JP2005023601A - 屋根構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な施工で屋根の意匠性を向上させる。
【解決手段】屋根面2上に基本屋根材3と、この基本屋根材3よりも大きな拡張屋根材4とが複数葺かれている屋根構造であって、屋根面2上に葺かれている拡張屋根材4の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法L3は、基本屋根材3の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法L1の整数倍とされていると共に、拡張屋根材4の屋根流れ方向の働き寸法L4は、基本屋根材3の屋根流れ方向の働き寸法L2の整数倍とする。
【選択図】 図1
【解決手段】屋根面2上に基本屋根材3と、この基本屋根材3よりも大きな拡張屋根材4とが複数葺かれている屋根構造であって、屋根面2上に葺かれている拡張屋根材4の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法L3は、基本屋根材3の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法L1の整数倍とされていると共に、拡張屋根材4の屋根流れ方向の働き寸法L4は、基本屋根材3の屋根流れ方向の働き寸法L2の整数倍とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、屋根材を使用して建物の屋根を構成したものとして、例えば、図12、13示すような屋根構造がある。
図12に示すような、屋根構造20は、屋根面21に複数の屋根材22が軒先Aから棟先Bにかけて格子状に屋根流れ方向に葺かれている構造である。この屋根を構成している各屋根材22は、長方形板状に形成されており、互いの屋根材22の大きさは同じとなっている(例えば、特許文献1)。また、図13に示す屋根構造30は、屋根面31状に同じ大きさの複数の屋根材32が軒先Aから棟先Bにかけて千鳥状に屋根流れ方向に葺かれている構造である。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−25859号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図12に示すような従来の屋根では、屋根面21に葺かれている複数の屋根材22の大きさがそれぞれ同じ大きさであるために、屋根の目地が格子状で一様であり、単調な屋根となっていた。また、図13に示すような従来の屋根においても、屋根面31に葺かれている複数の屋根材32の大きさがそれぞれ同じ大きさであるために、屋根の目地が格子状で一様であり、単調な屋根となっていた。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、簡単な施工で屋根の意匠性を向上させることができる屋根構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、屋根面上に基本屋根材と、この基本屋根材よりも大きな拡張屋根材とが複数葺かれている屋根構造であって、前記屋根面上に葺かれている拡張屋根材の屋根流れ方向の働き寸法は、基本屋根材の屋根流れ方向の働き寸法の整数倍とされていると共に、拡張屋根材の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法は、基本屋根材の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法の整数倍とされているいる点にある。
【0006】
また、本発明の技術的手段は、前記複数の基本屋根材、又は複数の拡張屋根材のうちの一部は、他の基本屋根材、又は他の拡張屋根材と異なる色が着色されている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る第1の実施の形態の屋根構造を示している。なお、図1、4〜6に図示している、矢印a側を棟側とし、矢印b側を軒側とする。
図1に示すように、この屋根1は、屋根面2上に大きさの異なる大小の基本屋根材3と拡張屋根材4とが複数枚ずつ葺かれている構造となっている。
基本屋根材3(小屋根材)は、拡張屋根材4(大屋根材)よりも小さく形成されており、拡張屋根材4は基本屋根材3の大きさを基準として大きさが決められている。
【0008】
図2、図3(a)に示すように、基本屋根材3は、金属又は樹脂等で長方形板状に形成されており、基本屋根材3の長辺縁部の一方は表面側に折り返されて表側係止部9aが形成され、長辺縁部の他方は裏面側に折り返されて裏側係止部10aが形成されている。また、基本屋根材3の短辺縁部の一方は表面側に折り返されて表側係止部9bが形成され、短辺縁部の他方は裏面側に折り返されて裏側係止部10bが形成されており、これらにより、屋根材3、4同士が互いに連結可能となっている。
【0009】
なお、この基本屋根材3が屋根面2に葺かれた際に、基本屋根材3の表面うち屋根として働く部分(露出部分)を屋根働き面11としており、この屋根働き面11の長手方向の長さL1(屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法)及び幅方向の長さL2(屋根流れ方向の働き寸法)は所定の寸法に定められている。
図2、図3(b)に示すように、拡張屋根材4は、基本屋根材3と同様に表側係止部9a、9bと、裏側係止部10a、10bと、屋根働き面11とが形成されており、拡張屋根材4の屋根働き面11の長手方向の寸法L3(屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法)は、基本屋根材3の屋根働き面11の長手方向の寸法L1の整数倍(例えば2倍)に設定されている。また、拡張屋根材4の屋根働き面11の幅方向の寸法L4(屋根流れ方向の働き寸法)は、基本屋根材3の屋根働き面11の幅方向の寸法L2の整数倍(例えば2倍)に設定されている。
【0010】
したがって、この実施の形態における屋根1を構成する拡張屋根材4の屋根働き面11の面積は、基本屋根材3の屋根働き面11の4倍となっており、図1に示すように基本屋根材3の短辺縁部を互いに屋根流れ方向と直交する方向に2枚連結し、基本屋根材3の長辺縁部を屋根流れ方向に2枚それぞれ連結することによって、拡張屋根材4と同じ大きさの連結屋根材5を構成することができるようになっている。
そして、拡張屋根材4と同じ大きさの連結屋根材5と、拡張屋根材4とを屋根面2上において屋根流れ方向と直交する方向及び屋根流れ方向に交互に葺くことによって、図1のような屋根1を構成することができる。
【0011】
また、連結屋根材5と拡張屋根材4とは、同じ大きさであるため、上記のように交互に配置するだけでなく、図4に示すように、軒先から棟先にかけて段ごとに連結屋根材5と拡張屋根材4とを交互に葺くことも可能である。
次に、基本屋根材3及び拡張屋根材4を屋根面2に取り付ける金具と、その金具を用いて各屋根材3、4を屋根面2に取り付ける施工方法について説明する。
図5〜7に示すように、屋根面2上に葺かれる基本屋根材3及び拡張屋根材4(連結屋根材5)は、吊り子金具14により屋根面2に固定されるようになっており、各屋根材3、4は軒先側から棟側に向かって葺き上げられている。
【0012】
各屋根材3、4を屋根面2に固定する吊り子金具14は、金属製の帯片をクランク状に折り曲げることによって形成したもので、その先端部には屋根材3、4を係止する係止部15が形成され、その後端部には屋根面3に取り付ける取付部16が形成されている。
図1に示すように、基本屋根材3及び拡張屋根材4を屋根面2に葺くには、例えば、図5に示すように、野路板17上に防水シートを貼り付けた屋根面2に、拡張屋根材4の表側係止部9aが棟側になるように拡張屋根材4を配置し、図7に示すように、この拡張屋根材4の表側係止部9aに吊り子金具14の係止部15を係止した後、吊り子金具14の取付部16を釘18等により屋根面2上に固定して拡張屋根材4を屋根面2に取り付ける。その後、拡張屋根材4に連結する右側の基本屋根材3(3a)と拡張屋根材4との軒先側の出面を合わせながら、右側の基本屋根材3(3a)の裏側係止部10bを拡張屋根材4の表側係止部9bに係止して、屋根流れ方向と直交する方向に拡張屋根材4と基本屋根材3とを連結する。
【0013】
そして、拡張屋根材4と連結した基本屋根材3(3a)を拡張屋根材4と同様に、吊り子金具14により固定した後、その基本屋根材3(3a)の表側係止部9aに別の基本屋根材3(3b)の裏側係止部10aを上側(棟側)から係止すると共に、図8に示すように拡張屋根材4の表側係止部9bに基本屋根材3(3b)の裏側係止部10bを係止する。
したがって、基本屋根材3の幅方向の働き寸法L2を基準として拡張屋根材4の幅方向の寸法L4を2倍に設定しているので、上記の如く、屋根流れ方向に基本屋根材3a、3bを連結したとき、基本屋根材3bの棟側端部とそれに隣り合う拡張屋根材4の棟側端部との出面が略一致する。
【0014】
即ち、拡張屋根材4の屋根流れ方向の働き寸法L4を基本屋根材3の屋根流れ方向の働き寸法L2の整数倍にすることで、大きさの異なる屋根材3、4を屋根面2に葺き上げた場合でも、屋根流れ方向と直交する方向の屋根の目地を直線状に揃えることができる。
さらに、基本屋根材3a、3bを連結したときに、基本屋根材3a、3bで構成される屋根の目地を拡張屋根材4の短辺の略中間に位置することができる。
また、拡張屋根材4と基本屋根材3とを屋根流れ方向に連結する場合は、図6に示すように、例えば、拡張屋根材4と連結する基本屋根材3cのけらば側の出面と拡張屋根材4の出面とを合わせて、基本屋根材3cと拡張屋根材4とを連結し、その後、屋根流れ方向と直交する方向に基本屋根材3cと基本屋根材3dとを連結すると共に、この基本屋根材3dと拡張屋根材4とを連結すればよい。
【0015】
したがって、基本屋根材3の長手方向の働き寸法L1を基準として拡張屋根材4の長手方向の寸法L3を2倍に設定しているので、上記の如く、基本屋根材3cと基本屋根材3dとを屋根流れ方向と直交する方向に連結したとき、基本屋根材3cの右側端部と拡張屋根材4の右側端部との出面が略一致する。
即ち、拡張屋根材4の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法L3を基本屋根材3の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法L1の整数倍にすることで、大きさの異なる屋根材3、4を屋根面2に葺き上げた場合でも、屋根流れ方向の屋根の目地を直線状に揃えることができる。
【0016】
以上、第1の実施の形態によれば、大きさの異なる大小の屋根材3、4を簡単に屋根面2に葺き上げることができ、しかも、同一の大きさの屋根材3が葺かれている屋根に比べて、大小の屋根材3、4の組み合わせができるので、意匠性が向上し、屋根の自由性の高い外観を得ることができる。
また、このように大小の屋根材3、4を屋根面2に葺くことによって、屋根の目地を変化させることが可能となる。
さらに、基本屋根材3の屋根流れ方向の屋根働き寸法L2及び屋根流れ方向と直交する方向の屋根働き寸法L1を基準として、拡張屋根材4の屋根流れ方向の屋根働き寸法L4及び屋根流れ方向と直交する方向の屋根働き寸法L3が整数倍に設定されているので、各屋根材3、4を連結する場合、屋根の目地合わせが簡単にすることができる。
【0017】
次に、本発明に係る第2の実施の形態の屋根構造について説明する。
図9に示すように、基本屋根材3の構成は、第1の実施の形態と同じであり、拡張屋根材4の構成が異なっている。
この拡張屋根材4の屋根働き面11の屋根流れ方向の働き寸法L4は、基本屋根材3の屋根働き面11の屋根流れ方向の寸法L2の整数倍(5倍)に設定されている。また、拡張屋根材4の屋根働き面11の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法L3は、基本屋根材3の屋根働き面11の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法L1の整数倍(1倍)に設定されている。
【0018】
したがって、基本屋根材3を屋根流れ方向に5枚連結することによって拡張屋根材4と同じ大きさの連結屋根材5を構成することができる。
そして、この連結屋根材5と拡張屋根材4と基本屋根材3とを組み合わせて連結することによって、図9に示すような屋根を構成することができる。
次に、本発明に係る第3の実施の形態の屋根構造について説明する。
図10に示すように、基本屋根材及び拡張屋根材の構成は第1の実施の形態と同じであり、複数の基本屋根材3、又は複数の拡張屋根材4のうちの一部は、他の基本屋根材3、又は他の拡張屋根材4と異なる色が着色されている。なお、図10おいて、各屋根材3、4の右下に付している番号は各屋根材3、4の色を示しており、(1)は茶色、(2)は黒色、(3)は緑色を示している。
【0019】
例えば、屋根の棟側最上段の左側の基本屋根材3eの屋根面11には、茶色系(ブラウン)が着色され、その基本屋根材3eに屋根流れ方向と直交する方向に隣合う基本屋根材3fの屋根面11には、黒色系(ブラック)が着色されている。また、屋根の棟側最上段の拡張屋根材4の屋根面11には、緑色系(グリーン)が着色されており、他の各基本屋根材3や各拡張屋根材4にも、屋根面11に色が着色されている。
したがって、各基本屋根材3や各拡張屋根材4の1枚ごとに様々な色が着色され、基本屋根材3と拡張屋根材4には、異なる色が着色されていることから屋根面2の全体の色彩が多様になり、バラエティに富んだ意匠性のある屋根を構成することができる。
【0020】
また、色の異なる基本屋根材3と、拡張屋根材4とを交互に入れ替えれば、これにより、屋根全体の色彩を変化させることができる。
なお、各基本屋根材3や各拡張屋根材4に着色する色は、上記に限らず、赤色系(レッド)、灰色系(グレイ)等、その他の色であってもよい。
本発明は、上記記載の実施の形態に限定されることなく適宜に設計変更が可能である。上記実施の形態では、1つの屋根につき、1種類の基本屋根材3とこの基本屋根材3を基準として1種類の拡張屋根材4を構成したが、拡張屋根材4は、1つの屋根につき1種類だけでなく数種類の拡張屋根材4であってもよい。例えば、図11に示すように、1つの基本屋根材3と2種類の拡張屋根材4を用いて屋根を構成してもよい。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、屋根の意匠性を向上させることができる屋根構造を提供することができ、しかも、複数の基本屋根材を連結することによって、拡張屋根材と同じ大きさの屋根材を構成することができるので、屋根の目地を揃え易く、拡張屋根材と基本屋根材との連結も容易になすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す屋根構造の平面図である。
【図2】同屋根構造を構成する屋根材の斜視図である。
【図3】a)同基本屋根材の平面図である。b)同拡張屋根材の平面図である。
【図4】同屋根材の他の配置図である。
【図5】同屋根材を屋根面に取り付ける説明図である。
【図6】同拡張屋根材の廻りに基本屋根材を取り付けた平面図である。
【図7】図1のY−Y断面図である。
【図8】図1のX−X断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示す屋根構造の平面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態を示す屋根構造の平面図である。
【図11】1つの屋根に対して2種類の拡張屋根材を葺いた屋根構造の平面図である。
【図12】従来の屋根構造の平面図である。
【図13】従来の屋根構造の平面図である。
【符号の説明】
1 屋根構造
2 屋根面
3 基本屋根材
4 拡張屋根材
L1 基本屋根材の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法
L2 基本屋根材の屋根流れ方向の働き寸法
L3 拡張屋根材の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法
L4 拡張屋根材の屋根流れ方向の働き寸法
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、屋根材を使用して建物の屋根を構成したものとして、例えば、図12、13示すような屋根構造がある。
図12に示すような、屋根構造20は、屋根面21に複数の屋根材22が軒先Aから棟先Bにかけて格子状に屋根流れ方向に葺かれている構造である。この屋根を構成している各屋根材22は、長方形板状に形成されており、互いの屋根材22の大きさは同じとなっている(例えば、特許文献1)。また、図13に示す屋根構造30は、屋根面31状に同じ大きさの複数の屋根材32が軒先Aから棟先Bにかけて千鳥状に屋根流れ方向に葺かれている構造である。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−25859号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図12に示すような従来の屋根では、屋根面21に葺かれている複数の屋根材22の大きさがそれぞれ同じ大きさであるために、屋根の目地が格子状で一様であり、単調な屋根となっていた。また、図13に示すような従来の屋根においても、屋根面31に葺かれている複数の屋根材32の大きさがそれぞれ同じ大きさであるために、屋根の目地が格子状で一様であり、単調な屋根となっていた。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、簡単な施工で屋根の意匠性を向上させることができる屋根構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、屋根面上に基本屋根材と、この基本屋根材よりも大きな拡張屋根材とが複数葺かれている屋根構造であって、前記屋根面上に葺かれている拡張屋根材の屋根流れ方向の働き寸法は、基本屋根材の屋根流れ方向の働き寸法の整数倍とされていると共に、拡張屋根材の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法は、基本屋根材の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法の整数倍とされているいる点にある。
【0006】
また、本発明の技術的手段は、前記複数の基本屋根材、又は複数の拡張屋根材のうちの一部は、他の基本屋根材、又は他の拡張屋根材と異なる色が着色されている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る第1の実施の形態の屋根構造を示している。なお、図1、4〜6に図示している、矢印a側を棟側とし、矢印b側を軒側とする。
図1に示すように、この屋根1は、屋根面2上に大きさの異なる大小の基本屋根材3と拡張屋根材4とが複数枚ずつ葺かれている構造となっている。
基本屋根材3(小屋根材)は、拡張屋根材4(大屋根材)よりも小さく形成されており、拡張屋根材4は基本屋根材3の大きさを基準として大きさが決められている。
【0008】
図2、図3(a)に示すように、基本屋根材3は、金属又は樹脂等で長方形板状に形成されており、基本屋根材3の長辺縁部の一方は表面側に折り返されて表側係止部9aが形成され、長辺縁部の他方は裏面側に折り返されて裏側係止部10aが形成されている。また、基本屋根材3の短辺縁部の一方は表面側に折り返されて表側係止部9bが形成され、短辺縁部の他方は裏面側に折り返されて裏側係止部10bが形成されており、これらにより、屋根材3、4同士が互いに連結可能となっている。
【0009】
なお、この基本屋根材3が屋根面2に葺かれた際に、基本屋根材3の表面うち屋根として働く部分(露出部分)を屋根働き面11としており、この屋根働き面11の長手方向の長さL1(屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法)及び幅方向の長さL2(屋根流れ方向の働き寸法)は所定の寸法に定められている。
図2、図3(b)に示すように、拡張屋根材4は、基本屋根材3と同様に表側係止部9a、9bと、裏側係止部10a、10bと、屋根働き面11とが形成されており、拡張屋根材4の屋根働き面11の長手方向の寸法L3(屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法)は、基本屋根材3の屋根働き面11の長手方向の寸法L1の整数倍(例えば2倍)に設定されている。また、拡張屋根材4の屋根働き面11の幅方向の寸法L4(屋根流れ方向の働き寸法)は、基本屋根材3の屋根働き面11の幅方向の寸法L2の整数倍(例えば2倍)に設定されている。
【0010】
したがって、この実施の形態における屋根1を構成する拡張屋根材4の屋根働き面11の面積は、基本屋根材3の屋根働き面11の4倍となっており、図1に示すように基本屋根材3の短辺縁部を互いに屋根流れ方向と直交する方向に2枚連結し、基本屋根材3の長辺縁部を屋根流れ方向に2枚それぞれ連結することによって、拡張屋根材4と同じ大きさの連結屋根材5を構成することができるようになっている。
そして、拡張屋根材4と同じ大きさの連結屋根材5と、拡張屋根材4とを屋根面2上において屋根流れ方向と直交する方向及び屋根流れ方向に交互に葺くことによって、図1のような屋根1を構成することができる。
【0011】
また、連結屋根材5と拡張屋根材4とは、同じ大きさであるため、上記のように交互に配置するだけでなく、図4に示すように、軒先から棟先にかけて段ごとに連結屋根材5と拡張屋根材4とを交互に葺くことも可能である。
次に、基本屋根材3及び拡張屋根材4を屋根面2に取り付ける金具と、その金具を用いて各屋根材3、4を屋根面2に取り付ける施工方法について説明する。
図5〜7に示すように、屋根面2上に葺かれる基本屋根材3及び拡張屋根材4(連結屋根材5)は、吊り子金具14により屋根面2に固定されるようになっており、各屋根材3、4は軒先側から棟側に向かって葺き上げられている。
【0012】
各屋根材3、4を屋根面2に固定する吊り子金具14は、金属製の帯片をクランク状に折り曲げることによって形成したもので、その先端部には屋根材3、4を係止する係止部15が形成され、その後端部には屋根面3に取り付ける取付部16が形成されている。
図1に示すように、基本屋根材3及び拡張屋根材4を屋根面2に葺くには、例えば、図5に示すように、野路板17上に防水シートを貼り付けた屋根面2に、拡張屋根材4の表側係止部9aが棟側になるように拡張屋根材4を配置し、図7に示すように、この拡張屋根材4の表側係止部9aに吊り子金具14の係止部15を係止した後、吊り子金具14の取付部16を釘18等により屋根面2上に固定して拡張屋根材4を屋根面2に取り付ける。その後、拡張屋根材4に連結する右側の基本屋根材3(3a)と拡張屋根材4との軒先側の出面を合わせながら、右側の基本屋根材3(3a)の裏側係止部10bを拡張屋根材4の表側係止部9bに係止して、屋根流れ方向と直交する方向に拡張屋根材4と基本屋根材3とを連結する。
【0013】
そして、拡張屋根材4と連結した基本屋根材3(3a)を拡張屋根材4と同様に、吊り子金具14により固定した後、その基本屋根材3(3a)の表側係止部9aに別の基本屋根材3(3b)の裏側係止部10aを上側(棟側)から係止すると共に、図8に示すように拡張屋根材4の表側係止部9bに基本屋根材3(3b)の裏側係止部10bを係止する。
したがって、基本屋根材3の幅方向の働き寸法L2を基準として拡張屋根材4の幅方向の寸法L4を2倍に設定しているので、上記の如く、屋根流れ方向に基本屋根材3a、3bを連結したとき、基本屋根材3bの棟側端部とそれに隣り合う拡張屋根材4の棟側端部との出面が略一致する。
【0014】
即ち、拡張屋根材4の屋根流れ方向の働き寸法L4を基本屋根材3の屋根流れ方向の働き寸法L2の整数倍にすることで、大きさの異なる屋根材3、4を屋根面2に葺き上げた場合でも、屋根流れ方向と直交する方向の屋根の目地を直線状に揃えることができる。
さらに、基本屋根材3a、3bを連結したときに、基本屋根材3a、3bで構成される屋根の目地を拡張屋根材4の短辺の略中間に位置することができる。
また、拡張屋根材4と基本屋根材3とを屋根流れ方向に連結する場合は、図6に示すように、例えば、拡張屋根材4と連結する基本屋根材3cのけらば側の出面と拡張屋根材4の出面とを合わせて、基本屋根材3cと拡張屋根材4とを連結し、その後、屋根流れ方向と直交する方向に基本屋根材3cと基本屋根材3dとを連結すると共に、この基本屋根材3dと拡張屋根材4とを連結すればよい。
【0015】
したがって、基本屋根材3の長手方向の働き寸法L1を基準として拡張屋根材4の長手方向の寸法L3を2倍に設定しているので、上記の如く、基本屋根材3cと基本屋根材3dとを屋根流れ方向と直交する方向に連結したとき、基本屋根材3cの右側端部と拡張屋根材4の右側端部との出面が略一致する。
即ち、拡張屋根材4の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法L3を基本屋根材3の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法L1の整数倍にすることで、大きさの異なる屋根材3、4を屋根面2に葺き上げた場合でも、屋根流れ方向の屋根の目地を直線状に揃えることができる。
【0016】
以上、第1の実施の形態によれば、大きさの異なる大小の屋根材3、4を簡単に屋根面2に葺き上げることができ、しかも、同一の大きさの屋根材3が葺かれている屋根に比べて、大小の屋根材3、4の組み合わせができるので、意匠性が向上し、屋根の自由性の高い外観を得ることができる。
また、このように大小の屋根材3、4を屋根面2に葺くことによって、屋根の目地を変化させることが可能となる。
さらに、基本屋根材3の屋根流れ方向の屋根働き寸法L2及び屋根流れ方向と直交する方向の屋根働き寸法L1を基準として、拡張屋根材4の屋根流れ方向の屋根働き寸法L4及び屋根流れ方向と直交する方向の屋根働き寸法L3が整数倍に設定されているので、各屋根材3、4を連結する場合、屋根の目地合わせが簡単にすることができる。
【0017】
次に、本発明に係る第2の実施の形態の屋根構造について説明する。
図9に示すように、基本屋根材3の構成は、第1の実施の形態と同じであり、拡張屋根材4の構成が異なっている。
この拡張屋根材4の屋根働き面11の屋根流れ方向の働き寸法L4は、基本屋根材3の屋根働き面11の屋根流れ方向の寸法L2の整数倍(5倍)に設定されている。また、拡張屋根材4の屋根働き面11の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法L3は、基本屋根材3の屋根働き面11の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法L1の整数倍(1倍)に設定されている。
【0018】
したがって、基本屋根材3を屋根流れ方向に5枚連結することによって拡張屋根材4と同じ大きさの連結屋根材5を構成することができる。
そして、この連結屋根材5と拡張屋根材4と基本屋根材3とを組み合わせて連結することによって、図9に示すような屋根を構成することができる。
次に、本発明に係る第3の実施の形態の屋根構造について説明する。
図10に示すように、基本屋根材及び拡張屋根材の構成は第1の実施の形態と同じであり、複数の基本屋根材3、又は複数の拡張屋根材4のうちの一部は、他の基本屋根材3、又は他の拡張屋根材4と異なる色が着色されている。なお、図10おいて、各屋根材3、4の右下に付している番号は各屋根材3、4の色を示しており、(1)は茶色、(2)は黒色、(3)は緑色を示している。
【0019】
例えば、屋根の棟側最上段の左側の基本屋根材3eの屋根面11には、茶色系(ブラウン)が着色され、その基本屋根材3eに屋根流れ方向と直交する方向に隣合う基本屋根材3fの屋根面11には、黒色系(ブラック)が着色されている。また、屋根の棟側最上段の拡張屋根材4の屋根面11には、緑色系(グリーン)が着色されており、他の各基本屋根材3や各拡張屋根材4にも、屋根面11に色が着色されている。
したがって、各基本屋根材3や各拡張屋根材4の1枚ごとに様々な色が着色され、基本屋根材3と拡張屋根材4には、異なる色が着色されていることから屋根面2の全体の色彩が多様になり、バラエティに富んだ意匠性のある屋根を構成することができる。
【0020】
また、色の異なる基本屋根材3と、拡張屋根材4とを交互に入れ替えれば、これにより、屋根全体の色彩を変化させることができる。
なお、各基本屋根材3や各拡張屋根材4に着色する色は、上記に限らず、赤色系(レッド)、灰色系(グレイ)等、その他の色であってもよい。
本発明は、上記記載の実施の形態に限定されることなく適宜に設計変更が可能である。上記実施の形態では、1つの屋根につき、1種類の基本屋根材3とこの基本屋根材3を基準として1種類の拡張屋根材4を構成したが、拡張屋根材4は、1つの屋根につき1種類だけでなく数種類の拡張屋根材4であってもよい。例えば、図11に示すように、1つの基本屋根材3と2種類の拡張屋根材4を用いて屋根を構成してもよい。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、屋根の意匠性を向上させることができる屋根構造を提供することができ、しかも、複数の基本屋根材を連結することによって、拡張屋根材と同じ大きさの屋根材を構成することができるので、屋根の目地を揃え易く、拡張屋根材と基本屋根材との連結も容易になすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す屋根構造の平面図である。
【図2】同屋根構造を構成する屋根材の斜視図である。
【図3】a)同基本屋根材の平面図である。b)同拡張屋根材の平面図である。
【図4】同屋根材の他の配置図である。
【図5】同屋根材を屋根面に取り付ける説明図である。
【図6】同拡張屋根材の廻りに基本屋根材を取り付けた平面図である。
【図7】図1のY−Y断面図である。
【図8】図1のX−X断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示す屋根構造の平面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態を示す屋根構造の平面図である。
【図11】1つの屋根に対して2種類の拡張屋根材を葺いた屋根構造の平面図である。
【図12】従来の屋根構造の平面図である。
【図13】従来の屋根構造の平面図である。
【符号の説明】
1 屋根構造
2 屋根面
3 基本屋根材
4 拡張屋根材
L1 基本屋根材の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法
L2 基本屋根材の屋根流れ方向の働き寸法
L3 拡張屋根材の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法
L4 拡張屋根材の屋根流れ方向の働き寸法
Claims (2)
- 屋根面(2)上に基本屋根材(3)と、この基本屋根材(3)よりも大きな拡張屋根材(4)とが複数ずつ葺かれている屋根構造であって、前記屋根面(2)上に葺かれている各拡張屋根材(4)の屋根流れ方向の働き寸法(L4)は、基本屋根材(3)の屋根流れ方向の働き寸法(L2)の整数倍とされていると共に、各拡張屋根材(4)の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法(L3)は、基本屋根材(3)の屋根流れ方向と直交する方向の働き寸法(L1)の整数倍とされていることを特徴とする屋根構造。
- 前記複数の基本屋根材(3)、又は複数の拡張屋根材(4)のうちの一部は、他の基本屋根材(3)、又は他の拡張屋根材(4)と異なる色が着色されていることを特徴とする屋根構造。
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JP2003188438A Pending JP2005023601A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 屋根構造 |
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2003
- 2003-06-30 JP JP2003188438A patent/JP2005023601A/ja active Pending
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