JP2005021915A - 消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルの内側に設けられる内装体の初期消化を防止し、鋳片品質の低下や内装体の異常溶損を抑制して、ノズル内側の稼働面における低融点融液層の適正な形成と、耐溶損性の向上を図ることが可能な消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】ドロマイトクリンカーを含有し、MgO成分を25〜65質量%含む耐火材料から成形した内装体が内側に設けられた耐火物からなるノズルを使用した連続鋳造方法であって、少なくとも内装体に、外気との接触を遮断する無水コーティング層が形成されたノズルを、800〜1200℃の範囲で予熱した後、この予熱したノズルを介して鋳型に溶鋼を注湯し、溶鋼を凝固させながら0.6m/min以上の鋳造速度で鋳型から引き抜く。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、注湯系のノズル(例えば、上ノズル、下ノズル、ロングノズル、スライディングノズル、浸漬ノズル等)を使用した連続鋳造方法に関するものであり、特に、CaO成分を含有する内装体を備えた浸漬ノズルを用いて、浸漬ノズルへのAl の付着や堆積を抑制する消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、溶鋼の連続鋳造を行う場合には、タンディッシュの下部に設けたノズル、SN(スライディングノズル)装置、浸漬ノズルを用いて鋳型内に溶鋼を注湯し、この溶鋼を凝固させて鋳片を製造している。
この連続鋳造時においては、ノズル(例えば、浸漬ノズル)に、Al (Al 系介在物)の付着と堆積による詰まりや閉塞が生じていた。これによって、鋳型内で溶鋼の湯面が変動したり、吐出流に偏流が生じ、これに起因する鋳片への介在物の侵入や、鋳造中断などの問題が発生していた。
この対策として、従来から詰まりを防止するため、例えば、特許文献1に記載されているように、炭素を含有しない耐火物からなる内装体を、浸漬ノズルの内部に配置し、AlやAl と浸漬ノズルとの反応を抑制して、浸漬ノズルへのAl 系介在物の付着や堆積を防止することが行われていた。
しかし、炭素は勿論のこと、耐火物中のSiO の含有量を低減した場合においても、Al の付着や堆積を安定して防止できない状況にあった。
【0003】
そこで、浸漬ノズルの溶鋼接触面(以下、稼働面ともいう)に積極的に接触するAl の低融点化を図ることで、浸漬ノズルの稼働面へのAl の付着を防止する方法が提案されていた。
例えば、特許文献2、特許文献3には、炭素とCaO成分を含有する耐火物(CaO含有耐火物)を用いて浸漬ノズルを製作し、浸漬ノズルの稼働面に付着するAl を低融点化して、浸漬ノズルへの堆積を防止することが記載されているが、耐火物そのものの品質劣化や、耐火物がAl と反応して溶融する溶損タイプであるため、浸漬ノズルの溶損が激しく浸漬ノズルの寿命が低下する。更に、溶融した耐火物の稼働面での耐火物骨材が脱落する異常溶損が生じ、この耐火物骨材の溶鋼中への混濁によって、品質に支障を招くという問題がある。また、CaO成分を含有した耐火物を用いる場合においては、耐火物が消化反応を生じて品質が低下し、本来の機能を発現しないという課題があった。
【0004】
この対策として、特許文献4に記載されているように、CaO成分を含有する耐火物の表面を、耐熱性を有する水和防止剤で被覆することが行われている。
また、特許文献5には、耐火物にタールを含浸させる技術が、特許文献6には、CaO含有耐火物の消化対策として、ノズルの表面側にパラフィンを塗布する技術が、それぞれ記載されている。
しかし、上記したように、耐火物の表面を水和防止剤で被覆したり、またタールなどを含浸させた消化対策では、耐火物の粒子の隙間を完全に覆うことが困難である。このため、例えば、耐火物の粒子の僅かな隙間から耐火物が消化したり、また耐火物の一部が欠損した場合などに耐火物粒子が露出し、この露出した耐火物粒子を起点にして消化が発生するため、CaO含有耐火物が外気の湿気分によって水和反応を起こし、品質が劣化することを安定して防止することができなかった。
【0005】
そこで、本発明者等は、浸漬ノズルなどの場合では、ノズルの溶鋼との接触面において、溶損を抑制しながら稼働面にCaO−Al の低融点化合物を形成することが重要であることを知見し、特願2003−102686号を先に出願した。
【0006】
【特許文献1】
実開平3−68962号公報
【特許文献2】
特開昭57−56377号公報
【特許文献3】
特開昭57−38366号公報
【特許文献4】
特開平8−103866号公報
【特許文献5】
特開平6−24873号公報
【特許文献6】
特公昭61−44836号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、引き続き研究を推進した結果、稼働面に消化反応を伴う劣化層が存在すると、稼働面部分に異常溶損(脱落的溶損)が生じて凹凸が形成され、CaO−Al 系の低融点化合物の稼働面への形成が阻害されたり、また非消化層に溶損が生じて、ノズル寿命の低下や脱落した耐火材料に起因する品質欠陥が発生する。
また、CaO−Al 系の低融点化合物の融液層を、溶鋼の注湯開始初期から稼働面に形成することができなければ、CaO含有耐火物を内装していない部分に、急激にAl 系介在物が付着して詰まりが発生するなどの問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ノズルの内側に設けられる内装体の初期消化を防止し、鋳片品質の低下や内装体の異常溶損を抑制して、ノズル内側の稼働面における低融点融液層の適正な形成と、耐溶損性の向上を図ることが可能な消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法は、ドロマイトクリンカーを含有し、MgO成分を25〜65質量%含む耐火材料から成形した内装体が内側に設けられた耐火物からなるノズルを使用した連続鋳造方法であって、
少なくとも前記内装体に、外気との接触を遮断する無水コーティング層が形成された前記ノズルを、800〜1200℃の範囲で予熱した後、この予熱した前記ノズルを介して鋳型に溶鋼を注湯し、該溶鋼を凝固させながら0.6m/min以上の鋳造速度で前記鋳型から引き抜く。
ここで、無水コーティング層は、例えば、パラフィン、蝋材、樹脂、ガラス質などの無水コーティング材を溶融させ塗布して形成したり、この塗布に代えて、例えば、樹脂、タール、ピッチなどの無水コーティング材を含浸させて形成したり、また内装体の表面側に含浸用の無水コーティング材を含浸させた後、塗布用の無水コーティング材を溶融させ塗布して形成することもできる。
【0009】
このノズルの溶鋼との接触面である稼働面に、理想的なCaO−Al 系の低融点化合物の融液層を形成すると共に、MgOのリッチ層を形成するためには、内装体と外気の湿気分との反応である消化を抑制することが重要であり、内装体の表面側に、外気との遮断を行うための無水コーティング層を施して、内装体の吸湿を防止し、CaO成分を含有したドロマイトクリンカーの粒子の消化を抑制する。
これにより、内装体が湿気分を吸収して内装体に消化反応が生じ、ドロマイトクリンカーの粒子に膨張に起因する亀裂の発生を抑制し、しかもこの亀裂によって、内装体(耐火組成体)の表層、あるいはかなり深い層の粒子が浮き上がり、溶鋼の流下衝撃や熱によって、内装体が部分的に極端に剥落することを防止することができる。
【0010】
また、ドロマイトクリンカーが配合された内装体の表面を外気と遮断しても、耐火物の粒子の隙間を完全に封鎖することが困難であり、内装体へ若干の外気が侵入した場合でも、この外気が溶鋼と接触する稼働面に選択的に消化を招く。このため、ノズルの予熱を800〜1200℃の範囲で行うことで、吸着した湿気分の除去と、消化反応による水和物の分解を行うと共に、溶鋼の注湯による熱衝撃を抑制し、剥落を無くして、稼働面部分での凹凸形成を最小限にし、亀裂などの発生も防止する。
【0011】
ここで、ノズルの予熱温度が800℃未満の場合、吸着した湿気分の除去及び消化反応による水和分の分解と、溶鋼の注湯による熱衝撃を抑制することができず、溶鋼の注湯時に、熱衝撃により、消化部位の剥落が激しくなり、稼働面での凹凸形成が顕著になる。また、内装体自体が受ける熱衝撃も大きくなるため、内装体に剥離や亀裂が発生し、場合によってはノズルが損傷する。一方、予熱温度が1200℃を超える場合、ノズルの温度偏差が増加して、ノズルに温度のばらつきが生じたり、ノズルの予熱に使用するガスなどのエネルギーコストが増加する。
従って、ノズルの損傷を抑制すると共に、ノズルを経済的に予熱するためには、ノズルの予熱温度を800〜1150℃の範囲にすることが好ましく、更には850〜1100℃の範囲にすることが好ましい。
【0012】
そして、内装体への熱衝撃によって生じる稼働面の消化部位での脱落を抑制し、稼働面にCaO−Al 系の低融点化合物の融液層を形成して、最も重要であるAl 系介在物の付着や堆積の防止を行い、相反する稼働面へのMgOリッチ層の形成を良好に行うためには、鋳造速度が重要である。この鋳造速度は、連続鋳造時において、ノズル内を上流側から下流側へかけて通過する溶鋼の通過速度、即ち注湯速度と実質的に同一の速度である。
ここで、鋳造速度が0.6m/min未満の場合、稼働面における低融点の融液層の厚みが過剰になり、稼働面へのMgOリッチ層の形成が抑制され、稼働面の速やかな新陳代謝(融液層の生成とMgO粒子の成長によるMgOリッチ層の形成の繰り返し作用)が悪くなり、内装体深部へのAl の浸透を招き、融液層が増加して過剰な溶損を生じる。一方、上限値については規定していないが、鋳造速度が2.0m/minを超えると、融液層の形成厚みが薄くなり過ぎて、ドロマイトクリンカー本来のCaO−Al 系の低融点化合物からなる融液層の生成を介したMgO粒子の成長によるMgOリッチ層の形成が悪くなり、溶鋼中のAl 系介在物の低融点化が十分にできず、かつ稼働面へのMgOリッチ層によるノズルの耐溶損性が阻害される。
従って、稼働面における融液層の厚みを適度にし、Al 系介在物の低融点化を十分に図るためには、鋳造速度を0.7〜1.9m/min、更には1.0〜1.8m/minに設定することが好ましい。
【0013】
なお、耐火材料中のMgO成分を25〜65質量%に設定することで、耐溶損性の低下を抑制してノズル寿命を長くでき、しかも予熱時や溶鋼の注湯時における内装体への剥離、亀裂等の発生を抑制、更には防止できる。
ここで、MgO成分の含有量が25質量%未満になると、稼働面にMgO粒子の成長によるMgOリッチ層の形成ができなくなり、耐溶損性が低下してノズル寿命が短くなる。一方、MgO成分の含有量が65質量%を超えると、内装体の膨張率が大きくなり過ぎて、予熱時や溶鋼の注湯時に剥離、亀裂等の発生を招く。このように、ドロマイトクリンカーを配合し、MgO成分の含有量を25〜65質量%にした内装体に、無水コーティング層を形成し、同時に、ノズルの予熱温度と、そこを通過する溶鋼の鋳造速度を所定の範囲にすることにより、これら前記作用の相乗した効果によって、ノズル稼働面の平滑化の維持と、異常溶損が抑制され、かつCaO−Al 系の低融点化合物の融液層の形成を良好にすることができる。
【0014】
前記目的に沿う第2の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法は、第1の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記ノズルは浸漬ノズルであり、該浸漬ノズルに設けられた前記溶鋼の吐出口の傾斜角度が上向き5度から下向き30度の範囲に設定されている。
このように、浸漬ノズルに設けられた溶鋼の吐出口の傾斜角度は、上向き5度から下向き30度の範囲に設定され、例えば、この吐出口を左右対称にそれぞれ1個、好ましくは2個以上設けることで、吐出口から吐出する溶鋼の吐出流の偏流が無く、均一な吐出流を形成することができる。
【0015】
ここで、吐出口の傾斜角度が、上向き5度を超えて更に上方を向いた場合、吐出流が鋳型の内部の凝固殻に衝突し、反転して生じる上向きの溶鋼流が強くなり過ぎ、鋳型内の溶鋼の湯面変動やパウダーの巻き込みなどの品質トラブルを招く。一方、吐出口の傾斜角度が、下向き30度を超えて更に下方を向いた場合、吐出流が鋳型内部に形成された凝固殻に衝突し、反転して生じる下向きの溶鋼流が強くなり過ぎ、この下向き流に随伴して気泡や介在物が鋳片の深部に侵入し、品質欠陥の要因となる。
以上のことから、品質トラブルを招くことなく、良好な品質を備えた鋳片を鋳造するには、吐出口の傾斜角度を、上向き5度から下向き25度に範囲に設定することが好ましく、更には上向き5度から下向き20度に範囲に設定することが好ましい。
【0016】
前記目的に沿う第3の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法は、第1及び第2の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記無水コーティング層はタール含浸層を有する。このように、無水コーティング層は、タール含浸層を有するので、内装体の粒子の隙間を略覆うことができ、ノズルの予熱時の酸化抑制による内装体の構造組織の強度低下や、構造組織の劣化(例えば、空隙化等)を防止することができる。
【0017】
前記目的に沿う第4の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法は、第1〜第3の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記無水コーティング層は樹脂フィルムを備える。このように、無水コーティング層は、樹脂フィルムを備えているので、内装体の粒子の隙間を略覆うことができる。
【0018】
前記目的に沿う第5の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法は、第1〜第4の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記鋳型への前記溶鋼の注湯は、前記溶鋼の前記鋳造速度と前記溶鋼の過加熱温度との積を、12〜65℃・m/minの範囲に設定して行われる。
ここで、溶鋼の過加熱温度(ΔT)とは、スーパーヒートともいい、実際の溶鋼温度(T)とその組成の融点(Tm)との差(T−Tm=ΔT)、即ち過剰温度を意味する。なお、過加熱温度は、例えば、タンディッシュ容量及び鍋容量に基づき、取鍋内の溶鋼温度をその鋼種に応じて上記した範囲内で選定することができる。
【0019】
この過加熱温度には、前記した鋳造速度と同様の働きがあり、鋳造速度と過加熱温度の条件を満たすことにより、Al 系介在物の付着によるノズルの詰まり、またノズルの異常溶損を防止して、ノズルの耐溶損性を向上することができる。
特に、Al 系介在物の付着によるノズルの詰まり、及びノズルの異常溶損が、鋳造速度(Vc)と過加熱温度(ΔT)の積(VC・ΔT)からなる値と密接な関係があり、且つ重要であることが判明し、この値を12〜65℃・m/minの範囲となるように鋳造を行うことにより、稼働面におけるCaO−Al 系の低融点化合物の融液層の厚みとMgOリッチ層の形成を適正にし、且つ両方を良好にすることができ、Al 系介在物の付着の防止と、相反する耐溶損性を安定して向上させることができる。この組成のノズルの加熱条件と、積(VC・ΔT)の組み合わせによって、前記した作用が相乗して格段に発現でき、融液層の形成と、相反するMgOリッチ層の形成が良好になり、優れた効果が得られる。
従って、鋳造速度と過加熱温度の積を、15〜60℃・m/minに設定することが好ましく、更には20〜56℃・m/minに設定することが好ましい。
【0020】
前記目的に沿う第6の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法は、第1〜第5の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記耐火材料には、0.1〜3質量%の珪酸及び0.1〜3質量%の酸化鉄のいずれか一方又は双方が含まれている。
このように、耐火材料中には、珪酸及び酸化鉄がそれぞれ0.1〜3質量%含まれている場合と、珪酸又は酸化鉄が0.1〜3質量%含まれている場合とがあるので、融液層の形成を良好にし、ドロマイトクリンカー粒子の消化反応を抑制することができる。
ここで、珪酸及び酸化鉄の含有量が、それぞれ0.1質量%以上になった場合、稼働面に溶鋼が接した際に、AlやAl と反応する内装体のCaO成分を低融点化合物にし、稼働面への供給を促進して融液層の形成を良好にし、かつ内装体に含まれるドロマイトクリンカー粒子の消化反応(吸湿)を抑制することができる。しかし、珪酸及び酸化鉄の含有量が、それぞれ3質量%を超えた場合、ドロマイトクリンカー中のCaO成分と、これらの酸化物が反応して低融点化合物が形成され、内装体の強度低下や溶損性が顕著になり、稼働面でのMgOリッチ層の形成による耐溶損性も悪くなる。
従って、融液層の形成を良好にし、ドロマイトクリンカー粒子の消化反応を抑制するためには、珪酸及び酸化鉄の含有量を、それぞれ0.3〜2.5質量%に設定することが好ましく、更には0.5〜2質量%に設定することが好ましい。
【0021】
前記目的に沿う第7の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法は、第1〜第6の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記耐火材料中の炭素濃度が1質量%未満である。このように、耐火材料中の炭素濃度を設定するので、耐火材料に生じる亀裂や剥離を防止し、炭素に起因する溶鋼の炭素ピックアップを最小限にして、極低炭素溶鋼の溶製を安定して行うことができる。
ここで、耐火材料中の炭素濃度を1質量%未満に設定しているので、鋳造時において、炭素に消化が生じても、稼働面の粗度を良好にし、溶鋼の炭素ピックアップを確実に抑制して、極低炭素溶鋼の溶製を安定して行うことができる。
【0022】
前記目的に沿う第8の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法は、第1〜第6の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記耐火材料中の炭素濃度が1質量%以上10質量%以下である。このように、耐火材料中の炭素濃度を設定するので、耐火材料に生じる亀裂や剥離を防止し、炭素に起因する溶鋼の炭素ピックアップを最小限にして、極低炭素溶鋼の溶製を安定して行うことができる。
ここで、耐火材料中の炭素濃度を、1質量%以上10質量%以下に設定しているので、耐火材料に配合された炭素により、耐火材料の強度が高められ、しかも加熱時に発生する膨張を炭素で吸収することができ、耐火材料に生じる亀裂や剥離を防止することができる。また、炭素濃度を10質量%以下に抑えているので、炭素に起因する溶鋼の炭素ピックアップを最小限にすることができる。
【0023】
前記目的に沿う第9の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法は、第1〜第8の発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記内装体は、型枠によって形成された隙間に前記耐火材料を充填し、加熱し硬化させて成形される。
ここで、内装体は、ノズルの内側に型枠を配置して設けることも、また型枠で予め成形したものをノズルの内側に装着して設けることも可能である。
このように、ノズルの内側に配置された型枠によって形成された隙間に耐火材料を充填して内装体を設けた場合、ノズルに対する硬化した耐火材料の馴染みが良好であり、形成した内装体の構造的な強度の低下を防止でき、製造も簡単に行うことができる。また、耐火材料を内装体の形状に予め成形し、加熱し硬化させた後、ノズルの内側に装着した場合、安定した品質の内装体が設けられたノズルのも製造を簡単に行うことができる。
【0024】
前記したように、本発明は、CaO成分を含有する耐火物の問題、特に、ドロマイトクリンカーを配合し、かつこのドロマイトクリンカーを主体にしたCaO成分を含有する耐火物で顕著となり、鋳造過程で生じる問題を解決するものである。即ち、注湯初期の条件であるノズル稼働面の消化の有無によって、ノズルの稼働面に凹凸が形成されたり、注湯速度の変化によって、稼働面にCaO−Al 系の低融点化合物の融液層の形成が不安定になるなどを知見し、この知見に基づき、溶損の抑制、稼働面の凹凸形成の防止、及び稼働面に清浄なCaO−Al 系の低融点化合物の融液層の形成を維持すると共に、稼働面におけるMgO成分の粒子の成長促進と、MgOのリッチ層を形成することを可能にしたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は連続鋳造時におけるノズルの溶損指数と予熱温度との関係を示す説明図、図2は連続鋳造時において溶鋼の鋳造速度と過加熱温度との積を変化させた場合のアルミナ付着及び溶損指数を示す説明図、図3は連続鋳造時における各種ノズルの溶損指数を示す説明図である。
【0026】
本発明の一実施の形態に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法は、ドロマイトクリンカーを含有しMgO成分を25〜65質量%含む耐火材料から成形した内装体が、内側の溶鋼接触面に設けられた耐火物からなる浸漬ノズル(ノズルの一例)を使用する連続鋳造方法である。以下、詳しく説明する。
【0027】
浸漬ノズルは、両側に吐出口が設けられた筒状部を備えるものであり、例えば従来から使用されている浸漬ノズル用耐火物であるアルミナ黒鉛質耐火物(AG)を使用して作製したものである。なお、浸漬ノズルに設けられた溶鋼の吐出口の傾斜角度は、上向き5度から下向き30度の範囲に設定されている。
この浸漬ノズルの筒状部及び吐出口の内側表面に、伝熱性の良好な金属(例えば、ステンレス等)で構成された型枠を、隙間(例えば、5〜20mm程度)を介して配置し、この形成された隙間に、耐火材料を装入し充填する。
【0028】
この耐火材料の組成としては、ドロマイトクリンカーを配合したものであって、MgO成分を25〜65質量%、ドロマイトクリンカーからのCaO成分を30〜70質量%、酸化鉄(Fe )及び珪酸(SiO )をそれぞれ0.1〜3質量%含有するものを用いることができる。
ここで、耐火材料中のCaO成分の含有量が30質量%未満になると、溶鋼中のAlや、脱酸生成物などのAl と反応して形成されるCaO−Al 系の低融点化合物の融液層の生成が不十分になり、浸漬ノズルへのAl 系介在物の付着が生じる。一方、CaO成分の含有量が70質量%を超えると、耐火物の稼働面に形成されるMgO粒子の成長によるMgOリッチ層の形成ができなくなり、耐溶損性が低下してノズル寿命が短くなる。
【0029】
なお、耐火材料には、非水系の低温熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂粉末、アクリル粉末等)と、高温熱硬化性バインダー(例えば、ガラス屑、珪酸ソーダ(SiO ・nNa O)等)が配合されている。
また、耐火材料中の炭素濃度は、炭素に起因する溶鋼の炭素ピックアップを最小限にする場合、1質量%以上10質量%以下に設定し、更に極低炭素溶鋼の溶製を安定して行う場合、1質量%未満に設定する。
【0030】
隙間に充填された耐火材料を、型枠を介して電気抵抗を用いた電気ヒータにより、全体に渡って略均一に加熱し、耐火材料を硬化させ、浸漬ノズルの内側に内装体を設ける。
ここで、浸漬ノズルと耐火材料との反応を抑制、更には防止するため、浸漬ノズルの溶鋼接触面に予めジルコニア系のモルタルを配置した後、耐火材料の充填を行う。なお、浸漬ノズル自体を、ジルコニア黒鉛質耐火物(ZG)、シリカ系の耐火物等で構成することもできる。
また、上記したように、浸漬ノズルの内側に内装体を一体的に設けることなく、耐火材料を使用して内装体の形状に予め成形し、これを電気抵抗を用いた電気ヒータによって加熱し硬化させた後、浸漬ノズルの内側に装着して設けることも可能である。
【0031】
次に、この内装体が設けられた浸漬ノズルを、例えば、タールやピッチの溶融液が装入された加圧槽に装入し加圧して、少なくとも内装体に浸透させることにより、外気との接触を遮断するタール含浸層を形成できる。
ここで、内装体の表面側にタール含浸層を形成する代わりに、内装体の表面側に、溶融した樹脂を塗布することで、これを冷却固化させて内装体の表面側に樹脂フィルム層を形成することもできる。
また、内装体に、タール含浸層と樹脂フィルム層を組み合わせて形成することも可能である。
これにより、内装体の表面側に、無水コーティング層が形成される。
なお、この内装体が設けられた浸漬ノズルは、予めアルミニウム製の箔で構成されたシート(梱包材の一例)に収納され、外気との接触が防止された状態で保管される。
【0032】
浸漬ノズルの使用に際しては、浸漬ノズルをシート内から取り出し、予熱装置(例えば、ガスバーナ等)用いて、800〜1200℃の範囲で、例えば60〜180分間予熱した後、この予熱した浸漬ノズルをタンディッシュの下部に接続して、鋳型に溶鋼を注湯する。
浸漬ノズルを800〜1200℃の範囲で加熱することで、内装体の表層部に存在するピッチ、タール等は、燃焼して消失するが、内装体の内部まで侵入したものは残存し、添加したバインダーの酸化を抑制する。このため、耐火材料の結合状態が弱まることを抑制でき、内装体の強度低下を抑制、更には防止でき、安定した鋳造を実施できる。
ここで、鋳型内の溶鋼への浸漬ノズルの浸漬深さは、浸漬ノズルの吐出口が、鋳型内の溶鋼のメニスカスから200〜300mmの範囲内に配置することが好ましく、浸漬深さが浅くなると、鋳型内の溶鋼の湯面変動やパウダーの巻き込みが生じ易い。一方、浸漬深さが深くなり過ぎると、気泡や介在物が鋳片の深部に侵入したり、メニスカス部への熱供給が不足し、デケルなどの発生要因になる。
【0033】
そして、鋳型内の溶鋼を凝固させながら、0.6m/min以上の鋳造速度で鋳型から引き抜く。
ここで、鋳型への溶鋼の注湯は、溶鋼の過加熱温度を、例えば20〜40℃とし、溶鋼の鋳造速度と溶鋼の過加熱温度との積を、12〜65(℃・m/min)の範囲に設定して行われる。
以上のように、ドロマイトクリンカーを配合した内装体の初期消化反応の抑制、溶鋼温度を考慮した予熱温度、鋳造速度、過加熱温度(スーパーヒート)の相乗した働きにより、稼働面におけるCaO−Al 系の低融点化合物の融液層の形成、耐溶損性のMgOリッチ層の形成を良好にすることができ、ドロマイトクリンカーを配合した内装体の実用化が可能になる。
このように、前記した条件を満たすことにより、安定した作用を発現でき、顕著な効果を享受することができる。
【0034】
【実施例】
本発明に係る消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法を適用し、試験を行った結果について説明する。
まず、アルミナ黒鉛質耐火物(Al を70質量%、グラファイトを25質量%含む)で構成された浸漬ノズルの吐出口近傍、及び溶鋼が接触する吐出口上部に、15mmの厚みの内装体を設けた。なお、内装体には、ビニール系の樹脂コーティングと、タールを含浸させたものを用いた。
なお、この浸漬ノズルは、アルミニウム製の箔で構成されたシートに梱包して保管した。
【0035】
浸漬ノズルの使用直前に、シートに梱包されていた浸漬ノズルを取り出した。
ここで、内装体の表面を観察した結果、吸湿に起因する消化層がその表層に極僅か認められたが、ドロマイトクリンカー粒子には崩壊が見当たらないので、ガスバーナの火炎を用いた予熱装置によって、800〜1200℃の予熱を120分間行い、更なる内装体の稼働面の消化反応の抑制と、溶鋼の熱に対する熱衝撃による内装体での剥離及び亀裂が発生することを防止した。
そして、鋳造速度を0.6m/min(好ましくは0.8m/min)、過加熱温度(ΔT)を20〜40℃にし、この積を12〜65(℃・m/min)の範囲になるように設定して、鋳型内への注湯を連続して行った。
【0036】
ここで、図1に、連続鋳造時における浸漬ノズルの予熱温度(ノズル予熱温度)と注湯初期の浸漬ノズルの溶損指数(ノズル溶損指数)、ノズル破損との関係について示す。なお、ノズル溶損(○)及びノズル破損(△)は、従来の浸漬ノズルを使用した場合におけるノズル溶損及びノズル破損をそれぞれ1として比較したものである。
浸漬ノズルの予熱を、800〜1200℃の温度範囲で行った浸漬ノズルを用いて鋳造を行った場合、ノズル溶損は0.1以下、ノズル破損は0.2以下となり、ノズル溶損及びノズル破損を従来と比較して大幅に低減できることが判った。なお、浸漬ノズルの予熱が800〜1200℃の温度範囲を外れた場合、ノズル溶損及びノズル破損の発生率が急激に増加する。
【0037】
また、図2に、連続鋳造時において、鋳造速度(Vc)と過加熱温度(ΔT)との積を変化させた場合の浸漬ノズルへのアルミナ付着及び浸漬ノズルの溶損指数について示す。なお、アルミナ付着(○)及び溶損(△)は、従来の浸漬ノズルを使用した場合におけるアルミナ付着及び溶損をそれぞれ1として比較したものである。
鋳造速度と過加熱温度との積を、12〜65(℃・m/min)の範囲で変化させて、鋳造を行った場合、アルミナ付着及び溶損は、共に0.6以下となり、アルミナ付着及び溶損を従来と比較して大幅に低減できることが判った。
なお、鋳造速度と過加熱温度との積が12〜65(℃・m/min)の範囲を外れた場合、アルミナ付着及び溶損のいずれか一方又は双方の発生率が急激に増加する。
【0038】
そして、図3に、連続鋳造時における各種浸漬ノズルの溶損指数(ノズル溶損指数)について示す。なお、ここでは、内装体への無水コーティング層が無い場合の溶損指数を1として、アルミニウム製の箔を用いた梱包を行った場合、この梱包を行って更に内装体にタール含浸層を形成した場合、及び、梱包を行って更に内装体にタール含浸層と樹脂フィルム層を形成した場合の結果を示している。
浸漬ノズルに対してアルミニウム製の箔を用いた梱包を行うことで、ノズル溶損指数を0.8程度まで低減できたが、一部の内装体の表層に消化した傾向が見られ、十分とは言えなかった。更に、内装体にタール含浸層を形成することで、ノズル溶損指数を0.3程度まで低減でき、稼働面に凹凸が無く、Al 系介在物の付着も見られなかったことから、融液層の形成も良好であったと考えられる。更に、内装体に樹脂フィルム層を形成することで、ノズル溶損指数を0.1以下まで低減でき、より安定した鋳造を安定して行うことができ、鋳片品質も優れた結果が得られた。
【0039】
以上のように、稼働面での過剰な消化を抑制し、同時に、鋳造条件を所定の値に維持したので、浸漬ノズルへのAl 系介在物の付着や堆積が無く、安定した鋳造を行うことができる。
また、使用した後の浸漬ノズルを回収して、冷却後に稼働面(溶鋼との接触面)の調査では、稼働面に粒成長したMgOリッチ層が形成されており、稼働面も極めて平滑である事から、異常な剥離や亀裂等が無いことも確認できた。
【0040】
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、ノズルとして浸漬ノズルを使用した場合について説明したが、他のノズル、例えば、上ノズル、下ノズル、ロングノズル、スライディングノズルなどの注湯用ノズル等を使用することも可能である。
そして、前記実施の形態においては、内装体の表面側にのみ無水コーティング層を形成した場合について説明したが、浸漬ノズルの内側全体にわたって無水コーティング層を形成してもよい。
【0041】
【発明の効果】
請求項1〜9記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法においては、ノズルの内側に設けられる内装体の初期消化を防止し、鋳片品質の低下や内装体の異常溶損を抑制して、ノズル内側の稼働面における低融点融液層の適正な形成と、耐溶損性の向上を図ることが可能になる。また、ドロマイトクリンカーを配合した内装体の消化を抑制し、同時に、例えば、熱衝撃、工程を通過する毎の消化、及び品質劣化等を抑制することが可能になるので、ノズルの詰まり防止と溶損を防止して、ノズル寿命の延長を達成できる。そして、ノズルの詰まりを安定して防止できるので、溶鋼の吐出流の偏流を抑制でき、湯面変動やパウダーの巻き込み、気泡や介在物の鋳片深部への侵入の抑制によって、鋳片品質を向上させることができる。
従って、鋳造の安定化が実現され、鋳造速度を高めることができ、鋳片の生産性を向上させることができる。
【0042】
特に、請求項2記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法においては、吐出口から吐出する溶鋼の吐出流の偏流が無く、均一な吐出流を形成することができるので、鋳片品質を更に向上させることができる。
請求項3、4記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法においては、内装体の粒子の隙間が略覆われるので、稼働面部分での異常溶損の抑制、更には防止を図ることができる。
請求項5記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法においては、Al 系介在物の付着によるノズルの詰まり、またノズルの異常溶損を防止して、ノズルの耐溶損性を向上することができるので、鋳造の更なる安定化が実現され、鋳片の生産性を更に向上させることができる。
【0043】
請求項6記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法においては、融液層の形成を良好にし、ドロマイトクリンカー粒子の消化反応を抑制することができるので、吐出口から吐出する溶鋼の吐出流の偏流が無く、均一な吐出流を形成することができ、鋳片品質を更に向上させることができる。
請求項7、8記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法においては、極低炭素溶鋼の溶製を、安定して容易に行うことができる。
請求項9記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法においては、ノズルの製造を簡単に行うことができるので、作業性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続鋳造時におけるノズルの溶損指数と予熱温度との関係を示す説明図である。
【図2】連続鋳造時において溶鋼の鋳造速度と過加熱温度との積を変化させた場合のアルミナ付着及び溶損指数を示す説明図である。
【図3】連続鋳造時における各種ノズルの溶損指数を示す説明図である。

Claims (9)

  1. ドロマイトクリンカーを含有し、MgO成分を25〜65質量%含む耐火材料から成形した内装体が内側に設けられた耐火物からなるノズルを使用した連続鋳造方法であって、
    少なくとも前記内装体に、外気との接触を遮断する無水コーティング層が形成された前記ノズルを、800〜1200℃の範囲で予熱した後、この予熱した前記ノズルを介して鋳型に溶鋼を注湯し、該溶鋼を凝固させながら0.6m/min以上の鋳造速度で前記鋳型から引き抜くことを特徴とする消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法。
  2. 請求項1記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記ノズルは浸漬ノズルであり、該浸漬ノズルに設けられた前記溶鋼の吐出口の傾斜角度が上向き5度から下向き30度の範囲に設定されていることを特徴とする消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記無水コーティング層はタール含浸層を有することを特徴とする消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記無水コーティング層は樹脂フィルムを備えることを特徴とする消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記鋳型への前記溶鋼の注湯は、前記溶鋼の前記鋳造速度と前記溶鋼の過加熱温度との積を、12〜65℃・m/minの範囲に設定して行われることを特徴とする消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記耐火材料には、0.1〜3質量%の珪酸及び0.1〜3質量%の酸化鉄のいずれか一方又は双方が含まれていることを特徴とする消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記耐火材料中の炭素濃度が1質量%未満であることを特徴とする消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記耐火材料中の炭素濃度が1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法において、前記内装体は、型枠によって形成された隙間に前記耐火材料を充填し、加熱し硬化させて成形されることを特徴とする消化性を有する内装体を備えたノズルを用いた連続鋳造方法。
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