JP2005025021A - 帯電部材及びそれを有するカートリッジ、並びに、カートリッジを有する画像形成装置 - Google Patents

帯電部材及びそれを有するカートリッジ、並びに、カートリッジを有する画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電気抵抗値のばらつき、トナー固着、及び、それらに伴う帯電不良を防止すると共に、機械的強度及び耐久性に優れた帯電部材及びそれを有するカートリッジ、並びに、カートリッジを有する画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性支持体1の上に形成された電気抵抗調整層2と、該電気抵抗調整層2の表面に被覆された保護層3と、を有する帯電部材において、前記電気抵抗調整層2が、(A)スチレン系熱可塑性樹脂、(B)高分子型イオン導電材料、及び、(C)主鎖にポリカーボネートを有し、側鎖にアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を有するグラフトコポリマー、を溶融混練してなる樹脂組成物で構成されているものとする。前記(A)及び(B)の配合比が、それぞれ、30〜70重量%及び70〜30重量%であり、かつ、(C)の配合量が、前記(A)及び(B)の合計100重量部に対して、1〜15重量部である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において、感光体に近接配置して帯電処理を行う帯電部材及びそれを有するカートリッジ、並びに、カートリッジを有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において、感光体に対して帯電処理を行う帯電部材としては、帯電ローラが一般的に用いられている。図2は、従来の帯電ローラを有する画像形成装置の説明図である。
【0003】
図2において、111は、従来の帯電ローラ方式の画像形成装置である。従来の帯電ローラ方式の画像形成装置111は、静電潜像が形成される感光体ドラム101、感光体ドラム101に接触して帯電処理を行う帯電ローラ102、レーザ光等の露光手段103、感光体ドラム101の静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ104、帯電ローラ102にDC電圧を印加するためのパワーパック105、感光体ドラム101上のトナー像を記録紙107に転写処理する転写ローラ106、転写処理後の感光体ドラム101をクリーニングするためのクリーニング装置108、及び、感光体ドラム101の表面電位を測定する表面電位計109から構成されている。また、従来の帯電ローラ方式の画像形成装置111は、プロセスカートリッジ着脱方式のものとなっている。即ち、この画像形成装置111においては、感光体ドラム101、帯電ローラ102、現像ローラ104、及び、クリーニング装置108の4つのプロセス機器が一括して本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジ110として設けられている。このプロセスカートリッジ110は、少なくとも、感光体ドラム101と帯電ローラ102とを備えていればよい。このプロセスカートリッジ110は、画像形成装置111に対して所定の位置にに装着されることにより、本体側の駆動系及び電気系と接続状態となる。
なお、図2では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、本件では必要としないので省略してある。
【0004】
次に、このような従来の帯電ローラ方式の画像形成装置111における基本的な作像動作について説明する。
感光体ドラム101に接触された帯電ローラ102に対してDC電圧をパワーパック105から給電すると、感光体ドラム101の表面は、一様に高電位に帯電する。その直後に、画像光が感光体ドラム101の表面に露光手段103により照射されると、感光体ドラム101の照射された部分は、その電位が低下する。このような帯電ローラ102による感光体ドラム101の表面への帯電メカニズムは、帯電ローラ102と感光体ドラム101との間の微少空間におけるパッシェンの法則に従った放電であることが知られている。
【0005】
画像光は、画像の白/黒に応じた光量の分布であるので、かかる画像光が照射されると、画像光の照射によって感光体ドラム101の面に記録画像に対応する電位分布、即ち、静電潜像が形成される。このように静電潜像が形成された感光体ドラム101の部分が現像ローラ104を通過すると、その電位の高低に応じてトナーが付着し、静電画像を可視像化したトナー像が形成される。かかるトナー像が形成された感光体ドラム101の部分に、記録紙107が所定のタイミングでレジストローラ(図示せず)により搬送され、前記トナー像に重なる。そして、このトナー像が転写ローラ106によって記録紙に転写された後、該記録紙107は、感光体ドラム101から分離される。分離された記録紙107は、搬送経路を通って搬送され、定着ユニット(図示せず)によって、加熱定着された後、機外へ排出される。このようにして転写が終了すると、感光体ドラム101は、その表面がクリーニング装置108によりクリーニング処理され、さらに、クエンチングランプ(図示せず)により、残留電荷が除去されて、次回の作像処理に備えられる。
【0006】
帯電ローラを用いた帯電方式としては、感光体にローラを接触させる接触帯電方式が一般に用いられているが、このような接触帯電方式には、
(1)帯電ローラを構成している物質が帯電ローラから染み出し、これが被帯電体の表面に付着移行して帯電ローラ跡を残すこと、
(2)帯電ローラに交流電圧を印加したときに、被帯電体に接触している帯電ローラが振動するので、帯電音が発生すること、
(3)感光体上のトナーが帯電ローラに付着する(特に、上述の染み出しによって、よりトナー付着がおこりやすくなる。)ので、帯電ローラの帯電性能が低下すること、
(4)帯電ローラを構成している物質が感光体へ付着すること、及び、
(5)感光体を長期停止したときに、帯電ローラが永久変形すること、
といった問題があった。
【0007】
このような問題を解決する技術として、帯電ローラを感光体に近接させるようにした近接帯電方式(特許文献1を参照。)が提案されている。この近接帯電方式は、帯電ローラを感光体に最近接距離(0.005〜0.3mm)になるように対向させて、帯電ローラに電圧を印加することにより、感光体の帯電を行うようにした帯電方式である。この近接帯電方式では、ローラと感光体とが接触していないために従来の接触帯電方式において問題となっていた、(a)帯電ローラを構成している物質が感光体へ付着すること、及び、(b)感光体が長期停止したときに永久変形すること、といった問題はない。また、この近接帯電方式では、帯電ローラに付着するトナーが少なくなるので、感光体上のトナー等が帯電ローラに付着することが少なく、そのために、帯電ローラの帯電性能が低下することがない。
【0008】
近接帯電方式に使用される帯電ローラの要求特性は、それまでの接触帯電方式に使用される帯電ローラのそれとは異なる。接触帯電方式で一般的に用いられてきた帯電ローラは、芯金の周囲に加硫ゴム等の弾性体が被覆された構造となっている。それ故、接触帯電方式では、感光体を均一に帯電させるので、感光体に対して帯電ローラが均一に接触することが必要とされる。
【0009】
近接帯電方式において、加硫ゴム等の弾性体で形成された帯電ローラを使用した場合には、以下のような不具合が生じる。
(1)感光体と帯電ローラとの間に空隙を形成させるので、帯電ローラ両端の非画像領域にスペーサ等の空隙保持部材を介在し近接させる必要があるが、弾性体で形成された帯電ローラでは、弾性体の変形により空隙を均一にすることが困難であるので、帯電電位変動やそれに起因する画像ムラが発生してしまう。
(2)弾性体を構成する加硫ゴム材料は、経時で、へたりや変形が生じやすいので、経時で、空隙も変動する。
【0010】
このような不具合を解消のために、非弾性体である熱可塑性樹脂を用いることが考えられる。これにより、感光体と帯電ローラとの間の空隙を均一にすることが可能となる。帯電ローラによる感光体ドラム表面の帯電メカニズムは、帯電ローラと感光体ドラムとの間の微小放電におけるパッシェンの法則に従った放電であることが知られている。感光体ドラムを所定の帯電電位に保持する機能を得るためには、熱可塑性樹脂の電気抵抗値を半導電性領域(10 〜10 Ωcm程度)に制御することが必要となる。
【0011】
電気抵抗値を制御する方法としては、熱可塑性樹脂中にカーボンブラック等の導電性顔料を分散させる方法がある。しかし、導電性顔料を用いて電気抵抗調整層を半導電性領域に設定しようとすると、電気抵抗値のばらつきが大きくなるので、部分的に帯電不良が起こり、そのために、画像欠陥を発生させる、という問題があった。
【0012】
一方、電気抵抗値を制御するための別の手段として、イオン導電性材料、即ち、Li塩等の電解質塩を用いる方法がある。イオン導電性材料は、マトリックス樹脂中に分子レベルで分散するので、導電性顔料が分散する上記のものに比べて、電気抵抗値のばらつきが小さく、そのために、部分的な帯電不良は画像品質的に問題とならなかった。ところが、電解質塩は、低分子量であるので、マトリックス樹脂の表面にブリードアウトしやすい性質があり、そのために、帯電ローラ表面へブリードアウトした場合にトナーの固着を発生させてしまい、画像不良を発生させる、という問題があった。
【0013】
そこで、ブリードアウトを避けるために、高分子量のイオン導電性材料を使用するものが提案されている。この場合、イオン導電性材料がマトリックス樹脂中に分散固定化され、表面へのブリードアウトが起こり難い。経時でのブリードアウトの少ない帯電部材としては、4級アンモニウム塩基を有するビニル単量体、水酸基を有するビニル単量体及び架橋性単量体を重合反応させることによって得られる重合体(特許文献2を参照。)が提案されている。
【0014】
しかしながら、4級アンモニウム塩含有型の高分子型導電剤の場合では、電気抵抗値の温湿度環境依存性が大きく、添加割合や温湿度環境によっては、低電気抵抗化に伴う異常放電、高電気抵抗化に伴う帯電不良等問題が発生する可能性が高いので、処方が難しいという問題があった。
【0015】
そして、このような高分子複合体では、主として、構成樹脂間の相溶性の悪さに起因して、成形時に顕著なウェルドが発生し、そのウェルド部分の強度が低下したり、電気抵抗値が変動するという問題があった。また、この強度低下のために、機械強度の低い樹脂や相溶性の悪い樹脂をマトリックス樹脂として用いた場合には、使用時の電気的・機械的ストレスや経時・環境での体積変動により電気抵抗調整層のウェルド部分にクラックが発生するという問題があった。さらに、ウェルド部分の電気抵抗変動が部分的画像不良の不具合を引き起こすという問題もあった。
【0016】
【特許文献1】
特開平3−240076号公報
【特許文献2】
特開平7−121009号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、電気抵抗値のばらつき、トナー固着、及び、それらに伴う帯電不良を防止すると共に、機械的強度及び耐久性に優れた帯電部材及びそれを有するカートリッジ、並びに、カートリッジを有する画像形成装置を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、導電性支持体上に形成された電気抵抗調整層と、該電気抵抗調整層の表面に被覆された保護層と、を有する帯電部材において、前記電気抵抗調整層が、(A)スチレン系熱可塑性樹脂、(B)高分子型イオン導電材料、及び、(C)主鎖にポリカーボネートを有し、側鎖にアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を有するグラフトコポリマー、を溶融混練してなる樹脂組成物で構成されていることを特徴とする帯電部材である。
【0019】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記高分子型イオン導電材料が、ポリエーテルエステルアミドを含有する化合物であることを特徴とするものである。
【0020】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記グリシジルメタクリレート成分の含有量が、グラフトコポリマーの1〜20重量%であることを特徴とするものである。
【0021】
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれかに記載された発明において、前記(A)及び(B)の配合比が、それぞれ、30〜70重量%及び70〜30重量%であり、かつ、(C)の配合量が、前記(A)及び(B)の合計100重量部に対して、1〜15重量部であることを特徴とするものである。
【0022】
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずれかに記載された発明において、前記保護層の電気抵抗値が、前記電気抵抗調整層の電気抵抗値よりも大きいことを特徴とするものである。
【0023】
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のいずれかに記載された発明において、前記保護層と前記電気抵抗調整層の電気抵抗値の差が、10 Ω・cm以下であることを特徴とするものである。
【0024】
請求項7に記載された発明は、請求項1〜6のいずれかに記載された発明において、前記保護層が、導電性粒子を含有していることを特徴とするものである。
【0025】
請求項8に記載された発明は、請求項1〜7のいずれかに記載された発明において、前記保護層が、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ポリビニルブチラール樹脂から選ばれる樹脂を含有する樹脂組成物で構成されていることを特徴とするものである。
【0026】
請求項9に記載された発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の帯電部材が、被帯電体上に近接配置されるように設けられたことを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0027】
請求項10に記載された発明は、請求項9に記載されたプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す帯電ローラの断面図である。
【0029】
図1において、10は、帯電部材(帯電ローラ)である。帯電部材(帯電ローラ)10は、導電性支持体1の上に形成された電気抵抗調整層2と、該電気抵抗調整層2の表面に被覆された保護層3と、を有している。そして、前記電気抵抗調整層2は、(A)スチレン系熱可塑性樹脂、(B)高分子型イオン導電材料、及び、(C)主鎖にポリカーボネート樹脂を有し、側鎖にアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を有するグラフトコポリマー、を溶融混練してなる樹脂組成物で構成されている。
【0030】
前記(A)のスチレン系熱可塑性樹脂は、スチレン重合体又は共重合体であって、例えば、ポリスチレン(PS)、スチレン−ブタジエン共重合体(HI−PS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、又は、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(ABS)である。
【0031】
前記(B)の高分子型イオン導電材料は、好ましくは、ポリエーテルエステルアミドであって、次の式
【化1】
Figure 2005025021
(式中、R ,R ,R は、炭素数が1〜20のアルキル基である。)
で示される共重合体である。この共重合体は、ポリアミド単位のハード部分とポリエーテル単位のソフト部分からなるものであるが、それ自体は、公知のものである。そして、前記(B)のポリエーテルエステルアミドは、イオン導電性の高分子材料であるので、電気抵抗調整層に要求される電気抵抗値を容易に得ることができる。また、ポリエーテルエステルアミドは、マトリクスポリマー中に分子レベルで均一に分散、固定化され、そのために、導電性顔料を分散した樹脂組成物にみられるような導電性顔料の分散不良に伴う電気抵抗値のばらつきが生じない。さらに、ポリエーテルエステルアミドは、高分子材料であるので、ブリードアウトが生じ難い。
【0032】
前記(C)のグラフトコポリマーにおける主鎖のポリカーボネートは、有極性基及びジオキシ基を有する分子鎖を有しているので、分子間引力が非常に強い。それ故、本発明におけるグラフトコポリマーは、力学的強度、クリープ特性等に優れ、特に、衝撃強度はポリマーと比較してずばぬけて優れている。また、本発明におけるグラフトコポリマーは、比較的低吸水性であるので、吸水変動に伴う体積変動が少ない。本発明の帯電部材は、これらの特性を有するグラフトコポリマーを組成に有する樹脂組成物で構成される電気調整層を有しているので、使用時の機械的、電気的ストレス、並びに、経時及び環境における体積変動によるクラックが生じ難い。
【0033】
また、前記(C)のグラフトコポリマーにおける側鎖に含まれるアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体は、アクリロニトリル成分と、スチレン成分と、反応基であるグリシジルメタクリレート成分とからなる。反応基であるグリシジルメタクリレートは、前記(A)の成分、(B)の成分及び(C)の成分を溶融混練する際の加熱により、エポキシ基が前記(B)のポリエーテルエステルアミドのエステル基やアミノ基と反応し、(B)の成分と強固に化学的結合をする。さらに、前記(C)のアクリロニトリル成分及びスチレン成分は、(A)のスチレン系熱可塑性樹脂との相溶性が良好である。そのため、(C)のグラフトコポリマーは、本来親和性の低い(A)の成分と(B)の成分との間の相溶化剤として機能し、(A)の成分と(B)の成分との分散状態を均一かつ緻密化する。それにより、(A)の成分と(B)の成分との分散不良に伴うウェルド部抵抗の変動や、使用時の電気的・機械的ストレスや経時・環境での体積変動により抵抗調整層のウェルド部分に発生するクラックを抑制することができる。その結果、前記主鎖のポリカーボネートによる効果と合わせて強度的に優れた混練系の樹脂組成物を形成することができる。(C)の成分が(B)の成分と充分な結合を行うためには、グリシジルメタクリレート成分の含有量が、(C)のグラフトコポリマーの1〜15重量%である必要がある。
【0034】
このように、電気抵抗調整層2が、(A)スチレン系熱可塑性樹脂、(B)高分子型イオン導電材料、及び、(C)主鎖にポリカーボネートを有し、側鎖にアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を有するグラフトコポリマー、を溶融混練してなる樹脂組成物で構成されていると、電気抵抗値のばらつき、トナー固着、及び、それらに伴う帯電不良を防止すると共に、機械的強度及び耐久性に優れた帯電部材を提供することができる。そして、クラックの生じ難い帯電部材が得られ、しかも、ブリードアウトに伴う帯電不良等の問題がなく、かつ、抵抗値の環境依存性が小さく、各環境下において優れた帯電部材を得ることができる。
【0035】
本発明においては、前記電気抵抗調整層2の体積固有電気抵抗は、好ましくは、10 〜10 Ωcmである。前記体積固有電気抵抗が10 Ωcmを越えると、帯電部材10の帯電量が不足するので、均一画像を得るのに十分な帯電電位を得ることができなくなる。また、前記体積固有電気抵抗が10 Ωcmよりも低いと、感光体全体への電圧集中(リーク)、及び、異常放電が生じてしまう。それ故、前記電気抵抗調整層2の体積固有電気抵抗が10 〜10 Ωcmであると、均一画像を得るのに十分な帯電電位を得ることができ、しかも、感光体全体への電圧集中(リーク)及び異常放電が生じることがない。また、ローラ電気抵抗の周方向偏差により部分的な画像不良が発生する場合があるので、ローラ電気抵抗の周方向偏差は、0.5オーダー以下に収める必要がある。
【0036】
本発明においては、前記(A)の配合比が、30〜70重量%であると共に、前記(B)の配合比が、70〜30重量%であり、かつ、前記(C)の配合量が、前記(A)及び(B)の合計100重量部に対して、1〜15重量部である。このように、前記(A)の配合比が、30〜70重量%であると共に、前記(B)の配合比が、70〜30重量%であり、かつ、前記(C)の配合量が、前記(A)及び(B)の合計100重量部に対して、1〜15重量部であると、電気抵抗調整層2の体積固有電気抵抗を、好ましいとされる、10 〜10 Ωcmの範囲内に調整することができる。
【0037】
本発明においては、前記樹脂組成物は、前記(A)、(B)及び(C)の混合物を二軸混練機、ニーダー等で溶融混練して均一かつ緻密に分散することによって得られる。本発明における電気抵抗調整層2は、このようにして得られた熱可塑性樹脂組成物を押出成形、射出成形等の手段で導電性支持体1の表面に被覆して、簡単に形成することができる。また、このようにして形成された電気抵抗調整層2は、任意の段階において、その表面を切削及び/又は研削加工をして、所望の表面精度とする。
【0038】
本発明においては、前記保護層3は、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ポリビニルブチラール樹脂から選ばれる樹脂を含有する樹脂組成物で構成されている。このような樹脂は、非粘着性において優れるので、トナー固着性に優れた帯電部材が得られる。
【0039】
また、このような樹脂は、電気的に絶縁性であるので、単体で保護層3を形成すると、帯電ローラとしての特性が得られない。そこで、本発明においては、前記保護層3を形成する樹脂組成物は、導電性粒子を含有している。このような導電性粒子としては、例えば、酸化スズ、酸化鉄等の金属酸化物、及び、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックが好適に用いられるが、本発明の目的に反しないかぎり、それら以外の導電性粒子であってもかまわない。
【0040】
また、樹脂は電気的に絶縁性であるので、樹脂だけで保護層3を形成すると、帯電ローラとしての特性が得られない。そこで、前記樹脂に対してカーボン、金属酸化物等の導電粒子を分散することによって保護層3の電気抵抗を調整する。また、保護層3と電気抵抗調整層2との接着性を向上させるために、前記樹脂にイソシアネート等の反応性硬化剤を分散させてもよい。
【0041】
このように、保護層3を形成する樹脂組成物が導電性粒子を含有していると、前記保護層3の電気抵抗値を容易に調整することができる。前記保護層3の電気抵抗値は、好ましくは、前記電気抵抗調整層2のそれよりも大きくなるように調整される。前記保護層3の電気抵抗値が前記電気抵抗調整層2のそれよりも大きくなるように調整されていると、感光体欠陥部への電圧集中、及び、異常放電(リーク)を回避することができる。ただし、前記保護層3の電気抵抗値を高くしすぎると帯電効率が低下するので、前記保護層3と前記電気抵抗調整層2との電気抵抗値の差は、10 Ωcm以下であることが好ましい。
【0042】
電気抵抗調整層2の上への保護層3の形成は、保護層3を構成する樹脂材料を有機溶媒に分散して塗料を作製し、これをスプレー塗装、ディッピング等の手段で被覆することにより行う。
【0043】
本発明のプロセスカートリッジ(図2の110を参照。)には、請求項1〜8のいずれかに記載の帯電部材(ローラ)10が被帯電体上に近接配置されるように設けられている。そして、本発明の画像形成装置は、このようなプロセスカートリッジを有している。このように、請求項1〜8のいずれかに記載の帯電部材10が被帯電体上に近接配置されるように設けられたプロセスカートリッジとすると、これを有する画像形成装置は、電気抵抗値のばらつき、トナー固着、及び、それらに伴う帯電不良を防止すると共に、機械強度及び耐久性を向上させて、画像不良の発生を防止することができる。
【0044】
本実施の形態においては、帯電部材10を具体化した帯電ローラについて説明したが、本発明における帯電部材10は、本発明の目的に反しない限り、帯電ローラ以外の帯電部材、例えば、ブレードのようなものであってもかまわない。
【0045】
【実施例】
(実施例1)
(A)ABS樹脂(GR−0500、電気化学工業製)50重量%、(B)ポリエーテルエステルアミド(IRGASTAT P18、チバスペシャリティケミカルズ社製)50重量%、及び、(C)ポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーC L440−G、日本油脂社製)を前記の材料の合計100重量部に対して4.5重量部を配合して樹脂組成物とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの芯軸に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した。次いで、この電気抵抗調整層の表面に、アクリルシリコン樹脂(3000VH−P、川上塗料社製)、イソシアネート系硬化剤及び酸化スズ(全固形分に対して60重量%)からなるフッ素樹脂組成物を塗布して、約10μm厚の保護層を形成することにより、直径12mmの帯電ローラを得た。
【0046】
(実施例2)
実施例1と同様に形成した電気抵抗調整層の表面に、フッ素樹脂(ルミフロンLF−600、旭硝子社製)、イソシアネート系硬化剤及び酸化スズ(全固形分に対して60重量%)からなるフッ素樹脂組成物を塗布して、約10μm厚の保護層を形成することにより、直径12mmの帯電ローラを得た。
【0047】
(実施例3)
実施例1と同様に形成した電気抵抗調整層の表面に、ポリアミド樹脂(ダイアミドT−171、ダイセルヒュルス社製)及びカーボンブラック(全固形分に対して10重量%)からなる樹脂組成物を塗布して、約10μm厚の保護層を形成することにより、直径12mmの帯電ローラを得た。
【0048】
(実施例4)
実施例1と同様に形成した電気抵抗調整層の表面に、ポリビニルブチラール樹脂(デンカブチラール3000−K、電気化学工業社製)、イソシアネート硬化剤及び酸化スズ(全固形分に対して60重量%)からなる樹脂組成物を塗布して、約10μm厚の保護層を形成することにより、直径12mmの帯電ローラを得た。
【0049】
(実施例5)
(A)スチレン−ブタジエン共重合体(HI−PS樹脂)(H450、東洋スチレン社製)50重量%、(B)ポリエーテルエステルアミド(IRGASTAT P18、チバスペシャリティケミカルズ社製)50重量%、及び、(C)ポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーC L440−G、日本油脂社製)を前記の材料の合計100重量部に対して10重量部を配合して樹脂組成物とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの芯軸に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した。次いで、この電気抵抗調整層の表面に、フッ素樹脂(ルミフロンLF−600、旭硝子社製)、イソシアネート系硬化剤及び酸化スズ(全固形分に対して60重量%)からなるフッ素樹脂組成物を塗布して、約10μm厚の保護層を形成することにより、直径12mmの帯電ローラを得た。
【0050】
(比較例1)
ポリプロピレン樹脂(MA03、日本ポリケム社製)40重量部にポリエーテルエステルアミド成分を含有するイオン導電性の高分子化合物(IRGASTAT P18、チバスペシャリティケミカルズ社製)60重量部を配合して樹脂組成物とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの芯軸に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した。次いで、この電気抵抗調整層の表面に、アクリルシリコン樹脂(3000VH−P、川上塗料社製)、イソシアネート系硬化剤及び酸化スズ(全固形分に対して60重量%)からなるフッ素樹脂組成物を塗布して、約10μm厚の保護層を形成することにより、直径12mmの帯電ローラを得た。
【0051】
(比較例2)
ポリプロピレン樹脂(MA03、日本ポリケム社製)50重量部に四級アンモニウム塩基を含有するイオン導電性の高分子化合物(レオレックスAS−1720、第一工業製薬社製、)50重量部を配合して樹脂組成物とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの芯軸に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した。次いで、この電気抵抗調整層の表面に、フッ素樹脂(ルミフロンLF−600、旭硝子社製)、イソシアネート系硬化剤及び酸化スズ(全固形分に対して60重量%)からなるフッ素樹脂組成物を塗布して、約10μm厚の保護層を形成することにより、直径12mmの帯電ローラを得た。
【0052】
(比較例3)
エピクロルヒドリンゴム(エピクロマーCG、ダイソー社製)100重量部に過塩素酸アンモニウム3重量部を配合してゴム組成物とし、このゴム組成物をステンレスからなる直径8mmの芯軸に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した。次いで、この電気抵抗調整層の表面に、ポリビニルブチラール樹脂(デンカブチラール3000−K、電気化学工業社製)、イソシアネート系硬化剤及び酸化スズ(全固形分に対して60重量%)からなる樹脂組成物を塗布して、約10μm厚の保護層を形成することにより、直径12mmの帯電ローラを得た。
【0053】
(比較例4)
ABS樹脂(GR−1500、電気化学工業社製)100重量部に導電性カーボンブラック(ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックインターナショナル社製)15重量部を配合して樹脂組成物とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの芯軸に射出成形により被覆して電気抵抗調整層を形成した。次いで、この電気抵抗調整層の表面に、ポリアミド樹脂(ダイアミドT−171、ダイセルヒュルス社製)及びカーボンブラック(全固形分に対して10重量%)からなる樹脂組成物を塗布して、約10μm厚の保護層を形成することにより、直径12mmの帯電ローラを得た。
【0054】
(比較例5)
ABS樹脂(GR−1500、電気化学工業社製)100重量部に過塩素酸リチウム3重量部を配合して樹脂組成物とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの芯軸に射出成形により被覆して電気抵抗調整層を形成した。次いで、この電気抵抗調整層の表面に、ポリビニルブチラール樹脂(デンカブチラール3000−K、電気化学工業社製)、イソシアネート系硬化剤及び酸化スズ(全固形分に対して60重量%)からなる樹脂組成物を塗布して、約10μm厚の保護層を形成することにより、直径12mmの帯電ローラを得た。
【0055】
以上、実施例1〜5及び比較例1〜5で得られた帯電ローラについて、次の試験を行った。
【0056】
(試験1)
実施例1〜5及び比較例1〜5で得られた帯電ローラについて、成形後のローラのウェルド発生状態を目視にて確認したところ、実施例1〜5では、目視でウェルドを確認することができなかったが、比較例1、2では、ローラ軸方向に顕著なウェルドが確認された。
【0057】
(試験2)
実施例1〜5及び比較例1〜5で得られた帯電ローラについて、ローラ電気抵抗の周方向変動状態を測定した。評価環境を23℃60%RHとし、そして、印加電圧を500Vとした。試験結果は、次の表1に示される。
【0058】
【表1】
Figure 2005025021
【0059】
表1より、実施例1〜5の帯電ローラでは、周方向偏差が0.5オーダー以下であったが、比較例1、2、4のローラでは、周方向偏差が0.5オーダー以上になったことがわかる。
【0060】
(試験3)
図2に示される画像形成装置を使用して、23℃60%RHの環境において、300,000枚の複写を行い、ローラ割れが発生するまでの耐久枚数を調べた。この際、帯電ローラの両端部に空隙規制部材としてスペーサテープを貼りつけ、帯電ローラと感光体との間の空隙を50μとなるように配置させた。また、帯電ローラに印加する電圧は、DC=−800V、AC=2400Vpp(周波数=2KHz)とした。試験結果は、次の表2に示される。
【0061】
【表2】
Figure 2005025021
【0062】
表2より次のことがわかる。即ち、実施例1〜5のローラでは、300,000枚の複写で割れが発生しなかったが、比較例1、2のローラでは割れが発生した。
【0063】
(試験4)
図2に示される画像形成装置を使用して、感光体の「感光体の帯電電位」を測定し、そして、画像評価を「部分的帯電不良(画像ムラ)の有無」及び「感光体欠陥部への異常放電有無」によって行った。この際、帯電ローラの両端部に空隙規制部材としてスペーサテープを貼りつけ、帯電ローラと感光体との間の空隙を50μとなるように配置させた。また、帯電ローラに印加する電圧は、DC=−800V、AC=2400Vpp(周波数=2KHz)とし、そして、評価環境は、23℃60%RHとした。
そして、感光体欠陥部への電圧集中、及び、異常放電(リーク)によって生じる異常画像の有無を評価した。
次いで、100,000枚の連続複写を行って、ローラ表面へのトナー固着評価及び画像評価を行った。評価環境は、いずれも、23℃50%RHとした。
以上の試験結果は、次の表3に示される。
【0064】
【表3】
Figure 2005025021
【0065】
表3より次のことがわかる。即ち、実施例1〜5の帯電ローラは、全項目で良好な結果が得られたが、比較例3〜5のローラでは不具合が見られた。
【0066】
(試験5)
前記試験4と同様に、図2に示される画像形成装置を使用して、感光体の「帯電電位」及び「画像評価」を行った。また、感光体欠陥部への電圧集中、異常放電(リーク)によって生じる異常画像の有無の評価も行った。評価環境は、10℃15%RH及び30℃90%RHとした。
試験結果は、次の表4,5に示される。
【0067】
【表4】
Figure 2005025021
【0068】
【表5】
Figure 2005025021
【0069】
表4,5より次のことがわかる。即ち、実施例1〜5の帯電ローラは、各環境下で良好な結果が得られたが、比較例2〜5は低温低湿(10℃15%RH)時、及び、高温高湿(30℃90%RH)時に画像上の不具合が見られた。
【0070】
【発明の効果】
(1)請求項1に記載された発明によれば、電気抵抗調整層が、(A)スチレン系熱可塑性樹脂、(B)高分子型イオン導電材料、及び、(C)主鎖にポリカーボネートを有し、側鎖にアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を有するグラフトコポリマー、を溶融混練してなる樹脂組成物で構成されているので、電気抵抗値のばらつき、トナー固着、及び、それらに伴う帯電不良を防止すると共に、機械的強度及び耐久性に優れた帯電部材を提供することができる。そして、請求項1に記載された発明によれば、クラックの生じ難い帯電部材が得られ、しかも、ブリードアウトに伴う帯電不良等の問題がなく、かつ、抵抗値の環境依存性が小さく、各環境下において優れた帯電部材を得ることができる。
【0071】
(2)請求項2に記載された発明によれば、高分子型イオン導電材料がポリエーテルエステルアミドを含有する化合物であるので、電気抵抗調整層に要求される電気抵抗値を容易に得ることができる。また、ポリエーテルエステルアミドがマトリクスポリマー中に分子レベルで均一に分散、固定化され、そのために、導電性顔料を分散した樹脂組成物にみられるような導電性顔料の分散不良に伴う電気抵抗値のばらつきが生じない。さらに、ポリエーテルエステルアミドは高分子材料であるので、ブリードアウトも生じ難い。
【0072】
(3)請求項3に記載された発明によれば、グリシジルメタクリレート成分の含有量がグラフトコポリマーの1〜15重量%であるので、本来親和性の低い(A)と(B)との間の相溶化剤として機能して、(A)及び(B)の分散状態を均一かつ緻密化し、そのために、側鎖に含まれるアクリロニトリル成分及びスチレン成分は、(A)及び(B)の分散不良に伴うウェルド部電気抵抗の変動、使用時の電気的・機械的ストレス、又は、経時・環境での体積変動により電気抵抗調整層のウェルド部分に発生するクラックを抑制することができる。
【0073】
(4)請求項4に記載された発明によれば、(A)の配合比が、30〜70重量%であると共に、(B)の配合比が、70〜30重量%であり、かつ、(C)の配合量が、(A)及び(B)の合計100重量部に対して、1〜15重量部であるので、電気抵抗調整層2の体積固有電気抵抗を、好ましいとされる、10 〜10 Ωcmの範囲内に調整することができる。
【0074】
(5)請求項5に記載された発明によれば、保護層の電気抵抗値が電気抵抗調整層のそれよりも大きくなるように調整されているので、感光体欠陥部への電圧集中、及び、異常放電(リーク)を回避することができる。
(6)請求項6に記載された発明によれば、保護層と電気抵抗調整層との電気抵抗値の差が10 Ωcm以下であるので、帯電効率の低下を防ぐことができる。
【0075】
(7)請求項7に記載された発明によれば、保護層が導電性粒子を含有しているので、保護層の電気抵抗値を容易に調整することができる。
(8)請求項8に記載された発明によれば、保護層がアクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ポリビニルブチラール樹脂から選ばれる樹脂を含有する樹脂組成物で構成されているので、このような樹脂が非粘着性において優れていることにより、トナー固着性に優れた帯電部材が得られる。
【0076】
(9)請求項9,10に記載された発明によれば、請求項1〜8のいずれかに記載の帯電部材が被帯電体上に近接配置されるように設けられたプロセスカートリッジとするので、これを有する画像形成装置は、電気抵抗値のばらつき、トナー固着、及び、それらに伴う帯電不良を防止すると共に、機械強度及び耐久性を向上させて、画像不良の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す帯電ローラの断面図である。
【図2】従来の帯電ローラ方式の画像形成装置の説明図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体
2 電気抵抗調整層
3 保護層
10 帯電部材(帯電ローラ)

Claims (10)

  1. 導電性支持体上に形成された電気抵抗調整層と、該電気抵抗調整層の表面に被覆された保護層と、を有する帯電部材において、前記電気抵抗調整層が、(A)スチレン系熱可塑性樹脂、(B)高分子型イオン導電材料、及び、(C)主鎖にポリカーボネートを有し、側鎖にアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を有するグラフトコポリマー、を溶融混練してなる樹脂組成物で構成されていることを特徴とする帯電部材。
  2. 前記高分子型イオン導電材料が、ポリエーテルエステルアミドを含有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記グリシジルメタクリレート成分の含有量が、グラフトコポリマーの1〜15重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電部材。
  4. 前記(A)及び(B)の配合比が、それぞれ、30〜70重量%及び70〜30重量%であり、かつ、(C)の配合量が、前記(A)及び(B)の合計100重量部に対して、1〜15重量部であることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれかに記載の帯電部材。
  5. 前記保護層の電気抵抗値が、前記電気抵抗調整層の電気抵抗値よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の帯電部材。
  6. 前記保護層と前記電気抵抗調整層の電気抵抗値の差が、10 Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の帯電部材。
  7. 前記保護層が、導電性粒子を含有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の帯電部材。
  8. 前記保護層が、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ポリビニルブチラール樹脂から選ばれる樹脂を含有する樹脂組成物で構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の帯電部材。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の帯電部材が、被帯電体上に近接配置されるように設けられたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 請求項9に記載されたプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。
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