JP2005022073A - Dlc被覆工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルミニウム、チタン、マグネシウムおよび銅などの非鉄金属またはこれらの合金、有機材料、硬質粒子を含有する材料、プリント回路基板、あるいは鉄系材料と軟質金属と混合部材などを切削加工する際に、チッピングなどの欠陥が生じないDLC被覆工具を提供すること。
【解決手段】基材と、該基材を被覆するDLC膜とを備えるDLC被覆工具であって、該DLC膜の密度が、2.5g/cm3〜3.0g/cm3の範囲内であり、さらに、膜厚の1/10以下の押し込み深さになるように制御された押し込み荷重での、前記DLC膜に対するナノインデンテーション法による試験において、最大押し込み深さをhmaxとし、荷重除荷後の押し込み深さ(圧痕深さ)をhfとした場合、(hmax−hf)/hmaxの値が0.65〜0.9の範囲内であることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】基材と、該基材を被覆するDLC膜とを備えるDLC被覆工具であって、該DLC膜の密度が、2.5g/cm3〜3.0g/cm3の範囲内であり、さらに、膜厚の1/10以下の押し込み深さになるように制御された押し込み荷重での、前記DLC膜に対するナノインデンテーション法による試験において、最大押し込み深さをhmaxとし、荷重除荷後の押し込み深さ(圧痕深さ)をhfとした場合、(hmax−hf)/hmaxの値が0.65〜0.9の範囲内であることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、DLCに被覆された工具に関し、より詳細には、転削工具(ドリル、エンドミル、リーマなど)、旋削工具およびフライス工具などに代表される刃先交換型切削チップ、ならびに切断工具(カッター、ナイフ、スリッターなど)の表面にDLCが成膜された工具に関する。
従来より、切削工具に関する技術分野において、生産工程における切削加工には、高精度化および高能率化が要求されている。さらに、近年においては、環境保全や省エネルギー化の観点から、切削油剤を用いないドライ加工化による切削加工が要求されている。当該ドライ加工化による切削加工の開発が進めば、切削油剤、クーラント装置設備および廃液処理などに要する経費をなくすことができるので、加工コストを大幅に低減できる。
また、上述した産業上の要求以外に、近年においては、切削工具の摩耗性の向上が求められている。たとえば、切削の対象となる被削材の材質として、アルミニウム合金などの軟金属や、チタン、マグネシウムおよび銅などの非鉄金属や、有機材料などの場合には、切削する際に、切削工具の切れ刃部分に被加工材が凝着して切削抵抗が大きくなったり、また刃先が欠損するなどの工具摩耗が鉄系被削材料と比べて大きくなり、問題であった。
上記の軟金属や非鉄金属さらには有機材料などを加工する場合には、従来からダイヤモンド工具が用いられていた。しかしながら、当該ダイヤモンド工具は、コーティングなどの工程に必要な費用が高く、製造コストが非常に大きいという問題があり、工業的には慣用的に用いられていなかった。そこで、ダイヤモンド工具の代替の工具として、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)を用いて被覆したDLC被覆工具が提案されている。たとえば、下記非特許文献1には、切削工程に当該DLC被覆工具が用いられている事例が開示されている。また、下記特許文献1には、TiN、TiCN、TiAlN、およびAl2O3またはこれらの組合せを含む硬質物質をコーティングし、その後さらに硬質炭素系潤滑膜を被覆した工具が開示されている。
しかしながら、上記の文献に開示された方法を用いて、基材にDLCを被覆し、無潤滑化条件の下で高速切削試験を行なったところ、工具摩耗に関しては何らの有効性も得ることができなかった。
具体的には、上記のDLC被覆工具を用いた場合の当該工具の損傷について詳細に検討した結果、工具自体が摩耗しているのではなく、工具切れ刃の先端でチッピングを起こし、露出した母材に被削材が凝着していることが明らかとなった。
より具体的に説明するために、図2に切削工具の典型的刃先の断面模式図を示す。図2において、典型的な切削工具は、基材21に膜22が被覆された構成であり、当該切削工具の先端部は、工具すくい面23および工具にげ面24によって構成され、多くの場合、両者の面によって形成される角度は鋭角または直角である。このような構成の切削工具刃先において、膜厚は同図に示されるように、すくい面膜厚25、逃げ面膜厚26に比べ、刃先先端部27が最も厚くなる。
次に、刃先での理想的な摩耗進行を、図2(b)〜(d)を用いて説明する。工具としての理想的な摩耗は、まず図2(b)のように皮膜が徐々に摩耗し、やがて図2(c)のように基材に達した後、図2(d)のように膜と基材とがともに露出して摩耗することである。
しかし、本発明者らが詳細に工具摩耗部を調査した結果、刃先先端の摩耗は上述のようには進行せず、切削初期に図2(e)のように刃先先端部分が既に基材まで無くなっており、結果として基材が完全に露出しており、そのような形態から欠損していることが明らかとなった。また、その部分の基材はすでに被削材が凝着しており、下記特許文献1に記載のように、たとえ膜の耐凝着性や耐摩耗性がよくても、切削初期に母材が露出してしまっては工具寿命を著しく向上させることは難しいと考えられる。
したがって、切削加工中に工具の切れ刃付近において被削材が凝着して構成刃先が形成され、大きく凝着した被削材が脱落する際に切れ刃がチッピングするような過酷な条件での切削工具においては、切削初期に起こる刃先の欠損やチッピング、すなわち、母材の露出をいかに抑制させるかが非常に重要である。
また、上述のDLC被覆工具におけるDLC皮膜の厚さは、全体で14μmであるために高硬度となってしまい、切削加工中に刃先に加わる衝撃力によって、DLC皮膜の刃先部分が欠けやすくなったり、膜自体が剥がれやすくなったりするという問題もある。
特許第3372493号公報
表面技術vol.51,No.3,2000,第250〜254頁
本発明は、上記従来の技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、アルミニウム、チタン、マグネシウムおよび銅などの非鉄金属またはこれらの合金、有機材料、硬質粒子を含有する材料、プリント回路基板、あるいは鉄系材料と軟質金属と混合部材などを切削加工する際に、チッピングなどの欠陥が生じないDLC被覆工具を提供することを目的とする。
本発明は、基材と、該基材を被覆するDLC膜とを備えるDLC被覆工具であって、該DLC膜の密度が、2.5g/cm3〜3.0g/cm3の範囲内であり、さらに、膜厚の1/10以下の押し込み深さになるように制御された押し込み荷重での、前記DLC膜に対するナノインデンテーション法による試験において、最大押し込み深さをhmaxとし、荷重除荷後の押し込み深さ(圧痕深さ)をhfとした場合、(hmax−hf)/hmaxの値が0.65〜0.9の範囲内であることを特徴とする、DLC被覆工具を提供する。
好ましくは、本発明のDLC被覆工具は、水素を含まない雰囲気条件下で、グラファイトを物理的蒸着法により基材に被覆することにより形成される。
好ましくは、前記DLC膜は、実質的に炭素原子のみから形成され、前記DLC膜の刃先部での最大厚みが0.01〜0.18μmの範囲内である。
好ましくは、前記DLC膜は、赤紫、紫、青紫、青、銀、黄色、赤および緑からなる群より選択される干渉色のうち1つ以上の干渉色を呈する。好ましくは、前記DLC膜は前記基材に直接被覆されている。
好ましくは、本発明のDLC被覆工具において、前記基材と前記DLC膜との間に界面層が形成されているDLC被覆工具であって、該界面層は、周期表のIVa、Va、VIa、IIIb族元素およびC元素以外のIVb族元素からなる群より選択される少なくとも1つ以上の元素の炭化物から形成され、さらに、該界面層の厚さが0.5〜10nmの範囲内である。
好ましくは、前記界面層が、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、WおよびSiからなる群より選択される元素の少なくとも1種以上の元素または該元素の炭化物から形成されている。
好ましくは、前記界面層と前記DLC膜との間に、それぞれの被膜組成を混合した化学組成または連続的に変化した化学組成の被膜が存在する。
好ましくは、前記DLC膜の表面に存在するマクロパーティクルの密度が0〜2×105個/mm2の範囲内である。
本発明のDLC被覆工具を用いることにより、転削工具(ドリル、マイクロドリル、エンドミル、ルーター、リーマなど)、旋削工具やフライス工具に代表される切削スローアウェイチップ、切断工具(カッター、ナイフ、スリッターなど)の表面の耐摩耗性を維持させるとともに、従来より優れた耐凝着性および耐欠損性を有することで、その切削および耐摩耗寿命を著しく延長することができる。
本発明のDLC(ダイヤモンドライクカーボン)被覆工具は、基材と、当該基材を覆うように形成されたDLC膜とを備え、当該被覆膜の密度が2.5g/cm3〜3.0g/cm3の範囲内であり、さらに、膜厚の1/10以下の押し込み深さになるように制御された押し込み荷重での、前記DLC膜に対するナノインデンテーション法による試験において、最大押し込み深さをhmaxとし、荷重除荷後の押し込み深さ(圧痕深さ)をhfとした場合、(hmax−hf)/hmaxの値が0.65以上0.9以下であることを特徴とする。これにより、従来の切削工具と比較して、良好な耐摩耗性を得ることができ、チッピングなどの欠陥を低減または無くすことができる。またより好ましくは、上記値は、0.68以上0.8以下が好ましい。切削性能、すなわち、耐チッピング性および耐摩耗性を両立することができるからである。
ここで、まずナノインデンテーション法について説明する。ナノインデンテーション法は文献「トライボロジスト、第47巻、第3号、(2002)177頁〜183頁」に詳しく説明されているように、硬さ試験の一種であるが、従来のマイクロヌープ硬度測定やマイクロビッカース硬度測定といった押し込み後の圧痕形状から硬度を求める手法とは異なり、圧子の押し込み時の荷重と重さの関係から硬さやヤング率を求める方法である。
図3にこれらの試験方法において膜の荷重状態における概略断面図を示す。図3において、(A)は、ナノインデンテーション法による測定の荷重状態を示す概略断面図であり、(B)は、マイクロヌープ法およびマイクロビッカース法による測定の荷重状態を示す概略断面図である。それぞれの測定法について概略を説明すると次のとおりである。すなわち、(A)においては、(i)測定原理:圧子駆動部に変位計を設置し、圧子の押し込み深さ(h)を連続的に測定し硬さを求める、(ii)荷重範囲:0.1mN〜1Nであり、(B)に示すような従来法にくらべて1/500の低荷重測定が可能である、(iii)特徴:100nm以下の押し込み深さでも正確に測定でき、圧子押し込み課程での負荷する荷重(F)と押し込み深さ(h)を連続的に測定でき、その曲線から、塑性・弾性・クリープ変形量や材料のヤング率などを得ることができる、というものである。一方、(B)においては、(i)測定原理:圧子押し込み後に形成されるくぼみを光学顕微鏡で観察し、くぼみの長さ(W)から硬さを求める、(ii)荷重範囲:50mN〜10Nであり、最低荷重でも押し込み深さが100nm以上となり、(iii)特徴:サブμmオーダーの硬さ試験を行う場合、くぼみの測定精度(装置および人的な読み取り誤差)が十分に得られず、また、塑性変形後の硬さしか評価できないというものである。
これまでの硬度試験方法では、押し込み荷重が大きかったことから、膜のみの物性評価ではなく、下地基材の影響を受けていた。上記の文献にも指摘されているように、膜だけでの硬度評価を行うためには、膜厚の約1/10以下の押し込み深さでの測定が必要であるので、たとえば、0.1μmの皮膜を対象とした場合、押し込み深さは10nm以下としなければならない。ところが、従来法のように圧痕の大きさを光学顕微鏡で測定者が観察する方法では、圧痕形状を判別する測定制度の点で難しかった。しかしながら、ナノインデンテーション法では機械的に深さを求めるため上記のようなナノメートルオーダーの測定も可能である。
また、このナノインデンテーション法を用い、圧子を皮膜表面に押し込んだ時の荷重と押し込み深さとの関係を概念的に図4に示す。図4において、縦軸は押し込み荷重であり、横軸は押し込み深さを表す。この方法では、荷重を最大荷重まで徐々に増加させ、その後荷重ゼロまで除荷させたときの押し込み深さを測定している。これまでの硬度測定では、図のhf、つまり荷重除荷後の圧痕形状を測定していた。しかし、このナノインデンテーション法では最大押し込み深さをhmaxとすると、(hmax−hf)から皮膜の弾性回復量がわかる。この値が大きければ、弾性変形しやすく、小さければ弾性変形しにくい。本発明において、この弾性回復量を表す指標として、(hmax−hf)/hmaxに注目する。切削工具の寿命延長を図るには刃先、特に膜の欠損性を向上させることが重要であるが、上記の弾性回復量の多い材料を見出すことができれば、切削時に刃先にかかる負荷に対して皮膜材料の変形が追随するため、切削初期に発生する欠損を抑制したいという本発明の課題を克服することが可能となる。
本発明において、膜厚の1/10以下の押し込み深さになるように制御された押し込み荷重での、DLC膜に対するナノインデンテーション法による試験において、最大押し込み深さをhmaxとし、荷重除荷後の押し込み深さ(圧痕深さ)をhfとした場合、(hmax−hf)/hmaxの値が0.65以上0.9以下である。これにより、刃先の欠けやチッピングが抑制された結果、母材が露出することなく、刃先の凝着から起こる構成刃先の生成も抑制されるので、工具寿命が著しく向上する。(hmax−hf)/hmaxの値が0.65以下であると、切削時の衝撃で刃先のチッピングが発生するかもしれないので問題である。また、(hmax−hf)/hmaxの値が0.9以上であると、膜の硬度が測定できないので問題である。さらに好ましくは、0.65以上0.8以下である。
一般に、ダイヤモンドの密度は、3.52g/cm3であるが、従来のDLC膜はメタン、アセチレンおよびベンゼンなどの炭化水素系ガスを原料として成膜していたため、成膜中には水素が多量に含まれることから、密度が2.5g/cm3より小さいものであった。その結果、当該DLC皮膜の硬度は、ダイヤモンドの硬度に比べて大幅に低くなってしまい、十分な耐摩耗性を得ることができなかった。
本発明においては、DLC皮膜の密度を上記範囲にすることにより、所望の硬度を得ることができ、その結果十分な耐摩耗性を達成するに至ったものである。また、DLC膜の密度を2.5g/cm3〜3.0g/cm3の範囲内にすることにより、当該皮膜の硬度を30GPa〜60GPaの範囲内程度にすることができる。本発明において、DLC膜の密度が3.0g/cm3を超えると、得られるDLC膜の硬度は高くなるが、膜中に蓄積される圧縮の残留応力値が大きくなるので、基材との密着性が損なわれ、皮膜が剥離しやすくなるので、工具寿命が安定しないため不都合である。また、DLC膜の密度が2.5g/cm3未満では、硬度が低下してしまうので、十分な耐摩耗性が得られないため不都合である。
本発明において、上記DLC皮膜の密度は、斜入射X線分析法(GIXA:Grazing Incidence X−ray Analysis)により行なうことができる。当該方法は、X線を非常に浅い角度で入射すると全反射が生じ、全反射臨界角近傍においてはX線の侵入深さは数nm〜数100nm程度と非常に小さくなるという現象を用いる方法である。ここで、上記全反射臨界角とは、全反射が生じる臨界の角度をいう。
従来の切削工具における被覆膜の膜厚は、1〜4μmとされてきたが、本発明者らは、種々の膜厚のサンプルについて切削評価して鋭意検討したところ、膜厚は薄ければ薄いほうがよいことが明らかとなった。しかしながら、切削工具の表面全体において、DLC膜により被覆されることが必要であるので、当該膜厚は0.01μm以上で0.18μm以下であることが好ましい。0.01μm未満の場合は、基材の表面に被覆されない部位が生じてしまい好ましくない。また、当該膜厚が0.18μmを超えると、切削工程の初期において、刃先の皮膜がチッピングを起こしやすくなり、膜厚が厚いにもかかわらず、逆に寿命が短くなってしまうからである。より好ましくは、DLC膜の膜厚は、0.05〜0.10μmの範囲内である。通常、上記膜厚は、工具の刃先部分が尖っていることから、刃先部分の膜厚が最も厚くなるものである。したがって、刃先部分のDLC膜の膜厚は、0.18μm以下であることが好ましい。
上記DLC膜の膜厚の測定方法としては、工具を切断し、その断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、求めることができる。
本発明において使用可能な基板としては、WC基超硬合金が挙げられる。当該WC基超硬合金は、炭化タングステン(WC)を主成分とする硬質相と、コバルトなどの鉄族金属を主成分とする結合相とからなる。本発明においては、WC基超硬合金に含まれる良好なコバルト量を規定するものである。これは、コバルト量が多くなると基材の勒性が上がり超硬基材刃先の耐欠損特性は上がるものの、刃先に強い外力が加わった場合に基材の変形に高硬度なDLC膜が追随できず、DLC膜が超硬基材との界面で剥離してしまうためである。剥離することなく切削性能を安定化させるためには、コバルト含有量を12質量%以下とすることが好ましい。更に好ましくは基材のコバルト含有率を3質量%以上7質量%以下とする。
また、前記基材の焼結後の炭化タングステンの平均結晶粒径は0.1μm以上3μm以下であることが好ましい。平均結晶粒径が0.1μm未満の場合には現状の評価方法で判別困難である。逆に、平均結晶粒径が3μmを超えると膜が摩耗した場合に基材中の大きな炭化タングステン粒子が脱落して大欠損を起こしてしまうので好ましくない。
本発明において、DLC膜とは、ダイヤモンドライクカーボン被覆膜のことをいい、ダイヤモンドが有する密度と同程度の密度を有する、実質的に炭素原子からなる膜のことをいう。DLCの具体例としては、非晶質カーボン、硬質炭素膜、a−C:H、およびi−カーボン膜などが挙げられる。本発明においては、ダイヤモンドが有する程度の高い硬度を達成し、かつ切削工具として優れた耐摩耗性を示すために、グラファイトを原料として水素を含まない雰囲気条件下で物理的蒸着法により形成されることにより、当該膜の密度を2.5〜3.0g/cm3の範囲内にすることを特徴とする。また、DLC膜は、成膜の際に反応ガスを入れなければ、不可避的に含まれる不純物を除いて炭素原子から構成され、水素を含む従来のDLC膜よりダイヤモンド構造により近い構造、つまり、sp3結合成分を非常に多く含む構造を得ることができる。これにより、硬度を高くすることができ、かつ、耐酸化特性もダイヤモンドと同程度の約600度付近にすることができる。
本発明において、上記物理的蒸着法として、陰極アークイオンプレーティング法、レーザアブレーション法およびスパッタリング法などが挙げられる。これにより、非常に速い成膜速度を得ることができ、ダイヤモンド膜を製造するに必要な製造コストよりも十分低くすることができる。本発明においては、皮膜の密着力および膜硬度を良好にする点で、陰極アークイオンプレーティング法による成膜が好ましい。この陰極アークイオンプレーティング法は、原料のイオン化率が高いため主にカーボンイオンが基材に照射されることによってDLC膜が形成されるので、sp3結合の比率が高く、緻密な膜を得ることができ、従来の炭化水素ガスを用いたプラズマCVD法やイオン化蒸着法では成膜が困難であった、2.5〜3.0g/cm3の範囲内の密度を有するDLC膜を得ることができる。これにより、硬度が高い皮膜を得ることができ、さらに工具寿命を著しく延長することができる。
本発明におけるDLC膜は、干渉光を呈するものである。当該干渉光の色は、赤紫、紫、青紫、青、銀、黄色、赤および緑からなる群より選択される。干渉色を示すということは、非晶質カーボン膜のsp3結合成分が非常に多く、屈折率、光学バンドギャップ、弾性率といった物性が、従来のDLC膜よりもよりダイヤモンドに近いことを示している。このようなDLC膜を工具として用いた場合、膜硬度が高いため、優れた耐摩耗性と耐熱性を示す。なお、本発明のDLC被覆工具の基材であるWC基超硬合金は、銀色もしくは銀色に近いグレーである。
また、干渉光を呈することにより、アルミ合金のような凝着しやすい被削材を切削したときに、使用済のコーナーの識別が容易となる。この結果、十分な照度を得難い場所においても、使用済のコーナーの識別が容易となり、未だ使用可能な工具を廃棄したり、使用済のコーナーを再度使用することによって不良部品を製造してしまうなどのトラブルを防止することができる。ここで、コーナーとは、切断を行なう部分のことをいう。
本発明において、DLCの膜厚を0.05μm〜0.10μmの範囲内にすることにより、DLCの被覆膜は青色系の色を呈し、外観上美麗にすることができる。また、上述したように、水素を含まない雰囲気下で物理的蒸着によりDLC膜を成膜することにより、DLCの膜自体の色調は可視光の波長領域で透明となり、光の干渉光を呈しやすくなる。このように、色彩を有した切削工具は質感が高くなり、商品価値を高めることができ商業上有用である。
本発明において、上記陰極アークイオンプレーティング法により形成したDLC膜の表面には、マクロパーティクルとよばれる硬質粒子が存在する。通常、当該マクロパーティクルは膜厚の厚さに比例して密度が大きくなるものであるが、本発明においては、DLC膜の厚さが0.01〜0.18μmの範囲内にあるので、従来の膜厚(1〜4μm)と比べて、マクロパーティクルの密度を1/5以下にすることができる。これにより、切削抵抗が小さくなり、さらに、被削材がこのマクロパーティクルに凝着することも減少するので、工具の耐欠損特性も改善される。
本発明において、上記膜表面に存在するマクロパーティクル密度が小さいほど切削抵抗が小さくなるため好ましい。マクロパーティクル密度は、0個/mm2以下、より好ましくは2×105個/mm2以下である。マクロパーティクルの密度が2×105個/mm2よりも大きいと、被削材がこのマクロパーティクルに凝着して切削抵抗を上げるために好ましくない。
マクロパーティクルの密度は、SEM(Scanning Electron Microscope)観察によって評価することができる。しかし、DLCは絶縁性であるので、表面のチャージアップを防ぐ必要があり、マクロパーティクルを観察しやすくするために、PtやPdなどの貴金属を試料表面にイオンスパッタリングなどによって蒸著してから、観察すると良い。少なくとも1000倍以上の倍率で試料表面の写真撮影を行い、写真上でマクロパーティクルの数を数えることにより密度をもとめると良い。
さらに、本発明においては、DLC膜の表面粗度を良好にするために、グラファイト原料からの粒状飛散物を防止するような、たとえば、低エネルギーによる成膜や磁場によるフィルターを用いる方法なども必要に応じて適宜用いることができる。
本発明において、DLC膜の密着力を強固なものにするために、基材とDLC膜との間に界面層を設けることが好ましい。当該界面層は、周期律表IVa、Va、VIa、IIIb族元素およびC以外のIVb族元素の元素よりなる群から選択される少なくとも1種以上の元素、またはこれら元素群から選ばれた少なくとも1種以上の元素の炭化物が好適である。
中でもTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Siの元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種以上の元素、またはこの元素群から選ばれた少なくとも1種以上の元素の炭化物であることがさらに望ましい。これらの金属元素は炭素と強い結合を作りやすいため、これらの金属元素あるいは金属炭化物の界面層上にDLC膜を形成することによって、より強固な密着力が得られる。
上記界面層の厚さは0.5nm以上10nm未満とする。膜厚がこの範囲よりも薄いと、界面層としての役割を果たさず、この範囲よりも厚いと従来技術と同等の密着力しか得られない。このように極めて薄い界面層を形成することにより、従来技術では達成できなかった極めて強固な密着力が得られ工具寿命を大きく改善することが可能となる。
本発明において、界面層とDLC膜との間に、各被膜の組成が混合した化学組成層を介在させれば、さらに強固な密着力が得られるため一層望ましい。界面層の成膜からDLC膜の成膜に製造条件を切り替える際、通常、わずかに界面層とDLC膜との組成に混合が起こり、かかる化学組成層が形成される。これらは、直接確認することは難しいが、XPS:(X−ray Photo−electronic Spectroscopy)やAES:(Auger Electron Spectroscopy)などの結果から十分推定できる。
本発明のDLC被覆工具は、その耐摩耗性と耐凝着性から、特にアルミニウムおよびその合金を加工するための工具に適する。また、チタン、マグネシウム、銅など非鉄材に使用することが最適である。さらに、グラファイトなどの硬質粒子を含有する材料、有機材料などの切削や、プリント回路基板加工や鉄系材料とアルミニウムとの共削り加工などにも有効である。加えて、本発明工具の非晶質カーボン膜は非常に高硬度であることから、非鉄材だけではなく、ステンレス鋼などの鋼や鋳物などの加工にも用いることができる。
本発明のDLC被覆工具は、ドリル、エンドミル、エンドミル加工用刃先交換型チップ、フライス加工用刃先交換型チップ、旋削用刃先交換型チップ、メタルソー、歯きり工具、リーマおよびタップなどの用途に用いることができる。
以下実施例により本発明をより詳細に説明するが、これらに限定されるわけではない。
(実施例1)
基材として、φ8mmのWC基超硬合金製ドリルを用意した。その基材表面に下記のように公知の真空アーク放電によるイオンプレーティング法を用いて表1に示す本発明品のDLC被覆ドリル試料1〜4を用意した。
基材として、φ8mmのWC基超硬合金製ドリルを用意した。その基材表面に下記のように公知の真空アーク放電によるイオンプレーティング法を用いて表1に示す本発明品のDLC被覆ドリル試料1〜4を用意した。
すなわち、図1に示すように、成膜装置1内に複数個のターゲット6,7を配置し、ターゲットの中心点を中心としてターゲット間で回転し、内部に冷却水が流れる基材保持具4に超硬合金製ドリル5を装着する。バイアス電源8,9を調整して真空アークの放電電流を変え、ターゲット材料の蒸発量を制御しながらDLC膜をコーティングした。
まず、図示してない基材加熱ヒーターを用いて150℃まで加熱させながら成膜装置1内の真空度を1×10-3Paの雰囲気とした。次いで、ガス導入口2からアルゴンガスを導入して2×10-1Paの雰囲気に保持させながら、直流バイアス電源10により基材保持具4に−2000Vの電圧をかけてアルゴンプラズマによる表面エッチングを行った後、アルゴンガスを排気した。成膜装置内からの排気は排気口3より行う。
次に、成膜装置1内にガス導入口2からアルゴンガスを80cc/minの割合で導入しながら、真空アーク放電によりグラファイトのターゲットを蒸発およびイオン化させることにより超硬ドリル上に接してDLC膜が形成された。このとき、バイアス電源9による電圧は、負の数百Vとした。DLC膜の成膜時において基材である超硬ドリルの温度は、保持具4を水冷して温度調整することにより100℃に設定した。そして、所定の膜厚になった時点で放電をストップさせ、ガス導入口2からHeガスを導入し、急冷した。
ここで、表1中の試料2および3においては、DLCの成膜に先立ち、周期律表IVa、Va、VIaおよびIIIb族元素およびC以外のIVb族元素の金属ターゲット7を蒸発およびイオン化させながらバイアス電源9により基材保持具4に−1000Vの電圧をかけてメタルイオンボンバードメント処理を行い、被膜の密着性を高めるための表面エッチング処理を行った。
また、表1中の試料2および3においては、さらに炭化水素ガスを導入するか、あるいは導入しないで、周期律表IVa、Va、VIa、IIIb族元素およびC以外のIVb族元素の元素よりなる群から選ばれたターゲット7を蒸発およびイオン化し、バイアス電源9により基材保持具4に負の数百Vの電圧をかけて、これらの金属あるいは金属炭化物の界面層の形成を行った。界面層からDLC膜の形成は、ターゲットや雰囲気の切り替えにより行われ、この切り替え時には、通常、わずかながらも両層の組成の混合が生じる。このことから、両層の間には、原料の化学組成層が存在していると推定される。
また、比較のため、ノンコート(比較3)およびメタンガスを用いた高周波プラズマCVD法を用いて上記と同一のドリルの表面に水素を10at%(比較1)および35at%(比較2)含有したDLC膜を形成した。
次に、上記の方法で製造した各ドリルについて、切削材:A5052P、切削速度:150m/min、送り:0.15mm/rev、深さ:40mmの条件により、穴あけ試験(外部給油による湿式条件)を行い、バリが発生するかまたは穴径精度が製品規格を外れるまで切削を行なった。この結果を表1に示す。なお、表1において、刃先先端での膜厚は、刃先断面のSEMにより評価した。また、弾性回復率はナノインデンター(MTS社製 Nano Indenter XP)により確認した。
表1の結果から、従来からのCVD法で形成した水素含有DLC膜である比較品やノンコートは切削初期に折損したのに対して、本発明は優れた耐久性を有すると同時に、優れた耐凝着性を備えることがわかる。したがって、穴開け加工後の穴加工精度も非常に高く、寿命も延長することができる。
(実施例2)
本実施例2において、φ8の超硬製(K20相当)エンドミルの表面に、表1中の試料2の被覆を施した以外はすべて上記実施例1と同一の手順でDLC被覆工具を作製した。また、比較のためにノンコートおよび水素を35at%含有するDLC膜で被覆したDLC被覆工具を準備した。次いで、上記の3つのエンドミルについて、切削材:ADC12、切削速度:450m/min、送り:0.12mm/rev、取りしろ:Ad=Rd=4mmの条件下で、アルミダイキャスト(ADC12)のエンドミル加工を行ない、被削の表面粗さの規格から外れるまでの切削長と刃先の状態を評価した。
本実施例2において、φ8の超硬製(K20相当)エンドミルの表面に、表1中の試料2の被覆を施した以外はすべて上記実施例1と同一の手順でDLC被覆工具を作製した。また、比較のためにノンコートおよび水素を35at%含有するDLC膜で被覆したDLC被覆工具を準備した。次いで、上記の3つのエンドミルについて、切削材:ADC12、切削速度:450m/min、送り:0.12mm/rev、取りしろ:Ad=Rd=4mmの条件下で、アルミダイキャスト(ADC12)のエンドミル加工を行ない、被削の表面粗さの規格から外れるまでの切削長と刃先の状態を評価した。
その結果、切削エンドミルのうち、CVDの水素を含有するDLC膜は21mで、ノンコートはそれぞれ18mで表面粗さの規格から外れたため、工具の寿命と判断した。ここで、寿命になったドリルの先端にはアルミが凝着していた。一方、本発明にしたがうDLC被覆工具においては、切削長が1kmであっても規格内であり、さらに延長可能な状態であった。
(実施例3)
本実施例3において、刃先交換型超硬製(K10相当)チップの表面に、表1中の試料3の被覆を施した以外はすべて上記実施例1と同一の手順で行なった。また、比較材としてノンコートおよびCVD法による水素を35at%含有するDLC膜を用いて被覆したDLC被覆工具を準備した。次いで、上記の各刃先交換型チップを工具径32mmのホルダーに付けて、切削材:A390、切削速度:500m/min、送り:0.15mm/rev、取りしろ:Ad=Rd=5mmの条件下で、アルミダイキャスト(A390)のエンドミル加工を行ない、被削の表面粗さの規格から外れるまでの切削長と刃先の状態を評価した。
本実施例3において、刃先交換型超硬製(K10相当)チップの表面に、表1中の試料3の被覆を施した以外はすべて上記実施例1と同一の手順で行なった。また、比較材としてノンコートおよびCVD法による水素を35at%含有するDLC膜を用いて被覆したDLC被覆工具を準備した。次いで、上記の各刃先交換型チップを工具径32mmのホルダーに付けて、切削材:A390、切削速度:500m/min、送り:0.15mm/rev、取りしろ:Ad=Rd=5mmの条件下で、アルミダイキャスト(A390)のエンドミル加工を行ない、被削の表面粗さの規格から外れるまでの切削長と刃先の状態を評価した。
その結果、切削エンドミルのうち、CVDの水素を含有するDLC膜は15mで、ノンコートはそれぞれ9mで表面粗さの規格から外れたため、工具の寿命と判断した。一方、本発明の範囲内である試料3の被覆をしたエンドミルは、840m切削したときの被削材の表面粗さが規格値から外れたため、この際の長さを寿命とした。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 成膜装置、2 ガス導入口、3 排気口、4 基材保持具、5 ドリル、6,7 ターゲット、8,9,10 バイアス電源、21 基材、22 膜、23 工具すくい面、24 工具逃げ面、25 工具すくい面膜厚、26 工具逃げ面膜厚、27 刃先先端部。
Claims (10)
- 基材と、該基材を被覆するDLC膜とを備えるDLC被覆工具であって、該DLC膜の密度が、2.5g/cm3〜3.0g/cm3の範囲内であり、さらに、膜厚の1/10以下の押し込み深さになるように制御された押し込み荷重での、前記DLC膜に対するナノインデンテーション法による試験において、最大押し込み深さをhmaxとし、荷重除荷後の押し込み深さ(圧痕深さ)をhfとした場合、(hmax−hf)/hmaxの値が0.65〜0.9の範囲内であることを特徴とする、DLC被覆工具。
- 水素を含まない雰囲気条件下で、グラファイトを物理的蒸着法により基材に被覆することにより形成されることを特徴とする、請求項1に記載のDLC被覆工具。
- 前記DLC膜は、実質的に炭素原子のみから形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のDLC被覆工具。
- 前記DLC膜の刃先部での最大厚みが0.01〜0.18μmの範囲内であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のDLC被覆工具。
- 前記DLC膜は、赤紫、紫、青紫、青、銀、黄色、赤および緑からなる群より選択される干渉色のうち1つ以上の干渉色を呈することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のDLC被覆工具。
- 前記DLC膜は前記基材に直接被覆されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のDLC被覆工具。
- 前記基材と前記DLC膜との間に界面層が形成されているDLC被覆工具であって、該界面層は、周期表のIVa、Va、VIa、IIIb族元素およびC元素以外のIVb族元素からなる群より選択される少なくとも1つ以上の元素の炭化物から形成され、さらに、該界面層の厚さが0.5〜10nmの範囲内であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のDLC被覆工具。
- 前記界面層が、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、WおよびSiからなる群より選択される元素の少なくとも1種以上の元素または該元素の炭化物から形成されていることを特徴とする、請求項7に記載のDLC被覆工具。
- 前記界面層と前記DLC膜との間に、それぞれの被膜組成を混合した化学組成または連続的に変化した化学組成の被膜が存在することを特徴とする、請求項7または8に記載のDLC被覆工具。
- 前記DLC膜の表面に存在するマクロパーティクルの密度が0〜2×105個/mm2の範囲内であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のDLC被覆工具。
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