JP2005023432A - 画像材料用支持体及び画像材料用支持体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な剛度を維持したまま、平滑性と画像形成後の画像構成層塗設面の光沢感に優れた画像材料用支持体に関する。
【解決手段】天然パルプを主成分とする紙を基質とした、少なくとも一方の紙基質面をポリオレフィン樹脂で被覆する画像材料用支持体の製造方法において、該紙基質に、ロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いてカレンダー処理(I)を施した後、平滑な金属ロールを用いてカレンダー処理(II)をすることにより平滑化処理を施すことを特徴とする画像材料用支持体の製造方法、及び、これらの製造方法によって製造されたことを特徴とする画像材料用支持体。
【選択図】 図9
【解決手段】天然パルプを主成分とする紙を基質とした、少なくとも一方の紙基質面をポリオレフィン樹脂で被覆する画像材料用支持体の製造方法において、該紙基質に、ロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いてカレンダー処理(I)を施した後、平滑な金属ロールを用いてカレンダー処理(II)をすることにより平滑化処理を施すことを特徴とする画像材料用支持体の製造方法、及び、これらの製造方法によって製造されたことを特徴とする画像材料用支持体。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、画像構成層を設ける側の紙基質面がポリオレフィン樹脂で被覆された画像材料用支持体及び製造方法に関するものであり、更に詳しくは、良好な剛度を維持したまま、画像形成後の画像層塗設表面の光沢感、且つ平滑性に優れた画像材料用支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、写真用印画紙やフォトライクな光沢性を有するインクジェット記録用紙には、商品品質や迅速な画像形成処理の面から、紙基質の片面又は両面をポリエチレン等のポリオレフィン樹脂により被覆した画像材料用支持体が広く用いられている。これら画像材料用支持体を製造する装置としては、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を加熱溶融状態で押出ダイから、走行する紙基質などの支持体上にフィルム状に押し出し、溶融樹脂と紙基質とをニップローラとクーリングロールとの間でニップして圧着することにより、樹脂を紙基質にラミネートする押出ラミネート方法が広く採用されている。
【0003】
これら画像材料用支持体の表面形状は、光沢面になっているものや、マット面あるいは絹目等の模様に型付けされたものがあるが、これらの表面形状のうち、表面に模様が全く無い平滑な光沢面のもの、特に、微細な凹凸ができる限り少ない、鏡のように平滑な面(鏡面)のものが最も広く好まれている。そのため、画像材料用支持体には、被覆樹脂層表面の平滑性を向上させる「面質」といった課題がある。
【0004】
一方、面質に加えて、一連の画像形成工程などを経た後、支持体を複数枚に束ねたり、仕分けたりするといった加工適性、更には、手で持った時の風合いといった観点から、適度な剛度又は腰が必要とされている。この様に、画像材料用支持体に要求される性質としては、画像形成処理時の通紙に必要な剛度、できあがったプリントのハンドリングに必要な剛度、画像にゆがみを与えない平滑性等があるが、優れた外観及び面質を有するためには、特に、高い平滑性と高い剛度を同時に満足する必要がある。
【0005】
そこで、画像材料用支持体表面を平滑にするために、画像材料用支持体の被覆樹脂層を厚くすることや、樹脂被覆時に押付け圧力を高くすること等が提案されている。しかしながら、これらの方法では、画像材料用支持体の平滑性向上効果は不十分であり、また、コストも割高になるという欠点があった。
【0006】
一方、樹脂被覆した画像材料用支持体表面の平滑性は、樹脂被覆する前の紙基質の平滑性に強く影響されることが判っており、画像材料用支持体の面質を平滑にするために、種々の方法が提案されてきている。画像材料用支持体用紙基質の内添薬品処方やサイズプレスで代表される表面処理などによる各種の改良方法やパルプ材質を変更して紙基質を抄造する方法(例えば特許文献1参照)などが多数開示されているが、これらの方法で得られる画像材料用支持体の面質の平滑性は、未だ十分満足できるものではなかった。
【0007】
また、装置的な改良としては、カレンダー処理時の圧力を増大して紙基質の密度を上げる方法や、金属ロール−合成樹脂ロール間で加熱条件下でカレンダー処理する方法(例えば特許文献2参照)、また、抄紙工程中のドライヤーパート内で紙基質の表面をドラムドライヤーシリンダーに接触させた状態で、紙基質の裏面からドライヤータッチロールで圧力を加え、ドライヤータッチロールを通過する際の紙基質の水分率を所定の範囲内にする方法(例えば特許文献3参照)や紙基質を一対の金属ロールを有するハードニップカレンダーによってカレンダー処理した後、あるいは金属ロールと樹脂ロールを有するソフトカレンダーによってカレンダー処理した後に、金属ロールと弾性樹脂製のエンドレスベルトを有するシューロールとを備えたシューカレンダーによってカレンダー処理する製造方法(例えば特許文献4参照)、あるいは、紙基質面を化学反応架橋性樹脂組成物により架橋し、且つ、カレンダー処理する方法(例えば特許文献5参照)などが試みられている。しかしながら、これらの方法では、十分な平滑化を得ようとすると、紙にかかる圧力により剛度が低下するという問題を惹起する。また、紙基質の平滑性の要因には、抄紙時のパルプの偏りによるムラが紙基質に残り、平滑化処理し、その上に溶融樹脂を被覆しても、画像形成後、画像面に光沢ムラが残ってしまうと言った問題がある。剛度を強くするには、嵩高な紙基質を抄造する等の方法によらねばならないが、そのままでは十分な平滑性は得られない。面質の平滑性を上げる処理と剛度を上げる処理は相反するものであり、これまでの技術では両者を満足することは極めて困難であった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭60−67940号公報
【特許文献2】
特開平4−81836号公報
【特許文献3】
特開平11−119377号公報
【特許文献4】
特開2001−303488号公報
【特許文献5】
特開2002−296735号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、画像構成層を設ける側の紙基質面がポリオレフィン樹脂で被覆された画像材料用支持体において、良好な剛度を維持したまま、画像形成後の画像材料用支持体表面の光沢感及び平滑性に優れた画像材料用支持体を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の本発明を見出した。
【0011】
即ち、本願の第一の発明は、天然パルプを主成分とする紙を基質とした、少なくとも一方の紙基質面をポリオレフィン樹脂で被覆する画像材料用支持体の製造方法において、該紙基質に、ロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いてカレンダー処理(I)を施した後、平滑な金属ロールを用いてカレンダー処理(II)をすることにより平滑化処理を施すことを特徴とする画像材料用支持体の製造方法に関するものである。
【0012】
本願の第二の発明は、第一の発明において、長径が50〜10000μmで、短径が10〜5000μmである形状で形成されたくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いて熱カレンダー処理を施すことを特徴とする画像材料用支持体の製造方法に関するものである。
【0013】
本願の第三の発明は、第一又は第二の発明において、隣接する各くぼみ又は凸部間の距離が、50〜5000μmであることを特徴とする画像材料用支持体の製造方法に関するものである。
【0014】
本願の第四の発明は、第一、第二又は第三の発明において、くぼみの平均深さ又は凸部の平均高さが0.1〜5μmである金属ロールを用いて熱カレンダー処理を施すことを特徴とする画像材料用支持体の製造方法に関するものである。
【0015】
本願の第五の発明は、第一、第二、第三又は第四の発明において、金属ロール−金属ロール、金属ロール−合成樹脂ロール又は金属ロール−シューロールの少なくとも1以上の組合せにより熱カレンダー処理を施すことを特徴とする画像材料用支持体の製造方法に関するものである。
【0016】
また、本願の第六の発明は、第一、第二、第三、第四又は第五の発明において、カレンダー処理前に、該紙基質面を化学反応架橋性樹脂組成物により架橋させることを特徴とする画像材料用支持体の製造方法に関するものである。
【0017】
本願の第七の発明は、第一、第二、第三、第四、第五又は第六の発明の製造方法によって製造されたことを特徴とする画像材料用支持体を提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像材料用支持体及びその製造方法について詳細に説明する。
【0019】
本発明者らは、まず、従来の装置的な面での紙基質の面質向上対策として、効果的であると考えられている金属ロール(加熱や加圧条件を付加する)と金属ロール、あるいは金属ロールと弾性ロール(合成樹脂ロール)とからなるカレンダー処理について検討した結果、本発明に到ったものである。即ち、この従来技術における難点は、満足すべき面質を得ようとすればする程、他の重要特性の一つである腰のある画像材料用支持体が得られなくなることと、平滑化処理した画像材料用支持体であっても、光沢ムラが解消しにくいことである。
【0020】
この問題点を解決するために鋭意検討した結果、本発明者らは、紙基質に、ロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いてカレンダー処理(I)を施した後、平滑な金属ロールを用いてカレンダー処理(II)を行ったところ、従来のカレンダー処理のみでは同時に満足することができなかった特徴、即ち、剛度(腰)を維持しつつ、平滑性を満足し、特に平滑性の中でも光沢感のある画像が得られる紙基質を得ることを見出した。
【0021】
本発明のカレンダー処理方法が、特に有効な理由として以下のことが考えられる。一般的に紙基質の凹凸に関しては、特開平3−120539号に記載されているように、”うねり”と呼ばれる5mm前後の周期を有する波状の大きな凹凸と、0.5mm前後の周期を有する”点状の小さな凹凸”の2種類があると考えられている。本発明においては、ロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いて、紙基質表面にカレンダー処理を施す第一段処理によって、剛度に影響を及ぼさないレベルの小さい圧力で紙基質表面のうねりのレベルを点状の小さな凹凸のレベルまで低くすることができる。次に、平滑な金属ロールを用いたカレンダー処理を施す第二段処理によって、第一段処理によって点状の小さな凹凸のレベルにまで低くなったうねりのレベルと元々存在する点状の小さな凹凸のレベルを小さい圧力で更に低くすることができる。即ち、小さい圧力でうねりと点状の小さな凹凸のレベルを極めて低くすることによって、良好な剛度を保持したまま、平滑性及び光沢性に優れた画像材料用支持体を得ることができるものである。
【0022】
本発明におけるロール表面に配設されるくぼみ又は凸部の平面形状は、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形や、円形、楕円形、紡錘形、三日月形等の曲辺形状のもの、あるいは、これらを組合せた不定型な形状のもの等が挙げられ、特に限定されるものではない。これらの形状の中では、紙基質表面のうねりレベルの凹凸の平滑化に効果の点から、隣接するうねりにまたがる形をした長方形状であることがより好ましい。また、くぼみの形状は、統一された一種類の形状から構成されても構わないし、数種類の異なる形状から構成されても良く、形状の種類とその種類の数には、特に制限はない。
【0023】
また、くぼみ及び凸部の平面形状における大きさは、その形状によって異なるので一概には決定することができない。例えば、くぼみ及び凸部の平面形状が四角形である場合には、長さの長い径(長径)は、50〜10000μm、より好ましくは100〜8000μm、また、長さの短い径(短径)は10〜5000μm、より好ましくは30〜3000μmの範囲内で設けると良い。また、くぼみ及び凸部の平面形状が円形である場合には、その直径は50〜5000μm、より好ましくは120〜3000μmの範囲内で設けると良い。長径が50μmより小さく、短径が10μmよりも小さい場合、あるいは円の直径が50μmよりも小さい場合は、うねりを分割してレベルを低くすることによる紙基質表面の平滑化に与える影響が小さいため、好ましくない。一方、長径が10000μmより大きく、短径が5000μmより大きい場合、あるいは円の直径が5000μmよりも大きい場合は、金属ロール表面のくぼみが、うねりの平均ピッチを超えてしまい、有効にうねりを分割してレベルを低くすることができないため、好ましくない。
【0024】
本発明のロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールにおいては、隣接する各くぼみ間又は凸部間の距離は、くぼみ又は凸部の大きさ(平面形状における大きさ)等によって異なるので一概には決定することができない。隣接するくぼみ及び凸部同士の間隔は、紙基質表面に現れたうねり成分の平均ピッチに応じて選択すれば良いが、好ましくは、うねり成分の平均ピッチの5〜95%、より好ましくは10〜90%、更に好ましくは20〜80%の範囲内で設けると良い。具体的には、隣接するくぼみ同士又は凸部同士の間隔は、50〜5000μmの範囲が好ましい。間隔が50μmより小さい場合は、うねりを分割してレベルを低くすることによる紙基質表面の平滑化に与える影響が小さいため、好ましくない。一方、5000μmより大きい場合は、金属ロール表面の凹凸の間隔がうねりの平均ピッチを越えてしまい、有効にうねりを分割してレベルを低くすることができないため、好ましくない。また、ロール表面に配設されるくぼみ又は凸部は、ランダムに配設されても良いし、規則的に、例えば千鳥状、等間隔に直線状に配設されていても良いが、これらの配設の中では、くぼみ及び凸部をロール表面に配設しやすい観点から、ランダムに配設されていることがより好ましい。
【0025】
本発明のロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールにおいては、くぼみの平均深さ又は凸部の平均高さは、うねりの高低差、即ち、振幅の2倍を越える必要はない。画像材料用支持体に供される紙基質の場合には、0.1〜5μmの範囲が好ましい。くぼみの平均深さ、もしくは凸部の平均高さが0.1μmより小さい場合は、基質表面の平滑化に与える影響が小さいため、好ましくない。一方、5.0μmより大きい場合は、平滑な金属ロールを用いたカレンダー処理によって平滑にすることができないレベルの凹凸を、紙基質表面に新たに生じさせるため、好ましくない。
【0026】
本発明におけるカレンダー処理(I)及び(II)は、金属−金属ロール、金属―合成樹脂ロール又は金属ロール−シューロール間で処理されることが好ましく、更に、画像構成層が設けられる側の紙基質面に金属ロールが圧接するようにカレンダー処理することが好ましい。カレンダー処理(I)では、紙基質表面のうねりを低下させる効率を考慮すると、金属−金属ロールでカレンダー処理することが最も好ましく用いられ、次いで、金属―合成樹脂ロールでカレンダー処理が好ましく用いられる。また、カレンダー処理(II)では、紙基質の性質及び型付けする形状にもよるが金属―合成樹脂ロール間、又は金属ロール−シューロール間での処理の場合、ロールが紙基質と圧接する面積が広く、その分少ない圧力で型付けでき、且つ、加熱時間が長くなるので、紙基質表面のアイロンがけ効果があり、また、へたりが少ないため、剛度が出やすく好ましい。
【0027】
本発明におけるカレンダー処理(I)及び(II)は、熱カレンダーで処理されることが好ましく、熱カレンダー処理する温度は、常温より高ければ良いが、紙基質の表面層を軟化して紙基質表面の型付けを容易にさせるために、好ましくは110〜300℃に加熱して処理することが好ましく、150〜260℃の範囲とすることがより好ましい。110℃より低い温度の熱カレンダー処理で紙基質表面に型付けを付与するためには、カレンダー処理の線圧を高くしたり、時間を長くする必要があり効率が悪い。また、300℃を超える温度で熱カレンダー処理を行った場合には、型付けには効果的であるが、紙基質表面に”へたり”と呼ばれる波状の大きな凹凸が発生してしまうため、好ましくない。
【0028】
本発明におけるカレンダー処理(I)、(II)時の線圧は、カレンダー処理温度、カレンダーロールの材質などの関係で適宜調節して用いれば良く、特に限定されない。処理温度が高い場合は、低い線圧で、処理温度が低い場合は高い線圧で行うと良い。また、流れ方向で紙基質とロール面が接する長さ、即ち、単位紙幅長当たりのロールと紙基質の接触面積に応じて、調節することが重要である。例えば、カレンダー処理(I)を、金属ロール−金属ロール又は金属ロール−合成樹脂ロールで処理する場合、フラットな金属ロール−金属ロールで加圧する場合又は金属ロール−合成樹脂ロールで加圧する場合の60%程度の少ない加圧で高い効果を得ることできる。具体的には、加圧の程度は概ね15〜200N/mの範囲が好ましく、より好ましくは40〜130N/mである。15N/mより低い線圧では平滑性向上の効果が少なく、また、200N/mを超える線圧では、紙基質がつぶれ過ぎ、剛度が減少する傾向があるので好ましくない。また、例えば、カレンダー処理(II)を金属ロール−金属ロール又は金属ロール−合成樹脂ロールで処理する場合、加圧の程度は概ね15〜250N/mの範囲が好ましく、より好ましくは40〜200N/mである。15N/mより低い線圧では平滑性向上の効果が少なく、また、250N/mを超える線圧では、紙基質がつぶれ過ぎ、剛度が減少する傾向があるので好ましくない。また、例えば、カレンダー処理(I)及び(II)を、金属ロール−シューロールで処理する場合は、接触面積が大きくなるので、紙基質面の加熱時間が長くなり、カレンダー処理の加圧圧力は更に低くてもアイロンがけの効果が出て低加圧の分、紙基質の低密度が維持でき、剛度が低下しない効果をもたらす。金属ロール−シューロールによる熱カレンダー処理の加圧する圧力は紙基質を面受けするので特に限定はないが、設備のコストを考慮すると紙幅長当たり100N/m以内の範囲で適宜調節可能である。なお、本発明における線圧とは、紙基質の単位幅長に対して印加する圧力である。
【0029】
本発明で用いられる金属ロールの表面処理方法としては、特に制限はなく、最終的に必要とされる型付けがなされるロール表面を有すれば良い。その一例を簡単に説明すると、まず始めに、鉄等のロール材質表面上に金属ロール下地を施し、グラインダー研磨を実施し、バフ研磨を行う。そして、この上にクロムメッキを施す。更に、再度バフ研磨をして、再度、ピンホール補修のため、クロムメッキを施し、グラインダー研磨をする。最後に、砥石研磨(ミラーフィニッシュ)を行い、所定の金属ロールの形状、粗さになるように下記に挙げるような方法にて金属ロール表面加工を行い、洗浄する。
【0030】
金属ロールの表面形状の付与方法としては、本発明の金属ロール形状を付与できる方法ならばいずれの方法を用いても良い。例えば、金属表面にくぼみ形状を付与する場合には、金属ロールを回転させながら、凸部を有するマザーロールを当てて型押しする方法や鋭利な先端を当てて所定のくぼみを削り出していく方法などで達成される。また、金属表面に凸部形状を付与する場合には、鋭利な先端で凸部の周囲を削り出していく方法などで達成される。その他の方法としては、ロールの表面研磨、蒸着法、サンドブラスト法、エッチング法、電気的穿孔法、メッキ法等のいずれの方法でも、金属ロールに本発明のくぼみあるいは凸部形状を作ることができれば、これらを組合せて用いれば良い。例えば、金属ロールの表面加工によく用いられるサンドブラスト加工では、砥粒径、空気圧、砥粒ノズル径、ガンノズル径、ガン送り速度、ノズル噴射角度、ノズル距離、ロール回転数、加工 回数(パス回数)等の条件設定で適宜実施し、所定の表面を有した金属ロールが得られる。また、当然のことながら、型押し加工に使用するマザーロールにも同様のことが言える。
【0031】
本発明の金属ロール材質は、鉄等金属のクロムメッキ又はニッケル、ホーロー引き、ステンレススチール、テフロン加工のものなど種々選択でき、各々の材質と型付け方法は、任意に選択することができる。また、クロムメッキのメッキ付着量は特に制限はないが、10〜200μmの厚さが好ましい。10μmより少なければピンホールが発生する場合があり、200μmより多ければ、メッキが剥がれやすくなったり、また経済的にも不利となる。
【0032】
本発明で用いられる型付けされた金属ロールについて図を持って説明する。図1、2、3、4、5は本発明で用いられる金属ロールの一例を示す概略図であり、図1は長方形状のくぼみ又は凸部がランダムに配設された金属ロール面であり、図2長方形状のくぼみ又は凸部が規則的に配設された金属ロール面であり、図3は楕円形状のくぼみ又は凸部がランダムに配設された金属ロール面であり、図4は楕円形状のくぼみ又は凸部が規則的に配設された金属ロール面であり、また、図5は長方形状のくぼみ又は凸部と楕円形状のくぼみ又は凸部とがランダムに配設された金属ロール面の一例である。なお、くぼみ及び凸部の形状については、今回、例示した長方形状、楕円形状の他にも、三角形状、五角形状などの多角形状、あるいは円形状、円錐形状などの形状を種々選択することができる。また、図6、7は、本発明の金属ロール面に配設されたくぼみ又は凸部形状の長径及び短径の例を示す概略図である。また、図8は本発明のくぼみが配設された金属ロールの凹部の深さ、間隔を示す断面概略図であり、図9は本発明の凸部が配設された金属ロールの凸部の高さ、間隔を示す断面概略図である。
【0033】
また、本発明の画像材料用支持体は、カレンダー処理前に紙基質面を化学反応架橋性樹脂組成物により架橋させた紙基質を使用することで、更に好ましい効果が期待できる。即ち、化学反応で架橋する樹脂組成物を紙基質の表層に設け、紙基質の内層又は表面近傍の紙層の原紙素材間を架橋せしめ、それと同時に、カレンダー処理により、カレンダーロールを紙基質に圧接し、紙基質の凹凸部を平滑にし、固定して紙基質の動きを抑制する手段を組合せることにより、樹脂被覆工程での紙基質本来の潜在的な凹凸の戻りがなく、良好な面質と高い剛度を併せ持つ画像材料用支持体を得ることができる。
【0034】
本発明において化学反応により架橋する樹脂組成物に使用される架橋性のある物質としては、脂肪族アルデヒド、ジアルデヒドの多糖類、ジケトン、ポリエポキシド、多官能価ビニル化合物、トリアクリルホルマール、アジリジン、置換ジクロロ−S−トリアジンのような活性ビニル系化合物、イソシアヌレート、多価金属などが挙げられる。特に架橋反応が加熱により顕著に促進する、いわゆる、熱硬化性樹脂が好ましく、例えば、エポキシ樹脂、エチレンイミノ樹脂、メラミン樹脂、紙パ技協誌第52巻第12号、P.56〜P.62(1998年)に記載されている、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。本発明における化学反応架橋性樹脂組成物とは、上記の架橋剤だけでも良いが、塗工又は含浸の時、紙基質の表層付近で架橋効果を顕著にするため、あるいは樹脂被覆後の樹脂層と紙基質層との境界付近からの現像液の染み込みを防止する目的で、増粘効果又はバインダー効果を与えるためにポリビニルアルコール、ゼラチン、スチレン無水マレイン酸、セルロース誘導体、澱粉などの水溶性高分子、ラテックスエマルジョン、紙基質表面の堅さを発現し、腰を強くするために、コロイダルシリカ、また雲母や水酸化マグネシウム等の顔料や、シリカ、マイクロガラス繊維等を加え得る。更に、大きな凹部を埋める目的で有機顔料、中空顔料なども使用できる。また、バインダーや顔料の種類によって架橋剤を使い分けると、カレンダー処理後の紙基質面が好ましく仕上がる。例えば、ゼラチンが用いられるような場合は、ゼラチンと架橋しやすいトリアジン系の化合物が好ましく用いられる。
【0035】
これらの化学反応架橋性樹脂組成物を紙基質表層に存在せしめる手段としては、スラリー中に添加して抄紙し内添するか、紙基質に塗設するか、又はその両方の組合せによる。平滑性、剛度は主に紙基質の表層の性質により影響するので、経済性も考慮すると塗設するのが好ましい。本発明におけるカレンダー処理と化学反応架橋性樹脂組成物により架橋された紙基質面との関係は、カレンダー処理した平滑な面に化学反応架橋性樹脂組成物を塗設して乾燥しても良いが、化学反応架橋性樹脂組成物を塗設し乾燥した後カレンダー処理する方が好ましい。また、化学反応により架橋する樹脂組成物を塗設し乾燥する連続する工程の前後にカレンダー処理をすると更に良い。また、化学反応架橋性樹脂組成物を塗設し乾燥する工程の前か後のカレンダー処理が加熱された金属ロールでの熱カレンダー処理である場合は更に好ましく、特に化学反応架橋性樹脂組成物を塗設し乾燥する工程の後に熱カレンダー処理をすると更に好ましい。化学反応架橋性樹脂組成物を塗設する前のカレンダー処理において、熱カレンダー処理を行った場合には、少ない圧力で紙基質の比較的表層のみを平滑化して凹凸をなくし、その平滑化した表面に該樹脂組成物が塗設され架橋するので、高い剛度の紙基質が得られる。更に、少ない圧力で平滑化すること以外にも処理後の紙基質が加熱された状態にあるので化学反応架橋性樹脂組成物が塗設されると架橋が促進し効率が良い。また、化学反応架橋性樹脂組成物の塗設工程に続く乾燥工程後に熱カレンダー処理を行った場合、乾燥工程で未反応のまま残った紙基質中の化学反応架橋性樹脂組成物の架橋反応を促進し、表面を平滑に固定する効果が得られる。かかる効果を考慮すると、上記熱カレンダー処理としては、化学反応架橋性樹脂組成物の塗設前及び乾燥後に熱カレンダー処理することが最も好ましい。
【0036】
本発明における化学反応架橋性樹脂組成物を溶液又は分散液として塗設する方法は、従来から慣用されている、例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、グラビアコーター、チャンプフレックスコーター、ブラシコーター等の塗工装置、あるいはサイズプレス方式等の各種コーターを単独又は組合せて用いて、塗工液を紙基質表面に塗設する。これらの塗工装置はオンマシンあるいはオフマシンコーターのいずれの形式で使用しても良い。上記の塗設方法の中では、サイズプレス方式による塗設方法がより好ましい。特に好ましくは、サイズプレス方式が、ロールニップサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールインバージョン型コーター、ロッドコーター、ビルブレード、ショートドウェルコーター、タブサイズの中から選択又は組合せて行うものである。
【0037】
こうして、紙基質表層及び若干内部に吸収された化学反応架橋性樹脂組成物は、乾燥工程で加熱架橋反応し、カレンダーで固定化されることにより、あるいは乾燥段階で途中まで硬化された後、熱カレンダーにより熱硬化し固定されることにより、紙層の表面を平滑にしながら含浸した内部の紙層全体を固定することができる。本発明における化学反応架橋性樹脂組成物の塗設量は、化学反応架橋性樹脂組成物の種類、カレンダー処理の負荷、処理前の紙基質の平滑性などにより適宜調節すれば良いが、固形分で0.0001〜20g/m2が好ましい。更に好ましくは0.001〜10g/m2であり、更には、0.005〜5g/m2である。0.0001g/m2より低い塗布量では、化学反応架橋性性樹脂の架橋反応による、剛度及び平滑性付与の効果が少なく、また、20g/m2を超える塗布量では、過剰になり該樹脂層が写真現像液により汚れたり、全体が該組成物水溶性液塗設後の乾燥段階における負荷が大きく経済的でない。なお、積極的に多量の塗設量を設けても構わないが、新たに、塗布ムラによる凹凸が加わってきて、平滑性が低下したりする問題が生じてくる。
【0038】
本発明における化学反応により架橋する樹脂組成物の溶液の塗設後の乾燥手段は、例えば、蒸気ドラム加熱、熱風加熱、ガスヒーター加熱、電気ヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱、高周波加熱、レーザー加熱、電子線加熱等各種の方式が採用される。上記の乾燥手段の中では、赤外線又は熱風を単独又はこれらを組合せた非接触方式による乾燥手段が特に好ましく、サイズプレス方式により化学反応架橋性樹脂組成物の水溶液を塗設した直後の乾燥に熱風及び赤外線を単独又は組合せた方式による乾燥手段を採用する場合には、紙基質面にドライヤーロールが当たらず、ロールとの接着によるピッキングを惹起しない。また、化学反応架橋性樹脂組成物の粘着性が低下したところで本格的にドライヤーロールに当接せしめて乾燥工程に入ると更に良い。
【0039】
本発明で用いられる天然パルプを主成分とする紙基質としては、塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素漂白等の通常の漂白処理、並びにアルカリ抽出もしくはアルカリ処理、及び必要に応じて過酸化水素、酸素などによる酸化漂白処理等、及びそれらの組合せ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプが用いられ、また、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプなどの各種のものを用いることができる。
【0040】
本発明で用いられる紙基質中には、紙料スラリー調製時に各種の添加剤を含有せしめることができる。サイズ剤として、脂肪酸金属塩又は脂肪酸、特公昭62−7534号公報に記載もしくは例示のアルキルケテンダイマー乳化物あるいはエポキシ化高級脂肪酸アミド、アルケニル又はアルキルコハク酸無水物乳化物、ロジン誘導体等、乾燥紙力増強剤として、アニオン性、カチオン性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナン等、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂等、填料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン等、定着剤として、塩化アルミニウム、硫酸バンド等の水溶性アルミニウム塩等、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸等を、その他特開昭63−204251号公報、特開平1−266537号公報等に記載もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などを適宜組み合せて含有せしめるのが有利である。
【0041】
また、本発明の実施に用いられる紙基質中あるいは紙基質上には、各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コロイド又はラテックス、帯電防止剤、添加剤からなる組成物をサイズプレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工などの塗工によって含有あるいは塗設せしめることができる。水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドとして、特開平1−266537号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、セルロース系ポリマーなど、エマルジョン、ラテックス類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55−4027号公報、特開平1−180538号公報に記載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(又はメタクリル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマルジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体及びそれらのカルボキシ変性共重合体のエマルジョンもしくはラテックス等、帯電防止剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、コロイド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポリスチレンスルホン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンなど、pH調節剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、そのほか前記した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組合せて含有せしめるのが有利である。
【0042】
本発明で用いられる紙基質の厚みに関しては、特に制限はないが、その坪量は50〜250g/m2 のものが好ましい。
【0043】
本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料は、有機物質により表面処理されているものを用いることができる。表面処理に用いる有機物質としては、特公昭61−26652号公報に記載もしくは例示のジメチルポリシロキサン、ジメチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどのオノガノポリシロキサン化合物、特公昭60−3430号公報に記載もしくは例示のアルキルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのシランカップリング剤、特公平3−35652号公報に記載もしくは例示のトリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール化合物、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミンのアルカノールアミン化合物又はそれらの無機塩などがあげられるが、シランカップリング剤により処理した二酸化チタン顔料を用いるのがより好ましい。それらの有機表面処理剤の処理量としては、二酸化チタン顔料に対して、0.05〜2.5質量%の範囲で有用であるが、0.05〜1.5質量%の範囲が好ましい。また、本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料は、有機物質で表面処理される前に含水酸化アルミニウム、含水酸化珪素などの無機物質で表面処理を行っても良い。その際には、特公昭63−11655号公報、特公平1−38291号公報、特公平1−38292号公報、特公平1−105245号公報に記載もしくは例示してあるような適切な処理を行うことが好ましい。
【0044】
本発明における画像材料用支持体の紙基質の画像構成層を設ける側の面は、ポリオレフィン樹脂被覆層で被覆される。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのα−オレフィン単独重合体、α−オレフィンの共重合体及びそれらの各種重合体の混合物などから選ぶことができる。特に好ましいポリオレフィン樹脂はポリエチレン樹脂であり、ポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、及びこれらの混合物であり、各種の密度、メルトフローレート(以下単にMFRと略す)、分子量、分子量分布のものを使用できるが、通常、密度0.90〜0.97g/cm3 の範囲、MFR0.1〜50g/10分、好ましくは、MFR0.3〜40g/10分の範囲のものを単独にあるいは混合して有利に使用できる。また、樹脂が多層構成の場合、最外層の樹脂として、例えば、MFR5〜20g/10分のもの、下層の樹脂として、例えば、MFR2〜10g/10分のものを使用するなど別の性質、構成の樹脂を使用することもできる。
【0045】
本発明における画像材料用支持体の紙基質の画像構成層を設ける側の面を被覆する全ポリオレフィン樹脂の被覆厚さとしては、4〜70μmの範囲が有用であるが、6〜45μmの範囲が好ましく、10〜40μmの範囲が特に好ましい。
【0046】
本発明における画像材料用支持体の紙基質の画像構成層を設ける側の面を被覆するポリオレフィン樹脂被覆層は前記のような有機物質により被覆処理された二酸化チタン顔料を含有せしめることもできるが、この二酸化チタン顔料を紙基質被覆用のポリオレフィン樹脂中に含有せしめる方法としては、予め二酸化チタン顔料をポリオレフィン樹脂中に一定濃度に含有させた、いわゆるマスターバッチを作成し、それを希釈用のポリオレフィン樹脂で所望の割合に希釈混合して使用するか、あるいは二酸化チタン顔料をポリオレフィン樹脂中に所望の組成比だけ含有させた、いわゆるコンパウンドを作成して使用するのが普通である。これらのマスターバッチ、コンパウンドを作成するには通常、バンバリーミキサー、ニーダー、混練用押出機、ロール練り機などを用いることができ、また、これら各種混練機を二種類以上組合せて使用しても良い。
【0047】
これら二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂とからなるマスターバッチ、コンパウンドのポリオレフィン樹脂組成物の調整に用いるポリオレフィン樹脂としては、二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂との混練性に関わる適当な物性のものが好ましい。具体的には、密度が0.917〜0.925g/cm3の範囲、MFRが3〜12g/10分の低粘度ポリエチレン樹脂、又は中粘度ポリエチレン樹脂が好ましい。二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂とからなるポリオレフィン樹脂組成物の調整に際し、適量の酸化防止剤の存在下にポリオレフィン樹脂組成物の調整を行うのが好ましい。具体的には、特開平1−105245号公報に記載もしくは例示のヒンダードフェノール系の酸化防止剤、特開昭55−142335号公報に記載もしくは例示のリン系酸化防止剤の他、ヒンダードアミン、硫黄系などの各種酸化防止剤などを適量存在せしめるのが好ましいが、特にヒンダードフェノール系の酸化防止剤を適量存在せしめるのが好ましい。これらポリオレフィン樹脂組成物を調整中の酸化防止剤の存在量としては、50〜3000ppmの範囲が好ましいが、50〜200ppmの範囲が更に好ましい。
【0048】
二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂とからなるポリオレフィン樹脂組成物の調整に際し、適量の適切な滑剤の存在下にポリオレフィン樹脂組成物の調整を行うのが好ましい。具体的には、滑剤として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩を用いるのが好ましく、特にステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの一方、又は両方を用いるのが好ましい。またその存在量としては、二酸化チタン顔料に対して、0.1〜20質量%の範囲が有用であり、0.1〜7.5質量%の範囲が好ましい。
【0049】
本発明における画像材料用支持体の画像構成層を設ける側の面を被覆するポリオレフィン樹脂中には、二酸化チタン顔料、脂肪酸金属塩、酸化防止剤の他に各種の添加剤を含有せしめることができる。酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、コバルトブルー、群青、セリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルー系の顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガンバイオレットなどのマゼンタ系の顔料や染料、特開平 2−254440号公報に記載もしくは例示の蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組合せて含有せしめることができる。それらの添加剤は、樹脂のマスターバッチあるいはコンパウンドとして含有せしめることが好ましい。
【0050】
本発明における画像材料用支持体の画像構成層を設ける側と反対の紙基質面は、フィルム形成能ある樹脂で被覆されることができる。フィルム形成能ある樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましく、中溶融押し出しコーティング性の点から前記したポリオレフィン樹脂が更に好ましく、ポリエチレン樹脂が特に好ましい。また、特公昭60−17104号公報に記載もしくは例示の電子線硬化樹脂で被覆しても良い。また、画像材料用支持体の画像構成層を設ける側と反対の紙基質面のフィルム形成能ある樹脂被覆中にも、画像構成層を設ける側のポリオレフィン樹脂層同様に、白色顔料、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、各種酸化防止剤、ブルー系の顔料や染料、マゼンタ系の顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組合せて含有せしめることができる。それらの添加剤は、樹脂のマスターバッチにより、あるいはコンパウンドとして含有せしめるのが好ましい。
【0051】
本発明におけ画像材料用支持体の紙基質の画像構成層を設ける側と反対の面は、フィルム形成能ある樹脂で被覆されるが、その樹脂は表側の樹脂と同様の樹脂が好ましく、その被覆厚さとしては、表側の樹脂と、特にカールバランスを取る範囲で適宜設定するのが好ましく、一般に4〜70μmの範囲が有用であるが、好ましくは6〜45μmの範囲が好ましく、9〜35μmの範囲が特に好ましい。
【0052】
本発明における画像材料用支持体の紙基質面に樹脂を被覆する方法としては、走行する紙基質上に樹脂組成物を溶融押出機を用いて、そのスリットダイからフィルム状に流延して被覆する、いわゆる溶融押し出しコーティング法によって被覆するのが好ましい。その際、溶融フィルムの温度は270〜330℃であることが好ましい。
【0053】
スリットダイとしては、T型ダイ、L型ダイ、フィッシュテイル型ダイのフラットダイが好ましく、スリット開口径は0.1〜2mmであることが望ましい。また、樹脂組成物を紙基質にコーティングする前に、紙基質にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すのが好ましい。また、特公昭61−42254号公報に記載のごとく、紙基質に接する側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に走行する紙基質に樹脂層を被覆することもできる。また、表、裏の樹脂層は、二層以上を同時に押し出す、いわゆる共押し出しコーティング方式、そして逐次、又は連続的に、押し出しコーティングされる、いわゆるタンデム押し出しコーティング方式で紙基質に被覆することにより、横段ムラや梨地を発生することなく、より高速加工を行うことができる。
【0054】
本発明における画像材料用支持体の画像構成層を設ける側のポリオレフィン樹脂層面には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことができる。更にこれらの活性化処理後、画像構成層との接着力の向上、画像構成層を塗設する際に生じる塗設ムラの解消、そして画像構成層塗設後の画像材料の光沢感の付与などのために、画像構成層を設ける側のポリオレフィン樹脂面に下引き層を施すことができる。
【0055】
本発明の必要により設けられる下引き層に使用されるゼラチンは、下引き層上に塗設される画像構成層に悪影響を及ぼさない限り、どのような種類のものであっても良い。例えば、ゼラチンは、骨から抽出されたものであっても良く、あるいは、皮から抽出されたものであっても良い。また、ゼラチン抽出方法は、酸性法であっても良く、アルカリ法であっても良い。更にゼラチンの物性についても格別の限定はなく、例えば、そのゼリー強度については、下引き層として一般的に用いたれる水準にあれば良く、また、例えば、その粘度は、下引き層として一般的に用いられるものと同程度のものであれば良い。
【0056】
本発明の必要により設けられる下引き層は、前述のように、ゼラチンを主成分とするもので、その他に、必要に応じて、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、白色顔料、マット化剤、消泡剤、耐電防止剤、カブリ防止剤などの添加剤を含んでも良い。
【0057】
本発明の必要により設けられる下引き層形成用塗布液に使用可能な硬膜剤としては、特に制限はないが、例えば、クロム明礬などの無機硬膜剤、あるいは、アルデヒド型硬膜剤、N−メチロール、及びアセタール硬膜剤、エポキシ硬膜剤、アジリジン硬膜剤、ムコハロゲン酸硬膜剤、活性ハロゲン硬膜剤、ジクロロ−S−トリアジン硬膜剤、活性オレフィン硬膜剤、イソオキサゾリューム塩硬膜剤、メタンスルホン酸エステル硬膜剤、又は、活性エステル硬膜剤などの有機硬膜剤などがある。
【0058】
本発明の必要により設けられる下引き層形成用塗布液に使用可能な界面活性剤としては、特に制限はないが、例えば、サポニンのごとき天然物の他に、高級脂肪酸アルカリ金属塩、アルキル硫酸塩アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸エステルなどの陰イオン性界面活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、ハロゲン化アルキルビニジリウム、第4アンモニウム塩などの陽イオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、及びアミノ酸などの界面活性剤がある。
【0059】
本発明の必要により設けられる下引き層形成用塗布液に使用可能な増粘剤としては、カゼイン、澱粉などの天然物の他、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子などを用いることができる。本発明の必要により設けられる下引き層には、使用可能な白色顔料として、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、アルミナ白、酸化亜鉛、シリカ白、三酸化アンチモン、リン酸チタニウムなどがある。下引き層形成用塗布液に使用可能な消泡剤としては、メチルアルコール、エチルアルコールの他、オクチルアルコール、シクロヘキサノール、その他の高級アルコール、あるいはエチレングリコール、更にはスパンその他の非イオン活性剤や、シリコーン消泡剤などがある。
【0060】
本発明の必要により設けられる下引き層をポリオレフィン樹脂面上に設ける方法としては、走行する紙基質面にポリオレフィン樹脂を被覆した後、巻き取るまでの間に写真構成層を設ける側の樹脂面上に、下引き塗液を塗設・乾燥して下引き層を設ける、いわゆるオンマシン法で行うのが好ましい。また、樹脂被覆紙を巻き取ってから、必要に応じて巻取りを貯蔵後、新ためて下引き層を設ける、いわゆるオフマシン法で行うこともできる。下引き塗液を塗設する装置としては、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ブレードコーター、スライドホッパーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター及びそれらの組合せ等があげられる。塗設に際しては塗設に先立ち、樹脂面をコロナ放電処理、火炎処理等の活性化処理を施しておくことが望ましい。塗設された塗液の乾燥装置としては直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアーループドライヤー、サインカーブエアーフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等各種乾燥装置をあげることができる。また、乾燥条件は任意であるが、一般には60℃〜150℃で数秒〜10分で行われる。
【0061】
本発明における画像材料用支持体の裏樹脂層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施した後、帯電防止等のために各種のバックコート層を塗設することができる。また、バックコート層には、特公昭52−18020号、特公昭57−9059号、特公昭57−53940号、特公昭58−56859号、特開昭59−214849号、特開昭58−184144号等の各公報に記載もしくは例示の無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組合せて含有せしめることができる。
【0062】
また、本発明の実施に用いられる紙基質中あるいは紙基質上には、各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コロイド又はラテックス、帯電防止剤、添加剤からなる組成物をサイズプレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工などの塗工によって含有あるいは塗設せしめることができる。水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドとして、特開平1−266537号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、セルロース系ポリマーなど、エマルジョン、ラテックス類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55−4027号公報、特開平1−180538号公報に記載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(又はメタクリル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマルジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体及びそれらのカルボキシ変性共重合体のエマルジョンもしくはラテックス等、帯電防止剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、コロイド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポリスチレンスルホン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、二酸化チタンなど、pH調節剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、そのほか前記した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組合せて含有せしめるのが有利である。
【0063】
本発明における画像材料用支持体は、各種の写真構成層が塗設されたカラー画像材料用、白黒画像材料用、写植印画紙用、電算写植印画紙用、レーザー光感光印画紙用、複写印画紙用、反転写真材料用、銀塩拡散転写法ネガ用及びポジ用に用いることができる。また、インク受像層が塗設されたインクジェット記録方式に使用される記録・画像材料用や電子写真用と言った印刷材料用等各種の用途に用いることができる。
【0064】
例えば、写真構成層が塗設された画像材料用の場合、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀感光乳剤層を設けることができる。ハロゲン化銀感光乳剤層にカラーカプラーを含有せしめて、多層ハロゲン化銀カラー写真構成層を設けることができる。また、銀塩拡散転写法用写真構成層を設けることができる。それらの写真構成層の結合剤としては、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化合物などの親水性高分子物質を用いることができる。また、上記の写真構成層には各種の添加剤を含有せしめることができる。例えば、増感色素として、シアニン色素、メロシアニン色素など、化学増感剤として、水溶性金化合物、硫黄化合物など、カブリ防止剤もしくは安定剤として、ヒドロキシートリアゾロピリミジン化合物、メルカプト複素環化合物など、硬膜剤としてホルマリン、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物など、塗布助剤として、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、スルホコハク酸エステル塩など、そのほか蛍光増白剤、鮮鋭度向上色素、帯電防止剤、pH調製剤、更にハロゲン化銀の生成・分散時に水溶性イリジウム、水溶性ロジウム化合物などを適宜組合せて含有せしめることができる。
【0065】
また、インクジェット記録方式に使用される画像材料用の場合、二酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、アルミナ又はアルミナ水和物もしく湿式法あるいは気相法により製造された合成シリカ微粒子と言った無機微粒子を用いたインク受容層を設けることができる。また、インク受容層の皮膜としての特性を維持するために、完全又は部分ケン化のポリビニルアルコール又はカチオン変性ポリビニルアルコールバインダーなどの親水性バインダーを用いることができる。インク受容層には、インク中の色材の定着性を上げ、発色性を更に向上させるために、1級〜3級アミン塩型の化合物、第4級アンモニウム塩型の化合物、ピリジニウム塩型の化合物、イミダゾリン型カチオン性化合物などのカチオン性物質を含有させたり、耐水性、ドット再現性を向上させる目的で、ポリビニルアルコールの硬膜剤を添加することができる。更に、インク受容層には、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を適宜組合せて含有せしめることができる。
【0066】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。また、実施例において示す「部」及びは、特に明示しない限り、質量部を示す。
実施例1〜24及び比較例1〜4
広葉樹漂白クラフトパルプ60質量%、広葉樹漂白サルファイトパルプ30質量%及び針葉樹漂白サルファイトパルプ10質量%からなる混合パルプをフリーネス(CSF)が375mlになるように叩解後、パルプ100質量部に対して、カチオン化澱粉3質量部、アニオン化ポリアクリルアミド0.3質量部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテンダイマー分として)0.3質量部、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂0.4質量部及び適当量の蛍光増白剤、青色染料、赤色染料を添加して紙料スラリーを調製した。
【0067】
その後、紙料スラリーを200m/分で走行している長網抄紙機にのせ適切なタービュレンスを与えつつ紙匹を形成し、ウェットパートで15kg/cm〜100kg/cmの範囲で線圧が調節された3段のウェットプレスを行った後、スムージングロールで処理し、引き続く乾燥パートで乾燥した。
【0068】
その後、乾燥の途中で、以下の配合のサイズプレス液を絶乾塗布量が片面2.5g/m2となるように、ゲートロールコーターにてサイズプレスし、水分が絶乾水分率で8質量%になるように、更に赤外線と熱風で加熱し、その後ドラムドライヤーで乾燥した。
<サイズプレス液配合>カルボキシ変性ポリビニルアルコール4質量部、蛍光増白剤0.05質量部、青色染料0.002質量部、塩化ナトリウム3質量部及び水92質量部
【0069】
次いでこの原紙に、下記の種類の金属ロールを用いて、金属ロール−金属ロール間で45N/mの線圧のカレンダー処理をロール温度150℃で行い、実施例1〜39及び比較例1〜3の画像材料用支持体に用いられる坪量170g/m2 の紙基質を製造した。
[カレンダー処理に使用した金属ロールの種類]
A:表面が平滑な金属ロール
B:長方形状のくぼみがランダムに配設された金属ロール(図1、6、8参照)
C:長方形状のくぼみが規則的に配設された金属ロール(図2、6、8参照)
D:楕円形状のくぼみがランダムに配設された金属ロール(図3、6、8参照)
E:楕円形状のくぼみが規則的に配設された金属ロール(図4、6、8参照)
F:長方形状のくぼみと楕円形状のくぼみとが1:1の割合でランダムに配設された金属ロール(図5、6,8参照)
G:長方形状の凸部がランダムに配設された金属ロール(図1、6、9参照)
H:長方形状の凸部が規則的に配設された金属ロール(図2、6、9参照)
【0070】
次に、画像構成層を塗設する側とは反対側の紙基質面(裏面)をコロナ放電処理した後、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm3 、MFR=2g/10分)40質量部と高密度ポリエチレン樹脂(密度0.96g/cm3 、MFR=20g/10分)60質量部からなるコンパウンド樹脂組成物を樹脂温310℃で23μmの厚さで溶融押し出しコーティングした。
【0071】
引き続き、紙基質の表面をコロナ放電処理した後、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92g/cm3;MFR=8.5g/10分)50質量%、含水酸化アルミニウム(対二酸化チタンに対してAl2O3分として0.75質量%)で表面処理したアナタ−ゼ型二酸化チタン含量47.5質量%とステアリン酸亜鉛2.5質量%からなる二酸化チタン顔料のマスタ−バッチ20質量部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92g/cm3;MFR=4.5g/10分)80質量部からなる樹脂組成物を30μmの厚さになるように、クーリングロールを用いて、加工速度250m/minにて、305℃で溶融押し出し被覆し、画像材料用支持体を得た。
【0072】
樹脂被覆された画像材料用支持体表面の平滑性と光沢性を評価する方法として、樹脂被覆された画像材料用支持体表面の写像性を評価した。
[写像性の評価方法]
スガ試験機株式会社製の写像性測定器ICM−2DP型を使用し、光学くしの幅2mmを用いて樹脂被覆された画像材料用支持体を評価した。
評価基準としては、以下の通りである。
◎:写像性が非常に良好。
○:写像性が良好。
△:写像性が若干劣るが、実用上問題ない程度。
×:写像性が劣り、実用上問題がある。
【0073】
[剛度(腰)の評価方法]
得られた画像材料用支持体の剛度(腰)を触手時の感触にて評価した。
評価基準としては、以下の通りである。
◎:剛度が非常に良好。
○:剛度が良好。
△:剛度が若干劣るが、実用上問題ない程度。
×:剛度が劣り、実用上問題がある。
【0074】
画像構成層を塗設した画像材料表面の光沢性の評価方法としては、以下に記載の方法で評価した。
[画像構成層塗設後の表面光沢性の評価方法]
画像材料用支持体の表側に、ゼラチン100mg/m2を下引き層として塗布し、その上に乳剤層及びその保護層を設けて、光沢性の評価用として白黒写真印画紙を作成した。乳剤層はヘキサクロロイリジウム(III) 酸カリウム1.2×10−5gの存在下にゼラチン14.4g中に硝酸銀で19.2g分のハロゲン化銀粒子を生成・分散して製造したAgBr/AgCl/AgI=95/4.5/0.5(モル%)なるハロゲン組成を有する平均粒子径0.6μの最適感度に硫黄増感と金増感により併用増感した実質的に〔1、0、0〕面からなる中性法ハロゲン化銀写真乳剤を含み、更に成膜に必要なゼラチンの他、適量の安定剤、増感色素、塗布助剤、硬膜剤、蛍光増白剤、増粘剤、フィルター染料等を含み、硝酸銀で2.2g/m2、ゼラチンで4.4g/m2に相当する塗布量で保護層と共にEバー方式で塗布速度220m/分で重層塗布された。保護層は2g/m2 に相当するゼラチンの他に塗布助剤、硬膜剤を含む。塗布・乾燥した試料は40℃、常湿下に4日間保存後濃度D=0.6になるように露光し、現像後停止、定着、水洗、乾燥した後、視覚的に見た目の光沢感を検定した。
評価基準としては、以下の通りである。
◎:見た目の光沢感がかなり高い。
○:見た目の光沢感が高い。
△:見た目の光沢感がやや低いが、実用可能である。
×:見た目の光沢感が低く、実用上問題である。
【0075】
得られた結果を表1、2、3に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
表1、2、3の結果より、明らかな様に、本発明のロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いてカレンダー処理を施した後、平滑な金属ロールを用いてカレンダー処理をすることにより平滑化処理を施した画像材料用支持体は、写像性、剛度、画像構成層塗設後の表面光沢性に優れた画像材料用支持体であることが判る。また、ロール表面に配設されたくぼみ又は凸部の形状、くぼみ又は凸部の配設のランダム性、規則性に関わらず、本発明のロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いることで、写像性、画像構成層塗設後の表面光沢性が優れることが判る。
【0080】
実施例6のサイズプレス液配合を以下の配合に変えた以外は、実施例6と同様に行い、実施例40の画像材料用支持体を得た。
<サイズプレス液配合> タピオカ澱粉4質量部、水溶性エポキシ化合物(長瀬産業社製;NER−010)0.3質量部、 メタノール3質量部、 蛍光増白剤0.05質量部 、青色染料0.002質量部、塩化ナトリウム 4質量部、水 88.7質量部
【0081】
実施例11のサイズプレス液配合を以下の配合に変えた以外は、実施例11と同様に行い、実施例41の画像材料用支持体を得た。
<サイズプレス液配合> タピオカ澱粉4質量部、水溶性エポキシ化合物(長瀬産業社製;NER−010)0.3質量部、 メタノール3質量部、 蛍光増白剤0.05質量部 、青色染料0.002質量部、塩化ナトリウム 4質量部、水 88.7質量部
【0082】
実施例18のサイズプレス液配合を以下の配合に変えた以外は、実施例18と同様に行い、実施例42の画像材料用支持体を得た。
<サイズプレス液配合> タピオカ澱粉4質量部、水溶性エポキシ化合物(長瀬産業社製;NER−010)0.3質量部、 メタノール3質量部、 蛍光増白剤0.05質量部 、青色染料0.002質量部、塩化ナトリウム 4質量部、水 88.7質量部
【0083】
実施例6のサイズプレス液配合を以下の配合に変えた以外は、実施例6と同様に行い、実施例43の画像材料用支持体を得た。
<サイズプレス液配合> ゼラチン4質量部、 1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン架橋剤0.2質量部、蛍光増白剤0.05質量部、青色染料0.002質量部、塩化ナトリウム4質量部、水92質量部
【0084】
得られた結果を表4に示す。
【0085】
【表4】
【0086】
表4から明らかなごとく、本発明のカレンダー処理前に、紙基質面を化学反応架橋性樹脂組成物により架橋させた場合、写像性、画像構成層塗設後の表面光沢性が更に良化することが判る。
【0087】
【発明の効果】
本発明により、良好な剛度を維持したまま、平滑性と画像形成後の画像構成層塗設面の光沢感に優れた画像材料用支持体とその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカレンダー処理で用いられる金属ロールに配設されたくぼみ又は凸部形状の一例を示す概略図(ロール上面からの図)。
【図2】本発明のカレンダー処理で用いられる金属ロールに配設されたくぼみ又は凸部形状の一例を示す概略図(ロール上面からの図)。
【図3】本発明のカレンダー処理で用いられる金属ロールに配設されたくぼみ又は凸部形状の一例を示す概略図(ロール上面からの図)。
【図4】本発明のカレンダー処理で用いられる金属ロールに配設されたくぼみ又は凸部形状の一例を示す概略図(ロール上面からの図)。
【図5】本発明のカレンダー処理で用いられる金属ロールに配設されたくぼみ又は凸部形状の一例を示す概略図(ロール上面からの図)。
【図6】本発明のカレンダー処理で用いられる金属ロールに配設されたくぼみ又は凸部形状の長径及び短径の例を示す概略図その1(ロール上面からの図)。
【図7】本発明のカレンダー処理で用いられる金属ロールに配設されたくぼみ又は凸部形状の長径及び短径の例を示す概略図その2(ロール上面からの図)。
【図8】本発明のくぼみが配設された金属ロール表面の深さ、間隔を示す断面概略図。
【図9】本発明の凸部が配設された金属ロール表面の高さ、間隔を示す断面概略図。
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、画像構成層を設ける側の紙基質面がポリオレフィン樹脂で被覆された画像材料用支持体及び製造方法に関するものであり、更に詳しくは、良好な剛度を維持したまま、画像形成後の画像層塗設表面の光沢感、且つ平滑性に優れた画像材料用支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、写真用印画紙やフォトライクな光沢性を有するインクジェット記録用紙には、商品品質や迅速な画像形成処理の面から、紙基質の片面又は両面をポリエチレン等のポリオレフィン樹脂により被覆した画像材料用支持体が広く用いられている。これら画像材料用支持体を製造する装置としては、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を加熱溶融状態で押出ダイから、走行する紙基質などの支持体上にフィルム状に押し出し、溶融樹脂と紙基質とをニップローラとクーリングロールとの間でニップして圧着することにより、樹脂を紙基質にラミネートする押出ラミネート方法が広く採用されている。
【0003】
これら画像材料用支持体の表面形状は、光沢面になっているものや、マット面あるいは絹目等の模様に型付けされたものがあるが、これらの表面形状のうち、表面に模様が全く無い平滑な光沢面のもの、特に、微細な凹凸ができる限り少ない、鏡のように平滑な面(鏡面)のものが最も広く好まれている。そのため、画像材料用支持体には、被覆樹脂層表面の平滑性を向上させる「面質」といった課題がある。
【0004】
一方、面質に加えて、一連の画像形成工程などを経た後、支持体を複数枚に束ねたり、仕分けたりするといった加工適性、更には、手で持った時の風合いといった観点から、適度な剛度又は腰が必要とされている。この様に、画像材料用支持体に要求される性質としては、画像形成処理時の通紙に必要な剛度、できあがったプリントのハンドリングに必要な剛度、画像にゆがみを与えない平滑性等があるが、優れた外観及び面質を有するためには、特に、高い平滑性と高い剛度を同時に満足する必要がある。
【0005】
そこで、画像材料用支持体表面を平滑にするために、画像材料用支持体の被覆樹脂層を厚くすることや、樹脂被覆時に押付け圧力を高くすること等が提案されている。しかしながら、これらの方法では、画像材料用支持体の平滑性向上効果は不十分であり、また、コストも割高になるという欠点があった。
【0006】
一方、樹脂被覆した画像材料用支持体表面の平滑性は、樹脂被覆する前の紙基質の平滑性に強く影響されることが判っており、画像材料用支持体の面質を平滑にするために、種々の方法が提案されてきている。画像材料用支持体用紙基質の内添薬品処方やサイズプレスで代表される表面処理などによる各種の改良方法やパルプ材質を変更して紙基質を抄造する方法(例えば特許文献1参照)などが多数開示されているが、これらの方法で得られる画像材料用支持体の面質の平滑性は、未だ十分満足できるものではなかった。
【0007】
また、装置的な改良としては、カレンダー処理時の圧力を増大して紙基質の密度を上げる方法や、金属ロール−合成樹脂ロール間で加熱条件下でカレンダー処理する方法(例えば特許文献2参照)、また、抄紙工程中のドライヤーパート内で紙基質の表面をドラムドライヤーシリンダーに接触させた状態で、紙基質の裏面からドライヤータッチロールで圧力を加え、ドライヤータッチロールを通過する際の紙基質の水分率を所定の範囲内にする方法(例えば特許文献3参照)や紙基質を一対の金属ロールを有するハードニップカレンダーによってカレンダー処理した後、あるいは金属ロールと樹脂ロールを有するソフトカレンダーによってカレンダー処理した後に、金属ロールと弾性樹脂製のエンドレスベルトを有するシューロールとを備えたシューカレンダーによってカレンダー処理する製造方法(例えば特許文献4参照)、あるいは、紙基質面を化学反応架橋性樹脂組成物により架橋し、且つ、カレンダー処理する方法(例えば特許文献5参照)などが試みられている。しかしながら、これらの方法では、十分な平滑化を得ようとすると、紙にかかる圧力により剛度が低下するという問題を惹起する。また、紙基質の平滑性の要因には、抄紙時のパルプの偏りによるムラが紙基質に残り、平滑化処理し、その上に溶融樹脂を被覆しても、画像形成後、画像面に光沢ムラが残ってしまうと言った問題がある。剛度を強くするには、嵩高な紙基質を抄造する等の方法によらねばならないが、そのままでは十分な平滑性は得られない。面質の平滑性を上げる処理と剛度を上げる処理は相反するものであり、これまでの技術では両者を満足することは極めて困難であった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭60−67940号公報
【特許文献2】
特開平4−81836号公報
【特許文献3】
特開平11−119377号公報
【特許文献4】
特開2001−303488号公報
【特許文献5】
特開2002−296735号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、画像構成層を設ける側の紙基質面がポリオレフィン樹脂で被覆された画像材料用支持体において、良好な剛度を維持したまま、画像形成後の画像材料用支持体表面の光沢感及び平滑性に優れた画像材料用支持体を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の本発明を見出した。
【0011】
即ち、本願の第一の発明は、天然パルプを主成分とする紙を基質とした、少なくとも一方の紙基質面をポリオレフィン樹脂で被覆する画像材料用支持体の製造方法において、該紙基質に、ロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いてカレンダー処理(I)を施した後、平滑な金属ロールを用いてカレンダー処理(II)をすることにより平滑化処理を施すことを特徴とする画像材料用支持体の製造方法に関するものである。
【0012】
本願の第二の発明は、第一の発明において、長径が50〜10000μmで、短径が10〜5000μmである形状で形成されたくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いて熱カレンダー処理を施すことを特徴とする画像材料用支持体の製造方法に関するものである。
【0013】
本願の第三の発明は、第一又は第二の発明において、隣接する各くぼみ又は凸部間の距離が、50〜5000μmであることを特徴とする画像材料用支持体の製造方法に関するものである。
【0014】
本願の第四の発明は、第一、第二又は第三の発明において、くぼみの平均深さ又は凸部の平均高さが0.1〜5μmである金属ロールを用いて熱カレンダー処理を施すことを特徴とする画像材料用支持体の製造方法に関するものである。
【0015】
本願の第五の発明は、第一、第二、第三又は第四の発明において、金属ロール−金属ロール、金属ロール−合成樹脂ロール又は金属ロール−シューロールの少なくとも1以上の組合せにより熱カレンダー処理を施すことを特徴とする画像材料用支持体の製造方法に関するものである。
【0016】
また、本願の第六の発明は、第一、第二、第三、第四又は第五の発明において、カレンダー処理前に、該紙基質面を化学反応架橋性樹脂組成物により架橋させることを特徴とする画像材料用支持体の製造方法に関するものである。
【0017】
本願の第七の発明は、第一、第二、第三、第四、第五又は第六の発明の製造方法によって製造されたことを特徴とする画像材料用支持体を提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像材料用支持体及びその製造方法について詳細に説明する。
【0019】
本発明者らは、まず、従来の装置的な面での紙基質の面質向上対策として、効果的であると考えられている金属ロール(加熱や加圧条件を付加する)と金属ロール、あるいは金属ロールと弾性ロール(合成樹脂ロール)とからなるカレンダー処理について検討した結果、本発明に到ったものである。即ち、この従来技術における難点は、満足すべき面質を得ようとすればする程、他の重要特性の一つである腰のある画像材料用支持体が得られなくなることと、平滑化処理した画像材料用支持体であっても、光沢ムラが解消しにくいことである。
【0020】
この問題点を解決するために鋭意検討した結果、本発明者らは、紙基質に、ロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いてカレンダー処理(I)を施した後、平滑な金属ロールを用いてカレンダー処理(II)を行ったところ、従来のカレンダー処理のみでは同時に満足することができなかった特徴、即ち、剛度(腰)を維持しつつ、平滑性を満足し、特に平滑性の中でも光沢感のある画像が得られる紙基質を得ることを見出した。
【0021】
本発明のカレンダー処理方法が、特に有効な理由として以下のことが考えられる。一般的に紙基質の凹凸に関しては、特開平3−120539号に記載されているように、”うねり”と呼ばれる5mm前後の周期を有する波状の大きな凹凸と、0.5mm前後の周期を有する”点状の小さな凹凸”の2種類があると考えられている。本発明においては、ロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いて、紙基質表面にカレンダー処理を施す第一段処理によって、剛度に影響を及ぼさないレベルの小さい圧力で紙基質表面のうねりのレベルを点状の小さな凹凸のレベルまで低くすることができる。次に、平滑な金属ロールを用いたカレンダー処理を施す第二段処理によって、第一段処理によって点状の小さな凹凸のレベルにまで低くなったうねりのレベルと元々存在する点状の小さな凹凸のレベルを小さい圧力で更に低くすることができる。即ち、小さい圧力でうねりと点状の小さな凹凸のレベルを極めて低くすることによって、良好な剛度を保持したまま、平滑性及び光沢性に優れた画像材料用支持体を得ることができるものである。
【0022】
本発明におけるロール表面に配設されるくぼみ又は凸部の平面形状は、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形や、円形、楕円形、紡錘形、三日月形等の曲辺形状のもの、あるいは、これらを組合せた不定型な形状のもの等が挙げられ、特に限定されるものではない。これらの形状の中では、紙基質表面のうねりレベルの凹凸の平滑化に効果の点から、隣接するうねりにまたがる形をした長方形状であることがより好ましい。また、くぼみの形状は、統一された一種類の形状から構成されても構わないし、数種類の異なる形状から構成されても良く、形状の種類とその種類の数には、特に制限はない。
【0023】
また、くぼみ及び凸部の平面形状における大きさは、その形状によって異なるので一概には決定することができない。例えば、くぼみ及び凸部の平面形状が四角形である場合には、長さの長い径(長径)は、50〜10000μm、より好ましくは100〜8000μm、また、長さの短い径(短径)は10〜5000μm、より好ましくは30〜3000μmの範囲内で設けると良い。また、くぼみ及び凸部の平面形状が円形である場合には、その直径は50〜5000μm、より好ましくは120〜3000μmの範囲内で設けると良い。長径が50μmより小さく、短径が10μmよりも小さい場合、あるいは円の直径が50μmよりも小さい場合は、うねりを分割してレベルを低くすることによる紙基質表面の平滑化に与える影響が小さいため、好ましくない。一方、長径が10000μmより大きく、短径が5000μmより大きい場合、あるいは円の直径が5000μmよりも大きい場合は、金属ロール表面のくぼみが、うねりの平均ピッチを超えてしまい、有効にうねりを分割してレベルを低くすることができないため、好ましくない。
【0024】
本発明のロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールにおいては、隣接する各くぼみ間又は凸部間の距離は、くぼみ又は凸部の大きさ(平面形状における大きさ)等によって異なるので一概には決定することができない。隣接するくぼみ及び凸部同士の間隔は、紙基質表面に現れたうねり成分の平均ピッチに応じて選択すれば良いが、好ましくは、うねり成分の平均ピッチの5〜95%、より好ましくは10〜90%、更に好ましくは20〜80%の範囲内で設けると良い。具体的には、隣接するくぼみ同士又は凸部同士の間隔は、50〜5000μmの範囲が好ましい。間隔が50μmより小さい場合は、うねりを分割してレベルを低くすることによる紙基質表面の平滑化に与える影響が小さいため、好ましくない。一方、5000μmより大きい場合は、金属ロール表面の凹凸の間隔がうねりの平均ピッチを越えてしまい、有効にうねりを分割してレベルを低くすることができないため、好ましくない。また、ロール表面に配設されるくぼみ又は凸部は、ランダムに配設されても良いし、規則的に、例えば千鳥状、等間隔に直線状に配設されていても良いが、これらの配設の中では、くぼみ及び凸部をロール表面に配設しやすい観点から、ランダムに配設されていることがより好ましい。
【0025】
本発明のロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールにおいては、くぼみの平均深さ又は凸部の平均高さは、うねりの高低差、即ち、振幅の2倍を越える必要はない。画像材料用支持体に供される紙基質の場合には、0.1〜5μmの範囲が好ましい。くぼみの平均深さ、もしくは凸部の平均高さが0.1μmより小さい場合は、基質表面の平滑化に与える影響が小さいため、好ましくない。一方、5.0μmより大きい場合は、平滑な金属ロールを用いたカレンダー処理によって平滑にすることができないレベルの凹凸を、紙基質表面に新たに生じさせるため、好ましくない。
【0026】
本発明におけるカレンダー処理(I)及び(II)は、金属−金属ロール、金属―合成樹脂ロール又は金属ロール−シューロール間で処理されることが好ましく、更に、画像構成層が設けられる側の紙基質面に金属ロールが圧接するようにカレンダー処理することが好ましい。カレンダー処理(I)では、紙基質表面のうねりを低下させる効率を考慮すると、金属−金属ロールでカレンダー処理することが最も好ましく用いられ、次いで、金属―合成樹脂ロールでカレンダー処理が好ましく用いられる。また、カレンダー処理(II)では、紙基質の性質及び型付けする形状にもよるが金属―合成樹脂ロール間、又は金属ロール−シューロール間での処理の場合、ロールが紙基質と圧接する面積が広く、その分少ない圧力で型付けでき、且つ、加熱時間が長くなるので、紙基質表面のアイロンがけ効果があり、また、へたりが少ないため、剛度が出やすく好ましい。
【0027】
本発明におけるカレンダー処理(I)及び(II)は、熱カレンダーで処理されることが好ましく、熱カレンダー処理する温度は、常温より高ければ良いが、紙基質の表面層を軟化して紙基質表面の型付けを容易にさせるために、好ましくは110〜300℃に加熱して処理することが好ましく、150〜260℃の範囲とすることがより好ましい。110℃より低い温度の熱カレンダー処理で紙基質表面に型付けを付与するためには、カレンダー処理の線圧を高くしたり、時間を長くする必要があり効率が悪い。また、300℃を超える温度で熱カレンダー処理を行った場合には、型付けには効果的であるが、紙基質表面に”へたり”と呼ばれる波状の大きな凹凸が発生してしまうため、好ましくない。
【0028】
本発明におけるカレンダー処理(I)、(II)時の線圧は、カレンダー処理温度、カレンダーロールの材質などの関係で適宜調節して用いれば良く、特に限定されない。処理温度が高い場合は、低い線圧で、処理温度が低い場合は高い線圧で行うと良い。また、流れ方向で紙基質とロール面が接する長さ、即ち、単位紙幅長当たりのロールと紙基質の接触面積に応じて、調節することが重要である。例えば、カレンダー処理(I)を、金属ロール−金属ロール又は金属ロール−合成樹脂ロールで処理する場合、フラットな金属ロール−金属ロールで加圧する場合又は金属ロール−合成樹脂ロールで加圧する場合の60%程度の少ない加圧で高い効果を得ることできる。具体的には、加圧の程度は概ね15〜200N/mの範囲が好ましく、より好ましくは40〜130N/mである。15N/mより低い線圧では平滑性向上の効果が少なく、また、200N/mを超える線圧では、紙基質がつぶれ過ぎ、剛度が減少する傾向があるので好ましくない。また、例えば、カレンダー処理(II)を金属ロール−金属ロール又は金属ロール−合成樹脂ロールで処理する場合、加圧の程度は概ね15〜250N/mの範囲が好ましく、より好ましくは40〜200N/mである。15N/mより低い線圧では平滑性向上の効果が少なく、また、250N/mを超える線圧では、紙基質がつぶれ過ぎ、剛度が減少する傾向があるので好ましくない。また、例えば、カレンダー処理(I)及び(II)を、金属ロール−シューロールで処理する場合は、接触面積が大きくなるので、紙基質面の加熱時間が長くなり、カレンダー処理の加圧圧力は更に低くてもアイロンがけの効果が出て低加圧の分、紙基質の低密度が維持でき、剛度が低下しない効果をもたらす。金属ロール−シューロールによる熱カレンダー処理の加圧する圧力は紙基質を面受けするので特に限定はないが、設備のコストを考慮すると紙幅長当たり100N/m以内の範囲で適宜調節可能である。なお、本発明における線圧とは、紙基質の単位幅長に対して印加する圧力である。
【0029】
本発明で用いられる金属ロールの表面処理方法としては、特に制限はなく、最終的に必要とされる型付けがなされるロール表面を有すれば良い。その一例を簡単に説明すると、まず始めに、鉄等のロール材質表面上に金属ロール下地を施し、グラインダー研磨を実施し、バフ研磨を行う。そして、この上にクロムメッキを施す。更に、再度バフ研磨をして、再度、ピンホール補修のため、クロムメッキを施し、グラインダー研磨をする。最後に、砥石研磨(ミラーフィニッシュ)を行い、所定の金属ロールの形状、粗さになるように下記に挙げるような方法にて金属ロール表面加工を行い、洗浄する。
【0030】
金属ロールの表面形状の付与方法としては、本発明の金属ロール形状を付与できる方法ならばいずれの方法を用いても良い。例えば、金属表面にくぼみ形状を付与する場合には、金属ロールを回転させながら、凸部を有するマザーロールを当てて型押しする方法や鋭利な先端を当てて所定のくぼみを削り出していく方法などで達成される。また、金属表面に凸部形状を付与する場合には、鋭利な先端で凸部の周囲を削り出していく方法などで達成される。その他の方法としては、ロールの表面研磨、蒸着法、サンドブラスト法、エッチング法、電気的穿孔法、メッキ法等のいずれの方法でも、金属ロールに本発明のくぼみあるいは凸部形状を作ることができれば、これらを組合せて用いれば良い。例えば、金属ロールの表面加工によく用いられるサンドブラスト加工では、砥粒径、空気圧、砥粒ノズル径、ガンノズル径、ガン送り速度、ノズル噴射角度、ノズル距離、ロール回転数、加工 回数(パス回数)等の条件設定で適宜実施し、所定の表面を有した金属ロールが得られる。また、当然のことながら、型押し加工に使用するマザーロールにも同様のことが言える。
【0031】
本発明の金属ロール材質は、鉄等金属のクロムメッキ又はニッケル、ホーロー引き、ステンレススチール、テフロン加工のものなど種々選択でき、各々の材質と型付け方法は、任意に選択することができる。また、クロムメッキのメッキ付着量は特に制限はないが、10〜200μmの厚さが好ましい。10μmより少なければピンホールが発生する場合があり、200μmより多ければ、メッキが剥がれやすくなったり、また経済的にも不利となる。
【0032】
本発明で用いられる型付けされた金属ロールについて図を持って説明する。図1、2、3、4、5は本発明で用いられる金属ロールの一例を示す概略図であり、図1は長方形状のくぼみ又は凸部がランダムに配設された金属ロール面であり、図2長方形状のくぼみ又は凸部が規則的に配設された金属ロール面であり、図3は楕円形状のくぼみ又は凸部がランダムに配設された金属ロール面であり、図4は楕円形状のくぼみ又は凸部が規則的に配設された金属ロール面であり、また、図5は長方形状のくぼみ又は凸部と楕円形状のくぼみ又は凸部とがランダムに配設された金属ロール面の一例である。なお、くぼみ及び凸部の形状については、今回、例示した長方形状、楕円形状の他にも、三角形状、五角形状などの多角形状、あるいは円形状、円錐形状などの形状を種々選択することができる。また、図6、7は、本発明の金属ロール面に配設されたくぼみ又は凸部形状の長径及び短径の例を示す概略図である。また、図8は本発明のくぼみが配設された金属ロールの凹部の深さ、間隔を示す断面概略図であり、図9は本発明の凸部が配設された金属ロールの凸部の高さ、間隔を示す断面概略図である。
【0033】
また、本発明の画像材料用支持体は、カレンダー処理前に紙基質面を化学反応架橋性樹脂組成物により架橋させた紙基質を使用することで、更に好ましい効果が期待できる。即ち、化学反応で架橋する樹脂組成物を紙基質の表層に設け、紙基質の内層又は表面近傍の紙層の原紙素材間を架橋せしめ、それと同時に、カレンダー処理により、カレンダーロールを紙基質に圧接し、紙基質の凹凸部を平滑にし、固定して紙基質の動きを抑制する手段を組合せることにより、樹脂被覆工程での紙基質本来の潜在的な凹凸の戻りがなく、良好な面質と高い剛度を併せ持つ画像材料用支持体を得ることができる。
【0034】
本発明において化学反応により架橋する樹脂組成物に使用される架橋性のある物質としては、脂肪族アルデヒド、ジアルデヒドの多糖類、ジケトン、ポリエポキシド、多官能価ビニル化合物、トリアクリルホルマール、アジリジン、置換ジクロロ−S−トリアジンのような活性ビニル系化合物、イソシアヌレート、多価金属などが挙げられる。特に架橋反応が加熱により顕著に促進する、いわゆる、熱硬化性樹脂が好ましく、例えば、エポキシ樹脂、エチレンイミノ樹脂、メラミン樹脂、紙パ技協誌第52巻第12号、P.56〜P.62(1998年)に記載されている、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。本発明における化学反応架橋性樹脂組成物とは、上記の架橋剤だけでも良いが、塗工又は含浸の時、紙基質の表層付近で架橋効果を顕著にするため、あるいは樹脂被覆後の樹脂層と紙基質層との境界付近からの現像液の染み込みを防止する目的で、増粘効果又はバインダー効果を与えるためにポリビニルアルコール、ゼラチン、スチレン無水マレイン酸、セルロース誘導体、澱粉などの水溶性高分子、ラテックスエマルジョン、紙基質表面の堅さを発現し、腰を強くするために、コロイダルシリカ、また雲母や水酸化マグネシウム等の顔料や、シリカ、マイクロガラス繊維等を加え得る。更に、大きな凹部を埋める目的で有機顔料、中空顔料なども使用できる。また、バインダーや顔料の種類によって架橋剤を使い分けると、カレンダー処理後の紙基質面が好ましく仕上がる。例えば、ゼラチンが用いられるような場合は、ゼラチンと架橋しやすいトリアジン系の化合物が好ましく用いられる。
【0035】
これらの化学反応架橋性樹脂組成物を紙基質表層に存在せしめる手段としては、スラリー中に添加して抄紙し内添するか、紙基質に塗設するか、又はその両方の組合せによる。平滑性、剛度は主に紙基質の表層の性質により影響するので、経済性も考慮すると塗設するのが好ましい。本発明におけるカレンダー処理と化学反応架橋性樹脂組成物により架橋された紙基質面との関係は、カレンダー処理した平滑な面に化学反応架橋性樹脂組成物を塗設して乾燥しても良いが、化学反応架橋性樹脂組成物を塗設し乾燥した後カレンダー処理する方が好ましい。また、化学反応により架橋する樹脂組成物を塗設し乾燥する連続する工程の前後にカレンダー処理をすると更に良い。また、化学反応架橋性樹脂組成物を塗設し乾燥する工程の前か後のカレンダー処理が加熱された金属ロールでの熱カレンダー処理である場合は更に好ましく、特に化学反応架橋性樹脂組成物を塗設し乾燥する工程の後に熱カレンダー処理をすると更に好ましい。化学反応架橋性樹脂組成物を塗設する前のカレンダー処理において、熱カレンダー処理を行った場合には、少ない圧力で紙基質の比較的表層のみを平滑化して凹凸をなくし、その平滑化した表面に該樹脂組成物が塗設され架橋するので、高い剛度の紙基質が得られる。更に、少ない圧力で平滑化すること以外にも処理後の紙基質が加熱された状態にあるので化学反応架橋性樹脂組成物が塗設されると架橋が促進し効率が良い。また、化学反応架橋性樹脂組成物の塗設工程に続く乾燥工程後に熱カレンダー処理を行った場合、乾燥工程で未反応のまま残った紙基質中の化学反応架橋性樹脂組成物の架橋反応を促進し、表面を平滑に固定する効果が得られる。かかる効果を考慮すると、上記熱カレンダー処理としては、化学反応架橋性樹脂組成物の塗設前及び乾燥後に熱カレンダー処理することが最も好ましい。
【0036】
本発明における化学反応架橋性樹脂組成物を溶液又は分散液として塗設する方法は、従来から慣用されている、例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、グラビアコーター、チャンプフレックスコーター、ブラシコーター等の塗工装置、あるいはサイズプレス方式等の各種コーターを単独又は組合せて用いて、塗工液を紙基質表面に塗設する。これらの塗工装置はオンマシンあるいはオフマシンコーターのいずれの形式で使用しても良い。上記の塗設方法の中では、サイズプレス方式による塗設方法がより好ましい。特に好ましくは、サイズプレス方式が、ロールニップサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールインバージョン型コーター、ロッドコーター、ビルブレード、ショートドウェルコーター、タブサイズの中から選択又は組合せて行うものである。
【0037】
こうして、紙基質表層及び若干内部に吸収された化学反応架橋性樹脂組成物は、乾燥工程で加熱架橋反応し、カレンダーで固定化されることにより、あるいは乾燥段階で途中まで硬化された後、熱カレンダーにより熱硬化し固定されることにより、紙層の表面を平滑にしながら含浸した内部の紙層全体を固定することができる。本発明における化学反応架橋性樹脂組成物の塗設量は、化学反応架橋性樹脂組成物の種類、カレンダー処理の負荷、処理前の紙基質の平滑性などにより適宜調節すれば良いが、固形分で0.0001〜20g/m2が好ましい。更に好ましくは0.001〜10g/m2であり、更には、0.005〜5g/m2である。0.0001g/m2より低い塗布量では、化学反応架橋性性樹脂の架橋反応による、剛度及び平滑性付与の効果が少なく、また、20g/m2を超える塗布量では、過剰になり該樹脂層が写真現像液により汚れたり、全体が該組成物水溶性液塗設後の乾燥段階における負荷が大きく経済的でない。なお、積極的に多量の塗設量を設けても構わないが、新たに、塗布ムラによる凹凸が加わってきて、平滑性が低下したりする問題が生じてくる。
【0038】
本発明における化学反応により架橋する樹脂組成物の溶液の塗設後の乾燥手段は、例えば、蒸気ドラム加熱、熱風加熱、ガスヒーター加熱、電気ヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱、高周波加熱、レーザー加熱、電子線加熱等各種の方式が採用される。上記の乾燥手段の中では、赤外線又は熱風を単独又はこれらを組合せた非接触方式による乾燥手段が特に好ましく、サイズプレス方式により化学反応架橋性樹脂組成物の水溶液を塗設した直後の乾燥に熱風及び赤外線を単独又は組合せた方式による乾燥手段を採用する場合には、紙基質面にドライヤーロールが当たらず、ロールとの接着によるピッキングを惹起しない。また、化学反応架橋性樹脂組成物の粘着性が低下したところで本格的にドライヤーロールに当接せしめて乾燥工程に入ると更に良い。
【0039】
本発明で用いられる天然パルプを主成分とする紙基質としては、塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素漂白等の通常の漂白処理、並びにアルカリ抽出もしくはアルカリ処理、及び必要に応じて過酸化水素、酸素などによる酸化漂白処理等、及びそれらの組合せ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプが用いられ、また、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプなどの各種のものを用いることができる。
【0040】
本発明で用いられる紙基質中には、紙料スラリー調製時に各種の添加剤を含有せしめることができる。サイズ剤として、脂肪酸金属塩又は脂肪酸、特公昭62−7534号公報に記載もしくは例示のアルキルケテンダイマー乳化物あるいはエポキシ化高級脂肪酸アミド、アルケニル又はアルキルコハク酸無水物乳化物、ロジン誘導体等、乾燥紙力増強剤として、アニオン性、カチオン性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナン等、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂等、填料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン等、定着剤として、塩化アルミニウム、硫酸バンド等の水溶性アルミニウム塩等、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸等を、その他特開昭63−204251号公報、特開平1−266537号公報等に記載もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などを適宜組み合せて含有せしめるのが有利である。
【0041】
また、本発明の実施に用いられる紙基質中あるいは紙基質上には、各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コロイド又はラテックス、帯電防止剤、添加剤からなる組成物をサイズプレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工などの塗工によって含有あるいは塗設せしめることができる。水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドとして、特開平1−266537号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、セルロース系ポリマーなど、エマルジョン、ラテックス類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55−4027号公報、特開平1−180538号公報に記載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(又はメタクリル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマルジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体及びそれらのカルボキシ変性共重合体のエマルジョンもしくはラテックス等、帯電防止剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、コロイド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポリスチレンスルホン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンなど、pH調節剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、そのほか前記した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組合せて含有せしめるのが有利である。
【0042】
本発明で用いられる紙基質の厚みに関しては、特に制限はないが、その坪量は50〜250g/m2 のものが好ましい。
【0043】
本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料は、有機物質により表面処理されているものを用いることができる。表面処理に用いる有機物質としては、特公昭61−26652号公報に記載もしくは例示のジメチルポリシロキサン、ジメチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどのオノガノポリシロキサン化合物、特公昭60−3430号公報に記載もしくは例示のアルキルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのシランカップリング剤、特公平3−35652号公報に記載もしくは例示のトリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール化合物、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミンのアルカノールアミン化合物又はそれらの無機塩などがあげられるが、シランカップリング剤により処理した二酸化チタン顔料を用いるのがより好ましい。それらの有機表面処理剤の処理量としては、二酸化チタン顔料に対して、0.05〜2.5質量%の範囲で有用であるが、0.05〜1.5質量%の範囲が好ましい。また、本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料は、有機物質で表面処理される前に含水酸化アルミニウム、含水酸化珪素などの無機物質で表面処理を行っても良い。その際には、特公昭63−11655号公報、特公平1−38291号公報、特公平1−38292号公報、特公平1−105245号公報に記載もしくは例示してあるような適切な処理を行うことが好ましい。
【0044】
本発明における画像材料用支持体の紙基質の画像構成層を設ける側の面は、ポリオレフィン樹脂被覆層で被覆される。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのα−オレフィン単独重合体、α−オレフィンの共重合体及びそれらの各種重合体の混合物などから選ぶことができる。特に好ましいポリオレフィン樹脂はポリエチレン樹脂であり、ポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、及びこれらの混合物であり、各種の密度、メルトフローレート(以下単にMFRと略す)、分子量、分子量分布のものを使用できるが、通常、密度0.90〜0.97g/cm3 の範囲、MFR0.1〜50g/10分、好ましくは、MFR0.3〜40g/10分の範囲のものを単独にあるいは混合して有利に使用できる。また、樹脂が多層構成の場合、最外層の樹脂として、例えば、MFR5〜20g/10分のもの、下層の樹脂として、例えば、MFR2〜10g/10分のものを使用するなど別の性質、構成の樹脂を使用することもできる。
【0045】
本発明における画像材料用支持体の紙基質の画像構成層を設ける側の面を被覆する全ポリオレフィン樹脂の被覆厚さとしては、4〜70μmの範囲が有用であるが、6〜45μmの範囲が好ましく、10〜40μmの範囲が特に好ましい。
【0046】
本発明における画像材料用支持体の紙基質の画像構成層を設ける側の面を被覆するポリオレフィン樹脂被覆層は前記のような有機物質により被覆処理された二酸化チタン顔料を含有せしめることもできるが、この二酸化チタン顔料を紙基質被覆用のポリオレフィン樹脂中に含有せしめる方法としては、予め二酸化チタン顔料をポリオレフィン樹脂中に一定濃度に含有させた、いわゆるマスターバッチを作成し、それを希釈用のポリオレフィン樹脂で所望の割合に希釈混合して使用するか、あるいは二酸化チタン顔料をポリオレフィン樹脂中に所望の組成比だけ含有させた、いわゆるコンパウンドを作成して使用するのが普通である。これらのマスターバッチ、コンパウンドを作成するには通常、バンバリーミキサー、ニーダー、混練用押出機、ロール練り機などを用いることができ、また、これら各種混練機を二種類以上組合せて使用しても良い。
【0047】
これら二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂とからなるマスターバッチ、コンパウンドのポリオレフィン樹脂組成物の調整に用いるポリオレフィン樹脂としては、二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂との混練性に関わる適当な物性のものが好ましい。具体的には、密度が0.917〜0.925g/cm3の範囲、MFRが3〜12g/10分の低粘度ポリエチレン樹脂、又は中粘度ポリエチレン樹脂が好ましい。二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂とからなるポリオレフィン樹脂組成物の調整に際し、適量の酸化防止剤の存在下にポリオレフィン樹脂組成物の調整を行うのが好ましい。具体的には、特開平1−105245号公報に記載もしくは例示のヒンダードフェノール系の酸化防止剤、特開昭55−142335号公報に記載もしくは例示のリン系酸化防止剤の他、ヒンダードアミン、硫黄系などの各種酸化防止剤などを適量存在せしめるのが好ましいが、特にヒンダードフェノール系の酸化防止剤を適量存在せしめるのが好ましい。これらポリオレフィン樹脂組成物を調整中の酸化防止剤の存在量としては、50〜3000ppmの範囲が好ましいが、50〜200ppmの範囲が更に好ましい。
【0048】
二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂とからなるポリオレフィン樹脂組成物の調整に際し、適量の適切な滑剤の存在下にポリオレフィン樹脂組成物の調整を行うのが好ましい。具体的には、滑剤として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩を用いるのが好ましく、特にステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの一方、又は両方を用いるのが好ましい。またその存在量としては、二酸化チタン顔料に対して、0.1〜20質量%の範囲が有用であり、0.1〜7.5質量%の範囲が好ましい。
【0049】
本発明における画像材料用支持体の画像構成層を設ける側の面を被覆するポリオレフィン樹脂中には、二酸化チタン顔料、脂肪酸金属塩、酸化防止剤の他に各種の添加剤を含有せしめることができる。酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、コバルトブルー、群青、セリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルー系の顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガンバイオレットなどのマゼンタ系の顔料や染料、特開平 2−254440号公報に記載もしくは例示の蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組合せて含有せしめることができる。それらの添加剤は、樹脂のマスターバッチあるいはコンパウンドとして含有せしめることが好ましい。
【0050】
本発明における画像材料用支持体の画像構成層を設ける側と反対の紙基質面は、フィルム形成能ある樹脂で被覆されることができる。フィルム形成能ある樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましく、中溶融押し出しコーティング性の点から前記したポリオレフィン樹脂が更に好ましく、ポリエチレン樹脂が特に好ましい。また、特公昭60−17104号公報に記載もしくは例示の電子線硬化樹脂で被覆しても良い。また、画像材料用支持体の画像構成層を設ける側と反対の紙基質面のフィルム形成能ある樹脂被覆中にも、画像構成層を設ける側のポリオレフィン樹脂層同様に、白色顔料、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、各種酸化防止剤、ブルー系の顔料や染料、マゼンタ系の顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組合せて含有せしめることができる。それらの添加剤は、樹脂のマスターバッチにより、あるいはコンパウンドとして含有せしめるのが好ましい。
【0051】
本発明におけ画像材料用支持体の紙基質の画像構成層を設ける側と反対の面は、フィルム形成能ある樹脂で被覆されるが、その樹脂は表側の樹脂と同様の樹脂が好ましく、その被覆厚さとしては、表側の樹脂と、特にカールバランスを取る範囲で適宜設定するのが好ましく、一般に4〜70μmの範囲が有用であるが、好ましくは6〜45μmの範囲が好ましく、9〜35μmの範囲が特に好ましい。
【0052】
本発明における画像材料用支持体の紙基質面に樹脂を被覆する方法としては、走行する紙基質上に樹脂組成物を溶融押出機を用いて、そのスリットダイからフィルム状に流延して被覆する、いわゆる溶融押し出しコーティング法によって被覆するのが好ましい。その際、溶融フィルムの温度は270〜330℃であることが好ましい。
【0053】
スリットダイとしては、T型ダイ、L型ダイ、フィッシュテイル型ダイのフラットダイが好ましく、スリット開口径は0.1〜2mmであることが望ましい。また、樹脂組成物を紙基質にコーティングする前に、紙基質にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すのが好ましい。また、特公昭61−42254号公報に記載のごとく、紙基質に接する側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に走行する紙基質に樹脂層を被覆することもできる。また、表、裏の樹脂層は、二層以上を同時に押し出す、いわゆる共押し出しコーティング方式、そして逐次、又は連続的に、押し出しコーティングされる、いわゆるタンデム押し出しコーティング方式で紙基質に被覆することにより、横段ムラや梨地を発生することなく、より高速加工を行うことができる。
【0054】
本発明における画像材料用支持体の画像構成層を設ける側のポリオレフィン樹脂層面には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことができる。更にこれらの活性化処理後、画像構成層との接着力の向上、画像構成層を塗設する際に生じる塗設ムラの解消、そして画像構成層塗設後の画像材料の光沢感の付与などのために、画像構成層を設ける側のポリオレフィン樹脂面に下引き層を施すことができる。
【0055】
本発明の必要により設けられる下引き層に使用されるゼラチンは、下引き層上に塗設される画像構成層に悪影響を及ぼさない限り、どのような種類のものであっても良い。例えば、ゼラチンは、骨から抽出されたものであっても良く、あるいは、皮から抽出されたものであっても良い。また、ゼラチン抽出方法は、酸性法であっても良く、アルカリ法であっても良い。更にゼラチンの物性についても格別の限定はなく、例えば、そのゼリー強度については、下引き層として一般的に用いたれる水準にあれば良く、また、例えば、その粘度は、下引き層として一般的に用いられるものと同程度のものであれば良い。
【0056】
本発明の必要により設けられる下引き層は、前述のように、ゼラチンを主成分とするもので、その他に、必要に応じて、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、白色顔料、マット化剤、消泡剤、耐電防止剤、カブリ防止剤などの添加剤を含んでも良い。
【0057】
本発明の必要により設けられる下引き層形成用塗布液に使用可能な硬膜剤としては、特に制限はないが、例えば、クロム明礬などの無機硬膜剤、あるいは、アルデヒド型硬膜剤、N−メチロール、及びアセタール硬膜剤、エポキシ硬膜剤、アジリジン硬膜剤、ムコハロゲン酸硬膜剤、活性ハロゲン硬膜剤、ジクロロ−S−トリアジン硬膜剤、活性オレフィン硬膜剤、イソオキサゾリューム塩硬膜剤、メタンスルホン酸エステル硬膜剤、又は、活性エステル硬膜剤などの有機硬膜剤などがある。
【0058】
本発明の必要により設けられる下引き層形成用塗布液に使用可能な界面活性剤としては、特に制限はないが、例えば、サポニンのごとき天然物の他に、高級脂肪酸アルカリ金属塩、アルキル硫酸塩アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸エステルなどの陰イオン性界面活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、ハロゲン化アルキルビニジリウム、第4アンモニウム塩などの陽イオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、及びアミノ酸などの界面活性剤がある。
【0059】
本発明の必要により設けられる下引き層形成用塗布液に使用可能な増粘剤としては、カゼイン、澱粉などの天然物の他、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子などを用いることができる。本発明の必要により設けられる下引き層には、使用可能な白色顔料として、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、アルミナ白、酸化亜鉛、シリカ白、三酸化アンチモン、リン酸チタニウムなどがある。下引き層形成用塗布液に使用可能な消泡剤としては、メチルアルコール、エチルアルコールの他、オクチルアルコール、シクロヘキサノール、その他の高級アルコール、あるいはエチレングリコール、更にはスパンその他の非イオン活性剤や、シリコーン消泡剤などがある。
【0060】
本発明の必要により設けられる下引き層をポリオレフィン樹脂面上に設ける方法としては、走行する紙基質面にポリオレフィン樹脂を被覆した後、巻き取るまでの間に写真構成層を設ける側の樹脂面上に、下引き塗液を塗設・乾燥して下引き層を設ける、いわゆるオンマシン法で行うのが好ましい。また、樹脂被覆紙を巻き取ってから、必要に応じて巻取りを貯蔵後、新ためて下引き層を設ける、いわゆるオフマシン法で行うこともできる。下引き塗液を塗設する装置としては、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ブレードコーター、スライドホッパーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター及びそれらの組合せ等があげられる。塗設に際しては塗設に先立ち、樹脂面をコロナ放電処理、火炎処理等の活性化処理を施しておくことが望ましい。塗設された塗液の乾燥装置としては直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアーループドライヤー、サインカーブエアーフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等各種乾燥装置をあげることができる。また、乾燥条件は任意であるが、一般には60℃〜150℃で数秒〜10分で行われる。
【0061】
本発明における画像材料用支持体の裏樹脂層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施した後、帯電防止等のために各種のバックコート層を塗設することができる。また、バックコート層には、特公昭52−18020号、特公昭57−9059号、特公昭57−53940号、特公昭58−56859号、特開昭59−214849号、特開昭58−184144号等の各公報に記載もしくは例示の無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組合せて含有せしめることができる。
【0062】
また、本発明の実施に用いられる紙基質中あるいは紙基質上には、各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コロイド又はラテックス、帯電防止剤、添加剤からなる組成物をサイズプレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工などの塗工によって含有あるいは塗設せしめることができる。水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドとして、特開平1−266537号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、セルロース系ポリマーなど、エマルジョン、ラテックス類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55−4027号公報、特開平1−180538号公報に記載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(又はメタクリル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマルジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体及びそれらのカルボキシ変性共重合体のエマルジョンもしくはラテックス等、帯電防止剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、コロイド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポリスチレンスルホン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、二酸化チタンなど、pH調節剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、そのほか前記した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組合せて含有せしめるのが有利である。
【0063】
本発明における画像材料用支持体は、各種の写真構成層が塗設されたカラー画像材料用、白黒画像材料用、写植印画紙用、電算写植印画紙用、レーザー光感光印画紙用、複写印画紙用、反転写真材料用、銀塩拡散転写法ネガ用及びポジ用に用いることができる。また、インク受像層が塗設されたインクジェット記録方式に使用される記録・画像材料用や電子写真用と言った印刷材料用等各種の用途に用いることができる。
【0064】
例えば、写真構成層が塗設された画像材料用の場合、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀感光乳剤層を設けることができる。ハロゲン化銀感光乳剤層にカラーカプラーを含有せしめて、多層ハロゲン化銀カラー写真構成層を設けることができる。また、銀塩拡散転写法用写真構成層を設けることができる。それらの写真構成層の結合剤としては、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化合物などの親水性高分子物質を用いることができる。また、上記の写真構成層には各種の添加剤を含有せしめることができる。例えば、増感色素として、シアニン色素、メロシアニン色素など、化学増感剤として、水溶性金化合物、硫黄化合物など、カブリ防止剤もしくは安定剤として、ヒドロキシートリアゾロピリミジン化合物、メルカプト複素環化合物など、硬膜剤としてホルマリン、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物など、塗布助剤として、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、スルホコハク酸エステル塩など、そのほか蛍光増白剤、鮮鋭度向上色素、帯電防止剤、pH調製剤、更にハロゲン化銀の生成・分散時に水溶性イリジウム、水溶性ロジウム化合物などを適宜組合せて含有せしめることができる。
【0065】
また、インクジェット記録方式に使用される画像材料用の場合、二酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、アルミナ又はアルミナ水和物もしく湿式法あるいは気相法により製造された合成シリカ微粒子と言った無機微粒子を用いたインク受容層を設けることができる。また、インク受容層の皮膜としての特性を維持するために、完全又は部分ケン化のポリビニルアルコール又はカチオン変性ポリビニルアルコールバインダーなどの親水性バインダーを用いることができる。インク受容層には、インク中の色材の定着性を上げ、発色性を更に向上させるために、1級〜3級アミン塩型の化合物、第4級アンモニウム塩型の化合物、ピリジニウム塩型の化合物、イミダゾリン型カチオン性化合物などのカチオン性物質を含有させたり、耐水性、ドット再現性を向上させる目的で、ポリビニルアルコールの硬膜剤を添加することができる。更に、インク受容層には、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を適宜組合せて含有せしめることができる。
【0066】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。また、実施例において示す「部」及びは、特に明示しない限り、質量部を示す。
実施例1〜24及び比較例1〜4
広葉樹漂白クラフトパルプ60質量%、広葉樹漂白サルファイトパルプ30質量%及び針葉樹漂白サルファイトパルプ10質量%からなる混合パルプをフリーネス(CSF)が375mlになるように叩解後、パルプ100質量部に対して、カチオン化澱粉3質量部、アニオン化ポリアクリルアミド0.3質量部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテンダイマー分として)0.3質量部、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂0.4質量部及び適当量の蛍光増白剤、青色染料、赤色染料を添加して紙料スラリーを調製した。
【0067】
その後、紙料スラリーを200m/分で走行している長網抄紙機にのせ適切なタービュレンスを与えつつ紙匹を形成し、ウェットパートで15kg/cm〜100kg/cmの範囲で線圧が調節された3段のウェットプレスを行った後、スムージングロールで処理し、引き続く乾燥パートで乾燥した。
【0068】
その後、乾燥の途中で、以下の配合のサイズプレス液を絶乾塗布量が片面2.5g/m2となるように、ゲートロールコーターにてサイズプレスし、水分が絶乾水分率で8質量%になるように、更に赤外線と熱風で加熱し、その後ドラムドライヤーで乾燥した。
<サイズプレス液配合>カルボキシ変性ポリビニルアルコール4質量部、蛍光増白剤0.05質量部、青色染料0.002質量部、塩化ナトリウム3質量部及び水92質量部
【0069】
次いでこの原紙に、下記の種類の金属ロールを用いて、金属ロール−金属ロール間で45N/mの線圧のカレンダー処理をロール温度150℃で行い、実施例1〜39及び比較例1〜3の画像材料用支持体に用いられる坪量170g/m2 の紙基質を製造した。
[カレンダー処理に使用した金属ロールの種類]
A:表面が平滑な金属ロール
B:長方形状のくぼみがランダムに配設された金属ロール(図1、6、8参照)
C:長方形状のくぼみが規則的に配設された金属ロール(図2、6、8参照)
D:楕円形状のくぼみがランダムに配設された金属ロール(図3、6、8参照)
E:楕円形状のくぼみが規則的に配設された金属ロール(図4、6、8参照)
F:長方形状のくぼみと楕円形状のくぼみとが1:1の割合でランダムに配設された金属ロール(図5、6,8参照)
G:長方形状の凸部がランダムに配設された金属ロール(図1、6、9参照)
H:長方形状の凸部が規則的に配設された金属ロール(図2、6、9参照)
【0070】
次に、画像構成層を塗設する側とは反対側の紙基質面(裏面)をコロナ放電処理した後、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.93g/cm3 、MFR=2g/10分)40質量部と高密度ポリエチレン樹脂(密度0.96g/cm3 、MFR=20g/10分)60質量部からなるコンパウンド樹脂組成物を樹脂温310℃で23μmの厚さで溶融押し出しコーティングした。
【0071】
引き続き、紙基質の表面をコロナ放電処理した後、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92g/cm3;MFR=8.5g/10分)50質量%、含水酸化アルミニウム(対二酸化チタンに対してAl2O3分として0.75質量%)で表面処理したアナタ−ゼ型二酸化チタン含量47.5質量%とステアリン酸亜鉛2.5質量%からなる二酸化チタン顔料のマスタ−バッチ20質量部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92g/cm3;MFR=4.5g/10分)80質量部からなる樹脂組成物を30μmの厚さになるように、クーリングロールを用いて、加工速度250m/minにて、305℃で溶融押し出し被覆し、画像材料用支持体を得た。
【0072】
樹脂被覆された画像材料用支持体表面の平滑性と光沢性を評価する方法として、樹脂被覆された画像材料用支持体表面の写像性を評価した。
[写像性の評価方法]
スガ試験機株式会社製の写像性測定器ICM−2DP型を使用し、光学くしの幅2mmを用いて樹脂被覆された画像材料用支持体を評価した。
評価基準としては、以下の通りである。
◎:写像性が非常に良好。
○:写像性が良好。
△:写像性が若干劣るが、実用上問題ない程度。
×:写像性が劣り、実用上問題がある。
【0073】
[剛度(腰)の評価方法]
得られた画像材料用支持体の剛度(腰)を触手時の感触にて評価した。
評価基準としては、以下の通りである。
◎:剛度が非常に良好。
○:剛度が良好。
△:剛度が若干劣るが、実用上問題ない程度。
×:剛度が劣り、実用上問題がある。
【0074】
画像構成層を塗設した画像材料表面の光沢性の評価方法としては、以下に記載の方法で評価した。
[画像構成層塗設後の表面光沢性の評価方法]
画像材料用支持体の表側に、ゼラチン100mg/m2を下引き層として塗布し、その上に乳剤層及びその保護層を設けて、光沢性の評価用として白黒写真印画紙を作成した。乳剤層はヘキサクロロイリジウム(III) 酸カリウム1.2×10−5gの存在下にゼラチン14.4g中に硝酸銀で19.2g分のハロゲン化銀粒子を生成・分散して製造したAgBr/AgCl/AgI=95/4.5/0.5(モル%)なるハロゲン組成を有する平均粒子径0.6μの最適感度に硫黄増感と金増感により併用増感した実質的に〔1、0、0〕面からなる中性法ハロゲン化銀写真乳剤を含み、更に成膜に必要なゼラチンの他、適量の安定剤、増感色素、塗布助剤、硬膜剤、蛍光増白剤、増粘剤、フィルター染料等を含み、硝酸銀で2.2g/m2、ゼラチンで4.4g/m2に相当する塗布量で保護層と共にEバー方式で塗布速度220m/分で重層塗布された。保護層は2g/m2 に相当するゼラチンの他に塗布助剤、硬膜剤を含む。塗布・乾燥した試料は40℃、常湿下に4日間保存後濃度D=0.6になるように露光し、現像後停止、定着、水洗、乾燥した後、視覚的に見た目の光沢感を検定した。
評価基準としては、以下の通りである。
◎:見た目の光沢感がかなり高い。
○:見た目の光沢感が高い。
△:見た目の光沢感がやや低いが、実用可能である。
×:見た目の光沢感が低く、実用上問題である。
【0075】
得られた結果を表1、2、3に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
表1、2、3の結果より、明らかな様に、本発明のロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いてカレンダー処理を施した後、平滑な金属ロールを用いてカレンダー処理をすることにより平滑化処理を施した画像材料用支持体は、写像性、剛度、画像構成層塗設後の表面光沢性に優れた画像材料用支持体であることが判る。また、ロール表面に配設されたくぼみ又は凸部の形状、くぼみ又は凸部の配設のランダム性、規則性に関わらず、本発明のロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いることで、写像性、画像構成層塗設後の表面光沢性が優れることが判る。
【0080】
実施例6のサイズプレス液配合を以下の配合に変えた以外は、実施例6と同様に行い、実施例40の画像材料用支持体を得た。
<サイズプレス液配合> タピオカ澱粉4質量部、水溶性エポキシ化合物(長瀬産業社製;NER−010)0.3質量部、 メタノール3質量部、 蛍光増白剤0.05質量部 、青色染料0.002質量部、塩化ナトリウム 4質量部、水 88.7質量部
【0081】
実施例11のサイズプレス液配合を以下の配合に変えた以外は、実施例11と同様に行い、実施例41の画像材料用支持体を得た。
<サイズプレス液配合> タピオカ澱粉4質量部、水溶性エポキシ化合物(長瀬産業社製;NER−010)0.3質量部、 メタノール3質量部、 蛍光増白剤0.05質量部 、青色染料0.002質量部、塩化ナトリウム 4質量部、水 88.7質量部
【0082】
実施例18のサイズプレス液配合を以下の配合に変えた以外は、実施例18と同様に行い、実施例42の画像材料用支持体を得た。
<サイズプレス液配合> タピオカ澱粉4質量部、水溶性エポキシ化合物(長瀬産業社製;NER−010)0.3質量部、 メタノール3質量部、 蛍光増白剤0.05質量部 、青色染料0.002質量部、塩化ナトリウム 4質量部、水 88.7質量部
【0083】
実施例6のサイズプレス液配合を以下の配合に変えた以外は、実施例6と同様に行い、実施例43の画像材料用支持体を得た。
<サイズプレス液配合> ゼラチン4質量部、 1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン架橋剤0.2質量部、蛍光増白剤0.05質量部、青色染料0.002質量部、塩化ナトリウム4質量部、水92質量部
【0084】
得られた結果を表4に示す。
【0085】
【表4】
【0086】
表4から明らかなごとく、本発明のカレンダー処理前に、紙基質面を化学反応架橋性樹脂組成物により架橋させた場合、写像性、画像構成層塗設後の表面光沢性が更に良化することが判る。
【0087】
【発明の効果】
本発明により、良好な剛度を維持したまま、平滑性と画像形成後の画像構成層塗設面の光沢感に優れた画像材料用支持体とその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカレンダー処理で用いられる金属ロールに配設されたくぼみ又は凸部形状の一例を示す概略図(ロール上面からの図)。
【図2】本発明のカレンダー処理で用いられる金属ロールに配設されたくぼみ又は凸部形状の一例を示す概略図(ロール上面からの図)。
【図3】本発明のカレンダー処理で用いられる金属ロールに配設されたくぼみ又は凸部形状の一例を示す概略図(ロール上面からの図)。
【図4】本発明のカレンダー処理で用いられる金属ロールに配設されたくぼみ又は凸部形状の一例を示す概略図(ロール上面からの図)。
【図5】本発明のカレンダー処理で用いられる金属ロールに配設されたくぼみ又は凸部形状の一例を示す概略図(ロール上面からの図)。
【図6】本発明のカレンダー処理で用いられる金属ロールに配設されたくぼみ又は凸部形状の長径及び短径の例を示す概略図その1(ロール上面からの図)。
【図7】本発明のカレンダー処理で用いられる金属ロールに配設されたくぼみ又は凸部形状の長径及び短径の例を示す概略図その2(ロール上面からの図)。
【図8】本発明のくぼみが配設された金属ロール表面の深さ、間隔を示す断面概略図。
【図9】本発明の凸部が配設された金属ロール表面の高さ、間隔を示す断面概略図。
Claims (7)
- 天然パルプを主成分とする紙を基質とした、少なくとも一方の紙基質面をポリオレフィン樹脂で被覆する画像材料用支持体の製造方法において、該紙基質に、ロール表面にくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いてカレンダー処理(I)を施した後、平滑な金属ロールを用いてカレンダー処理(II)をすることにより平滑化処理を施すことを特徴とする画像材料用支持体の製造方法。
- 長径が50〜10000μmで、短径が10〜5000μmである形状で形成されたくぼみ又は凸部が配設された金属ロールを用いて熱カレンダー処理を施すことを特徴とする請求項1記載の画像材料用支持体の製造方法。
- 隣接する各くぼみ又は凸部間の距離が、50〜5000μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像材料用支持体の製造方法。
- くぼみの平均深さ又は凸部の平均高さが0.1〜5μmである金属ロールを用いて熱カレンダー処理を施すことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の画像材料用支持体の製造方法。
- 金属ロール−金属ロール、金属ロール−合成樹脂ロール又は金属ロール−シューロールの少なくとも1以上の組合せにより熱カレンダー処理を施すことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の画像材料用支持体の製造方法。
- カレンダー処理前に、該紙基質面を化学反応架橋性樹脂組成物により架橋させることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の画像材料用支持体の製造方法。
- 請求項1〜6に記載された製造方法によって製造されたことを特徴とする画像材料用支持体。
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