JP2005022902A - 金属−炭素複合材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素質原料及び熱分解生成炭素とから構成される炭素材料に金属粒子を分散してなり、前記金属粒子表面の全部或いは一部が、前記金属の触媒黒鉛化作用により転化した黒鉛皮膜によって被覆されてなる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素元素よりなる極微小円筒状繊維(以下、カーボンナノチューブと称す)製造用炭素材料に好適に用いられる金属−炭素複合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カーボンナノチューブは、一層で構成された単層カーボンナノチューブ(SWNT)と、二層以上で構成された多層カーボンナノチューブ(MWNT)とに大別される。
SWNTはMWNTに比較して構造が簡単であり、理論と比較しやすい点が研究開発を促進し、STM探針、分子ワイヤー、量子細線としてナノスケールの新規な電子デバイスの可能性が示唆されている。
また、MWNTは機械的強度に優れ、高い電気伝導性を有することから繊維強化素材や導電性素材としての利用が示唆され一部実用化されている。
カーボンナノチューブは、あまたあるナノスケールの材料中において、産業的インパクトの大きい材料として多方面で興味の対象となっている。
【0003】
しかしながら、その合成方法については未解決の技術的課題が多く残されている。
カーボンナノチューブは現在まで、アーク合成法、レーザーアブレーション法、CVD法などで合成されている。
アーク放電法とは、真空容器内を500Torr程度のヘリウムガスあるいは水素などで満たし、その中で対向する炭素電極問にアーク放電を起させて炭素と金属を蒸発させ、カーボンナノチューブを合成する方法である。
アーク放電法は、レーザーアブレーション法に比較してカーボンナノチューブを多量に合成できる特徴があり、CVD法に比較して品質に優れる特徴がある。
【0004】
アーク放電法に用いる炭素電極としては、金属を含まない純炭素電極と金属を含む金属−炭素複合電極に大別できる。一般的に、純炭素電極を用いると煤中にMWNTが多く生成する傾向にある。
また、金属−炭素複合電極を用いると煤中にMWNTとともに、SWNTが多く生成する傾向がある。
このとき金属−炭素複合電極中に、Fe、Ni、Coなどの鉄族金属を数mol%分散しておくと、それらの金属を触媒としてカーボンナノチューブが生成するといわれている。(非特許文献1参照)。
また、金属−炭素複合電極中に鉄族元素以外の金属を分散し、カーボンナノチューブの生成触媒として利用できることも報告されている。例えば白金族元素であるPh、Pd、Ptが挙げられる。または、希土類元素であるY、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Luなどが挙げられる。(非特許文献3参照)。
金属−炭素複合電極としては、黒鉛電極棒に穴をあけて任意の金属粉末とカーボン粉末の混合物を充填して用いることが従来から一般的におこなわれている。また、金属触媒のより効率的な利用を考慮して、金属を炭素原料と混合した後、その混合物を成形し,焼成することで金属−炭素複合材料を製作して金属−炭素複合電極として用いることもおこなわれる(特許文献1参照)。
【0005】
SWNTの生成過程の詳細は未だに不明な点が多々あるが簡単に説明すると以下のような過程を経ると考えられている。
なお、レーザーアブレーション法においてはプルームが、アーク放電法のアークに相当すると考えられるので、アーク放電法を例にとって説明する。
まず、アーク放電時には炭素電極は自らのジュール熱により1000℃〜2000℃程度の高温になり、さらに、アークプラズマに直接接する部分は3000℃以上の高温になるといわれている。3000℃以上の高温に曝されることにより、炭素および金属は昇華あるいは蒸発しアークプラズマの内部へ侵入し、その後、アークプラズマの外部へ飛散するという一連の過程において炭素と金属の相互作用の結末としてカーボンナノチューブが生成すると考えられている。この際、金属は何らかの触媒として重要な役割を担うことが報告されている(非特許文献2参照)。
従って、この様なカーボンナノチューブの生成において、効率的な生成を促す為には、金属触媒の存在は不可欠であると考えられる。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−282938号公報
【非特許文献1】
C. Journet, Nature, Vol388, 756 (1997)
【非特許文献2】
M. Yudasaka, Appl. Phys. A, Vol74, 733 (2002)
【非特許文献3】
斎藤弥八、カーボンナノチューブの基礎、26頁、コロナ社
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アーク放電の開始後、炭素電極がジュール熱による発熱や、アークプラズマによる加熱を被る際、金属−炭素複合電極中の金属が炭素に先立ち蒸発してしまう問題がある。
そのような場合、アークプラズマに接する金属−炭素複合電極の端面近傍において、金属元素の濃度が著しく低下し、実質的に炭素元素のみになってしまう。この様な、金属の炭素に先立つ蒸発は、炭素元素が3000℃以上の高い昇華点を有し蒸気圧が低いのに対し、金属元素の蒸気圧が炭素元素より高いことに起因すると考えられる。
ここで、元素の蒸発の傾向を示す一つの指標として、蒸気圧が10−2Torrとなる温度を挙げることが出来る。ある温度を境界にして、蒸気圧がある閾値を超えると蒸発が盛んになると考えることができる。
そのような温度は統計熱力学的計算により算出することもできる。(沢木司、真空技術講座10、真空蒸着、1〜12頁、日刊工業新聞社)。
たとえば、炭素元素の蒸気圧が10−2Torrを超えるのは2730K(2457℃)であるが、Fe元素は1750K(1477℃)、Ni元素は1800K(1527℃)、Co元素は1790K(1517℃)である。これらの計算結果より、Fe、Ni、Coなどの鉄族元素はC元素よりも低温にて蒸発する傾向があると考えられる。
炭素元素のみの蒸発では、もはや金属元素の有する触媒効果を享受することができず、カーボンナノチューブの効率的な生成に支障が生じることが問題とされている。
【0008】
そこで、本発明は、炭素に先立つ、金属の蒸発を極力防止する金属−炭素複合材料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意研究を重ね、従来カーボンナノチューブを合成する際に用いられてきた金属−炭素複合電極の金属粒子回りの炭素原料を低結晶性炭素に変えることにより、炭素に先立つ金属の蒸発を極力抑制することを可能にした。
すなわち、本発明1は、炭素材料に金属粒子を分散してなる金属−炭素複合材料であって、前記金属粒子は、その表面の全部或いは一部が、前記炭素材料より黒鉛化が進んだ黒鉛皮膜によって被覆されてなる。
また、本発明2は、炭素材料に金属粒子を分散してなる金属−炭素複合材料であって、前記金属粒子表面の全部或いは一部が、前記金属の触媒黒鉛化作用により転化した黒鉛皮膜によって被覆されてなる。
【0010】
本発明1,2の金属−炭素複合材料(電極)について更に説明する。
前記炭素材料(電極)は、炭素質原料と熱分解生成炭素とから構成される。すなわち、炭素材料は、骨材となる炭素質原料100重量部に対し、バインダとなる熱分解生成炭素マトリックスを5〜100重量部の割合で添加してなる。
ただし、骨材となる炭素質原料が自己焼結性を有する場合は、バインダとなる熱分解生成炭素は必ずしも添加する必要は無い。
触媒となる金属Xの添加は、炭素原子Cに対して、X:C=1:5から1:300までの範囲内であることが望ましい。
【0011】
骨材となる炭素質原料としては、ラマンR値が0.3以上である低結晶性炭素を用いる。
例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、フルフリルアルコール、セルロース、塩化ビニリデン、スルホン化ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂などの合成樹脂を500〜2200℃程度で炭素化して得られる樹脂炭が該当する。
あるいは、石油コークスおよび石炭コークスなどのコークス類、メソフェーズ小球体およびバルクメソフェーズなどのメソフェーズ類、サーマルブラック、アセチレンブラックおよびファーネスブラックなどのカーボンブラック類なども低結晶性炭素に該当する。これら、コークス類、メソフェーズ類およびカーボンブラック類は、原料を生のまま用いることも出来るし、ラマンR値が0.3を下回らない程度で、例えば、500℃〜2200℃程度で仮焼して用いることも出来る。
骨材となる炭素質原料としては、これらの低結晶性炭素のなかからひとつあるいは複数を選択して用いることが出来る。
また、コークス類およびメソフェーズ類のように自己焼結性を有する骨材を用いる場合は、結合材となる熱分解生成炭素は必ずしも必要とはしない。
【0012】
ここで、ラマンR値について簡単に説明する。ラマン分光法におけるラマンスペクトルは炭素材料の構造を敏感に反映する。グラファイトは結晶学的異方性が高く、壁開によって得られるベ−サル面とこれに垂直なエッジ面が存在する。一般的に炭素材料は、黒鉛化度つまり結晶化度が高いほどエッジ面が減少しベーサル面が増加する。また、ラマンスペクトルにおいて1360cm−1にはエッジ面に起因するピークが現れ、1580cm−1にはベーサル面に起因するピークが現れる。よって、それぞれのピーク高さ比I1360/I1580は、結晶化度の指標と考えることができる。
なお、本明細書中のラマンR値の評価には、Thermo Nicolet社製、顕微レーザーラマン分光装置Almegaを用いた。測定条件は、レーザーラマン法マクロモードにて、露光時間100秒、積算回数3回、レーザー波長532nm、レーザー出力レベル20%にておこなった。
【0013】
炭素質原料は、粉末状であることが望ましく、平均粒径が100μm以下であることが好ましく、さらに1μm以上で100μm以下であることが好ましい。さらには5μm以上で50μm以下であることが望ましい。
1μmを下回る炭素質原料はカーボンブラックを除いては入手が困難であり、5μmを下回ると凝集により金属との均一な分散が困難となり、100μmを上回ると放電時に粒子離脱を生じて好ましくない。
【0014】
バインダとなる熱分解性炭素マトリックスはフェノール樹脂あるいはフラン樹脂などの熱硬化性樹脂、ピッチやタールピッチなどの熱可塑性樹脂などを用いることができる。
金属元素としては、カーボンナノチューブ生成の触媒となる金属より選ぶことができる。例えば、鉄族元素であるFe、Ni、Co、白金族元素であるPh、Pd、Pt、希土類元素であるY、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Luのうち一つ以上から選ぶことができる。ただし、後述する触媒黒鉛化作用を発現させるためには、触媒黒鉛化作用を有する金属元素としてFe、Ni、Co、Ptのうち少なくとも一つ以上が選択に含まれている必要がある。金属は粉末状であることが望ましく、平均粒径が1μm以上で100μm以下であることが好ましく、さらには5μm以上で50μm以下であることが望ましい。
1μmを下回る金属は入手が困難かコスト高となり好ましくない。
5μmを下回ると凝集を生じてしまい炭素原料との均一な分散が困難となり、100μmを上回る塊状の場合は電極中への金属の均一な分散が困難となり好ましくない。
添加する金属としては、金属単体でもよく、酸化物、炭化物、硫化物、あるいは塩化物でも可能である。また、複数の金属元素を添加する場合は、それらの合金であってもかまわない。
【0015】
上述した構造の金属−炭素複合材料は、上記の炭素質原料とバインダと金属を熱間ロールや熱間混練等で均一に混合した後、成形可能なように数μm〜数100μmに粉砕し、冷間圧縮または熱間圧縮成形する。
あるいは、自己焼結性を有する炭素質原料を用いる場合は、ヘンシェル型ミキサーなどで均一に混合した後、冷間圧縮または熱間圧縮成型してもよい。
さらに、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で、減圧下、例えば10Torrの減圧下で焼成する。焼成温度としては、700℃〜2000℃が好ましく、さらには900℃〜1800℃が望ましく、またさらには1100℃〜1600℃が望ましい。
なお、減圧下での焼成に先立って予備焼成として常圧下、還元性雰囲気中にて最終処理温度以下で焼成することも可能である。
【0016】
ここで、焼成温度が2000℃を超えると金属の蒸発が盛んになり好ましくない。また、700℃を下回ると以下に記すような触媒黒鉛化作用が効率的におこなわれないため好ましくない。
【0017】
つまり高温処理により、金属の触媒黒鉛化作用によって、金属の表面に黒鉛成分が析出し、金属の表面を覆うことになる。本発明において、金属−炭素複合電極が高温雰囲気においても金属の蒸発を抑制することが可能な根拠は、金属粒子の表面に黒鉛被覆が形成される点にあり、700℃を下回る処理温度では目的を達成することが難しいと考えられる。
【0018】
また、炭素質原料としてラマンR値が0.3未満の黒鉛結晶の発達した原料を用いた場合は、炭素質原料が既に十分な化学的安定性を有しており、もはや金属への相互作用を試みる化学的活性を失っており、触媒黒鉛化作用がほとんど生じない。すなわち、触媒黒鉛化作用がほとんど生じないので、金属粒子の表面に黒鉛被覆が形成されない。一方、ラマンR値が0.3以上の低結晶の炭素質原料を用いた場合は、炭素質原料が未だ十分な化学的安定性を有しておらず、金属との相互作用を試みる化学的活性状態にある。
【0019】
その場合、高温処理において、金属粒子の内部あるいは金属粒子の表面に炭素が浸炭現象として固溶拡散する。そしてさらに、焼成工程中あるいは冷却の過程において金属粒子中から、炭素がより化学的安定性の高い黒鉛として析出する。その結果、金属粒子が、金属元素のみからなる第1相に加えて、C元素を0.1mol%から固溶上限値まで固溶した第2相、および金属炭化物としての第3相を含んでなるものとなる。
なお、金属粒子の表面の全面に黒鉛皮膜が形成されるものが好ましいが、金属粒子のほぼ全面(一部)が黒鉛皮膜で形成されるものであってもよい。
また、黒鉛皮膜の一部が、低結晶性炭素の皮膜や、金属炭化物の皮膜を含んでいてもかまわない。
ここで、Fe元素を添加した場合を例に取り説明すると、金属元素のみからなる第1相とは純鉄つまりα−Feが該当する。また、C元素を0.1%から固溶上限値まで固溶した第2相とはγ−Feなどが該当し、金属炭化物とはFe3Cなどが該当する。
【0020】
この様な触媒黒鉛化作用は従来知られており(大谷,炭素,No.102, 118−131(1980))、特に、溶融したFe、Ni、Co、Pt金属粒子より黒鉛が析出する効果および成分はG効果およびG成分として知られている。
また、触媒黒鉛化作用による金属被覆現象も従来知られている(今村,炭素,No.172,117−120(1996)。
しかし、本発明では、金属−炭素複合電極中の、炭素に先立つ金属触媒の蒸発を防止する目的にて触媒黒鉛化作用と金属被覆現象を、金属−炭素複合電極の焼成工程中に生じさせ、これを活用したものである。
【0021】
上述した金属−炭素複合材料は、金属粒子の蒸気圧が10−2Torr以上となるようにな高温に曝される用途、つまり、金属が炭素と独立して蒸発するような雰囲気で有効に用いられる。
また、アーク放電法又はレーザアブレージョン法によるナノチューブ製造用炭素材料(電極)として有効に用いられる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。上記概念を実証しかつわかりやすく説明するため、実施例1〜6、比較例1〜2について以下に説明する。なお、金属−炭素複合材料の製法は実施例の内容によって制限されるものではない。
【0023】
[実施例1]
純鉄Fe〔高純度化学研究所(株)純度99.9%以上、平均粒径5μm〕5.9重量部に対し、ラマンR値が1.1である平均粒径10μmのフェノール樹脂炭化物100重量部とメチルアルコール及びフルフリルアルコール若干量(約10重量部)を加え、Z型ミキサーで混合後、ノボラックフェノール樹脂を50重量部加えて混練後、熱ロール(約100℃)で混練を完結させた。この混練物を平均粒径が数十μmに成るように粉砕した。この粉砕物を400kgf/cm2の圧力で室温にて金型成形をおこなった。その後鉄サガーに炭素粉の詰め粉とともに成形体を詰め、約900℃で予備焼成をおこなった。更に、成形体をアルゴンガス雰囲気中5Torr、温度1100℃で焼成をおこなった。
かくして得られた金属−炭素複合材料より10mm×50mm×50mmのテストピースを切り出し、アルゴンガス雰囲気中0.1Torrで、1h加熱処理を施した。処理温度は1100℃、1450℃、1600℃、1700℃、1800℃の各温度にておこなった。その後、テストピースの一部を酸素雰囲気中1000℃で灰化し、灰分量よりテストピース中におけるFe金属のmol濃度を推定した。
結果を表1に示す。1800℃の加熱処理において、加熱処理前と比較して約7割のFe元素が残存していた。つまり約3割のFe元素は加熱処理中に蒸発していた。
また、金属−炭素複合材料中をSEM観察したところ、図6に示すように、黒鉛皮膜が金属粒子を覆うように形成されている様子が観察された。図6の中央の球状粒子が金属粒子である。金属粒子表面の黒い部分が黒鉛皮膜である。
【0024】
[実施例2]
純鉄Fe〔高純度化学研究所(株)、純度99.9%以上、平均粒径5μm〕5.9重量部に対し、ラマンR値が0.9である平均粒径10μmのモザイク状石炭コークス100重量部とメチルアルコール及びフルフリルアルコール若干量(約10重量部)を加え、Z型ミキサーで混合後、ノボラックフェノール樹脂を50重量部加えて混練後、熱ロール(約100℃)で混練を完結させた。この混練物を平均粒径が数十μmに成るように粉砕した。この粉砕物を400kgf/cm2の圧力で室温にて金型成形をおこなった。その後鉄サガーに炭素粉の詰め粉とともに成形体を詰め、約900℃で予備焼成をおこなった。更に、成形体をアルゴンガス雰囲気中5Torr、温度1100℃で焼成をおこなった。
かくして得られた金属・炭素複合材料より10mm×50mm×50mmのテストピースを切り出し、アルゴンガス雰囲気中0.1Torrで、1h加熱処理を施した。処理温度は1100℃、1450℃、1600℃、1700℃、1800℃の各温度にておこなった。その後、テストピースの一部を酸素雰囲気中1000℃で灰化し、灰分量よりテストピース中におけるFe金属のmol濃度を推定した。
結果を表1に示す。1800℃の加熱処理において、加熱処理前と比較して約6割のFe元素が残存していた。つまり約4割のFe元素は加熱処理中に蒸発していた。
また、金属−炭素複合材料中をSEM観察したところ、黒鉛皮膜が金属粒子を覆うように形成されている様子が実施例1と同様に観察された。
【0025】
[比較例1]
純鉄Fe〔高純度化学研究所(株)、純度99.9%以上、平均粒径5μm〕5.9重量部に対し、ラマンR値が0.2である平均粒径10μmの人造黒鉛粉100重量部とメチルアルコール及びフルフリルアルコール若干量(約10重量部)を加え、Z型ミキサーで混合後、ノボラックフェノール樹脂を50重量部加えて混練後、熱ロール(約100℃)で混練を完結させた。この混練物を平均粒径が数十μmに成るように粉砕した。この粉砕物を400kgf/cm2の圧力で室温にて金型成形をおこなった。その後鉄サガーに炭素粉の詰め粉とともに成形体を詰め、約900℃で予備焼成をおこなった。更に、成形体をアルゴンガス雰囲気中5Torr、温度1100℃で焼成をおこなった。
かくして得られた金属−炭素複合材料より10mm×50mm×50mmのテストピースを切り出し、アルゴンガス雰囲気中0.1Torrで、1h加熱処理を施した。処理温度は1100℃、1450℃、1600℃、1700℃、1800℃の各温度にておこなった。その後、テストピースの一部を酸素雰囲気中1000℃で灰化し、灰分量よりテストピース中におけるFe金属のmol濃度を推定した。
結果を表1に示す。1800℃の加熱処理において、加熱処理前と比較して約4割のFe元素が残存していた。つまり約6割のFe元素は加熱処理中に蒸発していた。
また、金属−炭素複合材料中をSEM観察したところ、黒鉛皮膜が金属粒子を覆うように形成されている様子は観察されなかった。
【0026】
【表1】
【0027】
[実施例3]
純鉄Fe〔高純度化学研究所(株)、純度99.9%以上、平均粒径5μm〕50重量部に対し、ラマンR値が1.1である平均粒径10μmのフェノール樹脂炭化物50重量部をヘンシェル型ミキサーにて混合し、アルゴンガス雰囲気中0.1Torrで、1100℃、1450℃、1600℃のそれぞれの温度にて加熱処理を施した。加熱処理後、Feの媒黒鉛化作用を確認する目的でXRDによる結晶構造解析をおこなった。
図1にその結果を示す。表2には、図1の各温度におけるα−Feおよびγ−Feのピーク面積強度をピーク分離して算出し、その強度比を示した。α−Feに加えて、γ−Feの回折ピークが現れており、Fe粒子にCが浸炭していったことがわかる。
さらに、2θ=26.5°の位置に黒鉛結晶(002)面の鋭いピークが現れていることからFeの触媒黒鉛化作用が生じたことがわかる。
【0028】
[実施例4]
純鉄Fe〔高純度化学研究所(株)、純度99.9%以上、平均粒径5μm〕50重量部に対し、ラマンR値が0.9である平均粒径10μmのモザイク状石炭コークス50重量部をヘンシェル型ミキサーにて混合し、アルゴンガス雰囲気中0.1Torrで、1100℃、1450℃、1600℃のそれぞれの温度にて加熱処理を施した。加熱処理後、Feの触媒黒鉛化作用を確認する目的でXRDによる結晶構造解析をおこなった。
図2にその結果を示す。表2には、図2の各温度におけるα−Feおよびγ−Feのピーク面積強度をピーク分離して算出し、その強度比を示した。α−Feに加えて、γ−Feの回折ピークが現れており、Fe粒子にCが浸炭していったことがわかる。
さらに、2θ=26.5°の位置に黒鉛結晶(002)面の鋭いピークが現れていることからFeの触媒黒鉛化作用が生じたことがわかる。
【0029】
[実施例5]
純鉄Fe〔高純度化学研究所(株)、純度99.9%以上、平均粒径5μm〕50重量部に対し、ラマンR値が0.9である平均粒径10μmのバルクメソフェーズ50重量部をヘンシェル型ミキサーにて混合し、アルゴンガス雰囲気中0.1Torrで、1100℃、1450℃、1600℃のそれぞれの温度にて加熱処理を施した。加熱処理後、Feの触媒黒鉛化作用を確認する目的でXRDによる結晶構造解析をおこなった。
図3にその結果を示す。表2には、図3の各温度におけるα−Feおよびγ−Feのピーク面積強度をピーク分離して算出し、その強度比を示した。α−Feに加えて、γ−Feの回折ピークが現れており、Fe粒子にCが浸炭していったことがわかる。
さらに、2θ=26.5°の位置に黒鉛結晶(002)面の鋭いピークが現れていることからFeの触媒黒鉛化作用が生じたことがわかる。
【0030】
[実施例6]
純鉄Fe〔高純度化学研究所(株)、純度99.9%以上、平均粒径5μm〕50重量部に対し、ラマンR値が0.9である平均粒径0.8μmのカーボンブラック50重量部をヘンシェル型ミキサーにて混合し、アルゴンガス雰囲気中0.1Torrで、1100℃、1450℃、1600℃のそれぞれの温度にて加熱処理を施した。加熱処理後、Feの触媒黒鉛化作用を確認する目的でXRDによる結晶構造解析をおこなった。
図4にその結果を示す。表2には、図4の各温度におけるα−Feおよびγ−Feのピーク面積強度をピーク分離して算出し、その強度比を示した。α−Feに加えて、γ−Feの回折ピークが現れており、Fe粒子にCが浸炭していったことがわかる。
さらに、2θ=26.5°の位置に黒鉛結晶(002)面の鋭いピークが現れていることからFeの触媒黒鉛化作用が生じたことがわかる。
【0031】
[比較例2]
純鉄Fe〔高純度化学研究所(株)、純度99.9%以上、平均粒径5μm〕50重量部に対し、ラマンR値が0.2である平均粒径10μmの人造黒鉛粉50重量部をヘンシェル型ミキサーにて混合し、アルゴンガス雰囲気中0.1Torrで、1100℃、1450℃、1600℃のそれぞれの温度にて加熱処理を施した。加熱処理後、Feの触媒黒鉛化作用を確認する目的でXRDによる結晶構造解析をおこなった。
図5にその結果を示す。図5の各温度において、α−Feは確認できるがγ−Feの回折ピークが現れておらず、Fe粒子にCが浸炭しなかったことがわかる。
2θ=26.5°の位置に現れた黒鉛結晶(002)面の鋭いピークは、熱処理前の炭素原料である人造黒鉛がもともと有するピークであり、触媒黒鉛化作用が生じたか否かは定かでない。
しかし、Fe粒子にCが浸炭しなかったことから推測して、触媒黒鉛化作用は生じていないと考えられる。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成された金属−炭素複合材料を電極として用いる場合、金属−炭素複合電極中の金属の蒸発を抑制することができ、金属触媒を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】XRDによる結晶構造解析を示すグラフ図である。
【図2】XRDによる結晶構造解析を示すグラフ図である。
【図3】XRDによる結晶構造解析を示すグラフ図である。
【図4】XRDによる結晶構造解析を示すグラフ図である。
【図5】XRDによる結晶構造解析を示すグラフ図である。
【図6】黒鉛皮膜が金属粒子を覆った状態をSEM観察した写真図である。
Claims (6)
- 炭素材料に金属粒子を分散してなる金属−炭素複合材料であって、前記金属粒子は、その表面の全部或いは一部が、前記炭素材料より黒鉛化が進んだ黒鉛皮膜によって被覆されてなる金属−炭素複合材料。
- 炭素材料に金属粒子を分散してなる金属−炭素複合材料であって、前記金属粒子表面の全部或いは一部が、前記金属の触媒黒鉛化作用により転化した黒鉛皮膜によって被覆されてなる金属−炭素複合材料。
- 前記炭素材料の炭素質原料が、ラマンR値が0.3以上の低結晶性炭素より成り、前記金属粒子を構成する金属元素が、鉄族元素であるFe、Ni、Co、白金族元素であるPh、Pd、Pt、希土類元素であるY、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Luのうち一つ以上から選ばれてなり、しかもFe、Ni、Co、Ptのうち少なくとも一つ以上が必ず選択に含まれてなる、請求項1又は2記載の金属−炭素複合材料。
- 前記金属粒子が、金属元素のみからなる第1相を含んでなり、さらにC元素を0.1mol%〜固溶上限値まで固溶した第2相、金属炭化物からなる第3相のいずれか一方あるいは両方を含んでなる請求項3に記載の金属−炭素複合材料料。
- 前記金属粒子の蒸気圧が10−2Torr以上となるような高温に曝される用途に用いる請求項1〜4のいずれかに記載の金属−炭素複合材料。
- アーク放電法又はレーザアブレージョン法によるナノチューブ製造用炭素材料として用いる請求項1〜4のいずれかに記載の金属−炭素複合材料。
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