”に示す交差部分の光導波路の幅方向の約半分(一部)の領域を残して図2中”DR41”及び”DR42”に示すように不純物拡散領域を形成しているが、図2中”WD41”に示す交差部分の光導波路の幅方向の全ての領域を残して図2中”DR41”及び”DR42”に示すように不純物拡散領域を形成しても勿論構わない。
また、図2に示す実施例の断面図においては基板32の上にn 型のInP層を形成している例を例示しているが、必須の構成要素ではないので省略しても構わない。
本発明に係る光スイッチの一実施例を示す平面図である。 本発明に係る光スイッチの一実施例を示す断面図である。 屈折率部分のシミュレーション結果の一例を示す説明図である。 光強度分布のシミュレーション結果の一例を示す説明図である。 従来の光スイッチの一例を示す平面図である。 従来の光スイッチの一例を示す断面図である。 キャリアの有効質量が小さい材料系を用いた従来の光スイッチの一例を示す断面図である。 従来の光スイッチの一例を示す平面図である。 従来の光スイッチの一例を示す断面図である。
符号の説明
1,5,12,19,29,32 基板
2,6,13,24,35 光導波路層
3,4,9,10,17,18,21,22,28,31,39,40 電極
7,8,37 コンタクト層
11,16 絶縁膜
14,25,33,34,36 InP層
15,26 InGaAsP層
20,30 光導波路
23 InP基板
27,38 酸化膜

Claims (9)

  1. キャリア注入による屈折率変化により光信号の伝送経路を切り換える光スイッチにおいて、
    半導体基板と、
    この半導体基板上に形成された下部のクラッド層と、
    この下部のクラッド層上であって前記光信号が一方から入射され途中で2つに分岐して出射される光導波路が形成された光導波路層と、
    この光導波路層上形成され前記光導波路の周囲がエッチング加工された上部のクラッド層と、
    この上部のクラッド層上でエッチング加工がされていない部分に形成されたコンタクト層と、
    前記上部のクラッド層及び前記コンタクト層上の一部以外に形成された酸化膜と、
    前記コンタクト層上の前記一部に形成された第1の電極と、
    前記基板の裏面に形成された第2の電極とを備え、
    前記下部のクラッド層であって前記第1の電極の直下以外の部分に電流狭窄のための不純物拡散領域が形成されたことを特徴とする
    光スイッチ。
  2. 前記下部のクラッド層であって、
    分岐部分の前記光導波路の幅方向の一部の領域を残して電流狭窄のための前記不純物拡散領域が形成されたことを特徴とする
    請求項1記載の光スイッチ。
  3. 前記上部のクラッド層であって、
    前記第1の電極の直下の部分に第2の不純物拡散領域が形成されたことを特徴とする
    請求項1若しくは請求項2記載の光スイッチ。
  4. 前記光導波路が、
    スラブ型の光導波路であることを特徴とする
    請求項1若しくは請求項2記載の光スイッチ。
  5. 前記光導波路層が、
    2本の直線の光導波路が交差した光導波路を有することを特徴とする
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光スイッチ。
  6. 前記光導波路層が、
    1本の直線の光導波路の途中から異なる角度で分岐する光導波路を有することを特徴とする
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光スイッチ。
  7. キャリア注入による屈折率変化により光信号の伝送経路を切り換える光スイッチの製造方法であって、
    半導体基板上に下部のクラッド層を結晶成長させる工程と、
    この下部のクラッド層に不純物を選択拡散して不純物拡散領域を形成する工程と、
    前記下部のクラッド層上に光導波路層、上部のクラッド層を順次結晶成長させる工程と、
    この上部のクラッド層に不純物を選択拡散して不純物拡散領域を形成する工程と、
    前記上部のクラッド層上にコンタクト層を形成する工程と、
    前記コンタクト層から前記上部のクラッド層の途中までエッチング加工を行いスラブ型光導波路を構成する工程と、
    前記コンタクト層上及び前記上部のクラッド層上であって前記コンタクト層の一部を残して酸化膜を形成する工程と、
    前記コンタクト層の一部に第1の電極を形成する工程と、
    前記半導体基板の裏面に第2の電極を形成する工程と
    から成ることを特徴とする光スイッチの製造方法。
  8. 前記光導波路層に、
    2本の直線の光導波路が交差した光導波路を形成することを特徴とする
    請求項7記載の光スイッチの製造方法。
  9. 前記光導波路層に、
    1本の直線の光導波路の途中から異なる角度で分岐する光導波路を形成することを特徴とする
    請求項7記載の光スイッチの製造方法。
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