JP2005270986A - 耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】 連続鋳造を行う際に、浸漬ノズルにアルミナ介在物が付着、堆積して、ノズル詰まりや閉塞を生じ、鋳片の品質の低下や鋳造操業の不安定化を防止することができるドロマイトクリンカーを骨材にした耐火物の内装体を設けた耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズルを提供する。
【解決手段】 ドロマイトクリンカーを配合した骨材であって、MgOの含有量を20〜70質量%含有し、該耐火物に含有するCaOの含有量W1 質量%と前記MgOの含有量W2 の比であるW1 /W2 が0.33〜3.0であり、炭素濃度が10質量%以下からなる耐火物の内装体を内張りし、さらに、前記内装体の表面に予めAl2 O3 を含有する耐火材料、あるいはドロマイトクリンカーよりも低融点の耐火材料からなる層を形成してなることを特徴とする耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズル。
【選択図】 図1
【解決手段】 ドロマイトクリンカーを配合した骨材であって、MgOの含有量を20〜70質量%含有し、該耐火物に含有するCaOの含有量W1 質量%と前記MgOの含有量W2 の比であるW1 /W2 が0.33〜3.0であり、炭素濃度が10質量%以下からなる耐火物の内装体を内張りし、さらに、前記内装体の表面に予めAl2 O3 を含有する耐火材料、あるいはドロマイトクリンカーよりも低融点の耐火材料からなる層を形成してなることを特徴とする耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズル。
【選択図】 図1
Description
本発明は、連続鋳造を行う際に、浸漬ノズルにアルミナ介在物が付着、堆積して、ノズル詰まりや閉塞を生じ、鋳片の品質の低下や鋳造操業の不安定化を防止することができるドロマイトクリンカーを骨材にした耐火物の内装体を設けた耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズルに関するものである。
従来、連続鋳造においては、溶鋼を鋳型に注湯する浸漬ノズルに、Al2 O3 系介在物が付着、堆積し、吐出口からの溶鋼流に偏流を生じて表面欠陥や内部欠陥の要因になっている。この対策の一つとして、溶鋼中のAlが浸漬ノズル耐火物と反応して網目状のAl2 O3 系介在物が生成するのを抑制するために、例えば実公平7−18467号公報(特許文献1)や特開平3−243258号公報(特許文献2)に記載するように、浸漬ノズルの内壁に装着する内装体を構成する耐火物中の炭素や珪酸成分を低減する、いわゆるカーボンレス、シリカレス耐火物を用いることが採用されている。
しかし、溶鋼中には、脱酸生成物であるAl2 O3 系介在物そのものが含有されており、浸漬ノズル部の放射冷却による温度低下などによって、Al2 O3 系介在物や地金の付着、堆積を確実に抑制することができず、吐出口からの溶鋼流の偏流を十分に解消することができないため、鋼種によっては鋳片の品質や鋳造操業の安定化に問題がある。
さらに、浸漬ノズルに付着するAl2 O3 系介在物を耐火物中に含まれるCaO成分と反応させて、CaO−Al2 O3 系の低融点化合物を生成することにより、浸漬ノズルの内壁に付着、堆積を抑制する方法として、例えば、特開昭63−132755号公報(特許文献3)や特開平5−285612号公報(特許文献4)が提案されている。
さらに、浸漬ノズルに付着するAl2 O3 系介在物を耐火物中に含まれるCaO成分と反応させて、CaO−Al2 O3 系の低融点化合物を生成することにより、浸漬ノズルの内壁に付着、堆積を抑制する方法として、例えば、特開昭63−132755号公報(特許文献3)や特開平5−285612号公報(特許文献4)が提案されている。
上述した特許文献3の場合は、浸漬ノズルの内壁あるいは吐出口にCaOを50〜100質量%含有する石灰質耐火物を所定の厚さでコーティングすることにより、生成したAl2 O3 系介在物をCaO−Al2 O3 系の低融点化合物にすることにより、ノズル詰まりを防止するものであるため、コーティング層のCaO成分が反応により溶出して内装体の溶損が激しくなり、浸漬ノズルの寿命が低下する。しかも、溶損が大きくなると、生成したCaO−Al2 O3 系化合物が溶鋼中に混入し、その一部が鋳片に補足されて表面欠陥や内部欠陥の要因になる。
また、特許文献4の場合についても、浸漬ノズルの内装体に、CaOを2〜40質量%含有し、SiO2 の含有量を1質量%以下にしているため、CaO含有量が高い領域では、先に述べたように、特許文献3の技術と同様の問題がある。さらに、低CaO成分となる領域では、Al2 O3 系介在物を低融点化するCaOの絶対量が不足するため、内壁面や吐出口近傍に低融点化できなかったAl2 O3 系介在物が付着し、結果としてノズル詰まりや閉塞が生じることになる。
上述のような問題を解消するために、発明者らは鋭意開発を進めた結果、ドロマイトクリンカーを骨材に配合した耐火物を浸漬ノズルの内装体として使用し、しかも、内装体の表面にAl2 O3 、および/またはAl2 O3 を含有する化合物、または、ドロマイトクリンカーよりも低融点である、例えばCaO−SiO2 、CaO−MgO−SiO2、あるいはCaO−MgO化合物などの耐火材料を塗布(コーティング)したことを特徴とするもので、ドロマイト耐火物からなる内装体の表面に、浸漬ノズルの予熱時、あるいは溶鋼と接触した際に、速やかに低融点層の形成や、同時に、その背面にMgOリッチ層を予め形成することが出来る。
ここでMgOリッチ層とは、本発明者らが新たに知見した現象であり、連続鋳造ノズルの少なくとも溶鋼と接触する部位の耐火物としてCaOを含むドロマイトクリンカーを使用した場合、溶鋼と接触中にドロマイトクリンカー中のCaOは付着した溶鋼中Al2 O3と反応して消費されるが、ドロマイトクリンカー中のMgOは溶鋼と接触している稼動面に残留して濃縮し、MgO含有量が50%以上のMgOがリッチな層を形成する。この層をMgOリッチ層と称し、この層が形成されることによって耐食性が改善される。
浸漬ノズルの予熱時あるいは浸漬ノズルに溶鋼注湯を開始した直後に、ドロマイトを使用した内装体の極表層に融液層を形成し、更にはその背面にMgOリッチ層を予め形成する。 このため、溶鋼注湯直後に、溶鋼が内装体の内表面に凝固・付着することが防止でき、これによる凝固・付着した溶鋼へのAl2 O3 介在物の付着を防止し、更には溶鋼中のAl2 O3 介在物とドロマイト耐火物中のCaO成分との反応による低融点のCaO−Al2 O3 を形成し、Al2 O3 介在物を溶鋼流により洗い流し、Al2 O3 介在物に起因するノズル詰まりや閉塞を防止できる。
さらに、稼動面には、予め形成したMgOリッチ層に加え、稼動(注湯)中に前記MgOリッチ層をより健全に発達させることで、浸漬ノズルの耐溶損性を大幅に向上することができる。このようにして、ノズル詰まりや閉塞を防止できるので、鋳造操業(溶鋼の吐出流)の安定化、鋳片の表面欠陥や内部欠陥の減少が可能になり鋳片品質の向上が達成できるものである。
その発明の要旨とするところは、
(1)ドロマイトクリンカーを使用した内装体であって、MgOを20〜70質量%含有し、該内装体に含有するCaOの含有量W1 質量%と前記MgOの含有量W2 の比であるW1 /W2 が0.33〜3.0であり、炭素濃度が10質量%以下である耐火物層を内張りし、さらに、前記内装体の表面にAl2 O3 を含有する耐火材料、あるいはドロマイトクリンカーよりも低融点の耐火材料からなる層を形成してなることを特徴とする耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズル。
(1)ドロマイトクリンカーを使用した内装体であって、MgOを20〜70質量%含有し、該内装体に含有するCaOの含有量W1 質量%と前記MgOの含有量W2 の比であるW1 /W2 が0.33〜3.0であり、炭素濃度が10質量%以下である耐火物層を内張りし、さらに、前記内装体の表面にAl2 O3 を含有する耐火材料、あるいはドロマイトクリンカーよりも低融点の耐火材料からなる層を形成してなることを特徴とする耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズル。
(2)前記(1)に記載の内装体の表面に予め形成するAl2 O3 を含有する耐火材料からなる層は、Al2 O3 系、Al2 O3 −CaO系、Al2 O3 −SiO2 系、Al2 O3 含有アルカリ化合物、Al2 O3 含有珪酸化合物の1種、または2種以上からなることを特徴とする耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズル。
(3)ドロマイトクリンカーおよび/または耐火物に含まれる炭素濃度が10質量%以下であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズル。
(4)ドロマイトクリンカーおよび/または耐火物に含まれる酸化鉄、珪酸のいずれも3質量%以下であることを特徴とする前記(1)〜(2)記載の耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズルにある。
(4)ドロマイトクリンカーおよび/または耐火物に含まれる酸化鉄、珪酸のいずれも3質量%以下であることを特徴とする前記(1)〜(2)記載の耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズルにある。
以上述べたように、本発明による浸漬ノズルの内装体の表面に、Al2 O3 、またはAl2 O3 を含有する化合物、またはドロマイトクリンカーよりも低融点である耐火材料を塗布(コーティング)するので、予熱時、あるいは溶鋼の注湯開始直後に内装体の稼動面に融液層を形成するので、溶鋼が内装体の内表面に凝固・付着することが防止でき、これによる凝固・付着した溶鋼へのAl2 O3 介在物の付着を防止できる。また、Al2 O3 、またはAl2 O3 を含有する化合物を塗布する場合は、予熱時、あるいは溶鋼の注湯開始直後に内装体の稼動面に良好なMgOリッチ層を形成するので、鋳造初期から浸漬ノズルの対溶損性を高めることができ、ノズル寿命を向上できる。
さらに、鋳造の初期から溶鋼中のAlの酸化、あるいは脱酸生成物であるAl2 O3 介在物をドロマイトクリンカーに含まれるCaOとの反応により、低融点のCaO−Al2 O3 系介在物にして、ノズルへの付着や堆積を防止すると共に、稼動面での平滑化により鋳造初期の地金の付着をも防止することが出来、鋳造の安定化、鋳片品質の向上を図ることができる等の優れた効果を奏するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、ドロマイトクリンカーを配合した耐火物のCaOの含有量W1 質量%とMgOの含有量W2 の比であるW1 /W2 の値を0.33〜3.0とした。その理由は、W1 /W2 が0.33未満になると、溶鋼と接する稼動面側に供給されるCaO量が不足して十分なCaO−Al2 O3 系の低融点化合物による融液層が形成されず、稼動面にAl2 O3 介在物や地金の付着や堆積を招いたり、耐火物中のMgO濃度が過剰になって耐火物のスポーリング、割れなどが生じやすくなる。一方、W1 /W2 の値が、3.0を超えると、稼動面側に供給されるCaO量が過多になって、過剰なCaO−Al2 O3 系の低融点化合物の融液層が形成され、保護層となる融液層の背面に形成されるMgOリッチ層の形成が阻害されるために溶損が激しくなる。融液層の成分や溶損により脱落した耐火物の骨材が溶鋼中に混入し、鋳片の品質を阻害することになる。
本発明は、ドロマイトクリンカーを配合した耐火物のCaOの含有量W1 質量%とMgOの含有量W2 の比であるW1 /W2 の値を0.33〜3.0とした。その理由は、W1 /W2 が0.33未満になると、溶鋼と接する稼動面側に供給されるCaO量が不足して十分なCaO−Al2 O3 系の低融点化合物による融液層が形成されず、稼動面にAl2 O3 介在物や地金の付着や堆積を招いたり、耐火物中のMgO濃度が過剰になって耐火物のスポーリング、割れなどが生じやすくなる。一方、W1 /W2 の値が、3.0を超えると、稼動面側に供給されるCaO量が過多になって、過剰なCaO−Al2 O3 系の低融点化合物の融液層が形成され、保護層となる融液層の背面に形成されるMgOリッチ層の形成が阻害されるために溶損が激しくなる。融液層の成分や溶損により脱落した耐火物の骨材が溶鋼中に混入し、鋳片の品質を阻害することになる。
さらに、耐火物中に含まれるMgOの含有量を20〜70質量%含有させた理由は、耐火物中に含まれるMgO成分が20質量%未満になると、融液層の背面に形成されるMgOリッチ層の形成が悪くなり、浸漬ノズルの溶損が大きくなって寿命が低下する。一方、耐火物中に含まれるMgO成分が70質量%を超えると、稼動面に供給されるCaO量が不足してCaO−Al2 O3 系の低融点化合物の融液層の生成が悪くなり、溶鋼中のAlが酸化されて生成、あるいは脱酸生成物であるAl2 O3 介在物が稼動面に付着、堆積してノズル詰まりや閉塞を生じ、鋳造操業の不安定化、鋳片品質の悪化などを招く。この理由から耐火物中に含まれるMgO成分は、20〜70質量%、好ましくは25〜60質量%、さらに好ましくは25〜55質量%にすることが良い。
炭素濃度が10質量%以下からなる耐火物の内装体を内張りした理由は、耐火物の炭素濃度が10質量%を超えると、溶鋼中への炭素のピックアップや、溶鋼中の酸素による酸化、あるいは溶損が生じ易くなる。一方、タール、ピッチや結合剤であるフェノール樹脂などから最小限混入するため、より好ましくは0.5質量%以上必要であり、下限の炭素濃度を満たすことにより、耐火物の膨張収縮の吸収、耐スポーリング性の向上、割れの発生の防止を図ることが出来る。
また、ドロマイトクリンカーに不純物として含まれるSiO2 やFe2 O3 は、各3質量%以下にすることにより、ドロマイトクリンカー中に含まれるCaOを活性化して稼動面側への移動を容易にして稼動面にCaO−Al2 O3 系の低融点化合物の融液層を形成することが出来る。一方、不純物であるSiO2 やFe2 O3 の含有量がいずれか、あるいは両方の値が3質量%を超えると、ドロマイトクリンカーそのものが溶鋼熱を受けた際に、低融点のCaO−SiO2 −Fe2 O3 などの化合物を生成して低融点化し、稼動面におけるCaO−Al2 O3 系の低融点化合物も加わって、過剰に溶損し、浸漬ノズルの寿命が低下する。なお、下限においては、ドロマイトクリンカー中のCaOを活性化して、稼動面に逐次供給するため、各0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上が良い。
以下、本発明について図面に従って説明する。
図1は、本発明に係る内装体を装着した浸漬ノズルの断面図である。図1において、浸漬ノズル1は、アルミナグラファイト質からなる筒状体2からなり、底部3を塞ぎ、その上方に左右対称に吐出口4を有している。さらに、筒状体2の内部には、空間を配置するか、および/またはモルタル層を介して、ドロマイトクリンカーを配合し、かつ、その耐火物のCaOが35〜55質量%、MgOが30〜60質量%を含有する厚みが10〜25mmの内装体5が装着されており、この内装体5の表面にはドロマイトクリンカーよりも低融点の化合物が厚み0.5〜2mmの厚みでコーティング層6が形成される。このようにして、その内径D70mmのものを形成する。なお、この場合の吐出口における角度は下向き15度のものを用いた。
図1は、本発明に係る内装体を装着した浸漬ノズルの断面図である。図1において、浸漬ノズル1は、アルミナグラファイト質からなる筒状体2からなり、底部3を塞ぎ、その上方に左右対称に吐出口4を有している。さらに、筒状体2の内部には、空間を配置するか、および/またはモルタル層を介して、ドロマイトクリンカーを配合し、かつ、その耐火物のCaOが35〜55質量%、MgOが30〜60質量%を含有する厚みが10〜25mmの内装体5が装着されており、この内装体5の表面にはドロマイトクリンカーよりも低融点の化合物が厚み0.5〜2mmの厚みでコーティング層6が形成される。このようにして、その内径D70mmのものを形成する。なお、この場合の吐出口における角度は下向き15度のものを用いた。
図2は、本発明に係る浸漬ノズルを用いる連続鋳造装置の一部概略図である。この図に示すように、連続鋳造装置7は溶鋼8を図示しない取鍋から注湯して溜めるタンディッシュ9とタンディッシュ9の下部に取り付けられた浸漬ノズル1を設けている。そして、このような構成された浸漬ノズル1は、1000〜1200℃の温度で予熱され、その直後に、タンディッシュ9に設けられたスライディングノズル装置(図示せず)の下に取り付けられる。
そして、タンディッシュ9から1530〜1570℃の溶鋼がスライディングノズルを開操作することにより、溶鋼の注湯が開始され、溶鋼が浸漬ノズル1の筒状体2のコーティング層6を加熱しながら、流下して吐出口4から鋳型10内に流出する。鋳型10内では、通常の連続鋳造と同様に、鋳型10による溶鋼8の冷却と、その下方に配置された鋳片の支持セグメントに布設した二次冷却水ノズルからの散水による冷却により、溶鋼8を凝固させて凝固シェル11を形成しながら鋳片12として連続して引き抜きが行われる。符号13はパウダーを示す。ここで、筒状体2のコーティング層6は、予熱時、あるいは溶鋼の熱により軟化、溶融してドロマイト耐火物の表面に低融点化合物の溶融による融液層を形成し、この融液層の背面にMgOリッチ層を予め形成することもでき、稼動面の耐溶損性を良好にすることができる。
さらに、溶鋼中のAl2 O3 介在物とドロマイト耐火物中のCaO成分との反応による融液の生成と、その背面により、好ましいMgOリッチ層を形成することができ、Al2 O3 介在物を溶鋼流により洗い流し、Al2 O3 介在物に起因するノズル詰まりや閉塞を防止でき、吐出口4からの溶鋼流の偏流が抑制され、湯面の変動によるパウダーの巻き込みの抑制、介在物や気泡の鋳片の深部への侵入の抑制による鋳片品質の向上、さらには、高速鋳造が可能になる。また、浸漬ノズル1の内装体5に、タール含浸を施したり、内装体5の表面に、無水ガラス質、珪酸ソーダなど一般に使用されている酸化防止剤を塗布しておき、予熱時における内装体5の酸化防止とを同時に図ることも出来る。
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
図3は、従来例および比較例と本発明とのノズル詰まり指数とノズル溶損指数との関係を示す図である。この図に示す従来例1は、アルミナ・グラファイト質の耐火物(AG)からなる浸漬ノズルを用いたもの、および、外筒をアルミナ・グラファイト質の耐火物(AG)で、その内部に炭素および珪酸成分を1質量%以下にしたアルミナ質の炭素レス(Cレス)からなる内装耐を装着したものを従来例2とし、外筒をアルミナ・グラファイト質の耐火物(AG)とし、その内部にドロマイトクリンカーを含有する内装体のみを配置した場合を、比較例として溶鋼の注湯を行った。この時のノズル詰まり指数を示したものである。図3に示すように、従来例1および従来例2では、浸漬ノズルの内装体の溶損を抑制できているが、しかし、Al2 O3 系介在物が付着し、ノズル詰まり指数が0.7〜1.0と悪くなり、安定した鋳造が阻害された。
図3は、従来例および比較例と本発明とのノズル詰まり指数とノズル溶損指数との関係を示す図である。この図に示す従来例1は、アルミナ・グラファイト質の耐火物(AG)からなる浸漬ノズルを用いたもの、および、外筒をアルミナ・グラファイト質の耐火物(AG)で、その内部に炭素および珪酸成分を1質量%以下にしたアルミナ質の炭素レス(Cレス)からなる内装耐を装着したものを従来例2とし、外筒をアルミナ・グラファイト質の耐火物(AG)とし、その内部にドロマイトクリンカーを含有する内装体のみを配置した場合を、比較例として溶鋼の注湯を行った。この時のノズル詰まり指数を示したものである。図3に示すように、従来例1および従来例2では、浸漬ノズルの内装体の溶損を抑制できているが、しかし、Al2 O3 系介在物が付着し、ノズル詰まり指数が0.7〜1.0と悪くなり、安定した鋳造が阻害された。
図4は、従来例および比較例と本発明との品質欠陥発生指数との関係を示す図である。この図に示すように、従来例1および従来例2では、鋳片の品質欠陥発生指数が0.8〜1.0と高くなり、悪い結果であった。さらに、ドロマイト質の内装体のみの比較例の場合では、Al2 O3 系の介在物の付着によるノズル詰まり指数は改善できるが、溶損指数が0.6とかなり大きくなり、品質欠陥発生指数も0.3となった。これに対し、本発明の外筒をアルミナ・グラファイト質の耐火物(AG)とし、その内部にドロマイトクリンカーを含有する内装体のみを配置し、その表面に低融点化合物として、Al2 O3 を含有するコーティング層を形成した場合では、Al2 O3 系の介在物の付着、およびノズル溶損指数が極端に低減され、鋳片の品質欠陥発生指数も0.1と良好な結果が得られたことが分かる。
1 浸漬ノズル
2 筒状体
3 底部
4 吐出口
5 内装体
6 コーティング層
7 連続鋳造装置
8 溶鋼
9 タンディッシュ
10 鋳型
11 凝固シェル
12 鋳片
13 パウダー
特許出願人 新日本製鐵株式会社 他1名
代理人 弁理士 椎 名 彊 他1
2 筒状体
3 底部
4 吐出口
5 内装体
6 コーティング層
7 連続鋳造装置
8 溶鋼
9 タンディッシュ
10 鋳型
11 凝固シェル
12 鋳片
13 パウダー
特許出願人 新日本製鐵株式会社 他1名
代理人 弁理士 椎 名 彊 他1
Claims (4)
- ドロマイトクリンカーを使用した内装体であって、MgOを20〜70質量%含有し、該内装体に含有するCaOの含有量W1 質量%と前記MgOの含有量W2 の比であるW1 /W2 が0.33〜3.0であり、炭素濃度が10質量%以下である耐火物層を内張りし、さらに、前記内装体の表面にAl2 O3 を含有する耐火材料、あるいはドロマイトクリンカーよりも低融点の耐火材料からなる層を形成してなることを特徴とする耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズル。
- 請求項1に記載の内装体の表面に予め形成するAl2 O3 を含有する耐火材料からなる層は、Al2 O3 系、Al2 O3 −CaO系、Al2 O3 −SiO2 系、Al2 O3 含有アルカリ化合物、Al2 O3 含有珪酸化合物の1種、または2種以上からなることを特徴とする耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズル。
- ドロマイトクリンカーおよび/または耐火物に含まれる炭素濃度が10質量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズル。
- ドロマイトクリンカーおよび/または耐火物に含まれる酸化鉄、珪酸のいずれも3質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3記載の耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズル。
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JP2004083880A JP2005270986A (ja) | 2004-03-23 | 2004-03-23 | 耐溶損性に優れた連続鋳造用浸漬ノズル |
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Date | Code | Title | Description |
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